近年、液晶表示画面やプラズマ表示画面などフラットパネルディスプレイは、省エネルギー、省スペース、可搬性などの点から据え置き型、壁掛け型、携帯型の様々な用途の画像表示装置として利用されている。
特に携帯型においては、携帯時に落下させても破損しないような耐衝撃性や、軽量化、薄型化などの点からプラスチック化への要求がある。また、壁掛け型においても円柱状の柱へのディスプレイの設置という点から可撓性のディスプレイへの要求がある。
しかしながら、従来のフラットパネルディスプレイは、何れもガラス基板上に製造された物であり、プラスチック基板上に製造することは難しかった。
その理由は、従来のフラットパネルディスプレイの部材の作製には高温での加熱工程とフォトリソ工程が含まれているためである。
例えば、液晶ディスプレイ用のカラーフィルターの製造にあたっては、感光性樹脂のパターニングにあたって、現像、洗浄、ベーキングなどの工程があり、プラスチック基板の熱による損傷や伸縮が生じてしまう。
また、ディスプレイの駆動電極である薄膜トランジスタの製造工程では、シリコン半導体や、絶縁膜の形成には300℃以上の高温工程を含み、プラスチック基板の耐熱性を上回っていた。
また、フォトリソ工程は、製膜、露光、現像、剥離を材料毎に行うので、ガラス基板だけてなくプラスチック基板を用いたフラットパネルディスプレイの製造設備も大掛かりとなり、製造のコストが高い。
以上のことから、プラスチック基材上への精密なパターニングが可能な経済的な製造コストによる印刷方法が求められていた。
プラスチック基材上への印刷法の一つとして、インクジェット法が検討されている。インクジェット法は、所定の部分にのみ所定の材料をパターニングできることから材料の利用効率が高く、版も使用しないことから、もっとも簡便なパターニング方法として期待されている。
しかしながら、現状ではインクジェットのインク液滴の直径は数十μm程度であり、着弾精度も数μm程度であり、精密なパターニングが難しい。
また、インクジェット法を用いて精密なパターニングをするためには、あらかじめ基板上にフォトリソ工程により隔壁を形成しなければならず、カラーフィルターのブラックマトリクスや薄膜トランジスタ配線などの10μm程度のパターンを形成する方法としては採用することができない。
インクジェット法以外の方法としては、スクリーン印刷法が挙げられる。スクリーン印刷法は、電子部品における配線や抵抗体、誘電体の印刷などで実用化されている。
しかしながら孔版印刷であることから、インキはペースト状の高粘度のものに限られ、また、スクリーンメッシュの精細度から数十μm程度の厚膜の印刷法としては採用できても、やはり10μm前後の精密なパターンを形成する方法としては採用できない。
そこで、インクジェット法およびスクリーン印刷法以外の方法として、特許文献1に記載するように、フィルムへ乾燥インキ膜をあらかじめ設けた、いわゆるドライフィルムを熱圧して非画像部パターンを除去した後に、残った画像部パターンを目的の基材に転写する転写印刷方法が考案されている。
しかし、いわゆるドライフィルムを用いる方法では、フィルムからインキ層を転写する際に熱圧を用いるために、フィルム基材の膨張・収縮や版の膨張、インキ層の溶融・軟化を伴うことから、数十μm程度の微小なパターンの再現性を得る事が困難である。また、熱圧を均一に与えるための装置も複雑になり、大画面のディスプレイパネルへの対応も困難となってしまう。さらに、使用したフィルム基材の洗浄が困難であり、大量の廃棄物を排出してしまう欠点がある。
一方、特許文献2にあるように、版胴に巻き付けたブランケット上にインキを塗工・予備乾燥してインキ膜を形成し、その後、非画像部パターンが形成された凸版をインキ膜に押圧することによりブランケット上に画像パターンを形成し、最後に、ブランケット上の画像パターンを被印刷基材上に転写し、被印刷基材上に画像パターンを形成する印刷方法が試みられていて、この方法はインキ膜厚を調整することが容易である。
この印刷法ではインキ剥離性のブランケット上に画像パターンを形成することから、被印刷基材へのインキ転写性が良好である。また、パターン形状は、使用する版(非画像部パターンの版)の精度に依存することから、被印刷体への薄膜での微細パターンの形成が可能である。
特開平9−90117号公報
特開2001−56405号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、シリコーンゴムシートまたはシリコーン樹脂シートからなるブランケット上にインキを塗工する度に、ブランケット表面のインキ濡れ性や転写性が不安定になるという問題点を有していた。これはブランケットが版胴に固定されたまま乾燥を行うために均一な予備乾燥が困難であり、塗工されたインキ中の溶剤がブランケット内に吸収され膨潤していき、部分的な転写性や精度のバラツキができてしまうことが原因である。
また、転写後のクリーニングやブランケットの乾燥による膨潤量の調整を転写毎に行う必要があるため、連続加工に不向きである。さらに、ブランケットが版胴に固定されているため、すでにパターンが形成された基材上に重ねて転写する場合に、ブランケット上のパターンと基材上のマークとの位置合わせが困難であった。
本発明の課題は、ガラス基材やプラスチックフィルム、特に長尺状のプラスチックフィルムなどの可撓性基材上へ、連続的に高精細パターンを形成する印刷方法および印刷装置を提供するものである。
上記課題を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、
フレームに固定したインキ剥離性転写用フィルム上に、インキ液膜を塗工して設け、該インキ液膜を予備乾燥して予備乾燥インキ膜を得た後、該予備乾燥インキ膜に画像部パターンを凹部とした非画像部パターンの凸版(ネガ凸版)を押し当て、該予備乾燥インキ膜を該凸版の凸部に加熱を施すことなく転移させ、前記インキ剥離性転写用フィルム上に残された予備乾燥インキ膜による画像部パターンを被印刷基材の表面に加熱を施すことなく転写し、
前記予備乾燥インキ膜は、予備乾燥によって常温においては形状を保持しつつ粘着性を有し、外力により容易に形状が変化する半乾燥状態であり、
前記インキ剥離性転写用フィルムを、前記フレームに固定した状態でインキ洗浄部、インキ塗工部、インキ非画像部パターン除去部、画像部パターン転写部の各工程に順に搬送して、被印刷基材へ画像部パターンを転写する印刷方法であって、
前記インキ剥離性転写用フィルムが固定された前記フレームを複数用い、それぞれの前記インキ剥離性転写用フィルムのインキ洗浄、それぞれの前記インキ剥離性転写用フィルムへのインキ塗工、それぞれの前記インキ剥離性転写用フィルムに形成された画素部パターンの転写を、オフラインで平行して行う
ことを特徴とする印刷方法である。
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る印刷方法において、前記予備乾燥インキ膜は、予備乾燥によって常温においては形状を保持しつつ粘着性を有し、外力により容易に形状が変化する半乾燥状態であることを特徴とする印刷方法である。
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る印刷方法において、前記インキ剥離性転写用フィルムは、フィルム基材上にインキ剥離性シリコーン樹脂層が積層されて設けられていることを特徴とする印刷方法である。
