JPH0689372B2 - 粉末の成形体の脱脂方法 - Google Patents

粉末の成形体の脱脂方法

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JPH0689372B2
JPH0689372B2 JP64000611A JP61189A JPH0689372B2 JP H0689372 B2 JPH0689372 B2 JP H0689372B2 JP 64000611 A JP64000611 A JP 64000611A JP 61189 A JP61189 A JP 61189A JP H0689372 B2 JPH0689372 B2 JP H0689372B2
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忠彦 輪違
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住友セメント株式会社
セイコー電子工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、金属やセラミックス等の粉末を可塑成形によ
って成形し、これにより焼結品を得るための方法に係わ
り、特に成形体から有機バインダーを除去するための脱
脂方法に関し、さらに、この脱脂方法おける成形体と水
とを接触させて有機バインダーを除去する際に、水に循
環供給するように改良したものに関するものである。
「従来の技術」 従来、金属粉末やセラミックス粉末から焼結品を製造す
る方法として、上記粉末に有機バインダーを配合して混
練し、粉末に流動性を付与してこれを可塑成形し、得ら
れた成形体を脱脂・焼結することによって焼結品を製造
する方法が知られている。ここでいう可塑成形とは、射
出成形、トランスファー成形および熱間押出し成形を意
味する。これらの成形法によって得られた成形体の脱脂
の方法としては、 (イ)成形体を加熱することによって有機バインダーを
蒸発・分解させる方法、 (ロ)溶媒を用いて成形体から有機バインダーを溶出す
る方法がある。
(イ)の方法においては、成形体を変形させることな
く、また、欠陥を生じさせることなく脱脂するには、非
常に長い時間を要するという問題がある。すなわち上記
の可塑成形法では、混練物が加熱されることによって軟
化し、流動性を呈するという現象を利用するものである
ため、成形体が脱脂時の加熱によって軟化し変形するこ
とが当然予想される。したがって、これを防止するため
には、変形温度に達する前に成形体中に含まれる有機バ
インダーの一部を除去するば良いと考えられるが、変形
温度以下で有機バインダーを蒸発あるいは分解して除去
するのでは長時間が必要となる。逆に変形温度以下で有
機バインダーが簡単に蒸発・分解出来るような有機バイ
ンダーを組成、例えば、低揮発物質や昇華物質等を添加
した組成では、成形時の流動性が不安定となって成形体
に欠陥が生じ易くなり、加えて、射出成形、トランスフ
ァー成形において成形後に発生するランナー部やスプル
ー部等の再生使用が困難となる。また、加熱時の軟化の
程度を抑えることにより、脱脂時の変形を防止する方法
として、熱可塑成樹脂時の添加も考えれるが、この場合
も成形時の流動性が不安定となり、成形体に欠陥が生じ
易くなり、加えて、射出成形後に発生するランナー部や
スプルー部等の再生使用が不可能となる。また、上記の
ように加熱により有機バインダーを除去する方法では、
脱脂初期に急激な有機バインダーの蒸発や分解が生じる
と、成形体に膨れや亀裂等の欠陥が生じる場合が多い。
したがって、脱脂時間を長くしたり、脱脂雰囲気を加圧
にしたりしなければならないといった問題があった。
そこで、(ロ)の方法により、変形温度以下の低温にお
いて溶媒で、有機バインダーの一部を溶出除去すれば、
後の加熱によっても変形が起きず除去された有機バイン
ダーの部分が道となって、残りの有機バインダーの蒸発
・分解ガスが抜け易くなり、膨れや亀裂が生じ難くな
る。また、熱的に不安定な成分を添加する必要がないこ
とから、ランナー部等の再生利用も可能である。しかし
ながら、(ロ)の方法では、従来使用されている有機バ
インダーを溶出させるためには有機溶媒を使用する必要
があるが、有機溶媒は高価であり、また、有機溶剤の取
扱によっては危険を伴うといった問題があった。
このような問題を解決するため、本発明者等は鋭意研究
