JP2660967B2 - オレフィン重合体の製造法 - Google Patents
オレフィン重合体の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明はα−オレフィン重合体の製造方法に関する。
更に詳しくは、特定の固体触媒成分と有機アルミニウム
化合物及び必要に応じて更に電子供与性化合物を組み合
せてなる触媒の存在下に、エチレン、プロピレン、ブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、3−メチルブテン−
1などのオレフィンを重合させてオレフィン重合体を製
造する方法に関するものである。とくには、炭素数3以
上のα−オレフィンの重合に適用した場合に、高立体規
則性の重合体が高活性で得られるオレフィン重合体の製
造法に関する。 〔従来の技術およびその問題点〕 従来、マグネシウム化合物を担体としたチタン含有固
体触媒成分を用いて炭素数3以上のα−オレフインを立
体規則性重合させる方法は数多く提案されている。 例えば特開昭50−108385号、同50−126590号、同51−
28189号、同52−151691号、同56−152810号、同57−633
10号、同57−63311号、同58−83006号、同58−138705
号、同58−147409号、同58−147410号等においては、ハ
ロゲン化マグネシウム化合物、好ましくは塩化マグネシ
ウムを担体原料に用いて得られたチタン含有固体触媒成
分を重合に用いる方法が、また特公昭46−34098号、同4
7−1768号、同47−42137号、特開昭53−2580号、同53−
43094号、同55−152710号、同56−26904号等において
は、アルコキシマグネシウムを担体原料に用いて得られ
たチタン含有固体触媒成分を重合に用いる方法が提案さ
れているが、これらの方法は、いずれも炭素数3以上の
α−オレフインの高立体規則性かつ高活性の重合に対し
て、充分満足しうるとはいえなかった。 これら従来方法においては、チタン含有固体触媒成分
の製造に際し、少なくともマグネシウム化合物、チタン
化合物及び電子供与性化合物を反応させた後、遊離のチ
タン成分が検出されなくなる迄、例えばヘキサン、ヘプ
タン、灯油等の液状炭化水素で洗浄するのが、高活性で
かつ高立体規則性重合をさせるうえで好ましいとされて
いた。例えば特開昭52−151691号公報、同56−152810号
公報には、ハロゲン化マグネシウム化合物、4価のチタ
ン化合物及び電子供与性化合物との反応生成物を、それ
に含有させる4価のチタン化合物の少なくとも80重量%
が沸騰n−ヘプタンに不溶となるように、充分洗浄する
方法が提案されており、その理由としてヘプタン可溶性
のチタン化合物の存在は触媒の活性と立体規則性に対し
て不利となることが挙げられている。 本発明者等は、従来方法に対して重合活性と立体規則
性が更に改良されたチタン含有固体触媒成分を得るべ
く、鋭意検討を重ねた結果、意外にも炭化水素可溶性の
チタン化合物の存在は、重合活性と立体規則性に対して
決して不利とはならず、むしろ両者のバランスを向上さ
せる効果があることを見い出し、本発明に到達したもの
で、それ自体ではプロピレンの立体規則性重合能のない
本発明における炭化水素可溶性のチタン化合物の存在
が、かかる効果をもたらすことは驚くべきことである。 さらに、本発明によれば、チタン含有固体触媒成分の
製造に際し、炭化水素での洗浄工程が簡略化される為、
工業的にも有利である。 〔問題点を解決するための手段〕 即ち、本発明は、 (A)一般式Mg(OR1)2〔R1は炭化水素基を示す〕で表さ
れるマグネシウム化合物、4価のチタン化合物、及び電
子供与性化合物との反応生成物であるマグネシウム、4
価のチタン、ハロゲン及び電子供与性化合物を必須成分
とする固体触媒成分であって、かつそれに含有される4
価のチタン化合物の少なくとも20重量%を超える量が沸
騰n−ヘプタンに可溶である固体触媒成分 (B)周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物、
及び必要に応じて (C)電子供与性化合物 より成る触媒の存在下にオレフィンを単独重合または共
重合させることを特徴とするオレフィン重合体の製造
法、 に存する。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で使用する固体触媒成分(A)は、少なくとも
一般式Mg(OR1)2〔R1は炭化水素基を示す〕で表されるマ
グネシウムに化合物と4価のチタン化合物および電子供
与性化合物、更に必要に応じてケイ素化合物、ハロゲン
化剤等の助剤とを一時的、または段階的に接触、反応さ
せて得られるマグネシウム、4価のチタンハロゲン、電
子供与性化合物を含有する複合固体である。 具体的には、 (1)ジアルコキシマグネシウム、4価のチタン化合物
及び電子供与性化合物を任意の順序で反応させた後、液
状炭化水素で適宜洗浄する方法 等の方法によって製造される。 また、これらの反応時にケイ素化合物、ハロゲン化合
物、あるいは不活性固体、例えばSiO2、Al2O3、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリ−3メチルブテン1、ポ
リ−4メチルペンテン1、TiO2、B2O3、CaCO3等を添加
してもよい。 用いられるチタン化合物は、TiCl4、TiBr4、TiI4、Ti
(OR2)nX4-n(R2は炭化水素、Xはハロゲン、nは0<n
≦4を示す)、あるいは、これらの混合物等の中から選
ばれる。 電子供与性化合物としては、一般に含リン化合物、含
酸素化合物、含硫黄化合物、含窒素化合物等が挙げられ
る。このうち好ましくは、含酸素化合物が挙げられる。 含酸素化合物としては、例えば下記一般式 (式中、R3はアルコキシ基で置換されていてもよい炭化
水素基を示し(同じでなくてもよい)、相互に結合して
環状基を形成してもよい。またkは1〜3の数を示
す。)で表わされる化合物が挙げられる。 好ましくは、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、アク
リル酸エチル、オレイン酸エチル、ステアリン酸エチ
ル、フエニル酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エ
チル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、トルイル酸
メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸プロピル、トル
イル酸ブチル、エチル安息香酸メチル、エチル安息香酸
エチル、キシレンカルボン酸エチル、アニス酸メチル、
アニス酸エチル、エトキシ安息香酸メチル、エトキシ安
息香酸エチル、ケイ皮酸エチル、フタル酸ジエチル、フ
タル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘ
キシル、フタル酸ジオクチルの様なカルボン酸のエステ
ル類あるいはγ−ブチルラクトンの様な環状エステル類
が挙げられる。また、Si-OR4、Si-OCOR4又はSi−▲NR4 2
▼結合を有するケイ素化合物(式中、R4は炭素数1〜20
個の炭化水素基を示す)も好適に用いられる。 本発明方法において重要なことは、4価のチタン含有
固体触媒成分に含有される4価のチタン化合物の一部が
液状炭化水素に可溶である、好ましくは4価のチタン化
合物の20重量%を超える量で約80重量%以下は沸騰n−
ヘプタンに可溶であるということである。かかる4価の
チタン含有固体触媒成分を得るには特に制限はなく、例
えば前述した各種の方法、即ち、少なくとも一般式Mg(O
R1)2〔R1は炭化水素基を示す〕で表されるマグネシウム
化合物、4価のチタン化合物および電子供与性化合物を
反応させた後、液状の炭化水素、例えばヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等で前述の可溶
チタン量が残される様な温度、通常は0℃〜約80℃程度
及び方法で洗浄すればよい。この洗浄に用いる炭化水素
に、少量のエーテル、エステル、アミン、ケトン等の電
子供与性化合物が含まれていてもよい。なお、4価のチ
タン含有固体触媒成分の25℃におけるヘプタンに対する
可溶分については、0.5重量%以下が好ましい。 以上述べた方法の更にその具体例を示すと、 (1)−(イ)ジアルコキシマグネシウム、テトラアル
コキシシラン及び必要によりテトラアルコキシチタンを
反応せしめて得られた固体をTiCl4及び芳香族カルボン
酸エステルと反応させ分離した後、更にTiCl4及び芳香
族カルボン酸エステルと反応させ、ついで芳香族炭化水
素で適宜洗浄する方法 (1)−(ロ)ジアルコキシマグネシウム、テトラアル
コキシシランTiCl4及び芳香族カルボン酸エステルと反
応せしめて得られた固体を分離した後、TiCl4及び芳香
カルボン酸エステルと反応せしめて得られた固体を分離
した後、TiCl4及び芳香族カルボン酸エステルと反応さ
せ、ついで芳香族炭化水素で適宜洗浄する方法 (1)−(ハ)(イ)あるいは(ロ)においてアルコキ
シ基が適宜アリロキシ基に置きかえたものである方法 (1)−(ニ)(イ)〜(ハ)において付加的にアルコ
ール、フェノール、等を加える方法 等が挙げられるが、本発明はこれらの方法に限定される
ものではない。 4価のチタン含有固体触媒成分の組成としては、ハロ
ゲン/チタン(モル比)が1〜5000、電子供与性化合物
/チタン(モル比)が0.1〜5、トタン/マグネシウム
(モル比)が0.01〜1.0、固体触媒成分中のチタン含量
(重量%)が0.01〜20の範囲、好ましくはハロゲン/チ
タン(モル比)が3〜100、電子供与性化合物/チタン
(モル比)が0.5〜3、チタン/マグネシウム(モル
比)が0.02〜0.5、固体触媒成分中のチタン含量(重量
%)が0.1〜10の範囲にある。 周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物(B)
としては、好ましくは、一般式AIR5 lX3-lで表わされる
化合物が挙げられる。上式においてR5は炭素数1〜20個
の炭化水素基を示し、特に脂肪族炭化水素基が好まし
い。Xはハロゲン、lは2〜3の数を示す。この有機ア
ルミニウム化合物の具体例としてはトリエチルアルミニ
ウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウムモノクロライド等が挙げられるが、好ましくは、
トリアルキルアルミニウムが用いられる。また、Oまた
はN原子を介して結合した2個またはそれ以上のAl原子
を含有する有機アルミニウム化合物も使用することがで
きる。 更に、ジアルキルアルミニウムハイドライド、ジアル
キルアルミニウムアルコキシド、アルキルアルミニウム
セスキアルコキシド等も用いられる。 必要に応じて使用される電子供与性化合物(C)とし
ては、チタン含有固体触媒成分(A)の製造において使
用された電子供与性化合物群の中から選ばれるが、好ま
しくは芳香族カルボン酸エステル、Si−O−C結合を含
有するケイ素化合物、Al−O−Si−C結合を含有するケ
イ素化合物等である。 触媒核成分の使用割合は、触媒成分(A)中のチタン
対(B)成分の金属対(C)成分の電子供与性化合物の
モル比が1:3〜500:0〜100、好ましくは1:20〜200:3〜50
になるように選ばれる。 重合するオレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペ
ンテン−1等が挙げられ、好ましくは炭素数3以上のα
−オレフィン、特にプロピレンが挙げられる。また重合
は単独重合のほか通常公知のランダムまたはブロック共
重合にも好適に適用できる。 重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン等の不活性炭化水素や液化α−オレフィン
等の溶媒の存在下あるいは不存在下に行なわれる。温度
は40〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、圧力は特に
制限されないが、通常大気圧〜100気圧の範囲内から選
ばれる。 また重合系内に分子量調節剤として水素を存在させる
こともできる。 その他、α−オレフィンの単独重合、共重合に当って
通常採られる手段を本発明に適用することもできる。例
えば前記触媒2成分(A)、(B)または3成分
(A)、(B)、(C)を用いてα−オレフィンを前重
合させ、ついで前重合温度より高い温度でα−オレフィ
ンを本重合させる方法である。この際前重合量は触媒成
分(A)1g当り約0.1〜100g程度から選ばれるが、一般
的には約1〜3gで充分である。 〔実施例〕 次に実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら実施例に
よって制約を受けるものではない。 又、第1図は本発明に含まれる技術内容の理解を助け
