JPH0689398B2 - 2相ステンレス鋼の製管方法 - Google Patents

2相ステンレス鋼の製管方法

Info

Publication number
JPH0689398B2
JPH0689398B2 JP1319947A JP31994789A JPH0689398B2 JP H0689398 B2 JPH0689398 B2 JP H0689398B2 JP 1319947 A JP1319947 A JP 1319947A JP 31994789 A JP31994789 A JP 31994789A JP H0689398 B2 JPH0689398 B2 JP H0689398B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
content
stainless steel
duplex stainless
billet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1319947A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03180427A (ja
Inventor
哲也 中西
邦夫 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP1319947A priority Critical patent/JPH0689398B2/ja
Publication of JPH03180427A publication Critical patent/JPH03180427A/ja
Publication of JPH0689398B2 publication Critical patent/JPH0689398B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2相ステンレス鋼を素材とするマンネスマンプ
ラグミル方式、或いはマンネスマンマンドレルミル方式
による継目無管の製管方法に関する。
〔従来の技術〕
2相ステンレス鋼管は耐食性,溶接性に優れる外、フェ
ライト系、或いはオーステナイト系ステンレス鋼に比べ
て優れた耐海水腐食性と高強度を有しているから、海底
フローラインのラインパイプ等として広く用いられてい
る。
しかし反面2相ステンレス鋼管はフェライト相とオース
テナイト相との2相組織からなるから、熱間加工性が悪
く、分塊圧延,熱間圧延,製管圧延時に割れ疵が発生
し、歩留りが悪いという問題があった。
この対策として熱間加工性を低下させる要因となってい
るSの含有量を低減し、またCa,REMを添加して固溶して
いるSを硫化物として固定し、粒界への偏析を抑える方
法(特開昭60−262946号公報)、或いは製管時に2相ス
テンレス鋼のビレット加熱温度をフェライト量が70%以
上となる温度域に設定し、製管加工する方法等がある
(特開昭59−80716号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前者の方法の如く、Ca,REMを添加する方法は確かに熱間
加工性を向上させるが、本来2相ステンレス鋼が持つ耐
食性を低下させることとなり、また後者の方法に依れば
たしかに管外面のウロコ状疵を解消出来るが、反面フェ
ライト量が多くなるため不均一変形に起因するリジング
現象が発生してしわ状外面疵が生じ、しかもこのしわ状
疵を抑制しようとするとウロコ状疵が発生するという問
題があった。
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、熱間
加工性,耐食性のいずれにも優れ、しかもウロコ状疵,
しわ状疵のない2相ステンレス鋼の製管方法を提供する
にある。
〔課題を解決するための手段〕 本発明に係る一の2相ステンレス鋼の製管方法は、重量
割合にて C:0.03%以下,Si:0.10〜2.0%, Mn:0.10〜2.0%,P:0.05%以下, S:0.002%以下,Cr:17.0〜30.0%, Ni:1.0〜11.0%,Mo:0.10〜6.0%, V:0.01〜0.50%,Al:0.01〜0.10%, N:0.10〜0.40%,O:0.0050%以下 を含み、且つ Ca:0.0005〜0.010%, Mg:0.0005〜0.010%, REM:0.0005〜0.010% の1種又は2種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純
物からなり、常温でのフェライト含有量が30〜70体積%
の2相ステンレス鋼製のビレットを、フェライト含有量
50〜70体積%の温度域に加熱し、傾斜圧延法にて製管す
ることを特徴とする。
また本発明に係る他の2相ステンレス鋼の製管方法は、
重合割合にて C:0.03%以下,Si:0.10〜2.0%, Mn:0.10〜2.0%,P:0.05%以下, S:0.002%以下,Cr:17.0〜30.0%, Ni:1.0〜11.0%,Mo:0.10〜6.0%, V:0.01〜0.50%,Al:0.01〜0.10%, N:0.10〜0.40%,O:0.0050%以下 を含み、且つ Cu:0.10〜2.0%, W:0.01〜1.50%, Ti:0.01〜0.50% Nb:0.01〜0.50% の1種又は2種以上を含み、 Ca:0.0005〜0.010%, Mg:0.0005〜0.010%, REM:0.0005〜0.010% の1種又は2種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純
物からなり、常温でのフェライト含有量が30〜70体積%
の2相ステンレス鋼製のビレットを、フェライト含有量
50〜70体積%の温度域に加熱し、傾斜圧延法にて製管す
ることを特徴とする。
〔作用〕
本発明におけるビレットを構成する2相ステンレス鋼の
各成分含有割合、並びにフェライト含有量割合を前記の
如くに限定した理由は次の通りである。
A)成分含有割合 C Cは鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、その含有
量が0.03%を超えた場合には特に溶接熱影響部に炭化物
が析出して耐食性の低下を招くことから、C含有量は0.
