JPH0683025U - 浴槽を兼ねたベッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入浴者の運搬が不要で身体への負担が少な
く、かつ構造が簡単で低コストに製造できる浴槽を兼ね
たベッドの提供。 【構成】 この考案の浴槽を兼ねたベッドは、ベッド１
と、該ベッドの上部に取り付けられた矩形の床板３と、
該床板の上に設置されたマット１３と、前記床板３の両
側に回動自在に連結された両側板２１、２２と、前記床
板の足がわ側に回動自在に連結された足側板２４と、前
記床板の頭がわ側に回動自在に連結された頭側板２３
と、前記両側板２１、２２、足側板２４、および頭側板
２３を所定の角度に立てた状態でこれらを着脱自在に連
結する連結具５と、該連結具５により連結された状態に
おいて、前記両側板２１、２２、足側板、および頭側板
２３の内壁面および前記マット１３の上面に接触する防
水シート４とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、寝たきり老人など身体の不自由な人を容易に入浴させることがで きる浴槽を兼ねたベッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

身体の不自由な人を入浴させる方法として、身障者を吊り上げ装置により吊り 上げて風呂まで運搬し浴槽に降下させたり、ベッドの下に浴槽を設置する機構が 提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、前者は装置が大掛かりになるとともに、身障者の身体への負担が大 きくなる欠点があり、後者は製造に高度な技術を必要としコストが高くなる欠点 があった。 この考案の目的は、入浴者の運搬が不要で身体への負担が少なく、かつ構造が 簡単で低コストに製造できる浴槽を兼ねたベッドの提供にある。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】

この考案の浴槽を兼ねたベッドは、ベッドと、該ベッドの上部に取り付けられ た矩形の床板と、該床板の上に設置されたマットと、前記床板の両側に回動自在 に連結された両側板と、前記床板の足がわ側に回動自在に連結された足側板と、 前記床板の頭がわ側に回動自在に連結された頭側板と、前記両側板、足側板、お よび頭側板を所定の角度に立てた状態でこれらを着脱自在に連結する連結具と、 該連結具により連結された状態において、前記両側板、足側板、および頭側板内 壁面および前記マットの上面に接触する防水シートとからなる。

【０００５】

【考案の作用効果】

この考案の浴槽を兼ねたベッドは、頭側板、両側板および足側板を傾斜または 立てて連結具で固定することにより平底船型の浴槽を組立できる。この浴槽の内 面は、敷き詰められた防水シートにより防水性を有し、浴槽内に湯を供給するこ とにより、敷布団に寝かした人を全く移動させず入浴させることができる。また 入浴後は湯を抜き、前記両側板、足側板および頭側板の連結を外し、防水シート の湿りをとるだけで元のベッドに戻すことができる。 これにより、入浴者の運搬が不要で身体への負担が少なく、かつ介護者の労力 を最小限に低減できる。

【０００６】

【実施例】

図１はこの考案の浴槽を兼ねたベッドの浴槽を組み立てて風呂として使用して いる状態を示す。１はベッド、２は組み立てた状態で平底船型となる組立式浴槽 である。 ベッド１は、キャスター１１付き脚台１２と、該脚台１２の上に設置され組立 式浴槽２の底板を兼ねた矩形の床板３とからなる。 ベッド１は移動自在であり、脚台１２は軽量化して移動を容易にする観点から アルミニウムパイプ製であることが望ましい。

【０００７】 組立式浴槽２は、展開した状態（図２参照）において、前記床板３と、該床板 ３の左右両側、頭側、および足側の外周縁のそれぞれにヒンジｈにより回動自在 に装着され、ベッドとして使用されている状態では下方に垂れ下がった両側板２ １、２２、水平または所望の角度に設定可能な頭側板２３および足側板２４とか らなる。浴槽２の構成部材は、木、アルミニウム、プラスチック、ＦＲＰなど軽 量の材料の使用が望ましい。 １３は床板３の上面に設置されたマット、４は該マットの上面および組立られ た状態の浴槽２の内面全体を覆う１枚の水密性の防水シートである。

【０００８】 両側板２１、２２、頭側板２３および足側板２４は、これらを立ち上げた状態 において、図５に示す着脱自在の連結具５により相互に連結でき、連結状態でベ ッド床板１２を底板とする４角形の平底船型を呈する。 連結具５は、頭側板２３および足側板２４の上部（先端部）に設けた棚板２３ １および２４１の両側と、これに対応する位置の両側板２１、２２とに設けられ ている。

【０００９】 この実施例では、連結具５は、先端がフック５１となっている係合棒５２と、 該係合棒５２のクランプ機構５３とからなる操作部５０が、前記頭側板２３およ び足側板２４の上部外壁の両側に固着され、前記フック５１が引っ掛けられる穴 ５４付き止め金具５５が前記両側板２１、２２に固着されて構成されている。な お、他の構造の連結具が使用可能であることは当然である。

