JPH0689070B2 - ブテン−1共重合体の製造方法 - Google Patents

ブテン−1共重合体の製造方法

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JPH0689070B2
JPH0689070B2 JP19672286A JP19672286A JPH0689070B2 JP H0689070 B2 JPH0689070 B2 JP H0689070B2 JP 19672286 A JP19672286 A JP 19672286A JP 19672286 A JP19672286 A JP 19672286A JP H0689070 B2 JPH0689070 B2 JP H0689070B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ブテン−1共重合体の製造方法に関する。
さらに詳しくは、高活性の触媒を使用することにより簡
略化された製造工程の下で、結晶変態速度が速く、成形
後の変形や収縮の小さなブテン−1共重合体を流動性の
優れたパウダーとして得ることができる製造方法に関す
る。
[従来の技術およびその問題点] 従来、ポリブテン−1の製造方法についての提案とし
て、触媒として三塩化チタンを用いて溶液重合やスラリ
ー重合を行なう方法が多かった。これに対し、ポリブテ
ン−1を気相重合によって製造することができれば、プ
ロセスの簡略化を達成することができると共に製造原価
の低減を図ることができると予測される。このため、従
来からも、ブテン−1の気相重合の可能性を示唆する提
案もあった。しかしながら、この種提案に係る方法を工
業的規模で実施するには種々の問題点があった。
たとえば、ポリブテン−1は、ポリエチレンやポリプロ
ピレンに比べて、炭化水素溶媒に対する親和性が強い。
したがって、触媒成分を気相重合系に供給する際に、少
量の溶媒が同伴されると、重合体同志が凝集し易くな
る。その結果、長期間の安定した操業あるいは装置の稼
動を行なうことが困難となる。
また、従来の多用されていた三塩化チタン系触媒(特開
昭60−192716号公報参照)、塩化マグネシウム系触媒
(特開昭56−6205号公報参照)などを用いて、気相重合
を行なうと、触媒活性が低くなり、得られるポリブテン
−1の物性なども不十分なものでしかなく、気相重合法
の利点を十分に生かすことができなかった。
さらに、従来の製造方法では、結晶変態の速度が速く
て、成形加工後の変形や収縮の小さなポリブテン−1共
重合体を得ることができなかった。
[発明の目的] この発明の目的は、高活性の重合触媒を使用してブテン
−1共重合体を製造する方法を提供することである。
この発明の他の目的は、結晶変態速度が速く、したがっ
て、成形後の変形および収縮などの小さなブテン−1共
重合体を、流動性の優れたパウダーとして製造する方法
を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、触媒残渣の含有量の少な
いブテン−1共重合体の製造方法を提供し、したがって
触媒残渣を除去する工程を省略することができてより一
層簡略化された工程でブテン−1共重合体を製造する方
法を提供することである。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するためのこの発明の要旨は、マグネシ
ウム化合物(A-1)、電子供与性化合物(A-2)および4
価チタンのハロゲン価物(A-3)から得られる固体触媒
成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)および電子
供与体(C)から得られる触媒の存在下に、気相重合条
件下で、ブテン−1の共重合体を製造する方法におい
て、 前記電子供与性化合物(A-2)が芳香族ジカルボン酸エ
ステルであり、前記電子供与体(C)が下記一般式
(2) (ただし、式中、R2およびR5は炭化水素基を、R3、R4
よびR6は水素または炭化水素基をそれぞれ表わす。) で示される複素環式化合物であり、かつ、本重合に先立
って、炭素数3〜4の不活性炭化水素溶剤中で、チタン
1ミリモル当り1〜1500gのプロピレンおよび/または
ブテン−1を予備重合することを特徴とするブテン−1
共重合体の製造方法である。
この発明の方法は、第1図に示すように、マグネシウム
化合物(A-1)、特定の電子供与性化合物(A-2)として
の芳香族ジカルボン酸エステルおよび4価チタンのハロ