03%以下と定めた。
Si 十分な耐食性を確保するためにはO含有量の低減が欠か
せず、そのため脱酸を目的としたSiの添加が必須とな
る。この場合、Si含有量が0.01%未満では十分な脱酸効
果が得られず、一方、2.0%を超えて含有させると脆化
を招くことから、Si含有量は0.10〜2.0%と定めた。
Mn Mnは鋼の脱酸と脱硫のために添加される成分であるが、
その含有量が0.10%未満では脱酸・脱硫の効果が少な
く、一方、2.0%を超えて含有させると耐食性に悪影響
を及ぼすことから、Mn含有量は0.10〜2.0%と定めた。
P Pは鋼に不可避的に含有されて熱間加工性と耐食性を劣
化させる不純物元素であるので、その含有量は出来るだ
け低いことが好ましいが、脱燐コストとの兼ね合いでP
含有量は0.05%以下と定めた。
S Sも鋼に不可避的に含有される不純物であり、2相ステ
ンレス鋼の熱間加工性に最も大きく影響する元素である
ため、その含有量は少なければ少ないほど好ましい。そ
して、十分に満足できる熱間加工性を確保するためには
0.002%以下のレベルにまでSを低減する必要があるこ
とから、S含有量の上限を0.002%と定めた。
Cr Crは2相ステンレス鋼の基本成分の1つであり、耐食性
を支配する重要な成分である。そして、オーステナイト
・フェライトの2相組織を呈せしめるには17.0%以上の
Cr含有量が必要であるが、その含有量が30.0%を超える
とσ相が析出し易くなって耐食性と靭性を劣化するよう
になることから、Cr含有量は17.0〜30.0%と定めた。
Ni Niは2相組織を得るためにCr含有量,Mo含有量並びにN
含有量との兼ね合いで添加される成分であるが、Ni含有
量が1.0%未満であるとフェライト相が主体となって2
相組織が得られない。一方、11.0%を超えてNiを含有さ
せると、オーステナイトを主体とする相となって2相組
織が得られないばかりか、高価な元素であることから経
済的な不利を招くことにもなる。従って、Ni含有量は1.
