JP3707687B2 - 展示ケース等における引き戸装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、博物館等に設置する展示ケース等のケース本体の前面(間口)をガラス製等の透明板体の固定戸板と可動戸板とにより構成し、その可動戸板を固定戸板の前方に平行状に移動させて開放できるようにした展示ケース等における引戸装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から公知の引き違い式の引き戸式扉では、ケース本体の前面開口部に、前後2列のレールを配置し、各レールに対して引き戸式扉を間口方向に沿って移動可能に嵌め込んだものである。このため、扉を閉じた状態では、この前後の扉の端部同士の合わせ部は、ケース本体の奥行き方向に重ねて気密性を確保しなければならず、意匠的外観が見苦しいという問題があると共に、一方の扉を他方の扉の前側に配置した開き状態においては、扉自体の間口方向の寸法よりも短い寸法した開口できないという問題があった。
【0003】
この問題を解決するため、例えば、実用新案登録番号第3017198号の登録実用新案公報では、ケース本体の前面の一側にガラス板製の固定壁を設け、この固定壁の面と平行状に配置したレールに、走行台車部を備えた水平操作機構を介して吊支式の引戸扉を移動可能に装着する一方、この走行台車部には、前記固定壁と同一面の位置と、固定壁の面より前方の位置とに、前記引戸扉をその厚み方向に移動可能な前後案内手段と、モータ及びベルクランクレバー等にて前記引き戸式扉をその厚み方向に平行移動させる前後方向駆動手段とを備えたものが開示されている。
【0004】
しかしながら、前記構成では、前記前後方向駆動手段の構成が複雑であるという問題があった。
【0005】
他方、特公平5−13654号公報に開示されている構成は、固定戸板の上下両縁部の近傍に並設した上下一対の固定レールと可動戸板の上下両縁部をスライド可能に保持する可動レールと、この可動レールにおける可動戸板の閉止方向移動端側に設けた上下一対の枢支機構とから構成され、この枢支機構により、可動レールを、固定戸板と可動戸板とが面一状に閉止する閉止位置から、固定レールの端部に可動レールが連続するレール合致位置にまで水平旋回するように支承したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この構成によれば、前記可動レールをレール合致位置にまで旋回した状態では、平面視において、固定レールの長手軸線と可動レールにおける長手軸線とは、前記レール合致位置において、鈍角状に交差することになる。
【0007】
従って、可動レール内の可動戸板を固定レールに乗り移らせるとき、固定レール側に位置する可動戸板の始端部側の支持部(車輪乃至ローラ)と、可動レール側に位置する可動戸板の終端側の支持部(車輪乃至ローラ)とを平面視で直線状に結ぶように、可動戸板が配置されるから、この可動戸板の移動中に、その広幅面の中途部が固定戸板の縦端縁(可動戸板の縦端縁との隣接縁)に衝突しないように、固定戸板の前方に対する固定レールの配置間隔を大きくしなければならない。よって、展示ケースの前後の外寸法に対して内容物を収納可能な空間の前後寸法が相対的に小さくなるという問題があった。
本発明では、前記従来の問題を解決すべくなされたものであって、簡単な構成で、可動レールを間口に対して略平行状に前後に移動でき、且つ展示ケースの前後の外寸法に対して内容物を収納可能な空間の前後寸法を相対的に大きくできるようにした展示ケース等における引き戸装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の展示ケース等における引き戸装置は、展示ケース等の本体の間口方向に沿って配置した固定戸板と、これに隣接して面一状に配置した可動戸板とからなり、該可動戸板を、前記固定戸板の前面側の上下部に並設した上下一対の固定レールに平行状に開き移動可能に構成してなる展示ケース等における引き戸装置において、前記可動戸板の上下端部を前記間口方向に