JPH0681064A - 陽極酸化処理用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents
陽極酸化処理用アルミニウム合金板およびその製造方法Info
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- JPH0681064A JPH0681064A JP19711691A JP19711691A JPH0681064A JP H0681064 A JPH0681064 A JP H0681064A JP 19711691 A JP19711691 A JP 19711691A JP 19711691 A JP19711691 A JP 19711691A JP H0681064 A JPH0681064 A JP H0681064A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 硫酸浴による陽極酸化処理のままで、濃いベ
ージュ色ないし黒暗灰色の色調を有しかつ横縞模様を有
するアルミニウム合金を提供する。 【構成】 Mn0.3〜2.0%、Fe1.0%〜2.
0%、Si0.5%以下と微量のTiもしくはTi+B
を含有するアルミニウム合金板。さらにその製法とし
て、冷却速度5℃/sec 以上で急速冷却させる板連続鋳
造法を適用し、陽極酸化処理後に濃いベージュ色・横縞
模様を得る。また、同じく板連続鋳造法を適用し、鋳造
後350℃を越え630℃以下の温度で0.5〜24時
間の加熱を施して、黒暗灰色・横縞模様を得る。いずれ
も冷間圧延を施しても良い。
ージュ色ないし黒暗灰色の色調を有しかつ横縞模様を有
するアルミニウム合金を提供する。 【構成】 Mn0.3〜2.0%、Fe1.0%〜2.
0%、Si0.5%以下と微量のTiもしくはTi+B
を含有するアルミニウム合金板。さらにその製法とし
て、冷却速度5℃/sec 以上で急速冷却させる板連続鋳
造法を適用し、陽極酸化処理後に濃いベージュ色・横縞
模様を得る。また、同じく板連続鋳造法を適用し、鋳造
後350℃を越え630℃以下の温度で0.5〜24時
間の加熱を施して、黒暗灰色・横縞模様を得る。いずれ
も冷間圧延を施しても良い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は陽極酸化処理を施して
使用される用途のアルミニウム合金板、例えばビルのカ
ーテンウォールや外壁、屋根、ドア、門扉、あるいは内
装材などの建材、さらには各種器物、容器、銘板等に使
用されるアルミニウム合金板およびその製造方法に関す
るものである。
使用される用途のアルミニウム合金板、例えばビルのカ
ーテンウォールや外壁、屋根、ドア、門扉、あるいは内
装材などの建材、さらには各種器物、容器、銘板等に使
用されるアルミニウム合金板およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般にカーテンウォールや建築外装材、
内装材などの建材、あるいは器物、容器、銘板などに使
用されるアルミニウム合金の圧延材は、耐食性の観点か
ら陽極酸化処理を施して用いられることが多い。これら
の用途の陽極酸化処理用アルミニウム合金としては、陽
極酸化処理後の色調が淡灰色系からシルバー系のものが
多く、このような合金の圧延材としては一般にJIS
1050合金、1100合金、5005合金等が使用さ
れることが多く、また灰色系のものとしてはAl−1〜
4%Si合金、Al−Fe−Mn−Mg合金が一般的で
ある。
内装材などの建材、あるいは器物、容器、銘板などに使
用されるアルミニウム合金の圧延材は、耐食性の観点か
ら陽極酸化処理を施して用いられることが多い。これら
の用途の陽極酸化処理用アルミニウム合金としては、陽
極酸化処理後の色調が淡灰色系からシルバー系のものが
多く、このような合金の圧延材としては一般にJIS
1050合金、1100合金、5005合金等が使用さ
れることが多く、また灰色系のものとしてはAl−1〜
4%Si合金、Al−Fe−Mn−Mg合金が一般的で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近では建築外装材、
内装材等の用途においては、デザイン上の要請から色調
の多様化、個性化を求められることが多くなっている。
陽極酸化処理を施して用いられるアルミニウム合金につ
いても、これらの用途では種々の色調が求められること
が多くなっており、その例として濃いベージュ色や黒暗
灰色の色調がある。
内装材等の用途においては、デザイン上の要請から色調
の多様化、個性化を求められることが多くなっている。
陽極酸化処理を施して用いられるアルミニウム合金につ
いても、これらの用途では種々の色調が求められること
が多くなっており、その例として濃いベージュ色や黒暗
灰色の色調がある。
【0004】また建材等においては、単に色調のみなら
ず、デザイン的な観点から個性的な外観模様を有するこ
とも求められるようになっており、その一つとして横縞
模様がある。
ず、デザイン的な観点から個性的な外観模様を有するこ
とも求められるようになっており、その一つとして横縞
模様がある。
【0005】アルミニウム合金の陽極酸化処理材に各種
の色調や模様を与える方法としては、二次電解法や染色
法、その他の塗装法などもあるが、これらの方法では退
色の問題があるほか、耐食性やコスト等の問題がある。
したがって陽極酸化処理のままで濃いベージュ色や黒暗
灰色の色調や横縞模様を得ることが望まれる。また陽極
酸化処理には、シュウ酸電解浴等を用いることもある
が、一般には硫酸電解浴を用いることが多く、実際硫酸
電解浴による陽極酸化処理は、シュウ酸電解浴等による
陽極酸化処理と比較して、電解条件や電解浴管理に厳密
さが要求されず、また皮膜特性も優れるとともにコスト
も低いことから、硫酸電解浴による陽極酸化処理のまま
で濃いベージュ色や黒暗灰色の色調や所定の横縞模様を
得ることが望まれる。
の色調や模様を与える方法としては、二次電解法や染色
法、その他の塗装法などもあるが、これらの方法では退
色の問題があるほか、耐食性やコスト等の問題がある。
したがって陽極酸化処理のままで濃いベージュ色や黒暗
灰色の色調や横縞模様を得ることが望まれる。また陽極
酸化処理には、シュウ酸電解浴等を用いることもある
が、一般には硫酸電解浴を用いることが多く、実際硫酸
電解浴による陽極酸化処理は、シュウ酸電解浴等による
陽極酸化処理と比較して、電解条件や電解浴管理に厳密
さが要求されず、また皮膜特性も優れるとともにコスト
も低いことから、硫酸電解浴による陽極酸化処理のまま
で濃いベージュ色や黒暗灰色の色調や所定の横縞模様を
得ることが望まれる。
【0006】しかしながら、従来は硫酸電解浴による陽
極酸化処理のままで濃いベージュ色や黒暗灰色の色調を
呈しかつ横縞模様を有する板を得る手法は確立されてい
なかったのが実情である。特に板連続鋳造法(連続鋳造
圧延法)によって5〜50mm程度の板を直接鋳造する方
法を適用した場合に、硫酸電解浴による陽極酸化処理の
ままで濃いベージュ色や黒暗灰色の色調の横縞模様を得
るための手法は知られていなかったのが実情である。
極酸化処理のままで濃いベージュ色や黒暗灰色の色調を
呈しかつ横縞模様を有する板を得る手法は確立されてい
なかったのが実情である。特に板連続鋳造法(連続鋳造
圧延法)によって5〜50mm程度の板を直接鋳造する方
法を適用した場合に、硫酸電解浴による陽極酸化処理の
ままで濃いベージュ色や黒暗灰色の色調の横縞模様を得
るための手法は知られていなかったのが実情である。
【0007】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、硫酸電解浴による陽極酸化処理のままで、濃
いベージュ色もしくは黒暗灰色の色調を有しかつ鋳造方
向もしくは圧延方向に対して直交する方向の横縞模様を
有する板を確実かつ安定して得ることが可能なアルミニ
ウム合金板を提供することを目的とするものである。
たもので、硫酸電解浴による陽極酸化処理のままで、濃
いベージュ色もしくは黒暗灰色の色調を有しかつ鋳造方
向もしくは圧延方向に対して直交する方向の横縞模様を
有する板を確実かつ安定して得ることが可能なアルミニ
ウム合金板を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の陽極酸化処理