0〜11.0%と定めた。
Mo Mo成分には鋼の耐食性を向上させる作用があるが、その
含有量が0.10%未満では前記作用による所望の効果が得
られず、一方、6.0%を超えて含有させるとσ相の析出
を著しく促進することから、Mo含有量は1.0〜6.0%と定
めた。
V V成分にはCr,Mo及びCuと共に適量添加することで耐孔
食性を向上させる作用があるが、その含有量が0.01%未
満では所望の効果が得られず、一方、0.50%を超えて含
有させると熱間加工性の劣化を招くことから、V含有量
は0.01〜0.50%と定めた。
Al Alも脱酸剤として不可欠な成分であり、十分な耐食性を
確保するためにはAlの脱酸作用をも利用したO量の低減
が欠かせない。しかし、その含有量が0.01%未満では所
望の脱酸効果が得られず、一方、0.10%を超えて含有さ
せるとAlNが析出して耐食性の低下を招くようになるこ
とから、Al含有量は0.01〜0.04%と定めた。
N Nは2相組織を形成するのに重要な成分であり、耐食性
の向上にも有効であるが、N含有量が0.10%未満では上
記効果が乏しく、一方、0.40%を超えて含有させると熱
間加工性が低下する上、鋳造時にブローホールができ易
くなることから、N含有量は0.10〜0.40%と限定した。
O OはCaやREM等と化合物を作り易く、容易に酸化物系の
介在物となって耐食性を低下させる好ましくない不純物
元素であって、所望の耐食性を確保するためにはその含
有量を0.0050%以下に低減する必要がある。そして、耐
食性の向上のためにはO含有量は低いほど良く、望まし
くは0.0030%以下にまで低減することが好ましい。
Ca,Mg,及びREM(希土類元素) CaやMg、或いはLa,Ce等のREMは何れも鋼中で硫化物を生
成してSを固定し、鋼の熱間加工性を向上させる作用を
有しているのでこれらのうちの1種又は2種以上の添加
が必須であるが、何れも含有量が0.0005%未満では前記
作用による所望の効果が得られず、一方、0.010%を超
えて含有させても上記効果が飽和してしまうことから、
Ca,Mg又はREMの含有量はそれぞれ0.0005〜0.010%と定
めた。
Cu,W,Ti,及びNb これらの成分は何れも耐食性を改善する作用があるの
で、必要によりこれらのうちの1種又は2種以上の添加
がなされるが、以下、個々の成分毎にその含有量範囲を
限定した理由を説明する。
a)Cu Cu成分には鋼の耐酸性を向上させる作用があるが、その
含有量が0.10%未満では所望の効果が得られず、一方、
2.0%を超えて含有させると熱間加工性を大きく低下す
るようになることから、Cu含有量は0.10〜2.0%と定め
た。
b)W WにはCr,Moと共に適量添加すると耐局部腐食性の向上
が図れるが、その含有量が0.01%未満では上記作用によ
る所望の効果が確保できず、一方、1.50%を超えて含有
させると熱間加工性の低下を招くようになることから、
W含有量は0.01〜1.50%と定めた。
c)Ti,及びNb これらの元素は鋼中で安定な炭化物を生成して耐食性の
向上に寄与するが、何れも0.01%未満では十分な効果が
得られず、一方、何れも0.50%を超えて含有させても上
記効果が飽和してしまうことから、Ti含有量並びにNb含
有量は0.01〜0.50%と定めた。
〔実施例〕
以下本発明に係る2相ステンレス鋼の製管方法につき図
面に基づき具体的に説明する。
第1図は本発明に係る製管方法の主要工程を示すフロー
チャートであり、2相ステンレス鋼のビレットを製造し
(ステップS1)、このビレットをフェライト量が50〜70
%となる温度域にて加熱し(ステップS2)、この加熱し
たビレットを用いてピアサーと称される傾斜ロール式圧
延機とその後続の延伸圧延機であるマンドレルミル,プ
ラグミル,アッセルミル,ピルガーミル等と定径圧延機
であるレデューサー又はサイザー等にて仕上げるマンネ
スマン製管方式により継目無管を製造する(ステップS
3)。
以下各工程について具体的に説明する。
1)2相ステンレス鋼製ビレット 使用材料たる2相ステンレス鋼製ビレットは下記i),i
i)の如き成分組成であって、常温下でのフェライト含
有量が30〜70体積%となるよう分塊,熱間圧延法によ
り、或いは連続鋳造法により製作される。
i)重合割合にて C:0.03%以下,Si:0.10〜2.0%, Mn:0.10〜2.0%,P:0.05%以下, S:0.002%以下,Cr:17.0〜30.0%, Ni:1.0〜11.0%,Mo:0.10〜6.0%, V:0.01〜0.50%,Al:0.01〜0.10%, N:0.10〜0.40%,O:0.0050%以下 を含み、且つ Ca:0.0005〜0.010%, Mg:0.0005〜0.010%, REM:0.0005〜0.010% のうちの1種又は2種以上を含み、残部がFe及び不可避
