JPH0680980A - 磁性と電気粘性効果とを同時に有する流体。 - Google Patents

磁性と電気粘性効果とを同時に有する流体。

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JPH0680980A
JPH0680980A JP5176117A JP17611793A JPH0680980A JP H0680980 A JPH0680980 A JP H0680980A JP 5176117 A JP5176117 A JP 5176117A JP 17611793 A JP17611793 A JP 17611793A JP H0680980 A JPH0680980 A JP H0680980A
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fluid
group
electric field
electrorheological
particles
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JP5176117A
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Makoto Sasaki
眞 佐々木
Naotake Sato
尚武 佐藤
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/44Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids
    • H01F1/447Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids characterised by magnetoviscosity, e.g. magnetorheological, magnetothixotropic, magnetodilatant liquids

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁界に感応する磁性流体としての特性と、電
界の印加で粘度が増大する電気粘性流体の効果とを同時
に有する流体を提供。 【構成】 磁界に感応する成分、電界に感応する成分及
び溶媒を含むことを特徴とする磁性と電気粘性効果を同
時に有する流体 。 【効果】 該流体は、磁性又は電気粘性効果のみを有す
る流体単独よりもトルクが大きく、かつ電気粘性流体の
特長である速い応答速度を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁界に感応する磁性流
体としての特性と、電界の印加で粘度が増大する電気粘
性流体の効果とを同時に有する流体に関する。特に、速
い応答速度で大きな力を取り出せ得る流体に関する。
【0002】
【従来技術】磁性流体とは、強磁性体粒子を溶媒中に均
一に分散させたコロイド溶液であり、磁石を近づけると
液全体が磁石に引き寄せられ、見かけ上液全体が磁性を
帯びたように挙動する。さらに、磁界の印加で磁性流体
から大きな力を誘起できる特長を磁性流体は有する。こ
の磁性流体の特性を利用して、回転軸シールに利用され
ており、さらにダンパー、アクチュエーター、比重差選
別、ジェットプリンター等への応用が期待されている。
磁性流体の代表的な製造方法としては、特開昭51−4
4579記載の化学共沈法が挙げられる。この方法は、
硫酸第1鉄塩水溶液と硫酸第2鉄塩水溶液より調製した
マグネタイト水スラリーに界面活性剤を添加し、水洗、
乾燥後、有機溶媒に分散させて磁性流体を作製する方法
である。
【0003】一方、電気粘性流体とは、無機あるいは高
分子の粒子を電気絶縁性液体に分散させた懸濁液であ
り、該流体は電界を印加することにより液体状態から可
塑的状態または固体状態へと急速かつ可逆的に粘性が変
化する。そして、その応答速度が速いことが特長の一つ
となっている。一般に分散粒子は電界により表面が分極
し易いものが用いられており、例えば、無機系分散粒子
としては、米国特許3047507、英国特許1076
754および特開昭61−44998にシリカが、特開
昭62−95397にゼオライトが記載されている。ま
た、高分子系粒子としては、特開昭51−33783に
アルギン酸、カルボキシル基を有するグルコース、スル
ホン基を有するグルコースが、特開昭53−93186
にジビニルベンゼンで架橋されたポリアクリル酸が、特
開昭58−179259にレゾール型フェノール樹脂が
記載されている。また、電気絶縁性液体としては、鉱
油、シリコーンオイル、フッ素系オイル、ハロゲン化芳
香族油などが知られている。なお、電気粘性効果を高め
るために分散粒子表面に水が吸着している方が好まし
く、系内に少量の水を含んでいる場合が多い。
【0004】電界の印加により電気粘性流体が増粘する
機構は、電気二重層説により説明される。電気粘性流体
の分散粒子表面には電気二重層が形成されており、電界
が印加していない時はお互い表面で反発しあい粒子が並
んだ構造を作ることはない。しかし、電界を印加すると
分散粒子の電気二重層に電気的な偏りが起こり、静電引
力で粒子が並び、粒子のブリッジが形成される。このた
め、液体の粘度が増加し固化することもある。なお、系
内に添加された水は電気二重層の形成を促進する。電気
粘性流体の用途としては、エンジンマウント、ショック
アブソーバー、クラッチなどへの応用が期待されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、磁性流体の問
題点としては、応答性の目安となる透磁率が低く、速い
応答速度が得られないことが挙げられる。また、シール
として用いる場合、そのシールが小さいことも問題の一
つである。これらのことが、前記用途の実用化の障害の
一つとなっている。また、電気粘性流体に関しては、電
界を印加した際誘起されるトルクが小さく、大きな力が
取り出せないという問題がある。本発明は、速い応答速
度でかつ大きなトルクが得られる流体を提供することを
目的にするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するため鋭意努力した結果、磁界に感応する成分
と、電界に感応する成分とを含む流体が上記問題を解決
できることを見いだし、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、磁界に感応する成分、電界に感応す
る成分及び溶媒を含むことを特徴とする磁性と電気粘性
効果とを同時に有する流体を提供する。
【0007】以下本発明の構成を詳述する。本発明で言
う磁界に感応するとは、例えば磁石に引きつけられるこ
とを意味する。磁界に感応する成分(以下磁界感応成分
とする)としては、磁性体粒子等が挙げられ、特に強磁
性体粒子が好ましい。具体的には、マグネタイト、マン
ガンフェライト、バリウムフェライト等の酸化物磁性体
粒子、鉄、コバルト、ニッケル、パーマイト等の金属磁
性粒子、あるいは窒化鉄粒子等が挙げられる。磁性粒子
の粒径としては、0.003〜200μmが好ましく、
特に硬質磁性体粒子では0.003〜0.5μm、軟質
磁性体粒子では0.1〜200μmが好ましい。さらに
特に、非常に大きな力を得ようとする場合は、粒径が1
〜100μmの軟質磁性体粒子が好ましい。粒径が0.