用アルミニウム合金板は、基本的には、成分系をAl−
Mn−Fe系とし、これによって硫酸電解浴による陽極
酸化処理のままで横縞模様を有する濃いベージュ色もし
くは黒暗灰色の色調が得られるようにしている。
用アルミニウム合金板は、基本的には、成分系をAl−
Mn−Fe系とし、これによって硫酸電解浴による陽極
酸化処理のままで横縞模様を有する濃いベージュ色もし
くは黒暗灰色の色調が得られるようにしている。
【0009】具体的には、請求項1の発明の陽極酸化処
理用アルミニウム合金板は、Mn0.3〜2.0wt%、
Fe1.0〜2.0wt%、Si0.5wt%以下を含有す
るとともに、結晶粒微細化剤としてTi0.005〜
0.15wt%を単独でまたはB0.0001〜0.05
00wt%と組合せて含有し、残部がAlおよびその他の
不可避的不純物よりなることを特徴とする、陽極酸化処
理後にベージュ色〜黒暗灰色の色調を有しかつ横縞模様
を有する陽極酸化処理用アルミニウム合金板である。
理用アルミニウム合金板は、Mn0.3〜2.0wt%、
Fe1.0〜2.0wt%、Si0.5wt%以下を含有す
るとともに、結晶粒微細化剤としてTi0.005〜
0.15wt%を単独でまたはB0.0001〜0.05
00wt%と組合せて含有し、残部がAlおよびその他の
不可避的不純物よりなることを特徴とする、陽極酸化処
理後にベージュ色〜黒暗灰色の色調を有しかつ横縞模様
を有する陽極酸化処理用アルミニウム合金板である。
【0010】またこの発明の陽極酸化処理用アルミニウ
ム合金板の製造方法は、直接板を鋳造する板連続鋳造法
の特性を有効に利用して、硫酸電解浴による陽極酸化処
理後の表面に横縞を発生させ、かつその硫酸電解浴によ
る陽極酸化処理のままの色調としてベージュ色もしくは
黒暗灰色を発色させるようにしている。そしてまた、板
連続鋳造のままの板、あるいは板連続鋳造の後、冷間圧
延を施して板厚を減じた板を提供することとしている。
ム合金板の製造方法は、直接板を鋳造する板連続鋳造法
の特性を有効に利用して、硫酸電解浴による陽極酸化処
理後の表面に横縞を発生させ、かつその硫酸電解浴によ
る陽極酸化処理のままの色調としてベージュ色もしくは
黒暗灰色を発色させるようにしている。そしてまた、板
連続鋳造のままの板、あるいは板連続鋳造の後、冷間圧
延を施して板厚を減じた板を提供することとしている。
【0011】具体的には、請求項2、請求項3の各発明
の製造方法は、陽極酸化処理後の色調が特に濃いベージ
ュ色でかつ横縞模様を有する陽極酸化処理用アルミニウ
ム合金板を製造する方法であって、そのうち請求項2の
発明の方法は、Mn0.3〜2.0wt%、Fe1.0〜
2.0wt%、Si0.5wt%以下を含有するとともに、
結晶粒微細化剤としてTi0.005〜0.15wt%を
単独でまたはB0.0001〜0.0500wt%と組合
せて含有し、残部がAlおよびその他の不可避的不純物
よりなる合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/se
c 以上の冷却速度で鋳造することを特徴とするものであ
る。
の製造方法は、陽極酸化処理後の色調が特に濃いベージ
ュ色でかつ横縞模様を有する陽極酸化処理用アルミニウ
ム合金板を製造する方法であって、そのうち請求項2の
発明の方法は、Mn0.3〜2.0wt%、Fe1.0〜
2.0wt%、Si0.5wt%以下を含有するとともに、
結晶粒微細化剤としてTi0.005〜0.15wt%を
単独でまたはB0.0001〜0.0500wt%と組合
せて含有し、残部がAlおよびその他の不可避的不純物
よりなる合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/se
c 以上の冷却速度で鋳造することを特徴とするものであ
る。
【0012】さらに請求項3の発明の方法は前記同様の
成分組成の合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/
sec 以上の冷却速度で鋳造した後、もしくはさらにその
鋳造の後に250〜350℃で0.5〜24時間加熱し
た後、冷間圧延することを特徴とするものである。
成分組成の合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/
sec 以上の冷却速度で鋳造した後、もしくはさらにその
鋳造の後に250〜350℃で0.5〜24時間加熱し
た後、冷間圧延することを特徴とするものである。
【0013】一方、請求項4、請求項5の各発明の製造
方法は、陽極酸化処理後の色調が特に黒暗灰色でかつ横
縞模様を有する陽極酸化処理用アルミニウム合金を製造
する方法についてのものであって、そのうち請求項4の
発明の方法は、前記同様な成分組成の合金の溶湯を、板
連続鋳造法によって5℃/sec 以上の冷却速度で鋳造し
た後、350℃を越え630℃以下の温度で0.5〜2
4時間加熱することを特徴とするものである。
方法は、陽極酸化処理後の色調が特に黒暗灰色でかつ横
縞模様を有する陽極酸化処理用アルミニウム合金を製造
する方法についてのものであって、そのうち請求項4の
発明の方法は、前記同様な成分組成の合金の溶湯を、板
連続鋳造法によって5℃/sec 以上の冷却速度で鋳造し
た後、350℃を越え630℃以下の温度で0.5〜2
4時間加熱することを特徴とするものである。
【0014】また請求項5の発明の方法は、前記同様な
成分組成の合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/
sec 以上の冷却速度で鋳造した後、冷間圧延を施し、か
つその冷間圧延の前もしくは途中または後に、350℃
を越え630℃以下の温度で0.5〜24時間加熱する
ことを特徴とするものである。
成分組成の合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/
sec 以上の冷却速度で鋳造した後、冷間圧延を施し、か
つその冷間圧延の前もしくは途中または後に、350℃
を越え630℃以下の温度で0.5〜24時間加熱する
ことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】先ずこの発明におけるアルミニウム合金の成分
組成限定理由を説明する。
組成限定理由を説明する。
【0016】Mn:Mnが固溶状態で存在すれば、陽極
酸化処理後の色調としてピンク色を発色させることがで
き、Mnの固溶量が多いほどピンク色は強くなる。また
Mnは、Feと共存して、鋳造時にAl−Fe−Mn
(−Si)系の晶出物を生成するが、このAl−Fe−
Mn(−Si)系晶出物は鋳造時の冷却速度によって異
なった形態で晶出する。すなわち鋳造時の冷却速度が遅
ければAl3 (FeMnSi)、Al6 (FeMn)等
が晶出し、鋳造時の冷却速度が著しく速ければ、準安定
相であるAlm (FeMnSi)、αAlFeMnSi
等が晶出する。これらの金属間化合物相は、硫酸電解浴
による陽極酸化処理を行なえば、Al3 (FeMnS
i)、Alm (FeMnSi)、αAlFeMnSiは
黄味がかったクリーム色に発色し、Al6 (FeMn)
はグレイに発色する。この発明で適用しているような冷
却速度5℃/sec 以上の板連続鋳造法の場合、Al−F
e−Mn(−Si)系晶出物として、通常はAlm (F
eMnSi)相およびαAlFeMnSi相が晶出し、
したがって陽極酸化処理によってこれらの化合物相によ
る黄味がかったクリーム色と、マトリックスのMn固溶
によるピンク色とが重畳されて、濃いベージュ色の色調
が得られる。
酸化処理後の色調としてピンク色を発色させることがで
き、Mnの固溶量が多いほどピンク色は強くなる。また
Mnは、Feと共存して、鋳造時にAl−Fe−Mn
(−Si)系の晶出物を生成するが、このAl−Fe−
Mn(−Si)系晶出物は鋳造時の冷却速度によって異
なった形態で晶出する。すなわち鋳造時の冷却速度が遅
ければAl3 (FeMnSi)、Al6 (FeMn)等
が晶出し、鋳造時の冷却速度が著しく速ければ、準安定
相であるAlm (FeMnSi)、αAlFeMnSi
等が晶出する。これらの金属間化合物相は、硫酸電解浴
による陽極酸化処理を行なえば、Al3 (FeMnS
i)、Alm (FeMnSi)、αAlFeMnSiは
黄味がかったクリーム色に発色し、Al6 (FeMn)
