JPH0682075A - 冷暖房装置 - Google Patents

冷暖房装置

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JPH0682075A
JPH0682075A JP4234751A JP23475192A JPH0682075A JP H0682075 A JPH0682075 A JP H0682075A JP 4234751 A JP4234751 A JP 4234751A JP 23475192 A JP23475192 A JP 23475192A JP H0682075 A JPH0682075 A JP H0682075A
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cooling
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heating
sensory
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Sakuo Sugawara
作雄 菅原
Takane Suzuki
たかね 鈴木
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室温の上昇運転と下降運転を切換えながら、
環境を制御する変動環境制御手段を有する冷暖房装置に
おいて、室温とその変化と他の環境情報(床温、壁温な
ど)をもとに使用者の温熱感覚を推論し、この感覚があ
る範囲に入るように変動環境を制御し、快適な環境をつ
くる。 【構成】 冷暖房機器に取付けられ、室温の代表値を検
出する室温検出器と、前記室温検出器が検出する室温と
この室温の変化から、使用者の温熱感覚を推論する感覚
推論手段と、この感覚推論手段により室温上昇運転と室
温下降運転の切替えを行う変動環境制御手段とが設けら
れている。感覚推論と変動環境制御は、マイクロコンピ
ュータにより構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭や事務所などで使
用される冷暖房装置の心地良い快適な環境を提供するた
めの制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図29は、例えば特願昭63−3135
65号に示された従来例の冷暖房機の回路構成図、図3
0は、図29の動作を示すフローチャート図。図31
は、その制御特性図を示すものである。同図において、
5は運転スイッチであり、6はサーミスタやそれに類似
するものからなる室温を検知するための温度検出器、7
はA/D変換装置、8は冷暖房能力設定・変更手段を有
する、冷暖房能力演算手段としてのマイクロコンピュー
タであり、入力回路9、CPU10、メモリ11、出力
回路12を有している。入力回路9には、温度検出器6
により検出された室温が、A/D変換装置7を介して入
力される。出力回路12からの出力により圧縮機13の
回転数を変え、冷暖房能力が制御される。
【0003】上記実施例の動作を、冷房運転について、
図30および図31を用いて説明する。図30はマイク
ロコンピュータ8に記憶された冷暖房能力演算手段を含
むフローチャート図である。まず運転スイッチ5をオン
すると、図30に示すフローチャートがスタートする。
ステップS1で設定温度が設定される。ステップS2で
温度検出器6より検出された室温が入力され、ステップ
S3で設定温度と室温の温度差(ΔT)を算出し、ステ
ップS4で室温が設定温度より高く、かつステップS5
で運転モードが通常モードになっているか、または、設
定温度と室温の温度差(ΔT)が、例えば1deg以上
であればステップS11で冷暖房能力を算出し、ステッ
プS12で圧縮機13を運転する。またステップS4で
室温が設定温度より低ければ、ステップS10に進み、
圧縮機7をオフし冷房運転を停止する。
【0004】運転モードが変化モードになると、ステッ
プS5で変化モードのスイッチがオンされたと判定さ
れ、設定温度と室温の温度差(ΔT)の絶対値が例えば
1deg以下の時、変化モードに入る。ステップS6で
現在の冷暖房能力を基準能力とし、これに例えば10%
増加した能力で冷房運転を行い、ステップS7で一定時
間待つ。一定時間経過した後、ステップS8で冷暖房能
力を例えば基準能力から10%減少させ冷房運転を行
い、ステップS9で再び一定時間待つ。ステップS5で
室温と設定温度の差の絶対値が例えば1degより大き
く室温が設定温度の近傍にないときは、ステップS11
に分岐し、通常モード時の室温制御に入る。これによ
り、室温が設定温度近傍の場合に限り変化モードにな
り、室温が設定温度近傍で変化するように制御される。
【0005】図31は、本実施例にもとづき冷房運転さ
せた場合の制御特性図である。横軸は時間であり、縦軸
は温度と冷房能力である。運転モードを通常モードに
し、時間T1に冷暖房機の運転が開始されると、室温は
破線で示した設定温度に向かって下降する。設定温度と
室温の差から冷房能力を決めるので、冷房能力は室温が
下降するに従い低下し、時間T2に室温は、設定温度と
の差が小さくなり、冷房能力とともに安定する。時間T
3に変化モードにすると、図に示すように冷房能力は一
定時間(t)毎に変化するので、室温は設定温度の近傍
で周期的に変化する。
【0006】この室温の変化は、使用者の皮膚の温度受
容器を刺激し、人の体温調節機能が働く。体温調節機能
が働くことは、使用者の生理機能や大脳の活動レベルが
活性化されると考えることができる。室温の変化幅
(d)を、使用者が不快にならないように冷暖房能力発
生装置の変化幅を選択することで、室温が変化しても不
快になることはなく、室温を一定に制御する通常モード
に比較して快適で心地良い健康的な環境になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この従来の冷暖房機
は、設定温度の近傍の一定範囲で室温が変化するように
冷暖房能力を制御し、人の生理機能や大脳の活動を活性
化し、快適で心地良い環境を得ることを目的にしてい
る。人の暑い寒いなどの温熱感覚は、人体からの放熱量
と産熱量のバランスにより、決定される。この放熱量と
産熱量が等しい時、一般に快適といわれている。しか
し、私達は、暑い屋外から涼しい室内に入った時のよう
