JPH068198Y2 - 折り畳み自在なゴンドラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は高層ビルディングの建築、又は高層ビルディン
グの壁、窓の清掃等に使用される吊足場たるゴンドラに
関する。

〔従来の技術〕 一般に高層ビルディングの外壁、窓の清掃、補修、塗装
等には吊足場であるゴンドラが使用されている。

このゴンドラは水平な作業床の四隅に枠体たる支柱を起
立し、各枠体間に手摺を架設してケージを構成し、ケー
ジ自体はビルディングの屋上から吊り下げられたワイヤ
にウインチを介して結合され、ウインチの駆動によりゴ
ンドラが作業位置に応じて昇降するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上記のゴンドラは一般に鉄製であるために
重量が重く、持ち運びが不便であり、ウインチに対する
負荷も大きいこと、作業床と枠体と手摺枠が一体に固
定されて箱状のケージとなっている為に容積が大きく、
持ち運びが不便であり、一度に多数のゴンドラを搬送で
きず、倉庫等に保管する場合には常に大きな収容スペー
スを必要とすること、上記のように重量が重く、容積
が大きいということは一人の作業者が一人で作業現場に
ゴンドラを設置したり、はずしたりすることができず、
作業能率が悪く、経済性が悪い、という不具合があっ
た。

従って、本考案の目的は使用時には自由に組立てられ、
不使用時や搬送時にはコンパクトに折り畳め、一人でも
組立、解体、及び搬送が可能な吊り足場たるゴンドラを
提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本考案の構成は、作業床の
左右両側に断面Ｌ状で逆Ｕ字状のビームからなる一対の
枠体を設け、作業床の正面及び背面側に断面Ｌ状の手摺
枠を設け、作業床と枠体と手摺枠とでアルミニューム合
金製のケージを構成し、作業床の下部にキャスターが取
り付けられ、各枠体にはウインチが取り付けられている
折り畳み自在なゴンドラに於て、枠体の下部内側に彎曲
した面取りをほどこすと共に下部外側に直角なストッパ
ーを形成し、作業床の左右両側にブラケットを起立さ
せ、このブラケットに枠体の下部を作業床に向けて回転
自在に枢着させ、作業床の正面及び背面側上に着脱自在
に置かれた手摺枠の側面を枠体の内面に対向させ、枠体
の内面と手摺枠の側面とにそれぞれ第１の取り付け部材
と第２の取り付け部材とを設け、上記第１の取り付け部
材は枠体の内面に設けた断面Ｕ字状のブラケットと、こ
のブラケットに回転自在に取り付けたロッドと、このロ
ッドに一体に結合された爪と、前記ロッドに設けられて
前記爪を一方向に回転附勢しているスプリングとからな
り、前記第２の取り付け部材は前記手摺枠の側面に設け
た断面Ｕ字状のブラケットと、このブラケットに結合さ
れたロッドとからなり、前記第１、第２の取り付け部材
を介して手摺枠を枠体に着脱自在に結合させることを特
徴とするものである。

［作用］ ゴンドラ自体をウインチにより昇降でき、キャスターに
より任意の位置に移送できる第１、第２の取り付け部材
をはずすことにより枠体と手摺枠との結合が解除され、
手摺枠を作業床からはずした状態では枠体を作業床上に
折り畳め、更に折り畳んだ枠体上に手摺枠を重ねて置く
ことによりコンパクとになる。

〔実施例〕

以下本考案の実施の一例を図面について説明する。

ゴンドラ１は長方体状の水平な作業床２と、作業床２の
両端四隅に起立する一対のスターラップたる枠体３，３
と、作業床２の正面、背面側に起立し且つ枠体３，３に
着脱自在に保持された手摺枠４，４とを有し、作業床２
と枠体３，３と手摺枠４，４とでケージを構成してい
る。これらの部材はアルミニューム合金、その軽量金属
で成形されて軽量化を計っている。作業床２の下部には
キャスター５が取り付けられ、このキャスター５を介し
てゴンドラ１を任意の位置に移送できるようになってい
る。