はグレイに発色する。この発明で適用しているような冷
却速度5℃/sec 以上の板連続鋳造法の場合、Al−F
e−Mn(−Si)系晶出物として、通常はAlm (F
eMnSi)相およびαAlFeMnSi相が晶出し、
したがって陽極酸化処理によってこれらの化合物相によ
る黄味がかったクリーム色と、マトリックスのMn固溶
によるピンク色とが重畳されて、濃いベージュ色の色調
が得られる。
【0017】一方、鋳造時の冷却速度が速い板連続鋳造
法によって多量にMnが強制固溶された状態の板に対し
て適切な熱処理を施せば、MnはFeと共存してAl−
Fe−Mn(−Si)系の微細な析出物を生じさせる。
このAl−Fe−Mn(−Si)系微細析出物は陽極酸
化皮膜の色調を濁らせ、前述のような濃いベージュ色の
色調を暗灰色〜黒色の色調(黒暗灰色の色調)に変え
る。したがってMnは、この発明においてベージュ色の
色調を得る場合も、黒暗灰色の色調を得る場合にも、基
本的に重要な元素である。
法によって多量にMnが強制固溶された状態の板に対し
て適切な熱処理を施せば、MnはFeと共存してAl−
Fe−Mn(−Si)系の微細な析出物を生じさせる。
このAl−Fe−Mn(−Si)系微細析出物は陽極酸
化皮膜の色調を濁らせ、前述のような濃いベージュ色の
色調を暗灰色〜黒色の色調(黒暗灰色の色調)に変え
る。したがってMnは、この発明においてベージュ色の
色調を得る場合も、黒暗灰色の色調を得る場合にも、基
本的に重要な元素である。
【0018】そしてまた、Al−Fe−Mn(−Si)
系の晶出物、析出物による色調の変化は、次に説明する
ように横縞模様の生成にも関係する。すなわち、この発
明で適用している一対の回転冷却ロールやキャタピラ
ー、ベルト等の間に給湯して鋳造する板連続鋳造法で
は、後に改めて説明するように鋳造時の冷却速度に脈動
が生じる。したがって冷却速度の著しく速い部分と比較
的遅い部分とが鋳造方向に交互に生じることになる。こ
のとき、冷却速度の著しく速い部分では、既に述べたよ
うにAlm (FeMnSi)相およびαAlFeMnS
i相が晶出するが、冷却速度の遅い部分には局部的にA
l6 (FeMn)相が混在することになる。このAl6
(FeMn)相の晶出物は陽極酸化皮膜の色調を濁らせ
るから、冷却速度の遅い部分は、速い部分と比較して色
調が異なる(濃色となる)ことになり、そのため前述の
ような板連続鋳造時の冷却速度の脈動によって、冷却速
度の速い比較的薄い色の部分と冷却速度の遅い濃色の部
分とが、それぞれ鋳造方向に直交する縞状の部分となっ
て、鋳造方向に交互に分布し、横縞模様が生成されるの
である。
系の晶出物、析出物による色調の変化は、次に説明する
ように横縞模様の生成にも関係する。すなわち、この発
明で適用している一対の回転冷却ロールやキャタピラ
ー、ベルト等の間に給湯して鋳造する板連続鋳造法で
は、後に改めて説明するように鋳造時の冷却速度に脈動
が生じる。したがって冷却速度の著しく速い部分と比較
的遅い部分とが鋳造方向に交互に生じることになる。こ
のとき、冷却速度の著しく速い部分では、既に述べたよ
うにAlm (FeMnSi)相およびαAlFeMnS
i相が晶出するが、冷却速度の遅い部分には局部的にA
l6 (FeMn)相が混在することになる。このAl6
(FeMn)相の晶出物は陽極酸化皮膜の色調を濁らせ
るから、冷却速度の遅い部分は、速い部分と比較して色
調が異なる(濃色となる)ことになり、そのため前述の
ような板連続鋳造時の冷却速度の脈動によって、冷却速
度の速い比較的薄い色の部分と冷却速度の遅い濃色の部
分とが、それぞれ鋳造方向に直交する縞状の部分となっ
て、鋳造方向に交互に分布し、横縞模様が生成されるの
である。
【0019】また、鋳造後に熱処理を行なってAl−F
e−Mn(−Si)系の微細析出物を析出させる場合、
すなわち黒暗灰色の色調を得る場合は、前述のような鋳
造時の晶出物のみならず、Al−Fe−Mn(−Si)
系微細析出物の析出物分布も鋳造時の冷却速度の脈動に
よって変化し、これも横縞模様の生成に寄与する。すな
わち、鋳造時におけるMnの強制固溶量は冷却速度によ
って変化するから、板連続鋳造における鋳造時の冷却速
度の脈動によってMnの固溶量も周期的に変化する。こ
のようにしてMn固溶量が周期的に変動した板を加熱に
より析出処理すれば、Mn固溶量の差によってAl−F
e−Mn(−Si)系の微細析出物の分布に差が生じ、
したがってこれも横縞模様の生成に寄与することにな
る。
e−Mn(−Si)系の微細析出物を析出させる場合、
すなわち黒暗灰色の色調を得る場合は、前述のような鋳
造時の晶出物のみならず、Al−Fe−Mn(−Si)
系微細析出物の析出物分布も鋳造時の冷却速度の脈動に
よって変化し、これも横縞模様の生成に寄与する。すな
わち、鋳造時におけるMnの強制固溶量は冷却速度によ
って変化するから、板連続鋳造における鋳造時の冷却速
度の脈動によってMnの固溶量も周期的に変化する。こ
のようにしてMn固溶量が周期的に変動した板を加熱に
より析出処理すれば、Mn固溶量の差によってAl−F
e−Mn(−Si)系の微細析出物の分布に差が生じ、
したがってこれも横縞模様の生成に寄与することにな
る。
【0020】以上のように、Mnは次に述べるFeとと
もに、陽極酸化処理後の色調を決定しかつ横縞模様の生
成に関係する。ここでMn量が0.3wt%未満では、M
nの固溶量が少なく、陽極酸化処理後の色調として充分
に濃いベージュ色あるいは黒暗灰色が得られない。一方
Mn量が2.0wt%を越えれば、初晶の粗大なAl6M
n金属間化合物が晶出して、表面欠陥を招く。したがっ
てMn量は0.3wt%以上2.0wt%以下とした。
もに、陽極酸化処理後の色調を決定しかつ横縞模様の生
成に関係する。ここでMn量が0.3wt%未満では、M
nの固溶量が少なく、陽極酸化処理後の色調として充分
に濃いベージュ色あるいは黒暗灰色が得られない。一方
Mn量が2.0wt%を越えれば、初晶の粗大なAl6M
n金属間化合物が晶出して、表面欠陥を招く。したがっ
てMn量は0.3wt%以上2.0wt%以下とした。
【0021】Fe:FeもMnとならび、陽極酸化処理
後の色調を決定しかつ横縞模様を生成させるに重要な元
素である。すなわち、既にMnの項でも説明したよう
に、FeをMnと共存させれば板連続鋳造時のAl−F
e−Mn(−Si)系晶出物の形態が濃いベージュ色の
発色に寄与し、さらにその後に適切な熱処理を施してA
l−Fe−Mn(−Si)系の微細な析出物を析出させ
た場合には黒暗灰色の色調が得られる。そしてまた、板
連続鋳造時の冷却速度の脈動によるAl−Fe−Mn
(−Si)系の晶出物の晶出形態の変動が横縞模様の生
成に寄与し、またその後に適切な熱処理を施してAl−
Fe−Mn(−Si)系の微細析出物を析出させた場合
には、板連続鋳造時の冷却速度の脈動によるMnの固溶
量の変動によってAl−Fe−Mn−(Si)系析出物
の析出分布が変動し、これも横縞模様の生成に寄与す
る。そのほか、Feは鋳造時の溶湯の粘度を下げ、溶湯
の流動性を増す効果がある。溶湯の粘度が下がれば、鋳
造時における溶湯の脈動(回転冷却ロール等に湯面が接
する位置の変動)が明確化され、その結果横縞模様が明
確化される。
後の色調を決定しかつ横縞模様を生成させるに重要な元
素である。すなわち、既にMnの項でも説明したよう
に、FeをMnと共存させれば板連続鋳造時のAl−F
e−Mn(−Si)系晶出物の形態が濃いベージュ色の
発色に寄与し、さらにその後に適切な熱処理を施してA
l−Fe−Mn(−Si)系の微細な析出物を析出させ
た場合には黒暗灰色の色調が得られる。そしてまた、板
連続鋳造時の冷却速度の脈動によるAl−Fe−Mn
(−Si)系の晶出物の晶出形態の変動が横縞模様の生
成に寄与し、またその後に適切な熱処理を施してAl−
Fe−Mn(−Si)系の微細析出物を析出させた場合
には、板連続鋳造時の冷却速度の脈動によるMnの固溶
量の変動によってAl−Fe−Mn−(Si)系析出物
の析出分布が変動し、これも横縞模様の生成に寄与す
る。そのほか、Feは鋳造時の溶湯の粘度を下げ、溶湯
の流動性を増す効果がある。溶湯の粘度が下がれば、鋳
造時における溶湯の脈動(回転冷却ロール等に湯面が接
する位置の変動)が明確化され、その結果横縞模様が明
確化される。
【0022】ここで、Feの含有量が1.0wt%未満で
は、Al−Fe−Mn(−Si)系の晶出物の量が少な
