JPH0684222B2 - シ−ト・カ−ル除去機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、シート・カール除去機構に関するものであ
る。

発明の背景 高速コピー複製装置、たとえばゼログラフィー式複写機
の出現によつて、仕上つたコピーをスタツクし、丁合い
し、針金とじをし、あるいは製本にする装置の必要性は
益々に重要になつてきた。しかしながら、複写機におけ
る処理過程のために複写機で作成されたコピーシートに
は、コピーの正常なスタツキングまたは丁合いを妨げる
カールが付く。トナー粉末像をコピーシートへの転写し
たあと、シートに定着させる形式のゼログラフイー式複
写機では、トナーをコピーシーへ定着するためにシート
の像面に熱を加えると、コピーシートの一の面から水分
が乾燥する。多種多様なコピーシート、特に複写機内に
または複写機に近い室内で高い周囲湿度において保管さ
れたために高い含水率を有するコピーシートの場合に
は、コピーシートの一の面と他の面との間に水分レベル
に差があると、カールにかなりの差が生じる。そのほ
か、定着装置の発熱量と周囲の状態が同じであれば、コ
ピーシートの秤量に応じてカールに差が生じる。

過去、ウエブ状のシート材料を伸すために数多くの装置
が使われてきたが、カール除去機構によつて個々のカツ
ト紙を給送する問題点は、その機構が周囲の状態やシー
ト特性によつてシートのカールが相違するのを補正する
ために必然的に調整可能でなければならず、ジヤムが多
発することと、日ごとに出合うカールが異るために、ま
た秤量が広範囲に異なり、カールの特性が異なる各種の
紙を使用するために、必要なカール除去の正確な量を得
ることが非常に困難なことであつた。

多くの既存ベルトオンローラ形カール除去装置は、紙を
一定半径に順応させるためにベルトに進入するローラを
使用している。この種の多連わん曲式カール除去装置は
単一装置を組み合せているが、ジヤム除去の問題と大き
なスペースが必要であることに悩みがある。ベルトオン
ローラ形式に対する代替物はベルトオンベルト形式のカ
ール除去装置であるが、これらは大きなスペースを必要
としないけれども、それらの使用によつて曲げ半径はよ
り大きくなり、カール除去の効果が少ない。さらに、こ
れら両形式のカール除去装置は、複写機に使用すること
ができる秤量の範囲に限定されている。軽質紙と重質紙
は共に、複写機を処理のため適応させることができる利
用可能な秤量の両極端で、前記形式のカール除去装置の
いずれを使用しても、カールに対する補正が十分でない
ことに悩みがある。

米国特許第1,969,073号は、２組のベルトと共同作用を
するローラから成り、それらの間にシートが搬送される
ベルトオンベルト形式のシートカール除去機構を開示し
ている。この機構の場合はシートを伸ばすため、シート
は波形にされる。米国特許第2,012,953号には、各シー
トが交互に反対方向にカールされるようになつているロ
ーラオンベルト形式の一層複雑なカール除去機構が開示
されている。カール除去の量を変えるために異なるサイ
ズのローラが使われる。米国特許第2,719,562号には、
大形の軟質ローラとその大形ローラの軟質表面の中に埋
め込まれたより小半径の金属ローラとから成る調整可能
な金属成形機構が開示されている。また、機構を通過す
る金属板に生じるカールの量を変えるために、小径ロー
ルの進入深さを変える機構が設けられている。

発明の概要 以上のことから、本発明の目的は、広範囲にわたる秤量
を有するシートのカール付与またはカール除去をより正
確にできるようにすることである。

本発明のもう１つの目的は、より容易に、最小限の部品
と作用過程で、シートのカール付与またはカール除去を
制御することである。

本発明は、最初にシートを曲げるためにベルトの上にあ
つてベルトを押し付けている曲率を有する表面、たとえ
ばローラを備えたカール除去装置から成つている。第１
のローラ／ベルト形カール付与装置でシートに生じたカ
ールの量に応じて、多数の第２以下のカール付与装置へ
シートを向けるために、第１のローラとベルトのニツプ
の下流に、固定された決定ゲートが使われている。決定
ゲートは、先端の“V"形状をもつように設計され、それ
によりシートの前縁カールに関係なく、２つの通路のい
ずれかに確実にシートを導くようになつている。２つの
通路のいずれにも１個またそれ以上のシート曲げ装置、
すなわちカール付与装置が配置されている。

