JPS6327420B2 - - Google Patents
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- JPS6327420B2 JPS6327420B2 JP1976085A JP1976085A JPS6327420B2 JP S6327420 B2 JPS6327420 B2 JP S6327420B2 JP 1976085 A JP1976085 A JP 1976085A JP 1976085 A JP1976085 A JP 1976085A JP S6327420 B2 JPS6327420 B2 JP S6327420B2
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Description
産業上の利用分野
この発明は磁気デイスク用アルミニウム合金に
関するものである。詳しくは電子計算機の記憶媒
体として使用されるメツキ型磁気デイスク用アル
ミニウム合金に関するものである。 従来技術 磁気デイスクは一般にアルミニウム合金基板の
表面を精密研摩した後に磁性体薄膜を被覆させた
ものであり、この磁性体被膜を磁化させることに
より信号を記録する。 磁気デイスク用基板には以下のような特性が要
求される。 (1) 精密研摩あるいは切削後の表面精度が良好な
こと。 (2) 基板表面に被覆される磁性体薄膜の欠陥の原
因となる突起や穴が少なく、かつ小さいこと。 (3) ある程度の機械的強度を有し、基板製作時の
機械加工、研摩使用時の高速回転等にも耐え得
ること。 (4) 軽量、非磁性であり、ある程度の耐食性を有
すること。 従来このような特性を有する磁気デイスク用基
板としてAl―Mg―Mn―Cr系の5086合金が使用
されてきた。最近、磁気デイスクに対する高密度
化、大容量化等の要求が高まり、これに適したア
ルミニウム素材や磁性体薄膜の被覆法の開発が望
まれている。従来の5086合金の場合には、素材中
に5〜10μm程度の金属間化合物(Al―Fe、Al
―Fe―Si、Al―Mn、Al―Mn―Fe、Al―Si、
Mg―Si系等)が多数存在するため、機械加工や
研摩時にこれらの粗大な金属間化合物が基板より
脱落して穴となつたり、表面に突起として残留す
るため、研摩時に良好な表面状態が得られない。
そのため、磁性体薄膜を表面に被覆しても表面欠
陥部には磁性体が均一に被覆されず、記憶エラー
の原因となり、高密度磁気デイスク用基板として
は問題がある。 また、磁性体を基板表面に被覆する方法とし
て、これまでは塗付法が主体であつたが、近年、
メツキ法、スパツター法等が開発され、高密度磁
気デイスクへの適用が進められている。この場
合、従来の5086合金はメツキ性が悪く、メツキ用
高密度磁気デイスク材としての適用には問題があ
る。 発明が解決しようとする問題点 この発明は従来磁気デイスク用基板として使用
されている5086合金の上記問題点を解決し、メツ
キ性、特にNi―Pメツキ性とメツキ層の密着性
にすぐれたる磁気デイスク用アルミニウム合金を
提供するものである。 問題点を解決するための手段 本発明はメツキ性、特にNi―Pメツキ性とメ
ツキ層の密着性にすぐれた磁気デイスク用アルミ
ニウム合金に関する。 一般にアルミニウム合金はその基本的性質がメ
ツキに適さない。例えば、アルミニウムは電気化
学的に活性で強固な酸化被膜が形成されること、
合金元素の添加量や分布状態によつてはアルミニ
ウムの表面が化学的および電気化学的に不均一に
なること、熱膨張係数が大きくメツキ層とアルミ
ニウム間に張力が作用し、欠陥の発生やメツキ層
のはく離を起こし易いこと等の問題がある。 メツキ型磁気デイスクにおいては、磁性体を形
成する以前に基板の平滑性をより向上させるた
め、基板上にNi―P系の中間層メツキを形成さ
せた後に再度研摩されるが、アルミニウム基板上
に直接メツキ処理する場合には、メツキ層の密着
性が悪い問題がある。良質なメツキを施すにはア
ルミニウム基板の前処理が必要であり、一般に亜
鉛置換法による亜鉛メツキが施され、その上に
Ni―P系の中間層がメツキで形成される。 従つて、メツキ型磁気デイスクの性能は下地処
理である亜鉛メツキ性およびNi―P中間層のメ
ツキ性に左右され、均一で無欠陥のNi―Pメツ
キと密着性にすぐれた亜鉛メツキを行う必要があ
り、基板となるアルミニウム素材についても、メ
ツキ性を考慮して合金組成や最適製造法を検討す
