JPH0682927B2 - ポリフェニレンオキサイド樹脂系lcr多層板 - Google Patents

ポリフェニレンオキサイド樹脂系lcr多層板

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JPH0682927B2
JPH0682927B2 JP63015570A JP1557088A JPH0682927B2 JP H0682927 B2 JPH0682927 B2 JP H0682927B2 JP 63015570 A JP63015570 A JP 63015570A JP 1557088 A JP1557088 A JP 1557088A JP H0682927 B2 JPH0682927 B2 JP H0682927B2
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    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/16Printed circuits incorporating printed electric components, e.g. printed resistor, capacitor, inductor
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    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
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    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits
    • H05K3/4644Manufacturing multilayer circuits by building the multilayer layer by layer, i.e. build-up multilayer circuits
    • H05K3/4673Application methods or materials of intermediate insulating layers not specially adapted to any one of the previous methods of adding a circuit layer
    • H05K3/4676Single layer compositions

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  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ポリフェニレンオキサイド樹脂系LCR多層
板に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、
信号処理の高速化、配線の高速度化とともに、LCRの機
能高度化を可能とする、内層にLCRを有するポリフェニ
レンオキサイド樹脂系LCR多層板に関するものである。
(従来の技術) 電気、電子機器に用いられている配線板については、信
号処理速度の高速化、配線の高密度化、実装の小型化な
どの要求が高まっており、これらの要請に対処するため
に配線板の材料構成とその多層化の検討が急速に進んで
いる。
従来、このような技術進歩の前線にある多層板について
は、それを構成する材料樹脂として、エポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂や、低誘電率樹脂としての弗素樹脂、ポリ
ブタジエン樹脂などが用いられてきており、また、その
材料樹脂に対応しての特性の改善も精力的に進められて
きている。
また一方、多層化による回路および実装の高密度小型化
の流れは、コイル(L)、コンデンサ(C)および抵抗
(R)からなる回路要素であるLCRを内層に形成した多
層板の開発へと発展している。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の多層板技術は、要請されている種
々の特性、性能を十分に満足する段階までには至ってい
ない。
たとえば、多層板を構成する樹脂については、従来のエ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂の場合加工性には優れてい
るものの、誘電率および誘電損失がともに大きいため、
信号処理速度の高速化には対応することができない。一
方、弗素樹脂やポリブタジェン樹脂は誘電率は低いもの
の、加工性に劣り、スルーホールメッキが難しく、寸法
安定性にも劣るという欠点があった。
