JPH0684060B2 - 硬化ポリイミド樹脂被覆物の製造方法 - Google Patents
硬化ポリイミド樹脂被覆物の製造方法Info
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- JPH0684060B2 JPH0684060B2 JP61104205A JP10420586A JPH0684060B2 JP H0684060 B2 JPH0684060 B2 JP H0684060B2 JP 61104205 A JP61104205 A JP 61104205A JP 10420586 A JP10420586 A JP 10420586A JP H0684060 B2 JPH0684060 B2 JP H0684060B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は硬化ポリイミド樹脂被覆物の製造方法に関する
ものである。詳しくは銅合金の帯状基板およびその表面
に被着してなるポリイミド樹脂層よりなる硬化ポリイミ
ド樹脂被覆物の製造方法に関するものである。
ものである。詳しくは銅合金の帯状基板およびその表面
に被着してなるポリイミド樹脂層よりなる硬化ポリイミ
ド樹脂被覆物の製造方法に関するものである。
従来、電子材料用の部品等の精密塗布の要求される分
野、たとえば、大型コンピュータ用のシールドコネクタ
では銅合金板の一部にポリイミド層がコーテイングされ
ており、これを所定のケースに何枚も嵌合してコネクタ
の一部が構成されているものがあるが、このようなポリ
イミド層の付いた銅合金板は、従来、接着剤付ポリイミ
ドフイルムを貼り付けて製造したものであつた。しか
し、このような方法で製造されたものは、コネクタ製造
工程中におけるNaOH等による洗浄工程においてポリイミ
ドとは異る化学構造を持つ接着剤が溶解して密着性が低
下する等という問題点があつた。
野、たとえば、大型コンピュータ用のシールドコネクタ
では銅合金板の一部にポリイミド層がコーテイングされ
ており、これを所定のケースに何枚も嵌合してコネクタ
の一部が構成されているものがあるが、このようなポリ
イミド層の付いた銅合金板は、従来、接着剤付ポリイミ
ドフイルムを貼り付けて製造したものであつた。しか
し、このような方法で製造されたものは、コネクタ製造
工程中におけるNaOH等による洗浄工程においてポリイミ
ドとは異る化学構造を持つ接着剤が溶解して密着性が低
下する等という問題点があつた。
本発明者達はこれらの事情に鑑み、ポリイミドそのもの
を直接銅合金に密着せしめる事を鋭意検討した結果、銅
合金の帯状基板を表面を化学的に処理し、さらに該基板
を移動させながら該基板の表面に溶媒可溶型ポリイミド
樹脂を塗布し、適当な条件で熱処理後、加熱硬化させる
ことにより本発明に到達した。
を直接銅合金に密着せしめる事を鋭意検討した結果、銅
合金の帯状基板を表面を化学的に処理し、さらに該基板
を移動させながら該基板の表面に溶媒可溶型ポリイミド
樹脂を塗布し、適当な条件で熱処理後、加熱硬化させる
ことにより本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は錫の含有量が1〜10重量%で
ある銅合金の帯状基板の表面を塩化第二鉄、塩化第二銅
あるいはこれらの混合物の酸性水溶液によって処理し、
さらに該処理基板の表面に下記一般式で表わされる溶媒
可溶型ポリイミド樹脂の溶媒溶液を塗布し、ついで加熱
処理を行って該樹脂を硬化させることを特徴とする硬化
ポリイミド樹脂被覆物の製造方法。
ある銅合金の帯状基板の表面を塩化第二鉄、塩化第二銅
あるいはこれらの混合物の酸性水溶液によって処理し、
さらに該処理基板の表面に下記一般式で表わされる溶媒
可溶型ポリイミド樹脂の溶媒溶液を塗布し、ついで加熱
処理を行って該樹脂を硬化させることを特徴とする硬化
ポリイミド樹脂被覆物の製造方法。
繰り返し単位の10〜30モル%が式 で表わされる構造を有し、かつ残り90〜70モル%が式 で表わされる構造を有する共ポリイミド、あるいは、 繰り返し単位の70〜90モル%が式 で表わされる構造を有し、かつ残り30〜10モル%が式 で表わされる構造を有する共ポリアミドイミドに存す
る。
