JP3633673B2 - プリプレグ及び積層板 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、誘電率及び誘電正接といった誘電特性に優れ、耐熱性及び耐燃焼性が良好な樹脂組成物からなるプリプレグ及び電気絶縁材料用積層板に関するものである。
本発明で用いる樹脂組成物は、基材への含浸性が良好で、誘電率及び誘電正接が低く、かつ耐熱性、耐薬品性及び耐燃焼性を有することから、電気積層板用途への使用に好適である。該樹脂組成物を用いた積層板は、優れた誘電特性を有しており、電子部品の高密度実装にともなうパターンの細密化ならびに信号伝播速度の高速化、高周波信号の低損失化が可能となることから、広範囲な多層板材料における層間絶縁層の薄肉化ならびに軽量化を達成することができる。
【0002】
また、耐熱性が高いことから、近年主流になりつつある表面実装といった、基板自体が高温度条件にさらされる製造工程において、材料の強度を維持し、膨張及び収縮量を低減することができるため、電気用積層板の製造工程をより安定したものとすることができる。
【0003】
【従来の技術】
情報化社会の発展にともない、コンピューターに代表される電子機器の軽薄短小化及び高機能化が進展してきている。プリント配線板分野においても、同様の傾向にあり、高多層化ならびに薄型化及び小型化に対して強い要求がなされるとともに、配線密度の増加、処理速度の高速化及び高周波の低伝送損失といった要求が、基板材料及びその製造技術に課されている。
【0004】
コンピューター演算において、信号伝播速度は、材料の誘電率の平方根に反比例することならびに伝送信号の減衰は、誘電正接に比例することなどから、高速演算用または高周波信号を扱う基板材料では、これらの値を極力低く抑えることが必要となる。誘電率を低く抑制する試みとして、ベース樹脂の組成及び骨格の変更ならびに基材の面から種々の検討が行われてきているが、未だ十分な値が得られていない。
【0005】
電子機器用途のプリント配線基板として、これまでエポキシ樹脂を用いた積層板が広く使用されてきている。しかし、近年の電子機器における実装密度の増大にともなうパターン配線の高密度化、表面実装方式への移行及び信号伝播速度の高速化と取り扱う信号の高周波化にともない、低誘電率及び低誘電正接化ならびにその耐熱性の向上が強く要望され、樹脂組成、基材などの面から種々検討がなされてきているのが現状である。
【0006】
ラジカル共重合物の中で、スチレンと無水マレイン酸を必須成分とした共重合物は、それ自身の特徴、すなわち熱安定性、溶融粘度及び融点の高さならびに種々の有機溶媒への溶解性から、多くの分野で使用されている。既に公知である代表的例としては、エポキシ樹脂と上記共重合物とを混練、粉砕した塗料組成物(特開昭47−8087 )、可撓性エポキシ樹脂、上記共重合物等による可撓性印刷配線板(特開昭49−109476 )、エポキシ樹脂、上記共重合物、重合性不飽和基を有する樹脂及び重合性ビニルモノマーなどからなる積層板用樹脂組成物(特開平2−127415)などが挙げられる。特開昭47−8087 は、塗料用組成物として部分的に硬化、粉砕されたものであり、特開昭49−109476 は、可撓性付与のために反応性エポキシ希釈剤とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体が必須であり、特開平2−127415は、重合性ビニルモノマー以外の溶剤を含有しない、いわゆる湿式法プロセス用であり、通常使用されている有機溶剤を使用する乾式法プロセスには適用できず、応用範囲の限定されたものである。
【0007】
ポリスチレン系樹脂は、熱可塑性樹脂の中でも誘電率、誘電正接とも最も低い部類に属す優れた特性を持つ。エポキシ樹脂へのポリスチレン系樹脂のブレンドは公知であるが、通常の高分子量体をエポキシ樹脂にブレンドした場合、ポリスチレン系樹脂で誘電特性を低下させるに十分な量配合するとなると、ワニスの粘度増加が著しくて基材への塗工性が悪くなる。また、難燃性の保持が困難になる、金属箔との接着力が不足する等の問題が有り、電気絶縁用積層板用途に実用化された例は無い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これまでのエポキシ樹脂積層板の多くは、主としてエポキシ樹脂をアミン系、フェノール系もしくは、酸無水物系硬化剤により半硬化させた含浸基材を積層加熱成形することにより製造されているが、近年の強い低誘電特性化の要求ならびに表面実装のような製造工程の過酷化に対して、十分な特性値が得られていないのが現状である。また、誘電特性、耐熱性などの面から、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などを用いた積層板が提示されているが、価格が高価であることならびに成形性及び加工性が比較的難しいといった問題を抱えており、民生用途に広く展開できない状態である。