発明およびその他の特徴をよく理解できるように、以
下、添付図面について発明を詳細に説明する。

好ましい実施例の説明 典型的な利用として本発明を組み入れることができる静
電処理装置の全般的理解のために、第１図について説明
する。図示した形式のゼログラフイー式複写機など全て
の静電式複写機では、複写する原稿の光像がゼログラフ
イー・プレートの感光化された表面の上に投影され、そ
の上に静電潜像が形成される。そのあと、潜像は、キヤ
リヤ粒子と摩擦電気でキヤリヤ粒子に付着しているより
小さいトナー粒子とから成る逆極性に帯電した現像剤で
現像され、プレート面上に潜像に対応してトナー粉末像
が形成される。次に、粉末像は静電気で支持表面へ転写
されたあと、定着装置で支持表面に永久的に定着され
る。

例示した複写機の場合は、複写する原稿Ｄが照明装置内
に固定して配置された透明支持プラテンＰの上に置かれ
る。プラテンの上に置かれると、照明装置13は原稿の上
に閃光を発し、それにより原稿の情報区域に対応する像
光線が生じる。像光線は光学装置14により露光ステーシ
ヨンＡへ投影され、可撓エンドレス光導電性ベルト15の
形式の可能ゼログラフイー・プレートの感光面を露光す
る。矢印の方向に移動中、露光ステーシヨンＡに達する
前に、露光されるベルトの部分はベルト支持ローラ20,2
1,22の間に延びるベルト区間に設置されたコロナ発生装
置16によつて一様に帯電されているはずである。露光ス
テーシヨンＡはローラ20とローラ21の間に広がつてい
る。

光像に対するベルト表面の露光で、光に当つた区域内の
光導電性層が放電し、それにより、支持プラテン上の原
稿から投影された光像に対応して静電潜像が像の形状で
ベルト上に残る。ベルト表面が移動を続けると、静電潜
像はローラ21をまわつて、ベルトの第３の区間に設けら
れた現像ステーシヨンＢを通過する。ここには、現像装
置25が設置されている。現像装置25は、複数の磁気ブラ
シから成つており、磁気ブラシは上方に傾いて移動中の
光導電性ベルト15の隣接する表面へ現像剤を搬送する。
ゼログラフイー・ベルト15の現像剤が塗付されると、現
像剤内のトナー粒子が静電気でベルト表面へ吸引され
て、粉末像を形成する。

現像された静電潜像は、ベルト15でベルト上の急転換点
に設けられた転写ステーシヨンＣへ運ばれ、ベルト15が
ローラ22をまわると、現像された像を転写するために移
動ベルトに同期した速度でコピーシートがここに送られ
てくる。このステーシヨンには、複写機のフレームに取
り付けられた転写ローラ30が設置されていて、各コピー
シートがベルト15に転写のため接触するとき、コピーシ
ートの非転写面に接触する。ベルト上の現像された像が
コピーシートに接触したとき現像された像がコピーシー
トの隣り合う面へ静電気で転写されるように、ローラ30
は十分な電圧で電気的にバイアスされている。

また、現像された像がローラ22の周囲に運ばれてきたと
き紙取扱い機構32からベルト上の現像された像へコピー
シートを連続して運ぶように構成された適当なシート搬
送機構がある。機構32とベルト15上に静電潜像を作る照
明装置に適当なプログラム装置を動作上接続して、コピ
ーシートの到着に調時して現像された像を転写ステーシ
ヨンＣへ提供することができる。

シートは転写ローラから出てくると、適当なコロナ放電
装置で分離される。そのあと、シートは、反転トナー像
を支持した状態で適当な手段、たとえば真空保持され、
加熱ローラ形定着装置の中に送り込まれ、ここで、現像
され、転写されたシート上のトナー像は、永久的にシー
トに定着される。定着後、仕上つたコピーはあとでより
完全に説明するカール除去機構50を通過し、装置の外で
集積するのに都合のよい場所で、搬送装置51によつて装
置から放出される。