る。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明で銅合金とは、実質的に錫を成分中に含有する銅
合金である。
合金である。
実質的に錫を含有する銅合金としては、錫を1〜10重量
%含有する銅のならすべて含まれる。たとえば、燐青銅
として総称されるC5101、C5191、C5210、C5212、MF20
2、S−1Pまた、銅ニツケル錫合金と総称されるC7250、
MX215、MX96等が挙げられる(以上JIS記号で表わし
た)。
%含有する銅のならすべて含まれる。たとえば、燐青銅
として総称されるC5101、C5191、C5210、C5212、MF20
2、S−1Pまた、銅ニツケル錫合金と総称されるC7250、
MX215、MX96等が挙げられる(以上JIS記号で表わし
た)。
銅と錫の合金は青銅といわれ、美術工芸用の鋳物(ブロ
ンズ製品)として古くから用いられてきたが、近年工業
材料としての青銅が見直され、微量の燐を添加して材質
の展延性、ねばり性を改善させた、いわゆる燐青銅が電
子機器材料等に広く用いられるようになつてきた。
ンズ製品)として古くから用いられてきたが、近年工業
材料としての青銅が見直され、微量の燐を添加して材質
の展延性、ねばり性を改善させた、いわゆる燐青銅が電
子機器材料等に広く用いられるようになつてきた。
錫は含有量が多くなるほど強度、ねばり性が向上し、逆
に少なくなるほど導電性の優れた合金となる。錫は通常
3〜9重量%程度含まれており、燐は、脱酸の目的で0.
01〜0.5重量%程度添加されている。燐青銅には、この
他、鉄、鉛、亜鉛等が実質的に無視できる程度含まれて
いることがあり、残部は銅である。
に少なくなるほど導電性の優れた合金となる。錫は通常
3〜9重量%程度含まれており、燐は、脱酸の目的で0.
01〜0.5重量%程度添加されている。燐青銅には、この
他、鉄、鉛、亜鉛等が実質的に無視できる程度含まれて
いることがあり、残部は銅である。
銅ニツケル錫合金は強度、加工性、耐食性に優れてお
り、電気機器用ばね材料として広く用いられている。
り、電気機器用ばね材料として広く用いられている。
組成としては、たとえばニツケル8〜11重量%、錫1.5
〜3重量%、その他鉛、亜鉛、マンガン等が実質的に無
視できる程度含まれていることがあり、残部は銅であ
る。
〜3重量%、その他鉛、亜鉛、マンガン等が実質的に無
視できる程度含まれていることがあり、残部は銅であ
る。
本発明で帯状基板とは、通常コイル状に巻き取ることが
できるのであり、銅合金の薄板が良好に用いられる。
できるのであり、銅合金の薄板が良好に用いられる。
このような基板を化学的に表面処理したあと張力をかけ
て巻き取りながら該基板を移動させ、その表面に溶媒可
溶型ポリイミド樹脂を塗布する。
て巻き取りながら該基板を移動させ、その表面に溶媒可
溶型ポリイミド樹脂を塗布する。
本発明で銅合金の帯状基板の表面を化学的に処理すると
は、該表面を塩化第二鉄、塩化第二銅あるいはこれらの
組成物の酸性水溶液と接触させることであり、これによ
つて該表面に凹凸を形成させて、該表面の上に形成させ
るポリイミド樹脂層との密着性を向上させることができ
るのである。
は、該表面を塩化第二鉄、塩化第二銅あるいはこれらの
組成物の酸性水溶液と接触させることであり、これによ
つて該表面に凹凸を形成させて、該表面の上に形成させ
るポリイミド樹脂層との密着性を向上させることができ
るのである。
従来の金属基板と樹脂層との密着性を向上させる方法と
しては、ブラシ研摩、バフ研摩、スクラブ研摩等の物理
的表面処理法、各種薬剤により処理する化学的表面処理
法等があるが、前者の方法は、後者の方法に比べて、表
面に形成される凹凸のピツチがきわめて大きく、密着性
向上に対しては効果が小さい。
しては、ブラシ研摩、バフ研摩、スクラブ研摩等の物理
的表面処理法、各種薬剤により処理する化学的表面処理
法等があるが、前者の方法は、後者の方法に比べて、表
面に形成される凹凸のピツチがきわめて大きく、密着性
向上に対しては効果が小さい。
また、化学的処理、すなわちエツチングにより、銅合金
と樹脂との密着性を向上させる方法としては、銅板の表
面に微細な凹凸を形成して表面形状を粗化させて樹脂と
の接触面積を増加させる方法銅表面に樹脂との親和力の
高い皮膜を形成させる方法等がある。前者の方法として