ゲン化物(A-3)から得られる特定の固体触媒成分
(A)、有機アルミニウム化合物(B)および電子供与
体(C)から得られる触媒の存在下に、気相重合条件下
で、特定の重合手順により、ブテン−1および他のα−
オレフィンとの共重合体を製造するものである。
−固体触媒成分(A)について− 前記固体触媒成分(A)は、マグネシウム化合物(A-
1)と特定の電子供与性化合物(A-2)としての芳香族ジ
カルボン酸エステルと4価チタンのハロゲン化物(A-
3)とから調製される。
前記マグネシウム化合物としては、たとえば、酸化マグ
ネシウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、
マグネシウムのカルボン酸塩、アルコキシマグネシウ
ム、アリロキシマグネシウム、アルコキシマグネシウム
ハライド、アリロキシマグネシウムハライド、マグネシ
ウムジハライド、有機マグネシウム化合物、有機マグネ
シウム化合物、有機マグネシウム化合物と電子供与体、
ハロシラン、アルコキシシラン、シラノール、アルミニ
ウム化合物などとの反応物などが挙げられる。
これら各種のマグネシウム化合物は、一種単独で使用し
ても良いし、また二種以上を併用しても良い。
また、これら各種のマグネシウム化合物の中でも、ジア
ルコキシマグネシウムが好ましい。
好適なジアルコキシマグネシウムは、式 Mg(OR) (1) (ただし、式中、Rは炭素数が1〜10である直鎖状ある
いは側鎖を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基およびアラルキル基を表をわす。) で示すことができる。
前記式(1)で示されるジアルコキシマグネシウムの具
体例としては、たとえば、 Mg(−OCH3、Mg(−OC2H5、 Mg(−OC3H7、Mg(−OC4H9 Mg(−OC6H13、Mg(−OC8H17 Mg(−OCH3)(−OC2H5)、 が挙げられる。
前記各種のジアルコキシマグネシウムは、一種単独で使
用することもできるし、また、複数種類を同時に使用す
ることもできる。
これらのなかでも、前記Rが低級アルキル基であるジア
ルコキシマグネシウムが好ましく、特にマグネシウムジ
メトキシド、マグネシウムジエトキシドなどが好まし
い。
前記固体触媒成分(A)の原料である電子供与性化合物
(A-2)は、芳香族ジカルボン酸エステルである。この
発明において、電気供与性化合物(A-2)として、芳香
族ジルボン酸エステル以外の化合物を使用すると、生成
するブテン−1は共重合体の立体規則性が低下し、しか
も、共重合体の粒子が凝集し易くなり、製造装置の連続
運転が不可能となる。したがって、この発明における芳
香ジカルボン酸エステルは非常に重要な要素である。
前記芳香族ジカルボン酸エステルとしては、たとえば、
フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸の低級アル
キルジエステルなどが挙げられ、より具体的には、ジメ
チルフタレート、ジエチルフタレート、ジプロピルフタ
レート、ジイソブチルフタレート、メチルエチルフタレ
ート、メチルプロピルフタレート、メチルイソブチルフ
タレート、エチルプロピルフタレート、エチルイソブチ
ルフタレート、プロピルイソブチルフタレート、ジメチ
ルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジプロピ
ルテレフタレート、ジイソブチルテレフタレート、メチ
ルエチルテレフタレート、メチルプロピルテレフタレー
ト、メチルイソブチルテレフタレート、エチルプロピル
テレフタレート、エチルイソブチルテレフタレート、プ
ロピルイソブチルテレフタレート、ジメチルイソフタレ
ート、ジエチルイソフタレート、ジプロピルイソフタレ
ート、ジイソブチルイソフタレート、メチルエチルイソ
フタレート、メチルプロピルイソフタレート、メチルイ
ソブチルイソフタレート、エチルプロピルイソフタレー
ト、エチルイソブチルイソフタレート、プロピルイソブ
チルイソフタレートなどが挙げられる。これらのなかで
も好ましいのは、ジプロピルフタレート、ジイソブチル
フタレートなどである。
前記固体触媒成分(A)の原料の一つである前記4価チ
タンのハロゲン価物(A-3)としては、具体的には、TiC
l4、TiBr4、TiI4、などのテトラハロゲン化チタン; Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、(n−C4H9O)TiC