第２図に示すように、カール除去機構50の入力端には、
強化材料で適度に補強された柔軟なエラストマーから作
られ、１対の比較的大きなローラ53,54に掛け渡された
ベルト52を有するカール付与装置51が設けられている。
ローラ53,54のどちらかをベルト52の駆動手段とみなし
て、ローラ定着装置40に関連する駆動装置に連結し、定
着装置を出てカール除去装置に入るシートが確実にカー
ル除去作用に適した速度を維持するようにすることがで
きる。ローラ53は、駆動ローラ54とベルト52で駆動され
るアイドラ・ローラとみなすことができる。

ベルト52の下部区間の近くには、ベルトがローラの外周
の部分を巻くように支持ローラの間でベルトの部分を押
す比較的小さい直径をもつ進入ローラ55が配置されてい
る。ローラ55は、複写機10のフレームに自由に回転でき
るように固定して支持されている。

ベルト52とローラ55のニツプの下と、ニツプを出たシー
トの移動通路の下流には、それぞれ上部および下部シー
ト案内バツフル56と57が配置されている。バツフル56,5
7はシートを１個またはそれ以上の追加シート・カール
付与装置58,59へ案内する。装置58,59はカール付与装置
51に類似しており、それぞれベルト60,61と進入ローラ6
2,63から成つている。ベルト60,61を支持し、駆動する
ために、適当な案内ローラ64,65,66,67が設けられてい
る。

第２図に示すように、上部バツフル56は下部バツフル57
よりかなり大きな幅を有し、カール付与装置58,59の双
方にかかるように配置されている。バツフル56,57の間
に配置されている決定ゲート70は、第２図の面に対し垂
直に広げたとき、矢印付き破線71で示した。シートの移
動方向に対し横に測つたシートのパラメータにほゞ等し
くなるようにある長さだけ伸びている。ゲート70は、カ
ール付与装置51から出たシートの移動通路に突き出てい
て、第３図に縁72で示した“V"の頂点をもつ先細の“V"
形状を持つように設計されている。第4a図、第4b図、お
よび第4c図に示すように、ゲートのテーパーは、ゲート
の中央にある横断線に沿つて始まり、その両端に向つて
延びている。

動作について説明すると、定着装置40から送り出された
紙シートは、多くの要因、たとえば、シートの含水率、
大気の湿度、定着温度、紙の厚さと秤量、定着装置を通
過する時間等によつてある程度のカールを有している。
カールしたシートは、適当な案内板（図示せず）でカー
ル除去装置へ送られ、カール付与装置51のローラ55とベ
ルト52で形成されたニツプに入る。このニツプを通過す
る間に、シートは定着装置でシートに付けられたカール
形成の方向とは反対の方向にカールされる。ローラ55と
ベルト52のニツプで作られたカールの量は、定着装置で
生じたカール効果より大きい、すなわち過度のカールが
与えられる。この過度のカール付与により、シートが装
置50のカール除去部に入る前にシートに既知のカール量
が与えられる。

もし、シートがローラ55とベルト22のニツプを離れたあ
とわずかなカールが付いていれば、シートが装置50を通
つてさらに進むとき、シートはほゞ破線71をたどり、ゲ
ートの上面によつて案内される。カールが非常にわずか
な場合には、シートの前縁はバツフル56の下面に沿つて
滑り、その下面によつて案内される。いずれの場合にお
いても、シートは、カール付与装置59のベルト61上に案
内され、ローラ63とベルト61のニツプへ送り込まれる。
このニツプを通過することにより、シートに逆のカール
が付与される。このカールは、複写機10を通つて搬送さ
れるシートに望ましいカール効果を与えるカール除去の
状態をシートに課すように、調整することが可能であ
る。

シートにかなりの程度のカールが付いて矢印付き点線73
で示した通路をたどる場合には、シートの前縁はカール
によつてゲート70の下面とバツフル57の上面の間のすき
まへ向けられる。これら２つの面は収斂し、シートをカ
ール付与装置58のベルト60の上に向かわせ、ローラ62と
ベルト60のニツプに送り込む。このニツプを通過する
と、ローラ55とベルト52のニツプによつてシートに付与
されたカールは、いくらか戻されるが、ある程度のカー
ルが残る。その残つたカールは、装置58を離れたシート
に作用するカール付与装置59によつて、より完全に戻さ
れる。第２図に示すように、装置58を離れたあと、シー
トは、ゲート70の後縁によつて、矢印付き破線71にたど
るシートの通路に合流する通路に向けられる。このよう
に、シートはローラ63とベルト61のニツプに入り、連続
してシートのカール除去を行なうことができる。