の結果、有機バインダーとして水溶性の熱可塑性ポリマ
ーと水に不溶の熱可塑性ポリマーとを含むバインダーを
使用し、射出成形体を水に浸漬することによって水溶性
の熱可塑性のポリマーを溶出除去する方法を開発した。
この方法によれば、脱脂時の変形が少なく、また欠陥が
発生することもなく、しかも比較的に短時間で脱脂する
ことが可能となる。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら上記の方法においては、水溶性熱可塑性ポ
リマーの溶出速度が溶出時間の経過とともに低下するた
め、目的とする溶出率を得るためには未だ十分短時間で
行えるには至っておらず、また大きな成形体から水溶性
の熱可塑性のポリマーを溶出する場合には目的とする溶
出率が十分得られないという問題がある。
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、粉末の可塑成形法の脱脂工程におい
て、変形や膨れ、亀裂を生じさせることなく、しかも大
きな成形体をも十分短時間で脱脂可能にすることにあ
る。
「課題を解決するための手段」 この発明の方法では、粉末と有機バインダーを混合しこ
れを可塑成形して成形体とした後、脱脂・焼結の各処理
を行って焼結体を製造する工程において、上記脱脂処理
として成形体を水と接触せしめて水溶性の熱可塑性ポリ
マーを溶出するに際し、上記成形体と接触する水を流動
化せしめ、上記水溶性の熱可塑性ポリマーを急速に溶出
せしめることを上記課題を解決手段とした。
以下、この発明を詳しく説明する。
まず、粉末と有機バインダーを混合し、これを可塑成形
して成形体とする。ここで粉末としては、金属粉末、セ
ラミックス粉末などが用いられる。また有機バインダー
としては、少なくとも1種の水溶性熱可塑性有機ポリマ
ー(以下、水溶性ポリマーと略称する)と、少なくとも
1種の水に不溶の熱可塑性有機ポリマー(以下、非水溶
性ポリマーと略称する)とを含む有機バインダーが用い
られる。これら有機バインダーの配合量としては、配合
される粉末の特性によっても異なるが、通常は5〜25重
量部程度とされ、体積比率に換算すると40〜60vol%程
度とされる。上記水溶性の熱可塑性有機ポリマーとして
は、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコー
ル、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロー
ス、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸などが用いられ、中でもポ
リエチレンオキサイドが好適に用いられる。すなわちポ
リエチレンオキサイドは、射出成形性に優れ、他の水溶
性ポリマーとの相溶性が良好であるばかりでなく、水に
水溶の熱可塑性ポリマー、例えばポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリメタクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体などとの相溶性も良好であり、さらには熱分
解性も良好であるからである。上記水に不溶の熱可塑性
有機ポリマーとしては、上述したポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリメタクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体などの、通常の金属粉末やセラミックス粉末
の可塑成形に使用される熱可塑性ポリマーが用いられ
る。
次に、この成形体に脱脂処理を行って脱脂体とする。脱
脂処理としては、まず成形体を水(常温水および加熱水
を含む。以下同様)に接触させ、この接触した水を流動
化することによって上記水溶性ポリマーを急速に溶出せ
しめる。この場合に接触した水を流動化するのは以下の
理由による。
水溶性ポリマーを除去するために成形体を水に浸漬する
と、成形体表面部の水溶性ポリマーは溶出して水中に拡
散する。そして、この溶出した水溶性ポリマーが存在し
た空隙を通り道として水が成形体中に浸入し、これによ
り上記空隙周辺の水溶性ポリマーが侵入した水へ新たに
溶出し、さらにこの溶出した水溶性ポリマーが成形体外
の水中に拡散する。このような拡散が繰り返されること
