JPH0687266A - 感圧記録シート - Google Patents

感圧記録シート

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JPH0687266A
JPH0687266A JP5150861A JP15086193A JPH0687266A JP H0687266 A JPH0687266 A JP H0687266A JP 5150861 A JP5150861 A JP 5150861A JP 15086193 A JP15086193 A JP 15086193A JP H0687266 A JPH0687266 A JP H0687266A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録内容が隠蔽され、表面に良好な複写性を
優する感圧記録シートを製造する。 【構成】 支持体の片面に、双方又は一方がマイクロカ
プセル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独で
積層、或は混合して塗設した感圧記録層にポリオレフィ
ン樹脂ラミネート層を設け、不透明被覆シートと硬化性
樹脂により一体化した感圧記録シート。 【効果】 不透明被覆シートにより記録内容が隠ぺいさ
れ、複写性が良好で、かつ不透明被覆シートを剥離した
際にヒートシールなどの方法により再接着しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感圧記録に関するもの
で、支持体上に設けた単一形態の自己発色型の感圧記録
層と、透視防止用の地紋印刷を施した不透明被覆シート
を一体化した感圧記録シートであり、記録の非露出性、
非透視性、複写性、耐水性、耐薬品性、耐油性、耐擦傷
性、塵発生抑制性を有する型の記録シートとして、特に
発色性と取扱性、再接着防止性、情報保持性に優れた性
能を有し、ラベル、伝票、通信文、遊興品、クリーンル
ーム用記録用紙として使用できる感圧記録シートであ
る。
【0002】
【従来の技術】本発明に用いられる感圧記録層は、自己
発色感圧記録型で、所謂ノーカーボン複写紙から発展し
たものであり、製品形態としては自己発色感圧記録シー
トまたはセルフコンティンドペーパーとも呼ばれてい
る。その構成は、無色染料(以下発色剤と称する)を内
包するマイクロカプセルの塗料を支持体に塗設する工程
と、さらにその塗設上に酸性白土、フェノール樹脂、有
機酸性物質などの電子受容性物質(以下顕色剤と称す
る)を塗設する工程との都合2工程からなる2層塗布に
よる製造方法(塗布順序を逆にしたものも含む)や、上
記2成分、又はいずれか1成分をマイクロカプセル化し
て、均一に混合して一層塗布による製造方法(特公昭4
7−16096号公報)が知られている。このような自
己発色感圧記録シートは、発色剤と顕色剤が近傍に存在
するため、発色濃度の高い印字像が得られやすいが、製
造時や取扱い時の摩擦などによる意図しない不本意な発
色汚れが発生しやすいという問題を有する。このように
自己発色感圧記録シートは、その使用される条件におい
て、実用上の必要な発色性能と不必要な発色汚れの抑制
とを両立させなければならない宿命にあり、従来から発
色性と発色汚れという相反する性質の両方を満足させる
ための努力が払われている。
【0003】さらに、自己発色型感圧記録シートにおい
て、感圧記録した情報は、必然的に衆目に晒される公開
性の高いものであり、情報内容を隠ぺいしたい場合に
は、別途袋に入れるなどしなければならなかった。
【0004】これまでに、例えば、自己発色感圧記録シ
ートの記録層上に、真空密着法によるラミネート層を設
ける方法(特公昭49−10857号公報)や、溶融ラ
ミネート法によるプラスチック層を有する記録シート
(実開昭52−149709号公報)、及びこれらの保
護層上に剥離層を設ける、あるいは自己発色型感圧記録
層上に、可溶性ポリマー溶液を塗布し、乾燥して被膜を
設ける方法などが知られている。しかしこれらの方法で
はマイクロカプセルの破壊により著しい発色カブリを生
じるか、樹脂によってマイクロカプセルが覆われてしま
い、本来の自己発色感圧記録性をほとんど失い、発色濃
度、発色速度とも低下してしまったり、または基本的に
感圧記録部分が露出することを前提にしているため、記
録の非公開性という問題を解決し得なかった。
【0005】また、自己発色型感圧記録シートの記録層
上に熱可塑性樹脂被覆層を設け、裏面にヒートシール性
接着剤を塗布した不透明被覆シート(宛先表示シート)
と重ね合わせ、熱圧着することにより一体化する方法
(実開平2−2173号公報、実開平3−116974
号公報)があるが、完全に一体化するほど熱圧着すると
感圧記録層の発色カブリを引き起こしやすく商品価値が
なくなるか、あるいは接着力よりはるかに弱い粘着力を
持つヒートシール性の接着樹脂を用い、軽い圧着で粘着
力により一体化を行う以外になかった。このタイプの感
圧記録シートは、記録の隠ぺい性はあるものの、簡単に
再接着できるため、記録の秘守性の低いものであった。
さらに、ヒートシール性の接着剤を用いる限り、たとえ
不透明被覆シートと熱可塑性樹脂を有する感圧記録紙を
一体化できたとしても、一旦不透明被覆シートを剥離し
て記録内容を読み、不透明被覆シートを重ね合わせて熱
可塑性樹脂の軟化温度より低く、かつヒートシール性の
接着剤の軟化温度より高い温度でヒートシールすれば
(たとえば30℃〜150℃で、家庭用のアイロンでさ
え容易に得られる温度)簡単に再接着してしまい、この
商品の最も重要な特性である秘密保持性が低いという致
命的な問題を有していた。接着にホットメルトタイプの
接着剤を用いた場合も同様な問題が生じる。さらに、ヒ
ートシール性の接着剤を用いた場合は、その弾性により
筆圧が吸収分散され、感圧発色性が低下する場合がある
という問題を有していた。
【0006】不透明被覆シートと熱可塑性樹脂(ポリオ
レフィン樹脂ラミネート層)を有する感圧記録紙を接着
剤や粘着剤で一体化した感圧記録シートについてさらに
検討を重ねた結果、実際に使用する場合においては、以
下のような問題が起こる場合があることが確かめられ
た。すなわち、不透明被覆シートを剥離する際に、感圧
記録層に生じる剥離不良によるカブリ(剥離カブリ)、
ポリオレフィン樹脂ラミネート層上に粘着剤、接着剤、
硬化性樹脂の一部が残る樹脂層残り、不透明被覆シート
を剥離する際に剥離不良によりポリオレフィン樹脂ラミ
ネート層が感圧記録面から浮き上がるラミネート層浮き
といった問題である。これらのトラブルは、感圧記録内
容の判読に支障があるばかりか、美観上も好ましくない
ものであり、商品価値を著しく損なうものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不透明被覆シートを一体化した自己発色型感圧記録
シートにおいて、その本来の感圧自己発色性を犠牲にす
ることなく、摩擦による発色カブリがなく、必要ならば
情報の非公開性を完全に有し、不透明被覆シートの接着
性、および剥離性が良好で、かつ不透明被覆シートが剥
離されて情報が一度でも開示された場合には、不透明被
覆シートが再接着することがなく情報が開示されたこと
が判明する機能を有し、透視性がなく、表面の記録可能
な面積を十分に確保した感圧記録シートを提供すること
にある。実際の使用に際しては剥離カブリ、硬化性樹脂
層残り、あるいはラミネート層浮きといった問題を解決
することにある。
【0008】また、該不透明被覆シートの不透明性を損
なうことなく感圧記録層との一体化が出来、不透明被覆
シート上に感圧印刷、感熱印刷、インクジェット印刷、
インクリボン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、熱転
写印刷等の印刷を行う場合には、印刷性、発色性の良好
な該感圧記録シートを提供することにある。さらに製造
工程において、発色カブリを引き起こしたり、不透明被
覆シートの透明化を引き起こしたりすることなく、また
シワやカールの発生を引き起こすことなく不透明被覆シ
ートと感圧記録層を一体化する方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意検討を行った結果、以下の発明に
至った。すなわち、感圧記録シートにおいて、該感圧記
録シートが支持体の片面に、双方または一方がマイクロ
カプセル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独
で積層、或は混合して塗設した感圧記録層、ポリオレフ
ィン樹脂ラミネート層、硬化性樹脂層、不透明被覆シー
トを順次設けた積層記録シートであり、該硬化性樹脂層
が3次元網目構造を有する架橋型の樹脂であり該ポリオ
レフィン樹脂の融点以下の温度範囲においてはヒートシ
ール性を示さないことを特徴とする感圧記録シートの発
明である。
【0010】本発明の感圧記録シートにおいては、ポリ
オレフィン樹脂ラミネート層の厚みが10〜40μmで
あり、かつポリオレフィン樹脂ラミネート層の硬化性樹
脂層に接する側のJIS B 0601−1982で規
定する中心線表面粗さが、0.2〜12μm(カットオ
フ値;0.8mm、測定長さ;5mm)であることが好
ましい。
【0011】本発明の感圧記録シートにおいて、不透明
被覆シートが、硬化性樹脂層に接する面の側に水性高分
子中間層を有することができる。
【0012】本発明の感圧記録シートにおいて、不透明
被覆シートが、硬化性樹脂層と接しない片面に、顕色剤
あるいはそのマイクロカプセルを塗設した、いわゆる感
圧紙の下用紙を不透明被覆シートとすることができる。
【0013】本発明の感圧記録シートにおいて、硬化性
樹脂層が、加熱硬化、レドックス常温硬化、紫外線硬
化、電子線硬化より選ばれる1種類以上の硬化方法によ
り硬化された硬化性樹脂層であることが好ましい。
【0014】以下本発明を詳細に説明する。本発明の感
