JPH0689038B2 - バンコマイシン改良精製法およびその生産物 - Google Patents

バンコマイシン改良精製法およびその生産物

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JPH0689038B2
JPH0689038B2 JP59258386A JP25838684A JPH0689038B2 JP H0689038 B2 JPH0689038 B2 JP H0689038B2 JP 59258386 A JP59258386 A JP 59258386A JP 25838684 A JP25838684 A JP 25838684A JP H0689038 B2 JPH0689038 B2 JP H0689038B2
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    • C07K9/006Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof the peptide sequence being part of a ring structure
    • C07K9/008Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof the peptide sequence being part of a ring structure directly attached to a hetero atom of the saccharide radical, e.g. actaplanin, avoparcin, ristomycin, vancomycin

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 バンコマイシンは・インドネシアおよびインドで得た土
壌から単離した微生物であるノカルジア・オリエンタリ
ス〈Nocardia orientalis〉(以前はストレプトマイセ
ス〈Streptomyces〉・オリエンタリスと称した)を発酵
させることにより製造されるグリコペプチド系抗生物質
である。発酵から得られる殆どの抗生物質と同様に、バ
ンコマイシンも数種の密接に関連して化学的に類似した
化合物の多因子複合体であり、その製造法は米国特許第
3,067,099号に詳細に記載されている。バンコマイシン
は反芻動物の食餌利用率向上物質としても有効である
が、主に抗菌物質として販売されている(米国特許第3,
816,618号参照)。
市販するバンコマイシンを製造するには、発酵に次いで
かなり大規模に単離および精製する工程を包含する多段
階工程が必要とされてきた。一般には発酵ブロス全体を
濾過して固形物および菌糸体を除去し、可溶の抗生物質
を含有する濾液を抗生物質活性を保持する低架橋陽イオ
ン交換樹脂に通す。次に、バンコマイシンを含有する樹
脂溶出物を脱色炭で処理したのち可溶のバンコマイシン
を不溶の銅複合体として単離する。最後に、銅複合体を
酸性条件下に硫化水素で処理してバンコマイシンを可溶
化し、これを適当にpHを調節することにより遊離塩基と
して単離することができる。この遊離塩基は動物への経
口投与用製剤の形で用いられるが、注射可能な製剤用に
そのまま用いるか塩酸塩などの誘導体に変換してもよ
い。
バンコマイシンの商業的製造法には幾つかの問題点があ
る。単離工程において第二銅塩を用いる場合は、銅複合
体を生じさせ、銅の可溶性塩を不溶性の硫化物などとし
て沈澱させるために硫化水素などの化合物をその後で用
いなければならない。このことにより、時として不快な
臭気を有し、一般的に幾分着色したバンコマイシン生成
物が生じる。また、多段階の単離および精製工程では各
段階で生成物の損失が生じるので、バンコマイシンの遊
離塩基の総収率はたつた30%程度になつてしまう。
本発明はこのような欠点を改善するバンコマイシンの新
規精製法を提供する。
発明の構成および効果 本発明は、結晶性であつて、発酵ブロスなどの比較的粗
製のバンコマイシンの水溶液から直接単離し得るバンコ
マイシンの新規な塩形を提供する。これまでバンコマイ
