JPH0689070A - 軽量油粘土及びその製造方法 - Google Patents

軽量油粘土及びその製造方法

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JPH0689070A
JPH0689070A JP19649792A JP19649792A JPH0689070A JP H0689070 A JPH0689070 A JP H0689070A JP 19649792 A JP19649792 A JP 19649792A JP 19649792 A JP19649792 A JP 19649792A JP H0689070 A JPH0689070 A JP H0689070A
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Takaari Komatsu
孝有 小松
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Abstract

(57)【要約】 【目的】工作や運搬等に際し便宜的な軽量化した油粘土
及びその製造方法を提供する。 【構成】鉱油及び合成油より選択される少なくとも一種
に、適量の脂肪酸を混合、反応させることによりグリー
ス状物質を生成する。その後、このグリース状物質に、
金属系及び非金属系の酸化物、炭酸化物、硫酸化物、炭
素材料の微粒粉体より選択される少なくとも一種と、粒
子内に複数の小泡を有する架橋ポリエステルから構成し
た熱硬化性樹脂からなる多孔質粉体とを混練し、脱気、
熟成、成形することにより、比重を小さくして粘土の重
量を軽くするとともに、外的負荷がかかった場合にも体
積の減少しない油粘土を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作用等に使用される
油粘土及びその製造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から一般的に使用されている工作用
等の油粘土は、油粘土自体の重量が重いため、工作の
際、工作した部分が自重によって折れ曲がってしまう等
の課題があった。又、運搬に際しても児童等には勿論、
大人にとっても労力を要するという課題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の実情
に鑑み提案されたもので、その目的とするところは、工
作や運搬に際し便宜な軽量化した油粘土及びその製造方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、粒子内に小孔径の小泡を多数包含する熱硬化性樹
脂からなる多孔質粉体が油粘土中にも容易に分散できる
ことを見出し、これを粘土に配合することで本発明を完
成した。
【0005】本発明は、以下の特徴を有する軽量油粘土
を提供することにより上記課題を解決する。本発明の軽
量油粘土は、鉱油及び合成油より選択された少なくとも
一種と、適量の脂肪酸と、金属系及び非金属系の酸化
物、炭酸化物、硫酸化物、及び炭素材料の微粒粉体より
選択される少なくとも一種と、熱硬化性樹脂からなる多
孔質粉体とを主成分にして構成されるものである。
【0006】又、本発明は、以下の特徴を有する軽量油
粘土の製造方法を提供することにより上記課題を解決す
る。本発明の軽量油粘土の製造方法は、鉱油及び合成油
より選択された少なくとも一種に、適量の脂肪酸を混
合、反応させることによりグリース状物質を生成する。
その後、このグリース状物質に、金属系及び非金属系の
酸化物、炭酸化物、硫酸化物、炭素材料の微粒粉体より
選択される少なくとも一種と、熱硬化性樹脂からなる多
孔質粉体とを混練し、脱気、熟成、成形する方法であ
る。
【0007】本発明の軽量油粘土に使用される鉱油及び
合成油より選択された少なくとも一種は、40°Cにお
ける動粘度が20ないし10000cst、平均分子量
250ないし10000のものが好ましい。
【0008】脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等が
使用でき、炭素数8ないし30、融点20ないし80°
C、中和価100ないし300mgKOH/g、沃素価
