JPH0686326B2 - セラミックス製品の製造方法 - Google Patents

セラミックス製品の製造方法

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JPH0686326B2
JPH0686326B2 JP3310263A JP31026391A JPH0686326B2 JP H0686326 B2 JPH0686326 B2 JP H0686326B2 JP 3310263 A JP3310263 A JP 3310263A JP 31026391 A JP31026391 A JP 31026391A JP H0686326 B2 JPH0686326 B2 JP H0686326B2
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gel
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    • C01F7/00Compounds of aluminium
    • C01F7/02Aluminium oxide; Aluminium hydroxide; Aluminates
    • C01F7/44Dehydration of aluminium oxide or hydroxide, i.e. all conversions of one form into another involving a loss of water
    • C01F7/441Dehydration of aluminium oxide or hydroxide, i.e. all conversions of one form into another involving a loss of water by calcination
    • C01F7/442Dehydration of aluminium oxide or hydroxide, i.e. all conversions of one form into another involving a loss of water by calcination in presence of a calcination additive
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス製品の製造
方法に係り、特に、高密度の多結晶質アルミナまたはそ
のようなアルミナとその他の添加物を含有するアルミナ
質砥粒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】砥石、可撓性研摩布紙(「サンドペーパ
ー」)あるいはバラバラの砥粒用の硬質高強度砥粒は、
商業的には、アルミナ含有原材料を用いて、電気炉で溶
融するかあるいは原材料の融点より充分に低い温度でア
ルミナの微粉砕物を含む成形体を焼成することによって
製造されている。この低温の方の処理を焼結と呼び、本
発明は焼結法で作成したアルミナ質研摩材に係る。
【0003】初めて商業的に大規模に製造された焼結研
摩材はUeltzの米国特許第3079243号に教示
された方法で製造された。この特許の教示によると、仮
焼ボーキサイトを粉砕して微細な粒径の原料を作成し、
それを砥粒寸法の粒子にし、約1500℃で焼成するこ
とによって、硬く、強く、靱性の多結晶質アルミナのペ
レットを作成する。
【0004】最近、おそらくは米国特許第431482
7号の教示に従い、また1982年12月1日に公表さ
れた英国出願公開第2099012号の教示に従って、
アルミナとマグネシアスピネルから成る砥粒による研摩
材料が市場に登場した。これらの材料は乾燥アルミナゲ
ル粒子を(約1400℃)で焼結して製造される。ま
た、Bugoshの米国特許第3108888号は、ア
ルファアルミナ一水和物(ベーマイト)から作った乾燥
アルミナゲルを焼成するかあるいはそうしたゲルから作
った乾燥粉末をホットプレスすることによる高密度アル
ミナ(またはアルミナ含有)製品の製造を教示してい
る。
【0005】ゲルから作成したアルミナ/マグネシア−
