JPH0682873U - レーザロッドホルダ - Google Patents

レーザロッドホルダ

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JPH0682873U
JPH0682873U JP2718793U JP2718793U JPH0682873U JP H0682873 U JPH0682873 U JP H0682873U JP 2718793 U JP2718793 U JP 2718793U JP 2718793 U JP2718793 U JP 2718793U JP H0682873 U JPH0682873 U JP H0682873U
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Abstract

(57)【要約】 [目的]レーザロッドの端部を十全にシーリングし、か
つホルダ本体に正確に芯合わせして装着する。 [構成]弾性変形可能なOリング26が、ホルダ本体1
6の開口から内奥へ挿入され、溝部16bに着座させら
れる。レーザロッドLRの一端部がホルダ本体16内に
挿入されると、レーザロッドLRの外側面からの圧力で
Oリング26は半径方向に弾力的に縮んでレーザロッド
LRの軸方向に弾力的に膨らみ、これによりOリング2
6とレーザロッドLRとの間に第1のシール面SE1 が
形成され、Oリング26とホルダ本体16の溝部16b
の内壁面16cとの間に第2のシール面SE2 が形成さ
れる。キャップ20は、ホルダ本体16にねじ込まれる
ことにより、ホルダ本体16の開口端側からバックアッ
プリング28を介してOリング26を押さえつける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、固体レーザ発振装置においてレーザロッドを保持するレーザロッド ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
YAGレーザ等の固体レーザ発振装置では、集光器内の所定位置にレーザロッ ドと励起ランプを平行に配置し、励起ランプより発せられる光をレーザロッドに 集光照射して、レーザロッドを光エネルギで励起し、レーザロッドの両端面より 出射されたレーザ光を全反射ミラーと出力ミラーとからなる光共振器で共振増幅 ののち出力ミラーより発振出力するようにしている。レーザロッドおよび励起ラ ンプは、集光器の外の一対のレーザロッドホルダおよび一対のランプホルダによ ってそれぞれ両端部を保持される。
【0003】 図4は、従来のレーザロッドホルダの要部の構成を示す断面図である。このレ ーザロッドホルダは、円筒状のホルダ本体100の開口部の端面100aと縦断 面がL形の円筒状キャップ102の屈曲部付近の平らな内壁面102aとキャッ プ102の頭部の内側に挿入されたバックアップリング104とで構成される環 状の溝部108に閉じ込めたOリング106によって、レーザロッドLRの一端 部を保持するようにしている。
【0004】 ホルダ本体100の外壁面にはネジ山100bが形成され、このネジ山100 bにキャップ102の基端部の内壁面に形成されたネジ山102bが螺合するよ うになっている。キャップ102がホルダ本体100にねじ込まれると、該溝部 108がホルダの軸方向で狭まって、Oリング106が同方向に圧迫される。一 方、レーザロッドLRがホルダ本体100内に挿入されると、Oリング106は レーザロッドLRの外側面によって半径方向に圧迫される。このように、Oリン グ106は軸方向にも半径方向にも圧力を受けて弾性変形する。このOリング1 06の弾性変形によって、Oリング106とホルダ本体100の開口端面100 aとの間に第1のシール面se1 が形成されるとともに、Oリング106とレー ザロッドLRとの間に第2のシール面se2 が形成される。
【0005】 このレーザロッドホルダおよびレーザロッドLRの回りには冷却水が供給され るため、冷却水がホルダの中に入ってレーザロッドLRの端面LRE に付着する のを防止する必要がある。レーザロッドLRの端面LRE に水が付着すると、そ こでレーザ光が屈折してレーザ発振効率が低下したり、レーザエネルギが集積し てロッド端面LRE が焼損するおそれがあるからである。このレーザロッドホル ダでは、第1のシール面se1 が、ホルダ本体100とキャップ102のネジ部 100b,102bを通って溝部108に侵入してきた水を遮断し、第2のシー ル面se2 が、バックアップリング104とレーザロッドLR間の隙間を通って 溝部108に侵入してきた水を遮断するようになっている。なお、Oリング10 6とキャップ102の内壁面102aとの間にもシール面が形成されるが、この シール面はレーザロッド端面LRE のシーリングに寄与するものではない。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
