JPH0491196A - 磁性流体組成物 - Google Patents

磁性流体組成物

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JPH0491196A
JPH0491196A JP20777690A JP20777690A JPH0491196A JP H0491196 A JPH0491196 A JP H0491196A JP 20777690 A JP20777690 A JP 20777690A JP 20777690 A JP20777690 A JP 20777690A JP H0491196 A JPH0491196 A JP H0491196A
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JP
Japan
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fine particles
particle size
magnetic fluid
fluid composition
ferromagnetic
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JP20777690A
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English (en)
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Shunichi Yabe
俊一 矢部
Atsushi Yokouchi
敦 横内
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁性流体組成物に係り、特に高度な清浄度が
要求される真空装置、コンピュータのハードディスク駆
動装置等に使用する、防塵シール。
真空シール等に使用される経時的な耐圧変化の少ない磁
性流体組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来、例えば、コンピュータのハードディスク駆動装置
は、ケーシング内に設けた磁気記録装置である円板をケ
ーシング外に設けたモータにより回転駆動するが、ハー
ドディスク自体、塵等による汚れを極度に嫌うため、前
記モータの駆動軸がケーシングの壁面を貫通する部分に
塵等の通過を阻止するためのシール手段を設けている。
このシール手段として、例えば、磁性流体組成物が使用
される。
このように、防塵シール、真空シール等に使用される磁
性流体組成物は、シール装置に組み込まれた際、当該磁
性流体組成物がシールとして機能するために、該磁性流
体組成物の耐圧が所定の値以上となることが要求される
この耐圧は、前記磁性流体組成物が前記駆動軸とシール
リングとの隙間に発生する磁気力で拘束されることによ
り得られる。即ち、当該磁性流体組成物の構成成分であ
る強磁性体微粒子は、通常、キャリア中に安定に分散す
れば、重力等の影響があっても沈降しない安定な物質で
あるが、磁気力の影響は受は易い。そして、前記隙間に
発生する磁気力は、非常に大きな不均一磁場となるため
、磁性流体組成物中の強磁性体微粒子は磁場の強い方向
へ移動し、前記強磁性体微粒子密度(強磁性体微粒子の
分布)に偏りが生じる。強磁性体微粒子密度に偏りが生
じると、特に磁気シールと駆動軸との同心度が相対的に
ずれ、偏心が大きい場合(最大隙間と最小隙間の差が約
50μm以上)磁気シールとなる当該磁性流体組成物が
注入した直後に有していた耐圧値(初期値)が経時的に
減少し、シールが破れ、清浄空間を汚染する等の問題が
あった。
そして、前記駆動軸が回転している間は、前記強磁性体
微粒子は常に拡散されるため、磁気力の影響による強磁
性体微粒子の偏在を抑制することができ、経時的な耐圧
の変化を低減させることができる。しかし、当該駆動軸
の回転を停止し、しばらく放置しておくと、当該強磁性
体微粒子の拡散性が低下し、磁気力の影響による強磁性
体微粒子の偏在を抑制することができなくなる。当該粒
子密度の偏在により、経時的な耐圧変化が生じるように
なる。
この耐圧の経時的変化は、磁性流体組成物の注入直後か