スピネルの市販研摩材は直径5〜15マイクロメートル
のセルの形のアルミナ結晶を含む。セルまたは「サンバ
ースト(日輪)」は直径0.2〜0.4マイクロメート
ルで長尺状のアルミナをアーム(腕状物)とする群から
なり(しかし、これらの一部は1マイクロメートルの大
きさの略球状の「ブロッブ」の形であることができ
る)、各セルのアームはセルの中心から概して放射状に
伸びているように見える。所与のセルのアームは全て明
らかに結晶学的に同一方向に配向している。すなわち、
各セルは単一の結晶子である。このような配向は透過光
顕微鏡で垂交偏光板の間で観察したとき試料を回転する
と所与のセルのすべての領域が同時に消えるという事実
によって示される。
【0006】アルミナゲルから作成した市販研摩材を示
す図1の走査型電子顕微写真に見られるように、略星形
のアルミナ結晶セルは実質的量の気孔を有している。気
孔は電子顕微写真においてアルミナ結晶内の暗点として
示される。アルミナ結晶の腕の間及び隣接するアルミナ
結晶セルの間を充たす微結晶はマグネシアスピネルであ
る。
【0007】アルミナとマグネシアを含む焼結ゲルから
作成した市販の研摩材は高品質の研摩材であるが、従
来、ゲルを介すると高純度のアルミナ砥粒を製造するこ
とが不可能であった。これは、米国特許第431482
7号の対照例13が、金属酸化物または金属塩の添加な
しでアルミナゲルで作成されているが、比較的柔らかく
かつ研摩材としての利用性が欠如していることで示され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高強度研摩体
の製造技術の分野における改良によって、ジルコニアま
たはマグネシアのようなスピネル形成体を添加しまたは
添加せずにアルミナゲルから有用な研摩材等のセラミッ
クス製品を製造し得るようにすることを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、焼成製
品の微細組織を制御して従来技術の砥粒中のアルミナの
セル構造を除去することによって、製品の性能を改良す
る。得られる製品は、直径5〜10マイクロメートルの
セルに代って、サブミクロン寸法(0.2〜0.4マイ
クロメートル)のアルファアルミナ粒子(微結晶)を含
有する。
【0010】すなわち、本発明は、乾燥水和アルミナゲ
ルを焼成して高密度多結晶相α−Alからなるセ
ラミックス製品を製造する方法において、ゲルの乾燥前
にゲル又はゲル前駆体にサブミクロンのα−Al
種粒子を添加することを特徴とするセラミックス製品の
製造方法にある。
【0011】本発明の方法によれば、サブミクロンの結
晶粒径と高密度、特に95%以上の密度を有しかつ16
GPa以上、特に18GPa以上、さらには20〜21
GPa以上の硬度を与える高純度アルファアルミナ体
を、低温の焼成で製造することが可能になる。
【0012】特に18GPa以上の硬度を有するアルフ
ァアルミナは、サブミクロンの結晶粒径と高い密度と相
まって、研摩材として好適である。以下、主として研摩
材と関連して本発明を説明するが、本発明によれば研摩
材のほか、例えば、コーティング、薄膜、繊維、ロッ
ド、あるいは小成形部材等を製造することもできる。な
お、砥粒は、ゲルを焼成して得られたセラミック体を粉
砕して得られる。
【0013】必要ではないが、本発明のアルミナからな
るセラミックス製品はジルコニア、あるいはマグネシ
ア、酸化ニッケル等によるスピネルなどを少量含んでも
よい。ジルコニア、スピネル等はアルファアルミナ中に
分散して存在するほか、例えば、高濃度(例、5%)の
MgOを添加した場合、上記の如きアルミナ粒子がスピ
ネルのマトリックスで包囲される場合もある。
【0014】本発明によって提供される有用なアルミナ
質砥粒は、アルファアルミナ一水和物(ベーマイト)の
ゾルを乾燥して得たゲルを焼成してアルミナとし、これ
を粉砕して砥粒にするに際し、このゲルの乾燥前にゲル
又はゲル前駆体にサブミクロンの粒子を種付けすること
によって製造される。
【0015】本発明が完成された経過にもとづいて説明
すると、本発明の効果を奏する砥粒を得るためのゲルの