これらから、比較的廉価であり、電子部品の高密度化及び表面実装に適用可能であるような、更に誘電特性に優れ、耐熱性の高い積層板が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、種々検討した結果、特定のスチレンと無水マレイン酸からなる共重合物を特定のエポキシ樹脂の必須の硬化剤として用い、特定のスチレン系化合物を添加し、かつ、特定の溶剤を用いたエポキシ樹脂組成物が、基材への含浸性ならびに塗工性が良好で、電気積層板用途に十分適用可能であり、また、該樹脂組成物を用いた積層板は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ高耐熱性であり、難燃性付与が可能な積層板を得ることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するブロム化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック系エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂とテトラブロムビスフェノールAの反応物、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂からなる群から選択された1種または2種以上のエポキシ樹脂であり、平均ブロム含有率が 25 重量%以上、平均エポキシ当量が 500 以下、平均水酸基濃度が 1 × 10 -3 mol/ g以下であるエポキシ樹脂(I)、スチレン及び無水マレイン酸を必須成分としてなる酸価 100 〜 600 mg KOH/g の共重合体であるエポキシ樹脂硬化剤(II)、スチレンまたは置換スチレンの低重合体および/またはスチレン付加型フェノール類からなるスチレン系化合物(III)、および沸点が100℃以上の該樹脂(I)、該硬化剤(II)及び該スチレン系化合物(III)の溶剤(IV)を必須成分としてなるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグ並びに該プリプレグを使用した積層板である。
【0011】
本発明の好ましい態様においては、該硬化剤が(Il)、スチレンと無水マレイン酸の構成比が 9:1〜5:5、数平均分子量 1,000〜3,000、1分子中に少なくとも1個の酸無水物基を有する共重合体であること、該スチレン系化合物(III)が、下式(1)および/または下式(2)に示す構造であることである。
【0012】
【化2】
(式(1) において、R1は水素または炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基、R2はハロゲンあるいは炭素数1〜8の脂肪族または芳香族炭化水素基、mは0〜3の整数、nは3〜10の整数である。式(2) において、nは1〜3の整数である。)
【0013】
また、本発明においては、該樹脂(I) の全エポキシ基量をA、該硬化剤(II)の酸無水物基量をB、該スチレン系化合物(III) 中のフェノール性水酸基の量をCとした時に、A:(B+C)=1:(0.3〜1.5)であること、該スチレン系化合物(III) の配合量が、該樹脂(I)と該硬化剤(II)との総重量に対して5〜30重量部であることを特徴とするプリプレグであり、これらのプリプレグを使用してなる低誘電率、低誘電正接及び高耐熱性電気絶縁材料用の積層板である。
【0014】
本発明のエポキシ樹脂(I)は、請求項記載の1分子中に2個以上のエポキシ基を有するブロム化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック系エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂とテトラブロムビスフェノールAの反応物、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂からなる群から選択された1種または2種以上のエポキシ樹脂であり、全エポキシ樹脂中の平均ブロム含有率が25重量%以上、平均エポキシ当量 500以下で、平均水酸基濃度が1×10-3 mol/g以下である。本エポキシ樹脂に該当すれば、特に限定されるものではなく、ブロム化エポキシ樹脂単独もしくは、他のブロム化エポキシ樹脂、または、非ブロム化エポキシ樹脂などを1種もしくは2種以上適宜混合して使用することが可能である。