枠体３は断面Ｌ状のビームで逆Ｕ字状に構成され、この
枠体は梁材３ａで補強されている。

左右の枠体３，３にはウインチ６，６が取り付けられ、
このウインチ６，６に巻かれたワイヤ７，７は高層ビル
ディングの屋上に吊り下げられるようになっている。

更に作業床２には、制御操作盤８が設けられ、ウインチ
を駆動してゴンドラ１を昇降操作するようになってい
る。作業床２には枠体３，３と対向するブラケット９，
１０が例えば四隅に起立し、この各ブラケット９，１０
間に枠体３，３の下部を挿入し、ブラケット９，１０と
枠体３，３はボルトとナット１０′で枢着されている。

枠体３の下部内側には彎曲した面取り１１がほどこさ
れ、外側には直角なストッパー１２が形成されている。

この為、面取り１１を介して枠体３は内側にのみ回転で
き、外側に回転しようとする時はストッパー１２が作業
床２の上部コーナと干渉し、これに係合するため回転が
阻止される。

枠体３と作業床２との間にわずかな隙間を形成してお
けば、枠体３が外方にこの隙間分だけ変位でき、点線
で示すようにわずか傾斜させることができる。

ブラケット９，１０が作業床２に起立して固定させてい
るが、作業床２がブラケットを兼ねる場合には作業床２
の正面と背面に直接枠体３の下部を回転自在に枢着さ
せ、この枠体３はストッパとして係止片を設け、この係
止片を作業床２の左右側面に係合させるようにしてもよ
い。

第４図のストッパー１２は枠体３の下端を直角に成形し
たものであるが、枠体３から下方に延びる係止片を設
け、この係止片を作業床２の側面に当接するようにして
もよい。

枠体３，３の内面に対して手摺枠４，４の側面が対向
し、それぞれの対向面第１，第２の取り付け部材１３，
１４を設け、これらの取り付け部材１３，１４を介して
両者が着脱自在に結合される。

第１の取り付け部材１３は枠体３の内側面にボルトとナ
ット２３を介して固定された断面Ｕ字状のブラケット１
５と、このブラケット１５に直交して回転自在に取り付
けたロッド１６と、このロッド１６に一体に結合され且
つブラケット１５と平行な係止片たる爪１７と、ロッド
１６の外周に巻かれ且つ一端がロッド１６に結合され、
他端が爪１７に結合されたスプリング１８とからなり、
スプリング１８は第７図に於て常時爪１７を時計方向に
附勢している。

ロッド１６にはハンドル１９が一体に連結され、ハンド
ル１９を反時計方向に移動すると爪１７がスプリング１
８に抗して時計方向に回転するようになっている。

ハンドル１９は無くても使用可能である。

ブラケット１５の先端にはＶ字状の溝２０が形成されて
いる。

爪１７の下部には係止溝２１が形成され、更に爪１７の
先端には係止溝２１に連らなるテーパ面２２が形成され
ている。

他方、第２の取り付け部材１４は手摺枠４にボルトとナ
ット２４を介して固定した断面Ｕ字状のブラケット２５
と、このブラケット２５に直交して結合された係止部た
るロッド２６とから構成されている。

枠体３に対して手摺枠４を結合させる場合には、枠体３
を垂直又はやや外方に傾斜させておき、次いで手摺枠４
を枠体３に対向させ、更に第２の取り付け部材１４のロ
ッド２６を第１の取り付け部材１３の溝２０に向けて押
し込むとこのロッド２６が爪１７を反時計方向に押し上
げながらテーパ面２２に沿って溝２０の奥に案内されて
嵌入する。更にこの状態では爪１７がスプリング１８の
力で時計方向に復帰し、爪１７の係止溝２１にロッド２
６が嵌合する。

従って爪１７の係止溝２１にロッド２６が引掛けられて
いることにより枠体３に対して手摺枠４がワンタッチで
結合される。

手摺枠４をはずす場合には爪１７を直接押し上げるか、
又はハンドル１９を時計方向に回動することにより爪１
７を同一方向に回動し、係止溝２１とロッド２６との係
合を解除させ、この状態で手摺枠４を離せば良い。

