JPH0686957A - 樹脂被膜の平滑化方法 - Google Patents

樹脂被膜の平滑化方法

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JPH0686957A
JPH0686957A JP24057592A JP24057592A JPH0686957A JP H0686957 A JPH0686957 A JP H0686957A JP 24057592 A JP24057592 A JP 24057592A JP 24057592 A JP24057592 A JP 24057592A JP H0686957 A JPH0686957 A JP H0686957A
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film
colored ink
roller
heating
release film
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JP24057592A
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English (en)
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Kazutaka Akiyama
和隆 秋山
Masaru Nikaido
勝 二階堂
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、平滑化した樹脂被膜面に傷や凹凸
が残らず、効率よく平滑性にすぐれた樹脂被膜の平滑化
方法を提供することを目的とする。 【構成】この発明は、表面張力が40dyn/cm以下
で25乃至100μmの範囲の厚さの離型フィルム27を
樹脂被膜13の面上に置き、この離型フィルム27の上から
ローラ25等で加熱、加圧して平滑化し、その後離型フィ
ルムを剥離する樹脂被膜の平滑化方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、支持基板上に塗布さ
れた樹脂被膜の平滑化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子デバイスに有機材料が広
く使用されるようになっている。例えば、サーマルヘッ
ド(感熱印字ヘッド)の高抵抗基体や、ハイブリッドI
C用の多層回路基板など、熱に対して高い信頼性が要求
される電子デバイスは、支持基板上に耐熱性ポリイミド
樹脂が絶縁層や耐熱層として被覆された構成を有する。
また、液晶表示装置などに使用されるカラ−フィルタ
は、その透光性基板上に直接または他の層を介して種々
のパターンの着色被膜が印刷、又は塗布される。これら
樹脂被膜は、表面が平滑化されて使用される。
【0003】サーマルヘッドを例にすると、従来は、セ
ラミック基板上にグレーズガラス層を熱の発散及び蓄熱
を制御する保温層として形成された高抵抗基体に代え
て、セラミック基板や金属基板上にポリイミド樹脂を保
温層として形成した耐熱性絶縁基板が実用になりつつあ
る。このような耐熱性絶縁基板を利用したサーマルヘッ
ドは、保温層としてポリイミド樹脂層を形成することに
より、ポリイミド樹脂の熱拡散率が、従来のグレーズガ
ラス層に比べて、1/3乃至1/6に小さくなることか
ら、熱効率が優れたものとなる。また、金属基板など、
可撓性を有する基板を使用した場合は、曲げ加工を行う
ことが可能であり、小型で、安価な高性能サーマルヘッ
ドを製作することができる。
【0004】このようなサーマルヘッドにおいては、保
温層のポリイミド樹脂層上に発熱抵抗体や電極を形成す
るための無機薄膜や金属薄膜を形成する必要があるた
め、ボイドや突起などの欠陥および表面凹凸を最小限に
抑制する必要がある。この手段として、支持基板にポリ
イミド樹脂層を被覆する樹脂基板の製造方法において、
支持基板にポリイミドの前駆体のポリアミック酸ワニス
を塗布し、この支持基板に塗布されたポリアミック酸ワ
