JPH0685249B2 - テープローディング機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は記録再生装置等における
テープローディング機構に係り、特に装置の小型化に好
適なテープローディング機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は従来の磁気記録再生装置の一例の
平面図を示す。図において、１は磁気ヘッドを搭載した
回転ヘッド装置、２はテープカセットを示す。２ａ，２
ｂはテープカセット２内で磁気テープ３を巻装した供給
側リールおよび巻取側リールである。４は入側傾斜ガイ
ドおよびガイドローラを搭載した入側ガイドベース、５
は同様の形状をした出側ガイドベースである。６，７は
ラック、８はラック駆動ギヤ、９はシャーシ、１０，１
１は保持部材（キャッチャ）、１２はラックばね、３１
は走行中の磁気テープの微細な振動を吸収するためのイ
ンピーダンスローラである。

【０００３】前記入側ガイドベース４および出側ガイド
ベース５は、それぞれ、柔軟な材質で作られたラック
６，７にラックばね１２を介して結合されている。ラッ
ク駆動ギヤ８が矢印（イ）の時計方向に回転すると、ラ
ック６は矢印（ハ）の右方向へ、またラック７は矢印
（ロ）の左方向へそれぞれ駆動される。このようなラッ
ク６，７の動きにつれて、前記入側ガイドベース４およ
び出側ガイドベース５も動くために、テープカセット２
から磁気テープ３が該ガイドベース４，５により引き出
される。そして、最後には、前記ガイドベース４，５
が、それぞれ、保持部材１０，１１に保持され、磁気テ
ープ３は磁気ヘッドを装着した回転ヘッド装置１に装架
される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の磁気記
録再生装置においては、装置にテープカセット２を装着
した時に、該カセットの開口部の最前部に張られている
テープ３が接触しない位置に、回転ヘッド装置１が配置
されている。このため、テープローディング機構を有す
る記録再生装置等の装置全体の大きさは、使用されるカ
セット２と回転ヘッド装置１を合わせたものよりは小さ
くならず、小型化に限界があるという欠点があった。

【０００５】この発明の目的は、上記した従来技術の不
都合を解消し、装置の小型化を容易に実現することので
きるテープローディング機構を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するめ
に、この発明は、回転ヘッド装置が取り付けられた主基
板と、ローディング部材により移動され前記回転ヘッド
装置の外周にテープを巻き付ける構成を有するテープガ
イド手段と、テープカセットを保持するリール台が載置
され前記基板に重なるように移動される構成を有する補
助基板とを備えたテープローディング機構において、前
記補助基板は、前記テープカセットが前記回転ヘッド装
置の少なくとも一部に平面的に重なる位置に移動する構
成を有し、前記テープガイド手段は、前記補助基板の移
動により共に移動される第１の区間と、前記ローディン
グ部材により移動される第２の区間とを有する構成とし
た点に特徴がある。

【０００７】

【作用】この発明によれば、テープカセットを保持する
リール台が載置された補助基板を、主基板に重なるよう
に移動すると、該補助基板は、テープカセットが前記回
転ヘッド装置の少なくとも一部に平面的に重なる位置ま
で移動するので、操作状態時に装置の小型化を達成する
ことができる。

【０００８】

【実施例】以下に、本発明を実施例によって説明する。
図１は本発明の一実施例の主要部の斜視図を示す。な
お、図１は本実施例の磁気記録再生装置にカセットを装
着した時の状態を示す。

【０００９】図において、２１は主基板としてのシャー
シ、２２は磁気ヘッドを搭載した回転ヘッド装置、２３
は図示されていないカセットホルダ（補助基板）上に載
置されたカセットである。２４は磁気テープを示し、２
５は磁気テープ４を巻装した供給側リール、２６は巻取
側リールを示す。また、２７は入側傾斜ガイドおよびガ
イドローラを搭載した入側ガイドベース、２８は同様の
構造をした出側ガイドベースを示す。

【００１０】さらに、２９は引出しガイド案内板、３０
は走行中の磁気テープの張力を検出するテンションピ
ン、３２は記録・再生時にキャプスタンに圧接されて磁
気テープを搬送するピンチローラである。また、３３は
ガイド移動用アーム、３４はガイド移動用アーム連続ピ
ン、３５はガイド移動用リングである。