さらにまた、これら樹脂の場合には、コスト高にもなる
という問題があった。
このため、耐熱性、加工性、寸法安定性が良好であると
ともに、多層化が容易で、しかも低誘電率で高速信号処
理を安定して行うことのできる新しい多層板用樹脂の実
現が求められていた。
また、この材料面での制約とともに、高密度化の点にお
いても多くの課題が残されている。たとえば、ディジタ
ルICを搭載する場合には誤動作やノイズ防止のために多
量のコンデンサをICの各ピンに取付けているのが実状で
あり、このコンデンサ機能を多層板の樹脂層に持たせる
ことは実現されていない。LCR多層板が提案されている
現状においても、コイル(L)やコンデンサ(C)の構
造をどのように多層板に形成するのかは依然として未解
決の問題である。
このため、LCR多層板として新しい次元に向っている多
層板に、どのように高度機能を実現するのかが極めて重
要な課題になっている。
(課題を解決するための手段) この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもので
あり、従来の多層板の課題を解決し、多層板を構成する
樹脂の特性と高密度化のためのLCR機能とを関連づけ、
多層板の各層の誘電率を制御し、高速信号処理、高密度
化とともに、LCRの機能高度化を可能とする新しいLCR多
層板を提供することを目的としている。
この発明は、この目的を実現するために、内層に1また
は2以上のLCRを有し、誘電率の異なる樹脂層によって
積層一体化してなることを特徴とするポリフェニレンオ
キサイド樹脂系LCR多層板を提供する。
この発明の多層板は、内層に形成したLCRの各要素、す
なわちコイル(L)、コンデンサ(C)、抵抗(R)の
機能に対応づけつつ、多層板樹脂層の誘電率を相異させ
ることを特徴としている。たとえば、コンデンサに対応
する樹脂層には高誘電率の樹脂からなる層を配設し、他
方で、高速信号伝達に係る回路部の樹脂層には、低誘電
率の樹脂からなる層を配設する。
高誘電率の樹脂層には、このようにして、安定化コンデ
ンサの機能を持たせ、電源の安定化を図ることができ
る。
このような多層板の樹脂層を構成する樹脂としては、ポ
リフェニレンオキサイド樹脂からなるものを用いるが、
特にこの発明の樹脂は、ポリフェニレンオキサイド、架
橋性ポリマーおよび/または架橋性モノマーを含有する
樹脂組成物、またはこれに無機充填剤を含有する樹脂か
らなることを特徴としてもいる。
この発明に用いるポリフェニレンオキサイドは、ガラス
転移点が比較的高く、低誘電率、低誘電損失の樹脂であ
り、さらに、架橋性ポリマー、架橋性モノマー等の架橋
剤の添加により耐熱性、耐薬品性、寸法安定性にも優れ
たものとなることが期待されるものである。また無機充
填剤をその種類と量を制御して添加することにより、誘
電率を低いレベルから約10MHz以上の高誘電率まで所望
の値に変化させることもできる。この発明のLCR多層板
は、この特徴を生かして異なる誘電率を有する樹脂層か
らなる多層板を形成するものである。
使用することのできるポリフェニレンオキサイドは、 (Rは、水素または炭素数1〜3の炭化水素基を表し、
各Rは、同じであってもよく、異なってもよい。) で表されるものであり、その一例としては、ポリ(2,6-
ジメチル‐1,4-フェニレンオキサイド)を挙げることが
できる。
その分子量は特に限定するものではないが、たとえば、
重量平均分子量(Mw)が50,000、分子量分布Mw/Mn-4.2
(Mnは数平均分子量)であることが好ましい。
このようなポリフェニレンオキサイドは、たとえば、上
記ポリ(2,6-ジメチル‐1,4-フェニレンオキサイド)に
ついては、2,6-キシレノールを、触媒の存在下で、酸素
を含む気体およびメタノールと酸化カップリング反応さ
せることにより得ることができる。
架橋性のポリマーとしては、たとえば、1,2-ポリブタジ
エン、1,4-ポリブタジエン、スチレンブタジエンコポリ
マー、変性1,2-ポリブタジエン(マレイン変性、アクリ
ル変性、エポキシ変性)、ゴム類などが挙げられ、それ
ぞれ、単独でまたは2つ以上併せて用いることができ
る。ポリマーの状態は、エラストマーでもラバーでもよ
い。
ただし、この発明のLCR多層板を後述するキャスティン
グ法により成形したフィルムを用いて製造する場合に
は、そのフィルムの成膜性を良くするという点から、比
較的高分子量のポリスチレンを用いることが好ましい。
また、架橋性モノマーとしては、たとえば、エステル
アクリレート類、エポキシアクリレート類、ウレタンア
クリレート類、エーテルアクリレート類、などのアクリ
レート類、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどの多官能モ