l3、Ti(OC2H5)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチ
タン; Ti(OCH32Cl2、Ti(OC2H52Cl2、(n−C4H9O)2TiC
l2、Ti(OC3H72Cl2などのジハロゲン化アルコキシチ
タン; Ti(OCH33Cl、Ti(OC2H53Cl、(n−C4H9O)3TiC
l、Ti(OCH33Brなどのモノハロゲン化トリアルコキシ
チタンなどを例示することができる。
これらは、一種単独で使用しても良いし、また二種以上
を併用しても良い。
これらのうち高ハロゲン化物を用いるのが好ましく、特
に四塩化チタンを用いるのが好ましい。
前記固体触媒成分(A)は、たとえば、前記マグネシウ
ムジアルコキシド、前記芳香族ジカルボン酸エステル、
4価チタンのハロゲン化合物を、炭化水素溶媒中で一時
的または段階的に接触させることにより調製することが
できる。
たとえば、特開昭56−166205号公報、特開昭57−63309
号公報、特開昭57−190004号公報、特開昭57−300407号
公報および特開昭58−47003号公報などに記載された調
製方法を、この発明における前記固体触媒成分(A)の
好適な調製方法として、含めることができる。
なお、固体触媒成分の調製に当り、前記溶媒として、前
記マグネシウム化合物、前記芳香族ジカルボン酸エステ
ルおよび4価チタンのハロゲン化物に対して不活性な有
機溶媒たとえばヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水
素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、あるい
は炭素数1〜12の飽和または不飽和の脂肪族、脂環族お
よび芳香族炭化水素のモノおよびポリハロゲン化合物な
どのハロゲン化炭化水素などを使用することができる。
いずれにしても、このようにして調製した固体触媒成分
(A)は、ハロゲン/チタン(モル比)が3〜200、好
ましくは4〜100であり、マグネシウム/チタン(モル
比)が1〜90、好ましくは5〜70であるのが望ましい。
一有機アルミニウム化合物(B)について− 前記有機アルミニウム化合物(B)としては、特に制限
はなく、一般式 AlR1 VX3-V Al2▲R1 3▼X3 [ただし、R1は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアル
キル基またはアリール基を示し、は1〜3の整数を示
し、Xは塩素、臭素などのハロゲン原子を示す。] で表わされるものが広く用いられる。
具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ
ニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリ
アルキルアルミニウムおよびジエチルアルミニウムモノ
クロリド、ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド、
ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ジオクチルア
ルミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウム
モノハライド、エチルアルミニウムセスキクロライドな
どのアルキルアルミニウムセスキハライドが挙げられ
る。これらの中でも、トリアルキルアルミニウムが好適
であり、特にトリイソブチルアルミニウムが好適であ
る。
−電子供与体(C)について− この発明における前記電子供与体(C)は、下記一般式
(2) (ただし、式中、R2およびR5は炭化水素基を、好ましく
は炭素数1〜5の置換または非置換の飽和または不飽和
の炭化水素基を、また、R3、R4およびR6は水素または炭
化水素基を、好ましくは水素または炭素数1〜5の置換
または非置換の飽和または不飽和の炭化水素基をそれぞ
れ表わす。) で示される複素環式化合物を使用する。
複素環化合物以外の電子供与体(C)たとえばシラン化
合物、芳香族エステルを使用すると、触媒活性や、生成
重合体の立体規則性が低下することがある。
前記複素環式化合物として、具体的には、たとえば、1,
4−シネオール、1,8−シネオール、m−シネオール、ピ
ノール、ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン
(クマラン)、2H−クロメン、4H−クロメン、クロマ
ン、イソクロマン、ジベンゾフラン、キサンテンなどが
挙げられる。
これら各種の複素環式化合物は、一種単独で使用しても
良いし、また二種以上を併用しても良い。
前記各種の複素環式化合物の中でも、1,8−シネオール
が好ましい。
−予備重合について− この発明の方法は、前記固体触媒成分(A)と前記有機
アルミニウム化合物(B)と前記電子供与体(C)とか
ら得られる触媒の存在下に、ブテン−1と他のα−オレ
フィンとを重合させる前に、ブテン−1および/または
プロピレンとの予備重合を行なうことが重要である。
すなわち、この発明では、前記固体触媒成分(A)中の
チタン1ミリモル当り、ブテン−1および/またはプロ
ピレンを1〜1500g、好ましくは4〜800gの割合で、炭
素数が3〜4である不活性炭化水素たとえばプロパン、
ブタン、あるいはこれらの混合物中で、予備重合させ
て、固体触媒成分(A)上に、ポリブテン−1、ポリプ
ロピレンあるいはブテン−1−プロピレン共重合体を製
造しておくのである。
ここで、ブテン−1および/またはプロピレンの予備重
合量が、1gよりも少ないと生成するポリブテン−1と他
のα−オレフィンとの共重合体の立体規則性が不良とな
り、1500gを越えると結晶変態速度が遅くなり、成形後
の変形の原因となるために好ましくない。
ブテン−1およびプロピレン以外のモノマーたとえばヘ
キセン−1などで予備重合させると、モノマーの反応性
が低いために予備重合に時間を要したり、本重合前に未
反応モノマーを完全に除去するのが困難となるなどの問
題が生じる。
また、不活性溶媒として炭素数が2以下のものである
と、高圧で重合操作を行なう必要が生じて工業的に不利
であり、また炭素数が5以上である溶媒を使用すると、
重合装置の連続運転ができなくなる。
予備重合においては、勿論有機アルミニウム化合物
(B)の存在が必要であるが、必ずしもブテン−1と他
のα−ォレフィンとの重合に用いるその全量をこの段階
で必要とするものではなく、たとえば、固体触媒成分
(A)中のチタン1ミリモル当り、アルミニウム原子換
算で有機アルミニウム化合物(B)が0.5〜10ミリモル
程度となるような割合でこれを使用することができる。
また、前記電子供与体(C)の全量またはその一部量
を、この予備重合段階で存在させても良いが、その適正
な量としては、触媒を失活させない程度であるべきであ
り、その種類によっても相違するが、有機アルミニウム
化合物(B)中のアルミニウム1ミリモル当り、たとえ
ば、前記電子供与体(C)を0〜1.0ミリモルの範囲で
使用することができる。
なお、予備重合の際の予備重合温度は通常0〜70℃であ
る。
予備重合に際してブテン−1および他のα−オレフィン
との共重合体の分子量を調節するために、水素を予備重
合系に共存させても良い。
予備重合の終了後、得られる重合混合物をそのままブテ
ン−1と他のα−オレフィンとの本重合に供しても良
く、あるいは濃縮、乾燥などの操作を施した後にブテン
−1と他のα−オレフィンとの本重合に供しても良い。
−本重合について− ブテン−1と他のα−オレフィンとの本重合は、前記予
備重合により生成するポリマー(ポリブテン−1、ポリ
プロピレンあるいはブテン−1とプロピレンとの共重合
体)を有する固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化
合物(B)と電子供与体(C)とから得られる触媒の存
在下に、気相重合条件下で、行なうことができる。
触媒の組成として、前記有機アルミニウム化合物(B)
は、前記固体触媒成分(A)中の4価チタンのハロゲン
化物に対して、0.1〜1000倍モル、好ましくは1〜500倍
モルであるのが望ましく、また、前記電子供与体(C)
は、前記固体触媒成分(A)中の4価チタンのハロゲン
化物におけるチタン原子に対して、0.1〜500倍モル、好
ましくは0.5〜200倍モルであるのが望ましい。
気相重合条件としては、重合温度が45〜70℃、好ましく
は50〜65℃である。
重合温度が45℃よりも低いときには、液化を防止する必
要上、ブテン−1と他のα−オレフィンのモノマーの分
圧を余り高くできないことから、重合速度を十分に大き
くすることができないし、工業的スケールでは重合熱の
除去が困難になる。また、重合温度が70℃よりも高い
と、生成するポリマー粒子が凝集したり、壁に付着した
りして重合操作が困難になると共に、触媒活性も低下し
て円滑な重合操作を行なうことができなくなるおそれが