る必要がある。 この発明は、上記の目的に沿つたNi―Pおよ
び亜鉛メツキ性にすぐれた磁気デイスク用合金を
提供するものであり、その要旨とするところは以
下のとおりである。 (1) Mg2〜5%、Zn0.2〜2.9%、Cu0.05〜0.29%
を含み、残りアルミニウムと不純物よりなり、
不純物としてのFe,SiがFe<0.40%、Si<0.25
%であるアルミニウム合金。 (2) Mg2〜5%、Zn0.2〜2.9%、Cu0.05〜0.29%
を含み、さらにMn0.05〜0.5%、Cr0.05〜0.25
%、Zr0.05〜0.25%のうちの1種または2種以
上を含み、残りアルミニウムと不純物よりなり
不純物としてのFe,SiがFe<0.40%、Si<0.25
%であるアルミニウム合金。 (3) 上記(1)(2)のアルミニウム合金にBe0.1〜
50ppmを含むアルミニウム合金。 成分添加の意義とその限定理由は以下のとおり
である。 Mg:Mgの添加は強度を向上させ、磁気デイス
ク材としての必要強度を付与するものであ
る。2%未満ではこの効果が不十分であり、
磁気デイスク材の切削や研摩時の加工性が低
下する。5%を超えると熱間圧延性が低下す
る。従つてMg添加量は2〜5%とする。 Zn:Znの添加はアルミニウム表面の酸化膜を弱
くし、前処理酸洗により適度な粗さを基板に
付与してメツキ層の密着性の向上に寄与する
ばかりでなく、ジンケート層を基板全面に均
一に付着させ、その後のNi―Pメツキ層の
密着性や欠陥の防止に有効である。0.2%未
満ではこの効果が十分でなく、2.9%を超え
ると熱間加工性が低下する。従つてZn添加
量は0.2〜2.9%とする。 Cu:CuはZnと同じ効果を合金に付与するが、特
にメツキ層の密着性を向上させる。0.05%未
満ではこの効果が不十分であり、0.29%を超
えると熱間加工性を低下させる。従つてCu
量は0.05〜0.29%とする。 Mn:Mnは均質化処理時に微細な金属間化合物
として析出し、再結晶粒を微細化する作用が
あり、基板の研摩面の仕上り性やNi―Pメ
ツキ層の層状構造を安定化させ、密着性の向
上等に有効である。0.05%未満ではこの効果
が不十分であり、0.5%を超えると巨大な金
属間化合物が晶出するので好ましくない。従
つてMn添加量は0.05〜0.5%とする。 Cr:CrもMnと同様な効果があり、結晶粒の微細
化に有効である。添加量が、0.05%未満の場
合にはこの効果が不十分であり、0.25%を超
えると巨大な金属間化合物を晶出するので好
ましくない。従つてCr添加量は0.05〜0.25%
とする。 Zr:ZrもMnやCrと同様に結晶粒の微細化に有効
である。添加量が0.05%未満の場合にはこの
効果が不十分であり、0.25%を超えると巨大
な金属間化合物が晶出するので好ましくな
い。従つてCr添加量は0.05〜0.25%とする。 Be:BeはAl―Mg系合金の酸化防止や熱間加工
性の向上に有効である。0.1ppm未満ではこ
の効果が不十分であり50ppmを超えると毒性
の点で問題があり、添加量は0.1〜50ppmと
する。 Fe,Si:FeやSiはアルミニウム中にほとんど固
溶せず、金属間化合物として析出するが、
Fe,Si量が多い場合には、Al―Fe系、Al―
Fe―Si系等の粗大な金属間化合物が多数存
在し、品質上問題となるため、不純物元素と
してのFe,Si量はFe<0.40%、Si<0.25%と
する。 本発明における亜鉛メツキ法は、例えば、
NaOH300gr./l、ZnO80gr./lを溶解した15
〜25℃の水溶液中に数秒〜数分間浸漬することに
より基板表面に亜鉛を析出させる方法で行われ
る。 また、Ni―Pメツキ法は次亜リン酸を還元剤
とする無電解Ni―Pメツキ法であり、通常80〜
90℃で2〜4hr処理することにより15〜30μmの
メツキ層が形成される。 Ni―Pメツキ後の皮膜には欠陥がないこと、
密着性が良いこと等が必要とされるが、アルミニ
ウム基板中に巨大な介在物が存在したりジンケー
トの不良部が存在すると、Ni―Pメツキ後にも
その欠陥が存在し、またジンケートの密着性が悪
いとNi―Pメツキ皮膜の密着性が低下する。 この発明は、ZnやCuを添加することにより表
面酸化皮膜を弱くしてジンケートの密着性を向上
させることにより、Ni―Pメツキ皮膜の密着性
の向上と欠陥の防止をはかろうとするものであ
る。さらにMn,Cr,Zn等の選択成分を添加する
ことにより結晶粒を微細化し、Ni―Pメツキ層