ノマー、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ス
チレンなどの単官能モノマー、多官能エポキシ類など
が挙げられ、それぞれ、単独であるいは2つ以上併せて
用いることができる。このうち、トリアリルシアヌレー
トおよび/またはトリアリルイソシアヌレートが、ポリ
フェニレンオキサイドと相溶性が良く、成膜性、架橋
性、耐熱性および誘電特性の面で好ましい。
このトリアリルシアヌレートとトリアリルイソシアヌレ
ートとは、化学構造的には異性体の関係にあり、ほぼ同
様の成膜性、相溶性、溶解性、反応性などを有するの
で、いずれか一方ずつまたは両方ともに同様に使用する
ことができる。
以上のような架橋性ポリマーおよび架橋性モノマーは、
いずれか一方のみを用いるようにしてもよいし、併用す
るようにしてもよいが、併用するほうが、より特性改善
に効果がある。
このほか、この発明に用いるポリフェニレンオキサイド
樹脂組成物には、通常は適宜な開始剤を用いる。開始剤
としては、ポリフェニレンオキサイド樹脂を紫外線硬化
型かまたは熱硬化型にするかにより以下の2通りのもの
を選ぶことができるが、これらに限定されることはな
い。
紫外線硬化型の光開始剤としては、ベンゾイン、ベンジ
ル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルイソブ
チルエーテル、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノ
ン、アセトフエノン、ベンゾフェノン、テトラメチルチ
ウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリルなどを
使用でき、また熱硬化型の開始剤としては、ジクミルパ
ーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、ベ
ンゾイパーオキサイド、ジ‐tert-ブチルパーオキサイ
ド、などの過酸化物、2-ヒドロキシ‐2-メチル‐1-フェ
ニル‐プロパン‐1-オン、1-(4-イソプロピルフェニ
ル)‐2-ヒドロキシ‐2-メチルプロパン‐1-オン、ベン
ゾインメチルエーテル、メチル‐o-ベンゾイルベンゾエ
ート、α‐アシロキシムエステルなどを使用できる。こ
れらの開始剤は、それぞれ、単独でまたは2つ以上併せ
て用いてもよい。
また、紫外線による開始剤と熱による開始剤とを併用し
てもかまわない。
以上のポリフェニレンオキサイドと、架橋性のポリマー
および/またはモノマーさらに開始剤の配合割合は、通
常、好適にはポリフェニレンオキサイド10〜95重量部、
架橋性ポリマー/モノマー1〜90重量部、開始剤0.1〜
5重量部とするのが好ましい。
LCR多層板の各層の誘電率は、無機充填剤の添加によっ
ても制御することができる。このような無機充填剤とし
ては、たとえば、 二酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系セラミ
ック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウ
ム系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チ
タン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系
セラミック、ジルコン酸鉛系セラミックなどを単独また
は複数併せて使用することができ、その際焼成して用い
るのが好ましい。
無機充填剤としては、比誘電率が10以上のものを用いる
のが特に好ましい。この充填剤は、前記の樹脂等の組成
比に対して、1〜200重量部の割合で通常は配合する。
これらの組成からなるポリフェニレンオキサイド樹脂組
成物は、通常、溶剤に溶かして分散し、混合する。この
場合、溶剤の使用量は、ポリフェニレンオキサイド樹脂
組成物の5〜50重量%溶液(または、溶剤に対し、樹脂
固形分量が10〜30重量%の範囲)となるようにするのが
好ましい。溶剤としては、トリクロロエチレン、トリク
ロロエタン、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベン
ゼンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンな
どの芳香族炭化水素、アセトン、四塩化炭素などを使用
でき、特にトリクロロエチレンが好ましい。これらはそ
れぞれ単独でまたは2つ以上混合して用いることができ
る。
無機充填剤は、粒状、不定形、あるいはフレーク状の適
宜な形状で混合することができる。フレーク状のもの
は、耐薬品性、剛性など等に優れ、樹脂層の反りを小さ
なもものとする。
この発明のLCR多層板は、このようなポリフェニレンオ
キサイド樹脂組成物からシートを形成し、またはこれを