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1に係る印刷方法において、前記インキ剥離性転写用フィルムは、フィルム基材上にSiO2 、TiO2 、ZrO2 のうち少なくとも1乃至2種以上の無機酸化膜あるいはこれらの複合酸化物膜と、シランカップリング剤と、アルキル基、シロキサン基、フッ素原子のうち少なくとも1種とが、この順に積層されて設けられていることを特徴とする印刷方法である。
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1に係る印刷方法において、前記インキ剥離性転写用フィルムが、フィルム基材上にゾル−ゲル法により得られる酸化物膜と、シランカップリング剤と、アルキル基、シロキサン基、フッ素原子のうち少なくとも1種とが、この順に積層されて設けられていることを特徴とする印刷方法である。
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至4のいずれか1項に係る印刷方法において、前記インキ剥離性転写用フィルムが光学的に透明であることを特徴とする印刷方法である。
本発明の請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至5のいずれか1項に係る印刷方法において、前記予備乾燥インキ膜を凸版(ネガ凸版)の凸部に転移させた後にインキ剥離性転写用フィルム上に残された予備乾燥インキ膜による画像部パターンを被印刷基材の表面に転写する際に、該被印刷基材とインキ剥離性転写用フィルムとを僅かな間隔を保つように平行に設置して、該インキ剥離性転写用フィルム上に残された画像部パターンと、該被印刷基材の表面にすでに設けられている画像パターン若しくは孔設部等のマークとを、カメラ等の観察機器を用いて観察しながら、位置合わせを行い整合させて転写することを特徴とする印刷方法である。
本発明の請求項7に係る発明は、上記請求項1乃至6のいずれか1項に係る印刷方法において、前記予備乾燥インキ膜を凸版(ネガ凸版)の凸部に転移させた後にインキ剥離性転写用フィルム上に残された予備乾燥インキ膜による画像部パターンを被印刷基材の表面に転写する際に、画像部パターン検査を実施し、該画像部パターンが予め決められた規定を満たす場合にのみ画像部パターンを被印刷基材の表面に加熱を施すことなく転写することを特徴とする印刷方法である。
本発明の請求項8に係る発明は、上記請求項1乃至7のいずれか1項に係る印刷方法において、前記予備乾燥インキ膜を除去するための凸版(ネガ凸版)として、ガラス製若しくは樹脂製の版を使用することを特徴とする印刷方法である。
本発明の請求項9に係る発明は、上記請求項1乃至8のいずれか1項記載の印刷方法により印刷するための印刷装置であってインキ剥離性転写用フィルムを張設固定するフレームと、該フレームの上方に配置されるインキ塗工手段と、該フレーム内に装填されてインキ剥離性転写用フィルムを加圧可能な加圧ローラーと、前記フレームに張設固定したインキ剥離性転写用フィルムに対して、相対的に平行に近接移動し、且つ離反移動可能なパターン除去版を載置固定する版固定ステージと、前記フレームに張設固定したインキ剥離性転写用フィルムに対して、相対的に平行に近接移動し、且つ離反移動可能な被印刷体を載置固定する被印刷体固定ステージから構成される印刷装置であって、
前記塗工を行うコーティング装置一台に対し、複数の前記パターン除去部や複数の前記パターン転写部が割り当てられている
ことを特徴とする印刷装置。
本発明による発明の効果を以下に説明すれば、本発明によれば、フレームに固定したインキ剥離性転写用フィルム上に、インキ液膜を塗工して設け、該インキ液膜を予備乾燥し、予備乾燥インキ膜を得た後必要な画像部パターンを凹部とした凸版を該予備乾燥インキ膜に押し当て、加熱を施すことなく非画像部を該凸版の凸部に転移させ、該インキ剥離性転写用フィルム上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンをやはり加熱を施すことなく目的の被印刷基材表面上へ転写するため、高精細な印刷方法とすることができる。
また、本発明によれば、前記予備乾燥インキ膜が、インキ液膜の予備乾燥によって粘着性を有し、形状は保っているが常温において外力により容易に形状が変化する半乾燥状態であることで、加熱処理を施すことなく、一部パターン除去や被転写基材への転写を行うことが可能となり、インキ剥離性やフィルム基材や被転写基材の熱膨張やパターンの熱溶融による形状変化の影響の受けることの無い、精密なパターンの印刷方法とすることができる。
さらに、本発明によれば、前記フレームに固定したインキ剥離性転写用フィルムを、洗浄部、塗工部、パターン除去部、転写部の各工程に順に搬送し加工を行うことで、一度使用したインキ剥離性フィルムを連続して使用せず、洗浄や乾燥を行った後に、再び印刷に使用することで、安定した連続印刷が可能な印刷方法とすることができる。また、複数のフレームを用い、洗浄や塗工さらに転写などをオフラインで平行して行うことにより、印刷時間の短縮に効果がある。さらに、処理能力が高いが、導入コストも高くなってしまうコーティング装置一台に対し、乾燥時間やアライメントを行うために処理能力が低くなってしまうが、装置の導入コストが低いパターン除去部や転写部を複数割り当てることで、生産量に応じた最適なラインの組み立てが可能な印刷方法とすることができる。
本発明によれば、前記インキ剥離性転写用フィルムが、フィルム基材上にシリコーン樹脂層を積層して設けられることで、凸版や目的の被印刷基材表面への転写性を高め、再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
本発明によれば、インキ剥離性転写用フィルムが、フィルム基材上にSiO2 、TiO2 、ZrO2 の無機酸化膜、あるいはこれらの複合酸化物膜を設けた基材面にシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも一種を表面に設けることによって、フィルム基材表面の平滑性を維持したまま、フィルム基材表面の濡れ性を低くすることが可能であり、凸版や被印刷基材表面への転写性を高め、再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
本発明によれば、インキ剥離性転写用フィルムが、フィルム基材上にゾル−ゲル法により酸化物膜を設けた基材面にシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも一種を表面に設けることによって、フィルム基材表面の平滑性を維持したままフィルム基材表面の濡れ性を効果的に低くすることが可能で、凸版や被印刷基材表面への転写性を高め、再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