上記したように、従来のレーザロッドホルダでは、Oリング106の弾性変形 によってその内周側および内奥側にそれぞれ形成される第1および第2のシール 面se1 ,se2 でレーザロッドLRの端面LRE をシーリングするようにして いる。これら第1および第2のシール面se1 ,se2 のシーリング能力(遮断 性)は、それぞれの面積に比例するが、互いに直交しているため二律背反の関係 にある。たとえば、図4に示すようにOリング106が半径方向で縮まって軸方 向に膨らんでいるときは、第2のシール面se2 の面積が大きくて第1のシール 面se1 の面積が小さいため、前者se2 では十分なシーリング能力が得られて も後者se1 のシーリング能力は不十分であり、ここで水がレーザロッド端面L RE 側へ漏れるおそれがある。このように、両シール面se1 ,se2 の一方が 大きくなると、そのぶん他方が減少するため、両者のシーリング能力を同時に高 めることはできない。しかも、ホルダ本体100に対するキャップ102の締め 具合によってOリング106に加わる応力が変わるため、両シール面se1 ,s e2 のシール面積ないしシーリング能力がアンバランスになりやすい。このため レーザロッド端面LRE のシーリングを十全に行うのが難しい。
【0007】 また、従来のレーザロッドホルダでは、レーザロッドLRがOリング106を 介してキャップ102の内壁面102aによって保持される。ところが、ネジ部 100b,102bの間にどうしてもガタが生じるために、キャップ102はホ ルダ本体100に対して傾きやすい。このため、ホルダ本体100にレーザロッ ドLRを正確に芯合わせするのが難しい。
【0008】 本考案は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、レーザロッドの端部を十全 にシーリングし、かつホルダ本体に正確に芯合わせして装着できるレーザロッド ホルダを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本考案のレーザロッドホルダは、円柱状のレー ザロッドの端部を弾性変形可能なリング状のシール部材を介して円筒状のホルダ 本体の内周面で保持し、前記シール部材と前記レーザロッドとの間に第1のシー ル面が形成され、前記シール部材と前記ホルダ本体の内周面との間に第2のシー ル面が形成されるように構成した。
【0010】
【作用】
本考案では、シール部材の内周側および外周側に形成される第1および第2の シール面がレーザロッド端面のシーリングに寄与する。これらのシール面は互い に平行であるから、シール部材を一定方向に弾性変形させることで、両シール面 の面積ないしシーリング能力を同時に増大させることが可能であり、レーザロッ ド端面のシーリングを十全に行うことができる。また、レーザロッドの端部は、 シール部材を介してホルダ本体の内周面によって保持されるから、常にホルダ本 体の軸方向に平行に装着される。
【0011】
【実施例】
以下、図1〜図3を参照して本考案の実施例を説明する。 図1および図2は本考案の一実施例によるレーザロッドホルダの構成を示す図 であって、図1は固体レーザ発振装置内に設けられたこの実施例によるレーザロ ッドホルダの外観を示す一部断面平面図、図2は図1のA−A線についての断面 図である。
【0012】 図1において、固体レーザ発振装置のケーシング本体12に貫通孔14が穿設 され、この貫通孔14の内側にホルダ本体16が挿着固定される。ホルダ本体1 6はたとえばステンレスからなる円筒体で、その先端部または開口部の内側にレ ーザロッドたとえばYAGロッドLRの一端部が挿入され、外側にたとえばステ ンレスからなるキャップ20が螺着される。
【0013】 貫通孔14の開口部の回りに環状の突出部またはフランジ部12aがケーシン グ本体12に一体に設けられ、このフランジ部12aにガラス管22の一端が嵌 合取付される。ケーシング本体12には貫通孔14と交差するように冷却水通路 12bが設けられており、外部の冷却水供給装置(図示せず)よりこの冷却水通 路12bを通って貫通孔14内に導入された冷却水は、ホルダ本体16の回りの 隙間GAを通ってガラス管22内に供給され、ガラス管22の中を他端側に向か って流れながらレーザロッドLRを冷却する。
