JPH0683620U - キャリヤトレイ型搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で部品点数を削減し、煩雑な調整
の不要なキャリヤトレイの水平保持機構を備えたキャリ
ヤトレイ型搬送装置を提供する。 【構成】 キャリヤトレイ１１を水平方向に支持するた
め、キャリヤトレイ１１の両側に第１のトレイローラ１
２と第２のトレイローラとを設け、キャリヤトレイの搬
送経路の上昇もしくは下降勾配位置に、第１のトレイロ
ーラ用ガイドレール１５と第２のトレイローラ用ガイド
レール１６とを設け、前記キャリヤトレイ１１を搬送す
るチェンのリンクフレーム６の一端に走行用ローラ４
と、その他端に隣接するリンクフレーム６を水平位置で
吸着固定し、勾配走行時には前記リンクフレーム６の吸
着を解放するマグネット装置８とを設けてなることを特
徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は物品をキャリヤトレイ上に乗せて搬送するキャリヤトレイ型搬送装置 に関し、特にキャリヤトレイの水平保持機構が改善されたキャリヤトレイ型搬送 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より物品を搬送する装置には各種のものがあり、その物品の種類や搬送形 態等の条件により適切な搬送装置が選択されている。その搬送装置の一つにキャ リヤトレイ型搬送装置がある。このキャリヤトレイ型搬送装置は例えば物品を載 置して搬送するキャリヤトレイを複数連結した構造として、この連結したキャリ ヤトレイを所定の走行路に沿って移動させることで、物品の連続搬送を可能とし 搬送装置である。そして、このキャリヤトレイ型搬送装置においては、キャリヤ トレイを常時水平に保ような水平保持機構を採用することにより、物品がキャリ ヤトレイからの滑り落ち等を回避して搬送経路中の上り勾配や下り勾配を設ける ことができ、これにより搬送経路の自由度が増し各種の搬送形態に対応できるな どの利点がある。

【０００３】 従来のキャリヤトレイ型搬送装置においては、その多くは、例えば特開昭５５ −２５９１号公報に示されるような構成のものが提案されている。ここに示され たものは、キャリヤトレイを連結フレームにより支持し、この支持フレームの下 側にローラを設け、さらにこの連結フレームをチェーンにて接続して搬送経路に 沿って引き廻すようにした構成である。そして、この連結フレームの中央には前 記トレイを支持する支持桿が立設されており、この支持桿と連結フレームとの交 点が回動自在に軸支され、この軸上にピニオンが設けられている。

【０００４】 一方、前記連結フレームのローラをガイドするガイドレールの下側で、搬送経 路が上昇勾配もしくは下降勾配となる位置には、勾配に相応するラックギアを設 けておき、前記チェーンにより搬送されてきた連結フレームが上昇勾配に入ると 、前記ピニオンがラックギアと噛み合って該ピニオンを適宜回動させて支持桿と 連結フレームとの角度を変えて、支持桿上のトレイを水平方向に保持するように 構成していた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記構成によるキャリヤトレイの水平保持機構では、連結フレ ーム側のピニオンと勾配に相応するラックギアとの噛み合わせの調整が煩雑とな り、特にラックギアとピニオンとの係合開始時の抵抗が大きく駆動系の負荷の変 動が生じたり、搬送速度が大きくなるのに伴ってラックギアとピニオンギヤとの 係合開始時の抵抗は衝撃となり、この衝撃によりギヤの破損等が生じやすいだけ でなく、水平保持機構も複雑であるという問題があった。 本考案は、上記事情に鑑みてなされたものでその目的とするところは、簡単な 構造で部品点数を少なくすると共に、ラックギヤとピニオンギヤとの噛み合い調 整の如き煩雑な作業を除去できるキャリヤトレイの水平保持機構を備えてキャリ ヤトレイ型搬送装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の上記目的は、物品を載置するキャリヤトレイの下側に該キャリヤトレ イを支持する支持桿が設けられ、前記支持桿の下端を固定支持しトレイ進行方向 に沿って延びたリンクフレームに設けられた走行用ローラが搬送経路に案内され 、また前記リンクフレーム同士が互いに上下方向に回動可能に連結されており、 前記キャリヤトレイを水平方向に支持するべく該キャリヤトレイの進行方向両側 に第１のトレイローラと第２のトレイローラとを所定間隔を置いて回転自在に設 け、前記搬送経路の上昇勾配もしくは下降勾配に沿って、前記第１のトレイロー ラと第２のトレイローラとに各々係合して各々案内する第１のトレイローラ用ガ イドレールと第２のトレイローラ用ガイドレールとが設けられており、さらに前 記リンクフレーム同士の連結部分の少なくとも一端には隣接する該リンクフレー ム同士を磁力によって水平状態で固定し、かつ勾配走行時には該リンクフレーム 同士の固定状態を解放するマグネット装置を備えてなることを特徴とするキャリ ヤトレイ型搬送装置により達成することができる。また、前記マグネット装置が 、回転方向によって磁力を発生し、または発生した磁力を消極せしめる永久磁石 と、前記永久磁石を回転せしめるカム板と、前記カム板に当接して該カム板を回 転せしめる突起部とを設けた構成とすることができる。