により、水溶性ポリマーは成形体内から逐次除去され
る。
しかしながら、上記のように成形体を単に水に浸漬した
ときの水溶性ポリマーの溶出液速度は、例えば成形体が
ステンレス粉末の射出成形体である場合、第6図に示す
ように時間が経過するにしたがって遅くなり、また成形
体の寸法が大きくなるほど水溶性ポリマーの溶出率が減
少する。この現象は、溶出した水溶性ポリマーの物質移
動速度に起因するものであり、成形体内部から表面への
拡散、および表面から水中への拡散が律速になることに
よって生じるものと考えられる。そこで、成形体を水に
浸漬させた後、溶出速度が小さくなった時点での成形体
近傍における溶出した水溶性ポリマー濃度を測定した。
その結果を第7図に示す。第7図に示した結果により、
溶出した水溶性ポリマー濃度は成形体表面側で高く、離
れるにしたがって低くなっており、溶出した水溶性ポリ
マーの水中での拡散が水溶性ポリマーの溶出速度に影響
を与えていることが確認された。
なお、第6図および第7図に示した測定において溶出す
るための水の温度は50℃とした。また、第6図に示した
溶出率は次式によって求めたものである。(以下に述べ
る他の図の溶出率も同様とする) 〔溶出率〕=〔溶出した水溶性ポリマーの重量〕/〔成
形体中の水溶性ポリマーの重量〕×100 このような結果より、成形体から水中への水溶性ポリマ
ーの移動(溶出)の推進力は、濃度差に比例するものと
考えられ、その速度は次式で与えられる。
〔溶出速度〕=Ka・A(X−Xi) Ka:水溶性ポリマーの移動速度係数 A :接触面積 X :界面での水溶性ポリマー濃度 Xi:水中での水溶性ポリマー濃度 したがって、Kaを大きくすれば水溶性ポリマーの溶出速
度を大きくすることができ、そのためには、成形体表面
部に存在する境膜の厚さを薄くすればよいことが分か
る。そこで、成形体と接している水を流動化させ、これ
により上記水溶性ポリマーを急速に溶出せしめ得るよう
にした。
ここで、水を流動化させて脱脂する方法を具体的に説明
する。
まず、水溶性ポリマーおよび非水溶性ポリマーを含む有
機バインダーと、ステンレス粉末からなる、寸法20mm×
20mm×100mmの角棒状の成形体1を複数個用意し、これ
らを第1図に示すように溶出槽2の水3に浸漬して支持
台4上に載置した。この場合に水3の温度50℃とした。
次に、溶出槽2に備えた攪拌器5を駆動して水3を流動
化した。このような操作を攪拌器の回転速度60r・p・
m、40r・p・m、20r・p・mにてそれぞれ行い、水溶
性ポリマーの溶出率と溶出時間との関係を調べその結果
を第2図に示した。また比較例として、攪拌することな
く単に浸漬したのみの状態での関係も調べ、その結果も
第2図に示した。
第2図に示した結果より、回転速度を大きくすると溶出
時間が短縮することが判明した。また寸法の大きい成形
体であっても高い溶出率が得られることが確認された。
なお、配合した有機バインダーが水溶性ポリマー単独の
場合では、溶出率が増加するにしたがって成形体強度が
劣下するため、溶出の途中で成形体が破損する恐れがあ
る。一方本発明で使用している有機バインダーでは、水
溶性ポリマーの他に非水溶性ポリマーが配合されている
ため、水溶性ポリマーが溶出しても非水溶性ポリマーが
残留していることから成形体強度が維持され、したがっ
て溶出中の成形体破損が防止されている。しかし、攪拌
器の回転速度を上げ過ぎると成形体自身も流動し、これ
により成形体に破損の生ずる恐れがあるので、攪拌器の
回転速度を適宜に設定する必要がある。
また、水を流動化させるにあたり、攪拌機に代わって送
水ポンプを用いることもできる。第3図は送水ポンプを
用いた一例を示すもので、第3図中符号6は送水ポンプ
である。第3図において送水ポンプ6は、溶出槽2の底
部に配管された吸引管7と、溶出槽2の水3中に送水咬
8a…を有した送水管8とにそれぞれ接続されたもので、
吸引管7を介して溶出槽2内の水を吸引し、この吸引し
た水を送水管8を介して送水口8a…から溶出槽2内に循
環供給し、これにより溶出槽2内の水3を流動せしめる
ものである。この場合、送水口8a…を成形品1…に対向
するようにして配設し、成形品1…近傍の水を強制的に
流動せしめるが好ましい。
さらに、水を流動化させるにあたり、第4図に示すよう
に超音波を用いることもできる。第4図において符号9
はパワーユニット、10は超音波発振子である。超音波発
