JPH0682362U - 引戸の減速装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】引戸の開扉、閉扉時の速度を終端部で減速させ
る装置。 【構成】引戸に取付ける戸車１の枠体に走行車輪５と共
に、感知ローラー６とオイルダンパー７を取付けた回動
枠体４を付勢手段８で走行車輪方向に付勢するように夫
々取付け、上記走行車輪を床側に配設した溝レール１４
の車輪走行路に回転自在に走行させると同時に、感知ロ
ーラーを溝レールに段差のある減速区域を有する感知走
行路に走行させ、感知ローラーの減速区域の走行によ
り、回動枠体の付勢手段でオイルダンパーを走行車輪に
係合回転させて、該走行車輪を減速走行させるようにし
たものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、引戸の開扉、閉扉時の速度を終端部で減速させる装置に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

引戸に減速装置を取付けたもの、特に引戸の下部に設けたものとして特公昭３ ８−１８９３７号公報には、引戸を閉扉する際、引戸に取付けたラックが、これ と噛合う敷居側の歯車を回転し、複数の歯車を介してカム板を回転させ、これと 圧接して作動するピストンロッドがシリンダー内のスプリングを押圧することで 、引戸を減速する技術が開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この先行技術のものは、引戸の下部外側面にラックを取付ける ので外観を損ない、他物に打当り易く損壊する虞があるのみならず、敷居側の歯 車機構、減速用のシリンダー機構等を床面内に埋設するために設置工事が煩雑と なり、嵩高となって簡単に組込むことができないものである。 そこで、この考案は上記先行技術の問題点に鑑み、これを解決すべくなされた ものであって、従来の戸車と同様に引戸の下框内に取付けられて外観を損なうこ となく、また床面に特別な工事を施すことなく簡単に取付けられ、引戸を軽快に 開閉することができると共に、確実に減速させて引戸の跳ね返り成いは指づめを 防止することができる引戸の減速装置を得ることを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

これを解決する手段として、この考案は、引戸に取付ける戸車の枠体に走行車 輪と共に、感知ローラーとオイルダンパーを取付けた回動枠体を付勢手段で走行 車輪方向に付勢するように夫々取付け、上記走行車輪を床側に配設した溝レール の車輪走行路に回転自在に走行させると同時に、感知ローラーを溝レールに段差 のある減速区域を有する感知走行路に走行させ、感知ローラーの減速区域の走行 により、回動枠体の付勢手段でオイルダンパーを走行車輪に係合回転させて、該 走行車輪を減速走行させるようにしたものである。