るためのフローチャート図であり、本発明はその要旨を
逸脱しない限りフローチャート図によって制約を受ける
ものではない。 なお、実施例において、触媒効率(CEとして示す)は
触媒成分の固体触媒成分(A)1g当りのポリマーの生成
量(g)であり、重合活性(Kとして示す)は1時間に
つきα−オレフィン圧1kg/cm2当り固体触媒成分(A)1
g当りのポリマー生成量(g)である。アイソタクチッ
クインデックス(IIとして示す)は改良型ソックスレー
抽出器で沸騰n−ヘプタンにより6時間抽出した場合の
残量(重量%)である。嵩密度(ρBとして示す。単位
はg/cc)はJIS−K−6721に従って測定した。メルトフ
ローインデックス(MFIとして示す)はASTM−D−1238
に従って測定した。 実施例1 (A)固体触媒成分の製造 攪拌機、温度計を備えた500mlフラスコに精製N2シー
ル下市販Mg(OC2H5)2を5g採取し、Ti(OC4H9)4 7.4gおよ
びテトラエトキシシラン4.6gを添加し、攪拌下昇温して
130℃で1時間反応させた。その後100℃に降温しフェノ
ール8.2gのトルエン溶液を滴下した。滴下後昇温し110
℃で1時間反応させ黄色固体のスラリー状反応物を得
た。 このものに精製トルエン87mlを添加した後、−20℃ま
で冷却し、−20℃においてTiCl4 25gを添加した。添加
後徐々に昇温し、80℃に昇温後安息香酸エチル1.3gを添
加し、同温度で1時間保持した。その後精製トルエンで
洗浄し、固体生成物を得た。 次いで、TiCl4 82g安息香酸エチル1.3gを添加し、80
℃において1時間固体生成物を処理した。その後、室温
において精製トルエン200mlで4回洗浄して固体触媒成
分4.8gを得た。尚、この固体触媒成分中のチタンは全て
4価のものであった。固体触媒成分中のTi4+の沸騰n−
ヘプタン可溶量を測る為、その一部を加熱、減圧下で乾
燥し粉末とした。この粉末中のTi4+含量は2.6重量%で
あった。このものをソックスレー抽出器を用いて沸騰n
−ヘプタンで抽出したところTi4+含量は1.0重量%に減
少した。 抽出前の粉末が200mgであったのに対し、抽出後は、1
80mgとなった。従って固体触媒成分中のTi4+の沸騰n−
ヘプタン可溶分は65重量%となる。 (B)プロピレンの重合 精製アルゴンで充分置換した2lの誘導攪拌式オートク
レーブに、アルゴンシール下、室温でトリエチルアルミ
ニウム1.0ミリモル、パラメチル安息香酸メチル0.3ミリ
モルを添加し、更に室温でH2を1.0Kg/cm2になるように
加え、液体プロピレン700gを仕込んだ。次いでTi含量2.
6重量%の上記固体触媒成分15mgを添加した後、70℃に
昇温し、1時間の重合を行った。その後余剰のプロピレ
ンをパージして、粉末ポリプロピレン300gを得た。触媒
効率CEは20,000g−PP/g−cat、重合活性Kは670であっ
た。得られた重合体のρBは0.43g/ccであり、IIは97.2
%、MFIは、6.3であった。 実施例2 (A)固体触媒成分の製造 実施例1と同様の手法で、市販Mg(OC2H5)25g、Ti(OC4
H9)4 7.4gを混合し、攪拌下昇温し、130℃で1時間反応
させた。ここに、トルエンに溶解したテトラフェノキシ
シラン4.4gを添加し、130℃で更に1時間反応を続行
し、黄色固体のスラリー状反応物を得た。 この反応物を用いたことと、−20℃でのTiCl4添加量
を41gにした以外は、実施例1と全く同様に固体触媒成
分を調製した。 この固体触媒成分の乾燥後のTi含量は、2.7重量%で
あった。尚、この固体触媒成分中のチタンは全て4価の
ものであった。また、沸騰n−ヘプタン抽出後のTi含量
は1.9重量%となった。固体触媒成分中のTi4+の沸騰n
−ヘプタン可溶分は36重量%であった。 (B)プロピレンの重合 (A)で得られたTi含量2.7重量%の固体触媒成分を
用いること以外は重量1の(B)と同様にしてプロピレ
ンの重合を行ったところ、触媒効率CE=25,500g−PP/g
−Cat、重合活性K=850、II=96.2%、ρB=0.42g/c
c、MFI=7.5であった。 実施例3 (A)固体触媒成分の製造 市販Mg(OC2H5)25g、テトラブトキシシラン7g、テトラ
フェノキシシラン8.8gのトルエン溶液を室温で混合し、
攪拌下昇温して130℃で2時間反応させた。この反応物
は白色固体のスラリー状であった。 このものに精製トルエン58mlを添加した後−20℃に冷
却し、TiCl425gを添加した。添加後徐々に昇温し、80℃
で安息香酸エチル1.3gを添加し、同温度で1時間保持し
た後、精製トルエンで洗浄し固体生成物を得た。 次いで、TiCl441g、安息香酸エチル0.7gを添加し80℃
で1時間処理した後、実施例1(A)と同様にして精製
トルエンで洗浄し、固体触媒成分を得た。尚、この固体
触媒成分中のチタンは全て4価のものであった。このも
のの乾燥後のTi含量は3.3重量%であり、沸騰n−ヘプ
タン抽出後のTi含量は0.8重量%であった。固体触媒成
分中のTi4+の沸騰n−ヘプタン可溶分は79重量%であっ
た。 (B)プロピレンの重合 (A)で得られたTi含量3.3重量%の固体触媒成分を
用いること以外は実施例1の(B)と同様にしてプロピ
レンの重合を行ったところ、触媒効率CE=21,000g−PP/
g−Cat、重合活性K=700、II=97.9%、ρB=0.41g/c
c、MFI=5.8であった。 実施例4 (A)固体触媒成分の製造 Mg(OC4H9)27.5g、テトラフェノキシシラン8.8gのトル
エン溶液を用い、130℃で2時間反応させて、白色固体
のスラリー状反応物を得た。 この反応物を得て用いた以外は、実施例3(A)と同
様にして固体触媒成分を得た。尚、この固体触媒成分中
のチタンは全て4価のものであった。 この固体触媒成分の乾燥後のTi含量は2.5重量%であ
った。このものを沸騰n−ヘプタンで抽出したところTi
含量は1.5重量%となった。Ti4+の沸騰n−ヘプタン可
溶分は45重量%であった。 (B)プロピレンの重合 (A)で得られたTi含量2.5重量%の固体触媒成分を
用いること及びパラメチル安息香酸メチルをアニス酸メ
チルに代えるころ以外は実施例1(B)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行ったところ、触媒効率CE=18,000g
−PP/g−Cat、重合活性K=600、II=98.2%、ρB=0.
