JPH0688104A - チタン粉末の製造方法 - Google Patents

チタン粉末の製造方法

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JPH0688104A
JPH0688104A JP4262464A JP26246492A JPH0688104A JP H0688104 A JPH0688104 A JP H0688104A JP 4262464 A JP4262464 A JP 4262464A JP 26246492 A JP26246492 A JP 26246492A JP H0688104 A JPH0688104 A JP H0688104A
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JP
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titanium
powder
titanium powder
pickling
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JP4262464A
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Kazuhiro Takahashi
一浩 高橋
Tatsuo Yamazaki
達夫 山崎
Hideki Fujii
秀樹 藤井
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結チタン粉末の製造において、高い成形性
と焼結特性を兼ね備えたチタン粉末を製造する方法を提
供する。 【構成】 チタン溶製材を、水素化し、粉砕し、脱水素
処理後に、フッ酸と硝酸の混合液で酸洗する工程、或い
は、チタン溶製材を、水素化し、粉砕し、フッ酸と硝酸
の混合液で酸洗した後、脱水素する工程で、滑らかな表
面を有した、高い成形性と焼結特性を兼ね備えたチタン
粉末が製造できる。このチタン粉末を使用することによ
り、高焼結密度および低酸素濃度で、高機械的性質を有
する焼結チタン合金が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末冶金による焼結チ
タン合金の製造に使用する原料粉末の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金法は、ニアーネットシェイプ技
術の一つで、粉末の有している形状自由度を活用し、製
品を最終形状に近い形に直接製造することが可能であ
り、チタン合金等の成形性や加工性或いは被削性に難点
のある素材の製品を得るのに非常に適している。
【0003】特に、チタン粉末は軟質で良質な成形性を
有しており、チタン粉末と合金元素粉末或いは母合金粉
末を混合し、容器に充填したものを成形し圧粉体とした
後、焼結および合金化の熱処理を真空中で行い、必要に
応じて熱間静水圧成形(HIP)を行う素粉末合金法で
は、室温で精密な形状に成形した圧粉体が得られるとい
う長所を備えている。
【0004】しかし、焼結チタン合金では、チタン粉末
中に含有されている塩素が、焼結特性を劣化させ、密度
が向上せず疲労等の機械的性質に悪影響を及ぼすため、
疲労特性が必要な製品を素粉末混合法で製造する際に
は、含有塩素量が20ppm 以下である、極低塩素チタン
粉末の使用が不可欠である。この極低塩素チタン粉末の
製造方法の一つとして、溶製チタンを水素化し、粉砕
し、脱水素する工程(水素化・脱水素:HDH法)があ
る。しかし、この方法では、粉砕時に発生する超微細粉
末が比較的粗大な粉末の表面に多数付着したり、或いは
角張った形状を有したりするため、充填時および成形時
に、粉末同士の摩擦が大きくなり、粉末の充填率および
成形密度が低下するという問題点があった。その結果、
高塩素チタン粉末を使用した場合ほどではないが、焼結
特性の向上が不十分で、必ずしも十分な機械的性質が得
られないという欠点が生じていた。
【0005】一方、HDH法以外のチタン粉末の製造方
法としては、1985年 DeutscheGesellshaft fur Me
tallkunde E.V. 発行の「Titanium Science and Techno
lo-gy」267頁記載のプラズマ回転電極法(PRE
P)や、1986年 AmericanSociety for Metals 発
行の「Rapidly Solidified Materials」97頁記載のガ
スアトマイズ法が、実用化されつつあり、清浄度が良好
で、表面が平滑で、充填密度も高い優れた粉末が得られ
る。しかし、これらは、粉末形状が真球に近いため、成
形し難く、特に冷間静水圧成形(CIP)等の冷間での
成形は極めて困難であり、粉末冶金の最大の利点である
良好な成形性を欠いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、焼結チタン
合金の製造において、高い成形性と焼結特性を兼ね備え
たチタン粉末を製造する方法を、提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の要旨とするところは、(1)チタン溶製材