圧記録シートにおいては、ポリオレフィン樹脂ラミネー
ト層の作用で記録面上に設けた硬化性樹脂層を形成する
樹脂が感圧記録層に滲み込まず、感圧記録時において高
い発色濃度が得られ、印字面の光沢、耐傷性、耐摩擦性
に優れ、又、不透明被覆シートと一体化されているため
に、感圧記録した情報を外部に公開、露出することなく
取り扱うことができ、且つ必要に応じて不透明被覆シー
トを剥離することにより、内部に感圧記録した情報を読
むことができる。硬化性樹脂層は3次元的に網目架橋
し、ゆえにヒートシール性を有しない硬化性樹脂を用い
ることにより、一旦剥離した不透明被覆シートは加熱や
加圧により再接着せず守秘が完璧である。
【0015】本発明に利用し得る感圧記録層について
は、特に制限されることなく、従来から公知のものを使
用できる。例えば、マイクロカプセル化の方法やマイク
ロカプセルの壁材、発色剤や発色剤を溶解する油、ある
いは顕色剤、接着樹脂、マイクロカプセル保護剤などで
ある。マイクロカプセル化法としては、コアセルベーシ
ョン法(米国特許2800458号明細書など)、界面
重合法(特公昭47−1763号公報など)、インサイ
チュー重合法(特開昭51−9079号公報など)など
が使用できる。
【0016】マイクロカプセルの壁材としては、ポリウ
レタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、尿素/ホルマリン樹
脂、メラミン/ホルマリン樹脂などが使用できる。
【0017】発色剤としては、トリアリルメタン系化合
物、ジアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物、
チアジン系化合物、スピロピラン系化合物などが使用で
き、一般に感圧記録材料や感熱記録材料に用いられてい
るものであれば、特に制限されない。
【0018】たとえば、発色剤としては、トリアリルメ
タン系化合物、ジアリ−ルメタン系化合物、キサンテン
系化合物、チアジン系化合物、スピロピラン系化合物、
ジフェニルメタン系染料、スピロ系染料、ラクタム系染
料、フルオラン系染料などが使用でき、一般に感圧記録
材料や感熱記録材料に用いられているものであれば特に
制限されない。具体的には、3,3−ビス(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリ
ド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,
2−ジメチルインド−ル−3−イル)フタリド、 3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルイ
ンド−ル−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2
−ジメチルインド−ル−3−イル)−5−ジメチルアミ
ノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾ−ル−
3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビ
ス(2−フェニルインド−ル−3−イル)−6−ジメチ
ルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−
3−(1−メチルピロ−ル−3−イル)−6−ジメチル
アミノフタリド等のトリアリルメタン系染料、4,4’
−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエ−テ
ル、N−ハロフェニル、ロイコオ−ラミン、N−2,
4,5−トリクロロフェニルロイコオ−ラミン等のジフ
ェニルメタン系染料、ベンゾイルロイコメチレンブル
−、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブル−等のチ
アジン系染料、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、
3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−
スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナ
フトピラン、3−メチル−ナフト(6’−メトキシベン
ゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピ
ラン等のスピロ系染料、ロ−ダミン−B−アニリノラク
タム、ロ−ダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ロ
−ダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム等のラクタム
系染料、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノ
フルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−N−
ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−
トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェ
ニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2
−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−
(N−エチル−N−iso−アミルアミノ)−6−メチル
−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロヘ
キシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニ
ルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フル
オラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニ
ルアミノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−
7−p−ブチルフェニルアミノフルオラン等のフルオラ
ン系染料などが挙げられる。
【0019】発色剤を溶解する油としては、ジアリール
アルカン系、アルキルナフタレン系、アルキル化ビフェ
ニル、水添ターフェニルの如き芳香族合成油、ケロシ
ン、ナフサ、パラフィン油、塩素化パラフィンの如き脂
肪族合成油、綿実油、大豆油、亜麻仁油の如き植物油な
どが使用できる。
【0020】マイクロカプセルの保護剤としては、セル
ロース粉末、デンプン粒子、タルク、焼成カオリン、炭
酸カルシウムなどが使用できる。
【0021】顕色剤としては、粘土類(例えば活性白
土、酸性白土、アタパルジャイト、ベントナイト、コロ
イダルシルカ、硅酸アルミニウムなど)、有機酸(例え
ばサリチル酸の如き芳香族カルボキシ化合物またはこれ
らの金属塩など)、有機酸と金属化合物の混合物、酸性
重合体(例えばフェノ−ル/ホルムアルデヒド樹脂、サ
リチル酸系樹脂またはこれらの亜鉛、マグネシウム、ア
ルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニ
ッケル等の多価金属塩など)などが使用できる。感熱記
録に用いられる顕色剤と同様に電子受容性の物質が用い
られ、特にフェノ−ル誘導体、芳香族カルボン酸誘導体
あるいはその金属化合物、N,N’−ジアリ−ルチオ尿
素誘導体等が使用される。この中で特に好ましいものは
フェノ−ル誘導体、芳香族カルボン酸およびそのフェノ
−ル性化合物であり、具体的には、1,1−ビス(p−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)ヘキサン、ビスフェノ−ルスルフォン、ビ
ス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォ
ン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロピルオキシジフェ
ニルスルフォン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチル
ジフェニルスルフォン、ジフェノ−ルエ−テル、p−ヒ
ドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸プ
ロピル、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロロ安息香
酸、4−ヒドロキシ安息香酸オクチル、安息香酸、テレ
フタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香酸、
3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル
酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチルサ
リチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチル
ベンジル)サリチル酸、3−クロロ−5−(α−メチル
ベンジル)、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル
酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−フェニ
ル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、p
−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−tert−ブチルフェノ