【０００７】

【作用】

上記構成によるキャリヤトレイ型搬送装置はその水平保持機構が、搬送経路の 水平方向を移動するときは、マグネット装置が作動されていて隣接するリンクフ レームが水平方向に直線的に接続されるので、リンクフレームより垂直方向に立 設され支持桿上のキャリヤトレイは水平方向に保持されて移動される。 次に、搬送経路の上昇勾配位置に至ると、その立上り位置でマグネット装置が 切れて隣接するリンクフレームを開放し、キャリヤトレイに設けた第１のトレイ ローラが第１のトレイローラ用ガイドレールに係合されると共に、第２のトレイ ローラが第２のトレイローラ用ガイドレールに係合され、チェンの搬送に引かれ て走行ローラは上昇勾配を登りはじめる。これに伴って、前記マグネット装置の 開放によってフリーとなった隣接するリンクフレームは、支軸によって折曲され 支持桿を垂直方向に支える形で上昇する。そして、キュリヤトレイは水平状態を 保って移動する。 上昇勾配が終って水平方向に移動する場合には、前記第１のトレイローラと第 ２のトレイローラとは、それぞれ係合されていた第１のトレイローラ用ガイドレ ールと第２のトレイローラ用ガイドレールより外れると共に、前記マグネット装 置が作動されて隣接するリンクフレームを水平方向に直線的に接続し、キャリヤ トレイは水平方向を保持して移動される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１ないし図５によって詳細に説明する。 図１において、キャリヤトレイ型搬送装置１は搬送経路に沿って設けられた架 台２の外方で、互に向き合って平行に設けられ搬送経路を形成するＣ型チャンネ ルよりなるガイドレール３と、このガイドレール３の内側に回転自在に設けられ た複数個の走行ローラ４と、この走行ローラ４を軸支する支軸５と、この支軸５ を介して回動自在に設けられ複数個からなるチェン用のリンクフレーム６と、こ のリンクフレーム６の他端には隣接するリンクフレーム６を回動自在に係止する 支軸７と、この支軸７の周囲に設けられたマグネット装置８と、前記走行ローラ ４の支軸５と前記マグネット装置８の支軸７との間に設けられ、両端に配設され たリンクフレーム６の間に固定された取付台９と、この取付台９上で垂直方向に 立設された支持桿１０と、この支持桿１０上に水平方向に固定されたキャリヤト レイ１１と、その他、図示していない駆動装置等から構成されている。

