JPH0685051B2 - Ｘ線フイルムカセツテ用フイルム装填方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の利用分野］ 本発明はＸ線フイルムカセツテへ未使用のＸ線フイルム
を装填するためのＸ線フイルムカセツテ用フイルム装填
方法に関する。

［背景技術］ 撮影済のＸ線フイルムをＸ線フイルムカセツテから自動
的に取り出す場合、及びＸ線フイルムをＸ線フイルムカ
セツテへ自動装填する場合にはこのカセツテをフイルム
取り出し、装填装置へ送り込み、自動的なフイルム取り
出し、装填が行われるようになっている。

このような撮影済のＸ線フイルムが取出され、現像装置
等へ送り出すための搬送ローラに挟持された後のカセツ
テへ未使用の新規なＸ線フイルムが装填される場合に
は、このＸ線フイルムが一対のフイードローラ間から送
り出されてカセツテの本体内へ載置されるようになって
いる。

ところがカセツテはＸ線フイルムの取出し状態におい
て、Ｘ線フイルムの取出し用吸盤の取出し時の作動を妨
げないために一対のフイードローラよりも取出し、装填
装置の入口方向へ離間されている。このため一対のフイ
ードローラから送り出されるＸ線フイルムは末尾がフイ
ードローラから送り出された後に駆動力がなくなるの
で、この末尾はカセツテへの載置時に確実にカセツテの
本体内へ載置されないことがある。このようなＸ線フイ
ルムの末尾が確実にカセツテの本体内へ載置されない状
態で蓋が閉止されると、Ｘ線フイルムの末尾がカセツテ
から突出した状態となり、外光を受けてカブリを生じ、
適正なＸ線撮影が不可能となる可能性がある。

［発明の目的］ 本発明は上記事実を考慮し、一対のフイードローラから
供給される新規のＸ線フイルムを確実にカセツテへ装填
することができるＸ線フイルムカセツテ用フイルム装填
方法を得ることが目的である。

［発明の概要］ 本発明はＸ線フイルムカセツテから撮影済Ｘ線フイルム
を取り出し、新規Ｘ線フイルムを装填するＸ線フイルム
カセツテ用フイルム装填方法であって、前記カセッテは
カセッテ内の撮影済Ｘ線フイルムを取り出す第１位置、
この第１位置よりも奥側であり新規Ｘ線フイルムをカセ
ッテ内へ装填する第２位置、及びこの第２位置よりもさ
らに奥側であり新規Ｘ線フイルムが装填されたカセッテ
の蓋を閉止する第３位置へとそれぞれ移動可能とされ、
前記第１位置では撮影済Ｘ線フイルム取出し機構をカセ
ッテ上方に対応させ、第２位置では新規Ｘ線フイルムを
装填するフイードローラをカセッテ上方に対応させ、前
記第３位置では蓋閉止用押下手段をカセッテ上方に対応
させ、前記第１位置で撮影済Ｘ線フイルム取出し機構に
よりカセッテ内の撮影済Ｘ線フイルムをカセッテから上
方へと取出し、第２位置で前記フイードローラから新規
Ｘ線フイルムをカセッテ内へと装填し、第３位置で新規
Ｘ線フイルムが装填されたカセッテの蓋を押下手段によ
り閉止することを特徴としている。

このため本発明では、カセツテのフイルム装填に際して
はフイルムを取り出し後のカセツテをフイードローラ方
向へ移動させてフイルムを装填させてフイルムの末尾ま
で確実にカセツテ内へと収容させる。また装填後はさら
にカセツテを閉蓋位置へと戻して閉蓋するので蓋閉止が
確実となる。

［発明の実施例］ 第１図には本実施例に用いるＸ線フイルムカセツテ10が
示されている。このカセツテ10は表板のある本体12と、
この本体12へ一端が軸支された蓋14とを有しており、内
部にＸ線フイルム15が装填された後に蓋14が閉止され
る。