に放熱量と産熱量がアンバランスの状態において高い快
適感を感じることがある。また、徐々に時間が経過し、
放熱量と産熱量が等しくなると、快適ともまた、不快と
も感じることがない。このように、人は不快な環境から
快適な環境に変化する時、快適と感じる。快適な環境
は、変化している環境であり、人の快適感は、環境のレ
ベルや環境の変化スピードにより決定されると考えるこ
とができる。しかしながら、上記のような冷暖房機にあ
っては、冷暖房能力を変化させ、室温を変化させても、
室温変化スピードは、その部屋の冷暖房負荷により決ま
るので、居住者は不快な温熱感覚の変化を感じることが
あるなどの課題があった。また、室温の他に、室温の分
布、人が接する床温、部屋の輻射温度などの影響により
不快な温熱感覚の変化を感じることがあるなどの課題が
あった。
【0008】この発明はかかる課題を解消するためにな
されたもので、使用者の温熱感覚の推定に、特に、室温
の変化を取り入れ使用者の感覚を的確に推論しながら使
用者の快適な温熱感覚内で室温上昇運転と室温下降運転
を切替えることにより、室内環境を快適に制御する冷暖
房機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明における冷暖
房装置は、冷暖房機器に取付けられ、室温の代表値を検
出する室温検出器と、前記室温検出器が検出する室温と
この室温の変化から、使用者の温熱感覚を推論する感覚
推論手段と、この感覚推論手段により室温上昇運転と室
温下降運転の切替えを行う変動環境制御手段とが設けら
れている。
【0010】第2の発明における冷暖房装置は、冷暖房
機器に取付けられ、室温の代表値を検出する室温検出器
と、床面に取付けられ、床の温度を検出する床温検出器
と、前記室温検出器が検出する室温とこの室温の変化と
前記床温検出器が検出する床温から、使用者の温熱感覚
を推論する感覚推論手段と、この感覚推論手段により室
温上昇運転と室温下降運転の切替えを行う変動環境制御
手段とが設けられている。
【0011】第3の発明における冷暖房装置は、冷暖房
機器に取付けられ、室温の代表値を検出する室温検出器
と、壁面に取付けられ、壁の温度を検出する壁温検出器
と、前記室温検出器が検出する室温とこの室温の変化と
前記壁温検出器が検出する壁温から、使用者の温熱感覚
を推論する感覚推論手段と、この感覚推論手段により室
温上昇運転と室温下降運転の切替えを行う変動環境制御
手段とが設けられている。
【0012】第4の発明における冷暖房装置は、冷暖房
機器に取付けられ、室温の代表値を検出する室温検出器
と、冷暖房機器に取付けられ、室内の輻射温度の代表値
を検出する輻射温度検出器と、前記室温検出器が検出す
る室温とこの室温の変化と前記輻射温度検出器が検出す
る輻射温度から、使用者の温熱感覚を推論する感覚推論
手段と、この感覚推論手段により室温上昇運転と室温下
降運転の切替えを行う変動環境制御手段とが設けられて
いる。
【0013】第5の発明における冷暖房装置は、冷暖房
機器に取付けられ、室温の代表値を検出する第1の室温
検出器と、冷暖房機器より分離され冷暖房機器の操作を
行うリモコンに取付けられリモコン付近の温度を検出す
る第2の室温検出器と、前記第1の室温検出器が検出す
る第1室温とこの第1室温の変化と前記第2の室温検出
器が検出する第2の室温から、使用者の温熱感覚を推論
する感覚推論手段と、この感覚推論手段により室温上昇
運転と室温下降運転の切替えを行う変動環境制御手段と
が設けられている。
【0014】第6の発明における冷暖房装置は、冷暖房
機器に取付けられ、室温の代表値を検出する室温検出器
と、冷暖房能力を発生する冷暖房能力発生手段と、前記
室温検出器が検出する室温とこの室温の変化と前記冷暖
房能力から、使用者の温熱感覚を推論する感覚推論手段
と、前記感覚推論手段の出力により、室温上昇運転と室
温下降運転の切替えを行う変動環境制御手段とが設けら
れている。
【0015】第7の発明における冷暖房装置は、部屋や
冷暖房機器の上部に取付けられ、上部室温を検出する上
部室温検出器と、部屋や冷暖房機器の下部に取付けら
れ、下部室温の代表値を検出する下部室温検出器と、前
記上部室温検出器が検出する上部室温とこの上部室温の
変化と、前記下部室温検出器が検出する下部室温から、
使用者の温熱感覚を推論する感覚推論手段と、前記感覚
推論手段の出力により、室温上昇運転と室温下降運転の
切替えを行う変動環境制御手段とが設けられている。
【0016】
【作用】この第1の発明における冷暖房装置は、室温と
その室温の変化を情報とし、例えば、冷房時、室温が低
く、室温の低下が大きい時は、非常に涼しい、また、室
温が低く、室温の低下が小さい時は、涼しいというよう
に、使用者の温熱感覚を推論し、この温熱感覚がある範
囲内に入るように室温の上昇運転と下降運転を制御する
ものである。
【0017】この第2の発明における冷暖房装置は、室
温とその室温の変化と床温を情報とし、例えば、冷房
時、室温が低く、室温の低下が大きく、床温が低い時
は、非常に涼しい、また、室温が低く、室温の低下が小
さく、床温が低い時は、涼しいというように、使用者の
温熱感覚を推論し、この温熱感覚がある範囲内に入るよ
うに室温の上昇運転と下降運転を制御するものである。
【0018】この第3の発明における冷暖房装置は、室
温とその室温の変化と壁温を情報とし、例えば、冷房
時、室温が低く、室温の低下が大きく、壁温が低い時
は、非常に涼しい、また、室温が低く、室温の低下が小
さく、壁温が低い時は、涼しいというように、使用者の
温熱感覚を推論し、この温熱感覚がある範囲内に入るよ
うに室温の上昇運転と下降運転を制御するものである。
【0019】この第4の発明における冷暖房装置は、室
温とその室温の変化と輻射温度を情報とし、例えば、冷
房時、室温が低く、室温の低下が大きく、輻射温度が低
い時は、非常に涼しい、また、室温が低く、室温の低下
が小さく、輻射温度が低い時は、涼しいというように、
使用者の温熱感覚を推論し、この温熱感覚がある範囲内
に入るように室温の上昇運転と下降運転を制御するもの
である。
【0020】この第5の発明における冷暖房装置は、室
温の代表値である第1の室温と、その第1の室温の変化
と、冷暖房装置の操作を行うリモコン付近の第2の室温
を情報とし、例えば、冷房時、第1の室温が低く、第1
の室温の低下が大きく、第2の室温が低い時は、非常に