003μm未満では粒子が磁性を示さなくなり、200
μmを超えると流体中での分散性が極端に悪くなる。
【0008】本発明で言う電界に感応するとは、電界印
加により溶液を増粘させる性質を有することを意味す
る。電界に感応する成分(以下電界感応成分とする)と
しては、電気粘性流体に用いられる公知の分散粒子が挙
げられる。具体的には、シリカ、ゼオライト、チタン、
イオン交換樹脂、澱粉、ゼラチン、セルロース、アルギ
ン酸、グルコース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、
レゾール型フェノール樹脂、ポリアニリン、スルホン化
ポリスチレン、チタン酸バリウム、カーボン質粒子等が
挙げられる。粒子の粒径としては0.01〜500μ
m、好ましくは1.0〜100μmである。0.01μ
m未満では十分な電気粘性効果が得られず、500μm
を超えると十分な分散安定性が得られない。
【0009】また、電界感応成分としては、ニトロベン
ゼン、メトキシベンジリデンブチルアニリンなどの低分
子液晶のような液状のもの、液状性高分子成分又はポリ
(ビニリデンフロライドーテロラフルオロエチレン)の
ように、使用する溶媒に溶解するものが挙げられる。電
界感応成分は流体内で液状あるいは溶解した状態で存在
するので、電界感応粒子を用いた場合欠点となる電界感
応粒子の沈降という問題が完全に回避できる。さらに、
これらの上記成分の中では液晶性高分子が電界より得ら
れるトルクが他の上記成分に比べ大きく好ましい。
【0010】液晶性高分子成分としては、ライオトロピ
ック液晶性、サーモトロピック液晶性を有するものが挙
げられる。特にライオトロピック液晶性を有する液晶性
高分子成分が好ましい。ライオトロピック液晶性を有す
る液晶性高分子成分としては、ポリペプチド、ポリ(α
−アミノ酸)、芳香族ポリアミド、セルロース及びその
誘導体、ポリアミドヒドラジド、ポリヒドラジド、ポリ
イソシアネート、ポリホスファゼン、両親媒性ブロック
共重合体、リボ核酸、デオキシリボ核酸などが挙げられ
る。この中ではポリ(γ−グルタメート)で代表される
ポリベプチド、ポリ(α−アミノ酸)が好ましい。ポリ
(γ−グルタメート)の中では一般式(1)及び(2)
を構成成分とするものが、特に好ましく用いられる。
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】 ここでR1は炭素数1〜7のアルキル基、アラルキル
基、アリール基、シクロアルキル基あるいはこれらの2
つ以上の混合基である。R2は炭素数8〜30のアルキ
ル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基又
はこれらの2つ以上の混合基である。(2)と(1)の
組成比(n/m)は100/0〜10/90である。
【0013】R1としては具体的に例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基、
ベンジル基、などのアラルキル基、シクロヘキシル基な
どのシクロアルキル基などが挙げられる。好ましくはメ
チル基、ベンジル基が用いられる。また、ポリマー中の
1は必ずしも同一でなくてもよい。R2としては具体的
に例えばオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル
基、オレイル基などのアルキル基、ブチルベンジル基な
どのアラルキル基、ブチルフェニル基などのアリール
基、ブチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基な
どが挙げられる。好ましくはオクチル基、デシル基、ド
デシル基、オレイル基、ブチルフェニール基が用いられ
る。特に好ましくはドデシル基、オレイル基が溶媒とし
て好ましく用いることができる炭化水素系オイルあるい
はエステル系オイルへの溶解性を向上させる効果が大き
いので用いられる。また、ポリマー中のR2は必ずしも
同一でなくてもよい。
【0014】炭化水素系オイルあるいはエステル系オイ
ルに溶解するためにはR2が重要である。R2の炭素数が
8未満であると炭化水素系オイルあるいはエステル系オ
イルへの溶解が不十分となる。またR2の炭素数が30
を超えると合成が非常に困難になる。
【0015】一般式(2)と一般式(1)の組成比(n
/m)は100/0〜10/90であり、好ましくは8
0/20〜30/70である。nとmの比率が10/9
0未満であると炭化水素系オイルあるいはエステル系オ
イルへの溶解が不十分となる。一般式(1)及び(2)
の構成成分の配列は交互に、ブロック、不規則のいずれ
でもよい。好ましくは交互もしくは不規則配列である。
一般式(1)及び(2)を構成成分とするポリ(γ−グ
ルタメート)はホスゲンを用いた対応するγ−グルタメ