条件の形成は、ミル中に粉砕媒体としてアルミナ体を用
い、ゾル状または希薄ゲル状の混合物を振動ミリングす
ることによって達成された。このミリングの主要な効果
はアルミナ製粉砕媒体から物質がアルミナゲル中へ導入
されたことであると考えられる。同様に、亜鉛および鉄
のような不純物がパイプおよび関連装置から導入された
と考えられる。一方、例えばジルコニア体によるミリン
グでは、所望の本質的に非セル状構造を形成するのに有
効ではなかった。
【0016】我々が最初に見い出した有効で再現性のあ
る方法はアルミナ体によるゲルの振動ミリングでゲル中
に上記のような物質を発生させることであった。適当な
振動ミルは米国特許第3100088号に示されてい
る。典型的には、粉砕媒体は直径1/2インチ、長さ1
/2〜3/4インチであることができる。スプリング上
に設置したタブと同心に装着したモータの軸体に接続し
た不均衡重量で、粉砕媒体と混合物を含むタブを水平面
内で振動させる。不均衡重量はタブの底の面の近くに取
付け、その下に第2の重量を取付ける。モータは典型的
には1200rpmで回転する。複合した振動によって
粉砕媒体が内容物に対して粉砕作用を行なう。ミルの内
面は、金属壁が浸蝕されて汚染が起きるのを防止するた
めに、ゴムなどで内張りすることが好ましい。
【0017】米国特許第4314827号および英国出
願公開第2099012号に教示されたようないろいろ
の添加物を、必須ではないが、ゲル化の前あるいは後に
アルミナに添加してもよい。今日知られている最も有用
な添加物は適合性のあるMgO先駆体のいずれかであっ
て、それによって最終製品が5%位のMgOを含むこと
が好ましい。MgOは製品中にスピネル(アルミン酸マ
グネシウムMgAl)として存在するが分析では
MgOとして計算される。本発明により製造した添加物
のないアルミナはそれ自身優れた研摩材であるから、よ
り少ない量のMgOを添加してもよいことは明らかであ
る。本発明における粉砕(ミリング)処理したゲルはい
ろいろな添加材料あるいは研摩材粒子のマトリックスと
して働くことができる。
【0018】粉砕(ミリング)処理した混合物は単純に
容器中に注ぎあるいは入れて乾燥し、それから圧潰して
適当な寸法に砕くとともに、小さすぎる材料はプロセス
の最初に再循環することができる。選択的に、材料押出
成形によるように成形またはモールデングして成形粒子
にすることができる。押出成形の場合、形成したロッド
を後で適当な寸法に砕く。最低の有用な焼成温度は、通
常アルファアルミナに変化する変態温度と考えられてい
る1200℃より実質的に低い。焼成温度の上限は溶融
温度に達しない限り重要ではない。焼成時間が長すぎた
り、焼成温度が高すぎると結晶成長が過剰になることが
ある。また、より高い温度は処理のコストを増加するの
で、好ましい焼成温度範囲は1200〜1500℃であ
る。
【0019】図2の走査型電子顕微写真は本発明による
アルファアルミナ砥粒の結晶構造を示す。この場合、材
質は100%アルファアルミナである。この写真に明ら
かな如く、このような砥粒は比較的狭い粒径分布を持つ
アルファアルミナの多結晶相から本質的に構成されてい
る。これは本発明によるアルファアルミナ砥粒の結晶構
造と従来技術の他の微粒セラミックスの結晶構造とのも
う一つの重要な相違点である。これは、特に砥粒の貝殻
的破砕特性に貢献するので、本発明による砥粒の重要な
因子である。砥粒が広い粒径分布を持つと、粒界相の強
度が低下し、セラミック体が角砂糖と同様に崩壊する傾
向がある。そうすると、新しい切り刃が再生せず、砥粒
が切削能力を失い、砥粒として有用でなくなる。
【0020】本発明の砥粒の異常に高い密度も図2に明
らかである。20,000倍でも、実質的に気孔が見ら
れない。
【0021】こうして、本発明の好ましい態様によれ
ば、実質的に同一の結晶学的配向を有する中心から放射
状に広がる腕状物の群からなるセルを構成しないα−A
粒子で構成されかつ実質的に全てのα−Al
粒子の粒径が1μm以下である高密度多結晶相から
本質的になり、少なくとも18GPaの硬度を有する砥
粒、ならびにこの砥粒を用いたビトリファイド砥石、可