この蓋14には第２図に詳細に示される如く蓋係止部材で
ある一対のラツチ16がスライド可能に取付けられてお
り、圧縮コイルばね18によって蓋14から突出する方向に
付勢されている。このためこのラツチ16は第２図に示さ
れる如く、蓋閉止状態では、本体12の周囲から立設され
る側壁20の内側段部20Aへ係合されており、これによっ
て不用意な蓋開放が阻止されている。

この側壁20には貫通して本体12の前方縁24へ開口した挿
入孔22が設けられており、ラツチ16の先端が前方縁24か
ら若干量入り込んだ位置にすなわち内側段部20Aに係止
する位置に停止している。

この挿入孔22は側壁20の高さの中間点からずれた位置に
設けられており、この実施例では中間点よりも上端面に
近い位置に開口している。従ってカセツテ10が裏返しの
状態でガイド28上にあれば、挿入孔22は側壁20の高さの
中間点よりも下端面寄り（ガイド28寄り）に配置される
ことになる。

なおこのラツチ16の一部は蓋14の上面に突出した操作部
29となっており、作業員がこの操作部29を圧縮コイルば
ね18の付勢力に抗して移動させれば、ラツチ16が側壁20
の内側段部20Aから外れ、蓋14を開放できる。

カセツテ10は第２図に示される如くＸ線フイルム取り出
し、装填装置のガイド28上を図示しない挿入口から矢印
Ａ方向に挿入された後に、モータ等の駆動力を受けてさ
らに矢印Ａ方向に移動され、前方縁24ストツパ30へ当接
して停止するようになっている。このカセツテ10がスト
ツパ30へ当接した状態は蓋14のラツチ16が外される開蓋
位置とされる。なお、カセツテ10の移動状態は図示しな
い複数のリミツトスイツチ等で検出されている。

本実施例に係る開蓋機構は第３図に示される如くこの開
蓋位置にあるカセツテ10の前方にラツチ16に対応して一
対配置されており、移動台32がこれを貫通するガイドバ
ー34に沿ってカセツテ10への接離方向に移動可能となっ
ている。このガイドバー34は機台36から立設される一対
のブラケツト38へ固着されている。

またこの移動台32の下端部から突出したばね係止ボルト
40には、機台36から垂下されるばね係止ボルト42との間
に引張コイルばね44が介在されている。これによって移
動台32はカセツテ10の前方縁24から離間する方向に付勢
されている。

この移動台32に貫通された円孔には移動ピン48が挿入さ
れており、移動台32から突出した先端部にリング50がは
め込まれて、第２図右方向への抜け止めとなっている。
またこの移動ピン48の他の端部には、ばね係止リング52
がはめ込まれており、移動台32との間に圧縮コイルばね
54が介在されている。この圧縮コイルばね54は、移動ピ
ン48の先端へ同軸的に固着される押圧ピン56を移動台32
から進出させる方向に付勢している。

この押圧ピン56は第２図に想像線で示される如く開蓋位
置へカセツテ10が移動されると、本体12の挿入孔22内へ
挿入されるようになっている。更に詳しく説明すると、
この押圧ピン56はカセツテ10の前方縁24がストツパ30へ
当接した場合には、すでにその先端部が挿入孔22へ挿入
されるようになっている。しかしこの押圧ピン56の先端
部が挿入孔22へ挿入された状態では、ストツパ30へ当接
したカセツテ10のラツチ16は押圧ピン56を移動台32へ押
込んで退避させる寸法関係とはなっていない。

移動ピン48には直角方向に移動ピン58が突出しており、
移動台32に形成されるスリツト60から突出している。こ
の作動ピン58には第３図に示される如く移動台32へ取付
けられるリミツトスイツチ62のアーム64が対応してお
り、押圧ピン56が移動台32へ退避した状態を検出できる
ようになっている。またこの作動ピン58は移動ピン48が
圧縮コイルばね54を押圧して移動台32内へ退避した場合
にはスリツト60の底部60Aと当接するようになってい
る。

移動台32の背後には第２図に２点鎖線で示される如く駆
動アーム64が配置され、図示しないモータ等の駆動力で
移動台32をカセツテ10へ接近する方向に移動させるよう
になっている。

