JP3866382B2 - 引戸用の上部案内装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮自在なビームを案内要素に利用する引戸用の上部案内装置に関する。そこでの引戸の重量は戸パネルの下部に設けた戸車あるいは同種の走行具が支持するものである。
【0002】
【従来の技術】
伸縮自在なビームを案内要素に利用した引戸は、例えば特開昭60−253683号公報、特公昭59−44524号公報、特開昭58−143076号公報等に公知である。但し、これらは基本的に引戸重量の全てを伸縮ビームで支持している。伸縮ビームは、室内側へ向かって開口する断面C字形のガイドレールと、ガイドレールに沿って走行するスライド枠とを備えており、スライド枠で戸パネルを吊持している。
【0003】
上記の伸縮ビームは戸重量の全てを負担するので、ビーム自体に十分な強度を要する。そのため、案内装置全体が大形化しやすく、例えば居室等の雰囲気が重視される室内には、見かけが武骨過ぎて適用するのがためらわれる。引戸を全開放した状態においても、スライド枠をガイドレールで案内支持する必要があるので、多くの場合は全閉時の戸パネルの側方上部にガイドレールが突き出るのを避けられず、この点でも室内の雰囲気を損ないやすい。
【0004】
本出願人は、雰囲気が重視される室内にも違和感なく適用できる、伸縮ビームを利用した上部案内装置を先に提案している(特願平8−45389号)。そこでは、開口枠に固定した下向きに開口するガイド枠と、戸パネルの上端に固定した上向きに開口するスライド枠と、両枠の間に配置されて各枠に対し相対スライドできる遊動ビームとで伸縮ビームを構成している。遊動ビームの上面および下面には、ガイド枠で転動案内される上ローラと、スライド枠で転動案内される下ローラが設けてある。スライド枠の両端寄りには、下ローラに接当して、遊動ビームを同行移動操作する接当具が枠底壁に突設されたものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の伸縮ビームは戸重量を負担する必要がなく、戸パネルの振れ止め機能を備えていれば足りるので、装置全体を小形化できる。戸パネルを全開放した状態においては、ガイド枠から半ば突出した遊動ビームでスライド枠を支えるので、ガイド枠の左右長さを戸パネルの左右幅寸法に一致させることができ、しかも戸パネルを閉じた状態では、遊動ビームおよびスライド枠をそれぞれガイド枠内に収めることができるので、外観上の体裁を向上できる。
【0006】
問題は、戸パネルが戸車や遊動ビームの上下に設けたローラを介して支持されていて、極く小さな操作力で開閉できるため、戸パネルを急開閉するような場合に、運動慣性力で戸パネルが側枠に衝突し、その反動で跳ね返される点にある。外部振動を受けて戸パネルが徐々に開閉移動することもある。多くの場合、ガイド枠、スライド枠、遊動ビームはアルミニウム形材で形成するが、戸パネルの開閉時に遊動ビームの上下面に設けたローラが一斉に転動するので、特有の転動騒音を生じるうえ、開閉時のローラの蛇行で戸パネルの上部が前後方向へがた付きやすい。
【0007】
本発明の目的は、居室や個室型の事務室など雰囲気が重視される室内に違和感なく適用できる引戸用の上部案内装置を提供することにある。
本発明の目的は、戸パネルが急激に開閉操作されるような場合にも、その運動慣性力を徐々に弱めて戸パネルが側枠に衝突するのを極力解消でき、外部振動が作用する場合でも、戸パネルを任意の開閉位置に移動不能に位置保持できる引戸用の上部案内装置を提供することにある。
本発明の目的は、戸パネル開閉時の騒音の発生やパネル上部のがた付きがなく、戸パネルを静粛に開閉できるようにすることにある。