【0016】
平均エポキシ当量が 500以上のエポキシ樹脂を用いた場合、繊維質基材への含浸性不良となることから、プリプレグの外観が著しく低下する。また、全エポキシ樹脂中の平均ブロム含有率が、25重量%以下になると樹脂組成物全体での難燃性の保持が困難となる。
【0017】
エポキシ樹脂の中には分子中に2級の水酸基を有するものがある。水酸基のような大きく分極した官能基が多いと樹脂組成物の誘電率および誘電正接が所望の値より大きくなるため、全エポキシ樹脂中の平均水酸基濃度が 1×10−3 mol/g以下である必要がある。
【0018】
本発明のエポキシ樹脂硬化剤(II)は、スチレン及び無水マレイン酸を必須成分として得られる酸価 100 〜 600 mg KOH/g の共重合樹脂であって、スチレンと無水マレイン酸のモル比が9:1〜5:5、数平均分子量1,000〜3,000であり、1分子中に少なくとも1個の酸無水物基を有する共重合体を主な硬化剤とし、エポキシ基に対する酸無水物基のモル比が0.3〜1.5の範囲である。
【0019】
その具体的な代表例としては、エルフ・アトケム社製の SMA1000A(融点 160℃、ガラス転移温度 54℃、酸価480 mg KOH/g)、 SMA2000A(融点 150℃、ガラス転移温度 124℃、酸価335 mg KOH/g)及び SMA3000A(融点 123℃、ガラス転移温度 125℃、酸価285 mg KOH/g)等が挙げられる。
【0020】
エポキシ基に対する酸無水物基のモル比が、0.3 未満では、誘電特性に向上は少なく、発明効果が消失する。モル比が 1.5を超えると、樹脂組成物中に未反応基が残存することから、繊維質基材への含浸性不良ならびに耐湿性の低下といった問題を呈する。また、数平均分子量が 1,000未満では硬化樹脂の架橋密度が低下するため耐熱性の向上効果が得られず、3,000 を越えるとワニスの粘度が上昇して基材への含浸性が低下する。
【0021】
また、必要に応じ、周知のエポキシ樹脂の硬化剤(酸無水物、フェノール化合物、アミン化合物など)を、所期の特性を損なわない範囲において、上記共重合物とあわせて使用することも可能である。
【0022】
本発明では、該樹脂組成物の硬化速度を、適宜調節するために硬化促進剤を添加することを妨げない。これらは、エポキシ樹脂の硬化促進剤として一般に用いられているものであれば特に限定されない。代表的な例としては、イミダゾール類及びその誘導体ならびに第3アミン類などが挙げられる。
【0023】
本発明のスチレン系化合物(III) は、スチレンまたは置換スチレンの低重合体および/またはスチレン付加型フェノール類である。スチレンまたは置換スチレンの低重合体としては、上記した式(1) に示される構造のものである。
その具体的な代表例としては重量平均分子量約 300〜1,000 のスチレンのオリゴマー、αメチルスチレンのオリゴマー、臭素化スチレンのオリゴマーおよびこれらの共重合オリゴマーなどが挙げられる。
【0024】
重合度nが2以下では、該スチレン系化合物の沸点が低く、塗工乾燥中に揮散して硬化物中への配合量のコントロールが困難になる。また、10を越えると分子量が大きくなりワニスの粘度が高くなるため、塗工性が悪くなる。本発明においては、該スチレン系化合物中にこれら請求範囲外の重合度のスチレン化合物が、本発明の効果を損なわない範囲において少量含有される事を妨げない。
【0025】
ハロゲン置換されたものはスチレン系化合物の配合量を増した際にも、難燃性の保持が容易なため好ましい。スチレン付加型フェノール類としては、上記した式(2) に示されるものである。
フェノール性水酸基がエポキシ基と反応するため、塗工乾燥時の揮散防止や硬化物の相溶性向上の点から好ましい。
これらスチレン系化合物は1種あるいは2種以上を混合して用いることが可能である。配合量が5重量部以下では誘電率、誘電正接の減少が不十分であり、30重量部以上では接着性、耐燃焼性、耐熱性が低下して好ましくない。
【0026】