的不純物からなる。
ii)重合割合にて C:0.03%以下,Si:0.10〜2.0%, Mn:0.10〜2.0%,P:0.05%以下, S:0.002%以下,Cr:17.0〜30.0%, Ni:1.0〜11.0%,Mo:0.10〜6.0%, V:0.01〜0.50%,Al:0.01〜0.10%, N:0.10〜0.40%,O:0.0050%以下 を含み、且つ Cu:0.10〜2.0%, W:0.01〜1.50%, Ti:0.01〜0.50% Nb:0.01〜0.50% のうちの1種又は2種以上を含み、 Ca:0.0005〜0.010%, Mg:0.0005〜0.010%, REM:0.0005〜0.010% のうちの1種又は2種以上を含み、残部がFe及び不可避
的不純物からなる。
第2図は上述した本発明方法に用いる2相ステンレス鋼
製ビレットと、従来法に用いた2相ステンレス鋼製ビレ
ットとの高温延性絞り率(%)についての比較試験結果
を示すグラフであり、横軸に試験温度(℃)を、また縦
軸に高温延性絞り率(%)をとって示している。グラフ
中□印でプロットしたのは本発明方法に用いたビレット
についての、また▲印,■印でプロットしたのは従来方
法に用いたビレットについての各結果を示している。
このグラフから明らかな如く本発明方法に用いるビレッ
トは1000〜1150℃の範囲での高温延性絞り率が大幅に向
上し、しかも1150〜1300℃の範囲での高温延性絞り率も
何ら低下していないことが解る。
2)ビレットの加熱工程 上述した如き素材たる2相ステンレス鋼製ビレットは温
度が高くなるに従ってフェライト組織の含有量が多くな
り、含有量が70%を超えると製管後のしわ疵が大きくな
り、外面肌の手入れが必要な状態となる。
従ってフェライト含有量が30〜70体積%、望ましくは50
〜70体積%となる温度域、即ち成分の実際値により1150
〜1250℃の温度範囲に加熱する。
3)製管工程 製管法はピアサーと称される傾斜ロール式圧延機による
穿孔圧延とマンドレルミル,プラグミル,アッセルミ
ル,ピルガーミルによる延伸圧延を行い、レデューサ
ー,サイザーによる定径圧延を行うマンネスマン製管方
式を用いる。
例えばマンネスマン−マンドレルミル方式に依る場合
は、丸ビレットを加熱して穿孔圧延機にてホローシェル
を得た後、これをマンドレルミルにて延伸圧延し、必要
に応じて再加熱した後、ストレッチレデューサにて定径
し、継目無管を得る。
またマンネスマン−プラグミル方式に依る場合は、同じ
く丸ビレットを加熱して穿孔圧延機にてホローシェルを
得た後、エロンゲーターにて延伸圧延し、プラグミルに
て更に延伸し、リーラ,サイザーを経て継目無管を得
る。
これらの中での傾斜ロール式圧延法による製管過程、特
に穿孔,延伸圧延工程での傾斜ロールに対する冷却は次
の如くにして行う。
第3図はビレットに対する穿孔,延伸圧延の過程を示す
模式図であり、図中1,1はバレル型、又はコーン型の傾
斜ロール、2はプラグ、3,3はガイドシュを示してい
る。傾斜ロール1,1は夫々その軸長方向に中間部に直径
が最大となるゴージ部を備え、ビレット,ホローシェル
Hのパスラインの両側にあって、夫々所定の交叉角,傾
斜角に設定して配設され、図示しない駆動源にて夫々矢
符方向に回転駆動せしめられるようになっている。一方
プラグ2は図示しないマンドレルに支持されてビレッ
ト,ホローシェルHのパスセンター上に支持されてい
る。ガイドシュ3,3はビレット,ホローシェルHのパス
ライン周りに傾斜ロール1,1と交互に配設されている。
而してビレットは、パスラインに沿って傾斜ロール1,1
間に噛み込まれ、回転されつつ軸長方向に移送される、
所謂螺進移動せしめられ、軸中心部にプラグ2が貫入せ
しめられ、ホローシェルHが製造される。
各傾斜ロール1,1の外周にはロール冷却系を構成する夫
々ミストスプレーノズル11,11、ロール水切り系を構成
するエアースプレーノズル12,12及び耐熱ゴム製のワイ
パー13,13が配設されている。ミストスプレーノズル11,
11は傾斜ロール1,1の回転方向においてビレット,ホロ
ーシェルHのパスラインから離れた位置であって、ミス
トが直接ビレット及びホローシェルH表面に飛散付着し
ない位置を選定して設定してある。ミストスプレーノズ
ル11,11の水噴射量等は傾斜ロール1,1のロール径,ロー
ルバレル等に応じて設定される。
エアースプレーノズル12,12は傾斜ロール1,1の回転方向
において、ミストスプレーノズル11,11の設置位置と、
傾斜ロール1,1とビレット,ホローシェルHとの接触点
との中間部において傾斜ロール1,1の回転方向と反対側
方向に向けてエアーを噴射するように設定されている。
第3図はワイパー13の設置態様を示す模式図であり、ワ
イパー13,13は傾斜ロール1,1の回転方向において、エア