本発明の目的は、開口面の外側に戸パネルを配置するアウトセット型の引戸に好適な上部案内装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上部案内装置は、図2に示すごとく戸パネル1が開口面の下側に設けた下部レール3で開閉自在に案内支持される引戸を対象とする。そのうえで、上部案内装置は、図1に示すごとく開口枠6に固定したガイド枠7と、戸パネル1に固定したスライド枠8と、両枠7・8の間に配置されて両枠7・8に対し左右方向に相対スライドできる遊動ビーム9とからなる。遊動ビーム9の上面の左右の一側には、図3に示すごとくガイド枠7に設けたガイドレール11で摺動案内される上摺動体22を設け、遊動ビーム9の下面の左右の他側には、スライド枠8で摺動案内される下摺動体24を設けてある。戸パネル1の開放途中に遊動ビーム9と接当して遊動ビーム9をスライド枠8と同行移動させる開放接当具20と、戸パネル1の閉止途中に遊動ビーム9と接当して遊動ビーム9をスライド枠8と同行移動させる閉止接当具21とが、それぞれスライド枠8に設けてある。
【0009】
具体的には、図5および図6に示すごとく上摺動体22にガイドレール11と圧接して摺動摩擦を生じさせる抵抗片27を設け、下摺動体24には図1および図7に示すごとくスライド枠8と圧接して摺動摩擦を生じさせる抵抗片30を設ける。下摺動体24は、図1および図8に示すごとく遊動ビーム9に固定した軸25で上下動自在に支持され、遊動ビーム9と下摺動体24との間に配置したばね32で、スライド枠8へ向かって押し下げ付勢されている。
【0010】
上摺動体22の前後側面には、ガイドレール11の前後壁に圧接する一対の抵抗片27をそれぞれ一体に突設する。対を為す抵抗片27は、図6に示すごとくそれぞれが上摺動体22の開放方向と閉止方向とに向かって延びる片持ち状の弾性腕で形成されている。下摺動体24の前後側面には、スライド枠8の前後壁に圧接する一対の抵抗片30をそれぞれ一体に突設する。対を為す抵抗片30のそれぞれは、図7に示すごとく下摺動体24の摺動方向と交差する向きに延びる片持ち状の弾性腕で形成する。
【0011】
【作用】
閉止位置にある戸パネル1を開き操作すると、これの上部に固定したスライド枠8が戸パネル1と同行移動する。このとき、スライド枠8は下摺動体24を介して遊動ビーム9で移行案内されるので、戸パネル1が前後にがた付くのを規制できる。戸パネル1が図上左側へある程度開放されると、図4に示すごとくスライド枠8に設けた開放接当具20が下摺動体24に接当して、遊動ビーム9を同行移動させる。以後は、上摺動体22がガイド枠7のガイドレール11に沿って摺動し、遊動ビーム9とスライド枠8とはガイド枠7から側方へ突出して、戸パネル1の上部を支持する。
【0012】
戸パネル1を完全に開放した状態において、遊動ビーム9の移動終端側はガイド枠7の内部にあって、上摺動体22がガイドレール11で支持されている。この状態から戸パネル1を図上右側へ閉じ操作すると、まず戸パネル1とスライド枠8のみが移動し、ある程度移動した後に閉止接当具21が遊動ビーム9と接当して、これを同行移動させる。戸パネル1を完全に閉じると、遊動ビーム9およびスライド枠8は、ガイド枠7の下方へ復帰移動する。
【0013】
遊動ビーム9とガイド枠7、および遊動ビーム9とスライド枠8とは、それぞれ上摺動体22および下摺動体24を介して常に接当している。そのため、戸パネル1を開閉するときには、両摺動体22・24とガイド枠7およびスライド枠8との間に、摺動摩擦抵抗が生じる。この摺動摩擦抵抗は、ローラ等の転がり抵抗に比べて十分に大きい。従って、戸パネル1が急開閉される場合には、戸パネル1の運動慣性力を徐々に弱めることができる。
【0014】