また、本発明によれば、インキ剥離性転写用フィルムが光学的に透明な基材とすることで、インキ剥離性転写用フィルム表面に残った画像パターンやアライメントマーク越しに、被印刷基材上の画像パターンやアライメントマークを確認することができることから、転写位置を正確に合わせこむことが容易となり再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
また、本発明によれば、インキ剥離性転写用フィルム上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを、すでに画像パターンが設けられている被印刷基材表面に転写する際に、被印刷基材と該インキ剥離性転写用フィルムとを平行に近づけ、該インキ剥離性転写用フィルムを介して、あるいは、被印刷基材と該インキ剥離性転写用フィルムとの間からカメラ等の観察機器を用いて該インキ剥離性転写用フィルム上に残された画像部パターンと被印刷基材表面に設けられた画像パターンもしくは孔等のマークとの位置合わせを行うことにより、より再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
本発明によれば、前記予備乾燥インキ膜を凸版(ネガ凸版)の凸部に転移させた後にインキ剥離性転写用フィルム上に残された予備乾燥インキ膜による画像部パターンを被印刷基材の表面に転写する際に、画像部パターン検査を実施し、該画像部パターンが予め決められた規定を満たす場合にのみ、その画像部パターンを被印刷基材の表面に転写するため、高品質の印刷を効率よく実施することができる。
また、本発明によれば、予備乾燥インキ膜を除去するための凸版として、ガラスもしくは樹脂製の版を使用することで、被印刷基材に対して高精細パターンの印刷をすることができる。
また、本発明の印刷装置によれば、上記印刷方法による印刷を効率良く実施でき、目的の被印刷基材表面上へ転写するために高精細な印刷を行うことができる。
このように本発明は、ガラス基材あるいはプラスチック等可撓性基材、とりわけ長尺状の可撓性基材へ高精細パターンの印刷を連続に安定しておこなうことができ、ディスプレイ部材となるカラーフィルターのブラックマトリックス、ホワイトマトリックス、カラーパターン、スペーサーなどを作製することができる。
また、印刷トランジスタのゲート電極、ソース/ドレイン電極、ゲート絶縁膜、有機半
導体などの溶液型半導体パターンをこの印刷法にて作製することができる。さらに、高分子型有機ELの発光層のパターニングをこのような印刷法により効率良く作製することができる。
以下、本発明の実施の形態の一例について、図1を参照して説明すれば、図1(a)は本発明の印刷方法にて用いる印刷装置の上面図、図1(b)はその側面図であり、フレーム100は、矩形枠状体であり、少なくとも目的とする印刷パターンよりも広い枠内径(又は開口部)を持ち、使用するインキ剥離性転写用フィルム102の幅よりも大きなフレーム形状のものが使用される。
矩形枠状のフレーム100の対向する一対の端部には、インキ剥離性転写用フィルム102の両端部を保持して張設するための保持機構101が、少なくとも二箇所以上設けられている。フィルム基材の保持機構としては、矩形シート状のフィルム基材102の両端部の固定や引っ張りに耐える保持機構であれば方式は問わない。図1(b)に示すようにインキ剥離性転写用フィルム102は、該フレーム100の一方面側に張設されて固定される。
例えば保持機構101としては、図1(a)、(b)に示すように、フレーム100に対してインキ剥離性転写用フィルム102の両端部を巻き取り張設する巻き取りシャフト101a(2本が巻取回転又はうち1本が巻取回転し1本は固定)と、そのシャフトを保持するためのシャフト保持部101b(シャフトを落とし込み保持する溝部)とを備え、シャフト101aとシャフト保持部101b(溝部)との間に巻き取られる転写用フィルム102を挟み固定する挟持方式や、シャフト保持部101bに保持されたシャフトの逆回転(張り戻し)を抑制制御するラチェット部をシャフト端部に取り付けたラチェット方式等がある。挟持方式はシャフト101aの折れや固定部分でのフィルム基材102の膨らみ、しわ等が抑制できるために好ましい。またフィルム基材が接するフレーム100の端面等は、フィルム基材102がその端部等に接触して引っ掛かったり擦れたりしないように丸め処理(R加工)を行うのが好ましい。またフレーム100の材料としては金属や硬質プラスチックがある。加工性と形状の保持性があれば一般の加工用金属を用いる事ができるが、搬送の軽さや加工性を考えてアルミニウム材質を用いるのが好ましい。
上記フレーム100には、フィルム基材102の張り具合や強度を調節するために、空圧方式(エアシリンダ)や、リニアガイド方式とネジ方式の調節機構105とによるスライド機構103により張設機構を備えることにより、常に同じ条件で転写用フィルム102をフレーム100に固定することが可能である。またフレーム100は、インキ剥離性転写用フィルムを張設固定することにより転写印刷用ステージとなるが、それは定位置に固定する固定式の転写印刷用ステージでもよいし、水平方向又は/及び上下方向に移動する可動式の転写印刷用ステージであってもよい。
フレーム100に対するインキ剥離性転写用フィルム102の上記張設機構の形態としては本発明においては特に問わないが、例えば図1(a)に示すように、フレーム100を、一端部にシャフト保持部101aを備えた本体部分Aと、該本体部分Aの他端部側に張設方向にスライドするスライド機構103を介してスライド可能に取り付けたスライド可動部分Bとから構成される。前記スライド機構103としては、張設方向にスライドするエアシリンダを用いた空圧方式、あるいはプランジャ(ピストン)とネジ方式の前記調節機構105とを用いたリニアガイド方式などがある。
本発明に用いるインキ剥離性転写用フィルム102のフィルム基材としては、可撓性のプラスチックフィルムを用いることが可能である。例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることができる。さらに光透過性のフィルム基材を用いることにより、パターンの重ね合わせ時にアライメントを容易にすることができる。これら可撓性フィルム基材は、長尺状の巻き取りロールとして供給され、加工される。
本発明に用いるインキ剥離性転写用フィルム102は、いずれも適度のインキ受容性を有すると同時に、一度受容したインキに対して完全なインキ剥離性を有することが望ましいので、上記フィルム基材にインキ剥離性層が設けられている。
インキ剥離性転写用フィルム102としては、例えば、長尺状の上記フィルム基材に、インキ剥離性層としてシリコーンオイル、シリコーンワニスで代表される離型剤を塗っても良いし、あるいはシリコーンゴムの薄膜層を形成してもよい。また同じ目的でフッ素系樹脂、フッ素系ゴムも利用され得る。あるいはフッ素樹脂微粉末をシリコーンゴムあるいは、普通のゴムに混ぜて剥離性を出すなどの使い方をしてもよい。これらシリコーン系の塗膜は、通常フィルム基材との密着性が低いが、熱硬化性または紫外線硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂など、よりフィルム基材との接着性の高い樹脂層をアンカー層としてあらかじめフィルム基材上に設け、そのアンカー層を介してシリコーン層を設けることもできる。