涼しい、また、第1の室温が低く、第1の室温の低下が
小さく、第2の室温が低い時は、涼しいというように、
使用者の温熱感覚を推論し、この温熱感覚がある範囲内
に入るように室温の上昇運転と下降運転を制御するもの
である。
【0021】この第6の発明における冷暖房装置は、室
温とその室温の変化と、冷暖房装置の冷暖房能力を情報
とし、例えば、冷房時、室温が低く、室温の低下が大き
く、冷暖房能力が小さい時は、非常に涼しい、また、室
温が低く、室温の低下が小さく、冷暖房能力が低い時
は、涼しいというように、使用者の温熱感覚を推論し、
この温熱感覚がある範囲内に入るように室温の上昇運転
と下降運転を制御するものである。
【0022】この第7の発明における冷暖房装置は、上
部室温とその上部室温の変化と、下部室温を情報とし、
例えば、冷房時、上部室温が低く、上部室温の低下が大
きく、下部室温が低い時は、非常に涼しい、また、上部
室温が低く、上部室温の低下が小さく、下部室温が低い
時は、涼しいというように、使用者の温熱感覚を推論
し、この温熱感覚がある範囲内に入るように上部室温の
上昇運転と下降運転を制御するものである。
【0023】
【実施例】以下、この発明の1実施例を図をもって説明
する。図1から図4は、第1の発明の1実施例を示すも
のであり、図1は基本制御概要を示すブロック図であ
り、図において、1は室温検出器、2は感覚推論手段で
あり、室温検出器1から使用者の感覚量を推論する。3
は、変動環境制御手段であり、感覚推論手段2が推論し
た使用者の感覚が、ある一定幅に入るように冷暖房能力
発生手段4の能力を切換え、室温の上昇運転と、下降運
転を行う。この感覚推論手段2と変動環境制御手段3
は、例えばマイクロコンピュータにより構成される。
【0024】図2は、この発明の1実施例を示す回路構
成図である。5は運転スイッチ、6は室内温度を検出す
る室温検出素子、7は室温検出素子6の値をデジタル値
に変換するA/D変換器、8は室温の上昇・下降運転を
切り換え環境を制御する変動環境制御手段3と、使用者
の温熱感覚を推論する感覚推論手段2を有したマイクロ
コンピュータで、入力回路9、CPU10、メモリ1
1、出力回路12を有している。13はその出力回路1
2からの信号によって制御される圧縮機である。
【0025】図3は、使用者の温熱感覚を推論するファ
ジールール図である。室温検出器により検出された室温
は、その絶対値とその変化にファジー化される。ファジ
ールール図は、このファジー化されたメンバーシップ関
数から温冷感を推論するためのものである。メンバーシ
ップ関数は、通常、適合度を表すもので1〜0の数値で
ある。ファジールールは、室温の変化がないとき(室温
の変化”なし”のメンバーシップ関数=1)は、室温
が”高い”の時、”暖かい”、室温が”普通”の時、”
どちらでもない”、室温が”低い”の時、”涼しい”と
推論される。温熱感覚は、室温の絶対値だけではなくそ
の時の室温変化の影響を受ける。このファジールールで
は、室温の変化が”すこし上昇”の時、それぞれ1段階
暖かい側へシフトさせている。また、室温の変化が”す
こし下降”の時、それぞれ1段階涼しい側へシフトさせ
ている。このように構成されたファジールールを用いる
ことにより、室温とこの室温の変化から温冷感を推論す
ることができる。このファジィ推論は、マイクロコンピ
ュータ8のメモリ11に記憶されているプログラムによ
って行われる。
【0026】図4は、推論された温冷感にもとづき、室
温の上昇運転と下降運転を切換えた場合の室温制御状況
を示す室温制御図である。熱負荷により温度上昇、下降
スピードが変化すると、温冷感は変化する。この場合、
温冷感は、やや暖かいになったら温度下降運転に切換
え、やや涼しいになったら温度上昇運転に切換えてい
る。熱負荷により室温の制御範囲が変化し、居住者の温
冷感は、やや暖かいからやや涼しいという快適な範囲に
維持される。
【0027】次に、第2の発明の1実施例を図をもって
説明する。図5から図8は、第2の発明の1実施例を示
すものであり、図5は基本制御概要を示すブロック図で
あり、図において、1は室温検出器、14は床温検出
器、2は感覚推論手段であり、室温検出器1と床温検出
器14から使用者の感覚量を推論する。3は、変動環境
制御手段であり、感覚推論手段2が推論した使用者の感
覚が、ある一定幅に入るように冷暖房能力発生手段4の
能力を切換え、室温の上昇運転と、下降運転を行う。こ
の感覚推論手段2と変動環境制御手段3は、例えばマイ
クロコンピュータにより構成される。
【0028】図6は、第2の発明の1実施例を示す回路
構成図である。5は運転スイッチ、6は室内温度を検出
する室温検出素子、7は室温検出素子6の値をデジタル
値に変換するA/D変換器、この室温検出素子6とA/
D変換器7で、室温検出器1を構成する。15は床ある
いは床付近に取付けられ床温を検出する床温検出素子、
16は床温検出素子15の値をデジタル値に変換するA
/D変換器、この床温検出素子15とA/D変換器16
で、床温検出器14を構成する。8は室温の上昇・下降
運転を切り替え環境を制御する変動環境制御手段3と、
使用者の温熱感覚を推論する感覚推論手段2を有したマ
イクロコンピュータで、入力回路9、CPU10、メモ
リ11、出力回路12を有している。13はその出力回
路12からの信号によって制御される圧縮機である。
【0029】図7は、使用者の温熱感覚を推論するファ
ジールール図であり、ファジールール1により室温と室
温の変化から温冷感を推論し、ファジールール2で、こ
の推論された温冷感を床温により補正する。室温検出器
1により検出された室温は、その絶対値とその変化にフ
ァジー化される。ファジールール図は、このファジー化
されたメンバーシップ関数から温冷感を推論するための
ものである。メンバーシップ関数は、通常、適合度を表
すもので1〜0の数値である。ファジールールは、室温
の変化がない場合(室温の変化”なし”のメンバーシッ
プ関数=1)は、室温が”高い”の時、”暖かい”、室
温が”普通”の時、”どちらでもない”、室温が”低
い”の時、”涼しい”と推論される。温熱感覚は、室温
の絶対値だけではなくその時の室温変化の影響を受け
る。このファジールールでは、室温の変化が”すこし上
昇”の時、それぞれ1段階暖かい側へシフトさせてい
る。また、室温の変化が”すこし下降”の時、それぞれ
1段階涼しい側へシフトさせている。このように構成さ
