JPH0681524U - 寝返り寝台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 身体不自由者でも簡単かつ確実に、しかも、
安全に寝返りなどを行わせることの可能な改良された構
造の寝返り寝台を提供する。 【構成】 寝返り寝台は、四隅から下方に延びた却部１
１、１１…により寝台本体１０を水平に保持し、さら
に、寝台の左右縁に沿って設けられた一対のフレーム２
１、２１間に複数のベルト２２、２２…を張った転移フ
レーム２０を備え、この転移フレーム２０を寝台本体１
０の表面上で傾斜することにより寝者Ｍの寝返りを可能
にする。寝台本体１０の前後両端部には、寝台表面に沿
ったガイド溝４１と、その両端から上方に向かって略円
弧状に延びたガイド溝４２、４２とを形成したガイド部
４０が対向するように配置され、前記転移フレーム２０
の四隅から延びたローラシャフト２５、２５…がこのガ
イド溝４１、４２内に移動可能に嵌合される。こローラ
シャフト２５、２５…は、油圧シリンダ４０、４０…に
よりガイド溝４１、４２に沿い、寝者Ｍが常に寝台の中
心に在るように移動する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、寝台の構造に関し、特に、身体不自由者などの寝返りなどを容易に 行うに適した寝台の改良された構造に関する。

【０００２】

【従来技術】

他人の助力や介護がなくては何事も不可能な身体不自由者や身体不全者の介護 においては、特に、寝台上でこれら身体不自由者の寝返り、更衣、洗身、治療、 消毒などを行う場合、数人の介護者が必要となり、そのため、しばしばその介護 行為が行われ難い。また、従来、かかる身体不自由者を介護するため、油圧や電 動モータなどの駆動機構を用いて寝台を傾斜する駆動式の寝台も既に知られてお り、実際に使用されている。

【０００３】

【考案が解決すべき課題】

しかしながら、上記従来の寝台では、寝台をそのまま左右方向に傾斜させる構 造であるため、身体不自由者に寝返りをうたせる場合、寝台の側辺に寄らないよ うに、常に、寝台のほぼ中央に移動させて傾斜することが重要である。そのため 、しばしば、寝台を傾けたとたん、身体不自由者が寝台から転げ落ちてしまう等 の不具合が見受けられた。

【０００４】 そこで、本考案では、かかる従来の寝台の問題点に鑑み、具体的には、他人の 助力や介護が必要な身体不自由者でも簡単かつ確実に、しかも、安全に寝返りな どを行わせることの可能な改良された構造の寝返り寝台を提供することを目的と する。

【０００５】

【課題を解決する手段】

本考案によれば、上記の目的は、寝台本体の四隅から下方に延びた却部を有し 、前記寝台本体を水平に保持してなる寝台であって、さらに、前記寝台本体の表 面上に配置され、前記寝台本体の左右縁に沿って設けられた一対のフレームと、 前記一対のフレーム間に張られた複数のベルトとからなる転移フレームとを備え 、前記転移フレームを前記寝台本体の表面上で傾斜することによって、寝者の寝 返りを可能にする寝返り寝台において、さらに、前記寝台本体の前後両端部には 、前記寝台本体の表面に沿って形成され、かつ、その両端から上方に向かって略 円弧状に延びたガイド溝を形成したガイド部を互いに対向するように配置し、前 記転移フレームの四隅から長手方向に延びたローラシャフトを前記ガイド部のガ イド溝に沿って移動するための油圧シリンダを前記寝台本体の前後両端部に設け た寝返り寝台によって達成される。

【０００６】

【作用】

上記本考案になる寝返り寝台によれば、張られたベルト上に寝者が横たわる転 移フレームは、四隅から長手方向に延びたローラシャフトを前記寝台本体の前後 両端部に設けられた前記ガイド部のガイド溝に沿って移動しながら傾斜する。す なわち、前記転移フレームの一方のフレームが略円弧状に延びたガイド溝に沿っ て上方に移動すると、他方のフレームは寝台本体の表面上に沿って中央部に移動 するため、前記転移フレームは、寝者を中心として回転するようにして傾斜する こととなり、寝者は常に寝台上の中央部に位置することから、寝台から転げ落ち てしまうことなく、安全に寝返りを行うことが可能となる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例について、添付の図面を参照しながら、詳細に説明する 。 図１及び図２には、本考案の一実施例である寝返り寝台が示されており、板状 の寝台本体１０の四隅からは、それぞれ、下方に向かって却部１１、１１…が延 びており、これによって板状の寝台本体１０を平行に支えている。