開蓋位置にあるカセツテ10の前方にはロツカアーム68が
対応している。このロツカアーム68は中央部がピン70に
より機台36へ軸支されており、一端に軸支されたローラ
72は、他端へ図示しないモータ等の駆動力を受けること
により第２図時計方向に回転し、蓋14を本体12へ押込ん
でラツチ16を内側段部20Aの下側へ係合させ、蓋14の閉
止動作を行なうようになっている。

また開蓋位置に配置されるカセツテ10の上部には吸着部
材である一対の吸盤74が配置されて蓋14の吸着用となっ
ている。この吸盤74は配管74Aを介して図示しない負圧
源へ連通されており、その負圧によりカセツテ10を吸着
して第５図に示される如く蓋14を開放できるようになっ
ている。

これらの吸盤74は取付台75へ支持され、この取付台75の
両端は軸76でブラケツト77へ軸支されており、軸76は蓋
14の本体12への回動軸芯と平行とされ吸盤74がこの軸76
回りに回動可能となっている。ブラケツト77と取付台75
との間には引張コイルばね78が介在されて、吸盤74が第
４図反時計方向に付勢回転されている。しかし、取付台
75はブラケツト77から立設したピン79によって回動量が
制限されている。

一対のブラケツト77間には一対の支軸82が掛け渡されて
いる。これらの支軸82の両端部はブラケツト77を貫通し
ており、先端部にローラ84がそれぞれ軸支されている。
これらのローラ84は駆動アーム86の先端部へ形成される
長孔88内へ挿入されており、長孔88内で駆動アーム86の
長手方向へ転動可能となっている。このブラケツト77を
駆動アーム86の先端方向へ駆動するためにブラケツト77
と駆動アーム86との間には引張コイルばね89が介在され
ている。

駆動アーム86は中間部及び基部に長孔90、長孔92を有し
ており、これらの長孔90、長孔92には一対の駆動アーム
94間へ軸支される支軸96、支軸98が貫通している。従っ
て駆動アーム86は駆動アーム94に対してこの長孔90、長
孔92の長手方向に長孔の長さだけ移動可能となってい
る。この長孔90、長孔92の長手方向は駆動アーム94の長
手方向と角度θだけ傾斜している。

支軸96には両端部付近にピニオン109が固着されてお
り、駆動アーム86へ長孔90に沿って固着されるラツク10
2とかみ合っている。この支軸96の一端は駆動アーム94
から突出した先端部にピニオン103が固着されている。

駆動アーム94の基部は支軸104へ回転可能に軸支されて
おり、支軸104は機台36へ軸支されると共にピニオン105
が固着されており、ピニオン103との間にチエーン107が
掛け渡される。従って駆動アーム94、駆動アーム86は支
軸104回りに回動可能であり、支軸104がモータ等の駆動
力で回転されるとピニオン109がラツク102を直進させ、
駆動アーム86を駆動アーム94から繰り出して伸長させ
る。なお支軸96には第４図に示される如くクランク10
8、109が軸支されており、クランク109が回転軸110回り
に図示しないモータ等の駆動力を受けて回転すれば、駆
動アーム94、駆動アーム86が支軸104回りに回転される
ようになっている。

第５図に示される如く蓋14が開放されたカセツテ10には
フイルム取出し機構112が対応し、本体12内のＸ線フイ
ルム15を取出し可能となっている。

このフイルム取出し機構112は機台36へ支軸114により軸
支されるアーム116が設けられており、第７、８図に示
される如くこのアーム116の先端部にはピン118を介して
回転プレート120が軸支されている。この回転プレート1
20は両端部にスプロケツト122が固着されており、この
スプロケツト122は支軸114へ固着されるスプロケツト12
4との間にタイミングチエン126が掛け渡されている。従
ってスプロケツト122、124とタイミングチエン126とは
平行運動機構を構成し、この回動プレート120はアーム1
16が支軸114回りに回転する場合にその姿勢（この実施
例では水平状態とする）を変更することなく平行移動す
るようになっている。