42g/cc、MFI=3.5であった。 実施例5 (A)固体触媒成分の製造 実施例1と同様の手法で、Mg(OC2H5)2を5g採取しテト
ラフェノキシシラン4.8g、安息香酸エチル0.7g、TiCl44
5gを添加し、攪拌下徐々に昇温した。80℃に昇温後、同
温度で2時間保持した後、精製トルエンで洗浄し、固体
生成物を得た。次いで安息香酸エチル0.35g、TiCl423g
を添加し、80℃において1時間固体生成物を処理した。
その後、実施例1(A)と同様にして精製トルエンで室
温下洗浄し、固体触媒成分を得た。尚、この固体触媒成
分中のチタンは全て4価のものであった。乾燥後の固体
触媒成分中のTi含量は、2.7重量%であった。このもの
を沸騰n−ヘプタンで抽出したところTi含量は、2.1重
量%となった。固体触媒成分中のTi4+の沸騰n−ヘプタ
ン可溶分は25重量%であった。 (B)プロピレンの重合 (A)で得られたTi含量2.7重量%の固体触媒成分を
用いること以外は実施例1(B)と同様な手法でプロピ
レンの重合を行ったところ、触媒効率CE=25,800g−PP/
g−Cat、重合活性K=860であり、II=96.0%、ρB=
0.41g/cc、MFI=4.8であった。 比較例1 実施例1(A)における固体触媒成分を沸騰n−ヘプ
タンで抽出した後のTi含量1.0重量%の固体触媒成分、
すなわち、沸騰n−ヘプタンに可溶なTi4+成分の除去さ
れた固体触媒成分を用いて、実施例1(B)と同様にし
てプロピレンの重合を行った。その結果、触媒効率CE=
24,000g−PP/g−Cat、重合活性K=80であった。また、
II=95.5%、ρB=0.38g/cc、MFI=3.5であった。 比較例2 実施例2(A)における固体触媒成分を沸騰n−ヘプ
タンで抽出した後のTi含量1.9重量%の固体触媒成分に
用いて、実施例1(B)と同様にしてプロピレンの重合
を行った。その結果触媒効率CE=3,600g−PP/g−Cat、
重合活性K=120、II=96.0%、ρB=0.39g/cc、MFI=
6.3であった。 比較例3 実施例4(A)における固体触媒成分を沸騰n−ヘプ
タンで抽出した後のTi含量1.5重量%の固体触媒成分に
用いて、実施例1(B)と同様にしてプロピレンの重合
を行った。 その結果触媒効率CE=2,500g−PP/g−Cat、重合活性
K=85、II=96.0%、ρB=0.39g/cc、MFI=5.3であっ
た。 比較例4 実施例5(A)における固体触媒成分を沸騰n−ヘプ
タンで抽出した後のTi含量2.1重量%の固体触媒成分を
用いて、実施例1(B)と同様にしてプロピレンの重合
を行った。 その結果、触媒効率CE=5,550g−PP/g−Cat、重合活
性K=185、II=94.6%、ρB=0.37g/cc、MFI=6.2で
あった。 〔発明の効果〕 以上のように本発明によると高立体規則性のオレフィ
ン重合体が高活性で得られる。
更に詳しくは、特定の固体触媒成分と有機アルミニウム
化合物及び必要に応じて更に電子供与性化合物を組み合
せてなる触媒の存在下に、エチレン、プロピレン、ブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、3−メチルブテン−
1などのオレフィンを重合させてオレフィン重合体を製
造する方法に関するものである。とくには、炭素数3以
上のα−オレフィンの重合に適用した場合に、高立体規
則性の重合体が高活性で得られるオレフィン重合体の製
造法に関する。 〔従来の技術およびその問題点〕 従来、マグネシウム化合物を担体としたチタン含有固
体触媒成分を用いて炭素数3以上のα−オレフインを立
体規則性重合させる方法は数多く提案されている。 例えば特開昭50−108385号、同50−126590号、同51−
28189号、同52−151691号、同56−152810号、同57−633
10号、同57−63311号、同58−83006号、同58−138705
号、同58−147409号、同58−147410号等においては、ハ
ロゲン化マグネシウム化合物、好ましくは塩化マグネシ
ウムを担体原料に用いて得られたチタン含有固体触媒成
分を重合に用いる方法が、また特公昭46−34098号、同4
7−1768号、同47−42137号、特開昭53−2580号、同53−
43094号、同55−152710号、同56−26904号等において
は、アルコキシマグネシウムを担体原料に用いて得られ
たチタン含有固体触媒成分を重合に用いる方法が提案さ
れているが、これらの方法は、いずれも炭素数3以上の
α−オレフインの高立体規則性かつ高活性の重合に対し
て、充分満足しうるとはいえなかった。 これら従来方法においては、チタン含有固体触媒成分
の製造に際し、少なくともマグネシウム化合物、チタン
化合物及び電子供与性化合物を反応させた後、遊離のチ
タン成分が検出されなくなる迄、例えばヘキサン、ヘプ
タン、灯油等の液状炭化水素で洗浄するのが、高活性で
かつ高立体規則性重合をさせるうえで好ましいとされて
いた。例えば特開昭52−151691号公報、同56−152810号
公報には、ハロゲン化マグネシウム化合物、4価のチタ
ン化合物及び電子供与性化合物との反応生成物を、それ
に含有させる4価のチタン化合物の少なくとも80重量%
が沸騰n−ヘプタンに不溶となるように、充分洗浄する
方法が提案されており、その理由としてヘプタン可溶性
のチタン化合物の存在は触媒の活性と立体規則性に対し
て不利となることが挙げられている。 本発明者等は、従来方法に対して重合活性と立体規則