基材に含浸させてプリプレグ、コア材等を製造し、次い
で常法に従って他の基材、フィルム、プリプレグ、金属
箔等とともに多層積層一体化することにより製造するこ
とができる。
ポリフェニレンオキサイド樹脂組成物からシートに形成
するに際しては、例えば、キャスティング法を用いるこ
とができる。
キャスティング法は、溶剤に混合している樹脂を流延ま
たは塗布等により薄層にした後その溶剤を除去すること
により硬化物とする方法である。このキャスティング法
をより具体的に説明すると、溶剤に混合した状態のポリ
フェニレンオキサイド樹脂を鏡面処理した鉄板またはキ
ャスティング用キャリアーフィルムなどの上に、たとえ
ば、5〜700(好ましくは、5〜500)μmの厚みに流延
(または、塗布)し、十分に乾燥させて溶剤を除去する
ことによりシートを得るというものである。
キャスティング用キャリアーフィルムとしては、特に限
定するわけではないが、ポリエチレンテレフタレート
(以下、「PET」と略す)フィルム、ポリエチレンフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィル
ム、ポリイミドフィルムなど上記溶剤に不溶のものが好
ましく、かつ、離型処理されているものが好ましい。
乾燥は、風乾または熱風乾燥等により行う。その際の温
度範囲は、上限を溶剤の沸点よりも低いか、または、キ
ャスティング用キャリアーフィルムの耐熱温度よりも低
くすること(キャスティング用キャリアーフィルム上で
乾燥を行う場合)が好ましい。
ポリフェニレンオキサイド樹脂組成物を基材に含浸させ
てプリプレグに製造するに際しては、一般に以下のよう
な方法を取ることができる。
すなわち、ポリフェニレンオキサイド樹脂組成物の溶剤
分散液中に基材を浸漬(ディッピング)するなどして、
基材にこれらのポリフェニレンオキサイド樹脂組成物を
含浸させ付着させる。そして、乾燥などにより溶剤を除
去するか、あるいは半硬化させてBステージにする。こ
の場合のポリフェニレンオキサイド樹脂組成物の含浸量
は、特に限定しないが、30〜80重量%とするのが好まし
い。基材は、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエス
テルクロス、ナイロンクロスなど樹脂含浸可能なクロス
状物、それらの材質からなるマット状物および/または
不織布などの繊維状物、クラフト紙、リンター紙などの
紙などを用いることができる。このようにして、プリプ
レグを作製すれば、樹脂を溶融させなくてもよいので、
比較的低温でより容易に行うことができる。
この発明のLCR多層板に用いる回路形成用の金属箔とし
ては、通常の配線板に用いるものを広く使用することが
できる。たとえば、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔を
用いることができる。
ポリフェニレンオキサイド樹脂組成物から製造したコア
材、シート、プリプレグを用いて多層板を製造する方法
としては、たとえば、以下のような方法を用いることが
できる。
すなわち、適度に乾燥させた上記のシートおよび/また
はプリプレグを所定の設計厚みとなるように所定枚組み
合わせ、必要に応じて金属箔も組み合わせて積層し、加
熱圧締して積層体を得る。このときの加熱でラジカル開
始剤による架橋反応が生じるようにすれば、いっそう強
固な接着が得られる。なお、このような接着は接着剤を
併用して行ってもよい。
加熱圧締の際の温度は、金属箔とフィルムあるいはプリ
プレグの組合せ等によるが、積層圧締温度はシートのガ
ラス転移点以上で、だいたい160〜300℃ぐらいの範囲に
するのが好ましい。
また、この発明のポリフェニレンオキサイド樹脂組成物
を乾燥器の中に入れて加熱するなどにより架橋する場
合、加熱温度及び加熱時間は開始剤の種類に応じて選
ぶ。
圧締の圧力は、通常は40〜80kg/cm2程度にすることがで
きる。
LCR多層板の各々の樹脂層を所要の誘電率のものにする
ため、この発明においては従来のように単独の種類の樹
脂に限定することなく、所定の誘電率を有する樹脂を種
々組合わせて使用する。
この発明のLCR多層板は、以上のように配線の用途に適
合した種々の誘電率の樹脂層を有するが、この他、多層
板を構成する樹脂層であっても誘電率の厳密な制御が特
に必要とされない層においては、従来より多層板の樹脂
層として用いた樹脂からなる層も特段の制限なく使用す
ることもできる。
次に、添付した図面に沿って、この発明のLCR多層板に
ついて説明する。
第1図は、この発明の多層板の一構成例を示したもので
ある。IC(1)を搭載したこの例の多層板(2)は、8
層の樹脂層を有している。この多層板(2)の内層に
は、図中に示したように、大容量コンデンサ(A)、小