ースプレーノズル12,12の設置位置と、傾斜ロール1と
ビレット,ホローシェルHとの接触点との中間部におい
て傾斜ロール1,1の軸長方向の略全周面に摺接するよう
に支持部材14にて支持されている。
なお製管を反復すると、傾斜ロール1,1の温度が高くな
り、冷却能が相対的に低下することが予測されるが、こ
の場合は当該ビレットに対する穿孔,延伸圧延を終了し
た後、次のビレットに対する穿孔開始時迄の間、即ちビ
レットに水が直接接触する虞れのない間に、ミストスプ
レーノズル11,11からのミスト噴射量を高めて傾斜ロー
ル1,1に対する冷却能を高めることとする。
上述した如き、ミストスプレーノズル11,11と、エアー
スプレーノズル12,12及びワイパー13,13等を組合せ、傾
斜ロール1,1表面の冷却及び冷却後の水切りを行うこと
により、ビレット及びホローシェルHが水との接触によ
って局部的に必要以上に冷却されるのが防止され、外面
疵の発生を抑制することが可能となる。
次に本発明方法に依った継目無管と本発明方法に依らな
い継目無管とについて比較試験結果を示す。
供試ビレットとしては表1に示す如き成分組成の試料A
鋼,B鋼を用いて、直径213mm,長さ3220mmのビレットを製
作し、これを穿孔圧延機で穿孔圧延を施してホローシェ
ルを製作し、これを延伸圧延機で延伸圧延して成品とし
ての継目無管を製造し、表面疵の発生状況を観察した。
ホローシェル,成品の目標寸法は次のとおりである。
ホローシェル :外径 223mm :長さ 6400mm :肉厚 29.5mm 成品 :外径171.2mm :長さ12800mm :肉厚 17.2mm 使用穿孔圧延機の傾斜ロール、ミストスプレーノズル、
エアースプレーノズルの寸法諸元は次のとおりである。
傾斜ロール :直径1200mm ミストスプレーノズル エアー圧力 :4kg/cm2 エアー供給量 :17.2Nm3/h/個 水圧 :5kg/cm2 水量 :14.6l/分/個 ロール表面迄の距離 :200mm ノズル個数 :3個/ロール エアースプレーノズル エアー圧力 :4kg/cm2 エアー供給量 :800Nl/分/個 ロール表面迄の距離 :200mm ノズル個数 :5個/ロール 結果は表2に示す如くである。表2中評価の欄における
各部は次の内容を示している。
◎印は外面疵:0% ミスロール0% ○印は外面疵:1.5%未満 ミスロール0% △印は外面疵:1.5%未満 ミスロール5.0%未満 ×印は外面疵:1.5%以上 ミスロール5.0%未満 ××印は外面疵:1.5%以上 ミスロール5.0%以上 表2から明らかな如く、試験番号No.1〜8の本発明例に
依った場合は、A鋼,B鋼のいずれについても外面疵発生
率が小さく、穿孔圧延機でのミスロールは0%,評価は
いずれも◎,○が殆どを占め、傾斜ロールに対して冷却
を行わなかった場合のみ評価は△であった。これに対し
比較例,従来例のいずれも外面疵発生率が大きく評価は
△,×,××印であった。
〔効果〕
以上の如く本発明方法にあっては2相ステンレス鋼の管
の外面疵のうち、外面微細割れ疵は勿論、リジング現象
によるしわ疵をも低減出来、しかも、製品の耐食性、熱
間加工性も何ら損なわれるがなく、高品質の継目無管を
得ることが出来る優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の主要工程を示すフローチャート、
第2図は本発明に用いるビレットと従来のビレットとの
高温延性絞り率についての比較試験結果を示すグラフ、
第3図は本発明方法における傾斜圧延過程での傾斜ロー
ルの冷却態様を示す模式図、第4図はワイパーの配設態
様を示す模式図である。 1……傾斜ロール、2……プラグ、3……ガイドシュ、
H……ホローシェル、11……ミストスプレーノズル、12
……エアースプレーノズル、13……ワイパー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量割合にて C:0.03%以下,Si:0.10〜2.0%, Mn:0.10〜2.0%,P:0.05%以下, S:0.002%以下,Cr:17.0〜30.0%, Ni:1.0〜11.0%,Mo:0.10〜6.0%, V:0.01〜0.50%,Al:0.01〜0.10%, N:0.10〜0.40%,O:0.0050%以下 を含み、且つ Ca:0.0005〜0.010%, Mg:0.0005〜0.010%, REM:0.0005〜0.010% の1種又は2種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純
    物からなり、常温でのフェライト含有量が30〜70体積%
    の2相ステンレス鋼製のビレットを、フェライト含有量
    50〜70体積%の温度域に加熱し、傾斜圧延法にて製管す