0.01ないし100の性状を有するものが好適であ
る。
【0009】そして、この脂肪酸は、軽量油粘土を製造
するに際し、上記鉱油及び合成油より選択された少なく
とも一種に適量、混合されて反応されることによりグリ
ース状物質が生成されるが、このグリース状物質は、3
0°Cないし300°Cの温度範囲で反応、混練するこ
とによって生成するのが好ましい。又、鉱油及び合成油
より選択された少なくとも一種に対する脂肪酸の配合量
は、鉱油等100重量部に対して10重量部ないし10
0重量部である。
【0010】次に、この得られたグリース状物質に、金
属系及び非金属系の酸化物、炭酸化物、硫酸化物、炭素
材料の微粒粉体の単独あるいは二種以上の混合物と、熱
硬化性樹脂からなる多孔質粉体とを混練し、脱気、熟
成、成形することによって本発明の軽量油粘土が得られ
る。
【0011】このグリース状物質に混合する金属系及び
非金属系の酸化物、炭酸化物、あるいは硫酸化物の金属
基あるいは非金属基は、Ca、Si、Li、Mg、K、
Na、Fe、Cu、Ti、Ba、Pb、Znの単独ある
いは二種以上の混合物である。又、その配合量は、グリ
ース状物質100重量部に対し50重量部ないし100
0重量部が好ましい。
【0012】熱硬化性樹脂からなる多孔質粉体は、図
1、図2に示すように一般的には粒子径Rが1mm程度
以下の複数の粒子1…1からなるもので、その粒子1内
に小胞2…2が多数に存在するものである。ここに、図
1は、その粒子構造を示す倍率500の顕微鏡写真であ
り、図2は、その説明図である。この多孔質粉体の一般
性質としては、外観が白色を呈しており、見掛比重が
2.8mL /g、粒子空隙率が65〜70%で、粒子密
度が約0.55等である。そして、熱硬化性樹脂を隔壁
とする多数の小胞からなっているので、外的負荷に対し
て破壊し難く、又、耐熱、耐水、耐薬品性が高く、香
料、酸素等を吸収しても強度低下を起こさない。更に、
油粘土等にも容易に分散する等の特徴を有する。一方、
この多孔質粉体は、コポリマーになっているので安全無
害である。
【0013】この実施例においては、この多孔質粉体
を、粒子径Rが5〜100μmの大きさからなる架橋ポ
リエステルから構成している。粒子径が5以下では、油
粘土の軽量の効率化が図れず、一方、100以上では粘
土が脆くなってしまうからである。又、配合量は、グリ
ース状物質100重量部に対し50重量部ないし100
0重量部が好ましく、50重量部以下では軽量化が図れ
ず、一方、1000重量部以上では粘土の可塑性を損な
う。
【0014】このような粒子1内に小胞2…2が多数に
存在するものから構成される多孔質粉体を粘土に、水ス
ラリー、あるいは乾燥粉末として所定量配合すること
で、油粘土の軽量化を図ることができる。一方、例え
ば、熱可塑性重合体殻中に揮発性膨張剤を内包した熱膨
張性粒子を加熱膨張させた複数の微小中空体を粘土中に
配合して油粘土の軽量化を図ることも考えられるが、こ
の場合においては、微小中空体の内部全体が空洞化して
いるため、例え微小中空体自体にある程度の弾力性を有
していても製造過程や工作過程等で外的負荷がかかると
そのいくつかが破壊してしまう。その結果、製造過程や
工作過程等において粘土の体積が減少してしまい、軽量
化を損なうという課題が発生する。しかしながら、本発
明のように粒子1内に小胞2…2が多数に存在する多孔
質粉体を粘土中に配合することによって、その粒子1に
外的負荷がかかった場合でも多数の小胞2…2により形
成される弾力性により各々の粒子1が破壊されるような
ことがないため、製作過程や工作に際し当初の油粘土の
体積を維持できるものとなる。
【0015】尚、鉱油及び合成油は、高度に精製された
ものであれば、芳香族炭化水素が非常に少なく、無害で
ある。又、金属系及び非金属系の添加物についても、例
えば炭酸カルシウムは、食品添加物に指定されたものを
使用すれば無毒である。従って、上記のような原材料の
配合による本発明の油粘土は安全、無害なものに形成で
きる。
【0016】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を説明
する。 実 施 例 1 精製された鉱油(40°Cにおける動粘度120cs
t、平均分子量530、CA3%)100重量部を採取