ニスをイミド化しない温度で加熱し、ポリアミック酸ワ
ニス中の溶剤を除去する。その後、ポリアミック酸ワニ
ス塗布膜を剥離部材を介して平滑化ローラにより加熱、
加圧して平滑化し、さらに、この平滑化されたポリアミ
ック酸ワニス塗布膜を熱処理し、ポリアミック酸をイミ
ド化してポリイミド樹脂層を形成する方法が提案されて
いる。
【0005】また、カラー液晶表示装置に用いられるカ
ラーフィルタは、ガラス基板面上に、顔料を樹脂バイン
ダ中に分散させた着色インクを印刷塗布し、必要に応じ
てさらにその上に透明樹脂による保護層を形成し、その
上に透明電極を形成した構造を有している。この場合、
液晶表示装置のセル間隔の維持や各種光学的損失を防止
するため、ボイドや突起などの欠陥および表面凹凸を、
この着色インク被膜の含有溶剤が蒸発した乾燥状態にお
いて、着色インク被膜を剥離部材を介して平滑化ローラ
により加熱、加圧して平滑化した後、着色インク被膜を
熱硬化する方法が知られている。また、着色インク被膜
上にエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの透明保護層を形
成し、この透明保護層の含有溶剤が蒸発した乾燥状態に
おいて、剥離部材を介して透明保護層を平滑化ローラで
加熱、加圧して平滑化した後、熱硬化する方法も知られ
ている。
【0006】例えば、特開昭63−216028号公
報、あるいは特開平1−167807号公報には、ゴム
又は鏡面仕上げした金属製のローラで、加熱、加圧して
着色インク被膜の凸部を潰して平滑化する方法が開示さ
れている。また、カラーフィルタの着色インク被膜側を
直接又はこれらに付着しにくいフィルムを介して平板又
は平面定盤に当て、ガラス基板側からプレス用のローラ
又は定盤で加圧して平滑化する方法が、特開平2−25
1816号公報、あるいは特開昭62−280805号
公報などに開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のうち後者の方法
では、着色インク被膜面の全面にほぼ均等な圧力が加わ
り、全面が均等に平滑化されやすいという利点がある。
しかしながら、着色インク被膜が形成されたガラス基板
を介してプレス圧力を加えるので、ガラス基板が破損し
ない範囲の比較的小さい加圧力に止める必要がある。特
にプレスローラで加圧する場合には、ガラス基板の破損
が生じやすいので、さらに小さい圧力に止める必要があ
る。ガラス基板の上に平坦な定盤を当てて圧力を加える
方法は、基板の破損を生じ難いので都合がよいが、全面
にわたって必要十分な潰し量を得るための加圧力が相当
大きい値となってしまう。したがって、これらの方法に
よると、各カラーインク被膜の間に潰し切れない隙間が
残りやすい。このような隙間が残ると、液晶表示装置と
して組み立てた場合に、電極形成用薄板ガラス、あるい
は偏光板ガラス等の他の基板との貼り合わせ面に空隙や
気泡が出来たり、ガラス同士の平行均一な粘着が不可能
になる。又、フィルタ基板に付着されている着色インク
被膜上に、直接又はオ−バ−コ−ト層を介して透明導電
膜であるITO被膜(インジウム−錫の酸化膜)をスパ
ッタ等で形成した場合に、着色インク被膜面に凹凸があ
ると、被膜の厚い部分でスパッタ形成被膜が不充分にな
ったり、スパッタ被膜が形成されずに断線を生じやす
い。このようにカラー液晶表示装置の製造や特性に支障
が生じやすい。さらにまた、着色インク被膜面の凹凸に
よる光拡散現象によって、透過性が損なわれたり、その
他の光学的損失等が発生する。 このような各着色イン
ク被膜間の隙間を完全に無くするためには、さらに高い
プレス圧力を必要とし、あるいは相当長い加圧時間が必
要である。それは、着色インク被膜の温度管理や粘度管
理が繁雑となるなど、生産効率上の難点になる。また、
着色インク被膜にフィルムが付着しやすく、むりに剥離
すると着色インク被膜面にすじ状の傷あるいは皺が生じ
やすい。このように、従来の平滑化方法には、少なから
ず利点がある反面、改善すべき上述のような不都合を伴