【００１０】 この実施例では、図４に示す如く、床板３は中間床板３１、頭側床板３２およ び足側床板３３に分割されており、脚台１２には、頭側床板３２および足側床板 ３３を回動させるための回動機構３４、３５が設けられている。回動機構３４、 ３５は、頭側床板３２および足側床板３３を図４に示す如く所望の角度に設定可 能とし、ベッド１をソファとして使用できるようにしている。 防水シート４、マット１３および床板１２には、図３に示す如く、これらを貫 通して一対の排水穴４０、４０が形成されている。排水穴４０、４０には、排水 パイプ４１、４１の端部が差し込まれ、の先端は防水シート４の排水穴４２、４ ２と着脱可能であるとともに水密的に連結されている。排水パイプ４１、４１の 端面には着脱自在に栓４３、４３が取り付けられている。

【００１１】 両側板２１、２２は、いずれも長手方向に３分割され、中間側板２５、頭側側 板２６および足側側板２７からなる。図５に示す如く、中間側板２５は、一対の ヒンジｈにより前記中間床板３１に連結され、頭側側板２６は中間側板２５にヒ ンジｈにより連結されている。また、足側側板２７は、足側床板３３に一対のヒ ンジｈにより連結されるている。この実施例では、足側側板２７は長手方向に分 割されて一対のヒンジｈにより連結された足側側板２７１および２７２からなり 、図４に示すソファとしての使用時に足側側板２７２が足側床板３３の下面に折 り畳めるようになっている。

【００１２】 中間側板２５および防水シート４には水位調節のためのオーバーフロウ穴４４ ４４が形成してある。オーバーフロウ穴４４、４４には、外側からオーバーフロ ウパイプ４５、４５（図３に示す）が差し込まれ、オーバーフロウパイプ４５、 ４５の先端は防水シート４のオーバーフロウ穴４６、４６と着脱可能で水密的に 連結されている。オーバーフロウ穴４６は、湯張りが過多で浴槽２内の湯が飛散 したり、不注意で浴槽から溢れることを防止する作用を有し、この実施例では、 図３に示す如く、各オーバーフロウパイプ４５、４５は、各排水パイプ４１、４ １に連結されている。

【００１３】 図１、図２、図３に示す如く、浴槽２が組み立てられた状態において、足側側 板２４側には、足当接板６が着脱自在に設置される。足当接板６の上部には湯お よび水の供給源（図示せず）に連結された蛇口６１およびシャワー６２が装着さ れている。 足当接板６は、入浴中の入浴者の身長にあわせて足当接板６が入浴者の足裏に 当たるようを変位させ入浴者の安定感を向上させる機能を有する。 なお、風呂として使用する場合の組み立て工数を低減させるため、足当接板６ の代わりに、足側側板２７の上部に蛇口６１およびシャワー６２を装着してもよ い。

【図面の簡単な説明】

【図１】浴槽を組立た状態の斜視図である。

【図２】浴槽を解体した状態の頭側から見た斜視図であ
る。

【図３】浴槽を組立た状態の正面断面図である。

【図４】浴槽を組立た状態の側面断面図である。

【図５】風呂を兼ねたベッドをソファ状にした状態の斜
視図である。

【図６】連結具の斜視図である。

【符号の説明】

１ ベッド ２ 組立式浴槽 ３ 床板 ４ 防水シート ５ 連結具 ６ 足当接板

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッドと、該ベッドの上部に取り付けら
   れた矩形の床板と、該床板の上に設置されたマットと、
   前記床板の両側に回動自在に連結された両側板と、前記
   床板の足がわ側に回動自在に連結された足側板と、前記
   床板の頭がわ側に回動自在に連結された頭側板と、前記
   両側板、足側板、および頭側板を所定の角度に立てた状
   態でこれらを着脱自在に連結する連結具と、該連結具に
   より連結された状態において、前記両側板、足側板、お
   よび頭側板の内壁面および前記マットの上面に接触する
   防水シートとからなる浴槽を兼ねた敷布団。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記頭側板または前
   記足側板を回動させる回動機構を付設したことを特徴と
   する浴槽を兼ねたベッド。
3. 【請求項３】 請求項１において、前記床板、前記マッ
   トおよび前記防水シートを貫通する排水口を設けるとと
   もに、該排水口に排水パイプを差し込み、該排水パイプ
   の端と前記防水シートとを水密状態で着脱可能に連結し
   たことを特徴とする浴槽を兼ねたベッド。
4. 【請求項４】 請求項１において、前記両側板の中間位
   置に該両側板および前記防水シートを貫通するオーバー
   フロー口を設け、該オーバーフロー口にオーバーフロー
   パイプを差し込み、該オーバーフローパイプの端と前記
   防水シートとを水密状態で着脱可能に連結したことを特
   徴とする浴槽を兼ねたベッド。