撓性研摩ディスク、研摩布紙及び加硫繊維基材研摩布紙
が提供される。
【0022】本発明の製法によって提供される砥粒はサ
ブミクロンの微結晶から構成されていながら、非常に高
密度な組織であり、それによってビッカース圧子で測定
して18GPa以上、さらには20〜21GPa以上の
高硬度および強靱性を有する。硬度が18GPaより低
いと砥粒として有用ではない。逆に、本発明の砥粒は砥
粒として有用な18GPa以上の高硬度を有しながら、
サブミクロンの微結晶からなる微細組織であることによ
って、独特の破砕特性を示し、この高硬度(強靱性)と
破砕特性により、常に鋭利な切刃が持続され、また切味
が向上する。
【0023】例1 大きい重合体プラスチック混合容器でCondea S
B Pural Alumina(Condea社)・
30ポンド(13.6kg)と水13英ガロン(136
リットル)を混合した。次に14重量%のHNO
4.1リットル添加してこの材料をゲル化した。次に水
3ガロン(13.7リットル)に溶解した硝酸マグネシ
ウム水和物7.5ポンド(3.4kg)をアルミナゲル
に添加して最終製品中に5重量%のMgOを与えた。そ
れを15分間混合し、ModelM451 Sweco
ミル(商品名)に移して、1700ポンドのアルミナ
媒体で1時間粉砕した。混合物はミルで約4ガロン毎分
の速度で1時間の粉砕時間に再循環した。粉砕後それを
ポンプでアルミニウム製トレーに移し、約3インチ
(7.6cm)の厚さにし、電気ストリップ乾燥機で乾
燥する。
【0024】アルミナ媒体の組成は約90%のアルファ
アルミナと主要不純物としてのシリカであった。
【0025】上記の調製により一連のバッチを作成し混
合して圧潰および焼成に供する。乾燥したゲルをローラ
で圧潰し、焼成前に分級して14メッシュを通る寸法に
し、所望の最終粒径にした。それから400℃で16時
間予備焼成し、1400℃で30分間焼成した(ロータ
リーキルン)。
【0026】焼成後、すべての製品は19GPa(ビッ
カース圧子、負荷500g)の硬度と非常に微細な微細
組織を有し、セル状の微細組織は全く存在せず、アルフ
ァアルミナのほとんど全部はほぼ等軸の粒子(微結晶)
であり、直径0.2〜0.4μmであり、まれに直径約
5μmの角ばったごつい形状のものが見られるにすぎな
かった。ごつい形状のものは汚染物であることが示され
た。走査型電子顕微鏡で調べたところ製品はスピネルの
マトリックスとアルファアルミナの不連続相とから成っ
ていた。
【0027】ある特定の研摩布紙にして研摩に適用した
ところ、この材料は溶融アルミナジルコニアより優れて
おりかつ市販されているアルミナ−スピネル組成の焼結
ゲルタイプの砥粒よりも優れていた。
【0028】例2 プーラル微結晶質ベーマイトアルミナ22.7kgを水
225リットルおよび14%−HNO13.5リット
ルと10〜15分間混合した。
【0029】ゲル混合物の半分をCoors Pore
lain社から入手可能な1/2×1/2インチのセラ
ミック結着アルミナ、88Al(主要不純物はM
gO1.74%,SiO8.9%,Fe0.1
8%,TiO0.2%,CaO0.8%,Ma
0.34%)を含むSweco mill(商品名)で
2時間粉砕し、乾燥した。これは例1で用いたのと同じ
媒体であった。残りの半分は粉砕せずに単純に乾燥し
た。これらの乾燥したゲルを圧潰し、16時間450℃
で予備焼成し、1時間1400℃で焼成した。
【0030】粉砕(ミリング)処理を行なった材料は1
9.1GPaの硬度を有し、粉砕(ミリング)処理をし
なかった材料は11.0GPaの硬度であった。各バッ
チから材料を分級して50グリットの砥粒を作成し、そ
れを用いて加硫繊維基地の研摩布ディスクを作成した。
粉砕した材料は市販のアルミナジルコニア砥粒と比べて
1020鋼の研削において10%以上優れた性能を示し
た(試験では金属研削量が14%高かった)。粉砕(ミ
リング)処理しなかった材料はすべての研削試験で溶融
砥粒より劣っていたが、それは硬度が低いからと考えら
れた。
【0031】例3 例1の粉砕(ミリング)処理を行なった製品と類似の例
でゲルを0.2時間粉砕した。1時間1400℃で焼成