は、プリント配線板のソルダ‐コート前処理に関連し
て、ソフトエツチングの方法があるが、この方法は表面
の粗化が不十分であり、十分な密着力を得ることは困難
である。たとえば、有機酸系エツチング剤でリン青銅、
黄銅、ベリリウム銅、ニツケル、錫、銅等の銅合金板を
処理し、十分水洗、乾燥した後、ポリイミド樹脂をコー
テイングし、250〜300℃で十分に乾燥し、約30μの塗膜
としたものを、約90゜の角度に折り曲げると、塗膜が剥
離する。これは電子材料の分野で用いるには、きわめて
不適当である。
と樹脂との密着性を向上させる方法としては、銅板の表
面に微細な凹凸を形成して表面形状を粗化させて樹脂と
の接触面積を増加させる方法銅表面に樹脂との親和力の
高い皮膜を形成させる方法等がある。前者の方法として
は、プリント配線板のソルダ‐コート前処理に関連し
て、ソフトエツチングの方法があるが、この方法は表面
の粗化が不十分であり、十分な密着力を得ることは困難
である。たとえば、有機酸系エツチング剤でリン青銅、
黄銅、ベリリウム銅、ニツケル、錫、銅等の銅合金板を
処理し、十分水洗、乾燥した後、ポリイミド樹脂をコー
テイングし、250〜300℃で十分に乾燥し、約30μの塗膜
としたものを、約90゜の角度に折り曲げると、塗膜が剥
離する。これは電子材料の分野で用いるには、きわめて
不適当である。
また、後者の方法として銅および銅合金の塗装の下地処
理のための各種の化成処理が知られており、たとえば、
クロム酸、重クロム酸、およびその塩類によつて処理す
るクロメート系皮膜を形成させる方法、塩素酸カリウ
ム、過塩素酸カリウムなどの酸化剤で酸化第一銅の皮膜
を形成させる方法(亜酸化銅法)、過硫酸カリウム等に
より酸化第二銅の皮膜を形成させる方法(黒色酸化銅
法)等があるが、これらはいずれも重金属類や毒物等の
廃棄物を発生し、工業的に使用する上で必ずしも有利と
は言えない。
理のための各種の化成処理が知られており、たとえば、
クロム酸、重クロム酸、およびその塩類によつて処理す
るクロメート系皮膜を形成させる方法、塩素酸カリウ
ム、過塩素酸カリウムなどの酸化剤で酸化第一銅の皮膜
を形成させる方法(亜酸化銅法)、過硫酸カリウム等に
より酸化第二銅の皮膜を形成させる方法(黒色酸化銅
法)等があるが、これらはいずれも重金属類や毒物等の
廃棄物を発生し、工業的に使用する上で必ずしも有利と
は言えない。
また、プリント配線板の分野で行われている塩化物系、
過酸化物系によりエツチングは、銅箔に所定の形状の穴
をあけるためのものであり、エツチング表面は、もとの
表面よりむしと平滑になることが多く、本発明の表面処
理とは目的、性格を異にするものである。
過酸化物系によりエツチングは、銅箔に所定の形状の穴
をあけるためのものであり、エツチング表面は、もとの
表面よりむしと平滑になることが多く、本発明の表面処
理とは目的、性格を異にするものである。
本発明では前述のように銅合金の帯状基板の表面を塩化
第二鉄、塩化第二銅あるいはこれらの混合物の酸性水溶
液と接触させることにより銅合金の表面に凹凸を形成
し、効果的に粗化して、樹脂との密着力を格段に向上さ
せることができたのである。
第二鉄、塩化第二銅あるいはこれらの混合物の酸性水溶
液と接触させることにより銅合金の表面に凹凸を形成
し、効果的に粗化して、樹脂との密着力を格段に向上さ
せることができたのである。
本発明におけるポリイミド樹脂は、溶媒可溶型のもので
あり、具体的には、繰り返し単位の約80モル%が で表わされる構造を有し、および残りの20モル%が式 で表わされる構造を有する共ポリアミドイミドが挙げら
れる。
あり、具体的には、繰り返し単位の約80モル%が で表わされる構造を有し、および残りの20モル%が式 で表わされる構造を有する共ポリアミドイミドが挙げら
れる。
本発明においては、繰り返し単位の10〜30モル%が で表わされる構造を有し、かつ残り90〜70モル%が式 (但し、 を表わす) で表わされる構造を有する共ポリイミド、あるいは、 繰り返し単位の70〜90モル%が式 で表わされる構造を有し、かつ残り30〜10モル%が式 で表わされる構造を有する共ポリアミドイミドが用いら
れる。
れる。
つぎに、本発明の硬化ポリイミド樹脂被覆物の製造方法
を説明する。
を説明する。