を、水素化し、粉砕し、脱水素処理後に、フッ酸と硝酸
の混合液で酸洗することを特徴とするチタン粉末の製造
方法、および(2)チタン溶製材を、水素化し、粉砕
し、フッ酸と硝酸の混合液で酸洗した後、脱水素するこ
とを特徴とするチタン粉末の製造方法である。
【0008】ここで、水素化は、通常、水素分圧0.5
〜1.5気圧、500〜900℃で30分〜8時間程度
で行われ、脱水素処理は、通常、1×10-3Torr以下の
真空度で、400℃以上で30分〜10時間程度で行わ
れる。また、酸洗処理は、チタンの一般的酸洗条件であ
るHF:HNO3 =1〜4重量%:10〜30重量%、
20〜40℃の範囲で酸洗することが望ましいが、これ
以外の条件で酸洗を行ってもよく、これを制限するもの
ではない。
【0009】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。溶製チタンを
HDH法により製造した極低塩素チタン粉末の焼結特性
を低下させている微細付着物および微細突起物の除去を
検討した結果、通常、チタンの板材、棒材および線材等
の表面酸化物の除去方法として用いられている酸洗が極
めて有効であることを見いだした。
【0010】すなわち、本発明(1)では、図1に示す
ように、粉末充填時および成形時に圧粉の障壁となるチ
タン粉末表面の微細付着物および微細突起物よりなる凹
凸が酸洗処理により除去され、極めて滑らかな表面を有
するチタン粉末が製造でき、その結果、充填密度、成形
密度および焼結密度を飛躍的に向上させることができ
る。また、このチタン粉末は、一度、溶解工程を経てい
るので、焼結特性を劣化させるClはほとんど含まれず
20ppm 以下になっており、PREP粉やガスアトマイ
ズ粉のように真球ではないので、室温において十分な成
形性も維持される。
【0011】酸洗処理による微細付着物および微細突起
物の除去は、水素化チタン粉末に対して行い、その後、
脱水素処理してもよい。このとき、粉砕時に発生する超
微細水素化チタン粉末の大部分は、溶解、消滅してしま
うため、脱水素処理時に、比較的粗大な水素化チタン粉
末の表面に、付着することはなく、比較的粗大な水素化
チタン粉末の角張った形状も丸く改善され、図2に示す
ように、脱水素処理後は滑らかな表面のチタン粉末が得
られる。以上の工程が本発明(2)である。
【0012】また、本発明では微細付着物および微細突
起物が除去された分だけ、粉末の表面積が減少するの
で、粉末自身が有する酸素量も減少し、焼結チタン合金
の延性を向上させることも可能となる。
【0013】なお、本発明において、チタン合金とは、
例えば、Ti−6Al−4V,Ti−3Al−2.5V
或いはTi−5Al−2.5Fe等の合金でチタンと合
金元素の他、0.7重量%未満のO,N,C,H等の不
純物を不可避的に含む合金をいう。また、溶製材とは、
製造工程の一つに溶解工程を含むものであり、その後、
熱間或いは冷間で加工したものも含んでいる。このと
き、通常溶解は、真空アーク溶解、プラズマビーム溶解
或いは電子ビーム溶解等によって行う。
【0014】
【実施例】本発明を適用し、チタン粉末を製造した場合
を例に、本発明についてさらに詳しく説明する。図3
(a)は、従来法である通常のHDH法で製造したチタ
ン粉末(粒子)の拡大写真であり、図3(b),図3
(c)は、各々、本発明(1),(2)を適用して製造
したチタン粉末(粒子)を拡大して示す写真である。い
ずれの粉末も平均粒径75μm程度、最大粒径150μ
m程度であり、溶製チタンの水素化処理は、水素分圧1
気圧,700℃,4時間保持の条件で行い、脱水素処理
は、真空度1×10-4Torr,500℃,2時間保持の条
件で行った。これらは、いずれも通常行われる条件の範
囲内である。また、酸洗条件は、HF:HNO3 =3重
量%:20重量%,30℃で、10秒間行った。
【0015】図3(a)に示すように、従来法で製造し
たチタン粉末は粉末表面に、微細付着物および微細突起
物よりなる凹凸が、多数存在している。それに対して、
図3(b),図3(c)に示すように、本発明(1),
(2)の実施例では、粉末表面の微細付着物および微細
突起物は除去され、凹凸も緩和され、極めて滑らかな表
面を有する形状になっている。
【0016】次に、本発明を用いて製造したチタン粉末
を原料粉末として、Ti−5Al−2.5Fe焼結合金
を製造し、充填密度、成形密度および焼結密度を調べた
結果を説明する。ここで、便宜上、通常のHDH法で製
造し、図3(a)に示した粉末をチタン粉末(a)、本
発明(1)で製造し図3(b)に示した粉末をチタン粉
末(b)、本発明(2)で製造し図3(c)に示した粉
末をチタン粉末(c)と記す。これらのチタン粉末
(a),(b),(c)を表1に示す割合で混合し、さ
らに全体でAlが5重量%、Feが2.5重量%となる
ように合金元素としてAl粉末とFe粉末を混合した。
成形は490MPa の圧力でCIPを用いて行い、焼結は
1×10-5Torr,1200℃で行った。焼結特性は相対
密度が95%以上になるのに要する時間によって評価し