移動可能に支持する上下一対の可動レールの長手方向の両端部位またはその近傍には、当該各可動レールをその長手軸線と直交する水平方向に前後案内支持する水平案内支持手段をそれぞれ設ける一方、前記上下両可動レールに位置する可動戸板の閉止移動端部寄り部位には、前記可動戸板の上下部のそれぞれを、前記水平案内支持手段による前後移動方向に対して、平面視で傾斜状に案内する案内部を備えた上下一対の第1案内板を固定し、前記下可動レールにおける可動戸板の開放移動端部寄り部位には、第2案内板を固定レールの長手軸線と平行状に左右移動可能に配置し、該第2案内板には、前記下可動レールを前記前記水平案内支持手段による前後移動方向に対して、平面視で傾斜状に案内する案内部を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
そして、請求項2に記載の発明は請求項1に記載の展示ケース等における引き戸装置において、前記第2案内板を左右移動させることにより、前記可動レールを、前記固定戸板と面一状の位置と、前記固定レールと一直線状になる位置とに進退動可能に構成したものである。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の展示ケース等における引き戸装置において、前記可動戸板は上可動レール及び上固定レールに対して移動可能な吊支体を介して吊支され、可動戸板の下端部は下可動レール及び下固定レールに対して無荷重状態にて案内されるものである。
【0011】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の展示ケース等における引き戸装置において、前記可動戸板における閉止移動端部寄り部位には、当該可動戸板全体が固定レールに乗り移ったときに可動レールに跨がる規制部を突出させたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態について説明する。図1は、展示ケースの一部切欠き正面図、図2は図1のII−II線矢視一部切欠き概略断面図、図3は図1の III−III 線矢視一部切欠き概略断面図、図4は図2の要部拡大断面図、図5は図3の要部拡大断面図、図6は図1のVI−VI線矢視一部切欠き断面図、図7は図1のVII −VII 線矢視一部切欠き断面図、図8は可動レール及び可動戸板の上部の前側の一部切欠き斜視図、図9は固定レールに可動戸板の全体が移動した状態の上部後端側の斜視図である。
【0013】
図1に示すように、展示ケース等のケース本体1の前面側(間口の開口部側)には、それを閉止した状態では、固定戸板2と可動戸板3とが間口方向に沿って交互に配置されて、面一状にてに配置されている。固定戸板2及び可動戸板3は共に、各々強化ガラス板等の透明板からなり、その上下縁は、断面コ字状の金属製(アルミ等)の縁部材4a,4b、5a,5bにおける溝内に嵌め入れられ、パッキン、接着剤等のシール材にて固定されている。
【0014】
固定戸板2の上下縁部材4a,4bは、図2に示すようにケース本体1の前面側の上下に配置された断面中空矩形状の横梁6、7の前側にブラケットを介して固定されている。この固定戸板2の前側(ケース本体1より外側)には、当該固定戸板2の広幅面と平行状にて上下一対の固定レール10,11が、別の上下位置の断面中空矩形状の横梁8、9に沿って固定されている。
【0015】
前記固定戸板2を支持するための横梁6,7と固定レール10,11を支持する横梁8,9とは、高さ及び前後位置(ケース本体1の奥行き方向の位置)とが互いに異なり、横梁8,9は前記横梁6,7より前側で、且つ上下間隔が大きいように配置されている(図2参照)。
【0016】
次に可動戸板3の支持構成及び可動戸板3を閉止位置から開放位置へ案内移動させるための手段について、図3から図10までを参照しながら説明する。前記上側の横梁8と一直線上に並ぶ横梁8′の下面には、断面下向き開口のコ字状の上支持部材12が横梁8′と平行状にて固定されている。そして、上支持部材12における間口方向の左右両端部近傍と、上可動レール13の長手方向(間口方向)の両端部またはその近傍との間には、当該間口方向と平面視で直交する方向(前後方向)で水平方向に上可動レール13を前後案内支持するための第1水平案内支持手段14と、第2水平案内支持手段15とを設ける。この上可動レール13に対して可動戸板3の上端部を後述する吊支体21を介して前記間口方向に移動可能に支持する。