れたファジールールを用いることにより、室温とこの室
温の変化から温冷感を推論することができる。この推論
された温冷感は、ファジールール2で床温により補正さ
れる。ファジー補正は、床温が”すこし高い”時、それ
ぞれ1段階暖かい側へ、また、床温が”すこし低い”
時、それぞれ1段階涼しい側へシフトさせている。ファ
ジールールを構成しているので、それぞれの段階間も推
論される。このファジィ推論は、マイクロコンピュータ
8のメモリ11に記憶されているプログラムによって行
われる。
【0030】図8は、推論された温冷感にもとづき、室
温の上昇運転と下降運転を切換えた場合の室温制御状況
を示す室温制御図である。熱負荷により温度上昇、下降
スピードが変化すると温冷感は変化し、さらに床温によ
り変化する。この場合、温冷感は、やや暖かいになった
ら温度下降運転に切換え、やや涼しいになったら温度上
昇運転に切換えている。熱負荷や床温により室温の制御
範囲が変化し、居住者の温冷感は、やや暖かいからやや
涼しいという快適な範囲に維持される。また、上記実施
例においては、床温の絶対値で推論した感覚の補正をし
ているが、床温の絶対値とその変化で補正すると、より
精度高く感覚の推論ができる。
【0031】次に、第3の発明の1実施例を図をもって
説明する。図9から図12は、第3の発明の1実施例を
示すものであり、図9は基本制御概要を示すブロック図
であり、図において、1は室温検出器、17は壁温検出
器、2は感覚推論手段であり、室温検出器1と壁温検出
器17から使用者の感覚量を推論する。3は、変動環境
制御手段であり、感覚推論手段2が推論した使用者の感
覚が、ある一定幅に入るように冷暖房能力発生手段4の
能力を切換え、室温の上昇運転と、下降運転を行う。こ
の感覚推論手段2と変動環境制御手段3は、例えばマイ
クロコンピュータにより構成される。
【0032】図10は、第3の発明の1実施例を示す回
路構成図である。5は運転スイッチ、6は室内温度を検
出する室温検出素子、7は室温検出素子6の値をデジタ
ル値に変換するA/D変換器、この室温検出素子6とA
/D変換器7で、室温検出器1を構成する。18は壁あ
るいは壁付近に取付けられ壁温を検出する壁温検出素
子、19は壁温検出素子18の値をデジタル値に変換す
るA/D変換器、この壁温検出素子18とA/D変換器
19で、壁温検出器17を構成する。8は室温の上昇・
下降運転を切り替え環境を制御する変動環境制御手段3
と、使用者の温熱感覚を推論する感覚推論手段2を有し
たマイクロコンピュータで、入力回路9、CPU10、
メモリ11、出力回路12を有している。13はその出
力回路12からの信号によって制御される圧縮機であ
る。
【0033】図11は、使用者の温熱感覚を推論するフ
ァジールール図であり、ファジールール1により室温と
室温の変化から温冷感を推論し、ファジールール2で推
論された温冷感を壁温により補正する。室温検出器1に
より検出された室温は、その絶対値とその変化にファジ
ー化される。ファジールール図は、このファジー化され
たメンバーシップ関数から温冷感を推論するためのもの
である。メンバーシップ関数は、通常、適合度を表すも
ので1〜0の数値である。ファジールールは、室温の変
化がない場合(室温の変化”なし”のメンバーシップ関
数=1)は、室温が”高い”の時、”暖かい”、室温
が”普通”の時、”どちらでもない”、室温が”低い”
の時、”涼しい”と推論される。温熱感覚は、室温の絶
対値だけではなくその時の室温変化の影響を受ける。こ
のファジールールでは、室温の変化が”すこし上昇”の
時、それぞれ1段階暖かい側へシフトさせている。ま
た、室温の変化が”すこし下降”の時、それぞれ1段階
涼しい側へシフトさせている。このように構成されたフ
ァジールールを用いることにより、室温とこの室温の変
化から温冷感を推論することができる。この推論された
温冷感は、ファジールール2で壁温により補正される。
ファジー補正は、壁温が”すこし高い”時、それぞれ1
段階暖かい側へ、また、壁温が”すこし低い”時、それ
ぞれ1段階涼しい側へシフトさせている。ファジールー
ルを構成しているので、それぞれの段階間も推論され
る。このファジィ推論は、マイクロコンピュータ8のメ
モリ11に記憶されているプログラムによって行われ
る。
【0034】図12は、推論された温冷感にもとづき、
室温の上昇運転と下降運転を切換えた場合の室温制御状
況を示す室温制御図である。熱負荷により温度上昇、下
降スピードが変化すると温冷感は変化し、さらに壁温に
より変化する。この場合、温冷感は、やや暖かいになっ
たら温度下降運転に切換え、やや涼しいになったら温度
上昇運転に切換えている。熱負荷や壁温により室温の制
御範囲が変化し、居住者の温冷感は、やや暖かいからや
や涼しいという快適な範囲に維持される。また、上記実
施例においては、壁温の絶対値で推論した感覚の補正を
しているが、床温絶対値とその変化で補正すると、より
精度高く感覚の推論ができる。
【0035】次に、第4の発明の1実施例を図をもって
説明する。図13から図16は、第4の発明の1実施例
を示すものであり、図13は基本制御概要を示すブロッ
ク図であり、図において、1は室温検出器、20は輻射
温度検出器、2は感覚推論手段であり、室温検出器1と
輻射温度検出器20から使用者の感覚量を推論する。3
は、変動環境制御手段であり、感覚推論手段2が推論し
た使用者の感覚量が、ある一定幅に入るように冷暖房能
力発生手段4の能力を切換え、室温の上昇運転と、下降
運転を行う。この感覚推論手段2と変動環境制御手段3
は、例えばマイクロコンピュータにより構成される。
【0036】図14は、第4の発明の1実施例を示す回
路構成図である。5は運転スイッチ、6は室内温度を検
出する室温検出素子、7は室温検出素子6の値をデジタ
ル値に変換するA/D変換器、この室温検出素子6とA
/D変換器7で、室温検出器1を構成する。21は室内
の輻射温度を検出する輻射温度検出素子、22は輻射温
度検出素子21の値をデジタル値に変換するA/D変換
器、この輻射温度検出素子21とA/D変換器22で、
輻射温度検出器20を構成する。8は室温の上昇・下降
運転を切り替え環境を制御する変動環境制御手段3と、
使用者の温熱感覚を推論する感覚推論手段2を有したマ
イクロコンピュータで、入力回路9、CPU10、メモ
リ11、出力回路12を有している。13はその出力回
