JPH06818B2 - オレフイン共重合体の製造方法 - Google Patents

オレフイン共重合体の製造方法

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JPH06818B2
JPH06818B2 JP59122668A JP12266884A JPH06818B2 JP H06818 B2 JPH06818 B2 JP H06818B2 JP 59122668 A JP59122668 A JP 59122668A JP 12266884 A JP12266884 A JP 12266884A JP H06818 B2 JPH06818 B2 JP H06818B2
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ethylene
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carbon atoms
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hydrocarbon
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弓人 上原
行正 松田
和郎 下妻
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エチレンと炭素数3〜8個のα−オレフイン
を60〜105℃の温度且つ100kg/cm2以下の圧力
で気相反応帯域中で密度0.91g/cm3以上0.945g/cm3
以下のエチレン共重合体を製造するに際し、特定の固体
触媒及び有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる
触媒系粒子を用いることにより、重合体中の触媒残渣が
比較的低く、嵩密度が高いエチレン共重合体粒子を効率
的に製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、オレフインの重合では、オレフイン自体もしくは
他の不活性溶媒を反応媒体とするスラリー重合プロセス
もしくは溶液重合プロセスが主流であつた。しかしなが
ら、これらの重合に於ては反応後に重合生成物と反応媒
体の分離、重合生成物の乾燥、反応媒体の回収などの後
処理操作が必要不可欠である。
これに比べ、気相重合プロセスに於いては、上述の後処
理操作が大幅に簡略化される可能性があり、この意味で
気相重合プロセスは、工業的には最も優れたプロセスと
言える。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、近年品質の高級化や特殊化を目的として従来
にない密度の低いグレードや共単量体として炭素数の多
いもの、例えばヘキセンやオクテンを用いたグレードの
製造が求められて来ている。この事は工業的に有利な気
相重合プロセスの実現を一層困難にしている。即ち、製
品の低密度化は一般に重合体の粉体形状を悪化(かさ密
度に表される)させ、反応床に於ける混合不良をもたら
し反応器内での重合体同志の凝集や器壁への付着等のト
ラブルを招く可能性が大となる。
又、炭素数の多い共単量体は炭素数の少ない共単量体に
比べ共重合性が悪くなるので一般には共単量体の使用量
が増大する。このことは、共単量体の回収再利用の際の
設備の負荷が増大するのみならず、気相反応器内の共単
量体の分圧が露点に近づく為重合体粉末が湿潤化し、場
合によつては露点に達して共単量体が凝縮液化する。そ
の傾向は炭素数の大きい共単量体を使用する場合は特に
著しく、重合体の密度が低い場合には重合体が溶解した
り膨潤することすらある。この様な状態になると、重合
体粉末から共単量体を除く為の乾燥工程が必要となるの
みならず、反応床の混合不良や反応器からの抜出し不調
をもたらし、更には塊状重合体が生成し、反応を停止せ
ざるを得ない事態に至る。
これらを解決する為には、下記の要件を備えた好適な触
媒を選択することが極めて重要である。
(1) 嵩密度が高く、狭い粒径分布を有する重合体粉末
を与える触媒であること。気相重合中に微粉化の起らな
い触媒であること。
(2) 共重合性が良いこと。これにより共単量体の使用
量を下げる事が出来、前記の問題点を解決できる。
(3) 高活性であること。これにより重合体中に残存す
る触媒残渣を減少し、触媒除去工程を省略できるのみな
らず反応圧を下げることにより設備負担を軽減できると
共に共単量体の使用量を大幅に減少させることができ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は上記問題点を改善すべく、気相重合法にお