【００１１】本実施例の特徴は、図１から明らかなよう
に、カセットをカセットホルダに装着する時に、該カセ
ットホルダの一部がシャーシ２１から飛び出すように構
成されている点である。

【００１２】図２は、該カセットホルダ３６をより詳細
に説明するための斜視図である。図において、３７はリ
ール台、３８は該リール台用ブレーキ、３９は該リール
台ブレーキ用プランジャである。

【００１３】カセットホルダ３６は左右の両端部にＬ字
型折り曲げ部３６ａおよび３６ｂを有している。一方、
シャーシ２１は該Ｌ字型折り曲げ部３６ａ，３６ｂに対
向するＵ字型溝２１ａ，２１ｂを有している。したがっ
て、前記カセットホルダ３６のＬ字型折り曲部３６ａ，
３６ｂは該Ｕ文字型溝２１ａ，２１ｂに係合し、矢印Ｂ
方向すなわち、図１の回転ヘッド装置２２の方向へ移動
可能となっている。

【００１４】なお、前記リール台３７の駆動は、モータ
直結（ダイレクト・ドライブ）方式を採用すると、カセ
ットホルダ３６を矢印Ｂ方面へ移動させる際、リール台
の駆動の構成が簡単になる。この場合には、周知のよう
に、リール台３７の下部に、モータ（図示されていな
い）が取り付けられる。

【００１５】次に、カセットを磁気再生装置に装着する
時の動作を、図３（ａ）〜（ｃ）により説明する。な
お、図３は、図１の右側面図を示す。図において、４０
ａ，４０ｂはカセット２３の位置決め用ピン、４１はモ
ータを示し、その他の符号は図１および図２と同一物又
は同等物を示す。

【００１６】図３（ａ）において、カセット２３はその
蓋２３ａを開いた状態で、矢印Ａ方向に下降してくる。
この時、カセット２３は、カセットホルダ３６上に設け
られたカセット位置決め用ピン４０ａ，４０ｂにより正
確に位置決めされ、同図（ｂ）に示されているように、
リール台３７の上に載置される。次に、該カセットホル
ダ３６は手動で矢印Ｂ方向へ動かされる。これによっ
て、該カセット２３の前部の先端２３ｂ、すなわち磁気
テープが露出している側の先端は、同図（ｃ）に示され
ているように、前記回転ヘッド装置２２の中心軸近傍ら
に達することになる。上記のカセットホルダ３６の移動
手段としては、手動の外に、ばね力あるいは電気的に駆
動されるプランジャあるいはモータ等を用いてもよい。

【００１７】なお、図３（ａ）中の長さＬは、従来装置
の大きさを表わし、同図（ｃ）の長さｌは本実施例によ
る装置の大きさを表す。これらの図から明らかなよう
に、本実施例の装置は従来のものに比べて、長さａだけ
小形になっていることがわかる。

【００１８】図４は、前記図３（ｃ）に対応する磁気再
生装置の平面図である。図において、４２はキャプスタ
ン、４３は音声用磁気ヘッドを示し、その他の符号は図
１および図３と同一物又は同等物を示す。

【００１９】図４から、カセット２３は、その開口部が
回転ヘッド装置２２の一部を包む位置まで担持されるこ
とは明らかであろう。また、このために、磁気記録再生
装置のシャーシ２１の縦方向の長さを、前記した長さｌ
まで縮小することができる。

【００２０】図５は、前記カセットおよびカセットホル
ダを、図３（ｃ）で説明したように、矢印Ｂ方向へ移動
させる時に、該カセットホルダの端部により力を受けて
移動する部品の説明図である。なお、図５は図１のＸ−
Ｘ線断面図を示す。

【００２１】図において、４４はアーム付勢用ばね、３
６ｃはカセットホルダ３６の先端部、２８ａは出側ガイ
ドベース２８の端面を示し、その他の符号は図１と同一
物又は同等物を示す。