ら約24時間経過するまで生しることが知られている。
即ち、前記磁性流体組成物の注入直後の耐圧初期値は、
注入後24時間の間に序々に低下していき、24時間経
過後、耐圧値はほぼ平衡値に達する。そして、この経時
的な耐圧変化は、磁気シールのおかれている環境(駆動
軸の回転状態、磁気力のかかり方等)により様々でもあ
る。そこで、初期の耐圧設定値を高くすることが考えら
れる。
例えば、特開平1315103号に開示されているよう
に、強磁性体微粒子表面を第1のイオン性界面活性剤で
不完全に被覆することで、比較的粒径の大きな強磁性体
微粒子を系外に除去して粒子系を制御し、制御後の強磁
性体微粒子に水と第2のイオン性界面活性剤とを加え、
当該強磁性体微粒子に水相で第2のイオン性界面活性剤
を吸着させることで、安定性の高い分散性を有した初期
の耐圧設定値が高い磁性流体組成物を提供する従来例が
存在する。
そして、この他の従来例の範囲で推察できることとして
、磁性流体組成物中の強磁性体微粒子の数を増加して強
磁性体微粒子の濃度を高くし、初期の耐圧設定値を引き
上げることで経時的な耐圧変化に対処することが考えら
れる。
また、磁性流体組成物中の強磁性体微粒子の粒子径を大
きくし、個々の微粒子の磁化率を大きくすることで、初
期の耐圧設定値を引き上げ、経時的な耐圧変化に対処す
ることも考えられる。
(発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、前記従来例の範囲内では、単に耐圧の初
期値を引き上げることで、耐圧が低減した時(安定後)
の値をスライド式に引き上げるだけの方法であり、実際
に経時的な耐圧変化を軽減する配慮は従来例ではなかっ
た。
そして、磁性流体組成物中の強磁性体微粒子数を増加す
ると、前記微粒子の分散性が低下し、長期保存を行うと
当該微粒子が凝集しやすくなり、シールの寿命が短くな
るという課題があり、強磁性体微粒子の粒子径を大きく
すると、前記微粒子の分散性が悪くなり、さらに、不均
一磁場中で、当該微粒子同士の不可逆的な磁場凝集が生
じ、耐圧をさらに低下させるという課題があった。
そこで、このような課題を解決するために本発明は、不
均一磁場中での強磁性体微粒子密度の偏在を軽減するこ
とで、経時的な耐圧変化が軽減された磁性流体組成物を
提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するために本発明は、キャリアとなる分
散媒と、該分散媒と親和性のある親油性基を有する分散
剤と、該分散剤で表面が被覆されて前記分散媒中に分散
した強磁性体微粒子と、を有する磁性流体組成物におい
て、前記強磁性体微粒子は、粒子径の大きい強磁性体微
粒子と粒子径の小さい強磁性体微粒子との混合体からな
る磁性流体組成物であることを特徴とするものである。
そして、前記粒子径が大きい強磁性体微粒子は、平均粒
子径;15.0〜30.0nm、粒度分布;11.0〜
50.0 n mであり、前記粒子径が小さい強磁性体
微粒子は、平均粒子径;7.0〜12.0nm。
粒度分布;4.0〜15.0nmである磁性流体組成物
であることを特徴とするものである。
〔作用〕
本発明者が鋭意研究を重ねた結果、前記磁性流体組成物
の構成要素である強磁性体微粒子を、粒子径の大きい強
磁性体微粒子と粒子径の小さい強磁性体微粒子との混合
体とすることで、不均一磁場中での強磁性体微粒子密度
の偏在を軽減することができるという知見に至った。
この理由として以下のことが考えられる。
強磁性体微粒子が磁場の大きい方に引きつけられるとい
うことは、即ち、磁場による外的な力がキャリア中の分
散粒子群を圧縮していることと同じである。従って、予
め非磁場中で前記粒子を圧縮されにくい構成(例えば、
最密充填状態)にしておけば磁性流体組成物中の当該粒
子の偏在を軽減することができる。
一般に、粉体粒子の集合体である充填物(例えば、粉体
焼結等)について最密充填状態を得るには、粉体同士の
間にできる隙間を小さくすることが行われている。この
隙間を小さくする方法として、粒子径の比が異なる粉体
、即ち、粒子径の大きい粉体と粒子径の小さい粉体とを
混合することで、粒子径の大きい粉体同士の間に生じた
隙間に粒子径の小さい粉体が入り込み、前記隙間を小さ
くすることができる。