とくに、上下の摺動体22・24にそれぞれ抵抗片27・30を設け、これら抵抗片27・30がガイドレール11およびスライド枠8に対して圧接しているので、両摺動体22・24による摩擦抵抗を充分に生じさせて、戸パネル1の運動慣性力を効果的に滅殺できる。任意の開放位置において、戸パネル1が開放方向や閉止方向に移動するのを確実に阻止できる。戸パネル1を開閉する際に、その上部が前後方向へがた付くこともない。
【0015】
戸パネル1は、例えば戸車2に設けた上下調整機構によって開口枠6に対する上下位置が適正化される。こうした戸パネル1の上下調整に支障なく対応するために、下摺動体24を上下動自在に支持したうえで、ばね32で押し下げ付勢している。
【0016】
抵抗片27・30を上摺動体22および下摺動体24と一体に形成し、抵抗片27・30のそれぞれを片持ち状の弾性腕で形成するのは、部品点数を削減し、かつ長期使用時の摩耗に伴う抵抗片27・30の摩擦抵抗力の斬減を極力避けるためである。下摺動体24の抵抗片30を上下方向に延びる弾性腕で形成するのは、先に述べた戸パネル1の上下調整にも対応するためである。
【0017】
【実施例】
図1ないし図7は本発明に係る引戸用の上部案内装置の実施例を示す。図2において、符号1は戸パネル、2は戸パネル1の下部両側に埋設した戸車、3は床面に埋設した下部レールである。下部レール3には、戸車2を走行案内する断面V字状の溝を有する。戸車2はユニット化されており、戸パネル1の側端面に露出する調整ビスを操作することで、戸パネル1の上下位置や前後位置を変更調整できる。符号4は戸パネル1を閉止保持するラッチ型の錠であり、この錠4は戸パネル1の開閉操作用の把手を兼ねるハンドル5を回動操作することにより解錠できる。
【0018】
戸パネル1を前後傾動不能にしながら左右方向へ開閉案内するために、開口枠6の上縁に沿って上部案内装置が設けられている。この上部案内装置は、開口枠6の上部外面に固定されるガイド枠7と、戸パネル1の上端面に固定されるスライド枠8と、両枠7・8の間に配置される遊動ビーム9とからなる。
【0019】
図3において、ガイド枠7は下向きに開口する断面コ字形のアルミニウム形材からなり、その上壁内面に下向きに開口する断面C字状のガイドレール11を一体に設ける。ガイド枠7の左右両端には、それぞれプラスチック成形品からなるキャップ13・14を圧嵌固定する。これら両キャップ13・14のうち、左方のキャップ13は、スライド枠8および遊動ビーム9がガイド枠7に対して出退できるよう、側面視で門形に形成してある。ガイドレール11の上壁内面の両端寄りには、遊動ビーム9の出退限界を規定するためのストッパー15・16が下向きに突出する状態で固定されている。ストッパー15・16はゴムブロックで形成してあって、後述する上摺動体22が衝突するとき緩衝作用を発揮する。
【0020】
スライド枠8は、図3に示すごとく上向きに開口する断面コ字形のアルミニウム形材からなり、後述する下摺動体24を摺動案内する。スライド枠8の断面外形寸法は、ガイド枠7の断面外形寸法よりひと回り小さく設定してあり、スライド枠8の全体をガイド枠7の内部に収容できる。この収容状態において、スライド枠8はガイドレール11と適当間隔を置いて上下に対向している。スライド枠8の底壁内面の左右両端寄りには、開放接当具20と閉止接当具21とをそれぞれ固定してある。これらの接当具20・21は、先のストッパー15・16と同様にゴムブロックで形成してある。
【0021】
遊動ビーム9は、図3に示すごとく中空の金属枠体からなり、その右半部上面の2個所に、ガイドレール11に沿って摺動する上摺動体22を軸23で上方突出状に固定し、左半部下面の2個所に、スライド枠8に沿って摺動する下摺動体24を軸25で上下動のみ自在に支持してある。遊動ビーム9の剛性を向上するために、その底壁には浅い凹部が設けてある。
【0022】