    ることを特徴とする2相ステンレス鋼の製管方法。
  2. 【請求項2】重量割合にて C:0.03%以下,Si:0.10〜2.0%, Mn:0.10〜2.0%,P:0.05%以下, S:0.002%以下,Cr:17.0〜30.0%, Ni:1.0〜11.0%,Mo:0.10〜6.0%, V:0.01〜0.50%,Al:0.01〜0.10%, N:0.10〜0.40%,O:0.0050%以下 を含み、且つ Cu:0.10〜2.0%, W:0.01〜1.50%, Ti:0.01〜0.50% Nb:0.01〜0.50% の1種又は2種以上を含み、 Ca:0.0005〜0.010%, Mg:0.0005〜0.010%, REM:0.0005〜0.010% の1種又は2種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純
    物からなり、常温でのフェライト含有量が30〜70体積%
    の2相ステンレス鋼製のビレットを、フェライト含有量
    50〜70体積%の温度域に加熱し、傾斜圧延法にて製管す
    ることを特徴とする2相ステンレス鋼の製管方法。
  3. 【請求項3】前記傾斜圧延においては傾斜ロールを空気
    と水とを混合したミストスプレーを用いて冷却すると共
    に、冷却に供された水を、傾斜ロール表面に対するエア
    ー噴射及び傾斜ロール表面に摺接するワイパーにて除去
    する過程を含む請求項1又は2に記載の2相ステンレス
    鋼の製管方法。
JP1319947A 1989-12-08 1989-12-08 2相ステンレス鋼の製管方法 Expired - Fee Related JPH0689398B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1319947A JPH0689398B2 (ja) 1989-12-08 1989-12-08 2相ステンレス鋼の製管方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1319947A JPH0689398B2 (ja) 1989-12-08 1989-12-08 2相ステンレス鋼の製管方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03180427A JPH03180427A (ja) 1991-08-06
JPH0689398B2 true JPH0689398B2 (ja) 1994-11-09

Family

ID=18116018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1319947A Expired - Fee Related JPH0689398B2 (ja) 1989-12-08 1989-12-08 2相ステンレス鋼の製管方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0689398B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09271811A (ja) * 1996-04-10 1997-10-21 Sumitomo Metal Ind Ltd 二相ステンレス鋼製継目無鋼管の製造方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3227734B2 (ja) * 1991-09-30 2001-11-12 住友金属工業株式会社 高耐食二相ステンレス鋼とその製造方法
JP2718865B2 (ja) * 1992-12-08 1998-02-25 新日本製鐵株式会社 細粒組織を有する継目無鋼管の製造法
JP2672441B2 (ja) * 1992-12-10 1997-11-05 新日本製鐵株式会社 耐ssc性の優れた高強度高靭性シームレス鋼管の製造法
CN102172627B (zh) * 2010-12-28 2013-06-12 曾建伟 一种复合绝缘子金具螺旋孔型斜轧轧辊孔型的设计方法
EP3260564B1 (en) * 2015-02-20 2022-08-17 JFE Steel Corporation High-strength seamless thick-walled steel pipe and process for producing same

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58224155A (ja) * 1982-06-19 1983-12-26 Kawasaki Steel Corp 2相ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JPS59218295A (ja) * 1983-05-24 1984-12-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 2相ステンレス鋼溶接用溶加材