し、これに飽和又は不飽和脂肪酸(融点50°C、中和
価100mgKOH/g、沃素価2g沃素/60g)5
0重量部を配合し60〜70°Cに加熱、攪拌し、80
〜100°Cに加熱し、完全に反応させた後、温度を1
20〜130°Cにあげて反応によって生成した水を蒸
発除去後、加熱を中止して放冷する。
【0017】冷却後、得られた物質をローラーにかけて
上記脂肪酸と鉱油とからなる均一な粘稠性を有するグリ
ース状物質を得た。次に、得られたグリース状物質10
0重量部に対し、天然産白土(SiO2 75%、AL2
2 20%、その他5%)を150重量部と、多孔質粉体
を150重量部とを配合して十分に混練、脱気熟成して
油粘土を得た。その際、使用した多孔質粉体は、外観が
白色を呈し、見掛比重が2.8mL/g、粒子空隙率が
65〜70%で、粒子密度が0.55のものであった。
そして、得られた油粘土の比重は、1.0であった。
【0018】実 施 例 2 精製された鉱油(40°Cにおける動粘度80cst、
平均分子量400)80重量部とポリ−α−オレフィン
系合成油20重量部(平均分子量1000)との混合物
に対し炭素数16〜20の脂肪酸ナトリウムを反応させ
複分解法で作った脂肪酸アルミニウム30重量部を添加
し、150°C〜170°Cにて30〜60分嵌十分に
攪拌して完全に溶解させる。この溶解後、数時間放冷
し、次に、この物質をローラーにかけて脂肪酸アルミニ
ウム、脂肪酸ナトリウムと鉱油及び合成油からなる均一
な粘稠性を有すグリース状物質を得た。次に、得られた
グリース状物質100重量部に対し、炭酸カルシウム2
00重量部と、多孔質粉体200重量部とを配合して十
分に混練、脱気熟成して油粘土を得た。その際、使用し
た多孔質粉体は、外観が白色を呈し、見掛比重が2.8
mL/g、粒子空隙率が65〜70%で、粒子密度が
0.55のものであった。そして、得られた油粘土の比
重は、0.5であった。
【0019】
【発明の効果】以上、本発明の油粘土は、熱硬化性樹脂
からなる多孔質粉体によって、軽量化を図ることがで
き、しかも、製造過程や工作過程等で粘土に外的負荷が
かかった場合にも多孔質粉体の各々の粒子が破壊され
ず、油粘土全体の体積を維持することができるものとな
る。又、本発明の油粘土の製造方法は、鉱油等から得た
グリース状物質に、熱硬化性樹脂からなる多孔質粉体を
配合して混練することによって多孔質粉体を包含する油
粘土を得ることができ、容易に軽量化したものを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔質粉体の粒子構造を示す顕微鏡写真であ
る。
【図2】図1の説明図である。
【符号の説明】
1 粒子 2 小胞

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉱油及び合成油より選択された少なくとも
    一種と、 適量の脂肪酸と、 金属系及び非金属系の酸化物、炭酸化物、硫酸化物、及
    び炭素材料の微粒粉体より選択される少なくとも一種
    と、 熱硬化性樹脂からなる多孔質粉体と、を主成分にして構
    成されるものであることを特徴とする軽量油粘土。
  2. 【請求項2】鉱油及び合成油より選択された少なくとも
    一種に、適量の脂肪酸を混合、反応させることによりグ
    リース状物質を生成し、その後、このグリース状物質
    に、金属系及び非金属系の酸化物、炭酸化物、硫酸化
    物、炭素材料の微粒粉体より選択される少なくとも一種
    と、熱硬化性樹脂からなる多孔質粉体とを混練し、脱
    気、熟成、成形することを特徴とする軽量油粘土の製造
    方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6254570A (ja) * 1985-09-02 1987-03-10 Mitsubishi Metal Corp 複合ろう付け部材の製造法
JPH02123390A (ja) * 1988-11-01 1990-05-10 Shikouraku Kiyouzai Nendo Kk 軽量粘土

Patent Citations (2)

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