取り付け部材は図示の実施例に限定されないことはいう
までもない。

上記のように、ゴンドラ１をケージとして組立てる場合
には一人の作業者が枠体３を起立させ、この枠体３に手
摺枠４をワンタッチで結合させればよい。

又ゴンドラ１を折り畳む場合には、取り付け部材１３，
１４の結合を解除して手摺枠４を一時的に撤去し、次に
枠体３，３を第８図のように内方に回転して作業床２上
に重ね、次に前記手摺枠４，４を枠体３，３の上に重ね
て置くことによりコンパクトに折り畳める。

〔考案の効果〕

本考案によれば、次の効果が得られる。

枠体の下部を作業床に起立したブラケットに作業床方
向に向けて回転自在に枢着させ、手摺枠は作業床上に置
かれると共に枠体との間に設けた第１、第２の取り付け
部材を介して着脱自在に結合されているから、第１、第
２の取り付け部材をはずすことにより枠体と手摺枠とが
分離され、手摺枠を作業床上からはずした後には枠体を
作業床上に折り畳め、更に、この枠体上に手摺枠を重ね
て置くことができる。この為、不使用時には作業床上に
枠体と手摺枠とがコンパクトに重ねて折り畳まれ、持ち
運びが容易となり、搬送時又は保管時に小さなスペース
内に多数のゴンドラを収容できる。

ゴンドラはウインチにより昇降でき、キャスターによ
り任意の位置まで移送できる。

手摺枠は作業床上に置かれているだけであるから、第
１，第２の取り付け部材以外には余分な取り付けた部材
が不要であり、加工性、組付性、経済性にすぐれてい
る。

第１、第２の取り付け部材にスプリングで付勢された
爪を利用した場合には第１、第２の取り付け部材がワン
タッチで結合でき、作業能率が向上し、結合後はスプリ
ングでロックできる。

ケージがアルミニューム合金製であるから、軽量化が
図れ、持ち運びが容易で一人でも行なえ、ウインチに対
する負荷も小さくなる。

枠体と手摺枠とが断面Ｌ状に成形されているから、強
度があり、第１，第２の取り付け部材を設けるスペース
が大きくとれ、各取り付け部材を取り付けやすい。

枠体の下部内側には彎曲した面取りがほどこされてい
るから枠体をスムースに作業床方向に回転でき、起立し
た時下部外側のストッパーにより枠体が作業床と反対方
向に回転するのが防止されて確実に垂直に起立できる。

【図面の簡単な説明】

添附図面は本考案の一実施例に係るゴンドラを示し、第
１図は平面図、第２図は正面図、第３図は左側面図、第
４図は枠体の下部拡大正面図、第５図は同じく右側面
図、第６図は取り付け部材の拡大平面図、第７図は同じ
く正面図、第８図は折り畳み時の正面図、第９図は同じ
く左側面図である。 １…ゴンドラ、２…作業床、３…枠体、４…手摺枠、１
３，１４…取り付け部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】作業床の左右両側に断面Ｌ状で逆Ｕ字状の
   ビームからなる一対の枠体を設け、作業床の正面及び背
   面側に断面Ｌ状の手摺枠を設け、作業床と枠体と手摺枠
   とでアルミニューム合金製のケージを構成し、作業床の
   下部にキャスターが取り付けられ、各枠体にはウインチ
   が取り付けられている折り畳み自在なゴンドラに於て、
   枠体の下部内側に彎曲した面取りをほどこすと共に下部
   外側に直角なストッパーを形成し、作業床の左右両側に
   ブラケットを起立させ、このブラケットに枠体の下部を
   作業床に向けて回転自在に枢着させ、作業床の正面及び
   背面側上に着脱自在に置かれた手摺枠の側面を枠体の内
   面に対向させ、枠体の内面と手摺枠の側面とにそれぞれ
   第１の取り付け部材と第２の取り付け部材とを設け、上
   記第１の取り付け部材は枠体の内面に設けた断面Ｕ字状
   のブラケットと、このブラケットに回転自在に取り付け
   たロッドと、このロッドに一体に結合された爪と、前記
   ロッドとに設けられて前記爪を一方向に回転附勢してい
   るスプリングとからなり、前記第２の取り付け部材は前
   記手摺枠の側面に設けた断面Ｕ字状のブラケットと、こ
   のブラケットに結合されたロッドとからなり、前記第
   １、第２の取り付け部材を介して手摺枠を枠体に着脱自
   在に結合させることを特徴とする折り畳み自在なゴンド
   ラ。