の均一化や密着性の向上をはかろうとするもので
ある。 実施例 実施例 1 表1に示す化学成分を有する100mm厚の鋳塊を
製作した。表中Tiは不純物である。この鋳塊を
500℃で16hrの均質化処理後に480℃で熱間圧延
し、板厚6mmに圧延した。熱間圧延板を約66%冷
間圧延して2mm板とし、その後230℃×2hr焼鈍し
て半硬材とした。 この素材について荒切削、歪取り焼鈍(380℃
×2hr)し、ダイヤモンド切削により鏡面仕上し
た。ついで亜鉛メツキを下地処理として行つた後
にNi―Pメツキを行い諸性能を評価した。表2
にはその結果をしめす。 なお亜鉛メツキはNaOH300gr/l、
ZnO80gr/lを溶解した20℃の水溶液中に30秒浸
漬することにより実施し、Ni―Pメツキは市販
の無電解Ni―Pメツキ液(90℃)に3hr浸漬して
実施した。 No.7はZn,Cu量が低いためメツキ性に問題。 No.8は強度が低く、ダイヤモンド切削による仕
上加工が困難。 No.9はZn量が低いためメツキ性に問題。 No.10はZn,Cu量が高く、熱間圧延性に問題。 No.11はCu量が低いため、メツキ層の密着性に
問題。
関するものである。詳しくは電子計算機の記憶媒
体として使用されるメツキ型磁気デイスク用アル
ミニウム合金に関するものである。 従来技術 磁気デイスクは一般にアルミニウム合金基板の
表面を精密研摩した後に磁性体薄膜を被覆させた
ものであり、この磁性体被膜を磁化させることに
より信号を記録する。 磁気デイスク用基板には以下のような特性が要
求される。 (1) 精密研摩あるいは切削後の表面精度が良好な
こと。 (2) 基板表面に被覆される磁性体薄膜の欠陥の原
因となる突起や穴が少なく、かつ小さいこと。 (3) ある程度の機械的強度を有し、基板製作時の
機械加工、研摩使用時の高速回転等にも耐え得
ること。 (4) 軽量、非磁性であり、ある程度の耐食性を有
すること。 従来このような特性を有する磁気デイスク用基
板としてAl―Mg―Mn―Cr系の5086合金が使用
されてきた。最近、磁気デイスクに対する高密度
化、大容量化等の要求が高まり、これに適したア
ルミニウム素材や磁性体薄膜の被覆法の開発が望
まれている。従来の5086合金の場合には、素材中
に5〜10μm程度の金属間化合物(Al―Fe、Al
―Fe―Si、Al―Mn、Al―Mn―Fe、Al―Si、
Mg―Si系等)が多数存在するため、機械加工や
研摩時にこれらの粗大な金属間化合物が基板より
脱落して穴となつたり、表面に突起として残留す
るため、研摩時に良好な表面状態が得られない。
そのため、磁性体薄膜を表面に被覆しても表面欠
陥部には磁性体が均一に被覆されず、記憶エラー
の原因となり、高密度磁気デイスク用基板として
は問題がある。 また、磁性体を基板表面に被覆する方法とし
て、これまでは塗付法が主体であつたが、近年、
メツキ法、スパツター法等が開発され、高密度磁
気デイスクへの適用が進められている。この場
合、従来の5086合金はメツキ性が悪く、メツキ用
高密度磁気デイスク材としての適用には問題があ
る。 発明が解決しようとする問題点 この発明は従来磁気デイスク用基板として使用
されている5086合金の上記問題点を解決し、メツ
キ性、特にNi―Pメツキ性とメツキ層の密着性
にすぐれたる磁気デイスク用アルミニウム合金を
提供するものである。 問題点を解決するための手段 本発明はメツキ性、特にNi―Pメツキ性とメ
ツキ層の密着性にすぐれた磁気デイスク用アルミ
ニウム合金に関する。 一般にアルミニウム合金はその基本的性質がメ
ツキに適さない。例えば、アルミニウムは電気化
学的に活性で強固な酸化被膜が形成されること、
合金元素の添加量や分布状態によつてはアルミニ
ウムの表面が化学的および電気化学的に不均一に
なること、熱膨張係数が大きくメツキ層とアルミ
ニウム間に張力が作用し、欠陥の発生やメツキ層
のはく離を起こし易いこと等の問題がある。 メツキ型磁気デイスクにおいては、磁性体を形
成する以前に基板の平滑性をより向上させるた
め、基板上にNi―P系の中間層メツキを形成さ
せた後に再度研摩されるが、アルミニウム基板上
に直接メツキ処理する場合には、メツキ層の密着
性が悪い問題がある。良質なメツキを施すにはア
ルミニウム基板の前処理が必要であり、一般に亜
鉛置換法による亜鉛メツキが施され、その上に
Ni―P系の中間層がメツキで形成される。 従つて、メツキ型磁気デイスクの性能は下地処