ートの重合で製造することができる。また、R1を含む
ユニットのみからなるポリ(γ−グルタメート)をR2
に対応するアルコールあるいはエステルで交換して製造
してもよい。その他公知のポリ(γ−グルタメート)の
製造法を適用することができる。
【0016】ポリ(α−アミノ酸)の中では一般式
(3)の構造のものが特に好ましく用いられる。
【化6】 ここでR3は炭素数1〜30のアルキル基、アラルキル
基、アリール基、シクロアルキル基又はこれらの二つ以
上の混合基である。lは重合度を表し、5以上1万以下
である。好ましくは10以上5000以下であり、5未
満であると発現する電気粘性効果が不十分であり、1万
を超えると溶媒への溶解性が低下する。
【0017】R3としては具体的に例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テ
トラドデシル基、オレイル基などのアルキル基、フェニ
ル基、ブチルフェニル基などのアリール基、ベンジル
基、ブチルベンジル基などのアラルキル基、シクロヘキ
シル基、ブチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル
基などが挙げられる。特にR3は炭素数6〜16のアル
キル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル
基、さらに特にR3がオクチル基、デシル基、ドデシル
基、テトラドデシル基、ヘキサデシル基が溶媒として好
ましく用いられる炭化水素系オイルあるいはエステル系
オイルへの溶解性に優れ好ましい。また、ポリマーのR
3は必ずしも同一でなくてもよい。一般式(3)で表さ
れるポリ(α−アミノ酸)は対応するポリ(α−アミノ
酸)のホスゲンを用いたN−カルボキシアンハイドライ
ドを経由する重合(NCA重合法)で製造することがで
きる。
【0018】また、液晶性高分子成分としては、複数個
の液晶性を直接あるいはスペーサーを介して1つに分子
鎖に結合したものでもよく、液晶性基が1つの分子鎖に
対して直接あるいはスペーサーを介して枝のようにぶら
下がった形で結合した側鎖型のもの、あるいは液晶性基
と分子鎖が主鎖にある主鎖型のもの、あるいは主鎖型液
晶性高分子化合物の液晶性基あるいは分子鎖にさらに液
晶性基を結合した複合型のものが挙げられる。液晶性高
分子成分の分子量は500〜100万が好ましく、さら
に好ましくは2000〜50万である。500未満であ
ると発現する電気粘性効果が不十分であり、100万を
超えると溶媒への溶解性が低下する。
【0019】磁界感応成分と電界感応成分の複合形態と
しては、各々個別の状態で溶媒に分散あるいは溶解させ
てもよく、また、電界感応成分が分散粒子である場合、
この二つの成分が複合した粒子、すなわち複合粒子とし
て用いてもよいが、速い応答速度とトルクを得るために
は複合粒子の方が好ましい。
【0020】本発明の複合粒子の製造は、例えば以下の
方法で行うことができる。第1の方法としては、電気粘
性効果を発現する成分の水溶液、例えばポリアクリル酸
ナトリウムの水溶液に強磁性体粒子を分散させ、その
後、再沈などで強磁性体が分散したアクリル酸ナトリウ
ムを分離し、さらに、乾燥、粉砕を行い製造する方法で
ある。第2の方法としては、強磁性体粒子の存在下で、
電気粘性効果を示す成分の原料、例えばポリアクリル酸
ナトリウムを乳化または懸濁重合させ、強磁性体表面に
ポリアクリル酸ナトリウム層を固定して製造する方法で
ある。第3の方法としては、金属アルコキシド、例えば
テトラエトキシシランの溶液に強磁性体粒子を分散さ
せ、ゾルゲル法で強磁性体分散シリカを得、その後必要
に応じて粉砕を行い、複合粒子を製造する方法である。
【0021】その他、上記のような方法で、強磁性体粒
子の代わりにその原料である硫酸塩、カルボニル化合物
などを用いて、調製過程に強磁性体を生成させて複合粒
子を製造してもよい。さらにこれらの方法以外でも、公
知の複合粒子の製造方法で調製することもできる。
【0022】本発明において、磁界感応成分と電界感応
成分の混合比率は磁界感応成分が好ましくは99.8〜
3重量%、さらに好ましくは99〜10重量%、電界感
応成分もちが好ましくは0.2〜97重量%,さらに好
ましくは1〜90重量%である。電界感応成分が0.2
重量%未満の場合、電気粘性効果を示さず、また97重
量%を超えると電気粘性効果のみしか示さない。
【0023】電界感応成分がシリカなどの分散粒子では
磁界感応成分と電界感応成分の混合比率は磁界感応成分
が好ましくは99〜10重量%、さらに好ましくは97
〜30重量%、電界感応成分が好ましくは1〜90重量
%、さらに好ましくは3〜70重量%である。電界感応
成分が1重量%未満の場合、電気粘性効果を示さず、ま
た90重量%を超えると電気粘性効果のみしか示さな