【0017】
その実施形態は、前記可動戸板3が開放方向に移動(前移動)するときの前端側である第1水平案内支持手段14と、後端側である第2水平案内支持手段15であって(図7参照)、それぞれ、前記上支持部材12における前後の垂直片12a,12b間にて間口方向と平面視で直交する方向(前後方向)に延びる複数本(実施例では2本)の丸棒状の摺動軸16、16から構成されている(図4〜図8参照)。
【0018】
前記上可動レール13は、前記上固定レール10と同じ断面形状であり、実施例では、上端の前後方向中央から上向きに突出するフランジ部17が、当該上可動レール13(固定レール10)の長手に沿って延びて形成されており(図8参照)、このフランジ部17に前後に貫通するように固定された各軸受部材18に前記各摺動軸16が摺動可能に嵌まっている(図4、図5参照)。なお、摺動軸16の外周に対して軸受部材18は若干隙間を有することが好ましい。
【0019】
前記上可動レール13(固定レール10)の下端には、前後方向の中央部の開口溝19を挟んで前後一対の略水平な支持レール部20、20が形成されており(図8等参照)、この前後両支持レール部20、20に沿い、且つ上可動レール13(固定レール10)内をその長手方向に移動可能な吊支体21は、可動戸板3の上端の始端側と終端側部位に被嵌した上縁部材5aから上向き突出する高さ調節可能な吊支ボルト22の上端に連結されている。各吊支ボルト22は、前記開口溝19を上下に挿通している。前記一対の吊支体21は、前記前後両支持レール部20、20の上面にて転動する複数対の縦コロ23と、前記上可動レール13(固定レール10)の垂直壁内面に当接して転動する複数対の横コロ24とを有する(図4、図5、図8及び図10参照)。なお、可動戸板3の閉止移動側(終端側)における吊支体21は、当該可動戸板3の後縦縁3bよりも後方向に若干突出するように長く形成された規制片21aが一体的に設けられている。即ち、前記吊支体21における閉止移動端部寄り部位に突出させた規制片21bは、当該可動戸板3全体が固定レール10に乗り移ったときに上可動レール13に寸法L1だけ跨がるようにして位置して、固定レール10と上可動レール13との軌道が一致して外れない構成となっている(図9、図10(a)及び図10(b)参照)。
【0020】
前記上支持部材12と対向する下方には、下可動レール28の長手方向(間口方向)の両端部(始端部と終端部)またはその近傍には、一対の断面上向き開口のコ字状の下支持部材25、26が下横梁27の上面に固定されている(図6参照)。そして、この下可動レール28にて可動戸板3の下端部を前記間口方向に移動可能に案内する。前記始端側の下支持部材25と終端側の下支持部材26内には、それぞれ下可動レール28を間口方向と平面視で直交する方向(前後方向)で水平方向に前後案内支持するための第3水平案内支持手段29と、第4水平案内支持手段30とを設ける。これら第3水平案内支持手段29及び第4水平案内支持手段30は前記第1、第2水平案内支持手段14、15と同じ構成であり、それぞれ、前記各下支持部材25、26における前後の垂直片間にて間口方向と平面視で直交する方向(前後方向)に延びる複数本(実施例では2本)の丸棒状の摺動軸16、16から構成されている(図4〜図6参照)。
【0021】
そして、下可動レール28の断面形状は、可動戸板3の下端縁を支持するための下縁部材5bと略同じであって、断面上向き開放状に形成されている。また、下可動レール28と前記上可動レール13とはその間口方向の長さが同じである。可動戸板3の下縁部材5bから下向きに突出した垂直軸31に設けた水平コロ32が、前記下可動レール28に嵌まってその長手方向に沿って移動案内される。前記下可動レール28の下面のうち始端部近傍及び終端部近傍をそれぞれ支持する支持ブロック33、34には、ケース本体1の前後に貫通するように各軸受部材18、18が固定され、各軸受部材18に前記各摺動軸16が摺動可能に嵌まっている(図4、図5参照)。なお、摺動軸16の外周に対して軸受部材18は若干隙間を有することが好ましい。