−ル、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフト−
ル、β−ナフト−ル、4−ヒドロキシアセトフェノ−
ル、4−tert−カテコ−ル、2,2’−ジヒドロキシジ
フェノ−ル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−イソブチルフェノ−ル、4,4’−イソプロピ
リデンビス(2−tert−ブチルフェノ−ル)、4,4’
−sec−ブチリデンジフェノ−ル、4−フェニルフェノ
−ル、4,4’−イソプロピリデンジフェノ−ル、2,
2’−メチレンビス(4−クロロフェノ−ル)、ヒドロ
キノン、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノ−ル、
4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ヒドロキノンモノベ
ンジルエ−テル、ノボラック型フェノ−ル樹脂、フェノ
−ル重合体などのフェノ−ル性化合物が挙げられる。
【0022】本発明において、感圧記録層の形成に使用
されるバインダーとしては、デンプン類、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化デンプ
ン、エステル化合物デンプンなどのサッカロースの如き
水性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/ア
クリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリ
ル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/
無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポ
リアクリルアミド、スチレン/無水マレイン酸共重合体
などの如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エ
チレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶
性接着樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアク
リル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アク
リロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル
/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン
/アクリル酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体
等のラテックスなどが挙げられる。
【0023】感圧記録層、ポリオレフィン樹脂ラミネー
ト層、或は硬化性樹脂層中に使用される顔料としては、
ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹
脂等が挙げられる。
【0024】また、感度を更に向上させるために、増感
剤として、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、
ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワック
ス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフト−ル誘
導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフ
ェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチ
ルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシ
フェノキシ)ジエチルエ−テル、ビス(4−メトキシフ
ェニル)エ−テル等のポリエ−テル化合物。炭酸ジフェ
ニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベ
ンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘
導体等を添加することができる。
【0025】その他に、助剤としてステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフ
ィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレ
ン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワック
ス類、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ス
ルホン酸変性ポリビニルアルコール等の分散剤、ベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収
剤、さらに界面活性剤、蛍光染料などが必要に応じて添
加される。
【0026】本発明の感圧記録シートにおいて、感圧記
録層の形成方法としては、ブレード塗工法、エアナイフ
塗工法、グラビア塗工法、ロールコーティング塗工法、
バー塗工法、落下カーテン塗工法等の公知の塗工方法が
利用可能である。感圧記録層は平滑化処理をすることが
好ましい。
【0027】更に、カール防止のためにバックコートを
施したり、ジャミング防止のために導電処理を行った
り、支持体と感圧記録層の間にアンダーコート層を設け
る等、感圧記録材料製造分野における各種の公知技術を
必要に応じて付加することができる。
【0028】また、本発明の構成として、高い発色濃度
を得る上で、支持体と感圧記録層との間に、炭酸カルシ
ウム、タルク、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マ
グネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸鉛、鉛白、亜鉛
華、硫化亜鉛、サチン白、酸化チタン、酸化アンチモ
ン、雲母、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、石膏、水
酸化アルミニウムなどの無機顔料、またはポリスチレ
ン、ポリビニルトルエン、スチレン/ジビニルベンゼン
共重合体、ポリメタクリル酸メチル、尿素/ホルムアル
デヒド重合体、ポリエチレンなどの微粉有機顔料を含む
アンカー層を設けたり、感圧記録層内に分散することは
何等差し支えない。特に感圧記録層上にポリオレフィン
樹脂ラミネート層を有する本発明の感圧記録シートの場
合、このような顔料の存在は、発色性の低下を防ぐ意味
からも好ましいものである。
【0029】ポリオレフィン樹脂に溶解しない硬化性樹
脂が、ポリオレフィン樹脂ラミネート層上に塗布され、
充分に硬化されている場合には、固化した硬化性樹脂層
は凝集力、あるいは軽いアンカー効果でポリオレフィン
樹脂ラミネート層に接着しているものの、ある程度の軽
い力でポリオレフィン樹脂ラミネート層と分離(剥離)
できる。さらに驚くべきことに、一度不透明被覆シート
を分離した場合、3次元的に架橋・固化する硬化性樹脂
を使用すれば、不透明被覆シートとポリオレフィン樹脂
ラミネート層は硬化性樹脂層を介して、加熱、加圧、放
射線照射などの手段により再度元のように接着すること
はなく、高い記録の秘密保持性を有する。ポリオレフィ
ン樹脂ラミネート層が熱融解するまで、すなわちポリオ
レフィン樹脂の融点以上にして加熱圧着すれば接着その
ものは可能であるが、この場合不透明被覆シートは2度
とポリオレフィン樹脂ラミネート層から分離できず、開
封したことは明かとなるため本人以外の人間による盗見
の抑制ができ、完全な秘密の保持性を有する。
【0030】さらに当初は予期できなかったことである
が、3次元的に固化した硬化性樹脂層は、筆圧をほとん
ど分散、吸収することなく伝達するため、感圧記録時に
おいて最も重要な特性である高い発色濃度、解像度が得
られる。また、印字面の光沢、耐傷性、耐摩擦性に優れ
るという特性を有する。
【0031】ポリオレフィン樹脂ラミネート層を構成す
るポリオレフィン樹脂とは、例えば、以下の物質が挙げ
られる。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピ
レンとしてはイソタクチック、アタクチック、それらの
混合物、エチレンとのランダム共重合体またはブロック
共重合体など、その他ポリメチルペンテン(TPX)、
ポリエチレングリコールテレフタレート(PET)、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エバール、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体などを単独で、あるいは混合して
もちいることが出来る。しかしながら、硬化性樹脂層と
の接着性、あるいは剥離性、再接着防止性を考慮する
と、ポリエチレン、ポリプロピレンあるいはポリメチル
ペンテンを主成分とするポリオレフィン樹脂であること
が好ましい。ポリオレフィン樹脂ラミネートは上記の物
質を溶融押し出し法で感圧記録層上に設けることができ
る。溶融押し出しの前処理として、感圧記録層にコロナ
処理、フレーム処理など公知の接着性改良のための処理
を行うことは何等差し支えない。また、溶融押し出し時
においてクーリングロールからの剥離性を良くする目的
で、あるいは不透明被覆シートと一体化した後で剥離す
る場合に剥離性を良くする目的で、これらのポリオレフ
ィン樹脂ラミネート層中、あるいはラミネート面にフッ
素化合物、シリコーン化合物や有機金属塩などの剥離
剤、滑剤などを混入すること、あるいは加熱、放射線照
射などの手段でこれらの剥離剤や滑剤を固定することは