い。
【0024】また電界感応成分が液晶性高分子成分では
磁界感応成分と電界感応成分の混合比率は磁界感応成分
が好ましくは99.8〜3重量%、さらに好ましくは9
9〜30重量%、電界感応成分が好ましくは0.2〜9
7重量%、さらに好ましくは1〜70重量%である。電
界感応成分が0.2重量%未満の場合、電気粘性効果を
示さず、また97重量%を超えると電気粘性効果のみし
か示さない。
【0025】本発明で用いる溶媒としてはジオキサン、
テロラヒドロフラン、クレゾールなどの極性溶媒、塩化
メチレン、クロロホルム、クロルベンゼン、o−ジクロ
ルベンゼン等の塩素系溶媒、鉱油、アルキルベンゼン、
アルキルナフタレン、ポリアルファーオレフィンなどの
炭化水素系オイル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオク
チル、セバチン酸ジプチルなどのエステル系オイル、オ
リゴフェニレンオキサイドなどのエーテル系オイル、シ
リコーンオイル、フッソ系オイルなどが挙げられる。特
に、毒性、電流が流れにくい炭化水素オイル、エステル
系オイルが好ましい。また、これらのオイルは混合して
用いてもよい。
【0026】溶媒の沸点は常圧で150℃以上が好まし
く、さらに150〜700℃が好ましく、特に200〜
650℃が好ましい。150℃未満であると液体が蒸発
し易く好ましくない。また粘度は1〜500cSt(@
40℃)が好ましく、特に5〜300cSt(@40
℃)が好ましい。本発明において、磁界に感応する成分
と電界に感応する成分の合計が好ましくは1〜90重量
%、さらに好ましくは10〜80重量%で、溶媒が好ま
しくは99〜10重量%、さらに好ましくは90〜20
である。溶媒が10重量%未満であると流体の粘度が増
大し、流体としての機能が損なわれる。また99重量%
を超えると磁気及び電気粘性効果を示さなくなる。
【0027】電界感応成分がシリカなどの分散粒子では
磁界感応成分と電界感応成分の合計が好ましくは1〜9
0重量%、さらに好ましくは20〜80重量%で、溶媒
が好ましくは99〜10重量%、さらに好ましくは80
〜20重量%である。溶媒が10重量%未満であると流
体の粘度が増大し、流体としての機能が損なわれる。ま
た99重量%を超えると磁気及び電気粘性効果を示さな
くなる。
【0028】また電界感応成分が液晶性高分子成分では
磁界感応成分と電界感応成分の合計が好ましくは2〜7
0重量%、さらに好ましくは10〜50重量%で、溶媒
が好ましくは98〜30重量%、さらに好ましくは90
〜50重量%である。70重量%を超えると磁界及び/
または電界を印加しないときの流体の粘度が著しく大き
くなり実用上好ましくない。
【0029】本発明で電界感応成分が液晶性高分子成分
では液晶性高分子成分が流体中で必ずしも液晶相を呈し
てなくともよく、液晶相を呈していない濃度でも電気粘
性効果を発現する。電界感応成分として液晶性高分子成
分を用いる場合は、公知の方法で調整した磁性流体に液
晶性高分子成分を溶解させるか、あるいは公知の方法で
調整した磁性流体と液晶性高分子成分を溶解させた溶液
を混合するなどの方法によって調整することができる。
【0030】また、本発明では少量の水を添加すると電
気粘性効果が助長されることがある。水の添加量は電界
感応成分に対して30重量%以下が好ましい。さらに、
本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤のような
添加剤を配合してもよい。磁界と電界の印加方法として
は、常時両方を同時に一定の強度で印加してもよく、ま
た、両方を必要なトルクの変化に応じて変えてもよく、
さらに、片方を常時一定の強度で印加し、もう片方の印
加強度を必要なトルクの変化に対応させてもよい。特
に、一定強度の磁界を印加し、ある程度のトルクを確保
し、さらに必要なトルクの微調整を電界印加の変化で行
う方法が好ましい。
【0031】本発明の流体は、エンジンマウント、ショ
ックアブソーバーなどの減衰装置、クラッチ、トルクコ
ンバーター、ブレーキシステム、バルブ、ダンパー、サ
スペンション、アクチュエーター、バイブレーター、イ
ンクジェットプリンター、シール、比重差選別、軸受
け、研磨、制御弁、防振材料等の用途に利用できる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はそれらに限定されるものではない。 実施例1 重合度22,000〜70,000のポリアクリル酸ナ
トリウム20gを800gのイオン交換水に溶解させた
後、この溶液に粒径が3μmの軟質磁性鉄粒子20gを
添加し、撹拌により軟質磁性鉄粒子を均一に分散させ
た。次にこの軟質磁性鉄粒子分散ポリアクリル酸水溶液
を1.5Lのエタノール中に加え、再沈により軟質磁性