振子10は、溶出槽2の水3中の成形品1…近傍に配置さ
れたもので、パワーユニット9が入力されてこれに制御
されることにより超音波を発振するものである。この超
音波発振子10により超音波を発振照射したところ、水3
中に無数のキャビテーションが発生し、これにより水3
が流動した。このような操作をパワーユニット9の出力
を60W、30Wとしてそれぞれ行い、水溶性ポリマーの溶出
率と溶出時間との関係を調べてその結果を第5図に示し
た。この場合も水3の温度は50℃とした。また比較例と
して、超音波を発振することなく単に浸漬したのみの状
態での関係も調べ、その結果も第5図に示した。なお、
使用した成形品1はFe−8%Ni合金粉末の射出成形体と
し、その寸法・形状は第1図に示した例で用いた成形品
と同一とした。
第5図に示した結果より、この超音波による流動法では
先に示した攪拌による流動法よりも水溶性ポリマーの溶
出速度が大きく、溶出効果が大きいことが判明した。ま
た、送水ポンプによる流動法に比較してもその効果が大
きいことが確認された。これは、超音波法では水3ばか
りでなく成形体1も超音波により振動し得るため、水溶
性ポリマーの成形体1内部から成形体1表面への拡散が
促進されるためと考えられる。またこの超音波法では、
成形体1を構成している粉末の粒子径が小さい程その効
果が顕著に認められたが、これも前述のように成形体1
内部の拡散に関係し、溶出速度が粒子径の二乗に逆比例
するからであると考えられる。溶出速度は超音波出力が
大きいほど効果が大きいが、超音波出力を上げ過ぎると
成形体を破損するので、パワーを適宜に選択する必要が
ある。
これらの方法に会っては、溶出槽2内に成形体1を数多
く入れて水溶性ポリマーを溶出すると、溶出槽2中の水
溶性ポリマー濃度が増加して溶出率が飽和してしまう恐
れがあるが、水溶性ポリマーの溶出量が総バインダー量
の20〜30%以上であれば後の加熱処理時間を大幅に短縮
でき、よって全体の脱脂時間を十分短縮することができ
る。
なお、第1図、第3図および第4図に示した流動法によ
る効果は、金属粉末を用いてなる成形品ばかりでなくセ
ラミックス粉末を用いてなる成形品においても十分に奏
されるものである。
このようにして成形体1から水溶性ポリマーを溶出した
後、加熱炉で加熱脱脂を施して水に非水溶性ポリマーな
どの残りの有機バインダーを除去し、金属、セラミック
スなどからなる焼結体を得る。ここで加熱脱脂を行うに
あたっては、常圧で加熱脱脂しても良いが、減圧下にて
行うのがより有機バインダーの除去時間を短縮し得るこ
とから好適とされ、特に真空脱脂を行うのが望ましい。
「作用」 この発明によれば、金属あるいはセラミックスの粉末と
水溶性ポリマーおよび非水溶性ポリマーを含む有機バイ
ンダーからなる成形体を水と接触させ、さらに接触して
いる水を流動化させることにより、従来の方法に比べて
高速で水溶性ポリマーが溶出し、さらに寸法の大きい成
形体からでも短時間で高い溶出率が得られる。
「実施例」 以下、実施例によりこの発明をさらに具体的に説明す
る。
(実施例1) SUS−316L粉末(平均粒子径約8μm)100重量部に水溶
性ポリマーとしてポリエチレンオキサイド5重量部、非
水溶性ポリマーとしてポリエチレン3重量部、潤滑剤と
してステアリン酸1重量部を配合し、これらを混練機に
よって150℃で45分間混練した。次に、得られた混練物
を粉砕し、スクリュー式に射出成形機によって寸法が [イ]7mm×7mm×70mm、 [ロ]14mm×14mm×100mm、 [ハ]20mm×20mm×100mm、 の棒状部品3種類を射出成形した。この場合に射出成形
温度は165℃、射出圧力は1000Kg/cm2とした。
次いで、これら成形体を第1図に示した装置により、水
温50℃、攪拌器の回転速度40r.p.mの条件で4時間溶出
処理した。このときの溶出率は、第2図に一部示すよう
に〔イ〕が93%、〔ロ〕が82%、〔ハ〕が62%であっ
た。次いで、これら成形体を真空乾燥した後、大気雰囲
気下にて常温から100℃まで0.5時間、100℃から300℃ま
で3時間で昇温し、300℃で0.5時間保持した。得られた
脱脂体を調べたところ、いずれの部品も膨れや亀裂の発
生が見られず、95%から98%のバインダー除去が認めら
れた。
その後、これら脱脂体を真空雰囲気にて1350℃で2時間
焼結し、その焼結体密度を測定したところ、〔イ〕が7.