けるエチレン共重合体の製造につき、鋭意検討を重ねた
結果、少なくとも90モル%のエチレンと3〜8個の炭
素原子を有する1種又はそれ以上のα−オレフイン10
モル%以下を含有し、粒状で製造され且つ、密度が0.91
g/cm3以上0.945g/3以下のエチレン共重合体を温度
60〜105℃、圧力100kg/2以下の気相反応帯域
中で製造する方法において、特定の触媒を用いる事によ
り、共重合性に優れ、且つ触媒残渣の少ない高重密度の
エチレン共重合体生成物が得られることを見出し、本発
明に至つた。
すなわち、本発明の要旨は一般式Mg(OR
2−m(式中、Rはアルキル、アリール又はシクロア
ルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは1又
は2である)で表わされる化合物及び一般式Ti(OR
4−n(式中、Rはアルキル、アリール又
はシクロアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示
し、nは1,2又は3である)で表わされる化合物を含
む均一な炭化水素溶液を、一般式AlR1 l1 3-l(式
中、Rはアルキル、アリール又はシクロアルキル基を
示し、Xはハロゲン原子を示し、lは1≦l≦2の数
を示す。)で表わされる有機ハロゲン化アルミニウム化
合物で処理して得られる炭化水素不溶性固体触媒と有機
アルミニウム化合物とを組み合せてなる触媒系を用い、
炭化水素溶媒中で該固体触媒1g当り10〜5000g
のエチレン又は炭素数3〜8個を有するαオレフィン又
はエチレンと炭素数3〜8個を有するαオレフィンを前
重合し、次いで該前重合処理固体触媒と有機アルミニウ
ム化合物とを組み合わせてなる触媒系と少くとも90モ
ル%のエチレンと3〜8個の炭素原子を有する1種又は
それ以上のα−オレフィン10モル%以下を含有し、粒
状で製造され、かつ密度が0.91g/cm3以上、0.945g/
cm3以下のエチレン共重合体を製造するに際し、エチレ
ンと3〜8個の炭素原子を有する少くとも1種のα−オ
レフィンとの混合物を60〜105℃の温度、かつ10
0kg/cm2以下の圧力で気相反応帯域中で接触させるこ
とを特徴とするエチレン共重合体の製造方法に存する。
更に本発明を詳細に説明するに、マグネシウム化合物と
しては一般式 (式中Rはアルキル、アリール又はシクロアルキル基
を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは1又は2であ
る。)で表わされる化合物が使用される。具体的にはR
がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、オクチル、フエニル、トリル、キシリル、シク
ロヘキシル等の炭素数15程度までのアルキル、アリー
ル、シクロアルキル基であり、Xが塩素、臭素又はヨ
ウ素であるような化合物、例えばジメトキシマグネシウ
ム、ジエトキシマグネシウム、エトキシマグネシウムク
ロライド、ジフエノキシマグネシウム等が挙げられる。
このうち一般式中のmが2であるような化合物が好まし
い。中でもジエトキシマグネシウムが最適である。
一方チタン化合物としては一般式 (式中、Rはアルキル、アリール又はシクロアルキル
基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは1,2又は
3である。)で表わされる化合物が使用される。R
としては上記R,Xが例示したものが同様に挙
げられ、具体的にはnが2の化合物としてはジエトキシ
ジクロルチタン、ジn−プロポキシジクロルチタン、ジ
n−ブトキシジクロルチタン等:nが3であるような化
合物としてはトリエトキシモノクロルチタン、トリn−
プロポキシモノクロルチタン、トリn−ブトキシモノク
ロルチタン等:nが1であるような化合物としてはエト
キシトリクロルチタン、n−プロポキシトリクロルチタ
ン、n−ブトキシトリクロルチタンが挙げられる。この
うちnが3又は2のもの、とくにnが3のものが好まし
い。中でもトリn−ブトキシモノクロルチタンが最適で
ある。
本発明方法においては先ず上述のようなマグネシウム化
合物及びチタン化合物を含む均一な炭化水素溶液を調製
する。溶媒として使用される炭化水素としてはヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の
脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素が好ましい。炭化水素溶液を調製するに
は、マグネシウム化合物、チタン化合物を予め混合し、
均一な液状物を調製しておくことが好ましい。均一な液