路12からの信号によって制御される圧縮機である。
【0037】図15は、使用者の温熱感覚を推論するフ
ァジールール図であり、ファジールール1により室温と
室温の変化から温冷感を推論し、ファジールール2で推
論された温冷感を輻射温度により補正する。室温検出器
1により検出された室温は、その絶対値とその変化にフ
ァジー化される。ファジールール図は、このファジー化
されたメンバーシップ関数から温冷感を推論するための
ものである。メンバーシップ関数は、通常、適合度を表
すもので1〜0の数値である。ファジールールは、室温
の変化がない場合(室温の変化”なし”のメンバーシッ
プ関数=1)は、室温が”高い”の時、”暖かい”、室
温が”普通”の時、”どちらでもない”、室温が”低
い”の時、”涼しい”と推論される。温熱感覚は、室温
の絶対値だけではなくその時の室温変化の影響を受け
る。このファジールールでは、室温の変化が”すこし上
昇”の時、それぞれ1段階暖かい側へシフトさせてい
る。また、室温の変化が”すこし下降”の時、それぞれ
1段階涼しい側へシフトさせている。このように構成さ
れたファジールールを用いることにより、室温とこの室
温の変化から温冷感を推論することができる。この推論
された温冷感は、ファジールール2で輻射温度により補
正される。ファジー補正は、輻射温度が”すこし高い”
時、それぞれ1段階暖かい側へ、また、輻射温度が”す
こし低い”時、それぞれ1段階涼しい側へシフトさせて
いる。ファジールールを構成しているので、それぞれの
段階間も推論される。このファジィ推論は、マイクロコ
ンピュータ8のメモリ11に記憶されているプログラム
によって行われる。
【0038】図16は、推論された温冷感にもとづき、
室温の上昇運転と下降運転を切換えた場合の室温制御状
況を示す室温制御図である。熱負荷により温度上昇、下
降スピードが変化すると温冷感は変化し、さらに輻射温
度により変化する。この場合、温冷感は、やや暖かいに
なったら温度下降運転に切換え、やや涼しいになったら
温度上昇運転に切換えている。熱負荷や輻射温度により
室温の制御範囲が変化し、居住者の温冷感は、やや暖か
いからやや涼しいという快適な範囲に維持される。ま
た、上記実施例においては、輻射温度の絶対値で推論し
た感覚の補正をしているが、輻射温度の絶対値とその変
化で補正すると、より精度高く感覚の推論ができる。
【0039】次に、第5の発明の1実施例を図をもって
説明する。図17から図20は、第5の発明の1実施例
を示すものであり、図17は基本制御概要を示すブロッ
ク図であり、図において、1は冷暖房機本体に取付けら
れた第1室温検出器、23は冷暖房機のリモコンなどに
取付けられ居住者の近傍の温度を検出する第2室温検出
器、2は感覚推論手段であり、第1室温検出器1と第2
室温検出器23から使用者の感覚量を推論する。3は、
変動環境制御手段であり、感覚推論手段2が推論した使
用者の感覚が、ある一定幅に入るように冷暖房能力発生
手段4の能力を切換え、室温の上昇運転と、下降運転を
行う。この感覚推論手段2と変動環境制御手段3は、例
えばマイクロコンピュータにより構成される。
【0040】図18は、第5の発明の1実施例を示す回
路構成図である。5は運転スイッチ、6は冷暖房器の本
体に取付けられ室温を検出する第1室温検出素子、7は
第1室温検出素子6の値をデジタル値に変換するA/D
変換器、この第1室温検出素子6とA/D変換器7で、
室温検出器1を構成する。24は冷暖房機のリモコンな
どに取付けられ居住者の近傍の温度を検出する第2室温
検出素子、25は第2室温検出素子24の値をデジタル
値に変換するA/D変換器、この第2室温検出素子24
とA/D変換器25で、第2室温検出器23を構成す
る。8は室温の上昇・下降運転を切り替え環境を制御す
る変動環境制御手段3と、使用者の温熱感覚を推論する
感覚推論手段2を有したマイクロコンピュータで、入力
回路9、CPU10、メモリ11、出力回路12を有し
ている。13はその出力回路12からの信号によって制
御される圧縮機である。
【0041】図19は、使用者の温熱感覚を推論するフ
ァジールール図であり、ファジールール1により第1の
室温とその変化から温冷感を推論し、ファジールール2
で推論された温冷感を第2室温により補正する。第1室
温検出器1により検出された室温は、その絶対値とその
変化にファジー化される。ファジールール図は、このフ
ァジー化されたメンバーシップ関数から温冷感を推論す
るためのものである。メンバーシップ関数は、通常、適
合度を表すもので1〜0の数値である。ファジールール
は、室温の変化がない場合(室温の変化”なし”のメン
バーシップ関数=1)は、室温が”高い”の時、”暖か
い”、室温が”普通”の時、”どちらでもない”、室温
が”低い”の時、”涼しい”と推論される。温熱感覚
は、室温の絶対値だけではなくその時の室温変化の影響
を受ける。このファジールールでは、室温の変化が”す
こし上昇”の時、それぞれ1段階暖かい側へシフトさせ
ている。また、室温の変化が”すこし下降”の時、それ
ぞれ1段階涼しい側へシフトさせている。このように構
成されたファジールールを用いることにより、室温とこ
の室温の変化から温冷感を推論することができる。この
推論された温冷感は、ファジールール2で第2室温によ
り補正される。ファジー補正は、第2室温が”すこし高
い”時、それぞれ1段階暖かい側へ、また、第2室温
が”すこし低い”時、それぞれ1段階涼しい側へシフト
させている。ファジールールを構成しているので、それ
ぞれの段階間も推論される。このファジィ推論は、マイ
クロコンピュータ8のメモリ11に記憶されているプロ
グラムによって行われる。
【0042】図20は、推論された温冷感にもとづき、
室温の上昇運転と下降運転を切換えた場合の室温制御状
況を示す室温制御図である。熱負荷により温度上昇、下
降スピードが変化すると温冷感は変化し、さらに第2室
温により変化する。この場合、温冷感は、やや暖かいに
なったら温度下降運転に切換え、やや涼しいになったら
温度上昇運転に切換えている。熱負荷や第2室温により
室温の制御範囲が変化し、居住者の温冷感は、やや暖か
いからやや涼しいという快適な範囲に維持される。ま
た、上記実施例においては、第2室温の絶対値で推論し
た感覚の補正をしているが、第2室温の絶対値とその変
化で補正すると、より精度高く感覚の推論ができる。