【0014】 図2において、レーザロッドLRを挿着するホルダ本体16の開口部付近の外 壁面にはネジ山16aが形成されており、内壁面には段状の溝部16bが環状に 形成されている。図示のように、弾性変形可能なリング状のシール部材たとえば シリコンからなるOリング26が、ホルダ本体16の開口から内奥へ挿入され、 溝部16bに着座させられる。ホルダ本体16にレーザロッドLRが挿入されて いないときはOリング26の内周部がホルダ本体16の内周面よりも半径方向内 側にはみ出るように、溝部16bの深さおよびOリング26の太さが選ばれる。 Oリング26とキャップ20の頭部20aとの間にはたとえばテフロンからなる 遮光性のバックアップリング28が挿入される。キャップ20の胴部の内壁面に はネジ山20bが形成されており、このネジ山20bがホルダ本体16のネジ山 16aと螺合するようになっている。
【0015】 レーザロッドLRの一端部がホルダ本体16内に挿入されると、レーザロッド LRの外側面からの圧力でOリング26は半径方向に弾力的に縮んでレーザロッ ドLRの軸方向に弾力的に膨らみ、これによりOリング26とレーザロッドLR との間に第1のシール面SE1 が形成され、Oリング26とホルダ本体16の溝 部16bの内壁面16cとの間に第2のシール面SE2 が形成される。これら第 1および第2のシール面SE1 ,SE2 は、互いに平行で、キャップ20の締め 具合に関係なくOリング26の太さ、溝部16bの深さおよびレーザロッドLR の直径で決まるシール面積を有している。
【0016】 キャップ20は、ホルダ本体16にねじ込まれることにより、ホルダ本体16 の開口端側からバックアップリング28を介してOリング26を押さえつける。 このように、キャップ20は、第1および第2シール面SE1 ,SE2 の形成に 関与するものではなく、Oリング26の抜けを防止するための押さえ部材として 機能する。
【0017】 このレーザロッドホルダにおいては、周囲の水(冷却水)が、キャップ20の 頭部20aの内周面ないしバックアップリング28の内周面とレーザロッドLR の外側面との間の隙間を通って、あるいはネジ山16a,20b間の隙間、ホル ダ本体16の開口端面とキャップ20の頭部20aの内側面との間の隙間および ホルダ本体16の内壁面とバックアップリング28の外周面との間の隙間を通っ て、ホルダ内部のOリング26まで達するおそれはある。しかし、第1および第 2シール面SE1 ,SE2 のどちらも十二分に大きな面積を有するため、ここで 水は確実に遮断され、レーザロッド端面LRE 側へ水が侵入するおそれはない。 このように、レーザロッド端面LRE に水の付着するおそれがないため、レーザ 光が散乱したり、レーザロッド端面LRE が焼損することはなく、安全なレーザ 発振が保証される。
【0018】 また、このレーザロッドホルダでは、レーザロッドLRがOリング26を介し てホルダ本体16の内壁面16cによって保持される。ホルダ本体16は、ケー シング本体12に固定され、軸方向において正確な平行度を有している。この正 確な平行度を有するホルダ本体16の内壁面16cによってレーザロッドLRが 保持されるため、レーザロッドLRはホルダ本体30の軸方向に平行に装着され る。したがって、光共振器(全反射ミラー、出力ミラー)の光軸との芯合わせも 容易であり、安定したレーザ発振効率が得られる。
【0019】 図3は、本考案の別の実施例によるレーザロッドホルダの要部の構成を示す。 この実施例では、筒状ホルダ本体30の内壁面においてOリング32を着座させ る段状溝部30aよりも外側つまり開口端側の位置に環状の切込み30bを形成 し、この切込み30bにリング状キャップ34の環状突起部34aを嵌合させる ことによって、キャップ34をホルダ本体30に着脱可能に取付し、Oリング3 2を段状溝部30aに固定する。
【0020】 この実施例でも、上記第1の実施例と同様に、ホルダ本体30にレーザロッド LRが挿入されていない状態ではOリング32の内周部がホルダ本体30の内周 面よりも半径方向内側にはみ出るように、段状溝部30aの深さおよびOリング 32の太さが選ばれる。そして、レーザロッドLRの一端部がホルダ本体30内 に挿入されると、レーザロッドLRの外側面からの圧力でOリング32は半径方 向に弾力的に縮んでレーザロッドLRの軸方向に弾力的に膨らみ、これによりO リング32とレーザロッドLRとの間に面積の大きな第1のシール面SE1 が形 成されるとともに、Oリング32とホルダ本体30の溝部30aの内壁面との間 にも同様に面積の大きなシール面SE2 が形成される。