88g/cm3、〔ロ〕が7.85g/cm3、〔ハ〕7.81g/cm3とな
り、高い焼結体密度を有するものであることが確認され
た。
(実施例2) Fe−8%Ni合金粉末(平均粒子径8μm)100重量部に
水溶性ポリマーとしてポリエチレンオキサイド6重量
部、非水溶性ポリマーとしてポリエチレン3重量部、さ
らに可塑剤と潤滑剤2重量部を配合し、上記実施例1と
同様に混練・射出を行って同一寸法・形状の成形体を得
た。
次に、得られた成形体を第4図に示した装置により、超
音波出力30Wの条件下で3時間溶出を行った。このとき
の溶出率は、第5図に一部示すように〔イ〕が96%、
〔ロ〕が86%、〔ハ〕が74%であった。次いで、これら
成形体を真空乾燥した後、上記実施例1と同様に加熱脱
脂を行ったところ、いずれの脱脂体にも欠陥が認められ
なかった。
その後、上記脱脂体を水素雰囲気下にて1350℃で2時間
焼結し、その焼結体密度を測定したところ、〔イ〕が7.
69g/cm3、〔ロ〕が7.66g/cm3、〔ハ〕が7.64g/cm3とな
り、高い焼結体密度を有するものであることが確認され
た。
(実施例3) 平均粒子径0.64μm、比表面積6.80m2/gであるY2O33mol
%の部分安定下ジルコニア100重量部に、水溶性ポリマ
ーとしてポリエチレンオキサイド8重量部およびポリエ
チレングリコール2重量部、非水溶性ポリマーとしてポ
リエチレン6重量部、さらにステアリン酸2重量部を配
合し、これらを混練機にて150℃、45分間混練した。次
に、得られた混練物を粉砕し、スクリュー式の射出成形
機によって射出温度165℃、射出圧力950Kg/cm2の射出成
形条件で上記実施例1の棒状部品と同一寸法・形状のも
のをそれぞれ射出成形した。次に、得られた成形体を上
記実施例2と同様の条件にて4時間溶出処理した。この
ときの溶出率は〔イ〕が90%、〔ロ〕が72%、〔ハ〕が
60%であった。
次いで、これら成形体を真空乾燥した後大気雰囲気下に
て、常温から100℃まで0.5時間、100℃から400℃まで6
時間で昇温し、400℃で0.5時間保持した。得られた脱脂
体の脱脂率は94%から98%であり、いずれのものにも欠
陥が認められなかった。また、トータルしたバインダー
の除去時間は14時間であり、従来のバインダー除去時間
に比べてかなり短縮されていた。さらに、得られた各脱
脂体を大気雰囲気下にて1450℃で4時間焼結し、その焼
結体密度を測定したところ、それぞれ6.00g/cm3から6.0
3g/cm3となり、欠陥のない焼結体が得られた。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明における請求項1に記載し
た発明は、粉末と水溶性ポリマーおよび非水溶性ポリマ
ーを含む有機バインダーからなる成形体を脱脂処理する
に際し、成形体に水を接触させ、さらにこの水を流動化
せしめるものであるので、従来の方法に比べ極めて高速
で水溶性ポリマーを溶出することができ、さらに寸法の
大きい射出成形体からでも短時間で高い溶出率を得るこ
とができる。また、このように水溶性ポリマーの除去時
間が短縮されて十分な水溶性ポリマーの除去が可能にな
ることから、その後の加熱処理による非水溶性のバイン
ダーの除去において急速加熱が可能となり、したがって
トータルの脱脂時間を従来に比較して大幅に短縮するこ
とができる。
また特に、粉末の成形体の脱脂処理として成形体を水と
接触せしめて水溶性の熱可塑性ポリマーを溶出した後加
熱炉において残りの有機バインダーを加熱除去する方法
における有機バインダーとして、水溶性の熱可塑性ポリ
マーと水に不溶の熱可塑性ポリマーを使用していること
により、水溶性の熱可塑性ポリマーが水により抽出され
ても水に不溶の熱可塑性ポリマーが残っているため、成
形体を所定の強度に維持することができる。このため、
水を流動化させても成形体の破損や粉末の脱離を起こす
ことなく、高速度で抽出できる。