【0043】次に、第6の発明の1実施例を図をもって
説明する。図21から図24は、第6の発明の1実施例
を示すものであり、図21は基本制御概要を示すブロッ
ク図であり、図において、1は室温検出器、2は感覚推
論手段であり、室温検出器1と後述する冷暖房能力発生
手段4の平均冷暖房能力から使用者の感覚量を推論す
る。平均冷暖房能力は、室温上昇運転時の冷暖房能力と
その運転時間、室温下降運転時の冷暖房能力とその運転
時間から求めている。3は、変動環境制御手段であり、
感覚推論手段2が推論した使用者の感覚量が、ある一定
幅に入るように冷暖房能力発生手段4の能力を切換え、
室温の上昇運転と、下降運転を行う。この感覚推論手段
2と変動環境制御手段3は、例えばマイクロコンピュー
タにより構成される。
【0044】図22は、第6の発明の1実施例を示す回
路構成図である。5は運転スイッチ、6は室内温度を検
出する室温検出素子、7は室温検出素子6の値をデジタ
ル値に変換するA/D変換器、この室温検出素子6とA
/D変換器7で、室温検出器1を構成する。8は室温の
上昇・下降運転を切り替え環境を制御する変動環境制御
手段3と、使用者の温熱感覚を推論する感覚推論手段2
を有したマイクロコンピュータで、入力回路9、CPU
10、メモリ11、出力回路12を有している。13は
その出力回路12からの信号によって制御される圧縮機
である。
【0045】図23は、使用者の温熱感覚を推論する冷
房時のファジールール図であり、ファジールール1によ
り室温と室温の変化から温冷感を推論し、ファジールー
ル2で推論された温冷感を冷暖房能力により補正する。
室温検出器1により検出された室温は、その絶対値とそ
の変化にファジー化される。ファジールール図は、この
ファジー化されたメンバーシップ関数から温冷感を推論
するためのものである。メンバーシップ関数は、通常、
適合度を表すもので1〜0の数値である。ファジールー
ルは、室温の変化がない場合(室温の変化”なし”のメ
ンバーシップ関数=1)は、室温が”高い”の時、”暖
かい”、室温が”普通”の時、”どちらでもない”、室
温が”低い”の時、”涼しい”と推論される。温熱感覚
は、室温の絶対値だけではなくその時の室温変化の影響
を受ける。このファジールールでは、室温の変化が”す
こし上昇”の時、それぞれ1段階暖かい側へシフトさせ
ている。また、室温の変化が”すこし下降”の時、それ
ぞれ1段階涼しい側へシフトさせている。このように構
成されたファジールールを用いることにより、室温とこ
の室温の変化から温冷感を推論することができる。この
推論された温冷感は、ファジールール2で冷暖房能力に
より補正される。ファジー補正は、冷暖房能力が”すこ
し大きい”時、それぞれ1段階暖かい側へ、また、冷暖
房能力が”すこし小さい”時、それぞれ1段階涼しい側
へシフトさせている。ファジールールを構成しているの
で、それぞれの段階間も推論される。このファジィ推論
は、マイクロコンピュータ8のメモリ11に記憶されて
いるプログラムによって行われる。
【0046】図24は、推論された温冷感にもとづき、
室温の上昇運転と下降運転を切換えた場合の冷房時の室
温制御状況を示す室温制御図である。熱負荷により温度
上昇、下降スピードが変化すると温冷感は変化し、さら
に冷暖房能力により変化する。この場合、温冷感は、や
や暖かいになったら温度下降運転に切換え、やや涼しい
になったら温度上昇運転に切換えている。熱負荷や冷暖
房能力により室温の制御範囲が変化し、居住者の温冷感
は、やや暖かいからやや涼しいという快適な範囲に維持
される。また、上記実施例においては、冷暖房能力の絶
対値で感覚の推論を行っているが、冷暖房能力の絶対値
とその変化を用いることにより、より精度の高い感覚推
論が可能である。
【0047】次に、第7の発明の1実施例を図をもって
説明する。図25から図28は、第7の発明の1実施例
を示すものであり、図25は基本制御概要を示すブロッ
ク図であり、図において、1は冷暖房機器や室内の上部
に取付けられ室内上部の室温を検出する上部室温検出
器、26は冷暖房機器や室内の下部に取付けられ室内下
部の室温を検出する下部室温検出器、2は感覚推論手段
であり、上部室温検出器1と下部室温検出器26から使
用者の感覚量を推論する。3は、変動環境制御手段であ
り、感覚推論手段2が推論した使用者の感覚が、ある一
定幅に入るように冷暖房能力発生手段4の能力を切換
え、室温の上昇運転と、下降運転を行う。この感覚推論
手段2と変動環境制御手段3は、例えばマイクロコンピ
ュータにより構成される。
【0048】図26は、第7の発明の1実施例を示す回
路構成図である。5は運転スイッチ、6は冷暖房機器や
室内の上部に取付けられ室内上部の室温を検出する上部
室温検出素子、7は上部室温検出素子6の値をデジタル
値に変換するA/D変換器、この上部室温検出素子6と
A/D変換器7で、上部室温検出器1を構成する。27
は冷暖房機器や室内の下部に取付けられ室内下部の室温
を検出する下部室温検出素子、28は下部室温検出素子
27の値をデジタル値に変換するA/D変換器、この下
部室温検出素子27とA/D変換器28で、下部室温検
出器26を構成する。8は室温の上昇・下降運転を切り
替え環境を制御する変動環境制御手段3と、使用者の温
熱感覚を推論する感覚推論手段2を有したマイクロコン
ピュータで、入力回路9、CPU10、メモリ11、出
力回路12を有している。13はその出力回路12から
の信号によって制御される圧縮機である。
【0049】図27は、使用者の温熱感覚を推論するフ
ァジールール図であり、ファジールール1により上部室
温と上部室温の変化から温冷感を推論し、ファジールー
ル2で推論された温冷感を下部室温により補正する。上
部室温検出器1により検出された室温は、その絶対値と
その変化にファジー化される。ファジールール図は、こ
のファジー化されたメンバーシップ関数から温冷感を推
論するためのものである。メンバーシップ関数は、通
常、適合度を表すもので1〜0の数値である。ファジー
ルールは、室温の変化がない場合(室温の変化”なし”
のメンバーシップ関数=1)は、室温が”高い”の
時、”暖かい”、室温が”普通”の時、”どちらでもな
い”、室温が”低い”の時、”涼しい”と推論される。
温熱感覚は、室温の絶対値だけではなくその時の室温変
化の影響を受ける。このファジールールでは、室温の変
化が”すこし上昇”の時、それぞれ1段階暖かい側へシ