具体的なシリコーンとしては、ジメチルポリシロキサンの各種分子量のもの、その他メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、あるいはこれらポリシロキサンと有機化合物との共重合体など、変成したものを用いることができる。
シリコーンゴムとしては、二液型のジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての三官能性以上のシラン、またはシロキサン及び硬化触媒を組み合わせたもの、あるいは一液型ではジオルガノポリシロキサンとアセトンオキシム、各種メトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等の組み合わせなどが用いられ、その他ゴム硬度を調節するためのポリシロキサンが適宜用いられる。
また、本発明に用いるインキ剥離性転写用フィルム102として、上記フィルム基材に無機膜を設けた後、シランカップリング剤による表面処理を施したものを用いることもできる。
シランカップリング剤としては、トリメトキシシラン類、トリエトキシシラン類などを用いることができる。このシランカップリング剤の一部位は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などの有機化合物との反応性基を持つものから選ぶことができ、あるいはアルキル基やその一部にフッ素原子が置換されたものやシロキサンが結合して、表面自由エネルギーの小さな表面を形成できる置換基が結合したものを用いることができる。前者の反応性基を有するシランカップリング剤を用いる場合には、シランカップリング剤で基材表面を処理した後、所定の表面自由エネルギーになるような他のモノマー成分を塗工して、結合させることができる。反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができ、モノマーとして、スチレン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、ラウリルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
トなどを用いることができる。また、反応性基を有さないシランカップリング剤としてはメチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシランなどを用いることができる。但し、アルキル基に限定されるものではない。
上記シランカップリング剤を上記フィルム基材に固定化する方法としては、シランカップリング剤を使用した公知の表面処理方法を用いることができる。例えば、シランカップリング剤を水、酢酸水溶液、水−アルコール混合液、あるいはアルコール溶液に希釈させた溶液を調製する。前記溶液を公知の塗工方法であるグラビアコーター、ロールコーター、ダイコーター等を用いて基材表面に塗工し、次いで乾燥させることでシランカップリング剤を固定化できる。また、反応性基を有するシランカップリング剤を用いた場合には、次いで他のモノマー成分を同様に塗工して結合させることができる。
上記シランカップリング剤をフィルム基材上に固定化するためには、あらかじめ基材上に、SiO2 やTiO2 、ZrO2 若しくはこれらの複合膜が設けられていることが好ましい。これら無機酸化膜は既知の蒸着法やスパッタ法を用いて設けたものを用いることができる。
また、上記無機酸化膜を設ける方法として、一般式M(OR)n で表される金属アルコキシド(MはSi,Ti,Al,Zrなどの金属、RはCH3 、C2 H5 などのアルキル基)を水、アルコールの共存下で加水分解反応および縮重合反応させて得られたゲル溶液を表面にコーティング後、加熱することで無機酸化物膜を設ける、所謂ゾル−ゲル法を用いることができる。
さらに、上記ゾル−ゲル法で用いる金属アルコキシド溶液中に、あらかじめ上記シランカップリング剤を添加しておくこともできる。この場合は表面性改質に特に効果が得られる。
このようにして得られるインキ剥離性転写用フィルム102のインキ剥離性は、該フィルム102の処理面にインキを滴下した際の接触角が、10°以上90°以下となるのが好ましく、より好ましくは20°以上70°以下である。この接触角が小さいと後工程でのインキ剥離性が低下してパターンの欠陥(再現性不良等)が発生し易くなり、接触角が大きいとインキ液膜を形成する際にハジキが生じて、均一なインキ液膜を形成することが困難になる。
このようにして得られたインキ剥離性転写用フィルム102は、フレーム100に固定された後、粘着ローラー、界面活性剤を用いた水洗、アセトンなどの有機溶媒によるふき取りによるインキ塗工前洗浄や、転写後の洗浄を行って使用される。
本発明の印刷方法が適用される被印刷体として、ガラスやプラスチック板などへの印刷に適用できるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートに対する印刷にも用いることもできる。あるいは印刷に使用するインキの乾燥条件に合わせて被印刷体を選定すればよく、耐熱性のものとしては、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミドなどが好適である。また無機フィラーを樹脂に添加して耐熱性を向上させた材料からなる基材(被印刷体)でもよい。フィルムおよびシートの被印刷体は、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよく、また、可撓性基材には必要に応じて、ガスバリア層や平滑化層、インキ受像層等が、印刷面または他の面に積層されていても良い。
インキ液膜の材料としては、画像パターン形成材料に溶媒を溶解又は分散させたものを用いることができる。例えば、カラーフィルターにおいて赤色、緑色、青色からなるカラーパターン(着色層)や、ブラックマトリックス等を本発明の製造方法により形成する場合、顔料成分と樹脂成分を溶媒中に溶解、分散させることによりインキとなる。
顔料には、例えば、赤、緑、青の各色で使用できる顔料として次のものが挙げられる。顔料の種類は、カラーインデックス(C.I.)No.で示す。まず、赤色顔料として、97、122、123、149、168、177、180、192、208、209、215などが、緑色顔料として7、36などが、青色顔料として、15、15:1、15:3、15:6、22、60、64などが挙げられる。墨顔料として、カーボンブラック、チタンブラックなどが挙げられる。また、これら赤、緑及び青顔料の色調整及びインキの流動性を改善するために、次に挙げる顔料を必要量添加することができる。
赤色、緑色、青色以外にも、例えば、黄顔料として、17、83、109、110、128などが、紫顔料として、19、23などが、白顔料として、18、21、27、28などが、橙顔料として、38、43などが挙げられる。顔料は、単体以外に、顔料を予め分散剤、有機溶剤に分散させた顔料分散体であっても良い。
また、ブラックマトリックスに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックやチタンブラックが単独又は混合して用いられる。