容量コンデンサ(B)、コイル(C)、抵抗(D)から
なるLCRが形成されている。
このLCRの構成に対応して、大容量コンデンサ(A)部
には、高誘電率樹脂層(3)を、また小容量コンデンサ
(B)部には、中誘電率樹脂層(4)を、さらにその他
の部分には、低誘電率の樹脂層(5)(6)(7)
(8)(9)(10)を配設している。
第2図は、別の例について、この発明のLCR多層板の多
層成形を示した分解斜視図である。
下から順に、低誘電率樹脂コア材(11)、高誘電率プリ
プレグ(12)、中誘電率樹脂コア材(13)、低誘電率プ
リプレグ(14)、低誘電率樹脂コア材(15)、低誘電率
プリプレグ(16)および低誘電率樹脂コア材(17)を配
し、多層成形を行っている。この図に示したように、各
コア材には内層回路を形成しており、LCRの各要素とし
て、大容量コンデンサ回路(A′)中容量コンデンサ回
路(B′)、およびコイル回路(C′)、抵抗回路
(D′)を有している。
(作用) この発明のポリフェニレンオキサイド樹脂系LCR多層板
においては、高速信号伝達に対応して低誘電率の樹脂層
を設け、コンデンサに対応して高誘電率の樹脂層を設け
ることが可能となる。高速信号伝達にともなうノイズに
影響されることなく安定した電源電圧の供給ができる。
コア材およびプリプレグの誘電率を相異させることによ
りLCRの機能は大きく向上する。
次に実施例を示してこの発明についてさらに説明する。
(a)低誘電率層用積層板、コア材の作製 (実施例1) 2lの減圧装置付反応器にポリフェニレンオキサイド100
g、スチレンブタジエンコポリマ(旭化成工業(株):
ソルプレンT406)40g、トリアリルイソシアヌレート
(日本化成(株):TAIC)40g、ジクミルパーオキサイド
2gを加え、さらにトリクロロエチレン(東亜合成化学工
業(株):トリクレン)750gを加えて、均一溶液になる
まで充分撹拌した。
その後、脱泡を行い、得られた樹脂組成物溶液を、塗工
機を用いてPETフィルム上に、厚み500μmとなるよう塗
布した。
これを50℃で約10分間乾燥した後、生成した膜をPETフ
ィルムから離型し、120℃でさらに30分間乾燥し、トリ
クロロエチレンを完全に除去してポリフェニレンオキサ
イド形樹脂組成物からなるシートを得た。このシートの
厚みは約150μmであった。
このシートを4枚重ね合わせ、190℃、50kg/cm2の条件
で30分間圧締して完全硬化させ、積層板を作製した。
(実施例2〜6) 同様にして、樹脂配合割合を変えて、表1に示した通り
のシートを得た。
(実施例7) 2lの減圧装置付反応器に入れた800gのトリクロロエチレ
ン(東亜合成化学工業(株):トリクレン)中に、ポリ
フェニレンオキサイド40g、スチレンブタジエンコポリ
マー40g、トリアリルイソシアヌレート120g、2,5-ジメ
チル‐2,5-ジ‐(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン‐
3(日本油脂(株)のパーヘキシン25B)6gを加え、均
一溶液になるまで充分撹拌した。
得られた樹脂組成物溶液にガラスクロス(100g/m2)を
浸漬してこの溶液を含浸させてから取り出し、50℃で約
1分間、80℃で約5分間乾燥させ、プリプレグを得た。
また、得られたプリプレグ4枚を積層し、成形プレスに
より、195℃,10kg/cm2,60分で成形し、積層板を得た。
(実施例8〜18) 実施例7と同様にして、表2に示したプリプレグを作製
した。
ガラスクロスは、実施例8〜15(WE116E)、実施例16〜
18(WE05E)とした。
(実施例19) 実施例1〜2および実施例7〜10の積層板と銅箔とを各
々190℃の温度において65kg/cm2で加圧して両面銅張積
層板を作製し、次いで、通常の方法によってエッチング
して所要の回路を形成し、低誘電率コア材を得た。
(b)高・中誘電率層用の積層板の作製 (実施例20) 2lの減圧装置付反応器にポリフェニレンオキサイド100
g、スチレンブタジエンコポリマー(旭化成工業
(株):ソルプレンT406)30g、トリアリルイソシアヌ
レート(日本化成(株):TAIC)40g、2,5-ジメチル‐2,
5-ジ‐(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3(日本
油脂(株):パーヘキシン25B)2gを加え、さらにトリ
クロロエチレン(東亜合成化学工業(株):トリクレ
ン)750gを加えて、均一溶液になるまで充分撹拌した。
この後、平均粒径1〜2μmのチタン酸バリウム(BaTi
O3)系セラミック粉末150gを加え、ボールミルで約24時
間撹拌し、均一に分散させた。その後、脱泡を行い、得
られたポリフェニレンオキサイド系樹脂組成物溶液を、
塗工機を用いてPETフィルム上に、厚み500μmとなるよ