鉄粒子を含むポリアクリル酸ナトリウムを得た。さら
に、この複合体を100℃/2mmHgで6時間乾燥
後、ヘンシュルミキサーで粉砕し、平均粒径12μmの
複合粒子(1−1)を得た。原子吸光分析で求めた複合
粒子(1−1)の鉄含有量は48重量%はであった。
【0033】次に、複合粒子(1−1)30gを粘度2
0cSt@25℃のシリコーンオイル(信越シリコーン
製KF−96)70gに分散し、さらに複合粒子(1−
1)たいして5重量%の水を添加し、流体(1−2)を
調製した。この流体(1−2)の飽和磁化量は390ガ
ウスであり、磁石に引き寄せられることを確認した。次
に、面積400mm2の2枚の電極が1mmのクリアラ
ンスで向かい合った高電圧が印加できるセルの両電極上
に電磁石を取り付けた測定装置を横置きに設置し、セル
の中に流体(1−2)を充てんし、磁気および電気粘性
特性を評価した。この際のトルク値は、上部電極を水平
方向に変位させることにより測定した。また応答速度は
オシログラフを用い、磁界及び/又は電界の印加に追随
するトルクの遅れを測定して求めた。
【0034】磁界および電界を印加しない時の流体(1
−2)のトルクは26g・cmであった。流体(1−
2)に1,500エルステッドの磁界のみを印加した時
のトルクは205g・cmであり、応答速度は0.37
秒であった。また、3kV/mmの電界のみを印加した
時のトルクは221g・cm、応答速度は0.02秒で
あり、流体(1−2)は磁性と電気粘性効果を有するこ
とを確認した。さらに、1,500エルステッドの磁界
と3kV/mmの電界と同時に印加した時のトルクは4
94g・cm、応答速度は0.06秒であった。
【0035】実施例2 粒径が10μmの軟質磁性フェライト粒子20g、濃度
15重量%アクリル酸ナトリウム水溶液50gおよびキ
シレンを300gを撹拌機付反応容器に取り、40℃撹
拌下で、0.3gの過硫酸アンモニウムを含む水溶液7
mlを加え、次に0.1gの酸性亜硫酸ナトリウムを含
む水溶液7ml加え、40℃で4時間重合を行った。重
合終了後、粒子をろ過で回収後、100℃/2mmHg
で6時間乾燥して、ポリアクリル酸ナトリウムで被覆さ
れた軟質磁性フェライト粒子(2−1)を得た。この複
合粒子(2−1)の軟質磁性フェライトの含有量は87
重量%あった。
【0036】次に、実施例1と同様な方法で流体(2−
2)を調製した。この流体(2−2)の飽和磁化量は2
60ガウスであり、磁石に引き寄せられることを確認し
た。さらに実施例1と同様な方法で磁気および電気粘性
特性を調べた。磁界および電界を印加しない時の流体
(2−2)のトルクは23g・cmであった。流体(2
−2)に1,500エルステッドの磁界のみを印加した
時のトルクは193g・cmであり、応答速度は0.3
1秒であった。また、3kV/mmの電界のみを印加し
た時のトルクは209g・cm、応答速度は0.02秒
であり、流体(2−2)は磁性と電気粘性効果を有する
ことを確認した。さらに、1,500エルステッドの磁
界と3kV/mmの電界と同時に印加した時のトルクは
419g・cm、応答速度は0.06秒であった。
【0037】実施例3 テトラエトキシシラン60g、エタノール55g、イオ
ン交換水20gを混合した溶液に、粒径が3μの軟質磁
性鉄粒子20gを添加し、さらに撹拌下20wt%アン
モニア水を8cc添加した。添加直後直ちに粒子が生成
したが、その後80℃で3時間反応を続け、シリカ生成
のゾルゲル反応を完結させた。反応終了後、100℃/
2mmHgで4時間かけて脱気、乾燥を行い、シリカと
軟質磁性鉄粒子が複合した粒子(3−1)を得た。複合
粒子(3−1)の鉄含有量は54重量%であった。
【0038】次に、実施例1と同様な方法で流体(3−
2)を調製した。この流体(3−2)の飽和磁化量は4
10ガウスであり、磁石に引き寄せられることを確認し
た。さらに実施例1と同様な方法で磁気および電気粘性
特性を調べた。磁界および電界を印加しない時の流体
(3−2)のトルクは33g・cmであった。流体(3
−2)に1,500エルステッドの磁界のみを印加した
時のトルクは236g・cmであり、応答速度は0.3
9秒であった。また、3kV/mmの電界のみを印加し
た時のトルクは327g・cm、応答速度は0.02秒
であり、流体(3−2)は磁性と電気粘性効果を有する
ことを確認した。さらに、1,500エルステッドの磁
界と3kV/mmの電界と同時に印加した時のトルクは
544g・cm、応答速度は0.08秒であった。
【0039】実施例4 実施例1の流体(1−2)に1,500エルステッドの
磁界のみを印加した時のトルクは205g・cmであっ
たが、この状態で引き続き3kV/mmの電界の印加を
行った際、トルクは494g・cmまで増加した。電界
印加によるトルクの増加の時の応答速度は0.02秒で