樹脂成分には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂からなる群から選ばれる1つ以上のものが使用される。溶剤には、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤などが使用される。エステル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、アルコール系溶剤として、1−ブタノール、3メトキシ−3メチル−1ブタノール、1−ヘキサノール、1,3ブタンジオール、1−ペンタノール、2−メチル1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、エーテル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、炭化水素系溶剤として、ソルベッソ100、ソルベッソ150(製品名エクソン化学社製)などが挙げられる。
また有機EL素子において有機発光層を形成する場合、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)といった高分子発光材料を溶媒としてトルエンやキシレンといった芳香族系有機溶媒に溶解、分散させることによりインキとなる。また、回路基材において、配線を形成する場合、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム等の金属微粒子分散液を水やアルコール、グリコール系溶媒に溶解、分散させることによりインキとなる。また、これらのインキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等が添加されてもよい。なお、本発明のインキはこれらに限定されるものではない。
次に、本発明による印刷方法を具体化する印刷工程の一例を、被印刷体として長尺状の可撓性フィルム基材とした場合について、図2(a)〜(c)に基き、工程に従って説明する。
図2(a)は、インキ剥離性転写用フィルム102へのインキ液膜202の塗工工程(塗工ステージ)を示すものである。水平に設定したフレーム100に張設され固定された水平なインキ剥離性転写用フィルム102上にインキ液膜202を形成する方法として、インキの粘度や溶媒の乾燥性によって公知の塗工方法を用いることができる。すなわち、例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。中でも、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータは、広い範囲の粘度のインキについて均一なインキ液膜を形成することができ、さらにその中でも可動するインキ剥離性転写用フィルム上へ連続的に形成する場合は、ダイコートが最も効率的で好適な形成方法である。
図2(a)に示す塗工ステージにおけるインキ剥離性転写用フィルム102面へのインキ供給塗工装置としては、連続加工や膜厚の均一性に優れるダイ方式のものについて説明するが、本発明においてはこれに限定するものではない。図2(a)に示すインキ供給塗工装置であるインキ塗工ヘッド201には別に用意されたインキ供給用のポンプから所定量のインキを供給して、図2(b)に示すように、インキ剥離性転写用フィルム102上にインキ液膜202を形成することができる。この塗工ヘッド201のインキ吐出先端部とインキ剥離性転写用フィルム102面との間のギャップは、印刷開始前に設定してもよい。また、転写印刷用ステージであるフレーム100が水平方向、上下方向に移動可能な可動式である場合には、移動する該フレーム100に張設され固定されたインキ剥離性転写用フィルム102の移動に対して、塗工ヘッド201を所定のタイミングを以て同期させて合わせ、適宜に上下動させて、そのギャップを調整してもよい。
図2(b)に示すようにインキ剥離性転写用フィルム102上にインキ液膜202を形成した後は、予備乾燥工程(乾燥ステージ)にて前記インキ液膜202を予備乾燥する。この予備乾燥には自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波、減圧乾燥などを用いることができ、また、紫外線、電子線などの放射線を用いることもできる。
この予備乾燥では、前記インキ剥離性転写用フィルム102面におけるインキ液膜202の粘度またはチキソトロピー性、脆性を上げることを目的とする。予備乾燥による乾燥が不十分な場合は、後工程において非画像部パターン除去版(後述する凸版211)の凸部をインキ剥離性転写用フィルム102面のインキ液膜202に押し当てて非画像部パターンをインキ液膜202から剥離除去する際に、インキ液膜202が断裂して不良が発生してしまう。逆に乾燥が行き過ぎた場合、インキ液膜202表面のタック性が無くなり、前記パターン除去版の凸部にインキが転写されない。
そのため、使用するインキの組成によって乾燥状態を乾燥時間や雰囲気温度により調節する。その場合、インキ液膜202の乾燥したインキ膜に対して重量比0.5%から4%程度の溶剤の残留が認められる状態が好ましい。また、完全に乾燥させた状態のインキ膜(インキ液膜202)の膜厚は非画像部パターン除去版による画像部パターン形成の上で0.5μm〜5.0μm程度が好ましい。因みにドライフィルムといわれる転写用フィルム上の易剥離性のインキ膜のようにppmオーダーの溶剤残留量では乾燥し過ぎであり、インキが転写されない不具合や、パターン除去版の押し付けによりインキ膜が部分的に剥離して、ゴミの原因になったりする不具合があるためインキ膜の予備乾燥条件としては適さない。
このようにして、図2(a)に示すインキ剥離性転写用フィルム102面にインキ液膜202を設けたフレーム100を移動搬送して、図2(b)に示すように塗工装置201から取り出し、インキ液膜202を予備乾燥した後は、フレーム100を表裏反転移動して搬送し、図2(c)に示すように、次のパターン形成工程(パターン形成ステージ)で
あるパターン形成を行うパターン形成装置上に、インキ剥離性転写用フィルム102面の予備乾燥したインキ液膜202と版定盤212上に載置固定した非画像部パターン除去版211(凸版)とが互いに平行に向き合うようにして設置する。
次に図2(d)に示すように、フレーム100と版定盤212のいずれか一方を上下方向に移動させて、フレーム100と版定盤212上の非画像部パターン除去版211とを接近させて、インキ剥離性転写用フィルム102の予備乾燥させたインキ液膜202と、非画像部パターン除去版211の凸部211aとを押し当て、さらにフレーム100の開口部100a内に加圧ローラー203を装填して、該加圧ローラー203によりインキ剥離性転写用フィルム102を全面的に押圧しながらインキ液膜202を凸部211aに圧着する。
続いて、図2(e)に示すように、フレーム100の開口部100a内から加圧ローラー203を外側に移動回避させ、且つフレーム100と版定盤212とを、そのいずれか一方を上下方向に移動させて互いに離反させることにより、インキ剥離性転写用フィルム102から非画像部パターン除去版211の凸部211aに付着した予備乾燥状態の非画像部パターンであるインキ液膜202を剥離し、インキ剥離性転写用フィルム102面にインキ液膜202による画像部パターン202bを残すことにより画像部パターン202bの形成を行う。非画像部パターンの除去を行ったパターン除去版211は、アセトン、エタノール等の有機溶剤やアルカリ洗浄液を用いた湿式や粘着フィルムによる乾式の洗浄を行って、凸部211aに付着した予備乾燥状態の非画像部パターンを洗浄除去した後、再び画像部パターンのパターニングに使用する。