た。ここで相対密度とは、同じ組成の合金を溶解法によ
り製造した場合に得られる試料の密度を100%とした
場合の密度である。
【0017】
【表1】
【0018】表1において、試験番号1は従来法で製造
したチタン粉末(a)を100%用いた場合であり、充
填密度に相当する容器充填時の相対密度が52.2%で
あるのに対して、チタン粉末(b)或いはチタン粉末
(c)を、各々、僅か10%添加した試験番号2,7
で、各々、7%,6.9%と大幅な相対密度の増加がみ
られ、試験番号6,11のように100%本発明で製造
したチタン粉末(b)或いはチタン粉末(c)を使用し
たものに及んでは、17%近くも相対密度が増加してい
る。これは、充填の障壁となるチタン粉末表面の微細付
着物および微細突起物が除去され、粉末の充填効率が上
昇したためである。
【0019】また、成形密度に相当する圧粉体の相対密
度は充填密度の増加にともない、試験番号1で82.5
%なのに対して、チタン粉末(b)或いはチタン粉末
(c)を、各々、僅か10%添加した試験番号2,7
で、2%以上の相対密度の増加がみられる。試験番号
6,11のように100%本発明で製造したチタン粉末
(b)或いはチタン粉末(c)を使用したものに及んで
は、各々、6.8%,7.0%と大幅に相対密度が増加
している。CIP処理により、充填時の相対密度の増加
は緩和されているものの、本発明のチタン粉末を使用す
ることにより成形密度は十分に増加している。
【0020】さらに、相対密度95%以上を得るのに要
する時間は、従来法である試験番号1では、4時間20
分かかるのに対して、10%のチタン粉末(b)或いは
チタン粉末(c)を各々添加した、本発明の実施例であ
る試験番号2,7では、2分の1未満になっており大幅
な短縮となっている。さらに、チタン粉末(b)或いは
チタン粉末(c)を各々100%使用した試験番号6,
11に及んでは1時間以下になっている。
【0021】このように、本発明を実施したチタン粉末
を少量使用しただけで、粉末同士の摩擦がかなり低減さ
れ、充填および圧粉が良好に行われた結果、充填時およ
び圧粉体の相対密度が増加し、焼結特性が大幅に改善さ
れている。
【0022】表2は、表1に示した焼結体を、900
℃,120MPa の条件でHIP処理し、引張試験を行っ
た結果であり、含有酸素量もあわせて示してある。粉末
冶金法では経験的に95%以上の相対密度を有する焼結
体は、その後のHIP処理により相対密度が100%に
達することが知られており、本引張試験片は全て100
%の相対密度である。また、引張試験は、平行部32m
m,6.25mmφの丸棒試験片を用い、歪速度1×10
-4-1で行った。
【0023】
【表2】
【0024】ここで、表2に示すように、本発明で製造
したチタン粉末の混合量が増加するにつれ、焼結体の含
有酸素量が減少しており、それに対応して引張強さが、
やや減少するものの、伸びが大幅に増加し20%を超え
ている。チタン粉末の含有酸素の多くは、表面積を増大
させている粉末表面の微細付着物と微細突起物から混入
するものであり、本試験結果は酸洗し、これらを除去す
ることにより焼結体の含有酸素量が減少し、延性が向上
したことを示している。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を適用する
ことにより、高い成形性と焼結特性を兼ね備えたチタン
粉末を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は本発明(1)によるチタ
ン粉末製造を示す模式図。
【図2】(a),(b)および(c)は本発明(2)に
よるチタン粉末製造を示す模式図。
【図3】チタン粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡(50
0倍)写真であって、(a)は通常のHDH法で製造し
たチタン粉末(従来法)、(b)は水素化−粉砕−脱水
素−酸洗処理で製造したチタン粉末〔本発明(1)の実
施例〕、(c)は水素化−粉砕−酸洗−脱水素処理で製
造したチタン粉末〔本発明(2)の実施例〕である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン溶製材を、水素化し、粉砕し、脱
    水素処理後に、フッ酸と硝酸の混合液で酸洗することを
    特徴とするチタン粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 チタン溶製材を、水素化し、粉砕し、フ
    ッ酸と硝酸の混合液で酸洗した後、脱水素することを特
    徴とするチタン粉末の製造方法。
JP4262464A 1992-07-21 1992-09-30 チタン粉末の製造方法 Withdrawn JPH0688104A (ja)

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JP4-194320 1992-07-21
JP19432092 1992-07-21
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