回動プレート120の下方には取付プレート128が配置され
ており、この取付プレート128と回動プレート120との間
には保持軸130が貫通しており、この保持軸130は下端部
が取付プレート128へ固着されると共に、上端部付近に
はリング132がはめ込まれて回動プレート120、取付プレ
ート128の離間方向の移動量を規制している。この回動
プレート120と取付プレート128との間には圧縮コイルス
プリング136が介在されて回動プレート120と取付プレー
ト128とを互いに離間する方向に付勢すると共に取付プ
レート128を回動プレート120と平行に保持している。

取付プレート128には吸着部材としての吸盤138が複数個
取付けられている。すなわち、吸盤138へそれぞれ連通
された負圧管140が取付プレート128及び回動プレート12
0を貫通している。この負圧管140は図示しない負圧源へ
連通されており、吸盤138がカセツテ10内のＸ線フイル
ム15を吸着できるようになっている。

従ってこの吸盤138はアーム116の回動時に回動プレート
120と共に軸芯が垂直状態を維持しながら本体12内のＸ
線フイルム15上へ降下するようになっている。

第８図に示される如く、この取付プレート128は吸盤138
が正確にＸ線フイルム15上へ配置されるように、両端部
は下降量を規制するストツパ144上へ当接するようにな
っている。すなわちストツパ144は取付プレート128の両
端部に対応して機台36へ固着されており、取付プレート
128がこのストツパ144上へ当接することにより吸盤138
は正確にＸ線フイルム15へ当接し、その吸引力でカセツ
テ10を確実に吸引できるようになっている。

しかしアーム116は第５図時計方向の回転時に吸盤138を
正確にＸ線フイルム15へ当接させるために、吸盤138が
Ｘ線フイルム15へ当接した後にも若干量だけ時計方向へ
回転されるようになっており、このオーバーストローク
は回動プレート120が圧縮コイルスプリング136の付勢力
に抗して取付プレート128方向へ移動することにより吸
収される。

なお、第７図に示される如く、取付プレート128にはエ
アノズル143が設けられ、エアをカセツテ本体12の内壁
へ向けて噴射し、その反射風でＸ線フイルム15の端部を
カセツテ本体12内に貼られている増感紙から浮上させ、
吸盤138による吸引を容易にしている。

第８図に示される如く、ストツパ144上には調節プレー
ト146が搭載されており、この調節プレート146はストツ
パ144へブラケツト148を介して取付けられるソレノイド
150の可動鉄心152へ固着されている。従ってソレノイド
150が通電されて可動鉄心152を吸着すると調節プレート
146はストツパ144上から第８図に示される如く退避し
て、取付プレート128が直接ストツパ144へ当接すること
ができるようにし、ソレノイド150の励磁力が解除され
た後には図示しないリタンスプリングの付勢力によりス
トツパ144上へ進出してストツパ144の有効高さを増大
し、取付プレート128をこの調節プレート146上へ当接し
て停止させるようになっている。

従ってＸ線フイルム15の載置面、すなわち本体12の表板
内側に貼られた増感紙面までの高さが異なるカセツテ10
が取出し、装填装置内へ挿入された場合には、このカセ
ツテ10の増感紙面までの高さに応じて調節プレート146
をストツパ144上へ進出又は退避させることによりＸ線
フイルム15の搭載面の高さが異なるにも拘らず正確にＸ
線フイルム15を吸着可能となっている。

フイルム取出し機構112には第５図に示される如く一対
の搬出ローラ154、156が対応しており、吸盤138で持上
げられたＸ線フイルム15の一端を挟持し、図示しない現
像装置へと送り出すことができるようになっている。

また取出し、装填位置にあるカセツテ10の前方上部には
一対のフイードローラ158、160が配置されており、図示
しないマガジンから未使用のＸ線フイルム15をカセツテ
10内へ送り出すことができるようになっている。これら
のローラ158、160は第５図実線で示される如くフイルム
取出位置にあるカセツテ10の前方縁24よりもさらに前方
に配置されて、昇降する吸盤138と干渉しないようにな
っている。

次に本実施例の作用を説明する。

図示しない取出し、装填装置の挿入口へカセツテ10が挿
入されると、このカセツテ10は第２図に矢印Ａで示され
るようにガイド28上を移動し、ストツパ30へと当接して
停止する。