っている。 この発明は、平滑化した樹脂被膜面に傷や
凹凸がのこらず、効率よく平滑性にすぐれた樹脂被膜の
平滑化方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、表面張力が
40dyn/cm以下で25乃至100μmの範囲の厚
さの離型フィルムを樹脂被膜面上に置き、この離型フィ
ルムの上からローラ等で加熱、加圧して平滑化し、その
後、離型フィルムを剥離する樹脂被膜の平滑化方法であ
る。
【0009】離型フィルムの素材としては、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト,ポリエチレン−2,6−ナフタレ−
ト等のポリエステル類、ポリエチレン,ポリプルピレン
等のポリオレフィン類など各種プラスチックを用いる。
また、離型フィルムの表面張力の制御には、一般的に用
いられるフィルム表面改質、例えばコロナ放電処理(ま
たは低温プラズマ処理)、グロ−放電処理、火炎処理、
オゾン処理、紫外線,,電子線等放射線処理、ポリマ−
ブレンド,グラフト重合等化学薬品処理、プライマ−処
理、ポリマ−コ−ティング、電着等がある。特に、コロ
ナ放電処理に関しては電極およびフィルム間にCF4
CHF3 ,CCIF3 ,CH4 の気体雰囲気中で放電を
行なうと、表面張力が低下しやすいことが知られている
(Sen-iGakkaishi Vol.43 No.7(1987)pp384-389)。
【0010】
【作用】この発明によれば、離型フィルムに適当に制御
された張力をかけながら平滑化でき、また、剥離時に樹
脂被膜が剥れたり平滑面に傷や凹凸、皺などの欠陥が生
じるおそれがほとんどない。したがって、平滑度のすぐ
れた樹脂被膜面を、効率よく製作することができる。
【0011】
【実施例】以下、その実施例を図面を参照して説明す
る。なお、同一部分は同一符号であらわす。図1に示す
実施例は、カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィ
ルタの製造にこの発明を適用した場合である。同図はそ
の一部を拡大して示してある。 まず、一辺が30cm
の正方形で、厚さが1.1mmの透明ガラス基板11の一
方の面上に、クロムからなる光遮断層12をマトリックス
状に付着させた。次に、基板表面を洗浄した後、凹版オ
フセット印刷機により、顔料および溶剤を含む例えばエ
ポキシ樹脂系ワニスを主体とする着色インクを用い、凹
版を使用して凹セルパタ−ンにしたがってストライプ状
の着色インク被膜13を基板面上に印刷した。着色インク
被膜13は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色を順
次印刷した。すると、各着色インク被膜R、G、Bは、
粘弾性があるため、中央付近の印刷方向の後端側に少し
偏った部分が山形に盛り上がった状態となる。この頂上
付近の膜厚は、4〜5μmである。
【0012】この着色インク被膜13を形成した後、85
〜105℃の範囲の、着色インク被膜の熱硬化が起らな
い温度で乾燥し、溶剤を除去した。この溶剤除去量は、
着色インクに当初添加した溶剤量の60%以上、より好
ましくは80%以上である。この溶剤除去量が60%以
下であると、後の着色インク被膜の平滑化の際、溶剤の
蒸発による発泡で気泡の巻き込みが起こる場合があるの
で、それを避けるために上記の範囲とした。
【0013】次に、着色インク被膜13を印刷し乾燥を終
えたカラーフィルタのガラス基板11側を、加熱定盤24の
上に置き、図示しない真空吸引チャックにより吸着さ
せ、固定した。加熱定盤24には、加熱ヒータ28が埋設し
てあり、それにより、定盤表面を所定温度に設定してあ
る。定盤24の上方には、加熱加圧ローラ25を設置してあ
る。このローラ25には、図示しない加熱ヒータを内蔵し
てあり、その表面を80〜105℃の範囲の温度に設定
した。また、この加熱加圧ローラ25の直径は12cm
で、表面のJIS−A硬度が70、表面粗さRaが0.