【０００５】

【実施例】

この考案の構成を図面で示す一実施例について以下詳細に説明する。 戸車１は、引戸Ａの下框内に組込まれ、該戸車１には、外枠体２、内枠体３、 回動枠体４、走行車輪５、感知ローラー６、オイルダンパー７、．付勢手段８を 有している。 外枠体２は上下が開口し、左右に取付片を突設した箱型に形成され、これにコ 字状の内枠体３を嵌合して、外枠体２の角孔２ｃと内枠体３の横長孔３ｃにカイ ド板９を挿入して、内枠体３を左右に移動自在に組込む。外枠体２の下端には走 行車輪用の垂直切込２ａと回動枠体用の垂直切込２ｂが夫々切込まれ、内枠体３ にはこれに対応する位置に夫々左側に向かって傾斜する傾斜孔３ａ、３ｂが穿設 されている。この外枠体２の垂直切込２ａと内枠体３の傾斜孔３ａに走行車輪５ の主軸５ａを嵌挿する。この走行車輪５の主軸５ａにはボールベアリングを介し て回転自在に外周輪５ｂが取付けられ、その外周輪５ｂは両側にレール走行面５ ｄを有し、中央に歯車部５ｃが形成されている。また内枠体３内にコ字状の回動 枠体４を組込み、該回動枠体４の支軸嵌挿孔４ａと外枠体２の垂直切込２ｂと内 枠体３の傾斜孔３ｂに支軸１０を嵌挿して回動枠体４を回動自在に取付ける。回 動枠体４には左下端に形成した幅狭の軸受片４ｂに、回転部６ａを円板状に形成 した感知ローラー６の軸６ｂを回転自在に取付け、さらに左上方にオイルダンパ ー７の固定軸７ａを固定する。このオイルダンパー７は内部にシリコンオイルが 充填され、これを介して歯車部７ｃを有する外周体７ｂが回転可能に取付けられ ている。また回動枠体４には切込み折曲げた舌片４ｃが突設され、該舌片４ｃと 外枠体２に挿入固定したピン１１との間に付勢手段であるスプリング８を弾設し て支軸１０を中心として回動枠体４を走行車輪５方向に付勢する。これによりオ イルダンパー７の外周体７ｂに形成した歯車部７ｃは走行車輪５の歯車部５ｃに 噛合する。さらに外枠体２に穿設した孔２ｄにねじ１２を内側より嵌挿し、外枠 体２の縦長孔２ｅにねじ止板１３を挿入固定して、その切込部１３ａをねじ１２ に挿入し、ねじ１２の頭部リブ１２ａを外枠体２とで挟持してねじ１２の移動を 防止する。そしてねじ１２の先端を内枠体３のねじ孔３ｄにねじ込んで、ねじ１ ２のねじ込み進退操作で内枠体３を左右に移動可能に取付ける。 溝レール１４、床側の例えば、サッシ枠の下枠Ｂに取付けられ、該溝レール１ ４の上面側に形成された溝１４ａの上部両側を傾斜状として走行車輪５のレール 走行面５ｄが当接する車輪走行路１４ｂを形成する。また溝１４ａ内には角棒状 の減速位置設定用部材１５を埋設して、その上面を感知ローラー６が走行する感 知部走行路１５ａとし、溝１４ａの底面を減速走行路１５ｂとして閉扉位置に減 速区域Ｌを形成し、感知部走行路１５ａと減速走行路１５ｂとの間に傾斜状の段 差１５ｃを形成する。

【０００６】 このように構成された戸車１は、従来の戸車と共に引戸Ａの下框両端に組込ま れる。そして引戸Ａをサッシ枠に建込み戸車１を溝レール１４に嵌合する。これ により、戸車１に取付けた走行車輪５のレール走行面５ｄは溝レール１４の車輪 走行路１４ｂに当接すると同時に、感知ローラー６は溝レール１４の感知部走行 路１５ａに当接するが、この時、戸車１の走行車輪５と感知ローラー６は引戸Ａ の全重量を受ける状態となるため、感知ローラー６を取付けている回動枠体４は スプリング８の弾性に抗し、支軸１０を中心として図１に示すように時計方向に 回動してオイルダンパー７の歯車部７ｃと走行車輪５の歯車部５ｃとは離隔して 走行車輪５をフリー状態とする。なお、この状態で引戸Ａの建込み具合を調節す るため、引戸Ａの竪框に穿設されているドライバー挿入孔（図示省略）よりドラ イバーを挿入して、戸車１の外枠体２に嵌挿されているねじ１２を回転して、ね じ込みり量を調節する。これにより、内枠体３は左右に移動して外枠体２の垂直 切込２ａおよび２ｂに対して内枠体３の傾斜孔３ａおよび３ｂが上下に移動する ため、これに嵌挿している走行車輪５の主軸５ａと回動枠体４の支軸１０は、上 下に移動して走行車輪５と感知ローラー６の突出量は調節され、引戸Ａの建込み 具合を調節することができる。