状物は用いる化合物の種類によつては上記二成分を単に
混合し、加温することによつて達成しうるが均一な液状
物が生成し難い場合にはアルコールを存在させることが
好ましい。アルコールとしてはエチルアルコール、n−
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペブ
チルアルコール、n−オクチルアルコール等が挙げられ
る。二成分の混合順序には特に制限はなく任意でよい。
そして混合後好ましくは100℃〜170℃に加温すれ
ば均一な液状物もしくは均一なアルコール溶液が得られ
る。
次いで炭化水素溶媒を加えて炭化水素溶液とする。
本発明方法においては、上記のようにして得られた炭化
水素溶液を一般式 (式中Rはアルキル、アリールまたはシクロアルキル
基を示しXはハロゲン原子を示し、lは1≦l≦2の
数を示す。)で表わされる有機ハロゲン化アルミニウム
化合物で処理して、炭化水素不溶の固体を調製する。有
機ハロゲン化アルミニウム化合物の一般式R,X
しては先にR,Xで例示したものが同様に挙げられ
る。具体例としてはメチルアルミニウムジクロライド、
メチルアルミニウムセスキクロライド、ジメチルアルミ
ニウムモノクロライド、エチルアルミニウムジクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルア
ルミニウムモノクロライド、イソブチルアルミニウムジ
クロライド、イソブチルアルミニウムセスキクロライ
ド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド等が挙げ
られる。特にエチルアルミニウムジクロライド、エチル
アルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウム
モノクロライドが好ましく、中でもエチルアルミニウム
セスキクロライドが最も好ましい結果を与える。有機ハ
ロゲン化アルミニウム化合物処理は均一な炭化水素溶液
に有機ハロゲン化アルミニウム化合物を添加し、好まし
くは20〜100℃の温度で反応させればよく、炭化水
素不溶性固体触媒が得られるので、固体を分離し、炭化
水素溶媒で洗浄すればよい。しかして、各成分の使用量
は、各成分の一般式中のX,X,OR,OR
MgおよびTiのモル比で、次の式を満足するような割合で
選ばれ、この範囲内で高活性な触媒が得られる。
次に本発明方法で共触媒として用いられる有機アルミニ
ウム化合物としては例えば一般式Al▲R4 p▼▲X4 3
−p (式中、Rはアルキル、アリール又はシクロアルキル
基を示し、Xはハロゲン原子を示し、pは1〜3の数
を示す。)で表わされる化合物が挙げられる。R,X
としてはR,Xとして例示したようなものが挙げ
られる。具体的にはトリエチルアルミニウム、トリn−
プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムな
どのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウム
モノクロライドなどが挙げられる。
本発明方法では、本重合に先立って炭化水素溶媒中でエ
チレン又はα−オレフィンと重合条件下に接触させて少
量重合させる、いわゆる、前重合処理を行って、のち反
応帯域に供給する。前重合に使用される炭化水素溶媒と
しては、脂肪族炭化水素溶媒具体的にはプロパン、イソ
ブタン、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、ノルマル
ヘキサン、ノルマルオクタン等又はこれらの混合物、シ
クロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒
などが挙げられるが、中でも炭素4ないし6の脂肪族炭
化水素溶媒が好ましい。
前重合に使用されるモノマーとしては、エチレン又は炭
素数3以上のα−オレフイン又はエチレンと炭素数3以
上のα−オレフインとの混合物が挙げられる。炭素数3
以上のα−オレフインとしてはプロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
デセン等が挙げられるが特にプロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセンが好ましい。
前重合に使用される触媒系を構成する炭化水素不溶性固
体触媒と有機アルミニウム化合物の使用割合は通常Al/T
iの原子比で0.001ないし100、好ましくは0.01ないし
50、更に好ましくは0.1ないし10の範囲である。有
機アルミニウム化合物の使用割合が前記の範囲以外では
前重合活性が低すぎたり、本重合における重合活性が低