即ち、粒子径の大きい強磁性体微粒子と粒子径の小さい
強磁性体微粒子とを混合した強磁性体微粒子を用いるこ
とで最密充填状態を得ることができると考え、さらに研
究を重ねた結果、磁性流体組成物においても、非磁場中
で強磁性体微粒子を最密充填状態にすることで、磁場に
よる外的な力による強磁性体微粒子の偏在を緩和し、経
時的な耐圧変化を軽減することができる。
そして、本発明に係る強磁性体微粒子が、粒子径の大き
い強磁性体微粒子と小さい強磁性体微粒子とを混合した
混合体からなることにより、当該混合体の粒度分布は対
数分布において、ピークを2つ以上有し、且つその分布
状態は正規化されないシャープなピークとなる。この結
果、前記混合体を最密充填状態にすることができる。
さらに、前記粒子径の大きい強磁性体微粒子は、平均粒
子径; 15.0〜30.0nm、粒度分布;11、 
0〜50.0nmとし、前記小さい強磁性体微粒子は、
平均粒子径;7.0〜12.0nm、粒度分布;4.θ
〜15.0 n mとすることで、より効果的に最密充
填状態を形成することができる。
また、前記粒子径の大きい強磁性体微粒子の平均粒子径
と小さい強磁性体微粒子の平均粒子径は、30Å以上離
れていることが望ましい。
そしてまた、前記粒子径が大きい強磁性体微粒子と小さ
い強磁性体微粒子との最適な混合率は、大小の粒子径の
差により変化するが、粒子径大:粒子径小=20:80
〜80:20.好ましくは、粒子径大:粒子径小=20
:80〜60 : 40である。
また、粒子径の大きい強磁性体微粒子と小さい強磁性体
微粒子とを1種類づつ混合するのみでなく、異なった粒
子径の強磁性体微粒子を3種以上混合しても良い。即ち
、混合された強磁性体微粒子の粒度分布は、ピークを3
つ以上有しても良い。
この時、より効果的に最密充填状態を形成するよう、前
記平均粒子径及び粒度分布を満たす範囲内で、各々の平
均粒子径及び粒度分布を選定する。
強磁性体微粒子の大きさ1粒度分布等を適切に選定する
ことで、磁性流体組成物の経時的な耐圧変化をより軽減
することができる。
強磁性体微粒子の大きさを制御する(粒子径の大きさを
選定する)方法として、例えば、以下の方法が挙げられ
る。
親油性に改質した強磁性体微粒子をヘキサン等の中間媒
体に分散させ、これを遠心分離機により遠心分離して、
前記微粒子の粒子径を制御する方法、即ち、強磁性体微
粒子を遠心分離する際、遠心分離機の回転数を調整(変
化)することで、種々の粒度分布を有する強磁性体微粒
子を得ることができる。
また、中間媒体中へ強磁性体微粒子を分散させる界面活
性剤の分散能を意図的に低くする。又は添加量を少なく
して、前記微粒子を界面活性剤で覆う被覆率を小さくす
ると、比較的大きい粒子径の微粒子は界面活性剤で完全
に被覆されないため不安定になる。この不安定になった
微粒子は、効率よく中間媒体から取り除くことができる
ため、粒子径の大小を選別することができる。この時、
前記界面活性剤の分散能又は添加量を任意に調整するこ
とで、異なった粒度分布を有する強磁性体微粒子を得る
ことができる。
また、親油性に改質した強磁性体微粒子と親和性が異な
る分散媒を中間媒体として用いることで粒子径の大小を
選別することもできる。この時、前記中間媒体を選択す
ることで、種々の粒度分布を有する強磁性体微粒子を得
ることができる。
また、強磁性体微粒子を湿式法、湿式粉砕法及び乾式法
等で合成する際、その合成条件を任意に設定し、予め強
磁性体微粒子の平均粒子径を調整することで、種々の粒
度分布を有する強磁性体微粒子を得ることができる。こ
こに湿式法とは、例えば、第1鉄イオンと第2鉄イオン
とを含む酸性溶液にアルカリを加えpH9以上とし、適
切な温度下で熟成することによりマグネタイトコロイド
を得るものである。また、湿式粉砕法とは、水もしくは
有機溶媒中で強磁性体粉末をボールミル粉砕するもので
ある。
いずれの方法を用いても、平均粒子径を任意に調整した
強磁性体微粒子を得ることができ、この時に用いる分散
剤は、種類の異なる分散剤を用いても同一の分散剤を用
いても良い。
尚、強磁性体微粒子としては、マグネタイトマンガンフ
ェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライトも
しくはこれらと亜鉛の複合フェライトやバリウムフェラ
イト等、他の強磁性体酸化物微粒子や、鉄、コバルト等
の強磁性の金属微粒子、さらに窒化鉄微粒子を用いるこ
とが望ましい。
また、分散剤としては、合成スルホン酸ナトリウム、又
はその他のスルホン酸類(石油スルホン酸、アルキルナ
フタレンスルホン酸等)や、カルボン酸類(アルキルナ
フタレンカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル酢酸、N−アシルアミノ酸、不飽和脂肪酸、飽和脂
肪酸等)、或いは硫酸エステル、リン酸エステル、アミ
ン、アルコール等、又はそれらの塩、陰イオン性界面活
性荊、陽イオン性界面活性剤の他5アルキルアンモニウ
ムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、パーフルオ
ロポリエーテルカルボン酸等のフッ素系界面活性剤、シ
ランカンプリング剤(一般式YR3iχ、(n=1〜3
)またはR31X。
;式中のYはビニル基、エポキシ基、アミノ基。
メルカプト基その他の有機官能基であり、Rは例えばア
ルキル基の如き炭化水素基である。Xは加水分解性の基
であり、例えば、メトキシ基(CH30−)やエトキシ
基(C,H5O−)等のアルコキシ基(R’O−)  
である。〕、ジメチルポリシロキサンカルボン酸等のシ
リコン系界面活性剤を用いることが好ましい。また、こ
れらのうち2種以上を併用しても良い。
そして、キャリアとしては、低揮発性(1×10−”T
orr以下、25°C)で低粘度(100cp以下、4
0°C)のオクタデシルジフェニルエーテル、鉱油ヤニ
ステル油、アルキルポリフェニルエーテルのようなエー
テル油、アルキルナフタレン油、ポリαオレフィン油等
の炭化水素系合成油、パーフルオロポリエーテル等のフ
ッ素油、ジメチルシロキサン等のシリコン油等の有機溶
媒が好適であり、磁性流体組成物の用途に応じて適宜に
用いることが望ましい。
また、中間媒体を得るための低沸点有機溶媒としては、
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキ
サン、クロロホルム、ジエチルエ−チル等を用いること
が望ましい。
そして、分散能力の高い分散剤を使用した磁性流体組成
物或いはキャリアと分散剤との相溶性が良好で安定した
分散性を示す磁性流体組成物は、その耐圧初期値をも高
くすることができる。
また、本発明に係る磁性流体組成物には、所望により他
の特性を付与するための成分を添加することを妨げない
。例えば、強磁性体微粒子の分散安定性をさらに高める
ために、キャリア中に添加される第2の界面活性剤とし
てのポリブデンコハク酸等である。
〔実施例〕
次に本発明の一実施例について、説明する。
先ず、硫酸第1鉄と硫酸第2鉄とをそれぞれ0゜3mo
 Iづつ含む水溶液11に、6NのNaOH水溶液をp
Hが11以上になるまで加える。その後、この混合液を
60°Cで30分間熟成してマグネタイトコロイドの水
懸濁液を得た。次いで、室温下で水洗し、このスラリー
中の電解質を除去する。このようにして、マグネタイト
コロイドを湿式法により製造する。
次に、前記マグネタイトコロイド液に、3NのH(l水
溶液を加え、そのpHを3に調整する。
その後、この水溶液に分散剤として界面活性剤である合
成スルホン酸ナトリウムを40g添加し、60°Cで3
0分間攪拌してマグネタイト微粒子の表面に界面活性剤
を吸着させた。その後静置して、液中の前記微粒子を凝
集沈降させ、その上澄み液を捨てる。次いで、更に新た
な水を加えて攪拌してから静置し、上澄み液を捨てる。
この水洗を数回繰り返して水溶液中の電解質を除去した
後、濾過、脱水、乾燥を行い、表面が界面活性剤で被覆
された粉末状のマグネタイト微粒子を得た。
次に、前記粉末状の微粒子に低沸点無極性有機溶媒とし
てヘキサンを加えて十分に振とうして、当該微粒子がヘ
キサン中に分散した中間媒体を得た。
次いで、得られたコロイド液に低沸点極性有機溶媒とし
てメタノールを加え、−度前記微粒子を凝集沈降させて
、上澄み液を捨てる。これより、当該微粒子に単分子吸
着した分散剤以外の余計な分散剤が除去される。
次に、沈澱した前記微粒子を再度ヘキサンに分散した後