1μm以下のシリコンゴムである。なお、ロ−ラ表面の
硬度は、インク中の樹脂成分の硬度にもよるが、硬度4
0以上90以下が好ましい。硬度が40度より低いと、
平滑化した着色インク被膜の表面粗さを0.1μm以下
とするのが困難である。又、硬度が90より高いとガラ
ス基板が破損しやすくなる。
【0014】そこで、カラーフィルタの着色インク被膜
13と、加熱加圧ローラ25との間に、離型フィルム27を介
在させる構成になっている。この離型フィルム27は、母
材である所定厚さの樹脂フィルム29の図示下面に薄い離
型剤30を塗布したものである。母材樹脂フィルム29は、
厚さが25乃至100μmの範囲、より好ましくは35
乃至80μmの範囲、例えば50μmのポリエチレンテ
レフタレ−ト(PET)、あるいはポリエチレンナフタ
レート(PEN)である。そして、離型剤30は、着色イ
ンク被膜に付着し難いシリコン系の離型剤であり、1μ
m以下、例えば数千オングストロームの厚さに塗布した
ものである。離型剤30はまた、その剥離力が10乃至5
0g/50mmの範囲、より好ましくは25乃至35g
/50mmの範囲のものである。
【0015】なお、表面張力は、次のような評価方法に
より得られた値で定義される。すなわち、接触角計を用
いて、23℃50%の環境において水(H2 O)および
22 の2種類の試験液により離型フィルムの接触角
を求め、Fowkesの式より分散力による表面張力と
表面の水素結合力による表面張力を求め、さらに総合的
な表面張力を求める。ここで、上記の試験液を離型フィ
ルムに滴下してから接触角測定までの時間は、2秒で行
なう。
【0016】そして、カラーフィルタの着色インク被膜
13を約90℃に加熱しながら、加熱ローラ25を矢印Faの
ように押し下げ、離型フィルム27を介して着色インク被
膜25を押し潰しながら、矢印Fbのように回転移動させ
た。つまり、加熱加圧ローラ25によって、ストライプ状
の着色インク被膜13を、パタ−ン方向すなわちその長手
方向に向けて矢印Fcの方向に連続的に平滑化した。この
平滑化工程では、離型フィルム27を平滑化すべき着色イ
ンク被膜13の面に対してある角度をもって斜め方向とな
るようにしてある。それによって、着色インク被膜13の
凹みに存在する空気は、スムースに押し出されながら、
インク被膜が加熱加圧ローラ25で平滑化されて行く。こ
の平滑化すべき着色インク被膜面と樹脂フィルムとのな
す角度は、5度以上、80度以下であればよい。加熱加
圧ローラ25により平滑化した後方においては、離型フィ
ルム27を平滑化した着色インク被膜13a の面上に添わし
た状態を維持し、それによって着色インク被膜面を保温
して温度のむらを生じさせず、後の剥離工程で被膜面に
皺やすじ状の痕跡が生じないようにする。加熱加圧ロー
ラ25による加圧力(線圧)は、10〜15Kg/cmで
あり、送り速度は15〜30cm/分とした。
【0017】こうして、着色インク被膜13の全面を平滑
化し終わった直後、図示しない剥離ローラを作動させ
て、離型フィルム27を斜め上方に引き上げて着色インク
被膜面から剥離した。そしてその後、定盤24からカラー
フィルタのガラス基板11を外し、200〜250℃で数
時間加熱し、着色インク被膜を熱硬化させた。これによ
って、着色インク被膜13の表面13a が、平滑化されたカ
ラーフィルタが得られた。平滑化された着色インク被膜
の厚さは、3.0μmであった。
【0018】なお、着色インク被膜のパターンは、スト
ライプ状に限らず、各色の画素が長方形の規則的な整列
パターンでもよく、その場合も色画素の長手方向に加熱
ローラを回転させて平滑化することが望ましい。あるい
は、正方形、又は円形の各色画素のパターンであっても
よい。その場合、同じ色の方向に向かって平滑化すれ
ば、混色が起こる可能性が少ないので望ましい。
【0019】図2乃至図6に示す実施例は、この平滑化
処理を自動的に能率よく行える装置による場合をあらわ
している。着色インクを印刷し、乾燥を終えたカラーフ
ィルタのガラス基板11を、着色インク被膜面を平滑化す
るための平滑化処理装置20に装着して平滑化した。平滑
化処理装置20は、加熱定盤24を載せて移動する基台を有
している。この加熱定盤24が通過する位置の上方には、