本発明ではまず銅合金の帯状基板の表面を塩化第二鉄、
塩化第二銅あるいはこれらの混合物の酸性水溶液によつ
て処理する。
塩化第二銅あるいはこれらの混合物の酸性水溶液によつ
て処理する。
本発明の表面処理において、化学的に処理されるのは錫
の部分である。もし、合金の表面において結晶粒界が存
在すれば、粒界の部分が選択的に処理されて凹凸が形成
され、塗膜との密着性が一層向上するので好ましい。銅
ニツケル錫合金はその一例である。
の部分である。もし、合金の表面において結晶粒界が存
在すれば、粒界の部分が選択的に処理されて凹凸が形成
され、塗膜との密着性が一層向上するので好ましい。銅
ニツケル錫合金はその一例である。
本発明では銅合金の帯状基板の表面を、たとえば塩化第
二鉄水溶液中に鉱酸を添加したもの、すなわち、水120m
lの中に約35%の塩酸10〜100ml、好ましくは20〜50mlと
塩化第二鉄1〜50g、好ましくは5〜20gの割合で混合し
た溶液を作製し、この中に9重量%のニツケルと2〜3
重量%の錫とを含有し、残部が銅である銅合金(CDA−7
25)の板状小片を室温下、1〜10分浸漬し、水洗、乾燥
後触針式表面粗度計で表面形状を観察すると、ピツチ5
〜15μ程度で高さ1〜5μ程度の凹凸が見られた。ま
た、微分干渉顕微鏡で表面を観察したところ、結晶粒界
に沿つて溝が形成されていることが確認された。
二鉄水溶液中に鉱酸を添加したもの、すなわち、水120m
lの中に約35%の塩酸10〜100ml、好ましくは20〜50mlと
塩化第二鉄1〜50g、好ましくは5〜20gの割合で混合し
た溶液を作製し、この中に9重量%のニツケルと2〜3
重量%の錫とを含有し、残部が銅である銅合金(CDA−7
25)の板状小片を室温下、1〜10分浸漬し、水洗、乾燥
後触針式表面粗度計で表面形状を観察すると、ピツチ5
〜15μ程度で高さ1〜5μ程度の凹凸が見られた。ま
た、微分干渉顕微鏡で表面を観察したところ、結晶粒界
に沿つて溝が形成されていることが確認された。
銅合金を上記溶液と接触させる方法としては、帯状基板
の全体を浸漬させてもよいし、帯状基板をコイル状に巻
き取つて移動させながら行つてもよい。移動させながら
行う方が全体を均質に処理できるので好ましい。
の全体を浸漬させてもよいし、帯状基板をコイル状に巻
き取つて移動させながら行つてもよい。移動させながら
行う方が全体を均質に処理できるので好ましい。
上記の表面処理を行うに際して、基板表面に錫系の物質
を主体とするスス(スマツトと称する)が残ることがあ
る。これを効果的に除去するために、塩酸等の鉱酸の水
溶液に浸漬させてもよい。
を主体とするスス(スマツトと称する)が残ることがあ
る。これを効果的に除去するために、塩酸等の鉱酸の水
溶液に浸漬させてもよい。
このあと、十分に乾燥させて帯状基板を移動させながら
ポリイミド樹脂の溶媒溶液を塗布する。
ポリイミド樹脂の溶媒溶液を塗布する。
ポリイミド樹脂の溶媒溶液とは、例えば、前述の共ポリ
イミドまたは共ポリアミドイミドを、溶媒としてジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−
2−ピロリドン等に溶解したもの等が挙げられる。
イミドまたは共ポリアミドイミドを、溶媒としてジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−
2−ピロリドン等に溶解したもの等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の溶媒溶液の固形分濃度としては、ポリ
イミドの種類、分子量にもよるが、10〜30重量%が通常
用いられる。
イミドの種類、分子量にもよるが、10〜30重量%が通常
用いられる。
塗布の方法としては、スクリーン印刷法、グラビアロー
ル印刷法、Tダイ法等が挙げられる。
ル印刷法、Tダイ法等が挙げられる。
たとえば、Tダイ法で塗布する場合、塗膜の膜厚の均一
性、また塗膜の端部、特に基板の全面に塗布せず、一部
に塗布した場合の塗布部と未塗布部の境界部分の直線性
を保つために、上記溶液の吐出量、帯状基板の移動速度
等を精度よくコントロールする必要がある。
性、また塗膜の端部、特に基板の全面に塗布せず、一部
に塗布した場合の塗布部と未塗布部の境界部分の直線性
を保つために、上記溶液の吐出量、帯状基板の移動速度