何等さしつかえない。
【0032】感圧記録層上とポリオレフィン樹脂ラミネ
ート層の間に必要であれば接着性改良のための水性中間
層を、感圧記録感度が低下しない塗布量範囲で設けるこ
とができる。
【0033】ポリオレフィン樹脂ラミネート層は一般の
溶融押しだしダイ、Tダイ、多層同時押しだしダイなど
のラミネーターを用いることができる。また、ポリオレ
フィン樹脂フィルムを硬化性樹脂層を介して感圧記録層
上に接着してもポリオレフィン樹脂ラミネート層を得る
ことができる。さらに感圧記録層上に設けたポリオレフ
ィン樹脂ラミネート層と、不透明被覆シートに設けたポ
リオレフィン樹脂ラミネート層を重ね合わせ、熱融着し
ても接着が可能であるが、感圧記録層の圧力カブリが発
生するため本用途としては好ましくない。
【0034】本発明のポリオレフィン樹脂ラミネート層
においては、ポリオレフィン樹脂ラミネート層の厚みを
10〜40μmの範囲とすることにより、感圧記録層の
発色性を低下させることなく印字面の光沢、耐傷性、耐
摩擦性を向上させるばかりでなく、硬化性樹脂層に対す
る剥離層として機能する。ポリオレフィン樹脂ラミネー
ト層の厚みがこの範囲より薄いと、不透明被覆シートを
剥離した場合に感圧記録層からポリオレフィン樹脂ラミ
ネート層が剥離するラミネート層浮きが発生し、記録の
判読が困難となる。ポリオレフィン樹脂ラミネート層の
厚みがこの範囲より厚いと、感圧印字した場合に記録濃
度が低下するばかりか、カールの発生が生じ記録用シー
トとして好ましくない。
【0035】ポリオレフィン樹脂ラミネート層の硬化性
樹脂層に接する側のJIS B 0601−1982で
規定する中心線平均粗さを0.2〜12μmにすること
により、不透明被覆シートを剥離しても剥離カブリのな
い感圧記録層が得られ、かつ樹脂層残りのないラミネー
ト面が得られるため、記録の判読がしやすく外観上も美
麗な感圧記録シートが得られる。ポリオレフィン樹脂ラ
ミネート層表面の中心線平均粗さがこの範囲より小さい
と、製造時にブロッキングしやすく、クーリングロール
からポリオレフィン樹脂ラミネート層が剥離する工程に
おいて発色することがある。また、理由は定かでないが
同じ硬化性樹脂層を設けても剥離性が悪く、不透明被覆
シートを剥離する時に発色することがある。ポリオレフ
ィン樹脂ラミネート層表面の中心線平均粗さがこの範囲
より大きいと、記録時に均一な加圧が行われず、記録内
容の判読がしづらくなる。また、硬化性樹脂層の一部が
ポリオレフィン樹脂ラミネート層上に残ることが有り、
記録内容の判読という点からも、美観上も好ましくな
い。
【0036】本発明の感圧記録シートに用いられる支持
体、および不透明被覆シートとしては、グラシン紙、上
質紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの一般
紙を用いることができ、木材パルプ、合成パルプ、填
料、サイズ剤、紙力増強剤、染料等、通常抄紙で用いら
れる原材料を必要に応じて使用することが可能である。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリメチルペンテン等のプラスチックシー
ト、およびこれらの合成繊維からなる合成紙や不織布、
または合成樹脂を紙に片面、または両面にラミネートし
たラミネート紙、金属箔、または金属箔と紙の貼り合わ
せ品、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シート、
合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガラス
ペーパーなども使用可能である。これらの支持体は無機
あるいは有機顔料、染料、インク、トナーなどにより不
透明化することができる。
【0037】本発明に用いられる硬化性樹脂層として
は、熱可塑性でない硬化性樹脂、特に3次元的網目構造
的に架橋する樹脂が好適に用いられ、各種熱硬化性樹
脂、レドックス重合樹脂や放射線硬化性(紫外線硬化性
および電子線硬化性)樹脂を用いることができる。たと
えば硬化性樹脂としてはDFK樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、フラン樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、グア
ナミン樹脂、各種アクリレート及びメタクリレート、フ
ェノール樹脂、キシレン樹脂、ウレタンエラストマー、
ポリウレタン樹脂などの樹脂を単独で、あるいは溶液、
水溶液、エマルジョンの形で用いることができる。これ
らの接着樹脂のセット、硬化、キュアの方法は熱乾燥、
熱重合、紫外線硬化、電子線硬化などいかなる方法を用
いても差し支えない。本来、強度な接着性を有する樹脂
であっても、シリコーン樹脂などの剥離剤を混入するこ
とにより、接着性を適度に低下させ本用途の硬化性樹脂
として機能させることができる。硬化性樹脂の重要な要
件は、凝集力等により硬化時に不透明被覆シートとポリ
オレフィン樹脂ラミネート層の接着が可能であり、かつ
その後で不透明被覆シートを剥離することができるこ
と、および、3次元的に架橋構造をとり、ポリオレフィ
ン樹脂ラミネート層が融解する温度以下の温度において
は有効な熱可塑性を持たず、すなわち硬化後において有
効なヒートシール性を持たないことである。硬化性樹脂
を顔料あるいは染料で着色あるいは不透明化することは
何等さしつかえない。
【0038】ブロッキング防止、増粘、増量用に、これ
らの硬化性樹脂層を形成する樹脂に、有機あるいは無機
顔料を含有させることが可能で、例えば、カオリン、焼
成カオリン、タルク、ろう石、ケイソウ土、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグナシウム、炭酸
マグネシウム、酸化チタン、炭酸バリウム、尿素−ホル
マリン樹脂、スチレン等のプラスティックビーズなどが
挙げられる。
【0039】硬化性樹脂層の塗布量は、限定されるもの
ではないが、筆圧低下をできるだけ避ける目的から、よ
り薄いことが望まれ、好ましくは0.5〜30g/m2
以下、より好ましくは、1.0〜20g/m2以下の範
囲内である。本発明の硬化性樹脂層を形成する樹脂を塗
布する方法としては、グラビアロールおよびトランスフ
ァロールコーター、バーコーター、ロールコーター、エ
アナイフコーター、Uコンマコーター、AKKUコータ
ー、スムージングコーター、マイクログラビアコータ
ー、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロール
コーター、ブレードコーター、ディップコーター、ロッ
ドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、ス
クイズコーター、落下カーテンコーター、スライドコー
ター、ダイコーターなど、如何なるコーターを用いても
よい。
【0040】本発明の硬化性樹脂を硬化するには、硬化
反応の種類に応じて例えば以下の開始剤を使用すること
ができる。すなわち一元開始剤(単に開始剤)としては
ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、アセチリパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、p−メンタ
ンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルジパーフタレ
ート、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーア
セテート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、
メチルエチルケトンパーオキシド、ヒドロキシヘプチル
パーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、2,5
−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキシド、
アゾビスイソブチロニトリルなど。二元開始剤(レドッ
クス開始剤)としてはフェントン試薬およびその金属種
あるいはパーオキシ化合物を変えた組合せ、ベンゾイル
パーオキサイド/ジメチルアニリン、クメンヒドロパー
オキサイド/Fe2+塩、過硫酸塩/NaHSO3、クメ
ンハイドロパーオキ サイド/バナジウム化合物、セリ
ウム塩/アルコールなど。嫌気硬化の開始剤としてハイ
ドロパーオキサイド/第三級アミン/スルフィミド、パ
ーオキサイド/トリエチルアルミニウム、トリエチルホ
ウ素、ジエチル亜鉛など。紫外線硬化を行う場合の光開
始剤としてはジおよびトリクロロアセトフェノンのよう
なアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケト
ン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラム
モノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合物等が
ある。開始剤の使用量は、硬化性樹脂に対して、通常
0.1〜10%の範囲である。またハイドロキノンのよ
うな貯蔵安定剤や重合禁止剤が併用される場合もある。
【0041】また、本発明の感圧記録シートは、その表
面(不透明被覆シート側)、記録面、ポリオレフィン樹
脂ラミネート層面、或は裏面(支持体側)に、発色剤層
又は顕色剤層あるいはその両方、保護被覆層、粘着層、
硬化性樹脂層、剥離層、印刷層、トナー受理層、インク
受理層、感熱記録層、筆記層、磁気記録層などを単独
で、あるいは同時に設けることができる。印刷や記録の
方法は鉛筆やインクによる筆記、インパクトプリンタ
ー、電子写真、熱転写、インクリボン、感熱、感圧、イ
ンクジェット、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビ
ア印刷、活版印刷、凹版印刷、レーザープリント、ラベ
ル貼り合わせなどその方法による制限はない。特に加圧
記録方法においては、加圧力を制御することにより、表
面あるいは裏面のみに発色させることも可能である。ま
た、本発明の感圧記録シートは、他の感圧記録シート、
裏カーボン複写シート、粘着シート、印刷シート、透明
フィルムなどと組合わせて一連の複写シートとして使用
できる。本発明の記録シートの一部、あるいは全部にダ
イカットなどの加工、一部の不透明被覆シートの分離、
ミシン目、プリンター用送り孔などの加工を施すことは
何等差し支えない。
【0042】本発明の感圧記録シートにおいて、感圧記
録した隠ぺい記録内容が表面あるいは裏面から透かして
見た場合に判読できる場合がある。当然ながらこのよう
な透視性は、支持体や不透明被覆シートの厚みを増した
り、表面あるいは裏面に透視防止用の地紋印刷を設ける
ことにより防止できるものであるが、厚みを増すと感圧
記録性が低下したり、地紋印刷を設けた場合は、地紋印
刷部分は他の記録ができず、記録面が激減し、かつ美観
的にもよろしくない。
【0043】このような問題を解決する手段として、本
発明による感圧記録シートにおいては、用いられる支持
体、または感圧記録層、ポリオレフィン樹脂ラミネート
層、不透明被覆シート上に文字印刷や地紋印刷して用い
ることができる。特に、不透明被覆シートの硬化性樹脂
層と接する片面、不透明被覆シートの硬化性樹脂層と接
しない片面、支持体の感圧記録層に接しない片面に透視
防止用の地紋印刷を設けることは透視防止の効果が高
い。その中でも、不透明被覆シートの硬化性樹脂層と接
する片面に透視防止の地紋印刷を設けると、内部となる
面にのみ透視防止用の地紋印刷が行われ、情報の守秘性
が高く、且つ不透明被覆シートの表面(即ち、本特許の
構成の感圧記録シートの表面)および裏面には地紋印刷
を施す必要がないため記録密度を高くとれ、地紋印刷と
内部の感圧発色層が近接しているため、透視防止の効果
が高く、外部に露出しても構わない情報(宛名、広告な
ど)を記録することが可能であり、美観上も好ましいも
のとなる。また、本発明において、接着性と濡れ性を良
くするために、感圧記録層上、ポリオレフィン樹脂ラミ
ネート層上、不透明被覆シート上にコロナ処理、オゾン
処理、火炎処理等による表面処理を行なうことは何等差
し支えない。
【0044】本発明の感圧記録シートにおいては、不透
明被覆シートが硬化性樹脂層と接しない片面に、顕色剤
あるいはそのマイクロカプセルを塗設した(いわゆる感
圧下用紙)不透明被覆シートであっても良い。不透明被
覆シートの表面に顕色剤層を有した感圧下用紙を用いた
場合、発色剤あるいはそのカプセルを塗設した感圧上用
紙と重ね合わせて感圧印字すれば、下用紙の表面上に感
圧記録を精度良く行うことができる。内部の感圧記録層
のみに発色させたい場合は、インクリボンを外したプリ
ンターや金属活版、あるいは樹脂活版で上用紙を用いず
に空打ちまたはクラッシャー印刷を行うか、あるいは顕
色剤層上に減感インクを塗布することにより、感圧下用
紙への発色を抑制できる。
【0045】不透明被覆シートとして感圧記録用紙の下
用紙や感熱紙と感圧記録層上のポリオレフィン樹脂ラミ
ネート層を硬化性樹脂により一体化する場合、硬化性樹
脂の種類によっては不透明被覆シート中に硬化性樹脂の
滲み込みが発生し、硬化性樹脂の種類によっては感圧下
用紙や感熱紙の顕色剤が減感し、不透明被覆シートの発
色性を阻害する場合や、硬化性樹脂の種類によっては不
透明被覆シートがやや透明化し、隠ぺいすべき内部発色
記録が透けて見える場合がある。このようなトラブル
は、記録内容の判読に支障があるばかりか、美観上も好
ましくないものであり、商品価値を著しく損なうもので
ある。さらに不透明被覆シートが感圧複写性を有しない
上質紙のような場合においても、硬化性樹脂により不透
明被覆シートの不透明性が損なわれ、透明化して内部の
記録が透かして読めるという問題を起こすことがある。
【0046】さらに、硬化性樹脂の種類によっては不透
明被覆シートと重ね合わせた状態で不透明被覆シート中
に浸透してしまい、不透明被覆シートとポリオレフィン
樹脂ラミネート層との接着に寄与しないばかりか、実質
的な塗布量が少ないため十分な凝集力を有することな
く、硬化性樹脂の一部がポリオレフィン樹脂ラミネート
層上に残り、記録性を阻害したり、不透明被覆シートを
剥離後の外見を悪くしていた。接着に十分なほど硬化性
樹脂を塗布した場合、感圧印字適性が悪化しやすいとい
う問題もあった。
【0047】以上のような問題を解決する方法を検討し
た結果、不透明被覆シートの硬化性樹脂層に接する面の
側に水性高分子中間層を設けると、硬化性樹脂が不透明
被覆シートに浸透してその不透明度を低下させたり、あ
るいは不透明被覆シートの反対面(表面)に設けられた
感圧発色層、感熱層、印刷層などに達して発色カブリを
生じさせたり、インクの受理性を悪化させたりするトラ
ブルを未然に防止できるという効果があることが判っ
た。さらに不透明被覆シートの硬化性樹脂に接する面に
水性高分子中間層を設けることにより、不透明被覆シー
トへの硬化性樹脂の滲み込みが抑制されるためだと思わ
れるが、不透明被覆シートが感圧下用紙や感熱紙の場合
においても発色性が良好であるばかりでなく、硬化性樹
脂の塗布量が少なくても不透明被覆シートの接着性が良
好で、かつ感圧印字適性も良好な感圧記録シートが得ら
れることが判明した。
【0048】本発明の水性高分子中間層に用いることの
できる水性高分子としては、例えば以下の物質が挙げら
れる。天然高分子および半合成高分子として、デンプ
ン、酸化デンプン、エーテル化デンプン、ジアルデヒド
化デンプン、エステル化デンプンなどの変性デンプン化
合物、アルギン酸ソーダ、アルギン酸プロピレングリコ
ールエステルなどのアルギン酸化合物、カゼイン、ゼラ
チン、プルラン、デキストラン、キチン、キトサン、ゴ
ムラッテクス、アラビアゴム、フノリ、天然ガム、デキ
ストリン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの
変性セルロース化合物などが挙げられる。合成高分子と
しては、完全ケン化あるいは部分ケン化ポリビニルアル
コール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルアルコールと多価カルボン酸とのエステル化物、
カルボキシ変性化ポリビニルアルコール、スルホン酸変
性化ポリビニルアルコール、オレフィン変性化ポリビニ
ルアルコール、ニトリル変性化ポリビニルアルコール、
アミド変性化ポリビニルアルコール、ピロリドン変性化
ポリビニルアルコールなどの変性化ポリビニルアルコー
ル化合物、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ア
ミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム、
ポリアクリル酸ソーダなどのポリアクリル酸化合物、ポ
リビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニル
エーテル、ポリマレイン酸共重合体、ポリアクリルアミ
ド、水溶性アルキド樹脂などが挙げられる。また、スチ
レン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/ブタジエン
共重合体、ブタジエン/メタクリレート共重合体、アク
リロニトリル/ブタジエン/アクリル酸ラッテクス、な
どの合成高分子を水に分散したエマルジョンとして水性
高分子溶液の代わりに用いることができる。一般の硬化
性樹脂をエマルジョン化したものも水性高分子として用
いることができ、乾燥後電子線照射して硬化することが
できる。水性高分子としては、上記のような高分子を単
独で、あるいは混合した水溶液として、必要ならば消泡
剤、分散剤などを併用して用いることができる。
【0049】水性高分子中間層の塗布量は限定されるも
のではないが、好ましくは1〜5g/m2の 範囲内であ
る。塗布量がこの範囲より小さいと水性高分子中間層が
ムラになることがあるし、この範囲より多くても、剥離
性、染み込み防止性の向上に寄与しない。
【0050】
【作用】本発明の感圧記録シートにおいては、感圧記録
層上のポリオレフィン樹脂ラミネート層に、ポリオレフ
ィン樹脂を溶解しない硬化性樹脂が、充分に硬化、ある
いは架橋されているため、固化した硬化性樹脂層は凝集
力、あるいは軽いアンカー効果でポリオレフィン樹脂ラ
ミネート層に接着しているものの、軽い力でポリオレフ
ィン樹脂ラミネート層と分離(剥離)できる。ポリオレ
フィン樹脂ラミネート層、および3次元的に架橋固化し
た硬化性樹脂層は、筆圧をほとんど分散、吸収すること
なく伝達するため、感圧記録時において、高い発色濃度
が得られ、印字面の光沢、耐傷性、耐摩擦性に優れ、
又、ポリオレフィン樹脂ラミネート層の上に硬化性樹脂
層、不透明被覆シートを有するために、感圧記録した情
報を外部に公開、露出することなく取り扱うことがで
き、且つ必要に応じて不透明被覆シートを剥離すること
により、内部に感圧記録した情報を読むことができる。
【0051】さらに、本発明の硬化性樹脂層は3次元網
目構造をとる架橋型の樹脂であるため、1度硬化、架橋
したあとは元来ヒートシール性(加熱による可塑性発
現)はなく、このため、不透明被覆シートを剥離して一
度開示した情報は、加熱や加圧、放射線照射などの手段
では再度接着・隠蔽できない(再接着防止性)という特
徴を有する。
【0052】不透明被覆シートの硬化性樹脂と接する側
の面に水性高分子中間層を有することにより硬化性樹脂
と不透明被覆シートが接触しても不透明被覆シート中に
浸透せず、不透明被覆シートが透明化しないことから高
い隠ぺい性を有し、不透明被覆シートとして感圧発色紙
の下用紙を用いた場合においても顕色剤と硬化性樹脂が
接触することがないため結果として高い発色性を示す。
