JPH0681445A

JPH0681445A - 建築用天然石合板

Info

Publication number: JPH0681445A
Application number: JP27225292A
Authority: JP
Inventors: Kikuo Naokawa; 喜久男直川
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1992-08-28
Filing date: 1992-08-28
Publication date: 1994-03-22

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】天然石板を合成樹脂板とで合板ならしめ、軽
量化を計り、施工運搬作業並びに加工の作業性を良好な
らしめることを目的とする。【構成】合成樹脂基板１と天然石板２とを接着剤３を
用いて合板にし、接着剤３が有する弾力性を利用して各
板が有した熱膨張率の差で生じる歪を吸収せしめる構成
と成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建物の壁面、柱等に張り
詰める板状と成す天然石合板に関する。

【０００２】

【従来の技術】建物の壁面、又は柱に張り詰める大理
石、或るいは御影石等の天然石板の大きさは、通常では
例えば厚みを約５０ミリ前後、縦寸法約６００ミリ前
後、そして幅寸法を約４５０ミリ前後とし、その重さは
約７０Ｋｇ前後を有する。これら天然石板を壁面、柱等
に接着剤の接着力のみにて張り付けるだけでは強度的に
は不十分であり、一般的には接着前に予め壁面、又は柱
の表面に全属製の支持全具を固着しておき、斯る天然石
板を該支持金具で支持し、加えて接着剤を塗布する等、
支持金具と接着力との両方でもって支持張り付けする方
法等がとられていた。もちろん支持金具のみにて支持固
定する方法もとられていた。そして張り詰めた後は隣接
する天然石板間に生じる隙間部分に、シーリング用のパ
テ等が詰められる。

【０００３】こうした天然石板は重く、運搬時、又は張
り付け施工時の取扱い並びに作業性を極めて悪くし、こ
れらの作業はたいへん危険を伴うものであった。

【０００４】又これら天然石の資源は限られており、大
量使用は極力避けねばならず、天然石の価格も次第に高
騰し、安易に使用できない状態にあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然石板を
軽量化ならしめ運搬作業、張り付け作業等の作業性を極
めて良好ならしめ、又加工性をも良好ならしめ、更には
張り付け施工後の仕上がり状態も従来と全く同様にし、
天然資源を有効に使用して安価な天然石板を得ようとす
るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】軽量で加工性の良い合成
樹脂材から成る平板状基板に、薄い板状に切断した天然
石板を、接着剤を介在して重合せしめる。該接着剤は硬
化した後にあっても柔軟性を備えたものとしている。

【０００７】

【作用】合板とした為に軽量となり、運搬、施工の作業
性を良好成らしめるばかりではなく、施工後において両
板材が熱膨張率の差で合板自体に反りが生じても、合板
の接着層自身が歪を吸収して合板の反りを防ぐ、又天然
石の表面を鏡面状態に磨く研摩作業は合板に加工した後
であるが合成樹脂基板並びに接着材は耐水性に富むもの
を使用しており、研摩作業時の水濡れに特別な注意を払
わなくてよい。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。

【０００９】（１）は平板状と成す合成樹脂基板であっ
て、厚み寸法を３０ミリ前後と成し、素材としては熱硬
化性樹脂発砲体（硬質ウレタン樹脂）をガラス長繊維で
強化したもので、軽量で、機械的強度が大きく耐久性に
優れ、吸水率が小さく耐食性が優れ、加工が容易で、熱
伝導率（断熱性良）が小さなものとしている。

【００１０】（２）は大理石或るいは御影石等の原石か
ら厚み１５ミリ〜２０ミリ程度の厚さの板状に切断した
天然石板であって、該板は前記合成樹脂基板（１）に接
着剤（３）をもって重合接着し、然る後に前記天然石板
（２）の表面を研摩して天然石合板（４）ならしめてい
る。

【００１１】前記接着剤（３）は２液混合型であって、
常温硬化タイプと成し、硬化後において該接着剤層は弾
力性、即ち、柔軟性と強靭性を併せ持ったものとしてい
る。該接着剤は例えば積水化学工業株式会社が市販して
いる接着剤の「エスダイン＃６８０シリーズ」を用いる
ことで達成できる。勿論該接着剤に限定されることなく
同等なる効果を生じる接着剤であれば充分である