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58224155A (ja) * 1982-06-19 1983-12-26 Kawasaki Steel Corp 2相ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JPS59218295A (ja) * 1983-05-24 1984-12-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 2相ステンレス鋼溶接用溶加材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09271811A (ja) * 1996-04-10 1997-10-21 Sumitomo Metal Ind Ltd 二相ステンレス鋼製継目無鋼管の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03180427A (ja) 1991-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4821939B2 (ja) スチームインジェクション用継目無鋼管及びその製造方法
TW202039885A (zh) 角形鋼管、其製造方法以及建築結構物
TWI724782B (zh) 方形鋼管及其製造方法,以及建築構造物
JP3127822B2 (ja) 二相ステンレス鋼製継目無鋼管の製造方法
JPH0689398B2 (ja) 2相ステンレス鋼の製管方法
US9765417B2 (en) Low-yield ratio high-strength electric resistance welded steel pipe, steel strip for electric resistance welded steel pipes, and methods of manufacturing them
CN113453816B (zh) 方形钢管及其制造方法以及建筑构造物
JP5540646B2 (ja) 低降伏比高強度電縫鋼管およびその製造方法
JP2017078196A (ja) 鋼管用厚肉熱延鋼帯の製造方法および角形鋼管の製造方法
JP2009275256A (ja) 熱間圧延鋼板およびその製造方法
JP3965708B2 (ja) 靱性に優れた高強度継目無鋼管の製造方法
JP4453278B2 (ja) 二相ステンレス鋼からなる継目無鋼管の製造方法
JP3806173B2 (ja) 熱延連続化プロセスによる材質バラツキの小さい熱延鋼板の製造方法
JP5742207B2 (ja) 低降伏比高強度電縫鋼管およびその製造方法
EP3084030B1 (en) High strength hot-finished steel hollow sections with low carbon equivalent for improved welding
JP7226595B2 (ja) ラインパイプ用電縫鋼管
JPH0547603B2 (ja)
JP6406075B2 (ja) マルテンサイト系高Cr鋼の継目無鋼管の製造方法
JPH08100214A (ja) 高強度シームレス鋼管の製造方法
JP2000313941A (ja) 表面品質に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管
CN113646455B (zh) 管线管用钢材及其制造方法以及管线管及其制造方法
CN107604246A (zh) 低成本sew石油套管用热连轧钢卷及其生产方法
JP3456468B2 (ja) 被削性及び熱間加工性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管
JP3806174B2 (ja) 熱延連続化プロセスによる材質バラツキの小さい熱延鋼板の製造方法
JPS60243248A (ja) 厚肉電縫鋼管の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071109

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081109

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091109

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees