JPH0683205U - 旋削用工具ホルダー - Google Patents

旋削用工具ホルダー

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JPH0683205U
JPH0683205U JP5636093U JP5636093U JPH0683205U JP H0683205 U JPH0683205 U JP H0683205U JP 5636093 U JP5636093 U JP 5636093U JP 5636093 U JP5636093 U JP 5636093U JP H0683205 U JPH0683205 U JP H0683205U
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turning
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桂 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】横逃げ面境界部および前逃げ面境界部を効果的
に冷却することができ、境界摩耗を低減することができ
る旋削用工具ホルダーを提供する。 【構成】旋削加工用スローアウェイチップ33を保持す
るホルダー本体31に、スローアウェイチップ33の横
逃げ面境界部41および前逃げ面境界部43に冷却液の
供給方向を制御する方向制御部材45を形成するととも
に、ホルダー本体31に方向制御部材45に冷却液を供
給するための流通孔47を形成し、さらに、ホルダー本
体31に供給口49を形成した。方向制御部材45,流
通孔47および供給口49により冷却液供給手段53が
構成される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、被削材を回転しながらチップを一方向に移動させて切削する旋削加 工用スローアウェイチップの旋削用工具ホルダーに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、円柱状の材料を所定の外径寸法まで仕上げるには、旋削加工が使用され ている(例えば、特開平1−321101号公報参照)。
【0003】 このような旋削加工の一種としては、図11に示すものがある。図において、 符号11は、所定の外径寸法まで仕上げるインコネル等の円柱状被削材を示して おり、符号13は、セラミック製の四角形状のスローアウェイチップを示してい る。このスローアウェイチップ13の外周縁部は切刃15とされている。
【0004】 そして、このようなスローアウェイチップ13はホルダー17に保持されてい る。このホルダー17は、ホルダー本体19と、スローアウェイチップ13をホ ルダー本体19に固定するための固定爪21とから構成されている。
【0005】 従って、チップ13を固定爪21によりホルダー本体19に固定し、被削材1 1を回転しながら、チップ13の切刃15を被削材11に当接した状態でホルダ ー17を一方向に移動させることにより、被削材11を所定の外径寸法まで切削 することができる。
【0006】
【考案が解決しようとする問題点】
従来、インコネル718などの難削材を切削した後では、図12に示すように 、前逃げ面境界部23および横逃げ面境界部25が摩耗し、工具寿命が短くなる という問題があった。この対策として、従来から工具材料の面から色々な改善、 例えば、ウイスカーを添加して靱性を向上する等が行われていたが充分ではなか った。
【0007】 また、最近、ホルダー17の側方に配置されたパイプ等からなる冷却液供給装 置によりチップ13のすくい面部27に高圧の冷却液を供給することが行われて いるが、そのための装置が大型化するという問題があった。また、境界摩耗が最 も生じ易い前逃げ面境界部23および横逃げ面境界部25は、被削材11と接触 する部分に形成されるため、チップ13と被削材11との間隔が狭く、単にチッ プ13のすくい面部27に高圧の冷却液を供給しただけでは、前逃げ面境界部2 3および横逃げ面境界部25に冷却液を有効に供給することができないため、こ れらの部分の冷却が充分ではないという問題があった。このため、前逃げ面境界 部23および横逃げ面境界部25が摩耗し、工具寿命が短くなるという問題があ った。
【0008】 また、高圧の冷却液をチップ13のすくい面部27に供給するため、周辺への 冷却液の飛散が激しく、これを防止するための防液板等が必要となる等の問題が あり、コスト高になるという問題があった。
【0009】 本発明は、難削材の切削において生じるスローアウェイチップの前逃げ面境界 部および横逃げ面境界部の摩耗を安価な方法で低減することができる旋削用工具 ホルダーを提供することを目的とする。
【0010】
【問題点を解決するための手段】
本考案は、本考案の旋削用工具ホルダーは、旋削加工用スローアウェイチップ を保持するホルダー本体に、前記スローアウェイチップの横逃げ面境界部および 前逃げ面境界部のうち少なくとも一方に冷却液を供給する冷却液供給手段を設け てなることを特徴とする。
【0011】
【作用】