フトさせている。また、室温の変化が”すこし下降”の
時、それぞれ1段階涼しい側へシフトさせている。この
ように構成されたファジールールを用いることにより、
室温とこの室温の変化から温冷感を推論することができ
る。この推論された温冷感は、ファジールール2で下部
室温により補正される。ファジー補正は、下部室温が”
すこし高い”時、それぞれ1段階暖かい側へ、また、下
部室温が”すこし低い”時、それぞれ1段階涼しい側へ
シフトさせている。ファジールールを構成しているの
で、それぞれの段階間も推論される。このファジィ推論
は、マイクロコンピュータ8のメモリ11に記憶されて
いるプログラムによって行われる。
【0050】図28は、推論された温冷感にもとづき、
室温の上昇運転と下降運転を切換えた場合の室温制御状
況を示す室温制御図である。熱負荷により温度上昇、下
降スピードが変化すると温冷感は変化し、さらに下部室
温により変化する。この場合、温冷感は、やや暖かいに
なったら温度下降運転に切換え、やや涼しいになったら
温度上昇運転に切換えている。熱負荷や下部室温により
室温の制御範囲が変化し、居住者の温冷感は、やや暖か
いからやや涼しいという快適な範囲に維持される。ま
た、上記実施例においては、下部室温の絶対値で感覚の
推論を行っているが、下部温度の絶対値とその変化を用
いることにより、より精度の高い感覚推論が可能であ
る。
【0051】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、室温
の上昇運転と下降運転を行い快適な環境を提供する冷暖
房機器において、室温検出器が検出する室温とその変化
から居住者の温熱感覚を推論し、居住者の温熱感覚があ
る範囲に入るように冷暖房能力発生装置の能力制御を行
うので、冷暖房機器が設置されている部屋の断熱性や外
気温度などに左右されず、快適な環境を維持することが
できる冷暖房装置を提供することができる。
【0052】また、第2の発明によれば、室温の上昇運
転と下降運転を行い快適な環境を提供する冷暖房機器に
おいて、室温検出器が検出する室温とその変化、さらに
床温から居住者の温熱感覚を推論し、居住者の温熱感覚
がある範囲に入るように冷暖房能力発生装置の室温上昇
運転と下降運転を切換えるので、冷暖房機器が設置され
ている部屋の断熱性や外気温度などに左右されず、快適
な環境を維持することができる冷暖房装置を提供するこ
とができる。
【0053】また、第3の発明によれば、室温の上昇運
転と下降運転を行い快適な環境を提供する冷暖房機器に
おいて、室温検出器が検出する室温とその変化、さらに
壁温から居住者の温熱感覚を推論し、居住者の温熱感覚
がある範囲に入るように冷暖房能力発生装置の室温上昇
運転と下降運転を切換えるので、冷暖房機器が設置され
ている部屋の断熱性や外気温度などに左右されず、快適
な環境を維持することができる冷暖房装置を提供するこ
とができる。
【0054】また、第4の発明によれば、室温の上昇運
転と下降運転を行い快適な環境を提供する冷暖房機器に
おいて、室温検出器が検出する室温とその変化、さらに
輻射温度から居住者の温熱感覚を推論し、居住者の温熱
感覚がある範囲に入るように冷暖房能力発生装置の室温
上昇運転と下降運転を切換えるので、冷暖房機器が設置
されている部屋の断熱性や外気温度などに左右されず、
快適な環境を維持することができる冷暖房装置を提供す
ることができる。
【0055】また、第5の発明によれば、室温の上昇運
転と下降運転を行い快適な環境を提供する冷暖房機器に
おいて、室温検出器が検出する室温とその変化、さらに
居住者の近傍の室温から居住者の温熱感覚を推論し、居
住者の温熱感覚がある範囲に入るように冷暖房能力発生
装置の室温上昇運転と下降運転を切換えるので、冷暖房
機器が設置されている部屋の断熱性や外気温度などに左
右されず、快適な環境を維持することができる冷暖房装
置を提供することができる。
【0056】また、第6の発明によれば、室温の上昇運
転と下降運転を行い快適な環境を提供する冷暖房機器に
おいて、室温検出器が検出する室温とその変化、冷暖房
機器の平均冷暖房能力から居住者の温熱感覚を推論し、
居住者の温熱感覚がある範囲に入るように冷暖房能力発
生装置の室温上昇運転と下降運転を切換えるので、冷暖
房機器が設置されている部屋の断熱性や外気温度などに
左右されず、快適な環境を維持することができる冷暖房
装置を提供することができる。
【0057】また、第7の発明によれば、室温の上昇運
転と下降運転を行い快適な環境を提供する冷暖房機器に
おいて、冷暖房機器あるいは部屋の上部に取付けられ、
部屋の上部室温検出器が検出する上部室温とその変化、
冷暖房機器あるいは部屋の下部に取付けられ、部屋の下
部室温検出器が検出する下部室温から居住者の温熱感覚
を推論し、居住者の温熱感覚がある範囲に入るように冷
暖房能力発生装置の室温上昇運転と下降運転を切換える
ので、冷暖房機器が設置されている部屋の断熱性や外気
温度などに左右されず、快適な環境を維持することがで
きる冷暖房装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明による1実施例を示す冷暖房機の基
本制御概要を示すブロック図である。
【図2】第1の発明による回路構成図である。
【図3】第1の発明による温熱感覚の推論を示すファジ
ールール図である。
【図4】第1の発明による室温制御状況を示す室温制御
図である。
【図5】第2の発明による1実施例を示す冷暖房機の基
本制御概要を示すブロック図である。
【図6】第2の発明による回路構成図である。
【図7】第2の発明による温熱感覚の推論を示すファジ
ールール図である。
【図8】第2の発明による室温制御状況を示す室温制御
図である。
【図9】第3の発明による1実施例を示す冷暖房機の基
本制御概要を示すブロック図である。
【図10】第3の発明による回路構成図である。
【図11】第3の発明による温熱感覚の推論を示すファ
ジールール図である。
【図12】第3の発明による室温制御状況を示す室温制
御図である。
【図13】第4の発明による1実施例を示す冷暖房機の
基本制御概要を示すブロック図である。
【図14】第4の発明による回路構成図である。
【図15】第4の発明による温熱感覚の推論を示すファ
ジールール図である。
【図16】第4の発明による室温制御状況を示す室温制
御図である。