理である亜鉛メツキ性およびNi―P中間層のメ
ツキ性に左右され、均一で無欠陥のNi―Pメツ
キと密着性にすぐれた亜鉛メツキを行う必要があ
り、基板となるアルミニウム素材についても、メ
ツキ性を考慮して合金組成や最適製造法を検討す
る必要がある。 この発明は、上記の目的に沿つたNi―Pおよ
び亜鉛メツキ性にすぐれた磁気デイスク用合金を
提供するものであり、その要旨とするところは以
下のとおりである。 (1) Mg2〜5%、Zn0.2〜2.9%、Cu0.05〜0.29%
を含み、残りアルミニウムと不純物よりなり、
不純物としてのFe,SiがFe<0.40%、Si<0.25
%であるアルミニウム合金。 (2) Mg2〜5%、Zn0.2〜2.9%、Cu0.05〜0.29%
を含み、さらにMn0.05〜0.5%、Cr0.05〜0.25
%、Zr0.05〜0.25%のうちの1種または2種以
上を含み、残りアルミニウムと不純物よりなり
不純物としてのFe,SiがFe<0.40%、Si<0.25
%であるアルミニウム合金。 (3) 上記(1)(2)のアルミニウム合金にBe0.1〜
50ppmを含むアルミニウム合金。 成分添加の意義とその限定理由は以下のとおり
である。 Mg:Mgの添加は強度を向上させ、磁気デイス
ク材としての必要強度を付与するものであ
る。2%未満ではこの効果が不十分であり、
磁気デイスク材の切削や研摩時の加工性が低
下する。5%を超えると熱間圧延性が低下す
る。従つてMg添加量は2〜5%とする。 Zn:Znの添加はアルミニウム表面の酸化膜を弱
くし、前処理酸洗により適度な粗さを基板に
付与してメツキ層の密着性の向上に寄与する
ばかりでなく、ジンケート層を基板全面に均
一に付着させ、その後のNi―Pメツキ層の
密着性や欠陥の防止に有効である。0.2%未
満ではこの効果が十分でなく、2.9%を超え
ると熱間加工性が低下する。従つてZn添加
量は0.2〜2.9%とする。 Cu:CuはZnと同じ効果を合金に付与するが、特
にメツキ層の密着性を向上させる。0.05%未
満ではこの効果が不十分であり、0.29%を超
えると熱間加工性を低下させる。従つてCu
量は0.05〜0.29%とする。 Mn:Mnは均質化処理時に微細な金属間化合物
として析出し、再結晶粒を微細化する作用が
あり、基板の研摩面の仕上り性やNi―Pメ
ツキ層の層状構造を安定化させ、密着性の向
上等に有効である。0.05%未満ではこの効果
が不十分であり、0.5%を超えると巨大な金
属間化合物が晶出するので好ましくない。従
つてMn添加量は0.05〜0.5%とする。 Cr:CrもMnと同様な効果があり、結晶粒の微細
化に有効である。添加量が、0.05%未満の場
合にはこの効果が不十分であり、0.25%を超
えると巨大な金属間化合物を晶出するので好
ましくない。従つてCr添加量は0.05〜0.25%
とする。 Zr:ZrもMnやCrと同様に結晶粒の微細化に有効
である。添加量が0.05%未満の場合にはこの
効果が不十分であり、0.25%を超えると巨大
な金属間化合物が晶出するので好ましくな
い。従つてCr添加量は0.05〜0.25%とする。 Be:BeはAl―Mg系合金の酸化防止や熱間加工
性の向上に有効である。0.1ppm未満ではこ
の効果が不十分であり50ppmを超えると毒性
の点で問題があり、添加量は0.1〜50ppmと
する。 Fe,Si:FeやSiはアルミニウム中にほとんど固
溶せず、金属間化合物として析出するが、
Fe,Si量が多い場合には、Al―Fe系、Al―
Fe―Si系等の粗大な金属間化合物が多数存
在し、品質上問題となるため、不純物元素と
してのFe,Si量はFe<0.40%、Si<0.25%と
する。 本発明における亜鉛メツキ法は、例えば、
NaOH300gr./l、ZnO80gr./lを溶解した15
〜25℃の水溶液中に数秒〜数分間浸漬することに
より基板表面に亜鉛を析出させる方法で行われ
る。 また、Ni―Pメツキ法は次亜リン酸を還元剤
とする無電解Ni―Pメツキ法であり、通常80〜
90℃で2〜4hr処理することにより15〜30μmの
メツキ層が形成される。 Ni―Pメツキ後の皮膜には欠陥がないこと、
密着性が良いこと等が必要とされるが、アルミニ
ウム基板中に巨大な介在物が存在したりジンケー
トの不良部が存在すると、Ni―Pメツキ後にも
その欠陥が存在し、またジンケートの密着性が悪
いとNi―Pメツキ皮膜の密着性が低下する。 この発明は、ZnやCuを添加することにより表