く、陽極酸化処理後の色調が薄くなってピンク色とな
り、濃いベージュ色の色調が得られない。すなわち、固
溶Mnによるマトリックスのピンク色と、晶出物による
黄色系クリーム色とが混合されてはじめて濃いベージュ
色が得られるのであるから、晶出物の量がある程度以上
でなけば濃いベージュ色が得られないのである。またF
e量が1.0wt%未満の場合は、析出のための熱処理を
施した場合の陽極酸化処理後の色調も薄くなり、黒暗灰
色の色調も得られない。そしてまた、Fe量が1.0wt
%未満では、前述のように晶出物量が少ないため、晶出
物の形態の変動による横縞模様も充分に発現されなくな
る。一方Fe量が2.0wt%を越えれば、初晶の粗大な
Al3 Fe、Al6 (MnFe)の金属間化合物相が晶
出し、表面欠陥を招く、またこれらの粗大な化合物が晶
出すれば、板連続鋳造が困難となる。したがってFe量
は1.0〜2.0wt%の範囲内とした。
は、Al−Fe−Mn(−Si)系の晶出物の量が少な
く、陽極酸化処理後の色調が薄くなってピンク色とな
り、濃いベージュ色の色調が得られない。すなわち、固
溶Mnによるマトリックスのピンク色と、晶出物による
黄色系クリーム色とが混合されてはじめて濃いベージュ
色が得られるのであるから、晶出物の量がある程度以上
でなけば濃いベージュ色が得られないのである。またF
e量が1.0wt%未満の場合は、析出のための熱処理を
施した場合の陽極酸化処理後の色調も薄くなり、黒暗灰
色の色調も得られない。そしてまた、Fe量が1.0wt
%未満では、前述のように晶出物量が少ないため、晶出
物の形態の変動による横縞模様も充分に発現されなくな
る。一方Fe量が2.0wt%を越えれば、初晶の粗大な
Al3 Fe、Al6 (MnFe)の金属間化合物相が晶
出し、表面欠陥を招く、またこれらの粗大な化合物が晶
出すれば、板連続鋳造が困難となる。したがってFe量
は1.0〜2.0wt%の範囲内とした。
【0023】Si:SiがMn,Feとともに含有され
れば、Al−Fe−Mn−Si系の晶出物が晶出し、ま
た適切な熱処理を施せば微細なAl−Fe−Mn−Si
系の析出物が析出される。Al−Fe−Mn−Si系の
晶出物、析出物は、Mn,Feについて述べたように、
陽極酸化処理後の色調の決定と横縞模様の発現に寄与す
る。但し、Si量が0.5wt%を越えれば鋳造が困難と
なるから、Si量は0.5wt%以下とする必要がある。
れば、Al−Fe−Mn−Si系の晶出物が晶出し、ま
た適切な熱処理を施せば微細なAl−Fe−Mn−Si
系の析出物が析出される。Al−Fe−Mn−Si系の
晶出物、析出物は、Mn,Feについて述べたように、
陽極酸化処理後の色調の決定と横縞模様の発現に寄与す
る。但し、Si量が0.5wt%を越えれば鋳造が困難と
なるから、Si量は0.5wt%以下とする必要がある。
【0024】Ti,B:少量のTiを単独で、あるいは
少量のTiを微量のBと組合せて添加することは、鋳塊
結晶粒微細化のために有効である。特にこの発明で適用
する板連続鋳造法では、鋳塊結晶粒微細化は、偏析やそ
れに起因する溶質元素のしみだし、およびその溶質元素
の酸化等の鋳造欠陥を防止する効果がある。また鋳造法
にかかわらず、鋳塊結晶粒微細化は晶出化合物の均一微
細な分散をもたらすため、模様以外の色むらの発生を防
止でき、その結果安定な横縞模様を発現する効果をもた
らす。なおまた、特に黒暗灰色の色調を得る場合は、A
l−Fe−Mn(−Si)系の微細析出物による色調の
濁りを利用しており、またその色調の横縞模様は、板連
続鋳造時の冷却速度の脈動を利用して、Al−Fe−M
n(−Si)系の析出物の分布を周期的に変動させるこ
とにより達成される。しかしながら、析出物の析出挙動
は結晶方位によっても異なることが知られており、鋳造
時の結晶粒が粗大であれば各結晶粒ごとに析出物分布が
異なり、結晶粒形状に由来する別の模様が生じてしま
う。このような結晶形状に由来する模様も興味ある模様
であるが、この発明で目的とする横縞模様、特に黒暗灰
色での横縞模様を得るためには、鋳造段階で微細な結晶
組織にしておく必要がある。Tiが0.005wt%未満
では鋳塊結晶粒微細化の効果が得られず、Tiが0.1
5wt%を越えれば初晶TiAl3 を晶出して表面特性を
害するから、Tiは0.005〜0.15wt%の範囲内
とした。またTiとともにBを添加する場合、B量が
0.0001wt%未満ではB添加の効果が得られず、一
方B量が0.0500wt%を越えればTiB2の粗大粒
子が混入して表面欠陥を招くから、Bは0.0001〜
0.0500wt%の範囲内とした。
少量のTiを微量のBと組合せて添加することは、鋳塊
結晶粒微細化のために有効である。特にこの発明で適用
する板連続鋳造法では、鋳塊結晶粒微細化は、偏析やそ
れに起因する溶質元素のしみだし、およびその溶質元素
の酸化等の鋳造欠陥を防止する効果がある。また鋳造法
にかかわらず、鋳塊結晶粒微細化は晶出化合物の均一微
細な分散をもたらすため、模様以外の色むらの発生を防
止でき、その結果安定な横縞模様を発現する効果をもた
らす。なおまた、特に黒暗灰色の色調を得る場合は、A
l−Fe−Mn(−Si)系の微細析出物による色調の
濁りを利用しており、またその色調の横縞模様は、板連
続鋳造時の冷却速度の脈動を利用して、Al−Fe−M
n(−Si)系の析出物の分布を周期的に変動させるこ
とにより達成される。しかしながら、析出物の析出挙動
は結晶方位によっても異なることが知られており、鋳造
時の結晶粒が粗大であれば各結晶粒ごとに析出物分布が
異なり、結晶粒形状に由来する別の模様が生じてしま
う。このような結晶形状に由来する模様も興味ある模様
であるが、この発明で目的とする横縞模様、特に黒暗灰
色での横縞模様を得るためには、鋳造段階で微細な結晶
組織にしておく必要がある。Tiが0.005wt%未満
では鋳塊結晶粒微細化の効果が得られず、Tiが0.1
5wt%を越えれば初晶TiAl3 を晶出して表面特性を
害するから、Tiは0.005〜0.15wt%の範囲内
とした。またTiとともにBを添加する場合、B量が
0.0001wt%未満ではB添加の効果が得られず、一
方B量が0.0500wt%を越えればTiB2の粗大粒
子が混入して表面欠陥を招くから、Bは0.0001〜
0.0500wt%の範囲内とした。
【0025】以上の各成分のほかは、基本的にはAl
と、不可避的不純物とすれば良い。但し、通常のアルミ
ニウム合金においては、鋳造時の溶湯の酸化を防止する
ため微量のBeを添加することがあるが、この発明の合
金の場合にも、微量のBeを添加しても良く、Be量が
500ppm 程度以下であれば特に他の性能を劣化させる
ことはない。またそのほか、強度向上を目的としてC
u,Zn,Mgのうちのいずれか一種または二種以上が
含有されてていも良く、Cuは1.0wt%以下、Znは
2.0wt%以下、Mgは2.0wt%以下であれば特に他
の性能を損なうことなく、この発明の目的を達成するこ
とができる。ただし、Cu,Znは耐食性の観点から各
々0.1wt%未満とすることが好ましく、またMgは酸
化物を生成しやすく、これに起因する介在物が表面処理
後の表面品質に悪影響を及ぼすから、Mgも0.1wt%
未満が好ましい。
と、不可避的不純物とすれば良い。但し、通常のアルミ
ニウム合金においては、鋳造時の溶湯の酸化を防止する
ため微量のBeを添加することがあるが、この発明の合
金の場合にも、微量のBeを添加しても良く、Be量が
500ppm 程度以下であれば特に他の性能を劣化させる
ことはない。またそのほか、強度向上を目的としてC
u,Zn,Mgのうちのいずれか一種または二種以上が
含有されてていも良く、Cuは1.0wt%以下、Znは
2.0wt%以下、Mgは2.0wt%以下であれば特に他
の性能を損なうことなく、この発明の目的を達成するこ
とができる。ただし、Cu,Znは耐食性の観点から各
々0.1wt%未満とすることが好ましく、またMgは酸
化物を生成しやすく、これに起因する介在物が表面処理
後の表面品質に悪影響を及ぼすから、Mgも0.1wt%
未満が好ましい。
【0026】次にこの発明のアルミニウム合金の製造方
法について説明する。
法について説明する。
【0027】この発明の方法では、合金溶湯の鋳造法と
して、一対の回転冷却ロールやキャタピラー、ベルト等
の間に溶湯を供給することによって板を直接鋳造する、