【００２２】図示されているように、カセットホルダ３
６の先端部３６ｃと出側ガイドベース２８の端面２８ａ
とは互に接触しているので、前記のようにカセットホル
ダ３６が矢印Ｂ方向へ移動させられると、アーム付勢用
ばね４４によって矢印ｄ方向（反時計方向）に付勢され
た出側ガイドベース２８はガイド移動用アーム連結ピン
３４を中心に時計方向に回動する。同様に、図示されて
いないが、入側ガイドベース２７およびピンチローラ３
２も、該カセットホルダ３６の前進によって、時計方向
に回動させられる。図１の矢印ｃは、この回動の方向を
示している。

【００２３】図４に示される位置までカセット２３およ
びカセットホルダ３６が前進させられると、これらの前
進は停止する。図６は、その後ローディング動作に入
り、ローディングが終了した時の磁気再生装置の平面図
を示す。図において、４５ａ，４５ｂは保持部材（キャ
ッチャ）を示し、その他の符号は、図４と同一物又は同
等物を示す。

【００２４】ローディング開始時には、ローディング用
の図示されていない駆動手段が動作を開始し、入側ガイ
ドベース２７および出側ガイドベース２８は該駆動手段
から動力を受けて、それぞれ回転ヘッド装置２２のまわ
りを時計方向および反時計方向に移動する。この時、磁
気テープ２４は前記ガイドベース２７、２８上の傾斜ガ
イドおよびガイドローラによって回転ヘッド装置２２の
方へ牽引される。該ガイドベース２７，２８が、それぞ
れ、保持部材４５ａ，４５ｂに当接すると、磁気テープ
２４は、図６に示されているように、回転ヘッド装置２
２の回りの所定角度にわたり、螺旋状に巻装される。

【００２５】前記ガイドベース２７，２８が前記保持部
材４５ａ，４５ｂに保持された時には、ピンチローラ３
２はキャプスタン４２に圧接される位置にきており、磁
気テープ２４は該ピンチローラ３２およびキャプスタン
４２の間に挾持される。

【００２６】以上のように、本実施例によれば、磁気再
生装置のシャーシの前後（縦）方向の長さを短縮できる
ので、装置の小型化を図ることができる。

【００２７】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、カセッ
トをカセットホルダに装着した後、該カセットホルダを
シャーシに沿って回転ヘッド装置の方向へ移動し、テー
プカセットの開口部内部へ回転ヘッド装置の一部を格納
するような構成にしたので、従来回転ヘッド装置とカセ
ットのサイズにより固定的に決められていた装置の大き
さを、簡単な機構で大幅に小型化することができるとい
う大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例におけるカセット装着時の
磁気記録再生装置の平面図である。

【図２】 カセットホルダおよびその周辺の斜視図であ
る。

【図３】 カセット装着の進行過程を示す側面図であ
る。

【図４】 カセット装着後の記録再生装置の平面図であ
る。

【図５】 図２のＸ−Ｘ線断面図である。

【図６】 ローディング完了後の記録再生装置の平面図
である。

【図７】 従来の記録再生装置の平面図である。

【符号の説明】

２１…シャーシ、２２…回転ヘッド装置、２３…カセッ
ト、２４…磁気テープ、２７…入側ガイドベース、２８
…出側ガイドベース、３５…ガイド移動用リング、３６
…カセットホルダ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転ヘッド装置が取り付けられた主基板
   と、ローディング部材により移動され前記回転ヘッド装
   置の外周にテープを巻き付ける構成を有するテープガイ
   ド手段と、テープカセットを保持するリール台が載置さ
   れ前記主基板に重なるように移動される構成を有する補
   助基板とを備えたテープローディング機構において、 前記補助基板は、前記テープカセットが前記回転ヘッド
   装置の少なくとも一部に平面的に重なる位置に移動する
   構成を有し、 前記テープガイド手段は、前記補助基板の移動により共
   に移動される第１の区間と、前記ローディング部材によ
   り移動される第２の区間とを有する構成としたことを特
   徴とするテープローディング機構。
2. 【請求項２】 前記テープガイド手段は、前記第１の区
   間において、前記補助基板に対し一定の位置関係を保っ
   た状態で所定の距離を共に移動する構成を有することを
   特徴とする請求項１記載のテープローディング機構。