面酸化皮膜を弱くしてジンケートの密着性を向上
させることにより、Ni―Pメツキ皮膜の密着性
の向上と欠陥の防止をはかろうとするものであ
る。さらにMn,Cr,Zn等の選択成分を添加する
ことにより結晶粒を微細化し、Ni―Pメツキ層
の均一化や密着性の向上をはかろうとするもので
ある。 実施例 実施例 1 表1に示す化学成分を有する100mm厚の鋳塊を
製作した。表中Tiは不純物である。この鋳塊を
500℃で16hrの均質化処理後に480℃で熱間圧延
し、板厚6mmに圧延した。熱間圧延板を約66%冷
間圧延して2mm板とし、その後230℃×2hr焼鈍し
て半硬材とした。 この素材について荒切削、歪取り焼鈍(380℃
×2hr)し、ダイヤモンド切削により鏡面仕上し
た。ついで亜鉛メツキを下地処理として行つた後
にNi―Pメツキを行い諸性能を評価した。表2
にはその結果をしめす。 なお亜鉛メツキはNaOH300gr/l、
ZnO80gr/lを溶解した20℃の水溶液中に30秒浸
漬することにより実施し、Ni―Pメツキは市販
の無電解Ni―Pメツキ液(90℃)に3hr浸漬して
実施した。 No.7はZn,Cu量が低いためメツキ性に問題。 No.8は強度が低く、ダイヤモンド切削による仕
上加工が困難。 No.9はZn量が低いためメツキ性に問題。 No.10はZn,Cu量が高く、熱間圧延性に問題。 No.11はCu量が低いため、メツキ層の密着性に
問題。
【表】
【表】
実施例 2
表3に示した化学成分を有する100mm厚の鋳塊
を製作した。表中Tiは不純物である。実施例1
と同じ方法で板厚2mmの半硬材とした。 この材料について荒切削、歪取り焼鈍(390℃
×2hr)後に、ダイヤモンド切削により鏡面仕上
した。ついで実施例1と同じ条件で亜鉛メツキを
下地処理として行つた後にNi―Pメツキを行つ
た場合の諸特性を表4に示す。 実施例1〜8は良好な性能を有している。 No.9はCu量が低く、メツキの均一性や密着性
に劣る。 No.10はZn量低くメツキの均一性や密着性が悪
い。また不純物Fe量多くメツキ欠陥も多い。 No.11,12は巨大な金属間化合物が存在するため
欠陥が多い。 No.13はFe,Si等の不純物が多く、メツキの均
一性、密着性、欠陥等の問題がある。
を製作した。表中Tiは不純物である。実施例1
と同じ方法で板厚2mmの半硬材とした。 この材料について荒切削、歪取り焼鈍(390℃
×2hr)後に、ダイヤモンド切削により鏡面仕上
した。ついで実施例1と同じ条件で亜鉛メツキを
下地処理として行つた後にNi―Pメツキを行つ
た場合の諸特性を表4に示す。 実施例1〜8は良好な性能を有している。 No.9はCu量が低く、メツキの均一性や密着性
に劣る。 No.10はZn量低くメツキの均一性や密着性が悪
い。また不純物Fe量多くメツキ欠陥も多い。 No.11,12は巨大な金属間化合物が存在するため
欠陥が多い。 No.13はFe,Si等の不純物が多く、メツキの均
一性、密着性、欠陥等の問題がある。
【表】
【表】
【表】
はく離無の場合を良、はく離有の場合を不良
と判定。
(注2) 実施例1と判定基準は同じ。
発明の効果 この発明のアルミニウム合金によれば、メツキ
面は均一でかつ欠陥がなく、メツキ層の密着性も
良好なすぐれたメツキ型磁気デイスク用基板が得
られる。
と判定。
(注2) 実施例1と判定基準は同じ。
発明の効果 この発明のアルミニウム合金によれば、メツキ
面は均一でかつ欠陥がなく、メツキ層の密着性も
良好なすぐれたメツキ型磁気デイスク用基板が得
られる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Mg2〜5%,Zn0.2〜2.9%,Cu0.05〜0.29%
を含み、残りアルミニウムと不純物よりなり、不
純物してのFe,SiがFe<0.40%,Si<0.25%であ
ることを特徴とするメツキ性とメツキ層の密着性
にすぐれた磁気デイスク用アルミニウム合金。 2 Mg2〜5%,Zn0.2〜2.9%,Cu0.05〜0.29
%,Be0.1〜50ppmを含み、残りアルミニウムと
不純物よりなり、不純物としてのFe,SiがFe<
0.40%,Si<0.25%であることを特徴とするメツ
キ性にすぐれた磁気デイスク用アルミニウム合
金。 3 Mg2〜5%,Zn0.2〜2.9%,Cu0.05〜0.29%
を含み、さらにMn0.05〜0.5%,Cr0.05〜0.25%,