下し、好ましくない。
前重合における重合量は触媒系を構成する炭化水素不溶
性固体触媒1g当り10ないい5000g好ましくは1
00ないし1000gである。前重合量が少なすぎる場
合には得られる重合体のかさ密度が低下することがあ
り、また前重合量が多すぎる場合には前重合に要する設
備が過大となるので望ましくない。
前重合における温度、圧力、時間、モノマーフイード速
度、触媒温度、水素のような分子量調節剤の有無、前重
合後の前重合触媒の洗浄の有無等は特に制限はないが、
重合温度は通常−40℃ないし100℃好ましくは0℃
ないし90℃の範囲である。圧力は50気圧以下、重合
時間は数分ないし数時間でよい。
又前重合に際して水素のような分子量調節剤の添加は生
成ポリエチレン又はエチレン共重合体の均一性を良くす
る。前重合触媒の洗浄は本重合時の重合反応器へのポリ
マー付着等を防止する上で有効である。
かくして得られた前重合処理固体触媒は炭化水素に懸濁
したスラリーとして気相反応帯域に供給することが可能
であり、また該触媒を乾燥した固体粉末として供給する
ことも可能である。上記いずれの場合も不活性気体、単
量体気体、水素等によつて搬送することが触媒供給管の
閉塞を防止する上で有効である。又、触媒供給に関する
公知の技術例えば、特公昭49−17426、特公昭5
3−8666等に記載の回転式触媒計量器と微細管の組
み合せによるキヤリヤーガス同伴の連続触媒供給装置、
或いは、特開昭58−127707に記載の互いに交差
しない2つの流路を持つ回転体による間欠的触媒供給方
法などは好適に使用される。
反応帯域はモノマーガスによる流動床であつてもよく、
撹拌槽であつてもよく、また両者を統合した撹拌流動槽
であつてもよいが、流動床又は撹拌流動床が好ましい。
上記いずれの場合もガス線速は均一混合を達成する為に
最小流動化速度Umfの1.5〜30倍、好ましくは2.5〜2
0倍、さらに好ましくは5〜10倍である。反応帯域に
おける重合熱の除熱は主としてモノマーを循環させその
顕熱を利用するが、必要により反応槽のジヤケツト通水
や内部除熱コイルも共用することが出来る。
反応温度は60〜105℃が好ましく、60℃より低い
と重合熱の除熱が不利となり、且つ重合速度が低下する
為、触媒残渣の少ない重合体が得られなくなるので好ま
しくない。又、105℃より高い温度では重合体が溶融
したり表面粘着性が増大し付着、閉塞トラブルが発生し
易くなるので好ましくない。圧力は、100kg/cm3
下好ましくは1〜20kg/cm3である。圧力が高いと反
応器及び循環ガス系の耐圧が高くなり、設備費が高額に
なる他、共単量体の分圧も高くなる為、単量体が凝縮し
易くなる。
圧力が低すぎると重合速度が低下し、触媒残渣の少ない
重合体の製造が困難になる。一般に重合速度が確保でき
る限り、なるべく低い圧力で運転する方が共単量体の使
用量が減少するので有利である。本発明の方法では十分
高い重合速度が期待できるので20kg/cm3以下で十分
である。
気相反応帯域で接触させるガスは、エチレンと3〜8個
の炭素原子を有する1種又はそれ以上のα−オレフイン
の混合ガスであつて3〜8個の炭素原子を有するα−オ
レフインとエチレンとのモル比は0〜0.3モル比であ
る。
炭素数3〜8個のα−オレフインとしては、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−
1等が好適に用いられる。炭素数の大きいα−オレフイ
ンを用いると比較的長鎖の分岐を有する重合体が得ら
れ、軟質で強靭なフイルム成形品を得ることが出来る
が、炭素数9個以上のα−オレフインは反応器の中で凝
縮しやすい点、共重合しにくい点で好ましくない。1−
ヘキセン、1−オクテンが好適に用いられる。
気相反応帯域に供給される有機アルミニウム化合物とし
ては、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルア
ルミニウムクロリド、シエチルアルミニウムエトキシ
ド、エチルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルア
ルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリノ
ルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルア
ルミニウム等が挙げられるが、好ましくは、ジエチルア
ルミニウムクロリド、トリエチルアルミニウム、トリノ
ルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルア
ルミニウムである。分子量調節剤として水素も好適に用