した製品は主として微細で不規則な0.2〜0.3mm
の結晶組織であるが、セル様の外観がいくらか見られ
た。
【0032】例4〜9 1400℃における焼成時間の効果を検討するためにさ
らに実験を行なった。試料は全部概略例1における手順
に従って作成した。コンデア微結晶質ベーマイトアルミ
ナを用い、粉砕を2時間行なったが、乾燥後ゲルを75
0℃で30分間予備焼成した。焼成時間が増加すると共
に、製品に、微細な0.2〜0.4μmのアルミナ粒子
の中に不規則に分散したアルミナの粗なラス状(棒状)
の結晶があらわれ始めた。
【0033】結果を表にすると下記のようになる。
【0034】粗な部分の存在は好ましくないと考えられ
るので、好ましい製品を得るためには材料を750℃で
30分間予備焼成する場合に1400℃における焼成時
間は5分間を越えるべきではない。
【0035】即ち、アルミナ粒子及び棒状アルミナ結晶
はその中に実質的に気孔を有していない。すべての場合
にセル状の組織は見られなかった。微細組織は小平面な
しのサブミクロン粒子と小平面のあるラス状(棒状)の
粗な結晶とからなっており、但し焼成時間が1分間の場
合だけラス状結晶が見られなかった。
【0036】「小平面なし(non−facete
d)」とは、微結晶が例えば角柱状の如く平面で構成さ
れた形状ではなく、そのため走査電子顕微鏡で5000
倍で観察して破断表面に微結晶を構成する規則的な小平
面(faceting)が全く見られないことを意味す
る。アルファアルミナの粒子は、むしろ、無定形である
が、等軸で(equiaxed)、略曲線的輪郭を有
し、非常にまれに直線的輪郭が見られた。倍率を20,
000倍にすると小平面組織が明らかに見え始めた。
【0037】本発明による砥粒は、500グラムの負荷
でビッカース圧子により測定した硬度が、添加物のない
アルミナで少なくとも18GPaあり、2モル%以上の
スピネル先駆体の存在であるいはその他の添加物で改質
した砥粒は14GPa以上の硬度を有するが、砥粒(研
摩材)の目的には硬度18GPa以上のものに限定され
る。純粋に緻密なアルファアルミナは約20〜21GP
aの硬度を有しているが、特定の用途ではそれより低い
硬度を有するようなある気孔率のものが望ましいことが
ある。アルミナ自体13GPa以下の硬度を有しうる
が、砥粒の目的には多孔質すぎる。研粒(研摩材)とし
ては500gの負荷のビッカース圧子で測定して18G
Pa以上の硬度が必要である。
【0038】例10 いろいろなマグネシア含有量の一連の研摩材を作成し
た。アルミナ媒体による粉砕(但し2時間)を含め、概
略例1の手順を採用した。すべての場合に、ゲルを20
0℃で約30時間乾燥した後、圧潰し、分級し、それか
ら450℃で16時間仮焼した。得られる砥粒寸法の粒
子をロータリーキルンで1400℃にて焼成した。14
00℃への昇温時間は約15分間であり、1400℃の
保時時間は約15分間であった。
【0039】ゲル化する前にいろいろな量の硝酸マグネ
シウムを添加した。1つの実験では硝酸マグネシウムを
全く添加しなかった。研摩材のMgO含有量と硬度は下
記の通りであった。
【0040】
【0041】54グリットサイズ(46グリットサイズ
と60グリットサイズの混合)の砥粒を用いるビトリフ
ァイド(ガラス結合)砥石の一連の試験において、上記
の砥粒で作成した砥石を公知の溶融アルミナ研摩材(ス
ルフィド法研摩材)の最高級品と比較した。
【0042】試験は工具鋼(D3)の棒をいろいろな送
り速度で研削して行なった。0.5ミル(0.0005
インチ)の下送りの乾式研削でMgOを添加物なしの研
摩材(MgO0.14%)は溶融研摩材の研削比の1
6.1〜8倍の研削比を有した(G比は砥石の摩耗量に
対する被研削物の研削量の体積比である)。乾式研削試
験においてMgO添加のものは全部溶融研摩材よりも優
れた性能を示した。湿式研削試験ではMgOを添加した
実験用研摩材は溶融研摩材より劣るか同等であった。2
ミルではマグネシア添加なしの研摩材が溶融研摩材より
優れていた。
【0043】50グリットサイズの砥粒(CMI規格)
を用いる研摩布紙試験では、例10に従って作成し0.