【0053】適度なポリオレフィン樹脂ラミネート層の
厚みにより、感圧記録層の発色性を低下させることなく
印字面の光沢、耐傷性、耐摩擦性を向上させ、不透明被
覆シート剥離時のラミネート層浮きを抑制し、カールの
発生を抑制する。ポリオレフィン樹脂ラミネート層の硬
化性樹脂層に接する側の中心線表面粗さを適度な範囲と
することにより不透明被覆シートを剥離しても剥離カブ
リのない、かつラミネート層上への硬化性樹脂層残りの
ない、記録の判読がしやすく外観上も美麗な感圧記録層
が得られる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部及び%のいずれも重量基準である。また、
塗抹量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗抹量であ
る。
【0055】実施例1 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN90、坪量90g/
2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン樹脂
ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリプロ
ピレン(密度:0.900g/cc)を17μmになる
ようにラミネートした。顕色剤層を有する不透明被覆シ
ートである感圧紙の下用紙(三菱製紙製、三菱NCRス
ーパー下、N50、坪量50g/m2)の裏面に水性高
分子中間層としてエアーナイフコーター を用いてカチ
オン化デンプンの5%溶液を乾燥重量1.2g/m2
なるように 塗布し乾燥した。ポリオレフィン樹脂ラミ
ネート層上に以下に示す硬化性樹脂を10g/m2とな
るようにオフセットグラビアコーターで塗布し、120
℃において予備硬化を行った後、下用紙の水性高分子中
間層と重ね合わせて再度130℃で加熱硬化・架橋を行
って一体化し、調湿して目的の感圧記録シートを得た。 硬化性樹脂 エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート(東亜合成化学工業製、 アロニックスM315) 95部 クメンヒドロパーオキサイド 5部
【0056】実施例2 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN90、坪量90g/
2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン樹脂
ラミネート層として溶融押しだしダイを用いて低密度ポ
リエチレン(密度0.918g/cc)を20μmにな
るようにラミネートした。不透明被覆シートとして上質
紙(三菱製紙製、ダイヤフォーム53g/m2)を用い
た。ポリオレフィン樹脂ラミネート層上に以下に示す硬
化性樹脂を5.0g/m2となるようにオフセットグラ
ビアコーターで塗布し、100℃で予備乾燥および予備
硬化を行い、不透明被覆シートと重ね合わせ、120℃
で加熱硬化を行って一体化し、調湿して目的の感圧記録
シートを得た。 硬化性樹脂 熱硬化ウレタンエラストマー(日本ポリウレタン工業製、コロネート4090) 80部 メチレンビスクロロオルソアニリン 20部
【0057】実施例3 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN90、坪量90g/
2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン樹脂
ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリプロ
ピレン(密度:0.900g/cc)を10μmになる
ようにラミネートした。不透明被覆シートとして上質紙
(三菱製紙製、ダイヤフォーム53g/m2)を用い、
水性高分子中間層として5%ゼラチンをメイヤーバーで
2.0g/m2塗布し、セット後に熱乾燥した。ポリオ
レフィン樹脂ラミネート層上に以下に示す硬化性樹脂を
固形分13g/m2となるようにオフセットグラビアコ
ーターで塗布し、100℃で予備硬化を行い、水性高分
子中間層と重ね合わせ、110℃でさらに加熱硬化を行
って一体化し、調湿して目的の感圧記録シートを得た。 硬化性樹脂 ブチル化尿素メラミン樹脂(三井東圧化学製、ユーバン132) 95部 アクリル樹脂(三井東圧化学製、アルマテェックス781−27) 95部 キシロール 200部 ブタノール 50部
【0058】実施例4 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN90、坪量90g/
2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン樹脂
ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリプロ
ピレン(密度:0.900g/cc)を18μmになる
ようにラミネートした。不透明被覆シートとして上質紙
(三菱製紙製、ダイヤフォーム53g/m2)を用い、
水性高分子中間層として5%ゼラチンをメイヤーバーで
2.0g/m2塗布し、セット後に熱乾燥した。ポリオ
レフィン樹脂ラミネート層上に以下に示す硬化性樹脂を
固形分13g/m2となるようにオフセットグラビアコ
ーターで塗布し、100℃で予備硬化を行い、水性高分
子中間層と重ね合わせ、110℃でさらに加熱硬化を行
って一体化し、調湿して目的の感圧記録シートを得た。 硬化性樹脂 ポリフェノール型メラミン樹脂(油化シェルエポキシ1031) 95部 ジエチルトリアミン 20部 ジシアンジアミド 5部 キシロール 200部 ブタノール 50部
【0059】実施例5 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
プロピレン(密度:0.900g/cc)を17μmに
なるようにラミネートした。ポリオレフィン樹脂ラミネ
ート層上に以下に示す硬化性樹脂を8g/m2となる よ
うにオフセットグラビアコーターで塗布し、紫外線照射
による予備硬化(ウシオ電気製、120w/cm、2
連)を行い、予備硬化を行った硬化性樹脂上に顕色剤層
を有する感圧紙の下用紙(三菱製紙製、三菱NCRスー
パー下、N40、坪量40g/m2)の非塗布面を重ね
合わせ、100℃に加熱硬化して一体化し 、目的の感
圧記録シートを得た。 硬化性樹脂 トリメチロールプロパントリアクリレート 92部 イルガキュア651(チバガイギー社製) 4部 ベンゾイルパーオキサイド 4部
【0060】実施例6 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
エチレン(密度:0.918g/cc)を17μmにな
るようにラミネートした。ポリオレフィン樹脂ラミネー
ト層上に以下に示す硬化性樹脂を12g/m2となるよ
うにオフセットグラビアコーターで塗布し、予備乾燥を
行った後、硬化性樹脂層上に顕色剤層を有する感圧紙の
下用紙(三菱製紙製、三菱NCRスーパー下、N40、
坪量40g/m2)の非塗布面を重ね合わせ、40℃で
レドックス常温硬化して一体化し、目的の感圧記録シー
トを得た。 硬化性樹脂 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 75部 N−ビニル−2−ピロリドン 20部 ベンゾイルパーオキサイド/ジメチルアニリン 5部
【0061】実施例7 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
プロピレン(密度:0.900g/cc)を18μmに
なるようにラミネートした。ポリオレフィン樹脂ラミネ
ート層上に以下に示す硬化性樹脂を8g/m2となる よ
うにオフセットグラビアコーターで塗布し、紫外線照射
による予備硬化(ウシオ電気製、120w/cm、2
連)を行い、予備硬化を行った硬化性樹脂上に顕色剤層
を有する感圧紙の下用紙(三菱製紙製、三菱NCRスー
パー下、N50、坪量50g/m2)の非塗布面を重ね
合わせ、窒素置換を行った電子線照射装置 (エナジー
サイエンス社製、エレクトロンカーテン)に導入して電
子線加速電圧200kVで吸収線量が3Mradになるように
電子線照射を行い硬化性樹脂を硬化して一体化し、目的
の感圧記録シートを得た。 硬化性樹脂 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50部 エチレンオキシド変性ノニフェノールアクリレート 46部 ベンジルジメチルケタール 4部
【0062】比較例1 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
エチレン(密度:0.918g/cc)を17μmにな
るようにラミネートした。不透明被覆シートとして顕色
剤層を有する感圧紙の下用紙(三菱製紙製、三菱NCR
スーパー下、N50、坪量50g/m2)の非塗布面に
ポリオレフィン樹脂としてポリエチレン (密度:0.
918g/cc)を17μmになるようにラミネートし
た。両方のポリオレフィン樹脂ラミネート層を重ね合わ
せプレスしながら一体化するまで100℃で加熱して目
的の感圧記録シートを得た。
【0063】比較例2 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
プロピレン(密度:0.900g/cc)を17μmに
なるようにラミネートした。不透明被覆シートとして上
質紙(三菱製紙製、ダイヤフォーム53g/m2)にポ
リオレフィン樹脂としてポリプロピレン(密度:0.9
00g/cc)を17μmになるようにラミネートし
た。両方のポリオレフィン樹脂ラミネート層を重ね合わ
せプレスしながら一体化するまで120℃で加熱して目
的の感圧記録シートを得た。
【0064】比較例3 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