シンの結晶型の塩は全く得られていないが、本発明の新
規な結晶型は長期間に亘つて安定であり、製剤の調製に
直接用いることができる。本発明は、バンコマイシン銅
複合体を形成する必要を失くし、総収率を改善し、改良
された製剤特性を持つた生成物を提供する点において改
良されたバンコマイシン単離方法を提供する。
本発明により提供される新規な結晶性成分は、バンコマ
イシンの二リン酸塩である。本化合物はバンコマイシン
の酸性水溶液から単離することができ、一般には水和物
として存在する。水和の程度は本化合物を乾燥する程度
により変わるが、通常、本塩は水が約0から約10モルの
水和物として単離する。好ましい本発明化合物は、結晶
性バンコマイシン・二リン酸塩・十水和物である。本発
明で提供するバンコマイシン・二リン酸塩は、非常に安
定な高度に結晶化した化合物である。本発明化合物の水
和物は、ニツケルをフイルターとする1.5418Åの銅X線
を用いた114.6mmのDebye−Scherrerカメラで測定した場
合、下記のX線粉末回析特性を示す。
格子面間隔a) 相対強度b) I/I1 16.52 1.00 12.36 .30 10.28 .50 8.98 .75 7.97 .50 7.41 .20 6.76 .20 6.24 .20 5.61 .50 5.34 .50 4.96 .40 4.73 .20 4.44 .50 4.26 .50 3.98 .40 3.75 .40 3.55 .50 3.35 .30 3.15 vwc) 3.01 vw 2.81 vw 2.66 vw a)Spacing b)Relative Intensities c)vwは非常に弱いを意味する。
本発明により提供するバンコマイシンの単離精製改良法
は、水溶液(発酵水性ブロスなど)から得たバンコマイ
シンを二リン酸塩に変換し、当該塩を濾取することによ
り実施する。実際には、バンコマイシンの全ブロスをpH
約8.0〜約10のアルカリ性で濾過する。一般にはCelite
(Johns Manville,Inc.)などの汎用されるケイ藻土濾
過助剤を用いて固形の不純物および発酵菌糸体の除去を
促進する。この濾液を低架橋ポリスチレン/ジビニルベ
ンゼン・ナトリウム陽イオン樹脂であるIonac X−236な
どのイオン交換樹脂に通して、バンコマイシンを吸着す
る。バンコマイシンは樹脂を水洗してpH約9.0〜約11.0
のアルカリ性水溶液で溶出することにより樹脂から溶出
する。溶出に適する代表的な溶媒はpH約10.0から約11.0
の水酸化ナトリウム水溶液である。バンコマイシンを含
有するアルカリ性樹脂溶出液を中和し、活性分を市販の
Daiaion HP−20樹脂などの非官能性樹脂に再吸着する。
吸着させた樹脂を適当な溶媒、好ましくは約3〜約30%
(v/v)水性エタノールまたはイソプロパノールなどの
アルコール水溶液で溶出する。所望ならば、リン酸を加
えるなどにより水性アルコールを酸性化することによ
り、非官能性樹脂から溶出する間にバンコマイシン・二
リン酸塩を生成させることもできる。
一般に、バンコマイシンを含有する溶出液は、減圧下に
蒸発させるなどにより溶媒の一部を除去して濃縮する。
溶液は、1ml当り約250〜約285mgのバンコマイシンを含
有するように濃縮するのが理想的である。濃縮した溶出
液は、リン酸水溶液を加えるなどによりリン酸塩源でpH
約2.0以下の酸性にする。所望ならば、リン酸二水素ナ
トリウムまたはカリウムなどのリン酸二水素・アルカリ
金属塩を加えるなどにより、溶液に更にリン酸陰イオン
を加えてもよい。上記のリン酸塩源の添加量は重要では
ないが、一般には、溶液中に存在するバンコマイシンの
約10〜約20重量%である。この酸水溶液を約0〜約20℃
に冷却するにつれて本発明のバンコマイシン・二リン酸
結晶型が沈澱し、これを濾取することができる。得られ
た生成物は、所望ならば、結晶を冷水またはアルコール
などの溶媒で洗浄するか、あるいは水、エタノールなど
の普通の溶媒から再結晶するなどの常法により更に精製
してもよい。
本発明で提供する新規な結晶性バンコマイシン・二リン
酸塩の製造法および本改良法の実施方法を下記の詳細な
実施例により更に充分に例示する。
実施例1 バンコマイシン10gを水15mlに懸濁して攪拌し、ここに8