【0022】
次に、前記可動戸板3を固定戸板2と面一状に並ぶ閉止位置と、固定戸板2の前側にて前記可動戸板3を平行状に配置する開放位置とに、前記上下可動レール13、28を前後移動させる手段について説明する。前記上下可動レール13、28の終端側(閉止移動側、換言すれば閉止移動端部寄り部位)における上下横梁6、7には、水平な第1案内板35、35が前向きにてボルト等により固定されている(図5参照)。この各第1案内板35、35には、前記摺動軸16の軸線(前後方向)と平面視で斜めに交差するように延びる案内部の一例としての第1案内溝36が穿設されている。この第1案内溝36は、図6及び図7に示すように、平面視において、前記上下可動レール13、28の終端側(閉止移動側)に行くに従ってケース本体1の後側(奥側)になるように傾斜状に形成されており、且つ第1案内溝36は、第1案内板35の後側(図6及び図7において右側)で閉じられ、第1案内板35の前側端(図6及び図7において左側端)で開放されている。
【0023】
そして、上側の第1案内板35の第1案内溝36に対しては、吊支体21から下向き垂直の吊支ボルト22が摺動可能に嵌まる(図5及び図7参照)。また、下側の第1案内板35の第1案内溝36に対しては、可動戸板3の下縁部材5bから下向きに突出する垂直軸31が摺動可能に嵌まり、且つこの垂直軸31の下端の水平コロ32は下可動レール28の上向き開放溝に対して摺動可能に嵌まる(図6及び図7参照)。
【0024】
他方、前記下可動レール28における始端側(開放移動側、換言すれば開放移動端部寄り部位)に対応する下支持部材25内には、第2案内板37が左右方向(間口に沿う方向)に移動可能に配置されている。実施例としては、断面上向きコ字状の下支持部材25の前後の垂直板25a,25bの内面の上下中途部位に、前記第2案内板37を左右移動可能に支持するガイド溝38が設けられている一方、第2案内板37の前後端部には水平コロ39が前記垂直板25a,25bの内面に転動するように設けられている(図4参照)。前記第2案内板37に設けられた案内部の一例としての第2案内溝40は、前記摺動軸16の軸線(前後方向)と平面視で斜めに交差するように延びる。また、この第2案内板37に上下貫通する第2案内溝40は、平面視において、図6に示すように、前記下可動レール28における始端側(開放移動側)に行くに従って、ケース本体1の奥側(後側)になるように傾斜形成されており、第2案内溝37の始端部及び終端部は短い距離で間口方向と平行状に形成されている。前記下可動レール28の下端の支持ブロック33から下向き垂直に突出するガイド軸41が第2案内溝37を上下に貫通するようにして摺動自在に嵌まっている。なお、第2案内板37には、ケース本体1の前側に突出するハンドル部42を設けてあり、このハンドル部42に着脱自在なハンドル42aを差し込み(図6参照)、作業者が前記ハンドル42aを押し引きすることで、第2案内板37をケース本体1の間口方向に沿って左右移動可能となるように構成されている。
【0025】
また、可動戸板3の下縁部材5b等に、ブラケット43を介して把手44を設け、可動戸板3を手作業にて、ケース本体1の間口方向に沿って押し引きできるように構成されている(図4及び図6参照)。さらに、上可動レール13の終端側の背面(後面)をケース本体1の前方に押圧する板ばね等の付勢手段45及び下可動レール28の終端側もしくは終端側の下支持ブロックの背面(後面)をケース本体1の前方に押圧する板ばね等の付勢手段46が設けられている(図5及び図7参照)。
【0026】