非画像部パターン除去版211の製版に使用する版基材としては、無アルカリガラス等の低膨張ガラスを用いることができ、その低膨張ガラス表面に感光性樹脂(フォトレジスト等)を用いて画像部パターン状のマスクパターンを形成した後に、公知のドライエッチング処理やウエットエッチング処理、若しくはサンドブラスト処理等を用いて製版処理することにより、凸部211aの版高さ(版深)が2μmから30μm程度の非画像部パターン除去版211を製版することができる。
また、パターン除去版211に使用する版基材としては、ナイロン、アクリル、シリコーン樹脂、スチレン−ジエン共重合体などからなる樹脂製基材を用いることもできる。またエチレン−プロピレン系、ブチル系、又はウレタン系等のゴム製基材を用いることもできる。このような樹脂製やゴム製の印刷版は、すでに凸版印刷用版やフレキソ印刷用版に用いられており、予め作製した型に所定の樹脂を流し込んで版とする、あるいは彫刻によっても作製することができるが、感光性樹脂によるマスクパターンを用いる製版方法が、より高精度のパターン除去版211を作製できる。
図2(c)に示すように、例えば上記パターン除去版211は、版定盤として版固定ステージ212に吸着して用いる。版固定ステージ212は、金属製、石製などのものを用いることができるが、少なくとも水平を保持した状態で上下方向に往復運動することができ、パターン除去版211をエアーの減圧により吸着して固定する吸着固定方式の版固定ステージ212を用いることができる。吸着方法は、パターン除去版211の固定が可能である。パターン除去版211が、インキ剥離性転写用フィルム102から予備乾燥させたインキ液膜202を剥離する際に、ステージから離れてしまわないような固定方式であれば、本発明においては特に吸着方式に限定されるものではないが、版固定ステージ212の表面の凹凸による吸着不良などの固定の支障を防ぐために、パターン除去版211(フィルム状版)の周囲エッジ付近のみに版固定ステージ212表面のエアー吸着孔を位置するように設定する方法や、パターン除去版211(フィルム状版)を載置する版固定ステージ212の表面を多孔質性材料を用いた吸着表面とする方法が好ましい。
加圧ローラー213は、金属ローラー、または金属ローラーに硬度30〜60(ショア硬度、デュロメーターAスプリング式)のゴムを巻いたゴムローラーを用いることができる。ニップ圧は、使用するインキ剥離性転写用フィルムの基材厚や、インキ液膜厚や、使用するインキの転写性などによっても異なるが、例えば0.08MPa〜0.40MPaの範囲、あるいは0.08MPa〜0.25MPaの範囲で、ニップ面積、ローラー搬送速度や、インキ組成、インキ膜厚を考慮して、最適な設定を行う必要があり、好ましくはニップ圧0.15MPaの加圧を行う。
図2(d)に示すようにパターン除去版211と、インキ剥離性転写用フィルム102との加圧を行った後は、図2(e)に示すように版固定ステージ212又はフレームを稼働させて剥離し、パターン除去版211によりインキ剥離性転写用フィルム102に設けられたインキ膜202から非画像部パターンのインキ膜202部分の除去を行うことにより画像部パターン202bの形成を行う。本発明における固定ステージ212の稼働は、垂直に稼動させて剥離を行うことも可能であるが、フレーム100の稼働は、そのフレーム100の片方より持ち上げることで剥離を行うこともできる。
図2(e)に示すようにフレーム100に固定されたインキ剥離性転写用フィルム102に対して画像部パターン202bの形成を行った後は、得られた画像部パターン202bや他のパターン(その印刷領域内外の適宜パターン、例えばアライメントマークパータン等)の検査を行うことができ、さらにフレーム100を、次のパターン転写工程に搬送する。
このパターンの検査には、目視やCCDラインセンサーやレーザーを用いた画像検出などの既存の検査装置による欠陥、異物、ムラ検査等を行うことができるが、検査対象のパターン自体は予備乾燥状態であって未硬化状態であり、検査方法として接触式のパターン検査方法は採用できない。
また、欠陥や異物の位置情報をパターン形成毎に記録し、不具合の再現性を検出することにより、インキ剥離性転写用フィルム102やパターン除去版211との関連性から、工程の不具合を警告することや、パターンの不良が、パターン除去工程(図3参照)若しくはパターン転写工程(図4参照)のいずれの工程に由来するかを見極めることも可能である。
また、欠陥など不具合が発見された場合は、フレーム100を次のパターン転写工程に搬送することなく、インキ剥離性転写用フィルム102の表面の再生(例えばインキ液膜や画像部パターンの洗浄、拭き取り)と検査を経て、再びインキの塗工工程(図2参照)へ投入する。
図3(a)〜(c)は、パターン転写工程(パターン転写ステージ)を説明する工程図であり、図3(a)に示すように、フレーム100に張設固定されているインキ剥離性転写用フィルム102の画像部パターン202bを、被印刷材220を固定する被印刷材固定ステージ223と向き合わせるように設置する。パターン転写工程にて用いる装置は、被印刷材220がロール状で供給される長尺状のフレキシブル基材(フィルムなど)である場合には、例えば巻き出し部221と、基材固定ステージ223と、乾燥部224と、巻き取り部225と、パターンのアライメント用観察装置222とから構成される。なお被印刷材固定ステージ223の上面には、必要に応じて、被印刷材220を吸着固定する吸着孔を備えている。
巻き出し部221と巻き取り部225は、それぞれ巻き取りロールで供給される原反を
設置または巻き取るため、直径3インチから6インチの巻き芯を装着できるマウンターを備えたシリンダーと、回転やテンションを制御してフィルム基材を搬送するためのモーターを備える。装着されるフィルム原反幅は、例えば100mm〜1000mmが選択できるが、転写パターンの実用性と転写位置精度を考慮して、300mm〜500mm幅が選択される。
また、フィルム状の被印刷材220の転写工程における巻き出し巻き取り送行テンションの制御は、これら装置以外に搬送系にニップ部を設置して被印刷材220を保持することによっても調節を行うことができる。ニップ部は、主に搬送ロールに備わったエアー吸着孔による吸着ニップが用いられる。
図3(a)に示すように、フレーム100に固定されている画像部パターン202bの形成を行ったインキ剥離性転写用フィルム102を、被印刷材固定ステージ223と向き合わせるように設置後、被印刷基材226を巻き出し部221より必要な長さ繰り出し、基材固定ステージ223に吸着させ固定する。
次に、フレーム100の上方に設置したアライメント用観察装置222を用いて、インキ剥離性転写用フィルム102上のインキ液膜202による画像部パターン202bと、必要に応じてあらかじめ被印刷材220上に設けられた印刷パターン(印刷画像パターン、アライメント用マークパターンなど)の位置を観察しながら、フレーム100又は/及び被印刷材固定ステージ223の位置を微少移動させて微調整し、インキ剥離性転写用フィルム102と被印刷材220との相対的位置の補正(印刷見当合わせ)を行う。