【０００９】 前記キャリヤトレイ１１の進行方向（図１の矢印Ｆ）に対して、その両側には 下方に延設された第１のトレイローラ１２と第２のトレイローラ１３とが、所定 の間隔をおいて左右側に各１組宛設けてある。第１のトレイローラ１２はキャリ ヤトレイ１１の下方で長く垂設され、第２のトレイローラ１３は第１のトレイロ ーラ１２よりキャリヤトレイ１１に近く設けてあって、第１のトレイローラ１２ と第２のトレイローラ１３との高さは段差的に設けられている。 一方、前記搬送経路に沿って配設されたガイドレール３で、上昇勾配に入る位 置の上段には、前記架台２より立設された支柱１４があって、この支柱１４には 第１のトレイローラ１２と第２のトレイローラ１３とをそれぞれガイドする第１ のトレイローラ用ガイドレール１５と第２のトレイローラ用ガイドレール１６と が設けてある。これらの第１及び第２のトレイローラ用ガイドレール１５及び１ ６は、キャリヤトレイ１１を水平方向に保って支持桿１０とリンクフレーム６と によって押し上げられるように第１のトレイローラ１２と第２のトレイローラ１ ３との軌跡に合うべく形成されており、これらの第１のトレイローラ１２と第１ のトレイローラ用ガイドレール１５、第２のトレイローラ１３と第２のトレイロ ーラ用ガイドレール１６及び支軸７に設けたマグネット装置８とによって、キャ リヤトレイの水平保持機構１７が構成されている。

【００１０】 以下、キャリヤトレイの水平保持機構１７の作動について図２を参照して説明 する。 図に示したキャリヤトレイ型搬送装置１は、図の左側より右方向（矢印Ｆの方 向）へ移動しているものとする。この場合、図の左端Ｉの位置ではキャリヤトレ イ１１_I は支持桿１０とマグネット装置８の付勢によって水平状態を保っている 。この時、ＩＩの位置にある隣接されたキュリヤトレイ１１_IIは走行ローラ４が 上昇勾配に入る位置で、マグネット装置８が開放されリンクフレーム６は直線的 固定を解除されている。これと同時に、キャリヤトレイ１１_IIの第１のトレイロ ーラ１２は第１のトレイローラ用ガイドレール１５に係合され、第２のトレイロ ーラ１３は第２のトレイローラ用ガイドレール１６に係合され、以下、キャリヤ トレイ１１_IIは第１のトレイローラ用ガイドレール１５と第２のトレイローラ用 ガイドレール１６とによって保持され、走行ローラ４に引かれて上昇勾配を昇り はじめる。 この上昇勾配を昇りはじめたキャリヤトレイ１１_IIは、図のＩＩＩに示した位 置でリンクフレーム６は支持桿１０を具えた側が引き上げられ、その後方に接続 された隣接のリンクフレーム６は上方に折れ曲がり、マグネット装置８に設けら れた支軸７によって回動されて、先行するリンクフレーム６を水平になるよう追 従する。

【００１１】 この上昇勾配を昇りきったキャリヤトレイ１１は、図Ｖに示した位置で第１の トレイローラ１２と第２のトレイローラ１３とはそれぞれのガイドレールより外 され、マグネット装置８の付勢によって後続するリンクフレーム６を直線的に接 続し、キュリヤトレイ１１を水平に保持して搬送経路上を移動する。 次に、キャリヤトレイ１１が下降勾配となる図２のＶＩＩの位置で、マグネッ ト装置８が開放されると同時に、キャリヤトレイ１１_VII の第１のトレイローラ １２は第１のトレイローラ用ガイドレール１５に係合され、第２のトレイローラ １３は第２のトレイローラ用ガイドレール１６に係合され、走行ローラ４とマグ ネット装置８との間のリンクフレーム６を水平状態に保ち、後続するリンクフレ ーム６を下方に折り曲げて、キャリヤトレイ１１_VII を水平方向に保持して降下 する。