加熱および加圧用のローラ25が設置されている。また、
離型フィルム搬送装置が設けられており、加熱定盤24と
加熱加圧ローラ25との間に、離型フィルム27を矢印Fdの
ように搬送できるようになっている。
【0020】加熱定盤24には、加熱ヒータ28が埋設さ
れ、さらに図示しない真空吸引チャックが設けられてい
る。加熱加圧ローラ25には、同様に加熱ヒータが内蔵さ
れており、上下できるようになっている。フィルム搬送
装置26は、離型フィルム27を自動的に供給するために、
加熱加圧ローラ25の図示左斜め上方に、未使用の離型フ
ィルム27が巻かれたプラクチック製のフィルム送りロー
ル31が配置されている。このフィルム送りロール31と加
熱加圧ローラ25との間に、フィルムに付着している異物
を除去するためのイオンブロー装置32および吸引装置3
3、蛇行防止用ロ−ラ34が設けられている。これらは、
離型フィルム供給部を構成している。離型フィルム送り
ロール31には、図示しない逆回転用駆動装置,パウダ−
ブレ−キ等の制動機構が設けられ、制御装置で制御され
るようになっている。そして、加熱加圧ローラ25の図示
右側には、可動型の離型フィルム剥離用ローラ35、ガイ
ドローラ36、可動型のフィルム引張りローラ37、蛇行防
止用ロ−ラ38、および離型フィルム巻取りロール39が設
けられている。これら各ローラに、離型フィルムが図示
のように掛けられ、搬送される。離型フィルム巻取りロ
ール39には、同様にトルクモ−タ,制動装置が設けら
れ、制御装置で制御されるようになっている。こうし
て、離型フィルム27に所定の張力がかけられ、制御され
るようになっている。そこでまず、加熱定盤24の表面を
80〜105℃の範囲の温度に設定し、加熱加圧ロ−ラ
25の表面温度を80〜105℃の範囲の温度に設定し
た。そして、図2に示すように、着色カラーインク被膜
13が印刷されたガラス基板11を、加熱定盤24の上に、着
色インク被膜を上向きにして真空吸着して予熱しながら
矢印Feのように進行させた。この加熱定盤24が加熱加圧
ローラ25の下に到達するまでは、このローラ25及びフィ
ルム剥離用ローラ35は上方の位置にある。そして、加熱
定盤24が加熱加圧ローラ25の手前近くにさし掛かった時
点A(図6参照、以下同じ)で、巻取りロール39が回転
駆動され、離型フィルム27が図の右方向に進行する。そ
れによって、離型フィルムの未使用の剥離剤の面が、平
滑化すべき着色インク被膜13の上に対面する。
【0021】次に、加熱定盤24が加熱加圧ローラ25の下
に達したB時点で、図3に示すように、加熱ローラ25及
びフィルム剥離用ローラ35が点線で示す元の位置から下
降し、C時点から加熱加圧ローラ25が矢印Faのように所
定圧力で着色インク被膜13を押し潰しながら矢印Fbのよ
うに回転移動して平滑化して行く。着色インク被膜13
は、約90℃に加熱され、軟化し、平滑化される。その
間、離型フィルム27は、加熱定盤24の移動、及び加熱加
圧ローラ25の回転と一緒に図の右方向に走行する。離型
フィルム27には、送りロール31及び巻取りロール39によ
って、適当な張力が加えられており、フィルムの熱膨張
を吸収する。離型フィルム27は、送りロール31の側にお
いて、平滑化すべき着色インク被膜13の面に対して斜め
方向となるようにしてあり、平滑化されたインク被膜面
には、全面の平滑化が終了するまで密接された状態が保
たれるようになっている。
【0022】そして、図4に示すように、ガラス基板上
の着色インク被膜13が平滑化されて行く。この状態は図
1に対応している。すなわち、着色インク被膜13と、加
熱加圧ローラ25との間に離型フィルム27を介在させ、ス
トライプ状の着色インク被膜をパタ−ン方向、すなわち
その長手方向に向けて矢印Fcの方向に連続的に平滑化し
た。この平滑化工程では、離型フィルム27を平滑化すべ
き着色インク被膜面に対して所定角度をもって斜め方向
となるようにしてあり、それによって、着色インク被膜
13の凹みに存在する空気は、スムースに押し出されなが
ら、インク被膜が加熱加圧ローラ25で平滑化されて行
く。加熱加圧ローラ25により平滑化した後方において
は、離型フィルム27を平滑化した着色インク被膜13a の
面上に添わした状態を維持し、それによって着色インク