【００１２】前記合成樹脂基板（１）と前記天然石板
（２）とを接着剤（３）で接着合板ならしめ、接着剤
（３）が硬化した後に天然石板（２）の表面を研摩する
ものであるが、前記合成樹脂基板（１）及び前記接着剤
（３）はともに耐水性があり、合板にした後のこうした
研摩作業に何等支障を来すことはない。

【００１３】研摩した後の前記天然石合板（４）が縦寸
法を約６００ミリで、横寸法が４５０ミリとしている場
合、その重さは約３０Ｋｇ前後と成している。

【００１４】次に前記天然石合板（４）を、建物等の壁
面に張り詰める実施例につき説明する。

【００１５】（５）は建物の壁面で、該壁面には予め前
記天然石合板（４）を支持固定する為の支持金具（６）
を固着している。そして該支持全具には前記天然石合板
（４）を定位置に固定するための支持ピン（７）が備え
られている。もちろん前記天然石合板（４）の端面
（８）には前記支持ピン（７）が挿通されるピン孔
（９）が穿設されている。

【００１６】前記ピン孔（９）は加工が容易な前記合成
樹脂基板（１）部分に穿設するものであり、電気ドリル
等で簡単に孔加工ができるものである。

【００１７】前記天然石合板（４）の張り付け後におい
て、各合板（４）・・・の接合部分に生じた隙間（１
０）にはパテ（１１）を詰め込むことで張り詰め施工を
完了するものである。

【００１８】このようにして張り詰められた天然石合板
（２）に、例えば直射日光が照射され天然石表面が高温
度に温度上昇を来した場合、裏面に重合された合成樹脂
基板（１）自体も温度上昇を来すものであり、これら表
裏材料自体は当然熱膨張率を異にするものであり該天然
石合板（４）には反りを生じせしめる作用が働くもので
あるが、こうした反りにより生じる湾曲歪は接着層部分
で吸収され、合板（４）の反りを防止できる。

【００１９】又、長期間にわたり反りの繰り返しが行わ
れると接着剤（３）が劣化し、合成樹脂基板（１）と天
然石（２）が分離する恐れがあると判断される場合に
は、図面の３図に示す如く天然石合板（４）の端面
（８）に側面Ｌ字状と成す接合金具（１２）を重合せし
めておく。即ち、該金具は一端に折れ曲がった爪片（１
３）を備えて前記天然石板（２）に形成した爪嵌合穴
（１４）に係止し、他端には前記支持ピン（７）を挿通
せしめる透孔（１５）を備えて、施工時において該接合
金具（１２）を天然石合板（４）の端面（８）にセット
しておけば、将来接着剤（３）が多少劣化しても、天然
石（２）は接合金具（１２）で確実に保持され安全を維
持される。

【００２０】

【発明の効果】本発明は上述の如くしたものであり、天
然資源である天然石板の使用量が少なくて済み、安価に
得られる。また全体重量が軽量となり運搬、施工が容易
となるばかりではなく、施工後において壁面或るいは柱
に掛かる加重も少なくて済み、建物の安全性、耐久性も
向上する。又施工現場にて合板を裁断する必要が生じて
も簡単に裁断等の加工が容易にできる等の効果も得られ
る。

【００２１】更に合板裏面に位置した合成樹脂基板の断
熱作用で建物への熱遮断効果を行って、夏冬の異常な温
度変化に対応する断熱効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による建築用天然石合板の斜視図。

【図２】本発明の合板を用いた施工時の要部断面図。

【図３】本発明の他の実施例を示す要部断面図。

【符号の説明】

１合成樹脂基板２天然石板３接着剤４天然石合板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】平板状と成す合成樹脂基板と、該基板に接
着剤を介在せしめて重合接着される板状と成す天然石板
とで天然石合板を形成して成り、前記接着剤は前記合成
樹脂基板の熱膨張率と前記天然石板の熱膨張率との差に
よって生じる湾曲歪を吸収し得るだけの弾力性を備えて
成る建築用天然石合板。