本考案の旋削用工具ホルダーでは、境界摩耗が生じ易いスローアウェイチップ の横逃げ面境界部および前逃げ面境界部に、冷却液を集中して供給することによ り、この横逃げ面境界部および前逃げ面境界部を少量の冷却液で効果的に冷却し 、境界摩耗を低減することが可能となる。
【0012】 以下、本考案を次の実施例で説明する。
【0013】
【実施例】
本考案の旋削用工具ホルダーの一実施例を図に基づいて詳細に説明する。 図1は、本考案の旋削用工具ホルダーを示すもので、符号31は、ホルダー本 体を示している。このホルダー本体31には、例えば、Al2 3 −SiCウイ スカー,Al2 3 −TiC,Al2 3 −TiCウイスカー,Al2 3 −T iNウイスカー等から構成されるセラミック製、或いは周知の超硬合金やサーメ ット、セラミック材料からなる円板状スローアウェイチップ33が保持されてい る。このスローアウェイチップ33は、ホルダー本体31の円弧状収容部35に セットされ、ホルダー本体31に締付自在に固定された爪部材37によりスロー アウェイチップ33の円弧状収容部35からの脱落が防止されている。
【0014】 また、ホルダー本体31の下方には、インコネル718等のNi基超耐熱合金 に代表される難削材等からなる円柱状被削材39が配置されている。
【0015】 そして、ホルダー本体31の送り方向A側および送り方向Aと逆側には、スロ ーアウェイチップ33の横逃げ面境界部41および前逃げ面境界部43に集中し て冷却液を供給する方向制御部材45がそれぞれ配置されている。また、ホルダ ー本体31には、冷却液が流通する流通孔47が形成されている。この流通孔4 7は、ホルダー本体31の所定位置に形成された単一または複数の供給口49と 連通しており、使用する工作機械により供給口49が選定され、使用されない供 給口49にはメクラブタ51がされている。供給口49は、図示しないが通常の 圧力または高圧で冷却液を送出する供給装置に連結されている。冷却液としては 、水や油等が使用される。
【0016】 方向制御部材45,流通孔47および供給口49により冷却液供給手段53が 構成されている。
【0017】 以上のように構成された旋削用工具ホルダーでは、旋削加工用スローアウェイ チップ33を保持するホルダー本体31に、スローアウェイチップ33の横逃げ 面境界部41および前逃げ面境界部43に冷却液を供給する冷却液供給手段53 を設けたので、境界摩耗が生じ易いスローアウェイチップ33の横逃げ面境界部 41および前逃げ面境界部43に冷却液を集中して供給することにより、この横 逃げ面境界部41および前逃げ面境界部43を少量の冷却液で効果的に冷却する ことができ、安価な方法で境界摩耗を低減することができる。これにより工具寿 命を大幅に向上することができる。
【0018】 また、上記したように、横逃げ面境界部41および前逃げ面境界部43に少量 の冷却液を集中して供給するため、周囲に飛散する冷却液を大幅に低減すること ができ、大型の飛散防止用カバーや防水構造を採用する必要もない。
【0019】 尚、上記実施例では、ホルダー本体31に円板状のスローアウェイチップ33 を固定した例について説明したが、本考案では上記実施例に限定されるものでは なく、例えば、図2に示すように、ホルダー本体に、三角形,四角形などの多角 形のスローアウェイチップを固定しても良いことは勿論である。
【0020】 そして、本考案者等は、本考案の効果を確認すべく、図3に示すような多角形 状のAl2 3 −TiCからなるスローアウェイチップを用い、そのすくい面の みに切削油剤を供給した場合(従来例、ノズル1)と、スローアウェイチップの すくい面と横逃げ面境界部に切削油剤を供給した場合(本考案、ノズル1+2) において摩耗量を測定する実験を行った。切削条件は、被削材としてはインコネ ル718を使用し、切削速度100m/min、切削時間30秒、切り込み0. 5mm、送り0.19mm/revであり、ノズル1による切削油剤の供給量は 4.6l/minであり、ノズル2による供給量は9.0l/minであった。
【0021】 実験結果を図4〜図6に示す。
【0022】 図4〜図6より、横逃げ面境界部の摩耗量(VN)はノズル1による場合では 1.25mm程度であるが、ノズル1+2の場合には0.4mm程度であり、大 幅に低減している。前逃げ面境界部の摩耗量(VN’)および平行部の摩耗量( VB)もノズル1+2の場合が大幅に低減している。よって、横逃げ面境界部に 切削油剤を供給することにより、境界摩耗量を大幅に低減できることが判る。
【0023】 尚、上記実施例では、ホルダー本体31に横逃げ面境界部41および前逃げ面 境界部43に冷却液を供給する冷却液供給手段53を設けた例について説明した が、本考案では、ホルダー本体に横逃げ面境界部または前逃げ面境界部に冷却液 を供給する冷却液供給手段を設けても良く、この場合には冷却液を供給した部分 の境界摩耗を大幅に抑制することができる。
【0024】 また、本考案では、図7および図8に示すように、方向制御部材を用いること なく、スローアウェイチップチップ33の前逃げ面境界部43にその下方から冷 却液を供給しても良い。即ち、被削材39とスローアウェイチップチップ33と の間に冷却液を供給し(矢印方向)、前逃げ面境界部43を冷却するようにして も良い。