【００１２】 上述したように、キャリヤトレイ１１を上昇勾配もしくは下降勾配時に、水平 状態で保持させるためのマグネット装置８は、図３に示すように、永久磁石１８ を磁気遮蔽部材１９で分割したケース２０内に設け、永久磁石１８を９０°方向 に回動させることにより、ＮＳ極が磁気遮蔽部材１９に対して直角方向に向けら れた時は磁力を発生し、ＮＳ極が磁気遮蔽部材の方向に向けられた時は磁力を発 生しない公知のものを用いている。このマグネット２１を図４に示すように、リ ンクフレーム６の内側で支軸７の近傍に設ける。 一方、前記支軸７には先行するリンクフレーム６を取り付ける接続部材２２が 係合してあって、この接続部材２２の後端部には前記マグネット２１の間に挿入 される吸着部２３が一体的に設けてある。この吸着部２３は前記マグネット２１ の付勢によって接続部材２２を水平方向に固定するものである。 上記した構成によるマグネット２１には、図４に示すようにリンクフレーム６ を貫通して突出された回転軸２４が設けてあって、この回転軸２４には進行方向 に向って当接面２５を有する十字状カム板２６が固定してあって、架台２の一部 に突設された突起部２７に当接することにより９０°だけ回転される構成になっ ている。 上述した構成のマグネット装置８により、前記突起部２７の取り付け位置を、 前記上昇勾配もしくは下降勾配の開始位置及び上昇勾配もしくは下降勾配の終了 位置にそれぞれ配設しておけば、搬送装置の駆動によってマグネット装置８は付 勢及び消極を自動的に行なうことができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のキャリヤトレイ型搬送装置は、搬送経路に沿っ て敷設されたガイドレルを走行する走行ローラに、連鎖的に接続されたリンクフ レームを折直自在に設け、このリンクフレームを回動自在に係止する支軸の所定 個所に、リンクフレームが水平方向に配された時に作動するマグネット装置と、 前記リンクフレーム上に水平方向に設けられたキャリヤトレイに第１のトレイロ ーラと第２のトレイローラとを設け、これらの各ローラに係合する第１のトレイ ローラ用ガイドレールと第２のトレイローラ用ガイドレールとよりなるキャリヤ トレイの水平保持機構を備えたので、従来のラックアンドピニオン方式の水平保 持構造のものに比べて簡単な構造で部品点数も少なく、ギヤの噛み合い調整の必 要もないメンテナンス性にも優れた装置を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例でキャリヤトレイ型搬送装置
の斜視図である。

【図２】図１のキャリヤトレイ型搬送装置の作動を示す
側面図である。

【図３】図１に用いられるマグネット装置のマグネット
の断面図である。

【図４】図３のマグネットを装着したマグネット装置の
平面図である。

【図５】図４のマグネット装置の側面図である。

【符号の説明】

１ キャリヤトレイ型搬送装置 ３ ガイドレール（搬送経路） ４ 走行ローラ ６ リンクフレーム ７ 支軸 ８ マグネット装置 １０ 支持桿 １１ キャリヤトレイ １２ 第１のトレイローラ １３ 第２のトレイローラ １５ 第１のトレイローラ用ガイドレール １６ 第２のトレイローラ用ガイドレール １７ キャリヤトレイの水平保持機構 １８ 永久磁石 ２６ カム板 ２７ 突起部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品を載置するキャリヤトレイ(11)の下
   側に該キャリヤトレイを支持する支持桿(10)が設けら
   れ、前記支持桿(10)の下端を固定支持しトレイ進行方向
   に沿って延びたリンクフレーム(6) に設けられた走行用
   ローラ(4) が搬送経路(3) に案内され、また前記リンク
   フレーム(6) 同士が互いに上下方向に回動可能に連結さ
   れており、前記キャリヤトレイ(11)を水平方向に支持す
   るべく該キャリヤトレイの進行方向両側に第１のトレイ
   ローラ(12)と第２のトレイローラ(13)とを所定間隔を置
   いて回転自在に設け、前記搬送経路(3) の上昇勾配もし
   くは下降勾配に沿って、前記第１のトレイローラ(12)と
   第２のトレイローラ(13)とに各々係合して各々案内する
   第１のトレイローラ用ガイドレール(15)と第２のトレイ
   ローラ用ガイドレール(16)とが設けられており、さらに
   前記リンクフレーム(6) 同士の連結部分の少なくとも一
   端には隣接する該リンクフレーム同士を磁力によって水
   平状態で固定し、かつ勾配走行時には該リンクフレーム
   同士の固定状態を解放するマグネット装置(8) を備えて
   なることを特徴とするキャリヤトレイ型搬送装置(1) 。
2. 【請求項２】 前記マグネット装置(8) が、回転方向に
   よって磁力を発生し、または発生した磁力を消極せしめ
   る永久磁石(18)と、前記永久磁石(18)を回転せしめるカ
   ム板(26)と、前記カム板(26)に当接して該カム板を回転
   せしめる突起部(27)とを設けてなることを特徴とする請
   求項１に記載のキャリヤトレイ型搬送装置。