被膜面を保温して温度のむらを生じさせず、後の剥離工
程で被膜面に皺やすじ状の痕跡が生じないようにした。
加熱加圧ローラ25による加圧力(線圧)は、前述のよう
に10〜15Kg/cmであり、送り速度は15〜30
cm/分とした。
【0023】次に、ガラス基板面上の着色インク被膜13
を全面にわたって平滑化し終わった後、Dで示す時点に
おいて、図5に示すように、フィルム剥離用ローラ35を
矢印Ffの如く押し上げるとともに、フィルム引張りロー
ラ37を点線で示す元の位置から矢印Fgの如く図の左上方
向に移動し、離型フィルム27のたるみを防止しながらこ
の離型フィルムを着色インク被膜面13a の一端部から加
熱加圧ローラ側の他端部にかけて斜め上方向に強く引張
り、一気に剥離した。なお、引張りローラを移動しない
で、巻取りロール39を瞬間的に強く正回転させて離型フ
ィルムに強い張力をかけ、剥離するように構成し制御し
てもよい。この離型フィルムの剥離速度は、着色インク
被膜面の剥離して行く距離1m当たり、2秒乃至50秒
の範囲で行うと、平滑化した着色インク被膜面にすじ状
の痕跡が残らず、良好な結果が得られた。
【0024】こうして、離型フィルムの剥離を行った後
の時点Gで、フィルム引張りローラ37を元の位置に戻す
とともに、加熱加圧ローラ25及びフィルム剥離用ローラ
35を上昇させ、後続の加熱定盤24の上のカラーフィルタ
の平滑化処理が行われる。このような操作は、周知のマ
イクロコンピュータを使用したシーケンス制御装置によ
り、自動制御される。そして、比較的速い処理速度で量
産ができる。こうして平滑化処理が終わったカラーフィ
ルタのガラス基板11を加熱定盤24から外し、200〜2
50℃で数時間加熱し、着色インク被膜を熱硬化させ
た。3.0μmであった。着色インク被膜の上に直接又
はオ−バ−コ−ト層を介して液晶表示装置の対向電極と
なるITO膜を形成した。なお、この発明によれば、着
色インク被膜の平滑性が極めて良好なため、オ−バ−コ
−ト層を介さず直接ITO膜を被着しても、良好な光学
的及び電気的特性が得られた。
【0025】上述のように、平滑化処理が行われている
間は、離型フィルム供給部と離型フィルム巻取り部と
で、離型フィルムに適当な張力が印加され、離型フィル
ムの加熱、加圧による伸びを吸収し、着色インク被膜の
平滑面のむらの発生を防止している。離型フィルムの厚
さが25μmよりも薄いと、十分な張力が印加が困難と
なる。また、これが100μmよりも厚いと、加熱加圧
ローラから着色インク被膜への熱伝達性が悪くなり、平
滑化の効率が低下する。なお、平滑化した被膜面に離型
フィルムを密着した状態を、全面の平滑化を完了するま
で保つことにより、被膜面の横すじの発生を防止する作
用も得られる。これを維持するためには、離型フィルム
は前述のように40dyn/cm以下にする必要があ
る。40dyn/cmより大きい場合、平滑化処理の際
に基板からの被膜剥離を誘発する場合がある。
【0026】図7乃至図9に示す実施例は、一層簡略化
した平滑化処理装置20を用いて実施する場合である。加
熱加圧ローラ25の図示左斜め上方に、未使用の離型フィ
ルム27に付着しているであろう異物を除去するための静
電除去部,超音波発振部及び吸引装置からなるクリーニ
ング装置41が設置されている。なお、フィルム送りロー
ル31は、フィルムに余分のたるみが生じないように制動
がかかる簡単な機構になっているものでよい。そして、
加熱加圧ローラ25の図示右側に、点線で示す位置との間
で上下動されるガイドローラ42が配置されている。フィ
ルム巻取りロール39は、トルクモータで制御される簡単
な構成のものでよい。
【0027】この装置を用いて、前述の実施例の場合と
同様に、加熱定盤24及び加熱加圧ローラ25をそれぞれ8
0〜105℃の範囲の温度に設定し、着色インク被膜13
を印刷し乾燥を終えたカラーフィルタのガラス基板11を
加熱定盤24の上にインク被膜を上にして真空吸引チャッ
クで吸着させ、予熱しながら進行させた。そして、図7
のように、離型フィルム27を介して加熱加圧ローラ25で
着色インク被膜面を押潰し、平滑化した。この実施例に
使用した離型フィルム27は、25〜50g/50mmの
範囲の剥離力を備え、且つ38〜100μmの範囲の厚
さを有するものである。この場合、離型フィルム27と着