【０００８】 この寝台本体１０上には、図３に詳細構造を示すような転移フレーム２０が配 置されている。この転移フレーム２０は、図３からも明らかなように、寝台本体 １０の左右縁に沿って設けられた一対のフレーム２１、２１と、前記一対のフレ ーム２１、２１の間に横方向に延びて張られた複数本のベルト２２、２２…と、 その前後両端部に設けられた半円形のベッドカバー２３、２３とにより構成され ている。なお、本実施例では、このベルト２２、２２を、さらに、中央部を長手 方向にも２本張って強度を増している。また、本実施例では、さらに、上記ベル ト２２、２２…を二重に設け、上側のベルトはその中央部で、着脱可能なマジッ クテープや止め具２４、２４…などにより、互いに着脱可能にしている。すなわ ち、これらのベルト２２、２２…を転移フレーム２０の両側から取り出して寝台 面の略中央部で接合することによって、転移フレーム２０のベルト２２、２２… 上に寝者の身体を固定することを可能にしている。また、下側のベルト２２、２ ２…は、これを、転移フレーム２０全体を覆うような一枚のシートに代えること も可能である。

【０００９】 そして、この転移フレーム２０の四隅からは、前記一対のフレーム２１、２１ を延長して、長手方向に延びたローラシャフト２５、２５ … を形成している。

【００１０】 再び図１及び図２に戻り、前記寝台本体１０の前後両端部からは、外形略半円 形のガイド部３０、３０が、互いに対向するように、前記却部１１、１１…から 上方に向かって延びて配置されている。このガイド部３０には、前記寝台本体１ ０の表面に沿って形成された横方向のガイド溝３１と、その両端から上方に向か って左右対称に、略円弧状に延びた一対のガイド溝３２、３２が形成されており 、これらガイド溝３１、３２、３２内には、前記転移フレーム２０の四隅から延 びたローラシャフト２５、２５…が挿入され、これにより、前記溝内で滑動可能 になっている。

【００１１】 また、前記寝台本体１０の前後両端部には、それぞれ、一対の油圧シリンダー ４０、４０が「Ｖ」字状に配置されて設けられている。すなわち、各々の油圧シ リンダー４０の先端は、前記ガイド部３０に形成されたガイド溝３１、３２、３ ２から外部に突出した部分に機械的に連結され、その後端は、寝台本体１０の四 隅から下方に向かって延びた却部１１、１１の下端を固定するパイプ１２に連結 されている。そして、これら一対の油圧シリンダー４０、４０は、軸４１を中心 にして傾斜することが可能に取り付けられている。

【００１２】 さらに、前記一対の油圧シリンダー４０、４０には、それぞれ、対応する油圧 シリンダーを駆動するための駆動力源である油圧装置を備えた油圧機４２、４２ が設けられている。なお、図において、符号４３、４３は、これら油圧機４２、 ４２を駆動させる、いわゆる駆動スイッチを示している。

【００１３】 続いて、上記にその構造を説明した寝返り寝台の動作について、前記図２、さ らに図４及び図５を参照しながら説明する。 まず、図２には、例えば身体不自由者が寝返り寝台上に寝ている状態を示して おり、通常の寝台としての使用態様である。

【００１４】 ここで、例えば身体不自由者である寝者Ｍを寝返りさせて洗身、治療などを行 う場合、まず、ベルト２２、２２ …を利用して寝者Ｍを転移フレーム２０上に 固定する。続いて、駆動スイッチ４３を足で踏んで油圧機４２、４２を駆動する 。これにより、前記転移フレーム２０を前記寝台本体１０の表面上で傾斜するこ とによって寝者Ｍの寝返りを可能にする。