Zr0.05〜0.25%のうちの1種または2種以上を含
み、残りアルミニウムと不純物よりなり、不純物
としてのFe,SiがFe<0.40%,Si<0.25%である
ことを特徴とするメツキ性にすぐれた磁気デイス
ク用アルミニウム合金。 4 Mg2〜5%,Zn0.2〜2.9%,Cu0.05〜0.29
%,Be0.1〜50ppmを含み、さらにMn0.05〜0.5
%,Cr0.05〜0.25%,Zr0.05〜0.25%のうちの1
種または2種以上を含み、残りアルミニウムと不
純物よりなり、不純物としてのFe,SiがFe<
0.40%,Si<0.25%であることを特徴とするメツ
キ性にすぐれた磁気デイスク用アルミニウム合
金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1976085A JPS61179843A (ja) | 1985-02-04 | 1985-02-04 | メツキ性にすぐれた磁気デイスク用アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1976085A JPS61179843A (ja) | 1985-02-04 | 1985-02-04 | メツキ性にすぐれた磁気デイスク用アルミニウム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61179843A JPS61179843A (ja) | 1986-08-12 |
JPS6327420B2 true JPS6327420B2 (ja) | 1988-06-02 |
Family
ID=12008292
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1976085A Granted JPS61179843A (ja) | 1985-02-04 | 1985-02-04 | メツキ性にすぐれた磁気デイスク用アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61179843A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62133038A (ja) * | 1985-12-04 | 1987-06-16 | Showa Alum Corp | 鏡面切削性に優れたアルミニウム合金 |
JPH02111839A (ja) * | 1988-10-18 | 1990-04-24 | Kobe Steel Ltd | 優れたメッキ性を有するディスク用アルミニウム合金板とその製造方法 |
US5244516A (en) * | 1988-10-18 | 1993-09-14 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Aluminum alloy plate for discs with improved platability and process for producing the same |
JPH081699B2 (ja) * | 1988-10-28 | 1996-01-10 | 株式会社神戸製鋼所 | 磁気ディスク用A▲l▼合金鏡面基板の製造方法 |
JPH02170928A (ja) * | 1988-12-22 | 1990-07-02 | Furukawa Alum Co Ltd | 磁気ディスク基板用アルミニウム合金の製造方法 |
EP3848476A1 (de) * | 2020-01-07 | 2021-07-14 | AMAG rolling GmbH | Blech oder band aus einer aushärtbaren aluminiumlegierung, ein daraus gefertigtes fahrzeugteil, eine verwendung und ein verfahren zur herstellung des blechs oder bands |
-
1985
- 1985-02-04 JP JP1976085A patent/JPS61179843A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61179843A (ja) | 1986-08-12 |
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