板連続鋳造法を適用する。これは、例えば3C法あるい
はハンター法、キャスターII、ハザレー法として知られ
ており、またロールキャストあるいはストリップキャス
トとも称されている。このような板連続鋳造法では、溶
湯が回転冷却ロールに接する際に表面張力の影響で溶湯
が例えば回転冷却ロール表面に接する位置が周期的に変
動し、この結果冷却速度も周期的に変動する。そのため
リップルマークと称される模様が生じやすいが、この発
明ではむしろこの冷却速度の周期的変動(脈動)を有効
利用し、適切な合金成分組成と組合せることによって安
定な横縞模様を発現させ得たのである。
して、一対の回転冷却ロールやキャタピラー、ベルト等
の間に溶湯を供給することによって板を直接鋳造する、
板連続鋳造法を適用する。これは、例えば3C法あるい
はハンター法、キャスターII、ハザレー法として知られ
ており、またロールキャストあるいはストリップキャス
トとも称されている。このような板連続鋳造法では、溶
湯が回転冷却ロールに接する際に表面張力の影響で溶湯
が例えば回転冷却ロール表面に接する位置が周期的に変
動し、この結果冷却速度も周期的に変動する。そのため
リップルマークと称される模様が生じやすいが、この発
明ではむしろこの冷却速度の周期的変動(脈動)を有効
利用し、適切な合金成分組成と組合せることによって安
定な横縞模様を発現させ得たのである。
【0028】この発明の方法において、前述のような成
分組成の合金溶湯を鋳造するにあたっては、陽極酸化処
理による濃いベージュ色のベースとなるピンク色の発色
に寄与しまた黒暗灰色の色調を得るための微細析出物を
析出させるもとになる固溶Mnを充分に確保するべく、
Mnを強制的に固溶させ、かつ1.0wt%以上のFe
量、0.3wt%以上のMn量でも粗大なFe系もしくは
Mn−Fe系の金属間化合物を生成させないために、5
℃/sec 以上の冷却速度が必要である。ここで、鋳造時
の冷却速度が5℃/sec 未満であれば、この発明の成分
範囲の場合は、鋳造時に粗大金属間化合物が晶出して、
実質的に製品を製造できない。このような5℃/sec 以
上の鋳造時冷却速度を、工業的に大きな板で得ること
は、前述のような一対の冷却ロールやキャタピラー、ベ
ルト等の間に溶湯を供給して5〜50mm程度の板を直接
鋳造する、板連続鋳造法(連続鋳造圧延法)で達成でき
る。
分組成の合金溶湯を鋳造するにあたっては、陽極酸化処
理による濃いベージュ色のベースとなるピンク色の発色
に寄与しまた黒暗灰色の色調を得るための微細析出物を
析出させるもとになる固溶Mnを充分に確保するべく、
Mnを強制的に固溶させ、かつ1.0wt%以上のFe
量、0.3wt%以上のMn量でも粗大なFe系もしくは
Mn−Fe系の金属間化合物を生成させないために、5
℃/sec 以上の冷却速度が必要である。ここで、鋳造時
の冷却速度が5℃/sec 未満であれば、この発明の成分
範囲の場合は、鋳造時に粗大金属間化合物が晶出して、
実質的に製品を製造できない。このような5℃/sec 以
上の鋳造時冷却速度を、工業的に大きな板で得ること
は、前述のような一対の冷却ロールやキャタピラー、ベ
ルト等の間に溶湯を供給して5〜50mm程度の板を直接
鋳造する、板連続鋳造法(連続鋳造圧延法)で達成でき
る。
【0029】このようにして板連続鋳造法により得られ
た鋳造板は、そのままの板厚で陽極酸化処理に供しても
良く、あるいは冷間圧延を施して所要の板厚としてから
陽極酸化処理に供しても良い。但し、特に黒暗灰色の色
調で横縞模様を得る場合には、鋳造後のいずれかの段階
で所定の熱処理を施す必要がある。すなわち、陽極酸化
処理後の色調として、Al−Fe−Mn(−Si)系の
微細析出物による濁りを加え、深みのある暗灰色〜黒色
の色調を得るためには、鋳造直後に、あるいは冷間圧延
を行なう場合には冷間圧延の中途あるいは冷間圧延の後
に、比較的高温での熱処理を行なう必要がある。一方濃
いベージュ色の色調で横縞模様を得る場合は、熱処理は
必須条件ではないが、鋳造板均質化の目的、あるいは冷
間圧延を容易にする目的、さらには強度調整の目的など
から、鋳造直後、あるいは冷間圧延の中途や冷間圧延の
後に熱処理(焼鈍)を施しても良い。
た鋳造板は、そのままの板厚で陽極酸化処理に供しても
良く、あるいは冷間圧延を施して所要の板厚としてから
陽極酸化処理に供しても良い。但し、特に黒暗灰色の色
調で横縞模様を得る場合には、鋳造後のいずれかの段階
で所定の熱処理を施す必要がある。すなわち、陽極酸化
処理後の色調として、Al−Fe−Mn(−Si)系の
微細析出物による濁りを加え、深みのある暗灰色〜黒色
の色調を得るためには、鋳造直後に、あるいは冷間圧延
を行なう場合には冷間圧延の中途あるいは冷間圧延の後
に、比較的高温での熱処理を行なう必要がある。一方濃
いベージュ色の色調で横縞模様を得る場合は、熱処理は
必須条件ではないが、鋳造板均質化の目的、あるいは冷
間圧延を容易にする目的、さらには強度調整の目的など
から、鋳造直後、あるいは冷間圧延の中途や冷間圧延の
後に熱処理(焼鈍)を施しても良い。
【0030】以下にこれらの熱処理条件について説明す
る。
る。
【0031】前述のように陽極酸化処理後の黒暗灰色の
色調の横縞模様を得る場合には、Al−Fe−Mn(−
Si)系の微細な析出物を析出するための熱処理を、鋳
造後のいずれかの段階で行なう必要がある。この場合の
加熱温度が350℃以下では、黒暗灰色の発色に寄与す
るAl−Fe−Mn(−Si)系析出物の析出が不充分
で、ベージュ色が未だ強く、深みのある黒暗灰色とは言
えない。一方630℃を越えれば析出物の再固溶が生じ
て色調が全体的に薄くなるに加え、2次再結晶が生じて
表面が荒れる。また加熱時間が0.5時間未満では析出
が不充分であり、一方24時間を越えても効果は飽和
し、経済性を損なうだけである。したがってこの場合の
熱処理は、350℃を越え630℃以下の温度に0.5
〜24時間加熱する必要がある。このようにAl−Fe
−Mn(−Si)系の微細な析出物を析出させて黒暗灰
色の色調を得るための熱処理は、鋳造板のまま用いる場
合は鋳造後に行なえば良く、また冷間圧延を行なう場合
は、冷間圧延の前、中途、あるいは後のいずれでも良
い。但し冷間圧延の中途もしくは後に熱処理を施す場合
には、2次再結晶が生じやすいところから、600℃以
下で行なうことが望ましい。
色調の横縞模様を得る場合には、Al−Fe−Mn(−
Si)系の微細な析出物を析出するための熱処理を、鋳
造後のいずれかの段階で行なう必要がある。この場合の
加熱温度が350℃以下では、黒暗灰色の発色に寄与す
るAl−Fe−Mn(−Si)系析出物の析出が不充分
で、ベージュ色が未だ強く、深みのある黒暗灰色とは言
えない。一方630℃を越えれば析出物の再固溶が生じ
て色調が全体的に薄くなるに加え、2次再結晶が生じて
表面が荒れる。また加熱時間が0.5時間未満では析出
が不充分であり、一方24時間を越えても効果は飽和
し、経済性を損なうだけである。したがってこの場合の
熱処理は、350℃を越え630℃以下の温度に0.5
〜24時間加熱する必要がある。このようにAl−Fe
−Mn(−Si)系の微細な析出物を析出させて黒暗灰
色の色調を得るための熱処理は、鋳造板のまま用いる場
合は鋳造後に行なえば良く、また冷間圧延を行なう場合
は、冷間圧延の前、中途、あるいは後のいずれでも良
い。但し冷間圧延の中途もしくは後に熱処理を施す場合
には、2次再結晶が生じやすいところから、600℃以
下で行なうことが望ましい。
【0032】一方、陽極酸化処理後に濃いベージュ色の
色調の横縞模様を得る場合は、熱処理は必須ではない
が、鋳造板均質化や冷間圧延を容易にするため、あるい
は強度調整の目的から、熱処理(焼鈍)を行なっても良
い。但し、この場合の熱処理は、Al−Fe−Mn(−
Si)系の析出物が生じてベージュ色の色調から逸脱し
てしまわないように、比較的低温で行なう必要がある。
また鋳造板の段階で熱処理する場合と、冷間圧延中途も
しくは後に熱処理する場合とでは、次のように若干条件
が異なる。
色調の横縞模様を得る場合は、熱処理は必須ではない
が、鋳造板均質化や冷間圧延を容易にするため、あるい
は強度調整の目的から、熱処理(焼鈍)を行なっても良
い。但し、この場合の熱処理は、Al−Fe−Mn(−
Si)系の析出物が生じてベージュ色の色調から逸脱し
てしまわないように、比較的低温で行なう必要がある。