6%のMgOを含有する砥粒を可撓性砥粒ディスクに付
けたものは1020鋼について共溶融アルミナジルコニ
ア砥粒より性能が優れ(136%)、ステンレス鋼につ
いては溶融アルミナジルコニアとほとんど同等であっ
た。2.5%のMgOおよび7.59%のMgOを含有
する砥粒もまた1020鋼に対してより優れていた。さ
らに多量にMgOを添加するとステンレス鋼に対して有
効性を低下した。
【0044】アルミナの他にSiO0.25%,Fe
0.18%,TiO0.28%,CaO0.0
5%およびNaO0.04%を含むMgO0.14%
の砥粒を粉砕操作でおそらく主として導入した。これら
の不純物は同様なレベルで他の砥粒に存在する。
【0045】例11 本発明の種付けしたゲルによる砥粒で作ったビトリファ
イド砥石の研削比を、従来技術の種付けしないゾル−ゲ
ル砥粒及び高価な溶融アルミナと比較した。研削試験は
スロットを持つD3工具鋼の4分の1インチを0.14
in/minの金属除去率で研削するプランジ研削試
験であった。
【0046】
【0047】このように、この用途では種付けゲル砥石
の性能は高品位溶融アルミナのほぼ5倍、種付けしない
ゾル−ゲル砥石の4倍以上であり、そのいずれよりも著
しく低い圧力を必要とするだけである。我々は本発明を
特定の理論と結び付ける気持はないが、アルミナ媒体か
ら粒子状物質が導入されることが焼成時にアルファアル
ミナの結晶化の種として作用するのであろうと考える。
従って、粉砕工程で導入されるその他の不純物はアルフ
ァアルミナ粒子間の粒界にそれらが存在することによっ
て最終製品の結晶成長を抑制するであろう。
【0048】ゲルが約1400℃で焼成したときに所望
の高密度、微結晶質、非セル状アルファアルミナを生成
するように条件付けるのに有効なものは粉砕媒体からの
破片粉であることの証拠として、ゲルを粉砕(ミリン
グ)処理せずに、ミリング処理した水をアルミナ一水和
物と酸に添加した。
【0049】例2におけるように水、硝酸、および微結
晶質ベーマイトを混合した。但し、(水以外の添加物な
しで)水で数時間ミリング処理したときにアルミナ粉砕
媒体から摩耗した破片粉を含む下記の如くいろいろの水
を添加して6つのバッチを作成した。
【0050】アルミナ一水和物(Condea)への
「ミリング処理した水」の添加:
【0051】
【0052】約10分間1400℃±20℃で焼成した
焼成製品の硬度を測定した。炉は電気的加熱であり、雰
囲気は空気であった。ミリング処理した破片粉を調べた
ところ約39平方メートル/グラムの表面積(約0.0
4μmの粒径に対応する)を持つアルファアルミナが殆
んどであることが示された。
【0053】一般に、種(核)材料が細かいほど所与の
種材料の重量当たりの核発生数が多いので好ましい。用
いるアルミナ粉砕媒体の種類に応じて、種は約125平
方メートル/グラム(約0.01ミクロン)ほどの微細
さであることができる。上記の表に示される如く、僅か
に0.1重量%(最終製品基準)の種で望まれる高度の
砥粒が得られるが、約1重量%の種材料が最良の結果を
与えるので好ましい。約5重量%より多い種材料の使用
は最終製品の特性を悪くすることがある。
【0054】非常に微細なアルミナ粉末を水と混合した
後沈澱させたときに懸濁液中に残る微細懸濁アルミナ粒
子を回収して得た高純度アルミナも、同様に、焼成ゲル
固体の少なくとも約0.1%の量で用いると有効であ
る。
【0055】市販の微細アルファアルミナ粉末による試
験、および非常に高純度の溶融アルミナをそのようなア
ルミナ自身を粉砕媒体として用いて粉砕することによっ
て得た微細アルミナによる試験を行なったところ、本発
明による緻密な微結晶質製品の製造に非常に有効である
ことが示された。
【0056】例12 ワーリング工業混合機を用いて、16Nの硝酸でpH1
6に酸性化した3リットルの水に1.5キログラムのア
ルファアルミナ粉末(住友化学製AKP−50)を、高
速度で2分間分散させてアルファアルミナ種粒子の懸濁
液を調製した。この懸濁液を重力の1000倍の力で1
0,20および30分間遠心し、それぞれの操作から上
澄みだけを残し、次の遠心操作に用いた。
【0057】ゾルを調製するために、48グラムの硝酸
で酸性化した2400ミリリットルの水に800グラム
のCondea SB Pural Alumina
(Condea 製)を混合して、アルミナ一水和物粉
末を分散した。これに、12グラムのアルミナ粉末を含
む遠心した懸濁液を添加した。アルファアルミナ粒子の
粒径はNicomp model 200 Laser
Particle Sizerで測定して120ナノ
メートルであった。この混合物をワーニング混合機の6
リットルのステンレス製容器中で2分間高速度で混合し
た。それからゾルをガラストレーに注いで、100℃に
保持してゲル化し乾燥した。次いで乾燥物をロールで粉
砕し14メッシュのスクリーンを通して焼成時に所望の
粒径にした。篩分けした材料を400℃で1時間仮焼
し、1350℃で5分間焼成した。
【0058】焼成後、粒子は全部アルファアルミナの理
論密度の95%以上の密度を有した。粒子を構成するア
ルファアルミナ結晶子は走査電子顕微鏡で20,000
倍で観察して約0.4ミクロン以下の最大粒径を有し、
セル状組織を有していなかった。
【0059】示差熱分析によると、ゲル状アルミナの多
分ガンマ形からアルファ形への変態はアルファアルミナ
の種粒子が存在すると約1090℃で起きるが、そのよ
うな種物質が存在しないと約1190℃で起きることが
示された。こうして、本発明による製品の理論的焼成温
度は普通報告されている変態温度よりも低いことが可能
である。
【0060】例13 196.4kgのプラル(Pural−商標)NGアル
ミナー水和物の粉末〔コンデア・ヘミー社(Conde
a Chemie GMBH)から入手した〕、1.3
7kgの微粉砕したアルファアルミナの種を含有する3
8.2kgの水、および28.8kgの蒸留水を普通の
二重外殻のV字型ブレンダー内で5分間混合して実質的
に均一なスラリーを形成した。この時点において、4
4.6kgの蒸留水で希釈した16kgの(70%の濃
度)の硝酸をミキサーに添加し、その間混合ブレードを
動かした。さらに5分間混合した後、このゾルを約61
%の固体を含有しそして実質的に均一な種を含むゲルに
転化した。この実施例における種は、蒸留水の供給物を
45型スウェコ(Sweco)ミル中で正規の等級の8
8%のアルミナ研削媒質(各々直径12mm×長さ12
mm)〔ダイヤモナイト・プロダクツ・カンパニー(D
iamoniteProductsCompany)、
オハイオ周シュレベから入手した〕とともに、水中の粒
子(アルミナの種)が少なくとも100m/gの比表
面積に到達するまで、微粉砕することによって調製し
た。使用したプラル(Pural・商標)NG粉末は、
約99.6%の純度を有し、少量の炭素、マグネシア、
および鉄酸化物を含んでいた。種添加したゲルは、普通
に、直径約1.19mmの多数の孔を持つ平滑な壁のダ
イを通して押し出して、連続のゲルのフィラメントを生
成した。次いで、ゲルのフィラメントを生成した。次い
で、ゲルのフィラメントを24〜72時間75〜80℃
および85%の相対湿度において乾燥した。次いで、こ
れらのフィラメントを<2℃/分の速度で800℃に、
約5℃/分の速度で800℃から1370℃に加熱し、
後者の温度に5分間保持し、次いで冷却することによっ
てアルファアルミナに転化した。冷却後、フィラメント