ある。
ブテン−1と他のα−オレフィンのモノマーの分圧は、
重合温度によっても相違するが、液化が実質的量で起こ
らない範囲であれば良く、通常の場合は、1〜15kg/cm2
程度である。
また、分子量を調節する目的で、水素のような分子量調
節剤を共存させても良い。さらにまた、ブテン−1より
沸点の低い不活性ガス、たとえば、窒素、メタン、エタ
ンプロパンなどの共存させることもできる。これらの不
活性ガスの共存によって重合体の凝集傾向が一層軽減さ
れ、しかも重合熱の除去が容易になる。不活性ガスの効
果的な共存量は、原料モノマーに対して0.2〜4モル倍
程度である。
気相重合は、流動層や攪拌流動層を用いて行なうことが
できる。あるいは、管状重合器にガス成分を流通させな
がら行なうこともできる。
この発明の方法では、ブテン−1と他のα−オレフィン
とのランダムまたはブロック共重合体を製造することが
できる。
ランダム共重合体を製造する場合は、ブテン−1と他の
α−オレフィンを、共重合体中のブテン−1含有量が60
〜99.5モル%、好ましくは70〜98モル%となるように重
合器に供給して、共重合させれば良い。
いわゆるブロック共重合体を製造する場合は、プロピレ
ンやブテン−1などのα−オレフィンを単独重合する第
1段目の重合処理をしてから、第2段目の重合処理とし
て、第1段目で得たα−オレフィンの単独重合体の存在
下に、ブテン−1あるいはブテン−1とこれ以外のα−
オレフィンとの共重合を行なう。
ここで、ブテン−1以外のα−オレフィンとしては、た
とえば、プロピレン、エチレン、ヘキセン−1、オクテ
ン−1等の直鎖モノオレフィン、4−メチル−ペンテン
−1等の分岐モノオレフィン、ブタジエン等のジエン類
を使用することができる。
好ましい物性のブテン−1と他のα−オレフィンとの重
合体を得るためには、他のオレフィンとしては、プロピ
レンが好ましい。
気相重合法を採用すると、重合溶媒の回収工程を省略
し、生成ポリマーの乾燥工程を大幅に簡略化することが
できる。
この発明の方法においては重合後の後処理は、常法によ
り行なうことができる。すなわち、気相重合後、重合器
から導出されるポリマー粉体に、その中に含まれるオレ
フィン等を除くために窒素気流等を通過させてもよい。
また、所望に応じて押出機によりペレット化してもよ
く、その際触媒を完全に失活させるために少量の水、ア
ルコール等を添加することもできる。
この発明の方法で得られるブテン−1重合体は、通常の
場合、その極限粘度[η](デカリン溶液、135℃)が
1.0〜5.0dl/gであり、また嵩密度が0.28g/cc以上であ
る。また、得られるポリマー中には触媒残渣の含有量が
一段と低減されている。
[発明の効果] この発明によると、 (1) 高活性の触媒を使用するので、重合生成物中に
残存する触媒の残渣量を低減することができ、したがっ
て、得られるポリブテン−1からの触媒残渣を除去する
工程を省略することができ、しかも有害残渣が殆どない
ため成形機腐食の問題を解消することができ、 (2) 嵩密度の大きな重合体パウダーを得ることがで
きるので、粉体輸送に好都合であり、 (3) [η]が1.0〜5.0dl/gであり、溶融時において
適切なる粘度を有するので、外観の良好な成形品たとえ
ばフィルム等に成形することができる、 (4) 成形加工後の成形品の変形および収縮が十分に
小さくなる程度に、結晶変態速度の早い共重合体を、流
動性の優れたパウダーとして製造することができる。
などの利点を有するブテン−1共重合体の製造方法を提
供することができる。
[実施例] 次にこの発明の実施例および比較例を示してこの発明を
更に具体的に説明する。
(実施例1) 固体触媒成分の調製 よく乾燥した10の四ツ口フラスコに、脱水精製したn
−ヘプタン5、ジエトキシマグネシウム500g(4.4モ
ル)およびジイソプロピルフタレート94.6g(0.34モ
ル)を加えて還流下に1時間反応を行なった。次いで、
温度を90℃にして、四塩化チタン2.5kg(132モル)を50
分間かけて滴下し、さらに90℃で2時間反応を行なっ
た。その後、温度を30℃にして上澄液を抜き取り、n−
ヘプタン7を加えて攪拌し、その後静置してから上澄
液を抜き取り、この操作を2回繰り返して洗浄を行なっ
た。この後、新たにn−ヘプタン5を加え、温度を70
℃にし、四塩化チタン2.5kg(132モル)を滴下し、90℃
で2時間反応を行なった。次いで、温度を80℃にして上
澄液を抜き取り、n−ヘプタン7を加えて洗浄を行な