等を精度よくコントロールする必要がある。
このような塗膜は基板の片側あるいは両側に形成させる
ことができる。またTダイの形状、寸法に応じて種々の
幅の塗膜、同一表面上に複数の塗膜を形成させることも
当然可能である。
ことができる。またTダイの形状、寸法に応じて種々の
幅の塗膜、同一表面上に複数の塗膜を形成させることも
当然可能である。
塗布されたあとは、加熱処理によつて溶媒を蒸発除去
し、樹脂を硬化させる。まず、50〜120℃程度で溶媒の
大部分を除去した後、徐々に昇温させて250〜450℃、好
ましくは275〜425℃で加熱硬化させる。
し、樹脂を硬化させる。まず、50〜120℃程度で溶媒の
大部分を除去した後、徐々に昇温させて250〜450℃、好
ましくは275〜425℃で加熱硬化させる。
加熱温度は、樹脂のガラス転移点付近あるいはそれ以上
であればよい。たとえばポリイミドであれば250〜450℃
程度、好ましくは300〜400℃程度、ポリアミドイミドで
あれば250〜375℃程度、好ましくは275〜350℃程度であ
る。
であればよい。たとえばポリイミドであれば250〜450℃
程度、好ましくは300〜400℃程度、ポリアミドイミドで
あれば250〜375℃程度、好ましくは275〜350℃程度であ
る。
加熱時間は塗布液の種類、濃度、膜厚等により異なる
が、溶媒がジメチルホルムアミド、溶液中の固形分濃度
20〜25重量%、膜厚10〜40μ(乾燥時換算)の場合、加
熱硬化温度が275〜350℃程度であれば1〜6分、350〜4
00℃程度であれば30秒〜4分、400〜450℃程度であれば
15秒〜2分が適当である。
が、溶媒がジメチルホルムアミド、溶液中の固形分濃度
20〜25重量%、膜厚10〜40μ(乾燥時換算)の場合、加
熱硬化温度が275〜350℃程度であれば1〜6分、350〜4
00℃程度であれば30秒〜4分、400〜450℃程度であれば
15秒〜2分が適当である。
溶媒としては、ジメチルホルムアミドの他、ジメチルア
セトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、クレゾール
等が用いられるが、沸点のちがいにより、ベーキング温
度、時間に影響するので、上述のジメチルホルムアミド
の場合に準じて用いればよい。
セトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、クレゾール
等が用いられるが、沸点のちがいにより、ベーキング温
度、時間に影響するので、上述のジメチルホルムアミド
の場合に準じて用いればよい。
このようにして得られた塗膜は基板に直接的に接着して
おり、耐NaOH性が格段に改良されている。例えばコネク
タ用の部品等の電子材料用材料としてきわめて好適であ
る。なお、銅合金は塩化第二鉄溶液等による化学的表面
処理により表面を微小に粗化することにより、ポリイミ
ド塗膜との密着性が一層向上する。
おり、耐NaOH性が格段に改良されている。例えばコネク
タ用の部品等の電子材料用材料としてきわめて好適であ
る。なお、銅合金は塩化第二鉄溶液等による化学的表面
処理により表面を微小に粗化することにより、ポリイミ
ド塗膜との密着性が一層向上する。
上述の塗膜は基板の一方の面だけに形成させてもよい
し、両方の面に形成させてもよい。
し、両方の面に形成させてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 ポリイミド樹脂としては、繰り返し単位の約80モル%が
式 で表わされる構造を有し、および残りの20モル%が式 で表わされる構造を有する共ポリアミドイミドの22重量
%溶液(溶媒はジメチルホルムアミド)を用いた。
式 で表わされる構造を有し、および残りの20モル%が式 で表わされる構造を有する共ポリアミドイミドの22重量
%溶液(溶媒はジメチルホルムアミド)を用いた。
銅合金としてはCu−9 Ni−2.3 Sn系のものであり、幅15
mm、厚さ0.35mm、長さ200mのコイル状に巻回された薄板
状のものを用いた。
mm、厚さ0.35mm、長さ200mのコイル状に巻回された薄板
状のものを用いた。
銅合金の表面処理方法としては、水24、塩酸(塩化水
素35%含有)6、塩化第二鉄(6水塩)4kgを混合し