性が更に改良されたチタン含有固体触媒成分を得るべ
く、鋭意検討を重ねた結果、意外にも炭化水素可溶性の
チタン化合物の存在は、重合活性と立体規則性に対して
決して不利とはならず、むしろ両者のバランスを向上さ
せる効果があることを見い出し、本発明に到達したもの
で、それ自体ではプロピレンの立体規則性重合能のない
本発明における炭化水素可溶性のチタン化合物の存在
が、かかる効果をもたらすことは驚くべきことである。 さらに、本発明によれば、チタン含有固体触媒成分の
製造に際し、炭化水素での洗浄工程が簡略化される為、
工業的にも有利である。 〔問題点を解決するための手段〕 即ち、本発明は、 (A)一般式Mg(OR1)2〔R1は炭化水素基を示す〕で表さ
れるマグネシウム化合物、4価のチタン化合物、及び電
子供与性化合物との反応生成物であるマグネシウム、4
価のチタン、ハロゲン及び電子供与性化合物を必須成分
とする固体触媒成分であって、かつそれに含有される4
価のチタン化合物の少なくとも20重量%を超える量が沸
騰n−ヘプタンに可溶である固体触媒成分 (B)周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物、
及び必要に応じて (C)電子供与性化合物 より成る触媒の存在下にオレフィンを単独重合または共
重合させることを特徴とするオレフィン重合体の製造
法、 に存する。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で使用する固体触媒成分(A)は、少なくとも
一般式Mg(OR1)2〔R1は炭化水素基を示す〕で表されるマ
グネシウムに化合物と4価のチタン化合物および電子供
与性化合物、更に必要に応じてケイ素化合物、ハロゲン
化剤等の助剤とを一時的、または段階的に接触、反応さ
せて得られるマグネシウム、4価のチタンハロゲン、電
子供与性化合物を含有する複合固体である。 具体的には、 (1)ジアルコキシマグネシウム、4価のチタン化合物
及び電子供与性化合物を任意の順序で反応させた後、液
状炭化水素で適宜洗浄する方法 等の方法によって製造される。 また、これらの反応時にケイ素化合物、ハロゲン化合
物、あるいは不活性固体、例えばSiO2、Al2O3、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリ−3メチルブテン1、ポ
リ−4メチルペンテン1、TiO2、B2O3、CaCO3等を添加
してもよい。 用いられるチタン化合物は、TiCl4、TiBr4、TiI4、Ti
(OR2)nX4-n(R2は炭化水素、Xはハロゲン、nは0<n
≦4を示す)、あるいは、これらの混合物等の中から選
ばれる。 電子供与性化合物としては、一般に含リン化合物、含
酸素化合物、含硫黄化合物、含窒素化合物等が挙げられ
る。このうち好ましくは、含酸素化合物が挙げられる。 含酸素化合物としては、例えば下記一般式 (式中、R3はアルコキシ基で置換されていてもよい炭化
水素基を示し(同じでなくてもよい)、相互に結合して
環状基を形成してもよい。またkは1〜3の数を示
す。)で表わされる化合物が挙げられる。 好ましくは、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、アク
リル酸エチル、オレイン酸エチル、ステアリン酸エチ
ル、フエニル酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エ
チル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、トルイル酸
メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸プロピル、トル
イル酸ブチル、エチル安息香酸メチル、エチル安息香酸
エチル、キシレンカルボン酸エチル、アニス酸メチル、
アニス酸エチル、エトキシ安息香酸メチル、エトキシ安
息香酸エチル、ケイ皮酸エチル、フタル酸ジエチル、フ
タル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘ
キシル、フタル酸ジオクチルの様なカルボン酸のエステ
ル類あるいはγ−ブチルラクトンの様な環状エステル類
が挙げられる。また、Si-OR4、Si-OCOR4又はSi−▲NR4 2
▼結合を有するケイ素化合物(式中、R4は炭素数1〜20
個の炭化水素基を示す)も好適に用いられる。 本発明方法において重要なことは、4価のチタン含有
固体触媒成分に含有される4価のチタン化合物の一部が
液状炭化水素に可溶である、好ましくは4価のチタン化
合物の20重量%を超える量で約80重量%以下は沸騰n−
ヘプタンに可溶であるということである。かかる4価の
チタン含有固体触媒成分を得るには特に制限はなく、例
えば前述した各種の方法、即ち、少なくとも一般式Mg(O
R1)2〔R1は炭化水素基を示す〕で表されるマグネシウム
化合物、4価のチタン化合物および電子供与性化合物を
反応させた後、液状の炭化水素、例えばヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等で前述の可溶
チタン量が残される様な温度、通常は0℃〜約80℃程度
及び方法で洗浄すればよい。この洗浄に用いる炭化水素
に、少量のエーテル、エステル、アミン、ケトン等の電
子供与性化合物が含まれていてもよい。なお、4価のチ
タン含有固体触媒成分の25℃におけるヘプタンに対する