なお、ケース本体1の前面の上下位置には、図2及び図3に示すように、上下のカバー体47、48の基端が前方向に回動可能に枢着されており、可動戸板3と固定戸板2とが面一状に閉止しているときには、前記上カバー体47を奥側に向かって水平状に保持、する一方、下カバー体、48を立てて、可動戸板3、ひいては上下可動レール13、28の移動を阻止する。当該可動戸板3を固定戸板2の前側に開放するときには、上カバー体47を下向き、下カバー体48を前方水平状に開いて、上下可動レール13、28の前後移動を許容するよう構成されている。前記上下カバー体47、48の自由端には可動戸板3の前面に当接するパッキンが張設されていることは勿論である。
【0027】
次に、前記構成において、図1、図6及び図7に示す可動戸板3と固定戸板2とが面一状に閉止している状態から、可動戸板3を固定戸板2の前側に開放させる作用について説明する。作業者は図2に示す状態の上下カバー体47、48を図3に示すように開放回動させ、次いで、作業者はハンドル部42を介して図11(a)の状態の下始端側の第2案内板37を図の左方向(矢印A方向)に引く。ところで、上下可動レール13、28は、前記第1〜第4水平案内支持手段14、15、29、30としての摺動軸16の軸線Cに沿ってケース本体1の前後方向にのみ移動するように拘束されている(但し、摺動軸16と可動戸板3の軸受部材18との間には若干の隙間(ガタ付き)がある)。従って、作業者による外力が可動戸板3に作用した部分では、矢印A方向に横移動する第2案内板37の傾斜状の第2案内溝40により、ガイド軸41を前記軸線Cに沿って前方向に押し出す。これにより、下可動レール28の始端側(開放移動側、換言すれば開放移動端部寄り部位)は前記軸線Cに沿って前方向に引き出される。前記下可動レール28の始端側とその上方である上可動レール13の始端部とは、可動戸板3の垂直軸31及び吊支ボルト22と吊支体21とにより連結されているから、この上可動レール13の始端部も前記軸線Cに沿って前方向に引き出される。
【0028】
他方、前記第2案内板37の横移動の初期段階では、当該第2案内板37から遠い側(外力の作用部から遠くに離れた側、換言すれば閉止移動端部寄り部位)における上下の第1案内板35、36おける傾斜状の第1案内溝37の閉塞側に位置する吊支ボルト22及び垂直軸31は前記軸線Cに沿って前方向に引き出される作用が少ない。従って、上下可動レール13、28は、その終端側では前記吊支ボルト22及び垂直軸31の立て軸線回りに回動する一方、下可動レール28の始端側は、第2案内板37における傾斜状の第2案内溝40と(軸線Cに沿って移動可能な)ガイド軸41との平面視での交点(重複部)に沿って図11(b)の矢印B方向に回動すると、その上方の上可動レール13の始端側は前記軸線Cに沿って前方向に引き出される。
【0029】
前記第2案内板37を図の左方向(矢印A方向)にさらに大きく引くと、上下両可動レール13、28の始端側は、上下固定レール10、11の開口端と略一致する。上固定レール10の前垂直板の外面に固定したストッパー片50に前記上可動レール13の始端側の外面が当接してそれ以上の回動は阻止される。この状態で、作業者は、前記把手44をもって可動戸板3のみを固定レール10、11の方向(図11(c)の矢印A′方向)に強制的に横移動させると、当該可動戸板3の上下部の終端側の吊支ボルト22と垂直軸31とが上下可動レール13、28の長手方向に沿って横移動するとき、当該吊支ボルト22と垂直軸31とは、固定された第1案内板35における傾斜状の第1案内溝36に沿うように拘束されている結果、上下両可動レール13、28の終端側(閉止移動側)が前記軸線Cに沿って前方向に引き出される。その結果、上下の付勢手段45、46による上下可動レール13、28の前方向への付勢力と相俟って、上下両可動レール13、28と前記固定レール10、11とは平面視で一直線上に並ぶので、可動戸板3を上下両可動レール13、28から上下両固定レール10、11に乗り移させるとき直線状に可動戸板3が移動でき、円滑な開放作業とすることができる。
【0030】