5%(w/v)リン酸水溶液2mlを加えると溶液になつた。
これを16時間0℃に冷却して生成した結晶性沈澱を濾取
し、イソプロパノール20ml、次いでジエチルエーテル20
mlで洗浄し、風乾してバンコマイシン・二リン酸塩7.5g
を得た。mp.194℃(分解)。
結晶性生成物の一部を120℃で乾燥し(乾燥減量は、結
晶中の10モルの水の存在を示す11.55%であつた)、元
素分析した。
元素分析(C66H75Cl2N9O24・2H3PO4として計算) 計算値:C,48.18;H,4.96;N,7.66;Cl,4.31;O,31.12;P,3.7
7 実測値:C,47.98;H,5.19;N,7.41;Cl,4.20;O,31.04;P,3.7
7 実施例2 バンコマイシン水性発酵ブロス全体を6N水酸化ナトリウ
ムを加えてpH9のアルカリ性にして濾過し、濾液をpH7に
調節して再度濾過した。濾液をIonac x236のナトリウム
型樹脂のカラムに通して水洗したのちpH10のホウ酸緩衝
液で溶出した。中和した溶出液の活性分をpH−20樹脂に
吸着し、吸着させた樹脂を水洗したのち0.1Nリン酸およ
び10%(v/v)イソプロピルアルコール水溶液で溶出し
た。バンコマイシンを含有する分画を合し(2300ml)、
減圧下に濃縮して65mlにした。生物学的試験法によりこ
の溶液はバンコマイシン258mg/mlを含有することが分か
つた。この溶液を6Nリン酸を加えてpH2の酸性にし、リ
ン酸二水素カリウム2.5gを徐々に加えながら25℃で攪拌
した。これを18時間約5℃まで冷却し、結晶性沈澱物を
濾取し、2%(w/v)リン酸二水素カリウム冷(5℃)
水溶液26ml、冷(5℃)脱イオン水13ml、最後に冷(5
℃)イソプロピルアルコール26mlで洗浄した。結晶性生
成物を12時間42℃で真空乾燥してバンコマイシン・二リ
ン酸塩13.5gを得た。収率76.6%。
実施例3 本発明で提供するバンコマイシン・二リン酸塩結晶型の
水和物は、長期間に亘つて安定な高度に結晶化した固形
物である。バンコマイシン・二リン酸塩のバルク試料の
安定性を、実施例2の方法で化合物を3回製造して測定
した。3つの各々の試料をポリエチレン容器に21〜28℃
で貯蔵した。3つの各々について種々の物理的変数を0,
6,12および18ケ月目に分析した。この検討結果を下記の
表に表わす。
上記の表中の値は、本発明のバンコマイシン・二リン酸
塩は非常に安定で、12ケ月を経た後に最初の生物学的活
性の約90%以上を保有していることを示している。
本発明により提供する結晶性二リン酸塩は、他の塩型の
バンコマイシンの合成中間体てして用いることができ、
汎用される賦形剤および担体を用いて製剤化して細菌由
来の疾患の治療に供し得る。
本発明の結晶性二リン酸塩は、細菌感染症の治療および
予防用に簡便な経口または非経口投与に適した剤型に容
易にすることができる。
例えば、二リン酸塩を汎用される製薬的な担体および賦
形剤と混合して錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁
剤、シロツプ剤、カシエー剤(wafers)などの形で用い
ることができる。バンコマイシン・二リン酸塩を含有す
る組成物は、活性化合物の約0.1〜約90重量%、一般に
は約10〜約30重量%含有する。本組成物はコーンスター
チ、ゼラチン、ラクトース、スクロース、微結晶セルロ
ース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、
塩化ナトリウム、アルギン酸などの普通の担体および賦
形剤を含有してもよい。本発明の製剤に一般的に用いる
崩壊剤としては、クロスカルメルロース(croscarmello
se)・ナトリウム、微結晶セルロース、コーンスター
チ、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸が挙
げられる。含有し得る錠剤結合剤は、アラビアゴム、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ポリビニルピロリドン(ポビドン、Povidone)、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、デン