う塗布した。
これを50℃で約10分間乾燥した後、生成した膜をPETフ
ィルムから離型し、170℃でさらに20分間乾燥し、トリ
クロロエチレンを完全に除去してポリフェニレンオキサ
イド系樹脂組成物からなるシートを得た。このシートの
厚みは約150μmであった。このシートを4枚重ね合わ
せ、220℃、50kg/cm2の条件で30分間圧締して完全硬化
させ、積層板を作製した。
(実施例21〜24) 実施例7と同様にして、表3の積層板を作製した。
(C)LCR多層板の作製 (実施例25) 次に、上記実施例19で得た低誘電率のポリフェニレンオ
キサイド樹脂コア材と実施例20および実施例24で得た高
・中誘電率のポリフェニレンオキサイド樹脂からなる接
着層とを第1図に示したように積層し、200℃、50kg/cm
2で90分間圧締して硬化させ、LCR多層板を得た。
通常の方法によってスルーホール加工・処理を施し、第
1図に示したLCR多層配線板を得た。
この多層配線板を電源回路を備えた高速度信号伝達回路
に使用したところ、電源電圧のゆらぎや信号の乱れもな
く、良好な結果が得られた。
耐熱性、寸法安定性も良好であった。
(発明の効果) この発明の各層の誘電率の異なるLCR多層板は、その用
途に応じて、低誘電率の層から高誘電率の層まで適宜に
組合せることができるので、LCR配線板の機能は飛躍的
に向上する。
高速信号処理に伴うノイズの防止のための多量のコンデ
ンサーの取り付けを不要にすることができ、これにより
配線の高密度化、実装の小型化、低コスト化を図ること
ができる。
また、この発明の多層板はポリフェニレンオキサイド樹
脂を用いるので、低誘電損失特性を生かせるとともに、
耐熱性、耐薬品性、寸法安定性も優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、各々、この発明の実施例を示した
断面図と分解斜視図である。 1……IC 2……多層板 3……高誘電率樹脂層 4……中誘電率樹脂層 5,6,7,8,9,10……低誘電率樹脂層 A……大容量コンデンサ B……小容量コンデンサ C……コイル D……抵抗
フロントページの続き (72)発明者 塀内 隆博 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 小関 高好 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内層に1または2以上のLCRを有し、誘電
    率の異なる樹脂層によって積層一体化してなることを特
    徴とするポリフェニレンオキサイド樹脂系LCR多層板。
  2. 【請求項2】誘電率の異なる樹脂層をポリフェニレンオ
    キサイド、ならびに架橋性ポリマーおよび/または架橋
    性モノマーを含有する樹脂組成物、またはこれに無機充
    填剤を含有してなる樹脂組成物から形成してなる特許請
    求の範囲第(1)項記載のポリフェニレンオキサイド樹
    脂系LCR多層板。
  3. 【請求項3】無機充填剤が比誘電率10以上の高誘電率物
    質からなる特許請求の範囲第(2)項記載のポリフェニ
    レンオキサイド樹脂系LCR多層板。
  4. 【請求項4】無機充填剤が焼成したものである特許請求
    の範囲第(2)項記載のポリフェニレンオキサイド樹脂
    系LCR多層板。
  5. 【請求項5】無機充填剤が二酸化チタン系セラミック、
    チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミッ
    ク、チタン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸カ
    ルシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミッ
    ク、チタン酸マグネシウム系セラミック、ジルコン酸鉛
    系セラミックからなる群の中から選ばれた少なくとも1
    種のセラミック、および/または、前記セラミックの少
    なくとも2種を混合し、焼結して得られたものである特
    許請求の範囲第(4)項記載のポリフェニレンオキサイ
    ド樹脂系LCR多層板。
  6. 【請求項6】誘電率の異なる各層を形成する樹脂組成物
    がポリフェニレンオキサイドを10〜95重量部、架橋性ポ
    リマーおよび/または架橋性モノマーを1〜90重量部、
    無機充填剤を1〜200重量部の割合でそれぞれ含む特許
    請求の範囲第(1)項ないし第(5)項のいずれかに記
    載のポリフェニレンオキサイド樹脂系LCR多層板。
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