た溶液を50℃に保ち、銅合金の帯状基板を巻出し、巻取
機をそなえた連続装置で一定速度で引取りながら約4分
間浸漬しておこなつた。このあと銅合金を十分水洗し
て、さらに乾燥させた。
素35%含有)6、塩化第二鉄(6水塩)4kgを混合し
た溶液を50℃に保ち、銅合金の帯状基板を巻出し、巻取
機をそなえた連続装置で一定速度で引取りながら約4分
間浸漬しておこなつた。このあと銅合金を十分水洗し
て、さらに乾燥させた。
このような銅合金の薄板を巻出し、巻取機、Tダイ(幅
10ミリ)、をそなえた連続塗布装置により銅合金の中央
部に幅10ミリの塗布幅で上記共ポリアミドイミド溶液を
塗布した。この後、80℃で30秒間加熱処理を行つたあ
と、温度を徐々に昇温させ300℃で2分間加熱硬化させ
た。形成された塗膜の厚さは25μであつた。この銅合金
の一部を切りとつて、塗膜上にカツターナイフで五盤目
状に傷をつけたあと80℃で50g/のNaOH水溶液に5分間
浸漬した。このあと水洗して、銅合金と塗膜との接着部
分を観察したが、剥離現象はみられなかつた。
10ミリ)、をそなえた連続塗布装置により銅合金の中央
部に幅10ミリの塗布幅で上記共ポリアミドイミド溶液を
塗布した。この後、80℃で30秒間加熱処理を行つたあ
と、温度を徐々に昇温させ300℃で2分間加熱硬化させ
た。形成された塗膜の厚さは25μであつた。この銅合金
の一部を切りとつて、塗膜上にカツターナイフで五盤目
状に傷をつけたあと80℃で50g/のNaOH水溶液に5分間
浸漬した。このあと水洗して、銅合金と塗膜との接着部
分を観察したが、剥離現象はみられなかつた。
実施例2 銅合金としてCu−2Sn−0.7Ni−0.15以下P系のもの、 銅合金の処理方法における塩化第二鉄(6水塩)の量と
して6kgを用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリ
イミド樹脂被覆物を得た。
して6kgを用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリ
イミド樹脂被覆物を得た。
形成された塗膜の厚さは25μであつた。この銅合金の一
部を切りとつて、塗膜上にカツターナイフで五盤目状に
傷をつけたあと80℃で50g/のNaOH水溶液に5分間浸漬
した。このあと水洗して、銅合金と塗膜との接着部分を
観察したが、剥離現象はみられなかつた。
部を切りとつて、塗膜上にカツターナイフで五盤目状に
傷をつけたあと80℃で50g/のNaOH水溶液に5分間浸漬
した。このあと水洗して、銅合金と塗膜との接着部分を
観察したが、剥離現象はみられなかつた。
実施例3 ポリイミド樹脂として、繰り返し単位の約20モル%が式 で表わされる構造を有し、および残り約80モル%が式 の繰り返し単位を有する共ポリイミドの22重量%溶液
(溶媒はジメチルホルムアミド)を用いたこと、および
300℃で2分間加熱硬化を行つたこと以外は実施例1と
同様にしてポリイミド樹脂被覆物を得た。
(溶媒はジメチルホルムアミド)を用いたこと、および
300℃で2分間加熱硬化を行つたこと以外は実施例1と
同様にしてポリイミド樹脂被覆物を得た。
形成された塗膜の厚さは25μであつた。
この銅合金の一部を切りとつて、塗膜上にカツターナイ
フで五盤目状に傷をつけたあと80℃で50g/のNaOH水溶
液に5分間浸漬した。このあと水洗して、銅合金と塗膜
との接着部分を観察したが、箔陸現象はみられなかつ
た。
フで五盤目状に傷をつけたあと80℃で50g/のNaOH水溶
液に5分間浸漬した。このあと水洗して、銅合金と塗膜
との接着部分を観察したが、箔陸現象はみられなかつ
た。
実施例4 銅合金の表面処理方法において塩化第二鉄の代りに塩化
第二銅(2水塩)5kgを用いたこと以外は実施例1と同
様にしてポリイミド樹脂被覆物を得た。
第二銅(2水塩)5kgを用いたこと以外は実施例1と同
様にしてポリイミド樹脂被覆物を得た。
形成された塗膜の厚さは25μであつた。
この銅合金の一部を切りとつて、塗膜上にカツターナイ
フで五盤目状に傷をつけたあと80℃で50g/のNaOH水溶
液に5分間浸漬した。このあと水洗して、銅合金と塗膜
との接着部分を観察したが、剥離現象はみられなかつ
た。
フで五盤目状に傷をつけたあと80℃で50g/のNaOH水溶