なお、可動戸板3の全体が上下両固定レール10、11に乗り移ったとき、その可動戸板3の上部終端側の吊支体21の規制部21aが上可動レール13内に嵌まっているので、当該上可動レール13が上固定レール10から離れることがない。下可動レール28は、前記第2案内板37が矢印A方向に移動することにより、第3及び第4水平案内支持手段29、30を介して強制的に前方向に移動させられた状態が保持されているから、下可動レール28と下固定レール11とも一直線状を保持できる。可動戸板3を閉止方向に移動させる作業は、前記の逆操作を実行すれば良い。
【0031】
別の実施形態として、前記規制片もしくは規制部を吊支体21以外の個所、例えば可動戸板3の上縁をカバーする上縁部材5a等から突設させても良く、その場合、上縁部材5aと別部材にて規制片を構成しても良い。また、第2案内板37は駆動するアクチュエータにより横移動させても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明の展示ケース等における引き戸装置は、展示ケース等の本体の間口方向に沿って配置した固定戸板と、これに隣接して面一状に配置した可動戸板とからなり、該可動戸板を、前記固定戸板の前面側の上下部に並設した上下一対の固定レールに平行状に開き移動可能に構成してなる展示ケース等における引き戸装置において、前記可動戸板の上下端部を前記間口方向に移動可能に支持する上下一対の可動レールの長手方向の両端部位またはその近傍には、当該各可動レールをその長手軸線と直交する水平方向に前後案内支持する水平案内支持手段をそれぞれ設ける一方、前記上下両可動レールに位置する可動戸板の閉止移動端部寄り部位には、前記可動戸板の上下部のそれぞれを、前記水平案内支持手段による前後移動方向に対して、平面視で傾斜状に案内する案内部を備えた上下一対の第1案内板を固定し、前記下可動レールにおける可動戸板の開放移動端部寄り部位には、第2案内板を固定レールの長手軸線と平行状に左右移動可能に配置し、該第2案内板には、前記下可動レールを前記前記水平案内支持手段による前後移動方向に対して、平面視で傾斜状に案内する案内部を備えたことを特徴とするものである。
【0033】
このような構成により、第2案内板による初期の作動により、上下可動レールは、その閉止移動端部寄り部位の第1案内板の第1案内部の定点回りに回動するが、第2案内板の作動の後半では、上下可動レールは、可動戸板を介して固定レールと平面視で一直線状になるように平行移動できる。従って、上下可動レールから上下固定レールに対して可動戸板を円滑に横移動させることができ、且つ固定戸板の前面と上下固定レールとの前後距離も極めて少なくできる。
【0034】
よって、本発明に従えば、展示ケースの前後の外寸法に対して内容物を収納可能な空間の前後寸法を相対的に大きくできるようにした展示ケース等における引き戸装置を提供することができるという効果を奏する。
【0035】
そして、請求項2に記載の発明は請求項1に記載の展示ケース等における引き戸装置において、前記第2案内板を左右移動させることにより、前記可動レールを、前記固定戸板と面一状の位置と、前記固定レールと一直線状になる位置とに進退動可能に構成したものであり、前記第2案内板を左右移動させてから可動戸板を横移動するだけの簡単な操作でケース本体の間口の固定戸板に対して可動戸板を開閉でき、しかも構造は至極簡単になるという効果を奏する。
【0036】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の展示ケース等における引き戸装置において、前記可動戸板は上可動レール及び上固定レールに対して移動可能な吊支体を介して吊支され、可動戸板の下端部は下可動レール及び下固定レールに対して無荷重状態にて案内されるものであり、可動戸板が上可動レールに対して吊支されているから、請求項1または2に記載の接着剤による効果に加えて、重量の大きい可動戸板であっても、可動戸板の下方に位置する前記第2案内板を軽い力で横移動させることができるという効果を奏する。