【0025】 図9は本考案の他の実施例を示すもので、符号61は、ホルダー本体を示して いる。このホルダー本体61には円板状スローアウェイチップ63が保持されて いる。このスローアウェイチップ63は、爪部材67によりホルダー本体61に 固定されている。ホルダー本体61の下方には円柱状被削材69が配置されてい る。
【0026】 そして、図9(A)に示すようにホルダー本体61の送り方向A側および送り 方向Aと逆側には、スローアウェイチップ63の横逃げ面境界部71および前逃 げ面境界部73に集中して冷却液を供給する冷却液供給手段75が設けられてい る。この冷却液供給手段75は、冷却水が流通する流通孔77と、この流通孔7 7と連続する溝79と、この溝79の上部を覆うカバー81とを有している。
【0027】 カバー81は、冷却水を一定方向に吐出するべく、冷却水の吐出方向に突部が 形成され、ホルダー本体61とカバー81との間に冷却水の流通路が形成されて いる。
【0028】 以上のように構成された旋削用工具ホルダーでは、上記実施例と同様に、境界 摩耗が生じ易いスローアウェイチップ63の横逃げ面境界部71および前逃げ面 境界部73に冷却液を集中して供給することにより、この横逃げ面境界部71お よび前逃げ面境界部73を少量の冷却液で効果的に冷却することができ、安価な 方法で境界摩耗を低減することができる。
【0029】 さらに、この実施例では、冷却水を供給する通路を、直線的な流通孔77と、 加工が困難な部分を溝79とこの溝79を覆うカバー81により形成したので、 溝79を形成した部分ではドリル等で孔を穿設する必要がなく、単に溝79を形 成するだけで済み、安価にかつ容易に本考案のホルダーを製造することができる 。
【0030】 図10は、冷却液供給手段75を、冷却水が流通する流通孔77と、この流通 孔77と連続する溝79と、この溝79の上部を覆うカバー81とで形成した他 の例であるが、この場合であっても、上記図9の実施例と同様の効果を得ること ができる。
【0031】
【考案の効果】
以上詳述した通り、本考案の旋削用工具ホルダーでは、境界摩耗が生じ易いス ローアウェイチップの横逃げ面境界部および/または前逃げ面境界部に、冷却液 を供給することにより、この横逃げ面境界部および/または前逃げ面境界部を効 果的に冷却することができ、安価な方法で境界摩耗を低減することができ、これ により、工具寿命を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の旋削用工具ホルダーに円板状のスロー
アウェイチップを固定し、これにより被削材を切削して
いる状態を示す側面図である。
【図2】本考案の旋削用工具ホルダーに四角形状のスロ
ーアウェイチップを固定し、これにより被削材を切削し
ている状態を示す側面図である。
【図3】スローアウェイチップへの切削油剤の供給方向
を示す説明図である。
【図4】ノズル1の場合とノズル1+2の場合における
横逃げ面境界部における摩耗量を示すグラフである。
【図5】ノズル1の場合とノズル1+2の場合における
前逃げ面境界部における摩耗量を示すグラフである。
【図6】ノズル1の場合とノズル1+2の場合における
前逃げ面境界部と横逃げ面境界部の間の平行部における
摩耗量を示すグラフである。
【図7】方向制御部材を用いることなく、チップの前逃
げ面境界部にその下方から冷却液を供給する状態を示す
側面図である。
【図8】方向制御部材を用いることなく、チップの前逃
げ面境界部にその下方から冷却液を供給する状態を示す
正面図である。
【図9】本考案の他の実施例の旋削用工具ホルダーに円
板状のスローアウェイチップを固定し、これにより被削
材を切削している状態を示す側面図(A)および正面図
(B)である。
【図10】本考案のさらに他の実施例の旋削用工具ホル
ダーにより被削材を切削している状態を示す側面図であ
る。
【図11】従来の旋削用工具ホルダーに四角形状のスロ
ーアウェイチップを固定し、これにより被削材を切削し
ている状態を示す側面図である。
【図12】従来のスローアウェイチップの摩耗状態を示
す斜視図である。
【符号の説明】
31,61 ホルダー本体 33,63 スローアウェイチップ 41,71 横逃げ面境界部 43,73 前逃げ面境界部 53,75 冷却液供給手段

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】旋削加工用スローアウェイチップを保持す
    るホルダー本体に、前記スローアウェイチップの横逃げ
    面境界部および前逃げ面境界部のうち少なくとも一方に
    冷却液を供給する冷却液供給手段を設けてなることを特
    徴とする旋削用工具ホルダー。
JP1993056360U 1993-03-25 1993-10-19 旋削用工具ホルダー Expired - Lifetime JP2602354Y2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
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JP1403993 1993-03-25
JP5-14039 1993-03-25
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