いられ、その好適使用量は反応帯域で水素とエチレンの
比が0〜500モル%、好ましくは5〜200モル%で
ある。生成エチレン共重合物のメルトインデツクスは、
重合温度、当該共重合体の密度及び反応系内の水素/単
量体の組合わせの関数となつている。例えば、重合温度
80℃の場合、水素/エチレンの比が50モル%で0.5
〜5、100モル%で3〜30、200モル%で100〜
500の範囲のメルトインデックスを有するエチレン共
重合体が得られる。
得られる共重合体の密度は、メルトインデツクス値が一
定であるならば、共重合させるべき共単量体の量の増減
により調節出来る。共単量体の種類にもよるが、当該共
重合体中の共単量体の量が多くなる程、共重合体の密度
は低いものとなる。例えば、1−ヘキセン/エチレンが
5モル%で、0.940、10モル%で0.925の密度を有する
製品が得られる為、共重合性は好適である。
本発明により製造された重合体生成物の残渣触媒含有量
(ppm;重合体生成物の100万部当りのマグネシウム
とチタン金属の和で表わす)は、通常20ppm以下、好
ましい条件では2ppm未満にすぎない。また、ノルマル
ヘキサン沸点抽出可溶成分含有量は、当該共重合体の密
度及びメルトインデツクスにより異なるが、メルトイン
デツクス0.1とすれば、密度0.940では約1重量%未満、
密度0.920で約10重量%未満である。
本発明により得られた重合体粒子のかさ密度は高く、密
度0.91g/cm3以上0.945g/cm3以下では、約0.38〜0.45
g/cm3、好ましい条件では0.42〜0.45g/cm3である。
さらに重合体粒子の粒径分布はシヤープであり、平均粒
径は通常200ミクロンないしは700ミクロンであ
る。
この重合体粒子の形状は球状に近く、容易に流動化可能
である。又、気相重合によつて得られた重合体粉末中に
占める微粉(<74ミクロン)含量は平均粒径500ミ
クロンの場合1重量%とかなり低く、この量は触媒の前
重合処理の有無で変らない。
本発明で得られる前記組成のエチレン共重合体は、透明
性耐引裂性、耐衝撃性、耐候性、ボイリング性等に優れ
ており、フイルムとしては好適である。特に耐引裂性ヒ
ートシール性が非常に優れていることにより、包装用フ
イルムとして好適である。
本発明が得られる共重合体はまた中空成形、射出成形、
押出成形などにより各種成形品を製造することができ
る。又、他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−
1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレ
ン・プロピレン共重合体、などのポリオレフインとブレ
ンドして使用することもできる。また、各種安定剤或い
は添加剤を配合して用いることもできる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発
明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定される
ものではない。
尚、実施例中、触媒の重合活性Kは、K=(gポリマ
ー)/(g・固体触媒)(hr)(kg/cm3オレフイン
圧)で表わし、チタン当りの重合活性KTi=(gポリマ
ー)/(g・Ti)(hr)(kg/cm3オレフイン圧)で表
わした。また、メルトインデックスはASTM・D・1238・57T
に基づき190℃で216kg荷重で測定しMIで表わし
た。
密度(g/cc)は、JIS K6760に基づく密度勾配管法に
よる。嵩密度(g/cm3)は、JIS K6721に基づく。
又、沸騰ノルマルヘキサン抽出物(グリースワツクス)
は、重合粒子中に含まれる低分子量成分を示しており、
沸騰ノルマルヘキサン中で2時間レツチン式抽出器によ
り抽出を行なつた。
また、重合体粒子の篩分けはJIS Z8801に基づき標準篩
で測定し各区分の重量区分の積分値が50%になる粒径
を平均粒径とした。微粉末の割合は200メツシユ(目
開き74ミクロン)以下の重合体の全重合体に対する割
合で表わした。粒径分布を表わす式としては、多数提案
がなされているが、そのうちのRosin−Rammlerの式
従い解析を行なつた。ここでn値は、粒径分布の広がり
を示す1つの指標であり、n値が大きければ大きいほど
分布はシヤープなものとなる。
* R=100e-bxn R:重量累積分率(%) x:粒径〔mm〕 b:定数 実施例1(A)触媒の製造 マグネシウムジエチラート20mmol、トリノルマルブト
キシモノクロルチタン10mmol及び精製ノルマルブタノ
ール10mmolを混合し、140℃にて4時間撹拌し均一
なアルコール溶液としたのち60℃まで冷却後精製ヘキ