【００１５】 図４には、駆動スイッチ４３を足で踏んで油圧機４２、４２を駆動して、前記 転移フレーム２０を左上がりに傾斜した状態を示している。この図からも明らか なように、上記の本考案になる寝返り寝台によれば、一方（図の左側）の油圧シ リンダー４０が延びて前記転移フレーム２０の左のローラシャフト２５を押し上 げるが、この時、前記ローラシャフト２５は、図に矢印で示すように、左側の円 弧状のガイド溝３２に沿って移動する。同時に、他方（図の右側）の油圧シリン ダー４０は収縮しながら前記転移フレーム２０の右側のローラシャフト２５を、 矢印で示すように、寝台本体１０の表面に沿って中央部に移動する。

【００１６】 このように、前記転移フレーム２９は、寝者である身体不自由者Ｍを中心とし て回転するようにして傾斜することとなり、寝者Ｍは、常に、寝台上の中央部に 位置する。その後、前記転移フレーム２０に固定していたベルト２２、２２ … を外して寝者Ｍを寝返らせる。また、寝者Ｍをベルト２２、２２ …により転移 フレーム２０上に固定することなく、油圧シリンダー４０、４０を駆動すること により転移フレーム２０を傾斜することも可能であり、その時にも、寝者Ｍは、 常に、寝台上の中央部に位置することから寝台から転げ落ちてしまうことなく、 安全に寝返りを行わせることが可能となる。さらに図５には、前記転移フレーム ２０を右上がりに傾斜した状態を示しているが、その動作は上記の図４と同様で ある。

【００１７】 なお、上記の実施例では、前記転移フレーム２０を傾斜するための駆動手段と して油圧を利用した油圧シリンダーについてのみ説明したが、本考案ではこれの みに限定されることなく、例えば電動モータを駆動力源として利用したものも可 能である。さらに、上記油圧シリンダー４０、４０を駆動操作するための駆動ス イッチ４３としては、上記の実施例では足踏み式のスイッチについてのみ説明し たが、それのみに限定されず、このスイッチに代えて、例えば手元スイッチを採 用することも可能である。

【００１８】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように、本考案によれば、特に、他人の助力や介護 が必要な身体不自由者でも、簡単かつ確実に、しかも、安全に寝返りなどを行わ せることが可能な実用的にも優れた寝返り寝台を提供することが可能になるとい う効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例である寝返り寝台の全体構造を
示す全体斜視図である。

【図２】上記寝返り寝台の正面図である。

【図３】上記寝返り寝台の転移フレームの詳細構造を示
す斜視図である。

【図４】上記寝返り寝台の動作を説明するための寝返り
寝台の正面図である。

【図５】やはり、上記寝返り寝台の動作を説明するため
の寝返り寝台の正面図である。

【符号の説明】

１０ 寝台本体 １１ 却部 ２０ 転移フレーム ２１ フレーム ２２ ベルト ２４ 止め具 ２５ ローラシャフト ３０ ガイド部 ３１、３２ ガイド溝 ４０ 油圧シリンダー ４２ 油圧機 Ｍ 身体不自由者（寝者）

Claims (1)

【整理番号】 ０９３００５２−０２ 【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 寝台本体の四隅から下方に延びた却部を
   有し、前記寝台本体を水平に保持してなる寝台であっ
   て、さらに、前記寝台本体の表面上に配置され、前記寝
   台本体の左右縁に沿って設けられた一対のフレームと、
   前記一対のフレーム間に張られた複数のベルトとからな
   る転移フレームとを備え、前記転移フレームを前記寝台
   本体の表面上で傾斜することによって、寝者の寝返りを
   可能にする寝返り寝台において、さらに、前記寝台本体
   の前後両端部には、前記寝台本体の表面に沿って形成さ
   れ、かつ、その両端から上方に向かって略円弧状に延び
   たガイド溝を形成したガイド部を互いに対向するように
   配置し、前記転移フレームの四隅から長手方向に延びた
   ローラシャフトを前記ガイド部のガイド溝に沿って移動
   するための油圧シリンダを前記寝台本体の前後両端部に
   設けたことを特徴とする寝返り寝台。