液に5分間浸漬した。このあと水洗して、銅合金と塗膜
との接着部分を観察したが、剥離現象はみられなかつ
た。
本発明によれば銅合金の帯状基板の表面に均一な厚さを
もち、かつ端部の直線性の良好なポリイミド樹脂膜を連
続的に形成することができ、コネクタ等の部品として使
用し得る被覆物が容易に得られる。該被覆物の銅合金と
樹脂との密着性はきわめて良好であり、耐熱性、耐薬品
性、電気絶縁性にすぐれている。
もち、かつ端部の直線性の良好なポリイミド樹脂膜を連
続的に形成することができ、コネクタ等の部品として使
用し得る被覆物が容易に得られる。該被覆物の銅合金と
樹脂との密着性はきわめて良好であり、耐熱性、耐薬品
性、電気絶縁性にすぐれている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今奈良 徹 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成工業株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−11137(JP,A) 特開 昭61−19352(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】錫の含有量が1〜10重量%である銅合金の
帯状基板の表面を塩化第二鉄、塩化第二銅あるいはこれ
らの混合物の酸性水溶液によって処理し、さらに該処理
基板の表面に下記一般式で表わされる溶媒可溶型ポリイ
ミド樹脂の溶媒溶液を塗布し、ついで加熱処理を行って
該樹脂を硬化させることを特徴とする硬化ポリイミド樹
脂被覆物の製造方法。 繰り返し単位の10〜30モル%が式 で表わされる構造を有し、かつ残り90〜70モル%が式 で表わされる構造を有する共ポリイミド、あるいは、 繰り返し単位の70〜90モル%が式 で表わされる構造を有し、かつ残り30〜10モル%が式 で表わされる構造を有する共ポリアミドイミド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61104205A JPH0684060B2 (ja) | 1986-05-07 | 1986-05-07 | 硬化ポリイミド樹脂被覆物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61104205A JPH0684060B2 (ja) | 1986-05-07 | 1986-05-07 | 硬化ポリイミド樹脂被覆物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62259842A JPS62259842A (ja) | 1987-11-12 |
JPH0684060B2 true JPH0684060B2 (ja) | 1994-10-26 |
Family
ID=14374470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61104205A Expired - Lifetime JPH0684060B2 (ja) | 1986-05-07 | 1986-05-07 | 硬化ポリイミド樹脂被覆物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0684060B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5811137A (ja) * | 1981-07-13 | 1983-01-21 | 三菱化学株式会社 | 耐熱性積層体の製造方法 |
DE3424232A1 (de) * | 1984-06-30 | 1986-01-23 | Akzo Gmbh, 5600 Wuppertal | Flexible polyimid-mehrschicht-laminate |
-
1986
- 1986-05-07 JP JP61104205A patent/JPH0684060B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62259842A (ja) | 1987-11-12 |
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