本発明においては、所期の特性を損なわない範囲において、該樹脂組成物への無機及び有機物充填剤の添加も可能である。これらは、周知であり、一般に使用されているものであれば、特に限定されない。その代表的な例としては、天然シリカ、溶融シリカ、チタンホワイト、タルク、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ、マグネシア、ガラス短繊維、中空ガラス粉末及びガラス微粉末といった無機物、シリコーンパウダー、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリフェニレンエーテルなどの有機物粉末が挙げられる。
【0027】
本発明の溶剤(IV)は、沸点 100℃以上、好ましくは 120℃以上で、該樹脂(I) 、該硬化剤(II)及び該スチレン系化合物(III) を容易に溶解する有機化合物(良溶媒)である。
代表的な例としては、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、それぞれ単独もしくは、2種以上混合して使用することが可能である。また、沸点が 100℃未満の他の種類の溶剤を必要に応じ、得られるプリプレグの外観を損なわない範囲内で併用してもよい。
【0028】
本発明においては、所期の特性を損なわない範囲において、該樹脂組成物に対して、染料及び顔料などを添加することも可能である。
また、所期の特性を損なわない範囲において、該樹脂組成物へのUV吸収剤、蛍光増白剤、光重合開始剤及び酸化防止剤などの添加も可能である。これらは、周知であり、一般に使用されているものであれば、特に限定されない。その代表的な例としては、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、スチルベン誘導体などの蛍光増白剤、チオキサントン系などの光重合開始剤、ヒンダードフェノール系などの酸化防止剤が挙げられる。
【0029】
上記の該樹脂(I) 、該硬化剤(II)、該スチレン系化合物(III) 及び該溶剤(IV)を必須成分とする樹脂組成物を基材に含浸・乾燥し、適宜 B−stage化して本発明のプリプレグを製造する。本発明のこの基材は、公知の各種電気積層板に用いられているものが使用できる。
その材質の代表的な例としては、E、D、S及びQガラスなどの無機物繊維、ポリイミド、ポリアリレート及びテトラフルオロエチレンなどの有機物繊維、及びそれらの混合物などが挙げられる。これらを用いた基材は、その形状により織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット及びサーフェシングマットなどが挙げられるが、上述の種類及び形状は、目的とする成形物の用途及び性能により適宜選択されるものであり、必要により単独もしくは、2種類以上の種類及び形状からの混合使用が可能である。
厚みに特に制限はないが、通常0.03〜0.5mm を用いることができ、シラン系カップリング剤に代表される処理剤により表面処理したものならびに機械的に開繊処理を施したものは、含浸性向上などの面からより好適である。
【0030】
該基材に対する樹脂の含浸量は、乾燥後のプリプレグ中の樹脂含有率が20〜90重量%の範囲であり、基剤に含浸及び塗工させた後、 100〜200 ℃の乾燥機中で、0.5 〜30分乾燥し、半硬化(B−stage化)させる方法などによリ得られる。
本発明の積層板は、上記した本発明のプリプレグを用いて積層成形してなるものである。具体的には、本発明のプリプレグを適宜、複数枚重ね、所望によりその片面もしくは両面に銅、アルミニウムなどの金属箔を配置した構成で積層成形することにより製造する。
【0031】
金属箔は、電気積層板用途で用いられているものであれば、特に限定はない。また、積層成形は、電気用の積層板、多層板の通常の積層方法が適用でき、例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形などを使用し、温度 100〜200 ℃、圧力 2〜100 kg/cm2、0.03〜3時間の範囲である。
また、通常のあるいは本発明による積層板からなる内層用プリント配線板と組み合わせて積層加熱成形することにより、低誘電率及び低誘電正接の絶縁層を有する多層プリント配線板を製造することができる。
【0032】
【実施例】
実施例1