あった。
【0040】比較例1 実施例1で使用した流体の分散粒子として重合度22,
000〜70,000、粒径20μmのポリアクリル酸
ナトリウムを用い、実施例1と同様な方法で流体(4−
2)を調製した。さらに実施例1と同様な方法で磁気お
よび電気粘性特性を調べた。磁界および電界を印加しな
い時の流体(4−2)のトルクは19g・cmであっ
た。流体(4−2)に1,500エルステッドの磁界の
みを印加した時のトルクは19g・cmと変わらず、ま
た磁石にも引き寄せられず、全く磁界に感応しなかっ
た。また、3kV/mmの電界のみを印加した時のトル
クは298g・cm、応答速度は0.02秒であり、流
体(4−2)は電気粘性効果のみを有することを確認し
た。さらに、1,500エルステッドの磁界と3kV/
mmの電界と同時に印加した時のトルクと応答速度は、
電界のみを印加した時と同じであった。
【0041】比較例2 電気粘性効果を示さないポリプロピレンを20gを30
0gのキシレンに溶解させた溶液に、粒径が3μmの軟
質磁性鉄粒子20gを添加し、撹拌により軟質磁性鉄粒
子を均一に分散させた。次に、この溶液を1Lのイオン
交換水中に加え、再沈により軟質磁性鉄粒子を含むポリ
プロピレンを得た。さらに、この複合体を80℃/2m
mHgで6時間乾燥後、ヘンシュルミキサーで粉砕し、
平均粒径15μmの複合粒子(5−1)を得た。原子吸
光分析で求めた複合粒子(5−1)の鉄含有量は46重
量%はであった。
【0042】次に、実施例1と同様な方法で流体(5−
2)を調製した。この流体(5−2)の飽和磁化量は4
00ガウスであり、磁石に引き寄せられることを確認し
た。さらに実施例1と同様な方法で磁気および電気粘性
特性を調べた。磁界および電界を印加しない時の流体
(5−2)のトルクは31g・cmであった。流体(5
−2)に1,500エルステッドの磁界のみを印加した
時のトルクは261g・cmであり応答速度は0.42
秒であった。また、3kV/mmの電界のみを印加した
時のトルクは全く変化せず、流体(5−2)は電気粘性
効果を発現しないことを確認した。さらに、1,500
エルステッドの磁界と3kV/mmの電界と同時に印加
した時のトルクと応答速度は、電界のみを印加した場合
と同じであった。
【0043】合成例1 1モルの硫酸第1鉄水溶液を2モルの硫酸第2鉄水溶液
を混合し、次に6Nの水酸化ナトリウム水溶液をpHが
11.5となるまで加え、その後60℃で1時間撹拌し
て、マグネタイトを生成させた。これにオレイン酸ソー
ダ10wt%水溶液200mLを加え、80℃で30分
吸着反応を行った。この溶液を5Lに希釈し、3Nの塩
酸をpHが5.5になるまで加え、マグネタイトを凝集
させた。上澄み液を取り除き、蒸留水を加え、静置し
た。この操作を上澄み液中の塩分がなくなるまで繰り返
した。次に、吸引ろ過でマグネタイトケーキを取り出
し、水で洗浄し、最後にメタノールで洗浄し、残存オレ
イン酸を取り除いた。このマグネタイトケーキを真空乾
燥器で乾燥させ、オレイン酸が吸着したマグネタイト粒
子を得た。このマグネタイト粒子をヘキサンに分散さ
せ、8000G、1時間遠心分離にかけ、粒径の大きな
粒子を分離除去した。次に、遠心分離で粒径の大きな粒
子を除去した分散液に、分散液中のマグネタイト粒子に
対して1.2重量倍のα−メチルナフタレンを加えた
後、ヘキサンを蒸留で除去し磁性流体(6−1)を得
た。この磁性流体(6−1)の飽和磁化量は180ガウ
スであり、磁石に引き寄せられることを確認した。
【0044】合成例2 ジクロロエタン200mLとパラトルエンスルホン酸2
gを混合し、115℃で4時間還流し、系内より水を除
去した。次に、この溶液にポリ(γ−ベンジル−L−グ
ルタメート)(SIGMA CHEMICAL製、分子
量24万)4gを加え完全に溶解させた。さらに、ドデ
シルアルコール20gを加えジクロロエタン還流下で2
4時間エステル交換反応を行った。反応終了後、溶液を
多量のメタノール中に添加しポリマーを再沈殿させた。
ポリマーをろ過で回収し、良くメタノールで洗浄した
後、再びジクロロエタンに溶解させた。この精製工程を
さらに3回行い、最後に回収したポリマーを80℃/2
mmHgで乾燥し、精製ポリマー(1)4.4gを得
た。NMR分析より、ポリマー(1)はベンジル基の7
1%がドデシル基に置き代わったポリ(γ−ベンジル
L−グルタメート−コ−γ−ドデシル L−グルタメー
ト)、であることを確認した。
【0045】合成例3 合成例2のドデシルアルコール20gをオレイルアルコ
ール28.9gに代えた以外は合成例1と同様に行い、
精製ポリマー(2)4.5gを得た。NMR分析より、
ポリマー(2)はベンジル基の59%がオレイル基に置
き代わったポリ(γ−ベンジル L−グルタメート−コ