【0037】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の展示ケース等における引き戸装置において、前記可動戸板における閉止移動端部寄り部位には、当該可動戸板全体が固定レールに乗り移ったときに可動レールに跨がる規制部を突出させたものであるから、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明による効果に加えて、可動戸板を閉止方向に戻すまで、可動レールを固定レールから外れなくできるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ケース本体及び引戸装置の概略正面図である。
【図2】 図1のII−II線矢視一部切欠き概略断面図である。
【図3】 図1の III−III 線矢視一部切欠き概略断面図である。
【図4】 図2の要部拡大断面図である。
【図5】 図3の要部拡大断面図である。
【図6】 図1のVI−VI線矢視一部切欠き断面図である。
【図7】 図1のVII −VII 線矢視一部切欠き断面図である。
【図8】 可動レール及び可動戸板の上部の前側の一部切欠き斜視図である。
【図9】 固定レールに可動戸板の全体が移動した状態の上部後端側の斜視図である。
【図10】 (a)は図9の要部断面図、(b)は図10(a)のXb−Xb線矢視断面図である。
【図11】本発明の作用説明図であり、(a)は、固定戸板と可動戸板とが面一状の平面図、(b)は第2案内板の作動初期の状態を示す図、(c)は可動レールが固定レールと一直線状になった状態の平面図である。
【符号の説明】
1 ケース本体
2 固定戸板
4 可動戸板
10、11 固定レール
13 上可動レール
16 摺動軸(Cはその軸線)
21 吊支体
22 吊ボルト
28 下可動レール
29 第3水平案内支持手段
30 第4水平案内支持手段
31 垂直軸
35 第1案内板
36 第1案内溝
37 第2案内板
40 第2案内溝
41 ガイド軸

Claims (4)

  1. 展示ケース等の本体の間口方向に沿って配置した固定戸板と、これに隣接して面一状に配置した可動戸板とからなり、該可動戸板を、前記固定戸板の前面側の上下部に並設した上下一対の固定レールに平行状に開き移動可能に構成してなる展示ケース等における引き戸装置において、
    前記可動戸板の上下端部を前記間口方向に移動可能に支持する上下一対の可動レールの長手方向の両端部位またはその近傍には、当該各可動レールをその長手軸線と直交する水平方向に前後案内支持する水平案内支持手段をそれぞれ設ける一方、
    前記上下両可動レールに位置する可動戸板の閉止移動端部寄り部位には、前記可動戸板の上下部のそれぞれを、前記水平案内支持手段による前後移動方向に対して、平面視で傾斜状に案内する案内部を備えた上下一対の第1案内板を固定し、
    前記下可動レールにおける可動戸板の開放移動端部寄り部位には、第2案内板を固定レールの長手軸線と平行状に左右移動可能に配置し、該第2案内板には、前記下可動レールを前記水平案内支持手段による前後移動方向に対して、平面視で傾斜状に案内する案内部を備えたことを特徴とする展示ケース等における引き戸装置。
  2. 前記第2案内板を左右移動させることにより、前記可動レールを、前記固定戸板と面一状の位置と、前記固定レールと一直線状になる位置とに進退動可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の展示ケース等における引き戸装置。
  3. 前記可動戸板は上可動レール及び上固定レールに対して移動可能な吊支体を介して吊支され、可動戸板の下端部は下可動レール及び下固定レールに対して無荷重状態にて案内されることを特徴とする請求項1または2に記載の展示ケース等における引き戸装置。
  4. 前記可動戸板における閉止移動端部寄り部位には、当該可動戸板全体が固定レールに乗り移ったときに可動レールに跨がる規制部を突出させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の展示ケース等における引き戸装置。
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