カセツテ10が正規の挿入状態である場合には、このカセ
ツテ10がストツパ30へ当接した初期に押圧ピン56が移動
台32へ押込まれていない状態によってこれが検出され
る。その後、移動台32はアーム64の駆動力によってカセ
ツテ10の前方縁24方向へ駆動され、押圧ピン56がラツチ
16を押込んで内側段部20Aへの係合から脱出させるので
カセツテ10の蓋14は開放可能とされる。

ここでカセツテ10は第５、６図実線状態へと後退移動さ
れる。この状態でクランク109が回転駆動され、駆動ア
ーム86が図示しない駆動装置により第４図の如く蓋14上
へと降下し、吸盤74が図示しない負圧源からの負圧によ
り蓋14を吸着する。この駆動アーム86は第４図時計方向
に駆動されて第５図に示される如く蓋14を開放する。こ
の場合、蓋14の回転中心と駆動アーム86の回転中心とが
異なるため、吸盤74は蓋14と相対移動すると共に吸盤74
の蓋14への吸着角度が変化する。

しかしこの実施例では吸盤74が軸76回りに回転可能であ
り、かつローラ84は長孔88内を移動可能であるため、確
実に蓋14を吸着したままで蓋14を開放させることができ
る。

蓋14が開放されると、第５図の想像図で示される如く、
フイルム取出機構112のアーム116は時計方向に回転し、
取付プレート128がストツパ144に当接して停止する。こ
の取付プレート128がストツパ144へ当接した状態では吸
盤138が本体12内のＸ線フイルム15を確実に吸着できる
状態にあり、負圧力によりＸ線フイルム15は確実に吸盤
138へ吸着される。

増感紙面までの高さが異るカセツテ10に対してはソレノ
イド150の励磁力発生及び解消により、調節プレート146
がストツパ144上へ進出又は退避して取付プレート128の
停止高さを変更することにより対応でき、予め定められ
た増感紙面までの高さを有するカセツテ10に対して適切
な取付プレート128の降下高さを設定できる。

調節プレート146は階段状に厚さの異る部分を複数箇所
設けて、取付プレート128の停止高さを多段階に調節し
てもよい。また、ソレノイド150に拘らず、モータ等の
駆動力でカムを回転して取付プレート128の降下量を制
御する等の他の停止位置制御手段でもよい。

吸盤138がＸ線フイルム15を吸着した後には、アーム116
は再び第５図反時計方向に回転し、これによって吸着さ
れたＸ線フイルム15は一端が搬出ローラ154、156間へ挟
持され、これらの搬出ローラ154、156の回転により図示
しない現像装置へと送られる。

撮影済みのＸ線フイルム15が取出された後は、図示しな
いマガジンから供給される未使用のＸ線フイルム15がフ
イードローラ158、160間から送り出されてカセツテ10の
本体12内へ載置される。

この場合、カセツテ10は第５図実線状態から一点鎖線で
示される状態、即ちフイルム取出し位置とストツパ30へ
当接する開蓋位置との中間の位置まで移動してカセツテ
10の前方縁24がフイードローラ158、160の下方まで入り
込み、この状態で未使用のＸ線フイルム15が載置され
る。

これにより、本体12の前端部はフイードローラ158、フ
イードローラ160の下方まで入り込み、供給される未使
用のＸ線フイルム15の末端をも確実に本体12内へ載置さ
せることができる。

この場合、カセツテ10が第５図左方向へ移動すると、吸
盤74と離れる方向に移動することになる。しかしこの実
施例では駆動アーム94が駆動アーム86と相対移動可能で
あり、チエン107からの駆動力を受けるピニオン109がラ
ツク102を直線移動させることにより駆動アーム86を支
軸94から伸長させて第５、６図左方向へ移動させること
により、カセツテ10の左方向移動に追従して移動するこ
とができ、蓋14の吸着状態を維持し続けることができ
る。また、蓋14と吸盤74との吸着十分に確保できるよう
にしておけば、前記チエン107、ピニオン109及びラツク
102を使用して駆動力を与えなくても伸長動作が行なわ
れる。このため未使用のＸ線フイルム15がカセツテ10へ
載置される場合には、長孔90の長手方向は水平方向とさ
れるように駆動アーム86への刻設角度θが決定されてい
る。