サン150mlを加え均一溶液とした。次いで60℃にて
エチルアルミニウムセスキクロライド100mmolを滴下
した後65℃で1時間撹拌した。
生成した沈澱を精製ノルマルヘキサンで洗浄後乾燥し固
体粉末を得た。
つぎにオートクレーブに所定量の精製ノルマルヘキサ
ン、上記固体粉末を仕込み、所定温度に保持した。
次いで水素を0.5kg/cm3導入し、所定量のトリエチルア
ルミニウムをエチレンと共に導入し、エチレン圧を0な
いし0.5kg/cm3の範囲内で30分間前重合を行なつた
後、精製窒素でエチレンを置換し前重合を停止した。こ
れにより、固体触媒1gr当り200grのポリエチレンが
生成した。
(B)重合 予め2オートクレーブ中に乾燥したポリエチレン重合
物50grを仕込んだ後、窒素置換を行ない、ジエチルア
ルミニウムモノクロライド(以下DEAと略称する)5
mmolを仕込んだ。所定量の水素(以下Hと略称す
る。)を導入後、80℃に昇温し、上記(A)で得られた
前重合触媒を固体触媒に換算して50mg、エチレン(以
下C2H4と略称する。)及び1−ブテン(以下C4H8と略称
する。)と共に導入し所定圧としエチレン−1−ブテン
共重合を行なつた。エチレンの吸収により全圧が低下す
るが、全圧が一定となる様にエチレンを間欠的に追加導
入し1.5時間重合反応を続けた。この間の気相組成は平
均して〔H2/C2H4=35mol%〔C4H8/C2H4=3.2m
ol%であつた。重合反応は、少量のエタノールを圧入す
ることにより停止し、得られたポリエチレン粉末は乾燥
後、メルトインデツクス(以下MIと略称する。)密度、
嵩密度、ノルマルヘキサン抽出量を測定した。
結果を表1にまとめて示した。
実施例2〜3 実施例1(A)で得られた触媒を用い、H2供給量、C4H8
給量を表1のように変えた以外は、実施例1−(B)と同
様にして気相重合を行なつた。
結果を表1に示した。
実施例4 実施例1−(A)で得られた触媒を用い、共触媒をトリエ
チルアルミニウム(以下TEAと略称する。)に変えた
こと以外は、実施例1−(B)と同様にして気相重合を行
なつた。
結果を表1に示した。
TEAを共触媒として用いた場合には、DEAの場合の約
2倍の重合活性を示する共に、メルトインデツクスの制
御性もより良好なものとなる。共重合性に関しては顕著
な差違がみられなかつた。
実施例5〜7 実施例1−(A)で得られた触媒を用い、共単量体として
1−ヘキセン(以下C6H12と略称する。)を用い表1に
示す条件で反応を行つたこと以外は実施例1−(B)と同
様にしてエチレン−1−ヘキセン共重合を行なつた。結
果を表1に示した。
共単量体が1−ヘキセンの場合の重合活性、MI制御性、
共重合性は、1−ブテンの時と殆んど差違が認められな
かつた。
比較例1〜2 特開昭56−154489の記載に基づき、マグネシウ
ム担持型触媒を合成し、気相重合反応を行なつた。
(イ) MgCl2・1.5THFの製造 ソツクスレー抽出器を使用し、窒素ガス雰囲気下、市販
の塊状無水MgCl2をボールミルにより粉砕した後、その
内10grを脱水脱酸素したテトラハイドロフラン(以下
THFと略す)250mlにより還流抽出操作を行なつ
た。約20時間後、MgCl2固体は殆んど認められなくな
つた。この抽出液約100ml迄濃縮し、室温にまで放冷
し、そのまま乾燥窒素ガス気流下、乾燥して、白色粉末
固体を得た。この得られた固体の元素分析値(重量%)
は、以下の通りであつた。
Mg Cl C H 分析値 11.1 32.8 33.3 6.4 計算値 12.0 34.9 35.4 5.9 (MgCl2・1.5THFとして) (ロ) TiCl3・3THFの製造 ソツクスレー抽出器を使用し、窒素ガス雰囲気下TiCl3
(TiCl4を水素で還元したもの)6grを脱水、脱酸素し
たTHF300mlにより還流下抽出した。約10時間
後、TiCl3は殆んど溶解し、THF相は農厚な紫褐色に
なつた。これを一昼夜放冷することによつて青色の固体
結晶が析出し、精製したn−ヘキサンで洗浄し、乾燥窒
素ガス気流下、常温で乾燥し、スカイブルーの固体粉末
を得た。これを精製THFを使用して2回再結晶して得
られた固体の分析値(重量%)を示す。
Ti Cl 分析値 13.1 28.6 計算値(TiCl3・3THFとして) 13.0 28.7 (ハ) 固体触媒成分の製造 予め、窒素置換したフラスコに製造例(イ)で合成したMgC
l2・1.5THF13.5mmolを仕込んだ。次いで脱湿、脱酸素し
たTHF18mlを導入すると、MgCl2・1.5THFの粉末は
直ちに溶解し、無色の均一溶液となつた。同様に別に用
意したフラスコに製造例(ロ)で合成した、TiCl3・3THF1.