このアライメント用観察装置222は、複数の顕微鏡カメラ222a、222b、・・・222nから構成されており、被印刷材固定ステージ223上に吸着した被印刷材220に対し、インキ剥離性転写用フィルム102のインキ液膜202の画像部パターン202bを近付けた(例えば100μm〜250μmに近付けた)後、インキ剥離性転写用フィルム102が透明なことを利用して、該転写用フィルム102を透して転写用フィルム102の画像部パターン202bの一部のパターンやアライメント用マークパターンと、被印刷材220の端部や被印刷材220上の印刷パターンとを透過画像として認識し、それぞれ認識した画像を基にして、フレーム100又は/及び被印刷材固定ステージ223の位置を微少移動させて微調整し、転写用フィルム102と被印刷材220との相対的位置の補正(印刷見当合わせ)を行うことができる。
また、インキ剥離性転写用フィルム102と被印刷材220の間に顕微鏡カメラを挿入し、それぞれフィルム102と被印刷材220のパターンを認識した画像を基にして、フレーム100又は/及び被印刷材固定ステージ223の位置を微少移動させて微調整し、転写用フィルム102と被印刷材220との相対的位置の補正(印刷見当合わせ)を行う方法も選択できる。
上記顕微鏡カメラは、光学顕微鏡、CCD(ChargeCoupledDevice)顕微鏡のどちらであっても良いが、オートフォーカス、電気的に制御可能な手動焦点制御機構のいずれか、若しくはその両方の機能を必要とし、また光学顕微鏡の場合は、観察のために外部に設置したディスプレイ画面(モニター)や位置補正のための画像処理装置による画像表示や画像処理のためのインターフェース(アナログ画像データをデジタル画像データに変換する手段)を持つものとする。
フレーム100あるいは被印刷材固定ステージ223の移動機構としては、例えばリニアガイドに沿って、ボールねじや、リニアモーター等で駆動移動するものを用いることができる。被印刷材固定ステージ223は、金属製、石製などのものを用いることができる
が、少なくとも水平・垂直方向の往復運動と角度補正ができるものが好ましく、被印刷材220の吸着による固定を行えるものが用いられる。吸着による表面の凹凸を防ぐためにフィルムのエッジ付近のみ吸着孔を設ける方法や、多孔質性材料を用いた吸着表面を用いる方法を選択することができる。
次に図3(b)に示すように、フレーム100と被印刷材固定ステージ223との相対的位置を保持しながせら、フレーム100又は/及び被印刷材固定ステージ223を上下垂直方向に移動させて、フレーム100のインキ剥離性転写用フィルム102と被印刷材固定ステージ223の被印刷材220とを近接させ、インキ剥離性転写用フィルム102の画像部パターン202bと被印刷材220とを近接(軽く当接)させ、さらにフレーム100の開口部100a内に加圧ローラー213を装填し転動させて、該加圧ローラー213によりインキ剥離性転写用フィルム102を全面的に押圧しながら画像部パターン202bを被印刷材220面に圧着する。前記画像部パターン202bを被印刷材220に転写するための加圧は、前述したパターン形成工程(図2(b)参照)と同様に、金属ローラーまたは硬度30〜60(デュロメーターAスプリング式)のゴムローラーによる加圧ローラーを用いることができる。転写工程における加圧ローラー213によるニップ圧(加圧力)は、0.08MPa〜0.25MPa程度の範囲で、ニップ面積やローラー搬送速度、インキ組成、インキ膜厚を考慮して最適な設定を行う必要があり、好ましくは0.15MPaの加圧を行う。
続いて、図3(c)に示すように、フレーム100の開口部100a内から加圧ローラー203を外側に移動回避させ、且つフレーム100と被印刷材固定ステージ223とを、そのいずれか一方を上下方向に移動させて互いに離反させることにより、インキ剥離性転写用フィルム102から画像部パターン202bを剥離して被印刷材220面に転写する。被印刷材固定ステージ223の離反移動は、垂直に移動させて剥離を行うことも可能であるが、フレーム100の離反移動は、そのフレーム100の片方より持ち上げることで剥離を行うこともできる。
乾燥部224は、転写工程にて被印刷材220上に転写された予備乾燥状態の画像部パターン202bを、さらに乾燥させて巻き取り部225にてロール状に巻き取るために設置されるもので、ホットプレート、オーブン、温風、減圧乾燥、紫外線照射などの乾燥装置を設けることが可能であるが、被印刷材の巻き取り時のブロッキングを防止するために必要な乾燥が可能であれば特に限定されるものではなく、具体的には120℃で3分から5分間程度の熱乾燥を行うのが良好である。
また、必要であれば、画像部パターン202bを転写して巻き取られた被印刷材220は、さらに高温の乾燥オーブンで処理することで、安定した耐性を持つフレキシブル状の印刷物を得ることができる。
以下に、本発明の具体的な実施例について説明する。
<実施例1>
[インキ液膜形成用インキ]
インキ液膜202形成用のインキとしてカラーフィルター用赤色着色インキを、次の要領で調製した。下記組成の混合物を均一に撹拌混合し、その中に、直径1mmのガラスビーズを混入して、サンドミルで5時間分散させた後、さらに、5μmのフィルタで濾過してガラスビーズ(液晶スペーサー)を分散させたカラーフィルター用赤色顔料分散体を得た。
[カラーフィルター用赤色顔料分散体の組成]
・赤色顔料:
C.I.PigmentRed254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッドB−CF」)・・・・・・・・18重量部
C.I.PigmentRed177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)・・・・・・・・・・2重量部
・アクリルワニス(固形分20%)・・・・108重量部
[インキ液膜用カラーフィルター用赤色着色インキ]
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過してカラーフィルター用赤色着色インキを得た。
[カラーフィルター用赤色着色インキの組成]
・上記カラーフィルター用赤色顔料分散体・・・・・・・・・・・・・・100重量部
・メチル化メチロールメラミン:MW-30 (三洋化成社製)・・・・・・・・20重量部
・レベリング剤:メカ゛ファックス F-483SF (大日本インキ化学工業社製)・・・・・1重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル・・・・・・・・・・・・・・85重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・・・・・・・45重量部
[インキ剥離性転写用フィルム]
・フィルム:透明シリコーン系離形ポリエステルフィルム:K1504 (東洋紡績社製)
・フィルム厚さ:約120μm
・フィルム形状:500m巻き取りロール状フィルム
・フィルム幅:300mm
[フレーム](図1(a)、(b)参照)