図5および図6において、上摺動体22は偏平な直方体ブロック状のプラスチック成形品からなり、その前後面上半部の左右両端に、ガイドレール11で摺動案内される摺動片26をそれぞれ前後に張り出し、各前後面において左右の摺動片26間に左右一対の抵抗片27を一体に形成してなる。ブロック部分と摺動片26の上面および下面は、それぞれ体積減少のために減肉してあり、減少肉部の左右2個所に軸23を受け入れるボス28が設けてある。
【0023】
上摺動体22の各前後面において、左右で対を為す抵抗片27は、図5および図6に示すごとく互いに左右逆向きに延びる片持ち状の弾性腕からなり、その湾曲部27aの前後面のそれぞれが、ガイドレール11の前後壁の内面と圧接して摩擦抵抗を発生させる。そのために、摺動片26の前後面の間隔が、ガイドレール11の内法前後寸法と同じかこれより僅かに小さく設定してあるのに対して、抵抗片27の前後面の間隔は、ガイドレール11の内法前後寸法より僅かに大きく設定してある。なお、抵抗片27の前後面の間隔が大きくなる程、大きな摩擦抵抗が得られるが、これに伴い、戸パネル1を開閉操作するときの操作抵抗も大きくなるので、ある程度の摩擦抵抗を発揮できながら、戸パネル1は支障なく開閉できるように抵抗片27の摩擦抵抗を設定する。以下に述べる下摺動体24の抵抗片30も同様に設定する。
【0024】
図7および図8において、下摺動体24は、左右に長い直方体ブロック状のプラスチック成形品からなり,その前後面下半部の左右両端に、スライド枠8で摺動案内される摺動片29をそれぞれ前後に張り出し、各前後面において左右の摺動片29間に左右一対の抵抗片30を一体に形成する。ブロック部分の左右2個所には、軸25の頭部を受け入れる凹部31と、ばね32用のばね受座33とを、スライド穴34を間に挟んで上下対向状に設け、左右の凹部31間に下向きに開口するローラ凹部35が設けられている。
【0025】
図8において、ローラ凹部35の内部にローラ36を配置し、ブロック部分を前後に貫くローラ軸37でローラ36を遊転自在に支持する。ローラ36の下面は、ブロック部分の底端面より僅かに突出している。下摺動体24は、遊動ビーム9に軸25で上下動のみ自在に支持し、ばね受座33と遊動ビーム9との間に配置したテーパーコイル形の圧縮コイルばね32で下向きに押圧付勢されている。ローラ36は、スライド枠8の内底壁に先当たり接当してばね32の押圧力を受け止め、下摺動体24の下端面の全体がスライド枠8と接当して、その摺動抵抗が過大になるのを防いでいる。
【0026】
下摺動体24の各前後面において、左右で対を為す抵抗片30は、ブロック部分の下部側から上向きに突出する、断面L字形の片持ち腕状の弾性腕として形成されており、図1に示すようにその縦腕部30aの前後面が、スライド枠8の前後壁の内面にそれぞれ圧接して摩擦抵抗を発生させる。そのために、摺動片29の前後面の間隔が、スライド枠8の内法前後寸法と同じかこれより僅かに小さく設定してあるのに対して、抵抗片30の前後面の間隔は、スライド枠8の内法前後寸法より僅かに大きく設定する。この抵抗片30による摩擦力は、先に説明したように、戸パネル1の開閉時の操作抵抗を考慮して適正値に設定される。
【0027】
図1および図4に示すように、上摺動体22をガイド枠7の側端からガイドレール11に嵌め込むことにより、遊動ビーム9の全体をガイド枠7に吊持する。この組み付け状態において、上摺動体22の摺動片26はガイドレール11の前後の内壁面で移動案内される。遊動ビーム9をガイド枠7に組み込んだ後、ストッパー15・16をガイド枠7にかしめ固定することにより、両者7・9が相対的なスライドを許しながら分離不能に組み付けられる。この後、戸パネル1に固定したスライド枠8をガイド枠7に下面側から差し込み、遊動ビーム9の下摺動体24にスライド枠8を下面側から嵌め込ことにより、戸パネル1を前後傾動不能に保持できる。このように、戸パネル1を上部案内装置で案内支持した状態において下摺動体24の摺動片29はスライド枠8の前後壁と接当して、戸パネル1の上側の前後位置を規制している。