また鋳造板の段階で熱処理する場合と、冷間圧延中途も
しくは後に熱処理する場合とでは、次のように若干条件
が異なる。
【0033】先ず鋳造板の段階で行なう加熱は、鋳造時
の偏析を緩和して均質化する目的で、またその後に冷間
圧延を行なう場合は以降の冷間圧延を容易にする目的で
行なうが、この場合温度が250℃未満では鋳造時の偏
析を緩和できず、一方350℃を越えればAl−Fe−
Mn(−Si)系の微細析出物が生じて陽極酸化処理後
の色調が黒暗灰色となってしまう。また時間は、0.5
時間未満では熱処理の効果がなく、一方24時間を越え
れば効果が飽和し、経済性を損なうだけである。したが
って濃いベージュ色の色調の横縞模様を得る場合に鋳造
板の段階で行なう加熱は、250〜350℃の範囲内で
0.5〜24時間とする。
の偏析を緩和して均質化する目的で、またその後に冷間
圧延を行なう場合は以降の冷間圧延を容易にする目的で
行なうが、この場合温度が250℃未満では鋳造時の偏
析を緩和できず、一方350℃を越えればAl−Fe−
Mn(−Si)系の微細析出物が生じて陽極酸化処理後
の色調が黒暗灰色となってしまう。また時間は、0.5
時間未満では熱処理の効果がなく、一方24時間を越え
れば効果が飽和し、経済性を損なうだけである。したが
って濃いベージュ色の色調の横縞模様を得る場合に鋳造
板の段階で行なう加熱は、250〜350℃の範囲内で
0.5〜24時間とする。
【0034】冷間圧延の中途もしくは後に行なう熱処理
(中間焼鈍もしくは最終焼鈍)は、以後の冷間圧延を容
易にしたり温度調整したりする目的で行なう。この場合
の熱処理には、バッチ式の焼鈍と連続焼鈍とのいずれを
用いても良い。
(中間焼鈍もしくは最終焼鈍)は、以後の冷間圧延を容
易にしたり温度調整したりする目的で行なう。この場合
の熱処理には、バッチ式の焼鈍と連続焼鈍とのいずれを
用いても良い。
【0035】バッチ式焼鈍の場合、目的とする強度に応
じて温度が選択されるが、200℃未満では焼鈍の効果
が得られず、一方350℃を越える高温ではAl−Fe
−Mn(−Si)系の微細析出物が生じてベージュ色の
色調が得られなくなってしまい、また加熱保持時間が
0.5時間未満では焼鈍の効果が得られず、一方12時
間を越えれば350℃以下でもAl−Fe−Mn(−S
i)系の微細析出物が生じるおそれがある。したがって
ベージュ色の色調の横縞模様を得る場合において、冷間
圧延の中途もしくは後に行なう焼鈍にバッチ式焼鈍を適
用する場合には、200〜350℃の範囲内の温度で
0.5〜12時間の加熱保持とする。
じて温度が選択されるが、200℃未満では焼鈍の効果
が得られず、一方350℃を越える高温ではAl−Fe
−Mn(−Si)系の微細析出物が生じてベージュ色の
色調が得られなくなってしまい、また加熱保持時間が
0.5時間未満では焼鈍の効果が得られず、一方12時
間を越えれば350℃以下でもAl−Fe−Mn(−S
i)系の微細析出物が生じるおそれがある。したがって
ベージュ色の色調の横縞模様を得る場合において、冷間
圧延の中途もしくは後に行なう焼鈍にバッチ式焼鈍を適
用する場合には、200〜350℃の範囲内の温度で
0.5〜12時間の加熱保持とする。
【0036】一方連続式焼鈍の場合は、コイルを連続的
に巻戻しながら焼鈍するため、一般的にバッチ式焼鈍と
比較して、高温短時間の処理となる。そしてこの場合、
高温でも加熱は短時間であるため、実質上Al−Fe−
Mn(−Si)系の微細析出物は生じない。したがって
加熱到達温度は、色調の点からは制約されず、強度調整
等の目的から選択すれば良いが、300℃未満では焼鈍
の効果が得られず、500℃を越えれば共晶融解の発生
のおそれがあり、また保持時間が3分を越えれば高温で
は結晶粒粗大化のおそれがある。したがってベージュ色
の色調で横縞模様を得たい場合において、冷間圧延の中
途もしくは後に連続焼鈍により行なう焼鈍は、300〜
500℃の温度で保持なしもしくは3分以下の保持とす
る。
に巻戻しながら焼鈍するため、一般的にバッチ式焼鈍と
比較して、高温短時間の処理となる。そしてこの場合、
高温でも加熱は短時間であるため、実質上Al−Fe−
Mn(−Si)系の微細析出物は生じない。したがって
加熱到達温度は、色調の点からは制約されず、強度調整
等の目的から選択すれば良いが、300℃未満では焼鈍
の効果が得られず、500℃を越えれば共晶融解の発生
のおそれがあり、また保持時間が3分を越えれば高温で
は結晶粒粗大化のおそれがある。したがってベージュ色
の色調で横縞模様を得たい場合において、冷間圧延の中
途もしくは後に連続焼鈍により行なう焼鈍は、300〜
500℃の温度で保持なしもしくは3分以下の保持とす
る。
【0037】なお、黒暗灰色の色調の横縞模様を得る場
合においては、鋳造後のいずれかの段階で前述のように
黒暗灰色の色調を得るための微細析出のための熱処理、
すなわち350℃を越え630℃以下×0.5〜24時
間の熱処理を行なうことが必須であるが、このような色
調のための熱処理は、他の目的の熱処理、すなわち鋳造
の均質化や以後の冷間圧延を容易にするためあるいは強
度調整の目的から行なう熱処理と兼ねて行なっても良
い。さらに、上記の色調のための熱処理とは別の工程
で、色調以外の目的の熱処理を行なっても良い。この場
合、色調以外の目的の熱処理(焼鈍)は、色調のための
熱処理の条件から外れても良く、その目的に応じて条件
を選択することができる。
合においては、鋳造後のいずれかの段階で前述のように
黒暗灰色の色調を得るための微細析出のための熱処理、
すなわち350℃を越え630℃以下×0.5〜24時
間の熱処理を行なうことが必須であるが、このような色
調のための熱処理は、他の目的の熱処理、すなわち鋳造
の均質化や以後の冷間圧延を容易にするためあるいは強
度調整の目的から行なう熱処理と兼ねて行なっても良
い。さらに、上記の色調のための熱処理とは別の工程
で、色調以外の目的の熱処理を行なっても良い。この場
合、色調以外の目的の熱処理(焼鈍)は、色調のための
熱処理の条件から外れても良く、その目的に応じて条件
を選択することができる。
【0038】具体的には、冷間圧延の中途や冷間圧延の
後に、色調以外の目的、すなわちそれ以後の冷間圧延を
容易にし、また強度調整の目的から行なう熱処理(焼
鈍)としては、バッチ式の焼鈍と連続焼鈍とのうちいず
れを適用しても良いが、バッチ式焼鈍の場合、300℃
未満では焼鈍の効果が得られず、一方550℃を越える
高温では2次再結晶が生じて結晶が粗大化してしまい、
また加熱保持時間が0.5時間未満では焼鈍の効果が得
られず、一方12時間を越えても効果は飽和し、経済性
を損なうだけである。したがって色調以外の目的で冷間
圧延の中途もしくは後に行なう焼鈍にバッチ式焼鈍を適
用する場合、300〜550℃の範囲内の温度で0.5
〜12時間の加熱保持とすればよい。これに対し連続式
焼鈍の場合は、加熱到達温度が400℃未満では焼鈍の
効果が得られず、650℃を越えれば共晶融解の発生の
おそれがあり、また保持時間が3分を越えれば高温では
結晶粒粗大化のおそれがある。したがって色調以外の目
的で冷間圧延の中途もしくは後に行なう焼鈍に連続焼鈍
を適用する場合は、400〜650℃の温度で保持なし
もしくは3分以下の保持とすればよい。
後に、色調以外の目的、すなわちそれ以後の冷間圧延を
容易にし、また強度調整の目的から行なう熱処理(焼
鈍)としては、バッチ式の焼鈍と連続焼鈍とのうちいず
れを適用しても良いが、バッチ式焼鈍の場合、300℃
未満では焼鈍の効果が得られず、一方550℃を越える
高温では2次再結晶が生じて結晶が粗大化してしまい、
また加熱保持時間が0.5時間未満では焼鈍の効果が得
られず、一方12時間を越えても効果は飽和し、経済性
を損なうだけである。したがって色調以外の目的で冷間
圧延の中途もしくは後に行なう焼鈍にバッチ式焼鈍を適
用する場合、300〜550℃の範囲内の温度で0.5
〜12時間の加熱保持とすればよい。これに対し連続式
焼鈍の場合は、加熱到達温度が400℃未満では焼鈍の
効果が得られず、650℃を越えれば共晶融解の発生の
おそれがあり、また保持時間が3分を越えれば高温では
結晶粒粗大化のおそれがある。したがって色調以外の目
的で冷間圧延の中途もしくは後に行なう焼鈍に連続焼鈍
を適用する場合は、400〜650℃の温度で保持なし
もしくは3分以下の保持とすればよい。
【0039】以上をまとめれば、Fe量が1.0〜2.