スチレン及び無水マレイン酸を必須成分として得られる共重合樹脂(SMA1000A) 30 重量部をジメチルホルムアミド(沸点 153℃)に少量ずつ投入、全量が溶剤に均一溶解するまでスピードミキサーにて混合攪拌した。次いで、アルキルフェノールノボラックエポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの反応物であるエポキシ樹脂(LDX4127、エポキシ当量 395、臭素含有率27重量%、水酸基濃度約 3.5×10−4 mol/g、住友化学工業(株)製)の70重量部と、スチレンオリゴマ(ピコラスティックA75 、重量平均分子量 917、米国ハーキレス社製)の5重量部を添加して混合攪拌を続け、均一に混合した時点でスピードミキサーから取り出し、ワニスを得た。
【0033】
このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、ガラスクロス(Eガラス、厚さ0.1 mm)に含浸塗工し、 150℃で5分〜10分間乾燥して樹脂含有率45重量%のタックフリーのプリプレグを得た。
次に該プリプレグを7枚重ねて上下に18μmの電解銅箔を重ねて、圧力 50kg/cm2,温度 130℃で30分加熱し、更に 180℃で1時間プレスを行い積層板を得た。製造した両面銅張積層板の物性を測定した結果を表1に示した。
【0034】
実施例2
溶剤としてキシレンを用い、共重合樹脂(SMA3000A) 43 重量部、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピクロン 152、エポキシ当量 360、臭素含有率45重量%、大日本インキ化学(株)製)47重量部、クレゾールノボラックエポキシ樹脂(ESCN220F 、エポキシ当量 212、住友化学工業(株)製)7重量部、(2種類のエポキシ樹脂の平均エポキシ当量 341、臭素含有率39重量%、平均水酸基濃度約 1.3×10−4 mol/g) 、フェノールノボラック樹脂(フェノライトTD2093、水酸基当量 104、大日本インキ化学(株)製)3重量部、スチレン化フェノール(S−4、重量平均分子量 308、本州化学工業(株)製)10重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.02重量部添加して実施例1と同様にしてワニスを得た。
このワニスを用いる他は実施例1と同様にして積層板を得、物性を測定した結果を表1に示した。
【0035】
実施例3
溶剤としてジメチルホルムアミドを用い、共重合樹脂(SMA2000A) 36 重量部、ブロム化フェノールノボラックエポキシ樹脂(BREN−S 、エポキシ当量 285、臭素含有率35重量%、水酸基濃度 0.1×10−4 mol/g以下、日本化薬(株)製)64重量部、スチレンオリゴマ(ピコラスティックA5、重量平均分子量 317、米国ハーキレス社製)20重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.05重量部を添加し、実施例1と同様にしてワニスを得た。
このワニスを用いる他は実施例1と同様にして積層板を得、物性を測定した結果を表1に示した。
【0036】
実施例4
溶剤としてキシレン(沸点 138〜145 ℃)を用い、共重合樹脂(SMA3000A) 41 重量部、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピクロン152) 51重量部、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピコート 828、エポキシ当量 189、油化シェルエポキシ(株)製)8重量部(2種類のエポキシ樹脂の平均エポキシ当量 337、臭素含有率39重量%、平均水酸基濃度約 1.6×10−4 mol/g)、スチレン化フェノール(S−4) 20重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール
0.03重量部添加して実施例1と同様にしてワニスを得た。
このワニスを用いる他は実施例1と同様にして積層板を得、物性を測定した結果を表1に示した。
【0037】
実施例5
溶剤としてジメチルホルムアミドを用い、共重合樹脂(SMA2000A) 40 重量部、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピクロン 152) 35重量部、ブロム化ビスフェノールA系エポキシ樹脂(エピコート5048、エポキシ当量 675、臭素含有率25重量%、油化シェルエポキシ(株)製)25重量部(2種類のエポキシ樹脂の平均エポキシ当量 491、臭素含有率37重量%、平均水酸基濃度約 8.2×10−4 mol/g) 、スチレンオリゴマ(ピコラスティックA5) 30重量部、ジメチルベンジルアミン 0.05 重量部を添加して実施例1と同様にしてワニスを得た。このワニスを用いる他は実施例1と同様にして積層板を得、物性を測定した結果を表1に示した。