−γ−オレイル L−グルタメート)であることを確認
した。
【0046】実施例5 合成例2で得られたポリマー(1)0.5gをα−メチ
ルナフタレン9.5gに完全に溶解させ、この溶液と合
成例1で得られた磁性流体(1)10gを混合し流体
(7−1)を調製した。この流体(7−1)の飽和磁化
量は93ガウスであり、磁石に引き寄せられることを確
認した。さらに実施例1と同様な方法で磁性と電気粘性
を調べた。磁界及び電界を印加しない時の流体(7−
1)のトルクは67g・cmであった。流体(7−1)
に1,500エルステッドの磁界のみを印加した時のト
ルクは187g・cmであり、応答速度は0.21秒で
あった。また、3kV/mmの電界のみを印加した時の
トルクは361g・cm、応答速度は0.02秒であ
り、流体(7−1)は磁性と電気粘性効果を有すること
を確認した。さらに、1,500エルステッドの磁界と
3kV/mmの電界を同時に印加した時のトルク値は5
38g・cmであり応答速度は0.02秒であった。。
さらに、流体(7−1)は1カ月放置しても粒子の沈降
は認められなかった。
【0047】実施例6 実施例5のポリマー(1)を合成例2で得られたポリマ
ー(2)に代えた以外は実施例1と同時にして、流体
(8−1)を調製した。この流体(8−2)の飽和磁化
量は89ガウスであり、磁石に引き寄せられることを確
認した。さらに実施例1と同様な方法で磁性と電気粘性
特性を調べた。磁界及び電界を印加しない時の流体(8
−1)のトルクは71g・cmであった。流体(8−
1)に1,500エルステッドの磁界のみを印加した時
のトルクは171g・cmであり、応答速度は0.24
秒であった。また、3kV/mmの電界のみを印加した
時のトルクは348g・cm、応答速度は0.02秒で
あり、流体(8−1)は磁性と電気粘性効果を有するこ
とを確認した。さらに、1,500エルステッドの磁界
と3kV/mmの電界を同時に印加した時のトルク値は
497g・cmであり、応答速度は0.02秒であっ
た。さらに、流体(8−1)は1カ月放置しても粒子の
沈降は認められなかった。
【0048】実施例7 実施例5のポリマー(1)をL−α−アミノラウリン酸
のホスゲンを用いたN−カルボキシアンハイドライドを
経由する重合(NCA重合法)により合成した分子量3
0万のポリ(L−α−アミノラウリン酸)に代えた以外
は実施例1と同様にして、流体(9−1)を調製した。
この流体(9−1)の飽和磁化量は91ガウスであり、
磁石に引き寄せられることを確認した。さらに実施例1
と同様な方法で磁性と電気粘性特性を調べた。磁界及び
電界を印加しない時の流体(9−1)のトルクは63g
・cmであった。流体(9−1)に1,500エルステ
ッドの磁界のみを印加した時のトルクは169g・cm
であり、応答速度は0.28秒であった。また、3kV
/mmの電界のみを印加した時のトルクは322g・c
m、応答速度は0.02秒であり、流体(9−1)は磁
性と電気粘性効果を有することを確認した。さらに、
1,500エルステッドの磁界と3kV/mmの電界を
同時に印加した時のトルク値は507g・cmであり、
応答速度は0.02秒であった。さらに、流体(9−
1)は1カ月放置しても粒子の沈降は認められなかっ
た。
【0049】比較例3 実施例1と同様な方法で、合成例1で調製した磁性流体
(6−1)の磁気及び電気粘性特性を調べた。磁界及び
電界を印加しない時の磁性流体(6−1)のトルクは1
03g・cmであった。磁性流体(6−1)に1,50
0エルステッドの磁界のみを印加した時のトルクは22
5g・cmであり、応答速度は0.33秒であった。ま
た、3kV/mmの電界のみを印加した時のトルクは全
く変化せず、磁性流体(6−1)は電気粘性効果を発現
しないことを確認した。さらに、1,500エルステッ
ドの磁界と3kV/mmの電界を同時に印加した時のト
ルクと応答速度は、電界のみを印加した場合と同じであ
った。
【0050】比較例4 実施例1と同様な方法で、合成例2で得られたポリマー
(1)0.5gをα−メチルナフタレン9.5gに完全
に溶解させ溶液(10−1)の磁気及び電気粘性特性を
調べた。磁界及び電界を印加しない時の溶液(10−
1)のトルクは32g・cmであった。溶液(10−
1)に1,500エルステッドの磁界のみを印加した時
のトルクは32g・cmと変わらず、また磁石にも引き
寄せられず、全く磁界に感応しなかった。また、3kV
/mmの電界のみを印加した時のトルクは359g・c
m,応答速度は0.02秒であり、溶液(10−1)は
電気粘性効果のみを有することを確認した。さらに、
1,500エルステッドの磁界と3kV/mmの電界を
同時に印加した時のトルクと応答速度は、電界を印加し
た時と同じであった。
【0051】比較例5 実施例1と同様な方法で、実施例7で用いたポリ(L−