また、本発明の請求項2に記載した発明は、水を流動化
する手段として攪拌器を使用するものであるので、その
攪拌速度を容易に制御でき、よって溶出時間を十分正確
に管理することができる。
本発明の請求項3に記載した発明は水を流動化する手段
として送水ポンプを使用するものであり、この発明にあ
っても請求項2の発明と同様の効果を得ることができ
る。
本発明の請求項4に記載した発明は、水を流動化する手
段として超音波を使用するものであるので、水と同時に
成形体をも振動し得ることからより大きな溶出効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明に係わる図であって、第1
図は請求項1に記載した方法を具体的に説明するための
装置の概略構成図、第2図は第1図に示した装置を用い
て脱脂したときの時間と溶出率との関係を示すグラフ、
第3図は請求項2に記載した方法を具体的に説明するた
めの装置の概略構成図、第4図は請求項3に記載した方
法を具体的に説明するための装置の概略構成図、第5図
は第4図に示した装置を用いて脱脂したときの時間と溶
出率との関係を示すグラフ、第6図および第7図は本発
明の方法に至るまでの分析結果に関するもので、第6図
は寸法の異なる成形体を溶出したときの時間と溶出率と
の関係を示すグラフ、第7図は溶出速度が小さくなった
時点での成形体外部における、溶出した水溶性ポリマー
の濃度分布を示すグラフである。 1……成形体、2……溶出槽、3……水、 5……攪拌器、6……送水ポンプ、 9……パワーユニット、10……超音波発信子。
フロントページの続き (72)発明者 緒方 茂昭 千葉県市川市新田2―1―11 (72)発明者 片桐 義雄 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイコ ー電子工業株式会社内 (72)発明者 藤田 勝幸 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイコ ー電子工業株式会社内 (72)発明者 輪違 忠彦 宮城県仙台市西多賀5丁目30番1号 セイ コー電子部品株式会社内 (72)発明者 平塚 浩義 宮城県仙台市西多賀5丁目30番1号 セイ コー電子部品株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−101101(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末と水溶性の熱可塑性ポリマーおよび水
    に不溶の熱可塑性ポリマーを含む有機バインダーとを混
    合し、これを可塑成形して成形体とした後、脱脂・焼結
    の各処理を行って焼結体を製造する方法において、 上記脱脂処理として成形体を水と接触せしめて上記水溶
    性の熱可塑性ポリマーを溶出した後加熱炉において残り
    の有機バインダーを加熱除去する方法であって、 上記成形体と接触する水を流動化せしめ、上記水溶性の
    熱可塑性ポリマーを急速に溶出せしめることを特徴とす
    る粉末の成形体の脱脂方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した方法において、撹拌機
    を用いて水を流動化することを特徴とする粉末の成形体
    の脱脂方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載した方法において、送水ポ
    ンプによる流水を用いて水を流動化することを特徴とす
    る粉末の成形体の脱脂方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載した方法において、超音波
    を用いて水を流動化することを特徴とする粉末の成形体
    の脱脂方法。
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