0wt%、Mn量が0.3〜2.0wt%の範囲内にあれ
ば、板連続鋳造法による急速冷却の鋳造の後、熱処理を
行なわないか、または行なっても比較的低温(250〜
350℃×0.5〜24時間)のバッチ焼鈍かもしくは
急速短時間加熱の連続焼鈍であれば、陽極酸化処理後に
濃いベージュ色の色調で横縞模様を有する板を得ること
ができ、一方比較的高温長時間(350℃を越え630
℃以下×0.5〜24時間)の熱処理を少なくとも1回
行なえば、陽極酸化処理後に黒暗灰色の色調で横縞模様
を有する板を得ることができ、また後者の場合は上記の
熱処理を1回でも行なえば、それ以外に前記条件を外れ
る色調以外の目的の熱処理を行なっても、色調に変化を
与えることはないのである。
0wt%、Mn量が0.3〜2.0wt%の範囲内にあれ
ば、板連続鋳造法による急速冷却の鋳造の後、熱処理を
行なわないか、または行なっても比較的低温(250〜
350℃×0.5〜24時間)のバッチ焼鈍かもしくは
急速短時間加熱の連続焼鈍であれば、陽極酸化処理後に
濃いベージュ色の色調で横縞模様を有する板を得ること
ができ、一方比較的高温長時間(350℃を越え630
℃以下×0.5〜24時間)の熱処理を少なくとも1回
行なえば、陽極酸化処理後に黒暗灰色の色調で横縞模様
を有する板を得ることができ、また後者の場合は上記の
熱処理を1回でも行なえば、それ以外に前記条件を外れ
る色調以外の目的の熱処理を行なっても、色調に変化を
与えることはないのである。
【0040】次に上述のような方法で得られたアルミニ
ウム合金(鋳造板もしくは圧延板)に対して、陽極酸化
処理を施して実際に濃いベージュ色もしくは黒暗灰色の
色調で横縞模様を有する板を得るためのプロセスを説明
する。
ウム合金(鋳造板もしくは圧延板)に対して、陽極酸化
処理を施して実際に濃いベージュ色もしくは黒暗灰色の
色調で横縞模様を有する板を得るためのプロセスを説明
する。
【0041】陽極酸化処理にあたっては、予め表面の汚
れおよび表面の欠陥を除去しておくため、脱脂およびエ
ッチングを行なうのが一般的である。エッチングは、苛
性ソーダ系のアルカリエッチングを行なうのが通常であ
る。そして陽極酸化処理自体は、H2 SO4 濃度が10
〜25 vol%の硫酸浴を用い、浴温度10〜30℃、電
流密度1.5A/dm2 以上、2.5A/dm2 未満で行な
い、膜厚10〜30μmの陽極酸化皮膜を生成させる。
れおよび表面の欠陥を除去しておくため、脱脂およびエ
ッチングを行なうのが一般的である。エッチングは、苛
性ソーダ系のアルカリエッチングを行なうのが通常であ
る。そして陽極酸化処理自体は、H2 SO4 濃度が10
〜25 vol%の硫酸浴を用い、浴温度10〜30℃、電
流密度1.5A/dm2 以上、2.5A/dm2 未満で行な
い、膜厚10〜30μmの陽極酸化皮膜を生成させる。
【0042】ここで、硫酸浴のH2 SO4 濃度が10 v
ol%未満では生成される陽極酸化皮膜の多孔度が減少し
て浴電圧が高くなる。一方H2 SO4 濃度が25 vol%
を越えれば、表面が荒れて陽極酸化皮膜が柔らかくな
る。また浴温度が10℃未満では所要の膜厚を得るため
に長時間の処理を要して不経済となり、一方30℃を越
えれば陽極酸化処理後の耐食性が低下してしまう。さら
に電流密度は、2.5A/dm2 以上では処理に多大な電
力を要し、実用的でなく、一方1.5A/dm2 未満で
は、陽極酸化処理後の色調が薄くなって強いベージュ色
や黒暗灰色が得られなくなる。また生成される陽極酸化
皮膜の膜厚が10μm未満では充分な耐食性が得られ
ず、一方30μmを越えるまで厚くすることは経済的で
ない。
ol%未満では生成される陽極酸化皮膜の多孔度が減少し
て浴電圧が高くなる。一方H2 SO4 濃度が25 vol%
を越えれば、表面が荒れて陽極酸化皮膜が柔らかくな
る。また浴温度が10℃未満では所要の膜厚を得るため
に長時間の処理を要して不経済となり、一方30℃を越
えれば陽極酸化処理後の耐食性が低下してしまう。さら
に電流密度は、2.5A/dm2 以上では処理に多大な電
力を要し、実用的でなく、一方1.5A/dm2 未満で
は、陽極酸化処理後の色調が薄くなって強いベージュ色
や黒暗灰色が得られなくなる。また生成される陽極酸化
皮膜の膜厚が10μm未満では充分な耐食性が得られ
ず、一方30μmを越えるまで厚くすることは経済的で
ない。
【0043】以上のような硫酸浴による陽極酸化処理に
よって、濃いベージュ色もしくは黒暗灰色の色調の横縞
模様を得ることができる。
よって、濃いベージュ色もしくは黒暗灰色の色調の横縞
模様を得ることができる。
【0044】なおこの発明で得られる横縞模様は、図1
に示すように、鋳造方向、圧延方向に直交する方向の縞
模様であって、比較的薄い色の地の部分1に、直線状も
しくは直線に近い波状、曲線状の比較的濃色の縞状部分
2が鋳造方向、圧延方向に対しほぼ直角に存在する縞模
様である。またその横縞の幅(縞状部分2の中心間距
離)Wは鋳造板では通常は幅1〜2mm程度であり、圧延
板ではその圧下量に応じて広い幅に引き延ばされた横縞
模様となる。
に示すように、鋳造方向、圧延方向に直交する方向の縞
模様であって、比較的薄い色の地の部分1に、直線状も
しくは直線に近い波状、曲線状の比較的濃色の縞状部分
2が鋳造方向、圧延方向に対しほぼ直角に存在する縞模
様である。またその横縞の幅(縞状部分2の中心間距
離)Wは鋳造板では通常は幅1〜2mm程度であり、圧延
板ではその圧下量に応じて広い幅に引き延ばされた横縞
模様となる。
【0045】
実施例1 表1の合金番号1〜4に示す成分組成のアルミニウム合
金を常法にしたがって溶製し、一対のロール間に給湯す
る方式の板連続鋳造法によって板厚7mmの鋳造板を得
た。凝固時の冷却速度はいずれも200〜300℃/se
c であった。得られた各合金に対して、そのまま(鋳造
のまま)で陽極酸化処理を施すか、または300℃×1
0時間もしくは350℃×5時間、または500℃×1
0時間もしくは550℃×10時間の加熱を行なってか
ら陽極酸化処理を施した。
金を常法にしたがって溶製し、一対のロール間に給湯す
る方式の板連続鋳造法によって板厚7mmの鋳造板を得
た。凝固時の冷却速度はいずれも200〜300℃/se
c であった。得られた各合金に対して、そのまま(鋳造
のまま)で陽極酸化処理を施すか、または300℃×1
0時間もしくは350℃×5時間、または500℃×1
0時間もしくは550℃×10時間の加熱を行なってか
ら陽極酸化処理を施した。
【0046】上記のいずれの場合においても陽極酸化処
理は次の条件で行なった。すなわち、先ず10%NaO
H水溶液でエッチングした後、水洗して硝酸でデスマッ
ト処理を施し、次いで15 vol%濃度の硫酸浴を用いて
浴温20℃、電流密度1.5A/dm2 で陽極酸化処理を
行ない、膜厚20μmの陽極酸化皮膜を生成させた。
理は次の条件で行なった。すなわち、先ず10%NaO
H水溶液でエッチングした後、水洗して硝酸でデスマッ
ト処理を施し、次いで15 vol%濃度の硫酸浴を用いて
浴温20℃、電流密度1.5A/dm2 で陽極酸化処理を
行ない、膜厚20μmの陽極酸化皮膜を生成させた。
【0047】以上のようにして陽極酸化処理が施された
各板の表面の色調と横縞模様の状況を目視により観察、
判定した結果を表2に示す。なお表2において、横縞模
様の欄の○印は明瞭に横縞模様が発現した場合を、△印
は不鮮明に横縞模様が生じていた場合を、×印は横縞模
様が生じていなかった場合をそれぞれあらわす。
各板の表面の色調と横縞模様の状況を目視により観察、
判定した結果を表2に示す。なお表2において、横縞模
様の欄の○印は明瞭に横縞模様が発現した場合を、△印
は不鮮明に横縞模様が生じていた場合を、×印は横縞模
様が生じていなかった場合をそれぞれあらわす。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】表2から明らかなように、成分組成が本発
明範囲内の合金(合金番号1,2)を用いた鋳造板(製
造符号A〜F)のうち、鋳造のままの板(製造符号A,
E)、300℃×10時間の加熱を行なった板(製造符
号B)、および350℃×5時間の加熱を行なった板
(製造符号C)は、いずれも陽極酸化処理によって濃い
ベージュ色の色調の横縞模様を発現させることができ、
また500℃もしくは550℃×10時間の加熱を行な
った板(製造符号D,F)は、陽極酸化処理によって暗
灰色の横縞模様を発現させることができた。これに対し
Mn量、Fe量が少ない合金(合金番号3)を用いた場
合(製造符号G,H)は、充分に濃いベージュ色、濃い
暗灰色の色調は得られず、また横縞模様も鮮明には発現
しなかった。またFe量が著しく少ない合金(合金番号
4)を用いた場合(製造符号I,J)は、横縞模様は発
現せず、また加熱を行なわない場合(製造符号I)はピ
ンク色であった。
明範囲内の合金(合金番号1,2)を用いた鋳造板(製
造符号A〜F)のうち、鋳造のままの板(製造符号A,
E)、300℃×10時間の加熱を行なった板(製造符
号B)、および350℃×5時間の加熱を行なった板
(製造符号C)は、いずれも陽極酸化処理によって濃い
ベージュ色の色調の横縞模様を発現させることができ、
また500℃もしくは550℃×10時間の加熱を行な
った板(製造符号D,F)は、陽極酸化処理によって暗
灰色の横縞模様を発現させることができた。これに対し
Mn量、Fe量が少ない合金(合金番号3)を用いた場
合(製造符号G,H)は、充分に濃いベージュ色、濃い
暗灰色の色調は得られず、また横縞模様も鮮明には発現
しなかった。またFe量が著しく少ない合金(合金番号
4)を用いた場合(製造符号I,J)は、横縞模様は発
現せず、また加熱を行なわない場合(製造符号I)はピ
ンク色であった。
【0051】なお、図2に合金番号1の合金を用いて製
造符号Aにより製造した板について陽極酸化処理を施し
た後の表面状況の写真を示す。ここで、図2において、
縦方向(鋳造方向)の寸法L1 は60mm、横方向(鋳造
方向に直交する方向)の寸法L2 は180mmである。図
2から、明瞭に濃いベージュ色の横縞模様が発現されて
いることが判る。
造符号Aにより製造した板について陽極酸化処理を施し
た後の表面状況の写真を示す。ここで、図2において、
縦方向(鋳造方向)の寸法L1 は60mm、横方向(鋳造
方向に直交する方向)の寸法L2 は180mmである。図
2から、明瞭に濃いベージュ色の横縞模様が発現されて
いることが判る。
【0052】実施例2 実施例1の合金番号1〜4の各合金について前記同様に
板連続鋳造により板厚7mmの鋳造板とし、各鋳造板(但
し鋳造のままのもの、または500℃×10時間の加熱
を行なったもの)について、板厚1.5mmまで冷間圧延
した。冷間圧延後の各板の一部はそのままま陽極酸化処
理を施し、他のものは、バッチ炉による350℃×2時
間もしくは350℃×5時間、または500℃×5時間
の焼鈍、あるいは連続焼鈍を想定したソルトバスによる
400℃×10sec もしくは450℃×10sec の焼鈍
を施してから陽極酸化処理を施した。陽極酸化処理の条