【0028】
上記のように構成した上部案内装置によれば、閉じ位置から戸パネル1を図上左方へ開き操作すると、まずスライド枠8のみが下摺動体24に案内されて移動し、戸パネル1を半分近く開放したときに、開放接当具20が遊動ビーム9の下摺動体24に接当して、遊動ビーム9を同行移動させる。このとき、上摺動体22および下摺動体24はそれぞれの抵抗片27・29が、ガイドレール11およびスライド枠8に圧接して摩擦抵抗を生じさせている。従って、戸パネル1が勢いよく開き操作されるような場合にも、その運動慣性力を滅殺し、戸パネル1の移動速度を徐々に低下できる。戸パネル1を完全に開き操作した状態では、図4に示すように、左方のストッパー15が上摺動体22を受け止めて、それ以上に遊動ビーム9が進出するのを防止する。この状態では遊動ビーム9はその右半分がガイド枠7で支持され、その左半分がガイド枠7の側方に突出してスライド枠8を支えている。実際には、図1に示すように遊動ビーム9の突出部は、戸パネル1のスライド枠8を収容する溝内に収容されているので、これを見ることはできず、戸パネル1はスライド枠8のみで支持されているように見える。
【0029】
上記の状態から戸パネル1を図上右側方へ閉じ操作すると、まずスライド枠8のみが下摺動体24に案内されて閉じ側へ移動する。場合によっては、遊動ビーム9が同行移動する。戸パネル1を半分近く閉じ操作すると、開き始端側に設けた閉止接当具21が左方の下摺動体24に接当して、遊動ビーム9を同行移動させる。戸パネル1を完全に閉じ操作した状態では、遊動ビーム9およびスライド枠8はそれぞれガイド枠7内へ入り込んで隠蔽されるので、外観上の体裁を向上できる。塵埃がスライド枠8や遊動ビーム9に堆積することもよく防止できる。なお、右方のストッパー26は、遊動ビーム9がスライド枠8に押し出されて先行移動するような場合に、上摺動体22と接当して遊動ビーム9の退入限界を規制するために設けてある。
【0030】
図9は上摺動体22の変形例を示しており、抵抗片27を上摺動体22とは別体の独立部品として形成して、抵抗片27を左右の摺動片26に係合装着したものとなっている。この場合の抵抗片27は、板ばねや線ばね等の金属ばね体で形成し、あるいはプラスチックばねや、金属ばねを芯材にしてその表面をプラスチック材で被覆した複合ばね体等で形成できる。下摺動体24の抵抗片30も同様に独立部品化できる。
【0031】
上記以外に、対を為す抵抗片27は、それぞれの遊端どうしが左右に対向するように形状を変更でき、下摺動体24の抵抗片30は下向きに突出する状態で形成できる。抵抗片27・30の摺動相手壁は、ガイドレール11の上壁やスライド枠8の内底壁であってもよい。ローラ36は必ずしも要さず省略することができる。
【0032】
各接当具20・21は遊動ビーム9に直接接当してこれを同行移動するように変更することができる。必要があれば、遊動ビーム9に両接当具20・21あるいはストッパー15・16と接当するブロックを設けることができる。ガイド枠7およびスライド枠8等は、それぞれプレス成形した枠体で形成してもよい。本発明の上部案内装置は、2個の戸パネル1を左右それぞれに開閉操作する、両開き型の引戸にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の上部案内装置では、戸パネル1を開放する場合に限って、スライド枠8および遊動ビーム9がガイド枠7から突出して、戸パネル1の上部を前後傾動不能に支持し、戸パネル1を閉止した状態では、スライド枠8および遊動ビーム9をガイド枠7の下方に退縮収容して、これらが開口面に隣接する壁面に突出するのを解消した。従って、引戸を室内の雰囲気を損なうことなく設けることができ、従来は適用がためらわれるような居室等にも違和感なく適用できる。とくにアウトセット型の引戸に好適である。