シートが装置58のカール付与ニツプに入る角度は、シー
トが装置59のニツプに入る角度よりも大きいことに注意
されたい。この差のために、装置58は、装置59で付与さ
れるカールにより大きく、カールを除去することがで
き、装置59のわずかなカール除去効果を組合せて、装置
51のカール効果を補正するにの適している。

以上の説明から、定着装置を離れたあと、シートに誘起
されたカールの量に応じて２つの通路の一方にコピーシ
ートを導くように配置され、かつ形作られた固定された
決定ゲートを使用して、静電写真式複写機の定着装置を
離れたコピーシートのカール除去を行ないうることがわ
かるであろう。意図的にカールされたあと、わずかなカ
ールのみを有するシートは、そのわずかなカールに応じ
てわずかなカール除去作用を行なう通路へ向けられる。
最初のカール付与作用のあと大きなカールを有するシー
トは、そのカールの程度に合わせてより大きなカール除
去作用行なう通路に向けられる。決定ゲートは、コピー
シートの前縁カールの差に関係なく、シートをどちらか
の通路に確実に案内する形状を有する。望ましい結果を
得るために、ゲート70と、カール付与装置、たとえば58
と59の数について多くの組合せが得られることは理解さ
れよう。

以上、開示した構造について発明を説明したが、発明は
記述した細部に限定されるものでなく、特許請求の範囲
に入れることができる全ての修正または変更を包含して
いるものとする。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のシートカール除去機構を用いたゼロ
グラフイー式複写機の側面図、 第２図は、わずかなカールを有するシートやより多くの
特性を有するその他のシートのカールを除去するよう動
作中の、本発明のカール除去機構の側面図、 第３図は、本発明に使われた決定ゲートの平面図、 第4a図、第4b図、および第4c図は、第３図のそれぞれの
線4a-4a,4b-4b,および4c-4cに沿つたゲートの３つの断
面図である。 Ａ……露光ステーシヨン、 Ｂ……現像ステーシヨン、 Ｃ……転写ステーシヨン、 Ｄ……原稿、Ｐ……透明支持プラテン、 10……静電処理装置（ゼログラフイー式複写機）、 13……照明装置、14……光学装置、 15……光導電性ベルト、 16……コロハ発生装置、 20,21,22……ベルト支持ローラ、 25……現像装置、30……転写ローラ、 32……シート取扱い機構、36……搬送機構、 40……加熱ローラ形定着装置、 50……カール除去装置、51……搬送装置、カール付与装
置、52……ベルト、 53,54……ローラ、55……進入ローラ、 56,57……シート案内バツフル、 58,59……カール付与装置、 60,61……ベルト、 62,63……進入ローラ、 64,65,66,67……案内ローラ、 70……決定ゲート、71……矢印付き破線、 72……縁、73……矢印付き点線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（イ）少なくとも２個のローラによりその
   ローラの周囲に支持され、複写機の定着装置から出てき
   たカールしたコピーシートを受け取るように配置された
   シート搬送ベルト、 （ロ）前記ベルト支持ローラの間のベルト区間に隣接し
   て配置され、前記搬送ベルトの外側表面に接触してそれ
   を押すように構成された進入ローラであって、該進入ロ
   ーラと搬送ベルトとの間をコピーシートが通過するにつ
   れてコピーシートに逆のカールを与えるように両者の間
   にニップを形成する進入ローラ、及び （ハ）前記進入ローラと搬送ベルトのニップの下流に配
   置された固定ゲートであって、わずかなカールを有する
   コピーシートを前記ゲートの頂部において第１通路に偏
   向し、前記わずかなカールよりも大きなカールを有する
   コピーシートを、前記ニップを通過した後第２通路に偏
   向して前記ゲートの下に導くように、配置された固定ゲ
   ート、 から成り、 前記第１通路は第１カール付与装置を含み、第２通路は
   第２カール付与装置を含み、前記ゲートにより第１通路
   に偏向されたコピーシートが第１カール付与装置を通過
   し、前記ゲートにより第２通路に偏向されたコピーシー
   トが前記第２及び第１のカール付与装置の双方を通過す
   ることを特徴とするシートカール除去機構。