プン、エチルセルロースである。用い得る滑沢剤、潤滑
剤(glidants)および被着防止剤(antiadherents)と
しては、ステアリン酸マグネシウムまたはその他のステ
アリン酸金属塩、ステアリン酸、シリコン液、タルク、
ろう、油、シリカゲルが挙げられる。ペパーミント、ウ
インターグリーン油、チエリー香料などの香料も用い得
る。経口投与に適した製剤例を以下に示す。
実施例4 バンコマイシンを遊離塩基として250mg含有する錠剤の
製造 成分 使用量 バンコマイシン・二リン酸塩 282.5mg (実施例2の方法で製造) 微結晶セルロース 101.5mg クロスカルメルロース・ナトリウム 12.0mg ポビドン 12.0mg ステアリン酸マグネシウム 3.0mg ステアリン酸 4.0mg 精製水 0.16ml バンコマイシン・二リン酸塩、微結晶セルロースの一部
およびクロスカルメルロース・ナトリウムの一部を適当
な容器内に入れ、均一になるまで混合する。ポビドンの
水溶液を製造し、これを前記の混合粉末に加える。得ら
れる混合物を粒状化し、必要ならば整粒し、乾燥する。
この乾燥顆粒に残りの微結晶セルロースおよびクロスカ
ルメルロース・ナトリウムを加えて混合し、ステアリン
酸マグネシウムおよびステアリン酸を加えて混合する。
得られる混合粉末を理論重量415mgの錠剤に打錠する。
各錠剤は、バンコマイシン遊離塩基250mgと等価のバン
コマイシン・二リン酸塩を含有する。
実施例5 バンコマイシン・二リン酸塩のカプセル剤の製造 成分 重量 バンコマイシン・二リン酸塩 282.5 mg コーンスターチ流動性粉末 117.65mg シリコン液350センチトークス 2.75mg コーンスターチ 147.1 mg バンコマイシン・二リン酸塩、コーンスターチ流動性粉
末、シリコン液350センチストークスおよびコーンスタ
ーチを適当な混合機内で均一になるまで混合し、適当な
大きさの硬質ゼラチンカプセル内に内容量550mgを充填
する。各カプセルはバンコマイシン活性塩基250mgと等
価のバンコマイシン・二リン酸塩を含有する。
実施例6 バンコマイシン・二リン酸塩の液体製剤 成分 重量 バンコマイシン・二リン酸塩 5g 赤色染料 10mg チエリー香料 50mg 硫酸ラウリルナトリウム 1.5mg スクロース 62g スクロースを適当な混合機に入れ、赤色染料、チエリー
香料および硫酸ラウリルナトリウムと共に粉末としてス
クロースの一部を含む前混合剤を加える。容器内の乾燥
混合物に60mlの水を加えたのち、内容物が水に溶解する
まで容器を振盪する。5ml中にバンコマイシン・二リン
酸塩250mgを含有する。
実施例7 バンコマイシン・二リン酸塩懸濁剤(用時調製) 成分 重量 バンコマイシン・二リン酸塩 5g ブチルパラベン 20mg 赤色染料 10mg チエリー香料 50mg シキシンR(Thixin R) 400mg スクロース末 30g 分留ココナツツ油 全量を100mlとする量 分留ココナツツ油を熱し、ブチルパラベンおよびシキシ
ンRを混合しながら加え、室温まで冷却する。スクロー
ス末、赤色染料、チエリー香料およびバンコマイシン・
二リン酸塩を加えてコロイド製粉機に通す。5ml中にバ
ンコマイシン・二リン酸塩250mgを含有する。
上記で指摘したように、本発明のバンコマイシン・二リ
ン酸塩結晶型は、他の塩型(例えば、塩酸塩)などのよ
うなその他のバンコマイシン誘導体に変換し得る。バン
コマイシン・二リン酸塩を酸水溶液に溶解して対応する
酸付加塩を回収するか、アルカリ性水溶液と反応させて
得た遊離塩基を次に鉱酸または有機酸と反応させて対応
する酸付加塩を得ることができる。上記の変換を実施す
る好ましい方法としては、下記に例示するイオン交換樹
脂を用いる方法がある。
実施例8 イオン交換樹脂(IRA−45)を5%(wt/v)水酸化ナト
リウム水溶液、次いで5%(v/v)塩酸で洗浄してpH1.2
とし、この樹脂を1.7cm×66cmのガラス製カラムに詰め
た。バンコマイシン・二リン酸塩(実施例2に記載のよ
うにして製造)81gを脱イオン水812.5mlに溶解して13ml