α−アミノラウリン酸)0.5gをα−メチルナフタレ
ン9.5gに完全に溶解させ溶液(11−1)の磁気及
び電気粘性特性を調べた。磁界及び電界を印加しない時
の溶液(11−1)のトルクは31g・cmであった。
溶液(11−1)に1,500エルステッドの磁界のみ
を印加した時のトルクは31g・cmと変わらず、また
磁石にも引き寄せられず、全く磁界に感応しなかった。
また、3kV/mmの電界のみを印加した時のトルクは
343g・cm、応答速度は0.02秒であり、溶液
(1−1)は電気粘性効果のみを有することを確認し
た。さらに、1,500エルステッドの磁界と3kV/
mmの電界を同時に印加した時のトルクと応答速度は、
電界を印加した時と同じであった。
【0052】
【発明の効果】実施例及び比較例から明らかなように、
本発明の磁性と電気粘性効果を同時に有する流体は、磁
性あるいは電気粘性効果のみを有する流体単独よりもト
ルクが大きく、かつ電気粘性流体の特長である速い応答
速度を有していることが分かる。また、電気粘性効果を
発現する成分として液晶性高分子を用いた流体は長期の
分散安定性に優れる。このように本発明の流体は、大き
なトルク、速い応答速度、長期の分散安定性を示すもの
であり、エンジンマウント、ショックアブソーバーなど
の減衰装置、クラッチ、トルクコンバーター、ブレーキ
システム、バルブ、ダンパー、サスペンション、アクチ
ュエーター、バイブレーター、インクジェットプリンタ
ー、シール、比重差選別、軸受け、研磨、パッキン、制
御弁、防振材料等の用途に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:04 107:50 125:10 125:26 145:14 149:18) C10N 10:02 10:16 30:00 Z 8217−4H 40:14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界に感応する成分、電界に感応する成
    分及び溶媒を含むことを特徴とする磁性と電気粘性効果
    とを同時に有する流体。
  2. 【請求項2】 磁界に感応する成分と電界に感応する成
    分の合計が1〜90重量%で、溶媒が99〜10重量%
    である請求項1記載の磁性と電気粘性効果とを同時に有
    する流体。
  3. 【請求項3】 磁界に感応する成分が、強磁性体粒子で
    ある請求項1記載の磁性と電気粘性効果とを同時に有す
    る流体。
  4. 【請求項4】 電界に感応する成分が電気粘性流体に用
    いる分散粒子である請求項1記載の磁性と電気粘性効果
    とを同時に有する流体。
  5. 【請求項5】 強磁性体粒子と電気粘性流体に用いられ
    る分散粒子が複合粒子である請求項1記載の磁性と電気
    粘性効果とを同時に有する流体。
  6. 【請求項6】 電界に感応する成分が液晶性高分子成分
    である請求項1記載の磁性と電気粘性効果を同時に有す
    る流体。
  7. 【請求項7】 液晶性高分子成分が一般式(1)及び
    (2)を構成成分とするポリ(γ−グルタメート)であ
    る請求項6記載の磁性と電気粘性効果を同時に有する流
    体。 【化1】 【化2】 (ここでR1は炭素数1〜7のアルキル基、アラルキル
    基、アリール基、シクロアルキル基又はこれらの2つ以
    上の混合基である。R2は炭素数8〜30のアルキル
    基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基又は
    これらの2つ以上の混合基である。(2)と(1)の組
    成比(n/m)は100/0〜10/90である。)
  8. 【請求項8】 液晶性高分子成分が一般式(3)で表さ
    れるポリ(α−アミノ酸)である請求項6記載の磁性と
    電気粘性効果を同時に有する流体。 【化3】 (ここでR3は炭素数1〜30のアルキル基、アラルキ
    ル基、アリール基、シクロアルキル基又はこれらの2つ
    以上の混合基である。lは重合度を表し、5以上1万以
    下である。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001509635A (ja) * 1997-07-14 2001-07-24 エイビービー パワー ティー アンド ディー カンパニイ インコーポレイテッド コロイド絶縁冷却流体
JP2017022373A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company 磁性ナノ粒子で性能向上された液晶インダクタ

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