【0038】
比較例1
溶剤としてジメチルホルムアミドを用い、共重合樹脂(SMA2000A) 37重量部、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル(エピクロン 152) 25重量部、ブロム化ビスフェノールA系エポキシ樹脂(エピコート5049、エポキシ当量 745、臭素含有率26重量%、水酸基濃度約18×10−4 mol/g、油化シェルエポキシ(株)製)38重量部(2種類のエポキシ樹脂の平均エポキシ当量 592、臭素含有率34重量%、平均水酸基濃度約1.15×10−3 mol/g)、スチレンオリゴマ(ピコラスティックA5) 30重量部、ジメチルベンジルアミン 0.05重量部を添加して実施例1と同様にしてワニスを得た。
このワニスを用いる他は実施例5と同様にして積層板を得、物性を測定した結果を表1に示した。
【0039】
比較例2
スチレンオリゴマ(ピコラスティックA5) を用いない以外は実施例5と同様にしてワニスを得た。
このワニスを用いる他は実施例5と同様にして銅張り積層板を得、物性を測定した結果を表1に示した。
比較例3
スチレン化フェノール(S−4) の配合量を40重量部にした以外は、実施例4と同様にしてワニスを得た。
このワニスを用いる以外は実施例4と同様にして銅張り積層板を製造し、物性を測定した結果を表1に示した。
【0040】
比較例4
溶剤として、キシレンの代わりにアセトン(沸点57℃)を用いた以外は、実施例2と同様にしてワニスを得た。
このワニスを用いる以外は実施例2と同様にして銅張り積層板を製造し、物性を測定した結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明による樹脂組成物は、繊維質基材への含浸及び塗工性が良好であり、該プリプレグを用いた電気用積層板は、誘電特性、耐熱性及び耐燃焼性に対し優れた性能を示していることがわかる。
Claims (6)
- 1分子中に2個以上のエポキシ基を有するブロム化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック系エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂とテトラブロムビスフェノールAの反応物、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂からなる群から選択された1種または2種以上のエポキシ樹脂であり、平均ブロム含有率が 25 重量%以上、平均エポキシ当量が 500 以下、平均水酸基濃度が 1 × 10 -3 mol/ g以下であるエポキシ樹脂(I)、スチレン及び無水マレイン酸を必須成分としてなる酸価 100 〜 600 mg KOH/g の共重合体であるエポキシ樹脂硬化剤(II)、スチレンまたは置換スチレンの低重合体および/またはスチレン付加型フェノール類からなるスチレン系化合物(III)、および沸点が100℃以上の該樹脂(I)、該硬化剤(II)及び該スチレン系化合物(III)の溶剤(IV)を必須成分としてなるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグ。
- 該硬化剤(II)が、スチレンと無水マレイン酸の構成比が9:1〜5:5、数平均分子量1,000〜3,000、1分子中に少なくとも1個の酸無水物基を有する共重合体であることを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。
- 該樹脂(I)の全エポキシ基量をA,該硬化剤(II)の酸無水物基量をB、該スチレン系化合物(III)中のフェノール性水酸基の量をCとした時に、A:(B+C)=1:(0.3〜1.5)であることを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。
- 該スチレン系化合物(III)の配合量が、該樹脂(I)と該硬化剤(II)との総重量に対して5〜30重量部であることを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。
- 請求項1,2,3,4または5記載のプリプレグを積層成形してなる低誘電率、低誘電正接及び高耐熱性電気絶縁材料用の積層板。
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