色インク被膜13との接着力が比較的大きいので、加熱加
圧ローラ25による加圧部とフィルム送りロール31との間
はもちろん、接着部とガイドローラ42との間にも適当な
張力が掛り、離型フィルムの熱膨張が吸収される。
【0028】続いて、ガラス基板上の着色インク被膜13
の全面を平滑化し終わった段階で、図8に示すように、
加熱加圧ローラ25及びガイドローラ42を矢印の如く上昇
させる。その状態では、離型フィルム27は着色インク被
膜面の全面に付着したままになっている。そこで、図9
に示すように、フィルム巻取りロール39を低速で回転さ
せて、離型フィルム27を着色インク被膜面から、図示右
側から符号a,b,cのように連続的に剥離して行く。
そして完全に剥離し終わると、離型フィルム27は、蛇行
防止ローラ34及びガイドローラ34の間に保持される。こ
うして、自動的に平滑化、離型フィルムの剥離が行わ
れ、次のカラーフィルタの平滑化処理が行われる。この
方法によれば、離型フィルムの剥離力や厚さを所定範囲
に設定することにより、比較的簡単な装置により、皺
や,すじ状の痕跡等がなく、且つ平滑度のすぐれた着色
インク被膜面をもつカラーフィルタが得られる。
【0029】以上はカラーフィルタの場合であるが、次
に金属基板面上に樹脂被膜を付着したサーマルヘッドの
例を説明する。クロムを16〜18重量%含む鉄合金製
の厚さ0.5mmの金属基板を用意した。これを40〜
60℃の希硫酸の中で1〜2分活性化処理した。この基
板面上に、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を
ロールコータを用いて塗布した。これを、60〜120
℃のイミド化が起こらない温度で処理して被膜中の溶剤
を除去した。その後、次の条件で平滑化処理した。
【0030】離型フィルムは、厚さ80μmの2軸延伸
PETに、付加型シリコンを塗工したものであり、40
dyn/cm以下の表面張力を有する。平滑化条件は、
予備加熱温度が85〜90℃、加圧ローラの温度が90
〜105℃、加圧力が10〜15kg/cm、送り速度
が20〜50cm/分である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
離型フィルムに適当に制御された張力をかけながら平滑
化でき、また、剥離時に樹脂被膜が剥れたり平滑面に傷
や凹凸、皺などの欠陥が生じるおそれがほとんどない。
したがって、平滑度のすぐれた樹脂被膜面を、効率よく
製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す要部拡大斜視図であ
る。
【図2】図1の工程の初期段階における状態を示す概略
側面図である。
【図3】図2の後の工程における状態を示す概略側面図
である。
【図4】図3の後の工程における状態を示す概略側面図
である。
【図5】図4の後の工程における状態を示す概略側面図
である。
【図6】図2乃至図5に示した工程における各部材の連
続動作を示す図である。
【図7】この発明の他の実施例の平滑化工程の状態を示
す概略側面図である。
【図8】図7の後の工程における状態を示す概略側面図
である。
【図9】図8の後のフィルム剥離工程における状態を示
す概略側面図である。
【符号の説明】
11…透光性基板、13…着色カラーインク被膜、24…加熱
定盤、25…加熱ローラ、26…離型フィルム搬送装置、27
…離型フィルム、35…フィルム剥離ローラ、37…フィル
ム引張りローラ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板の少なくとも一方の面に直接又
    は他の層を介して樹脂被膜を付着させる工程と、その
    後、上記樹脂被膜を加熱しながら加圧して被膜面を平滑
    化する工程とを備える樹脂被膜の平滑化方法において、 表面張力が40dyn/cm以下で25乃至100μm
    の範囲の厚さの離型フィルムを上記樹脂被膜面上に置
    き、上記離型フィルムの上から加熱、加圧して平滑化
    し、その後、上記離型フィルムを剥離することを特徴と
    する樹脂被膜の平滑化方法。
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