プロピレン(密度:0.900g/cc)を17μmに
なるようにラミネートした。ラミネート層上にアクリル
系粘着樹脂(コニシ製、ボンドCE753)を12g/
2になるように塗布、乾燥し、不透明被覆シートとし
て顕色剤層を有する感圧紙の下用紙(三菱製紙製、三菱
NCRスーパー下、N50、坪量50g/m2)を用い
てその非塗布面を粘着面に重ね合わせて2日間養生して
一体化し、目的の感圧記録シートを得た。
【0065】試験・・実施例1〜7および比較例1〜3
において得られた該感圧記録シートは、印刷、断裁、郵
送などにより下用紙あるいは不透明被覆シートが剥離す
ることはなく、十分に一体化していた。該感圧記録シー
トに市販の感圧記録紙の上用紙を重ね合わせ、複写伝票
として発色性、印字性、記録露出性についての評価を行
った。それぞれの結果を表1に示す。
【0066】[下用紙発色試験]下用紙を用いた場合の
該感圧記録シートの下用紙の発色濃度は、上用紙の上か
らインクリボンを装着したインパクトプリンターにより
記録印字を行い、その後、上用紙を分離して下用紙の発
色性を測定した。発色濃度をマクベス反射濃度計で測定
し、単に上用紙と下用紙を重ね合わせて同様に印字した
場合の下用紙の発色濃度を基準に、相対値で表わした。
90%以上であれば記録として十分である。
【0067】[内部発色試験]それぞれの該感圧記録シ
ートの内部発色濃度は、上用紙の上からインクリボンを
装着したインパクトプリンターにより記録印字を行い、
その後、下用紙あるいは不透明被覆シートを剥離してポ
リオレフィン樹脂ラミネート層の上から内部発色性を測
定した。発色濃度をマクベス反射濃度計で測定し、ラミ
ネート前の自己発色型感圧記録紙の発色濃度を基準に、
相対値で表わした。90%以上であれば記録の解読に十
分である。
【0068】[剥離性]それぞれの該感圧記録シートの
下用紙あるいは不透明被覆シートを、ポリオレフィン樹
脂ラミネート層から手で剥離した場合に、下用紙あるい
は不透明被覆シートが破損することなく剥離できるもの
を剥離性が優、一部が紙層破壊してポリオレフィン樹脂
ラミネート層上に残るものを剥離性が劣として判定し
た。
【0069】[地肌発色]それぞれの該感圧記録シート
の不透明被覆シートあるいは下用紙を手で剥離した場合
の、内部感圧記録面の地肌の発色をマクベス濃度計で測
定した。ポリオレフィン樹脂ラミネート層を設けた段階
の地肌の発色濃度を基準に、同程度のものを優、やや劣
るが記録内容の判別に差し支えないものを並、記録内容
の判別に差し仕えがあるほど地肌の発色がひどいものを
劣として評価した。
【0070】[秘守性]得られた感圧記録シートの不透
明被覆シートを剥離してプリンターにより印字した記録
を開示し、再度不透明被覆シートを熱圧着(ただし、ポ
リオレフィン樹脂層がポリプロピレンである場合は、そ
の融点より3℃低い152℃で、ポリエチレンあるいは
ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂である場合は
その融点より3℃低い105℃で、ポリメチルペンテン
である場合はその融点より25℃低い210℃で加熱)
して、再接着するものを劣、再接着しないものを優とし
た。
【0071】
【 表1】
【0072】実施例8 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
プロピレン(密度:0.900g/cc)を10μmに
なるようにラミネートした。ラミネート時のクーリング
ロールは光沢写真印画紙用支持体を作成する際に用いる
鏡面ロールとし、得られたポリオレフィン樹脂ラミネー
ト層の中心線平均粗さは0.2μmであった。その上に
硬化性樹脂としてアルキド樹脂(日立化成工業製、D6
34S、開始剤としてp−トルエンスルホン酸メタノー
ル溶液を含む)を5g/m2となるようにオフセットグ
ラビアコーターで塗布し、予備加熱乾燥を行った後、そ
の上に不透明被覆シートとして印刷部分を有する坪量5
0g/m2のキャストコート紙を重ね合わせ、本加熱乾
燥を行い硬化、架橋して目的の感圧記録シートを得た。
【0073】実施例9 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いて低密
度ポリエチレン(密度:0.918g/cc)10部と
ポリプロピレン(密度:0.900g/cc)90部か
らなる混合ポリオレフィン樹脂を20μmになるように
ラミネートした。ラミネート時のクーリングロールはセ
ミマット面写真印画紙用支持体を作成する際に用いるセ
ミマットロールとし、得られたポリオレフィン樹脂ラミ
ネート層の中心線平均粗さは2μmであった。その上に
硬化性樹脂として3官能のアクリレート(東亜合成化学
工業製、アロニックスM310とM320の等量混合
物、光開始剤としてベンジルジメチルケタールを5%含
む)を5g/m となるようにオフセットグラビアコ
ーターで塗布し、紫外線照射装置で予備照射後、坪量1
5g/m2のトレーシングペーパーを重ね合わせてさら
に紫外線照射を行い、硬化性樹脂を硬化・架橋し、さら
にトレーシングペーパー上に地紋印刷して不透明化して
目的の感圧記録シートを得た。
【0074】実施例10 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いて低密
度ポリエチレン(密度:0.918g/cc)70部と
高密度ポリエチレン(密度:0.965g/cc)30
部からなる混合オレフィン樹脂を40μmになるように
ラミネートした。ラミネート時のクーリングロールはシ
ルク面写真印画紙用支持体を作成する際に用いるシルク
ロールとし、得られたポリオレフィン樹脂ラミネート層
の中心線平均粗さは8μmであった。その上に硬化性樹
脂としてアルキド樹脂溶液(日立化成工業製、メラン4
6D、反応開始剤としてp−トルエンスルホン酸メタノ
ール溶液を含む、溶剤ブタノール/キシレン/メタノー
ル混合溶媒)を乾燥塗布量8g/m2 となるようにオフ
セットグラビアコーターで塗布し、70℃で5分間乾燥
後、印刷部分を有する坪量50g/m2の上質紙を重ね
合わせ、24時間養生を行い接着し目的の感圧記録シー
トを得た。
【0075】実施例11 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
メチルペンテン(三井石油化学製、TPX)を40μm
になるようにラミネートした。ラミネート時のクーリン
グロールはグラビアマットロールとし、得られたポリオ
レフィン樹脂ラミネート層の中心線平均粗さは12μm
であった。その上に硬化性樹脂としてメラミン樹脂(三
井東圧化学製、ユーバン21R、キシロール/ブタノー
ル混合溶媒)とアクリル樹脂(三井東圧化学製、アルマ
テックスD−152、キシロール/ブタノール混合溶
媒)の等量混合物を乾燥塗布量10g/m2となるよう
にオフセットグラビアコーターで塗布し、100℃で2
分間乾燥後、印刷部分を有する坪量30g/m2 の微塗
工紙を重ね合わせ、さらに100℃で加熱を行い接着し
目的の感圧記録シートを得た。
【0076】比較例4 実施例8において、中心線平均粗さを0.1μmとした
以外は実施例1と同様にして感圧記録シートを得た。
【0077】比較例5 実施例9において、ポリオレフィン樹脂ラミネート層の
厚みを8μmとした以外は実施例2と同様にして感圧記
録シートを得た。
【0078】比較例6 実施例10において、ポリオレフィン樹脂ラミネート層
の厚みを50μmとした以外は実施例3と同様にして感
圧記録シートを得た。この感圧記録シートはカールがひ
どく、プリンターによる印字を行う際、発色した。
【0079】比較例7 実施例11において、中心線平均粗さを14μmとした
以外は実施例1と同様にして感圧記録シートを得た。
【0080】比較例8 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
プロピレン(密度:0.900g/cc)を15μmに
なるようにラミネートした。ラミネート時のクーリング
ロールは光沢写真印画紙用支持体を作成する際に用いる
鏡面ロールとし、得られたポリオレフィン樹脂ラミネー
ト層の中心線平均粗さは0.2μmであった。不透明被
覆シートとして印刷部分を有する坪量50g/m2 のキ
ャストコート紙の裏面にポリオレフィン系ホットメルト
接着剤(横浜ゴム製、ハマタイトM470)の塗布を行
い、ポリオレフィン樹脂ラミネート層とホットメルト接
着剤層を接触させて熱プレスを行い一体化し目的の感圧
記録シートを得た。
【0081】比較例9 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
プロピレン(密度:0.900g/cc)を15μmに
なるようにラミネートした。得られたポリオレフィン樹
脂ラミネート層の中心線平均粗さは1.2μmであっ
た。ポリオレフィン樹脂ラミネート層上にエチレン酢ビ
共重合ヒートシール性接着剤(ノガワケミカル社製、D
A946)を乾燥重量で15g/m2塗布し、熱風乾燥
して不透明被覆シートとして印刷部分を有する坪量50
g/m2 のキャストコート紙を重ね合わせ、一体化し目
的の感圧記録シートを得た。
【0082】比較例10 感圧記録紙として、市販の自己発色型感圧記録紙(三菱
製紙製、ダイヤセルフ、スーパーN100、坪量100
g/m2)を使用した。感圧記録面に、ポリオレフィン
樹脂ラミネート層として溶融押しだしダイを用いてポリ
プロピレン(密度:0.900g/cc)を15μmに
なるようにラミネートした。得られたポリオレフィン樹
脂ラミネート層の中心線平均粗さは1.2μmであっ
た。ポリオレフィン樹脂ラミネート層上に粘着エマルジ
ョン樹脂(コニシ社製、ボンド720)を乾燥重量で1
5g/m2塗布し、熱風乾燥して不透明被覆シートとし
て印刷部分を有する坪量50g/m2 のキャストコート
紙を重ね合わせ、一体化し目的の感圧記録シートを得
た。
【0083】試験・・実施例8〜11および比較例4〜