/分の流速でイオン交換樹脂に通し、溶出液を採取して
樹脂を水洗し、溶出液と洗液を合して、水180mlに混じ
た遊離塩基型のIRA−45樹脂を加えてpH3.5まで戻した。
樹脂を濾去して濾液(1200ml)を分析した。バンコマイ
シン・塩酸塩の濃度を280nmの紫外線分析で測定すると5
1.17mg/mlであることが分かつた。上記で得た濾液はバ
ンコマイシン・塩酸塩61.4g(収率94%)を含有してい
た。更に精製、凍結乾燥してバンコマイシン・塩酸塩末
を得た。
本発明の更に別の具体的内容は、バンコマイシン・二リ
ン酸塩を細菌由来の疾患の治療に抗菌物質として用いる
ことである。本化合物は、好適に製剤化され、細菌感染
症に罹患している動物に経口的にまたは非経口的に投与
し得る。また、本化合物は予防的にも用いることがで
き、細菌感染症が進行する恐れのある対象に投与するこ
とができる。バンコマイシン・二リン酸塩は、ストレプ
トコツカス属(Streptococci)、スタフイロコツカス属
(Staphylococci)、クロストリジウム・ジフイシレ(C
lostridium difficile)などのグラム陽性の微生物に対
して特に有効である。
本発明の抗菌法を実施するには、バンコマイシン・二リ
ン酸塩を好適に製剤化して有効量である約0.5〜約25mg/
kgを投与する。成人の通常の日用量は約250mg〜約1.0g
である。投与する化合物の正確な量は、勿論、個々の状
態、治療する対象などの因子により変わる。
本発明のバンコマイシン・二リン酸塩は、反芻動物によ
る食餌利用率を改良するのにも用いることができる。本
化合物は、動物の飼料または前混合剤として製剤化して
食餌1トン当り活性成分を約20〜約40gの割合で反芻動
物に投与できる。このような処置を受ける典型的な動物
には、肉を得るために餌育される畜牛、羊などの反芻動
物が挙げられる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バンコマイシンを結晶性二リン酸塩に変換
    し、当該塩を溶液から単離することを特徴とするバンコ
    マイシンを水溶液から単離する方法。
  2. 【請求項2】バンコマイシンの水溶液中の濃度が約250
    から約285mg/mlである特許請求の範囲第(1)項記載の
    方法。
  3. 【請求項3】リン酸二水素・アルカリ金属塩をバンコマ
    イシンを含有する酸水溶液に加える特許請求の範囲第
    (1)項記載の方法。
  4. 【請求項4】リン酸二水素・アルカリ金属塩がリン酸二
    水素カリウムである特許請求の範囲第(3)項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】リン酸をpHが2.0以下になるまでバンコマ
    イシンの水溶液に加える特許請求の範囲第(1)項記載
    の方法。
  6. 【請求項6】結晶性バンコマイシン・二リン酸塩。
  7. 【請求項7】本質的に下記のX線粉末回折パターンを有
    する特許請求の範囲第(6)項記載の結晶性バンコマイ
    シン・二リン酸塩。 格子面間隔 相対強度 I/I1 16.52 1.00 12.36 .30 10.28 .50 8.98 .75 7.97 .50 7.41 .20 6.76 .20 6.24 .20 5.61 .50 5.34 .50 4.96 .40 4.73 .20 4.44 .50 4.26 .50 3.98 .40 3.75 .40 3.55 .50 3.35 .30 3.15 vw 3.01 vw 2.81 vw 2.66 vw (注:vwは非常に弱いを意味する)
  8. 【請求項8】十水和物である第(6)項に記載の結晶性
    バンコマイシン・二リン酸塩。
  9. 【請求項9】結晶性バンコマイシン・二リン酸塩を製薬
    上の賦形剤または希釈剤と共に含有する抗菌剤。
JP59258386A 1983-12-12 1984-12-05 バンコマイシン改良精製法およびその生産物 Expired - Lifetime JPH0689038B2 (ja)

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