【0034】
遊動ビーム9に上摺動体22と下摺動体24とを設け、遊動ビーム9を両摺動体22・24を介してガイド枠7およびスライド枠8に対して相対スライド可能に連結するので、遊動ビーム9に適度の摺動摩擦抵抗を与えることができ、これにより戸パネル1が急開閉される場合の運動慣性力を徐々に滅殺し、戸パネル1が側枠等に衝突するのを防止できる。外部振動によって戸パネル1が徐々に開閉移動するのを解消できる。戸パネル1の開閉時に騒音を生じたり、パネル上部が前後にがた付くことも同時に解消して、開閉操作を静粛に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】上部案内装置の縦断側面図である。
【図2】引戸を開放した状態の斜視図である。
【図3】ガイド枠と遊動ビームとスライド枠のそれぞれを分離した状態の縦断正面図である。
【図4】引戸を開放した状態における上部案内装置の縦断正面図である。
【図5】上摺動体の斜視図である。
【図6】上摺動体の平面図である。
【図7】下摺動体の平面図である。
【図8】図7におけるA−A線断面図である。
【図9】上摺動体の別実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 戸パネル
3 下部レール
6 開口枠
7 ガイド枠
8 スライド枠
9 遊動ビーム
11 ガイドレール
20 開放接当具
21 閉止接当具
22 上摺動体
24 下摺動体
Claims (4)
- 戸パネル1が開口面の下側に設けた下部レール3で開閉自在に案内支持されている引戸用の上部案内装置であって、
開口枠6に固定したガイド枠7と、戸パネル1に固定したスライド枠8と、両枠7・8の間に配置されて両枠7・8に対し左右方向に相対スライドできる遊動ビーム9とからなり、
遊動ビーム9の上面の左右の一側に、ガイド枠7に設けたガイドレール11で摺動案内される上摺動体22を設け、遊動ビーム9の下面の左右の他側に、スライド枠8で摺動案内される下摺動体24を設けてあり、
戸パネル1の開放途中に遊動ビーム9と接当して遊動ビーム9をスライド枠8と同行移動させる開放接当具20と、戸パネル1の閉止途中に遊動ビーム9と接当して遊動ビーム9をスライド枠8と同行移動させる閉止接当具21とが、それぞれスライド枠8に設けてある引戸用の上部案内装置。 - 上摺動体22にガイドレール11と圧接して摺動摩擦を生じさせる抵抗片27が設けられており、
下摺動体24にスライド枠8と圧接して摺動摩擦を生じさせる抵抗片30が設けてある請求項1記載の引戸用の上部案内装置。 - 下摺動体24が、遊動ビーム9に固定した軸25で上下動自在に支持されており、
遊動ビーム9と下摺動体24との間に配置したばね32で、下摺動体24がスライド枠8へ向かって押し下げ付勢されている請求項1又は2記載の引戸用の上部案内装置。 - 上摺動体22の前後側面に、ガイドレール11の前後壁に圧接する一対の抵抗片27がそれぞれ一体に突設されており、
対を為す抵抗片27が、上摺動体22の開放方向と閉止方向とに向かって延びる片持ち状の弾性腕で形成されており、
下摺動体24の前後側面に、スライド枠8の前後壁に圧接する一対の抵抗片30がそれぞれ一体に突設されており、
対を為す抵抗片30のそれぞれが、下摺動体24の摺動方向と交差する向きに延びる片持ち状の弾性腕で形成されている請求項2又は3記載の引戸用の上部案内装置。
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