可溶分については、0.5重量%以下が好ましい。 以上述べた方法の更にその具体例を示すと、 (1)−(イ)ジアルコキシマグネシウム、テトラアル
コキシシラン及び必要によりテトラアルコキシチタンを
反応せしめて得られた固体をTiCl4及び芳香族カルボン
酸エステルと反応させ分離した後、更にTiCl4及び芳香
族カルボン酸エステルと反応させ、ついで芳香族炭化水
素で適宜洗浄する方法 (1)−(ロ)ジアルコキシマグネシウム、テトラアル
コキシシランTiCl4及び芳香族カルボン酸エステルと反
応せしめて得られた固体を分離した後、TiCl4及び芳香
カルボン酸エステルと反応せしめて得られた固体を分離
した後、TiCl4及び芳香族カルボン酸エステルと反応さ
せ、ついで芳香族炭化水素で適宜洗浄する方法 (1)−(ハ)(イ)あるいは(ロ)においてアルコキ
シ基が適宜アリロキシ基に置きかえたものである方法 (1)−(ニ)(イ)〜(ハ)において付加的にアルコ
ール、フェノール、等を加える方法 等が挙げられるが、本発明はこれらの方法に限定される
ものではない。 4価のチタン含有固体触媒成分の組成としては、ハロ
ゲン/チタン(モル比)が1〜5000、電子供与性化合物
/チタン(モル比)が0.1〜5、トタン/マグネシウム
(モル比)が0.01〜1.0、固体触媒成分中のチタン含量
(重量%)が0.01〜20の範囲、好ましくはハロゲン/チ
タン(モル比)が3〜100、電子供与性化合物/チタン
(モル比)が0.5〜3、チタン/マグネシウム(モル
比)が0.02〜0.5、固体触媒成分中のチタン含量(重量
%)が0.1〜10の範囲にある。 周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物(B)
としては、好ましくは、一般式AIR5 lX3-lで表わされる
化合物が挙げられる。上式においてR5は炭素数1〜20個
の炭化水素基を示し、特に脂肪族炭化水素基が好まし
い。Xはハロゲン、lは2〜3の数を示す。この有機ア
ルミニウム化合物の具体例としてはトリエチルアルミニ
ウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウムモノクロライド等が挙げられるが、好ましくは、
トリアルキルアルミニウムが用いられる。また、Oまた
はN原子を介して結合した2個またはそれ以上のAl原子
を含有する有機アルミニウム化合物も使用することがで
きる。 更に、ジアルキルアルミニウムハイドライド、ジアル
キルアルミニウムアルコキシド、アルキルアルミニウム
セスキアルコキシド等も用いられる。 必要に応じて使用される電子供与性化合物(C)とし
ては、チタン含有固体触媒成分(A)の製造において使
用された電子供与性化合物群の中から選ばれるが、好ま
しくは芳香族カルボン酸エステル、Si−O−C結合を含
有するケイ素化合物、Al−O−Si−C結合を含有するケ
イ素化合物等である。 触媒核成分の使用割合は、触媒成分(A)中のチタン
対(B)成分の金属対(C)成分の電子供与性化合物の
モル比が1:3〜500:0〜100、好ましくは1:20〜200:3〜50
になるように選ばれる。 重合するオレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペ
ンテン−1等が挙げられ、好ましくは炭素数3以上のα
−オレフィン、特にプロピレンが挙げられる。また重合
は単独重合のほか通常公知のランダムまたはブロック共
重合にも好適に適用できる。 重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン等の不活性炭化水素や液化α−オレフィン
等の溶媒の存在下あるいは不存在下に行なわれる。温度
は40〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、圧力は特に
制限されないが、通常大気圧〜100気圧の範囲内から選
ばれる。 また重合系内に分子量調節剤として水素を存在させる
こともできる。 その他、α−オレフィンの単独重合、共重合に当って
通常採られる手段を本発明に適用することもできる。例
えば前記触媒2成分(A)、(B)または3成分
(A)、(B)、(C)を用いてα−オレフィンを前重
合させ、ついで前重合温度より高い温度でα−オレフィ
ンを本重合させる方法である。この際前重合量は触媒成
分(A)1g当り約0.1〜100g程度から選ばれるが、一般
的には約1〜3gで充分である。 〔実施例〕 次に実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら実施例に
よって制約を受けるものではない。 又、第1図は本発明に含まれる技術内容の理解を助け
るためのフローチャート図であり、本発明はその要旨を
逸脱しない限りフローチャート図によって制約を受ける
ものではない。 なお、実施例において、触媒効率(CEとして示す)は
触媒成分の固体触媒成分(A)1g当りのポリマーの生成
量(g)であり、重合活性(Kとして示す)は1時間に
つきα−オレフィン圧1kg/cm2当り固体触媒成分(A)1
g当りのポリマー生成量(g)である。アイソタクチッ
クインデックス(IIとして示す)は改良型ソックスレー
抽出器で沸騰n−ヘプタンにより6時間抽出した場合の
残量(重量%)である。嵩密度(ρBとして示す。単位
はg/cc)はJIS−K−6721に従って測定した。メルトフ
ローインデックス(MFIとして示す)はASTM−D−1238
に従って測定した。 実施例1 (A)固体触媒成分の製造 攪拌機、温度計を備えた500mlフラスコに精製N2シー