【０００７】 この様にして建込まれているので引戸Ａを開閉すると、戸車１内の走行車輪５ は、そのレール走行面５ｄが溝レール１４の車輪走行路１４ｂ上を円滑に走行す る。これと共に、感知ローラー６の回転部６ａも溝レール１４の感知部走行路１ ５ａ上を走行して引戸Ａが移動する。そして引戸Ａが閉扉位置近くに移動して減 速区域Ｌに達すると、感知ローラー６の回転部６ａは、感知部走行路１５ａの段 差１５ｃより減速走行路１５ｂに落込むので、これにより回動枠体４はスプリン グ８の弾性によって支軸１０を中心として図４に示すように反時計方向に回動し てオイルダンパー７の歯車部７ｃと走行車輪５の歯車部５ｃとが噛合するため、 走行車輪５の回転速度はオイルダンパー７内部に充填されているシリコンオイル の粘性により減速され、引戸Ａは閉扉端部に激突して跳ね返ることなく静かに且 つ完全に閉扉することができると共に、閉扉の際に引戸Ａで手指を挟んで怪我を する等の事故を確実に防止することができる。 また引戸Ａを閉扉位置から開扉すると、感知ローラー６の回転部６ａは、減速 走行路１５ｂから段差１５ｃを乗り越えて感知部走行路１５ａ上に移動するので 、感知ローラー６を取付けている回動枠体４はスプリング８の弾性に抗し、支軸 １０を中心として再び図１に示すように時計方向に回動してオイルダンパー７の 歯車部７ｃは走行車輪５の歯車部５ｃと離隔して走行車輪５をフリー状態とし、 引戸Ａを軽快に移動することができる。

【０００８】 なお、上記実施例においては、減速区域Ｌを閉扉位置に形成したが、これに代 り、開扉位置に減速区域Ｌを形成しても良い。

【０００９】

【考案の効果】

以上、実施例について詳述したように、この考案の戸車は、引戸の重量を利用 して戸車内に組込んだ感知ローラーを作動させて回動枠体と付勢手段によりオイ ルダンパーと走行車輪とを離隔することにより、走行車輪をフリー状態にして引 戸を軽快に開閉し得るようにし、引戸が扉端部近くに移動して減速区域に達する と、感知ローラーが減速走行路に落込んで回動枠体と付勢手段の作動でオイルダ ンパーと走行車輪とを噛合させ、走行車輪の回転をオイルダンパーの回転作動で 減速させて勢い良く引戸を開閉しても扉端部に激突することなく、これによって 引戸は静かに且つ完全に閉扉することができ、跳ね返りや、手指を挟み込んで怪 我をする等の事故を未然に確実に防止することができる。その上、この戸車１は 、従来の戸車と同様に引戸の下框にコンバクトに組込まれて外観を損なうことな く取付けることができる等の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の戸車の走行路位置での縦断正面図

【図２】同じく平面図

【図３】同じく縦断側面図

【図４】同じく戸車の減速区域位置での縦断正面図

【図５】同じく戸車の分解斜視図

【符号の説明】

１ 戸車 ２ 外枠体 ３ 内枠体 ４ 回動枠体 ５ 走行車輪 ５ｃ 歯車部 ６ 感知ローラー ７ オイルダンパー ７ｃ 歯車部 ８ 付勢手段 １０ 支軸 １２ ねじ １４ 溝レール １４ｂ 車輪走行路 １５ａ 感知部走行路 １５ｂ 減速走行路 １５ｃ 段差 Ａ 引戸 Ｌ 減速区域

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 引戸に取付ける戸車の枠体に走行車輪と
   共に、感知ローラーとオイルダンパーを取付けた回動枠
   体を付勢手段で走行車輪方向に付勢するように夫々取付
   け、上記走行車輪を床側に配設した溝レールの車輪走行
   路に回転自在に走行させると同時に、感知ローラーを溝
   レールに段差のある減速区域を有する感知走行路に走行
   させ、感知ローラーの減速区域の走行により、回動枠体
   の付勢手段でオイルダンパーを走行車輪に係合回転させ
   て、該走行車輪を減速走行させることを特徴とする引戸
   の減速装置。