、ロータリエバポレータに移し、90°Cに保ちながら
ヘキサンと微量のメタノールを蒸発除去する。このよう
にして、親油性のマグネタイト微粒子を得た。
次に、前記親油性のマグネタイト微粒子の平均粒子径を
制御した磁性流体組成物を得るために以下の工程を行っ
た。
〔粒子径の大きい強磁性体微粒子を有する磁性流体組成物を得る工程〕
先ず、前記親油性のマグネタイト微粒子100gにヘキ
サン60gを加え、超音波を用いて当該微粒子をヘキサ
ン中に十分に分散し、中間媒体を得る。
次いで、前記中間媒体を遠心分離機にかけて6500G
の遠心力下で30分間遠心分離し、分散粒子のうち比較
的粒子径の大きいマグネタイト微粒子を沈降させる。そ
の後、沈降したマグネタイト微粒子を50g取り出し、
これにヘキサンを30g加えて超音波を用いてヘキサン
に前記微粒子を十分に分散させる。次いで、遠心分離機
にかけて5000Gの遠心力下で30分間遠心分離し、
分散粒子のうち比較的大きな分散性の悪い微粒子を沈降
させて除去する。次いで、沈降せずに残った当該微粒子
が分散している上澄み液をロータリエバポレータに移し
、90゛Cに保ちながらヘキサンを蒸発除去する。この
ようにして、比較的粒子径の大きな微粒子を含む親油性
のマグネタイト微粒子を得た。
次に、このマグネタイト微粒子を10g採取し、ヘキサ
ン中に分散した後、キャリアとなるオクタデシルジフェ
ニルエーテルを8g加えて混合する。
この混合液をロータリエバポレータに移し、90°Cに
保ちながらヘキサンを蒸発除去する。このようにするこ
とで、前記微粒子はキャリア中に分散する。
次いで、前記微粒子が分散しているキャリアを遠心分離
機にかけて5000Gの遠心力下で30分間遠心分離す
る。この操作により、非分散固形物は取り除かれ、極め
て安定な磁性流体が得られた。
次に、前記磁性流体に添加剤として、ポリブテンコハク
酸(平均分子量1100)を0.9g加え、液温を60
°Cにして攪拌を十分に行う。
このようにして、平均粒子径の大きい強磁性体微粒子を
有する磁性流体組成物(以下、磁性流体組成物(大)と
いう)を得た。
この磁性流体組成物15μlを用いて、内径7肛、外径
7.4閣、厚さ0.7mmの環状の磁気シールを製造し
た。この磁気シール(磁性流体組成物)に不均一磁場を
印加する前の重心と不均一磁場を印加した後の重心との
偏心量が50μmとなるような磁場を印加した時の耐圧
(吸引した時に磁気シールが破ける圧力)は、350 
m m Hz Oであった。
次いで、この磁性流体組成物にオクタデシルジフェニル
エーテルを加えて希釈し、前記耐圧を250mmHzO
とした。
この磁性流体組成物中のマグネタイト微粒子の粒度分布
を測定したところ、平均粒子径は17.0nm、粒度分
布は12.5〜25.0 n mであった。
[粒子径の小さい強磁性体微粒子を有する磁性流体組成
物を得る工程] 先ず、前記親油性のマグネタイト微粒子100gにヘキ
サン60gを加え、超音波を用いて当該微粒子をヘキサ
ン中に十分に分散し、中間媒体を得る。
次いで、前記中間媒体を遠心分離機にかけて8000G
の遠心力下で30分間遠心分離し、分散微粒子のうち比
較的大きな分散性の悪い微粒子を沈降させて除去する。
次いで、沈降せずに残ったマグネタイト微粒子が分散し
ている上澄み液をロータリエバポレータに移し、90°
Cに保ちながらヘキサンを蒸発除去する。このようにし
て、比較的粒子径の大きな微粒子が除去された親油性の
マグネタイト微粒子を得た。
次に、このマグネタイト微粒子を10g採取し、ヘキサ
ン中に分散した後、キャリアとなるオクタデシルジフェ
ニルエーテルを8g加えて混合する。
この混合液をロータリエバポレータに移し、90°Cに
保ちながらヘキサンを蒸発除去する。このようにするこ
とで、前記微粒子はキャリア中に分散する。
次いで、前記微粒子が分散しているキャリアを遠心分離
機にかけて8000Gの遠心力下で30分間遠心分離す
る。この操作により、非分散固形物は取り除かれ、極め
て安定な磁性流体が得られた。
次乙こ、前記磁性流体に添加剤として、ポリブテンコハ
ク酸(平均分子量1100)を0.9g加え、液温を6
0°Cにして攪拌を十分に行う。
このようにして、平均粒子径の小さい強磁性体微粒子を
有する磁性流体組成物(以下、磁性流体組成物(小)と