【図17】第5の発明による1実施例を示す冷暖房機の
基本制御概要を示すブロック図である。
【図18】第5の発明による回路構成図である。
【図19】第5の発明による温熱感覚の推論を示すファ
ジールール図である。
【図20】第5の発明による室温制御状況を示す室温制
御図である。
【図21】第6の発明による1実施例を示す冷暖房機の
基本制御概要を示すブロック図である。
【図22】第6の発明による回路構成図である。
【図23】第6の発明による温熱感覚の推論を示すファ
ジールール図である。
【図24】第6の発明による室温制御状況を示す室温制
御図である。
【図25】第7の発明による1実施例を示す冷暖房機の
基本制御概要を示すブロック図である。
【図26】第7の発明による回路構成図である。
【図27】第7の発明による温熱感覚の推論を示すファ
ジールール図である。
【図28】第7の発明による室温制御状況を示す室温制
御図である。
【図29】従来の冷暖房機の回路構成図である。
【図30】従来の冷暖房機のフローチャート図である。
【図31】従来の冷暖房機の制御特性図である。
【符号の説明】
1 室温検出器または第1室温検出器、または上部室温
検出器 2 感覚推論手段 3 変動環境制御手段 4 冷暖房能力発生手段 14 床温検出器 17 壁温検出器 20 輻射温度検出器 23 第2室温検出器 26 下部室温検出器 図中、同一符号のものは、同一または、相当する部分を
示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷暖房能力発生手段と前記冷暖房能力発
    生手段における室温の上昇運転と下降運転を切り替えな
    がら環境を制御する変動環境制御手段と、 冷暖房機器に取付けられ、室温の代表値を検出する室温
    検出器と、 前記室温検出器が検出する室温とこの室温の変化から、
    使用者の温熱感覚を推論する感覚推論手段とを備え、 前記感覚推論手段の出力により、前記変動環境制御手段
    の室温上昇運転と室温下降運転の出力を切り替えること
    を特徴とする冷暖房装置。
  2. 【請求項2】 冷暖房能力発生手段と前記冷暖房能力発
    生手段における室温の上昇運転と下降運転を切り替えな
    がら環境を制御する変動環境制御手段と、 冷暖房機器に取付けられ、室温の代表値を検出する室温
    検出器と、 床面に取付けられ、床の温度を検出する床温検出器と、 前記室温検出器が検出する室温とこの室温の変化と前記
    床温検出器が検出する床温から、使用者の温熱感覚を推
    論する感覚推論手段とを備え、 前記感覚推論手段の出力により、前記変動環境制御手段
    の室温上昇運転と室温下降運転の出力を切替えることを
    特徴とする冷暖房装置。
  3. 【請求項3】 冷暖房能力発生手段と前記冷暖房能力発
    生手段における室温の上昇運転と下降運転を切り替えな
    がら環境を制御する変動環境制御手段と、 冷暖房機器に取付けられ、室温の代表値を検出する室温
    検出器と、 壁面に取付けられ、壁の温度を検出する壁温検出器と、 前記室温検出器が検出する室温とこの室温の変化と前記
    壁温検出器が検出する壁温から、使用者の温熱感覚を推
    論する感覚推論手段とを備え、 前記感覚推論手段の出力により、前記変動環境制御手段
    の室温上昇運転と室温下降運転の出力を切替えることを
    特徴とする冷暖房装置。
  4. 【請求項4】 冷暖房能力発生手段と前記冷暖房能力発
    生手段における室温の上昇運転と下降運転を切り替えな
    がら環境を制御する変動環境制御手段と、 冷暖房機器に取付けられ、室温の代表値を検出する室温
    検出器と、 冷暖房機器に取付けられ、室内の輻射温度を検出する輻
    射温度検出器と、 前記室温検出器が検出する室温とこの室温の変化と前記
    輻射温度検出器が検出する輻射温度から、使用者の温熱
    感覚を推論する感覚推論手段とを備え、 前記感覚推論手段の出力により、前記変動環境制御手段
    の室温上昇運転と室温下降運転の出力を切替えることを
    特徴とする冷暖房装置。
  5. 【請求項5】 冷暖房能力発生手段と前記冷暖房能力発
    生手段における室温の上昇運転と下降運転を切り替えな
    がら環境を制御する変動環境制御手段と、 冷暖房機器に取付けられ、室温の代表値を検出する第1
    の室温検出器と、 冷暖房機器より分離され冷暖房機器の操作を行うリモコ
    ンに取付けられ、リモコン付近の温度を検出する第2の
    室温検出器と、 前記室温検出器が検出する第1の室温とこの第1の室温
    の変化と前記第2の室温から、使用者の温熱感覚を推論
    する感覚推論手段とを備え、 前記感覚推論手段の出力により、前記変動環境制御手段
    の室温上昇運転と室温下降運転の出力を切替えることを
    特徴とする冷暖房装置。
  6. 【請求項6】 冷暖房能力発生手段と前記冷暖房能力発
    生手段における室温の上昇運転と下降運転を切り替えな
    がら環境を制御する変動環境制御手段と、 冷暖房機器に取付けられ、室温の代表値を検出する室温
    検出器と、 前記室温検出器が検出する室温とこの室温の変化と前記
    冷暖房能力発生手段の冷暖房能力から、使用者の温熱感
    覚を推論する感覚推論手段とを備え、 前記感覚推論手段の出力により、前記変動環境制御手段
    の室温上昇運転と室温下降運転の出力を切替えることを
    特徴とする冷暖房装置。
  7. 【請求項7】 冷暖房能力発生手段と前記冷暖房能力発
    生手段における室温の上昇運転と下降運転を切り替えな
    がら環境を制御する変動環境制御手段と、 冷暖房機器の上部に取付けられ、室温の上部の室温の代
    表値を検出する上部室温検出器と、 冷暖房機器の下部に取付けられ、室内の下部の室温の代
    表値を検出する下部室温検出器と、 前記上部室温検出器が検出する上部室温とこの上部室温
    の変化と前記下部室温検出器が検出する下部室温から、
    使用者の温熱感覚を推論する感覚推論手段とを備え、 前記感覚推論手段の出力により、前記変動環境制御手段
    の室温上昇運転と室温下降運転の出力を切替えることを
    特徴とする冷暖房装置。
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