本体12内へ新規のＸ線フイルム15が挿入された後は、駆
動アーム86が第５図反時計方向へ駆動されると共に、吸
盤74による吸着が解除され、蓋14が閉止可能な状態とな
る。

ここでカセツテ10は再び開蓋位置へと移動されると共に
ロツカアーム68は図示しない駆動装置の駆動力により第
２、５図時計方向に回転され、ローラ72は蓋14を本体12
内へ押込む。これによってラツチ16は内側段部20Aと係
合し、蓋14は確実に本体12と係合して閉止される。

その後カセツテ10は図示しない駆動装置の駆動力により
第２図矢印Ａ方向と反対方向に移動されて取出し、装填
装置から取出される。

なお上記実施例では駆動アーム94が支軸104回りに回転
可能とされているが、駆動アーム94は一点を中心に回転
する構造に限らず、機台36に対してスライド可能とする
ような他の構造も適用可能である。また駆動アーム86は
駆動アーム94に対して伸縮する構造として示されたが、
駆動アーム86が駆動アーム94に対して回転可能に支持さ
れるように配置することも可能である。また吸盤138の
駆動アーム86への取付け手段も上記実施例の構造に限定
されるものではない。更にＸ線フイルムカセツテの蓋を
吸着する手段は負圧吸着に限らず、磁石等の他の吸着手
段も適用可能である。

［発明の効果］ 本発明は上記の方法であるので、フイードローラ及び蓋
閉止用押下手段を一定配置とすることができ、Ｘ線フイ
ルムの末尾をも確実にカセツテへ収容でき、カセツテ蓋
閉止も確実となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に用いるカセツテを示す蓋開放
状態の斜視図、第２図は装填、取出し装置へカセツテが
挿入された状態を示す断面側面図、第３図は開蓋機構及
び駆動アームの斜視図、第４図は駆動アームを示す側面
図、第５図は駆動アームによるカセツテの蓋開放状態を
示す側面図、第６図は駆動アームの先端部を示す第５図
VI線矢視に相当する斜視図、第７図はフイルム取出し用
の吸盤を備えた回動プレートを示す正面図、第８図は吸
盤の降下状態を示す拡大斜視図である。 10……カセツテ、 12……本体、 14……蓋、 15……Ｘ線フイルム、 74……吸盤、 86、94……駆動アーム、 90、92……長孔、 109……ピニオン、 102……ラツク、 112……フイルム取出機構、 158、168……フイードローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｘ線フイルムカセツテから撮影済Ｘ線フイ
   ルムを取り出し、新規Ｘ線フイルムを装填するＸ線フイ
   ルムカセツテ用フイルム装填方法であって、 前記カセッテはカセッテ内の撮影済Ｘ線フイルムを取り
   出す第１位置、この第１位置よりも奥側であり新規Ｘ線
   フイルムをカセッテ内へ装填する第２位置、及びこの第
   ２位置よりもさらに奥側であり新規Ｘ線フイルムが装填
   されたカセッテの蓋を閉止する第３位置へとそれぞれ移
   動可能とされ、 前記第１位置では撮影済Ｘ線フイルム取出し機構をカセ
   ッテ上方に対応させ、第２位置では新規Ｘ線フイルムを
   装填するフイードローラをカセッテ上方に対応させ、前
   記第３位置では蓋閉止用押下手段をカセッテ上方に対応
   させ、 前記第１位置で撮影済Ｘ線フイルム取出し機構によりカ
   セッテ内の撮影済Ｘ線フイルムをカセッテから上方へと
   取出し、第２位置で前記フイードローラから新規Ｘ線フ
   イルムをカセッテ内へと装填し、第３位置で新規Ｘ線フ
   イルムが装填されたカセッテの蓋を押下手段により閉止
   することを特徴としたＸ線フイルムカセツテ用フイルム
   装填方法。