33mmolを仕込んだ。次いで脱湿・脱酸素したTHF7ml
を導入すると紫褐色の均一溶液となつた。
次に上記両溶液を60℃で1時間反応させた。反応後、
上記溶液を室温にて、精製n−ヘキサン100mlに1時
間かけてゆつくりと滴下すると薄い空色の沈澱が生成し
た。
滴下後室温で30分間撹拌した後、得られた沈澱を精製
n−ヘキサンで十分洗浄し、n−ヘキサンスラリーとし
た。
この時のスラリー中の〔Mg+Ti〕濃度は0.3mol/であ
つた。
このn−ヘキサンスラリーに40℃で撹拌下ジエチルア
ルミニウムクロリド1.21mmolを滴下し、60℃で1時間
反応させた。放冷後n−ヘキサンで洗浄したところ2.5
gの固体触媒成分を得た。固体触媒成分中のTi含有量は
2.1重量%であつた。この固体成分を用いて共触媒とし
てTEAを用いた以外は実施例1−(B)同様にエチレン
−1−ブテン共重合を行なつた結果を表1に示した。
実施例8 予め精製窒素で置換した300の撹拌流動床に乾燥粉
末ポリエチレンを約50kg仕込んだ後、ポリエチレン中
の含水量が50ppm以下となるまでエチレン又は窒素を
循環させた。更に、全ての水分及び触媒毒となる可能性
のある微量物質と反応するに充分なトリエチルアルミニ
ウムを加え80℃で処理した。このコンデイシヨニング
後、反応槽に流動ガスとしてエチレンの供給を行なうと
共に、コモノマーであるヘキセン−1の供給を行ない、
撹拌流動槽の側面より実施例1−(B)に記載した触媒供
給を開始することによつて反応を開始した。
重合の進行に伴ない、元の粒子状ポリエチレンは、新た
な重合体粒子へと置き換えられる為、これを生成物の一
部として間欠的に取り出した。
本反応に於ける平均的反応条件を表2に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、共重合性に優れ、高活性である
ので触媒残渣の少ない、高嵩密度のエチレン共重合体を
容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一態様を示すフローチャート図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下妻 和郎 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化成 工業株式会社水島工場内 (72)発明者 久戸瀬 極 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化成 工業株式会社水島工場内 (56)参考文献 特公 昭60−11046(JP,B2) 特公 昭58−46205(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式Mg(OR2)mX22-m(式中、Rはア
    ルキル、アリール又はシクロアルキル基を示し、X
    ハロゲン原子を示し、mは1又は2である)で表わされ
    る化合物及び一般式Ti(OR3)nX34-n(式中、Rはア
    ルキル、アリール又はシクロアルキル基を示し、X
    ハロゲン原子を示し、nは1,2又は3である)で表わ
    される化合物を含む均一な炭化水素溶液を、一般式Al
    1 lX1 3-l(式中、Rはアルキル、アリール又はシク
    ロアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、lは
    1≦l≦2の数を示す。)で表わされる有機ハロゲン化
    アルミニウム化合物で処理して得られる炭化水素不溶性
    固体触媒と有機アルミニウム化合物とを組み合せてなる
    触媒系を用い、炭化水素溶媒中で該固体触媒1g当り1
    0〜5000gのエチレン又は炭素数3〜8個を有する
    αオレフィン又はエチレンと炭素数3〜8個を有するα
    オレフィンを前重合し、次いで該前重合処理固体触媒と
    有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる触媒系と
    少くとも90モル%のエチレンと3〜8個の炭素原子を
    有する1種又はそれ以上のα−オレフィン10モル%以
    下を含有し、粒状で製造され、かつ密度が0.91g/cm3
    以上、0.945g/cm3以下のエチレン共重合体を製造する
    に際し、エチレンと3〜8個の炭素原子を有する少くと
    も1種のα−オレフィンとの混合物を60〜105℃の
    温度、かつ100kg/cm2以下の圧力で気相反応帯域中
    で接触させることを特徴とするエチレン共重合体の製造
    方法。
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