った。洗浄は、塩素イオンが検出されなくなるまで繰り
返し、固体触媒成分を得た。比色法によりチタン担持量
を測定したところ、2.6重量%のチタンが含まれてい
た。
予備重合 前記で得られた乾燥固体触媒成分をプロパン中で2ミ
リモルTi/に稀釈してこれを触媒調製槽に投入した。
この触媒調製槽に、トリイソブチルアルミニウム30ミリ
モル/、および1,8−シネオール12ミリモル/が供
給された。その後、チタン1ミリモル当り50gとなる割
合でブテン−1が供給された。触媒調製槽内が40℃に昇
温されて、ブテン−1の予備重合反応が行なわれた。反
応後、予備重合触媒はプロパンで洗浄された。
ブテン−1共重合体の製造 直径300mm、容積100の流動層重合器を使用し、前記
で得た触媒をTi原子換算で3.6ミリモル/に再調製し
たTi触媒スラリーを触媒調製槽から前記重合器に0.15
/時間の流量で、またトリイソブチルアルミニウムを60
ミリモル/時間の流量で、1,8−シネオール24ミリモル
/時間の流量でそれぞれ前記重合器に供給した。
ブテン−1の分圧を1.5kg/cm2に、窒素の分圧を2.3kg/c
m2に、プロピレン分圧を0.3kg/cm2に、水素の分圧を0.0
9kg/cm2に、および温度を60℃にそれぞれ調整し、ガス
空塔速度が35cm/秒の速度となるように上記混合ガスを
供給した。ポリマーの排出は、重合器中のポリマー量が
一定となるように調節した。
重合温度は、50℃であった。
得られたポリマーの物性を第1表に示す。
なお、極限粘度[η]は135℃のデカリン溶液について
測定したものであり、残留チタンの量は、ケイ光X線法
により測定し、結晶変態速度はプレス成形後、X線回析
によるピーク比がI(100)/[I100)+II(200)]=
0.5に到達するまでの時間である。
(実施例2〜5、比較例1〜3) 第1表に示す条件以外は前記実施例1と同様に実施し
た。
(比較例4) 固体触媒成分の調製 500gのダビソン952型シリカ(予め800℃にて脱水したも
の)を1.5〜3.0のイソペンタン中で500gのジエチルア
ルミニウムクロライドと混合した。この系を撹拌して、
多孔質シリカ支持体に対するアルミニウム化合物の沈着
/含浸を促進した。次いで、溶剤を70℃で除去して固体
粒状の自由流動性物質を生成させた。次いで、この自由
流動性物質を約15分間にわたり162gのTiCl3・1/3AlCl3
(東洋ストウファー・ケミカル社製のSグレード)と室
温で物理的に配合して固体触媒成分を得た。この固体触
媒成分のAl:Ti比は、4.5:1あった(ジエチルアルミニウ
ムクロライドのAl含有量に対して)。
予備重合 前記で得られた固体触媒成分をプロパン中で5モルTi
/に希釈して触媒調製槽に投入した。その後、チタン
1ミリモル当り500gの割合でプロピレンを供給し、40℃
で反応させた。
ブテン−1共重合体の製造 前記で得られた触媒をTi原子換算で5モル/に調製
し、その調製触媒0.5を、直径300ミリ,容積100の
流動層重合器に供給した。その後、実施例1と同様にし
て行なった。
得られたポリマーの物性を第1表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は触媒調製および重合を示すフローチャート図で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マグネシウム化合物(A-1)、電子供与性
    化合物(A-2)および4価チタンのハロゲン化物(A-3)
    から得られる固体触媒成分(A)、有機アルミニウム化
    合物(B)および電子供与体(C)から得られる触媒の
    存在下に、気相重合条件下で、ブテン−1と他のα−オ
    レフィンとの共重合体を製造する方法において、 前記電子供与性化合物(A-2)が芳香族ジカルボン酸エ
    ステルであり、前記電子供与体(C)が下記一般式
    (2) (ただし、式中、R2およびR5は炭化水素基を、R3、R4
    よびR6は水素または炭化水素基をそれぞれ表わす。) で示される複素環式化合物であり、かつ、本重合に先立
    って、炭素数3〜4の不活性炭化水素溶剤中で、チタン
    1ミリモル当り1〜1500gのプロピレンおよび/または
    ブテン−1を予備重合することを特徴とするブテン−1
    共重合体の製造方法。
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