ル下市販Mg(OC2H5)2を5g採取し、Ti(OC4H9)4 7.4gおよ
びテトラエトキシシラン4.6gを添加し、攪拌下昇温して
130℃で1時間反応させた。その後100℃に降温しフェノ
ール8.2gのトルエン溶液を滴下した。滴下後昇温し110
℃で1時間反応させ黄色固体のスラリー状反応物を得
た。 このものに精製トルエン87mlを添加した後、−20℃ま
で冷却し、−20℃においてTiCl4 25gを添加した。添加
後徐々に昇温し、80℃に昇温後安息香酸エチル1.3gを添
加し、同温度で1時間保持した。その後精製トルエンで
洗浄し、固体生成物を得た。 次いで、TiCl4 82g安息香酸エチル1.3gを添加し、80
℃において1時間固体生成物を処理した。その後、室温
において精製トルエン200mlで4回洗浄して固体触媒成
分4.8gを得た。尚、この固体触媒成分中のチタンは全て
4価のものであった。固体触媒成分中のTi4+の沸騰n−
ヘプタン可溶量を測る為、その一部を加熱、減圧下で乾
燥し粉末とした。この粉末中のTi4+含量は2.6重量%で
あった。このものをソックスレー抽出器を用いて沸騰n
−ヘプタンで抽出したところTi4+含量は1.0重量%に減
少した。 抽出前の粉末が200mgであったのに対し、抽出後は、1
80mgとなった。従って固体触媒成分中のTi4+の沸騰n−
ヘプタン可溶分は65重量%となる。 (B)プロピレンの重合 精製アルゴンで充分置換した2lの誘導攪拌式オートク
レーブに、アルゴンシール下、室温でトリエチルアルミ
ニウム1.0ミリモル、パラメチル安息香酸メチル0.3ミリ
モルを添加し、更に室温でH2を1.0Kg/cm2になるように
加え、液体プロピレン700gを仕込んだ。次いでTi含量2.
6重量%の上記固体触媒成分15mgを添加した後、70℃に
昇温し、1時間の重合を行った。その後余剰のプロピレ
ンをパージして、粉末ポリプロピレン300gを得た。触媒
効率CEは20,000g−PP/g−cat、重合活性Kは670であっ
た。得られた重合体のρBは0.43g/ccであり、IIは97.2
%、MFIは、6.3であった。 実施例2 (A)固体触媒成分の製造 実施例1と同様の手法で、市販Mg(OC2H5)25g、Ti(OC4
H9)4 7.4gを混合し、攪拌下昇温し、130℃で1時間反応
させた。ここに、トルエンに溶解したテトラフェノキシ
シラン4.4gを添加し、130℃で更に1時間反応を続行
し、黄色固体のスラリー状反応物を得た。 この反応物を用いたことと、−20℃でのTiCl4添加量
を41gにした以外は、実施例1と全く同様に固体触媒成
分を調製した。 この固体触媒成分の乾燥後のTi含量は、2.7重量%で
あった。尚、この固体触媒成分中のチタンは全て4価の
ものであった。また、沸騰n−ヘプタン抽出後のTi含量
は1.9重量%となった。固体触媒成分中のTi4+の沸騰n
−ヘプタン可溶分は36重量%であった。 (B)プロピレンの重合 (A)で得られたTi含量2.7重量%の固体触媒成分を
用いること以外は重量1の(B)と同様にしてプロピレ
ンの重合を行ったところ、触媒効率CE=25,500g−PP/g
−Cat、重合活性K=850、II=96.2%、ρB=0.42g/c
c、MFI=7.5であった。 実施例3 (A)固体触媒成分の製造 市販Mg(OC2H5)25g、テトラブトキシシラン7g、テトラ
フェノキシシラン8.8gのトルエン溶液を室温で混合し、
攪拌下昇温して130℃で2時間反応させた。この反応物
は白色固体のスラリー状であった。 このものに精製トルエン58mlを添加した後−20℃に冷
却し、TiCl425gを添加した。添加後徐々に昇温し、80℃
で安息香酸エチル1.3gを添加し、同温度で1時間保持し
た後、精製トルエンで洗浄し固体生成物を得た。 次いで、TiCl441g、安息香酸エチル0.7gを添加し80℃
で1時間処理した後、実施例1(A)と同様にして精製
トルエンで洗浄し、固体触媒成分を得た。尚、この固体
触媒成分中のチタンは全て4価のものであった。このも
のの乾燥後のTi含量は3.3重量%であり、沸騰n−ヘプ
タン抽出後のTi含量は0.8重量%であった。固体触媒成
分中のTi4+の沸騰n−ヘプタン可溶分は79重量%であっ
た。 (B)プロピレンの重合 (A)で得られたTi含量3.3重量%の固体触媒成分を
用いること以外は実施例1の(B)と同様にしてプロピ
レンの重合を行ったところ、触媒効率CE=21,000g−PP/
g−Cat、重合活性K=700、II=97.9%、ρB=0.41g/c
c、MFI=5.8であった。 実施例4 (A)固体触媒成分の製造 Mg(OC4H9)27.5g、テトラフェノキシシラン8.8gのトル
エン溶液を用い、130℃で2時間反応させて、白色固体
のスラリー状反応物を得た。 この反応物を得て用いた以外は、実施例3(A)と同
様にして固体触媒成分を得た。尚、この固体触媒成分中
のチタンは全て4価のものであった。 この固体触媒成分の乾燥後のTi含量は2.5重量%であ
った。このものを沸騰n−ヘプタンで抽出したところTi
含量は1.5重量%となった。Ti4+の沸騰n−ヘプタン可
溶分は45重量%であった。 (B)プロピレンの重合 (A)で得られたTi含量2.5重量%の固体触媒成分を
用いること及びパラメチル安息香酸メチルをアニス酸メ
チルに代えるころ以外は実施例1(B)と同様にしてプ
ロピレンの重合を行ったところ、触媒効率CE=18,000g
−PP/g−Cat、重合活性K=600、II=98.2%、ρB=0.