・形状:矩形状
・開口部:300mm×400mm
[パターン除去版(凸版)]
・凸版基材:フレキソ版(樹脂製凸版用、矩形状、東洋紡績社製)
・凸版幅:200mm(パターン有効幅は150mm)
・凸部パターン(非画像部パターン):ストライプパターン(平行線状パターン)
・各凸部幅(非画像部幅):20μm
・各凹部幅(画像部幅):80μm
・アライメントマーク:矩形状版の各角隅部における200μm平方内に設置。
[被印刷材]
・フィルム:光透過性ポリエチレンテレフタレートフィルム
・フィルム厚さ:120μm
・フィルム形状:20m巻き取りロール状フィルム
・フィルム幅:300mm
上記インキ液膜形成用インキ、インキ剥離性転写用フィルム、フレーム、パターン除去版(凸版)、被印刷材を用いて下記の通り実施した。
まず、図2(a)に示す塗工工程における塗工ステージ上の塗工装置201の下側に、上記インキ剥離性転写用フィルム102を張設固定した上記フレーム100を、そのインキ剥離性転写用フィルム102面を上にして設置し、200mm幅の塗工ヘッドを用いたダイコーターによる前記塗工装置201により、インキ剥離性転写用フィルム102面上に、塗工長さ200mm、膜厚0.8μm(乾燥後)にて、上記カラーフィルター用赤色着色インキを用いてインキ液膜202をコーティングした。
続いて、図2(b)に示すように、インキ液膜202をコーティングしたインキ剥離性
転写用フィルム102が張設固定された前記フレーム100を搬送して、塗工ステージの塗工装置201の下側から取り出し、予備乾燥工程(予備乾燥ステージ)上に移動させ、室温で180秒間、そのまま待機(放置)させ、フレーム100に張設固定されたインキ剥離性転写用フィルム102にコーティングされた前記インキ液膜202の予備乾燥を行った。
続いて、図2(c)に示すように、インキ液膜202を予備乾燥させたインキ剥離性転写用フィルム102が張設固定された前記フレーム100を搬送して、パターン形成工程におけるパターン形成ステージ上のパターン形成装置である版固定ステージ212にあらかじめ載置固定されたフレキソ版による上記非画像部パターン除去版211の上側に移動させた。
続いて、図2(d)に示すように、フレーム100を下方に移動させて、インキ剥離性転写用フィルム102の予備乾燥させたインキ液膜202を、非画像部パターン除去版211の非画像部パターン凸部211aに近接させ(又は接触させて押し当て)た後、フレーム100の上方よりその開口部100a内に加圧ローラー203を装填して、インキ剥離性転写用フィルム102を上側から全面的に押圧しながら転動させて、転写用フィルム102のインキ液膜202をフレキソ版による上記非画像部パターン除去版211の凸部211aに押し当てた。
続いて、図2(e)に示すように、フレーム100をインキ剥離性転写用フィルム102と共に上方に垂直に移動させ、インキ剥離性転写用フィルム102をパターン除去版211の凸部211aから剥離して、該凸部211aによりインキ剥離性転写用フィルム102に設けられたインキ膜202から非画像部パターンのインキ膜202部分の除去を行い、インキ剥離性転写用フィルム102面に画像部パターン202bの形成を行った。
その後、フレーム100を検査台に載せ、インキ剥離性転写用フィルム102面に得られた画像パターン202bの顕微鏡によるパターン検査を行った。パターン検査は、設けられた2つ以上のアライメントマークが、予め版に設けられたパターンと著しく形状が異なっていないことを確認した。
続いて、図3(a)に示すように、フレーム100に張設固定されているインキ剥離性転写用フィルム102の画像部パターン202bを、被印刷材固定ステージ223に吸着固定された上記被印刷材220と向き合うように設置した後、フレーム100の上方に設置したアライメント用観察装置222を用いて、インキ剥離性転写用フィルム102上のインキ液膜202による画像部パターン202bと、被印刷材220上に設けられた印刷パターン(印刷画像パターン、アライメント用マークパターンなど)の位置を観察しながら、フレーム100又は被印刷材固定ステージ223の位置を微少移動させて微調整し、インキ剥離性転写用フィルム102と被印刷材220との相対的位置の補正(印刷見当合わせ)を行った。
続いて、図3(b)に示すように、フレーム100を下方に垂直方向に移動させて、フレーム100のインキ剥離性転写用フィルム102と被印刷材固定ステージ223の被印刷材220とを近接(又は接触)させ、さらにフレーム100の上方より開口部100a内に加圧ローラー213を装填して横転させながら、インキ剥離性転写用フィルム102を被印刷材220に全面的に押圧しながら、画像部パターン202bを被印刷材220面に圧着する。
続いて、図3(c)に示すように、フレーム100の開口部100a内から加圧ローラー203を外側に移動回避させ、且つフレーム100を上方に移動させ、インキ剥離性転写用フィルム102を被印刷材220から離反させて、インキ剥離性転写用フィルム102の画像部パターン202bを被印刷材220面に剥離して、該被印刷材220面に画像部パターン202bを転写させた。
画像部パターン202bが転写した上記被印刷材220は、巻き取り部225にてロール状に巻き取る際に、予備乾燥状態の前記画像部パターン202bを、乾燥部224にて120℃熱風を120秒間当てて、さらに乾燥させて巻き取ることにより、本発明の印刷方法による画像部パターン202bが転写印刷されたパターン印刷物が得られた。
<実施例2>
[インキ液膜形成用インキ]
インキ液膜202形成用のインキとして、導電性インキである銀粒子水分散液(平均粒径20nm)を用いた。
[インキ剥離性転写用フィルム]
・フィルム:ポリエチレンテレフタレートフィルム基材に剥離剤層をグラビアコーターを用いて塗工したもの。
・フィルム厚さ:約120μm
・フィルム形状:500m巻き取りロール状フィルム
・フィルム幅:300mm
・剥離剤層:0.1%塩酸4.0gとテトラエチルシリケート170g(Si(OC2 H5 )4、日本コルコート化学社製、製品名:エチルシリケート28)とをイソプロパノール1200mlに溶かし、この溶液を室温で約2時間攪拌しながら加水分解したもの。
・剥離剤層厚さ:0.5μm
[フレーム](図1(a)、(b)参照)
・形状:矩形状
・開口部:300mm×400mm
[パターン除去版(凸版)]
・除去版基材:ガラス板(ドライエッチングによる製版、版深:25μm)
・除去版幅:200mm(パターン有効幅は150mm)
・凸部パターン(非画像部パターン):ストライプパターン(平行線条パターン)
・各凸部幅(非画像部幅):20μm
・各凹部幅(画像部幅):80μm
・アライメントマーク:矩形状版の各角隅部における200μm平方内に設置。
[被印刷材]
・フィルム:光透過性ポリエチレンテレフタレートフィルム
・フィルム厚さ:120μm
・フィルム形状:20m巻き取りロール状フィルム
・フィルム幅:300mm
上記インキ液膜形成用インキ、インキ剥離性転写用フィルム、フレーム、パターン除去版(凸版)、被印刷材を用いた以外は、前記実施例1と同様にして実施した。
<実施結果>
上記実施例1および実施例2では、優れた再現性を有する高精細パターンを安定して印刷することができた。