件は実施例1の場合と同じである。
板連続鋳造により板厚7mmの鋳造板とし、各鋳造板(但
し鋳造のままのもの、または500℃×10時間の加熱
を行なったもの)について、板厚1.5mmまで冷間圧延
した。冷間圧延後の各板の一部はそのままま陽極酸化処
理を施し、他のものは、バッチ炉による350℃×2時
間もしくは350℃×5時間、または500℃×5時間
の焼鈍、あるいは連続焼鈍を想定したソルトバスによる
400℃×10sec もしくは450℃×10sec の焼鈍
を施してから陽極酸化処理を施した。陽極酸化処理の条
件は実施例1の場合と同じである。
【0053】陽極酸化処理後の表面の色調および横縞模
様を目視により観察、判定した。その結果を表3に示
す。
様を目視により観察、判定した。その結果を表3に示
す。
【0054】
【表3】
【0055】表3から明らかなように、本発明成分範囲
内の合金からなる鋳造のままの板に対し冷間圧延を行な
った場合にも、特に焼鈍を行なわなかった板(製造符号
K,Q)、350℃×5時間の焼鈍を行なった板(製造
符号L)、および連続焼鈍を想定した焼鈍を行なった板
(製造符号R)は、いずれも濃いベージュ色の横縞模様
が得られ、500℃×5時間の焼鈍を行なった板(製造
符号M)は暗灰色の横縞模様を得ることができた。ま
た、本発明成分範囲内の合金からなる鋳造板に対して5
00℃×10時間の加熱を行なってから冷間圧延を施し
た場合(製造符号N,O,P)は、その後の焼鈍の有無
を問わず暗灰色の横縞模様を得ることができた。
内の合金からなる鋳造のままの板に対し冷間圧延を行な
った場合にも、特に焼鈍を行なわなかった板(製造符号
K,Q)、350℃×5時間の焼鈍を行なった板(製造
符号L)、および連続焼鈍を想定した焼鈍を行なった板
(製造符号R)は、いずれも濃いベージュ色の横縞模様
が得られ、500℃×5時間の焼鈍を行なった板(製造
符号M)は暗灰色の横縞模様を得ることができた。ま
た、本発明成分範囲内の合金からなる鋳造板に対して5
00℃×10時間の加熱を行なってから冷間圧延を施し
た場合(製造符号N,O,P)は、その後の焼鈍の有無
を問わず暗灰色の横縞模様を得ることができた。
【0056】
【発明の効果】前述の実施例からも明らかなように、こ
の発明のアルミニウム合金板は、板連続鋳造法を適用す
ることによって、硫酸浴による陽極酸化処理後に濃いベ
ージュ色もしくは黒暗灰色の色調を有しかつ規則的な横
縞模様を有する板を確実に得ることができる。
の発明のアルミニウム合金板は、板連続鋳造法を適用す
ることによって、硫酸浴による陽極酸化処理後に濃いベ
ージュ色もしくは黒暗灰色の色調を有しかつ規則的な横
縞模様を有する板を確実に得ることができる。
【0057】またこの発明のアルミニウム合金の製造方
法によれば、前述のように硫酸浴による陽極酸化処理に
よって濃いベージュ色もしくは黒暗灰色の色調を有しか
つ横縞模様を呈するアルミニウム合金を、板連続鋳造法
を適用して実際に確実かつ容易に得ることができ、特に
熱処理の有無もしくは熱処理の条件の変化によって、陽
極酸化処理後の色調を濃いベージュ色と黒暗灰色の間で
容易に変えることができる。
法によれば、前述のように硫酸浴による陽極酸化処理に
よって濃いベージュ色もしくは黒暗灰色の色調を有しか
つ横縞模様を呈するアルミニウム合金を、板連続鋳造法
を適用して実際に確実かつ容易に得ることができ、特に
熱処理の有無もしくは熱処理の条件の変化によって、陽
極酸化処理後の色調を濃いベージュ色と黒暗灰色の間で
容易に変えることができる。
【0058】したがってこの発明は、外観の多様化、個
性化が求められる各種建材材料や銘板、各種器物、容器
等に適用して有益なものである。
性化が求められる各種建材材料や銘板、各種器物、容器
等に適用して有益なものである。
【図1】この発明によるアルミニウム合金板の陽極酸化
処理後の横縞模様を説明するための模式図である。
処理後の横縞模様を説明するための模式図である。
【図2】実施例によるアルミニウム合金板の陽極酸化処
理後の表面を示す金属組織写真である。
理後の表面を示す金属組織写真である。
1 地の部分 2 縞状部分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
Claims (5)
- 【請求項1】 Mn0.3〜2.0wt%、Fe1.0〜
2.0wt%、Si0.5wt%以下を含有するとともに、
結晶粒微細化剤としてTi0.005〜0.15wt%を
単独でまたはB0.0001〜0.0500wt%と組合
せて含有し、残部がAlおよびその他の不可避的不純物
よりなることを特徴とする、陽極酸化処理後にベージュ
色〜黒暗灰色の色調を有しかつ横縞模様を有する陽極酸
化処理用アルミニウム合金板。 - 【請求項2】 Mn0.3〜2.0wt%、Fe1.0〜
2.0wt%、Si0.5wt%以下を含有するとともに、
結晶粒微細化剤としてTi0.005〜0.15wt%を
単独でまたはB0.0001〜0.0500wt%と組合
せて含有し、残部がAlおよびその他の不可避的不純物
よりなる合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/se
c 以上の冷却速度で鋳造することを特徴とする、陽極酸
化処理後にベージュ色の色調を有しかつ横縞模様を有す
る陽極酸化処理用アルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項3】 Mn0.3〜2.0wt%、Fe1.0〜
2.0wt%、Si0.5wt%以下を含有するとともに、
結晶粒微細化剤としてTi0.005〜0.15wt%を
単独でまたはB0.0001〜0.0500wt%と組合
せて含有し、残部がAlおよびその他の不可避的不純物
よりなる合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/se
c 以上の冷却速度で鋳造した後、もしくはさらにその鋳
造の後に250〜350℃で0.5〜24時間加熱した
後、冷間圧延することを特徴とする、陽極酸化処理後に
ベージュ色の色調を有しかつ横縞模様を有する陽極酸化
処理用アルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項4】 Mn0.3〜2.0wt%、Fe1.0〜
2.0wt%、Si0.5wt%以下を含有するとともに、
結晶粒微細化剤としてTi0.005〜0.15wt%を
単独でまたはB0.0001〜0.0500wt%と組合
せて含有し、残部がAlおよびその他の不可避的不純物
よりなる合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/se
c 以上の冷却速度で鋳造した後、350℃を越え630
℃以下の温度で0.5〜24時間加熱することを特徴と
する、陽極酸化処理後に黒暗灰色の色調を有しかつ横縞
模様を有する陽極酸化処理用アルミニウム合金板の製造
方法。 - 【請求項5】 Mn0.3〜2.0wt%、Fe1.0〜
2.0wt%、Si0.5wt%以下を含有するとともに、
結晶粒微細化剤としてTi0.005〜0.15wt%を
単独でまたはB0.0001〜0.0500wt%と組合
せて含有し、残部がAlおよびその他の不可避的不純物
よりなる合金の溶湯を、板連続鋳造法によって5℃/se
c 以上の冷却速度で鋳造した後、冷間圧延を施し、かつ
その冷間圧延の前もしくは途中または後に、350℃を
越え630℃以下の温度で0.5〜24時間加熱するこ
とを特徴とする、陽極酸化処理後に黒暗灰色の色調を有
しかつ横縞模様を有する陽極酸化処理用アルミニウム合
金板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19711691A JPH0681064A (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 陽極酸化処理用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19711691A JPH0681064A (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 陽極酸化処理用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0681064A true JPH0681064A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=16369002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19711691A Pending JPH0681064A (ja) | 1991-07-10 | 1991-07-10 | 陽極酸化処理用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0681064A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000005426A1 (en) * | 1998-07-23 | 2000-02-03 | Alcan International Limited | High conductivity aluminum fin alloy |
US6471796B1 (en) | 2000-09-11 | 2002-10-29 | Daido Metal Company Ltd. | Method and apparatus for continuous casting of aluminum bearing alloy |
-
1991
- 1991-07-10 JP JP19711691A patent/JPH0681064A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000005426A1 (en) * | 1998-07-23 | 2000-02-03 | Alcan International Limited | High conductivity aluminum fin alloy |
KR100600269B1 (ko) * | 1998-07-23 | 2006-07-13 | 노벨리스 인코퍼레이티드 | 핀 스톡용 알루미늄 합금 및 그 제조방법 |
US6471796B1 (en) | 2000-09-11 | 2002-10-29 | Daido Metal Company Ltd. | Method and apparatus for continuous casting of aluminum bearing alloy |
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---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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