42g/cc、MFI=3.5であった。 実施例5 (A)固体触媒成分の製造 実施例1と同様の手法で、Mg(OC2H5)2を5g採取しテト
ラフェノキシシラン4.8g、安息香酸エチル0.7g、TiCl44
5gを添加し、攪拌下徐々に昇温した。80℃に昇温後、同
温度で2時間保持した後、精製トルエンで洗浄し、固体
生成物を得た。次いで安息香酸エチル0.35g、TiCl423g
を添加し、80℃において1時間固体生成物を処理した。
その後、実施例1(A)と同様にして精製トルエンで室
温下洗浄し、固体触媒成分を得た。尚、この固体触媒成
分中のチタンは全て4価のものであった。乾燥後の固体
触媒成分中のTi含量は、2.7重量%であった。このもの
を沸騰n−ヘプタンで抽出したところTi含量は、2.1重
量%となった。固体触媒成分中のTi4+の沸騰n−ヘプタ
ン可溶分は25重量%であった。 (B)プロピレンの重合 (A)で得られたTi含量2.7重量%の固体触媒成分を
用いること以外は実施例1(B)と同様な手法でプロピ
レンの重合を行ったところ、触媒効率CE=25,800g−PP/
g−Cat、重合活性K=860であり、II=96.0%、ρB=
0.41g/cc、MFI=4.8であった。 比較例1 実施例1(A)における固体触媒成分を沸騰n−ヘプ
タンで抽出した後のTi含量1.0重量%の固体触媒成分、
すなわち、沸騰n−ヘプタンに可溶なTi4+成分の除去さ
れた固体触媒成分を用いて、実施例1(B)と同様にし
てプロピレンの重合を行った。その結果、触媒効率CE=
24,000g−PP/g−Cat、重合活性K=80であった。また、
II=95.5%、ρB=0.38g/cc、MFI=3.5であった。 比較例2 実施例2(A)における固体触媒成分を沸騰n−ヘプ
タンで抽出した後のTi含量1.9重量%の固体触媒成分に
用いて、実施例1(B)と同様にしてプロピレンの重合
を行った。その結果触媒効率CE=3,600g−PP/g−Cat、
重合活性K=120、II=96.0%、ρB=0.39g/cc、MFI=
6.3であった。 比較例3 実施例4(A)における固体触媒成分を沸騰n−ヘプ
タンで抽出した後のTi含量1.5重量%の固体触媒成分に
用いて、実施例1(B)と同様にしてプロピレンの重合
を行った。 その結果触媒効率CE=2,500g−PP/g−Cat、重合活性
K=85、II=96.0%、ρB=0.39g/cc、MFI=5.3であっ
た。 比較例4 実施例5(A)における固体触媒成分を沸騰n−ヘプ
タンで抽出した後のTi含量2.1重量%の固体触媒成分を
用いて、実施例1(B)と同様にしてプロピレンの重合
を行った。 その結果、触媒効率CE=5,550g−PP/g−Cat、重合活
性K=185、II=94.6%、ρB=0.37g/cc、MFI=6.2で
あった。 〔発明の効果〕 以上のように本発明によると高立体規則性のオレフィ
ン重合体が高活性で得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一態様を示すフローチャート図であ
る。
る。
フロントページの続き
(72)発明者 磯部 英二
横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成
工業株式会社総合研究所内
(56)参考文献 特開 昭55−40745(JP,A)
特開 昭60−112805(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.一般式Mg(OR1)2〔R1は炭化水素基を示す〕で表され
るマグネシウム化合物、4価のチタン化合物、及び電子
供与性化合物との反応生成物であるマグネシウム、4価
のチタン、ハロゲン及び電子供与性化合物を必須成分と
する固体触媒成分であって、かつそれに含有される4価
のチタン化合物の少なくとも20重量%を超える量が沸騰
n−ヘプタンに可溶である固体触媒成分 (B)周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物、
及び必要に応じて (C)電子供与性化合物 より成る触媒の存在下にオレフィンを単独重合または共
重合させることを特徴とするオレフィン重合体の製造
法。 2.周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物
(B)が一般式A1R5 1X3-1で表される化合物(上式にお
いてR5は炭素数1〜20個の炭化水素基を示し、Xはハロ
ゲン、1は2〜3の数を示す)である特許請求の範囲第
1項に記載のオレフィン重合体の製造法。 3.オレフィンが炭素数3以上のα−オレフィンである
特許請求の範囲第1項または第2項に記載のオレフィン
重合体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62110198A JP2660967B2 (ja) | 1987-05-06 | 1987-05-06 | オレフィン重合体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62110198A JP2660967B2 (ja) | 1987-05-06 | 1987-05-06 | オレフィン重合体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63275604A JPS63275604A (ja) | 1988-11-14 |
JP2660967B2 true JP2660967B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=14529535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62110198A Expired - Fee Related JP2660967B2 (ja) | 1987-05-06 | 1987-05-06 | オレフィン重合体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2660967B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5540745A (en) * | 1978-09-19 | 1980-03-22 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | Component of olefin polymerization catalyst |
JPS60112805A (ja) * | 1983-11-01 | 1985-06-19 | ハーキユリーズ・インコーポレーテツド | 低結晶化度ポリオレフインの製造方法 |
-
1987
- 1987-05-06 JP JP62110198A patent/JP2660967B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63275604A (ja) | 1988-11-14 |
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