10において得られた感圧記録シートの発色性、剥離カ
ブリ、硬化性樹脂層残り、ラミネート層浮き、情報記録
の露出性、情報記録の秘守性についての評価を行った。
それぞれの結果を表2に示す。
【0084】[発色性]それぞれの感圧記録シートの発
色濃度は、不透明被覆シートの上からインパクトプリン
ターにより一定加重を加えて印字し、その後不透明被覆
シートを剥離して発色印字面を露出させ、発色濃度をマ
クベス反射濃度計で測定した。ラミネート前の自己発色
型感圧記録紙の発色濃度を基準に、相対値で90%以上
を優、70%以上90%未満を並、70%未満を劣とし
た。
【0085】[剥離カブリ]剥離カブリは、得られた感
圧記録シートの不透明被覆シートを手で剥離した場合
に、感圧記録層の地肌のカブリを目視で観察し、地肌で
の発色がないものを優、やや地肌カブリが生じるが記録
の判読に支障のないものを並、記録の判読に支障のある
程度に地肌カブリが生じたものを劣とした。
【0086】[樹脂残り]樹脂層残りは、得られた感圧
記録シートの不透明被覆シートを手で剥離した場合に、
ポリオレフィン樹脂ラミネート層上に硬化性樹脂(比較
例の場合は粘接着樹脂の場合がある)の一部が残ってい
る場合に劣、全く樹脂層の残っていない場合を優と判定
した。
【0087】[ラミネート層浮き]ラミネート層浮き
は、得られた感圧記録シートの不透明被覆シートを手で
剥離した場合に、ポリオレフィン樹脂ラミネート層の一
部が感圧記録層から剥離するかどうかを確認し、ラミネ
ートが感圧記録層から全く剥離してないものを優、一部
剥離しているが記録の判読に支障のないものを並、記録
の判読に支障のある程度に剥離しているものを劣とし
た。
【0088】[露出性]インクリボンを外したドットイ
ンパクトプリンターにより不透明被覆シートの上から印
字した記録が、そのままの形では読み取れない場合を
優、読み取れる場合を劣とした。
【0089】[秘守性]得られた感圧記録シートの不透
明被覆シートを剥離してプリンターにより印字した記録
を開示し、再度不透明被覆シートを熱圧着(ただし、ポ
リオレフィン樹脂層がポリプロピレンである場合は、そ
の融点より3℃低い152℃で、ポリエチレンあるいは
ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂である場合は
その融点より3℃低い105℃で、ポリメチルペンテン
である場合はその融点より25℃低い210℃で加熱)
して、再接着するものを劣、再接着しないものを優とし
た。
【0090】[接着性]各サンプルにおいて、不透明被
覆シートが印字性の試験において、印字時の取扱い程度
では剥離せず接着しているものを優、印字時にズレが生
じるなど接着強度が小さいものを並、サンプルをカット
した程度で剥離し接着していないものを劣とした。
【0091】
【 表2】
【0092】評価・・実施例において得られた該感圧記
録シートは、不透明被覆シートに感圧紙の下用紙を用い
た場合においてもその下用紙の発色性が良好で、かつ不
透明被覆シートを剥離した際に地肌カブリの発生がな
く、また硬化性樹脂層がポリオレフィン樹脂ラミネート
層に残ったり、ポリオレフィン樹脂ラミネート層の一部
が感圧記録層から剥離したりするトラブルもなく、不透
明被覆シートを剥離した場合の内部記録性も良好であ
り、剥離性も問題なかった。実施例において得られた該
感圧記録シートは、3次元的に網目架橋硬化する硬化性
樹脂を用い、かつこのような樹脂はポリオレフィン樹脂
の融点以下の温度ではヒートシール性を示すことがない
ので、不透明被覆シートを剥離した場合には、硬化した
硬化性樹脂がポリオレフィン樹脂ラミネート層に全く再
接着しなかった。このため、不透明被覆シートにより感
圧記録の内容が隠ぺいされ、かつ不透明被覆シートは良
好な剥離性を有し、かつ、一度剥離して情報を開示する
と、再度接着しない良好な秘守特性を有するものであっ
た。
【0093】これに対して、比較例において作成した感
圧記録シートにおいては加熱プレス時の圧力が内部記録
の判別に差し仕えるほどの地肌発色を引き起こした。ま
た、硬化性樹脂でない粘着樹脂の場合においては粘着樹
脂成分のニジミ出しによるものと思われるが、不透明被
覆シートに感圧紙の下用紙を用いた場合にその発色性が
良好でなかった。また、ポリオレフィン樹脂ラミネート
層が薄い場合や厚い場合はラミネート層浮きが生じた
り、発色性が悪いというトラブルが生じた。また、ポリ
オレフィン樹脂ラミネート層の中心線平均粗さが小さす
ぎる場合は剥離カブリが生じ、大きすぎる場合は硬化性
樹脂層残りが生じ見苦しかったり、印字性が良好でなか
ったりするトラブルがあった。また、熱可塑性樹脂同士
による接着ではプレスによる発色が生じたり、元の接着
と同程度に再接着が可能で秘守性に乏しかった。硬化性
樹脂の代わりに3次元的に架橋構造をとらない粘着樹
脂、ホットメルト樹脂、ヒートシール性樹脂などを用い
た場合も同じく加熱や加圧による再接着が可能で秘守性
に乏しかった。
【0094】
【発明の効果】本発明の感圧記録シートにおいては、硬
化性樹脂を硬化することにより不透明被覆シートとポリ
オレフィン樹脂ラミネート層の見かけ上の接着が可能で
あり、ポリオレフィン樹脂ラミネート層の表面剥離性を
利用して不透明被覆シートを剥離する事が出来る。固化
した硬化性樹脂層は凝集力、あるいは軽いアンカー効果
でポリオレフィン樹脂ラミネート層に接着しているもの
の、軽い力でポリオレフィン樹脂ラミネート層と分離で
き、なおかつ、硬化性樹脂層は3次元網目的に架橋。硬
化しているため、熱可塑性をしめさずポリオレフィン樹
脂ラミネート層に再度接着することはなく、情報の秘守
性に優れている。ポリオレフィン樹脂ラミネート層、お
よび固化した硬化性樹脂層は、筆圧をほとんど吸収する
ことなく伝達するため、感圧記録時において、高い発色
濃度が得られ、印字面の光沢、耐傷性、耐摩擦性に優
れ、又、ポリオレフィン樹脂ラミネート層の上に硬化性
樹脂層、不透明被覆シートを有するために、感圧記録し
た情報を外部に公開、露出することなく取り扱うことが
でき、且つ必要に応じて不透明被覆シートを剥離するこ
とにより、内部に感圧記録した情報を読むことができ
る。適度なポリオレフィン樹脂ラミネート層の厚みによ
り、感圧記録層の発色性を低下させることなく印字面の
光沢、耐傷性、耐摩擦性を向上させ、ラミネート層浮き
を抑制し、カールの発生を抑制する。ポリオレフィン樹
脂ラミネート層の硬化性樹脂層に接する側の中心線表面
粗さを適度な範囲とすることにより不透明被覆シートを
剥離しても剥離カブリのない、かつ硬化性樹脂層残りの
ない、記録の判読がしやすく外観上も美麗な感圧記録層
が得られる。 本発明の感圧記録シートにおいては、該
感圧記録シートの表面(下用紙)の発色性が優れた、印
字内容を隠ぺいできる感圧記録シートであり、内容を隠
ぺいしたい場合の記録、通信などに効果があるものであ
る。以上のごとく、本発明は連続伝票用、貼り付け伝
票、ラベル、葉書などの通信文、記録用、無塵記録紙な
ど多くの用途にもちいることができる実用的意義の大き
いものである。
【図面の簡単な説明】
本発明の感圧記録シートの断面図
【符号の説明】 1 支持体 2 自己発色型感圧記録層 3 ポリオレフィン樹脂ラミネート層 4 硬化性樹脂層 5 不透明被覆シート 6 水性高分子中間層 7 顕色剤層 8 感圧紙の下用紙
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す感圧記録シートの断面
図。
【図2】本発明の水性高分子中間層を有する実施態様を
示す感圧記録シートの断面図。
【図3】本発明の不透明被覆シートに顕色剤層を有する
実施態様を示す感圧記録シートの断面図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感圧記録シートにおいて、該感圧記録シ
    ートが支持体の片面に、双方または一方がマイクロカプ
    セル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独で積
    層、或は混合して塗設した感圧記録層、ポリオレフィン
    樹脂ラミネート層、硬化性樹脂層、不透明被覆シートを
    順次設けた積層記録シートであり、該硬化性樹脂層が3
    次元網目構造を有する架橋型の樹脂であり該ポリオレフ
    ィン樹脂の融点以下の温度範囲においてはヒートシール
    性を示さないことを特徴とする感圧記録シート。
  2. 【請求項2】 該ポリオレフィン樹脂ラミネート層の厚
    みが10〜40μmであり、かつ該ポリオレフィン樹脂
    ラミネート層の該硬化性樹脂層に接する側のJIS B
    0601−1982で規定する中心線表面粗さが、
    0.2〜12μm(カットオフ値;0.8mm、測定長
    さ;5mm)であることを特徴とする請求項1記載の感
    圧記録シート。
  3. 【請求項3】 該不透明被覆シートが、硬化性樹脂層に
    接する面の側に水性高分子中間層を有することを特徴と
    する請求項1記載の感圧記録シート。
  4. 【請求項4】 該不透明被覆シートが、硬化性樹脂層と
    接しない片面に、顕色剤あるいはそのマイクロカプセル
    を塗設した、いわゆる感圧紙の下用紙が不透明被覆シー
    トであることを特徴とする請求項1記載の感圧記録シー
    ト。
  5. 【請求項5】 該硬化性樹脂層が、加熱硬化、レドック
    ス常温硬化、紫外線硬化、電子線硬化より選ばれる1種
    類以上の硬化方法により硬化された硬化性樹脂層である
    ことを特徴とする請求項1記載の感圧記録シート。
JP15086193A 1992-06-24 1993-06-22 感圧記録シート Expired - Fee Related JP3204803B2 (ja)

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