【0021】 これにより、キャップ20の内周面とレーザロッドLRの外側面との間の隙間 を通って、あるいはキャップ20の外周面とホルダ本体30の内周面との間の隙 間を通って外から水(冷却水)がホルダの内側に入ってきても、Oリング32の 内周側および外周側に形成されている互いに平行でどちらも面積の大きな第1お よび第2のシール面SE1 ,SE2 がそれぞれ十二分に効果的なシーリング機能 を発揮するため、ここで水が確実に遮断され、レーザロッド端面LRE 側へ水が 侵入するおそれはない。したがって、上記第1実施例と同様に、安定なレーザ発 振が保証される。また、この実施例でも、レーザロッドLRがOリング32を介 してホルダ本体30の内壁面によって保持されるため、レーザロッドLRはホル ダ本体30の軸方向に平行に装着され、安定したレーザ発振効率が得られる。
【0022】 さらに、この実施例においては、ホルダ本体30の内側にキャップ34が取付 されるため、ホルダ全体の径方向のサイズを縮小化することができ、ひいてはフ ランジ部12aの径を小さくし、ガラス管22を細くすることも可能となる。ま た、ホルダ本体30やキャップ34にネジ山を設ける必要がない。また、キャッ プ34をテフロン樹脂等の軟らかい材質で構成することにより、Oリング32を 傷つけずにホルダ本体30に挿着することができる。
【0023】 なお、ホルダ本体16,30の材質はステンレスに限らず、任意の剛体が可能 であり、Oリング26,32の材質もシリコンに限らず任意の弾性変形可能なシ ール材が可能である。また、キャップの形状・取付構造も上述した実施例のもの は一例であり、種々の形態が可能である。
【0024】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案のレーザロッドホルダによれば、シール部材とレ ーザロッドとの間およびシール部材とホルダ本体の内周面との間にそれぞれ形成 される互いに平行な第1および第2のシール面をレーザロッド端面のシーリング に用いるので、各部のシール面積を同時に大きくしてシーリング能力を同時に増 大させるのが容易であり、シーリングを十全に行うことができる。また、レーザ ロッドの端部を弾性変形可能なシール部材を介してホルダ本体の内周面で保持す るので、レーザロッドの端部をホルダ本体に正確に芯合わせして装着することが できる。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】固体レーザ発振装置内に設けられた本考案の一
実施例によるレーザロッドホルダの外観を示す一部断面
平面図である。
【図2】図1のA−A線についての断面図である。
【図3】本考案の別の実施例によるレーザロッドホルダ
の要部を示す断面図である。
【図4】従来のレーザロッドホルダの要部を示す断面図
である。
【符号の説明】
16,30 ホルダ本体 20,34 キヤップ 26,32 Oリング 16b,30a 段状溝部 SE1 第1のシール面 SE2 第2のシール面 LR レーザロッド

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状のレーザロッドの端部を弾性変形
    可能なリング状のシール部材を介して円筒状のホルダ本
    体の内周面で保持し、前記シール部材と前記レーザロッ
    ドとの間に第1のシール面が形成され、前記シール部材
    と前記ホルダ本体の内周面との間に第2のシール面が形
    成されるように構成したことを特徴とするレーザロッド
    ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記ホルダ本体の内周面に前記シール部
    材を着座させるための段状の溝部を設けたことを特徴と
    する請求項1に記載のレーザロッドホルダ。
  3. 【請求項3】 前記ホルダ本体の開口部に前記シール部
    材の抜けを防止するための押さえ部材を着脱可能に取付
    してなることを特徴とする請求項1に記載のレーザロッ
    ドホルダ。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5766682A (en) * 1980-10-13 1982-04-22 Toshiba Corp Mounting device for solid state laser rod
JPH0456356U (ja) * 1990-09-25 1992-05-14

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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