は実質的に純粋なアルファアルミナであり、0.3ミク
ロンの平均結晶子大きさを有した。また、上記の如く調
製した種付けゾルゲルアルミナを深さ1cmの浅い円形
皿中に押し出した。10時間以上の長い時間をかけて乾
燥及び焼結すると(約1150℃)、アルファアルミナ
の円盤が得られた。このようなゆっくりした乾燥は、乾
燥と相転化の際に亀裂が生じないようにするために必要
である。さまざまなセラミック製品を成形することがで
き、乾燥工程におけるストレスは上記の如く調節して亀
裂なしにできることは明らかである。本発明によって初
めて、サブミクロンの粒径と95%より大きい密度を有
しかつ18GPaより大きい硬度を与える高純度アルフ
ァアルミナ体を低温の焼成で製造することが可能にな
る。本発明の方法によれば、前述の如く、研磨材以外の
製品、例えば、コーティング、薄膜、繊維、ロッド、あ
るいは小成形部品を製造することも可能である。
【0061】SiO,Cr,MgOおよびZr
のような粒成長抑制剤を条件を整えたゲルに添加し
た。MgOを添加した実験では、アルファアルミナと反
応して、スピネルが生成し、残りの未反応アルファアル
ミナを包囲しているのが観察された。その他の添加物で
はアルファアルミナとの化合物生成は最小限であり、そ
れらは結晶粒界に残っていると考えられた。行なった実
験から拡散および再結晶化による結晶成長が添加物によ
り抑制されたことが明らかに示される。これは焼結製品
の時間−温度関係により大きい自由度を与える点で価値
がある。粒成長抑制剤の使用はセラミックスの分野にお
いてよく知られており、本発明の必須の部分ではない
が、高純度のアルファアルミナが必要でない場合に、広
範囲の焼結時間−温度において所望の微細組織を保持す
るために非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミナゲルから作成した市販研摩材の結晶構
造を示す図画に代る走査型電子顕微写真である。
【図2】本発明のアルファアルミナ砥粒の結晶構造を示
す図画に代る走査型電子顕微写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラルフ ボウアー カナダ国,オンタリオ,ナイアガラ フォ ールズ,ドラモンド アベニュ 5555

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥水和アルミナゲルを焼成して高密度
    多結晶相α−Alからなるセラミックス製品を製
    造する方法において、ゲルの乾燥前にゲル又はゲル前駆
    体にサブミクロンのα−Al種粒子を添加するこ
    とを特徴とするセラミックス製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 ミル中でゾル又は希釈ゲルをα−Al
    体を粉砕媒体としてミリングして、ゲル又はゲル前
    駆体にサブミクロンのα−Al種粒子を添加する
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ミル中でα−Al体を粉砕媒体と
    してミリングして得た水を添加して、ゲル又はゲル前駆
    体にサブミクロンのα−Al種粒子を添加する請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 焼成して得られるセラミック体を粉砕し
    てアルミナ質砥粒とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の方法。
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