いう)を得た。
この磁性流体組成物15μ!を用いて、内径7髄、外径
7.4mm、厚さ0.7 mmの環状の磁気シールを製
造した。この磁気シール(磁性流体組成物)に不均一磁
場を印加する前の重心と不均一磁場を印加した後の重心
との偏心量が50μmとなるような磁場を印加した時の
耐圧(吸引した時に磁気シールが破ける圧力)は、25
0mmH2Oであった。
また、この磁性流体組成物中のマグネタイト微粒子の粒
度分布を測定したところ、平均粒子径は10.0nm、
粒度分布は6.0〜13.0 n rnであった。
以上のようにして、磁性流体組成物(大)及び磁性流体
組成物(小)を得た。
次に、前記実施例で得た強磁性体微粒子の粒度分布の異
なる磁性流体組成物を混合した場合の経時的耐圧変化を
以下の要頭で試験した。
前記実施例で得た磁性流体組成物(大)と磁性流体組成
物(小)とを第1表に示す割合(重量混合率)で混合し
、全体量を5.Ogとした磁性流体組成物を6種類(サ
ンプルNCLAないしkF)製造した。
前記6種類の磁性流体組成物について、それぞれ15μ
2を用いて、内径7閣、外形7.4mm、厚さ0.7閣
の環状の磁気シールを製造した。これらの注入時の耐圧
と、注入時から24時間経過後の耐圧を前記実施例と同
様の方法により測定した。
この値から当該磁性流体組成物の経時的な耐圧変化を求
めた。この結果を第2表に、磁性流体組成物(大)と磁
性流体組成物(小)との重量混合率(wt%)と耐圧変
化率(%)との関係を第1図に示す。
尚、経時的な耐圧変化は次式により求め、これを耐圧の
変化率(%)とした。
(24時間後の耐圧/初期耐圧)X100−・−(1) この(1)式より求めた耐圧変化率は、大きいほど経時
的な耐圧変化が少なくなることを示している。
(以下、余白) 第1表 第2表 なお、サンプルNIIBないしNIIEは、混合した強
磁性体微粒子の粒度分布を測定したところピークが2つ
みられ、且つその分布状態は正規化されないシャープな
ピークを有していた。
以上の結果及び第1表より、サンプルNaA (磁性流
体組成物(小)100%含有)とサンプル階F(磁性流
体組成物(大)100%含有)では、サンプルNaAの
方が耐圧変化率が大きいことから、経時変化が少ないこ
とがわかる。また、サンプルNuBないしNctD (
磁性流体組成物(大)と磁性流体組成物(小)とを混合
して含有)は、サンプルll!cLA及びNcLFより
耐圧変化率が大きいことから、強磁性体微粒子の粒子径
が単一である磁性流体組成物より、粒子径が異なる磁性
流体組成物の方が経時変化が少ないことがわかる。
以上の結果から、磁性流体組成物(大)と磁性流体組成
物(小)の最適な重量混合率は、磁性流体組成物(大)
:磁性流体組成物(小)=20:80〜80:20.好
ましくは、磁性流体組成物(大):磁性流体組成物(小
)=20:80〜60:40であることがわかる。
なお、本実施例では、粒度分布がピークを2つ有する磁
性流体組成物について、説明したがこれに限らず、粒度
分布がピークを3つ以上有する磁性流体組成物を用いて
も良い。
また、本実施例では、強磁性体微粒子として、湿式法に
よりマグネタイトコロイドを得ることで得たマグネタイ
トを用いたが、この他、湿式粉砕法、乾式法で得られた
マグネタイトを用いても良い。
そして、各々の粒子径の強磁性体微粒子を任意に混合し
た後に、これをキャリア中に分散して磁性流体組成物を
得ても良い。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明に係わる磁性流体組成物によ
れば、当該磁性流体組成物中に存在する強磁性体微粒子
が、粒子径の大きな強磁性体微粒子と粒子径の小さな強
磁性体微粒子との混合体から成ることで、不均一磁場中
での強磁性体微粒子密度の偏在を軽減することができる
。この結果、経時的な耐圧変化を軽減した磁性流体組成
物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、異なった粒度分布を有する磁性流体組成物の
重量混合率と耐圧変化率との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)キャリアとなる分散媒と、該分散媒と親和性のあ
    る親油性基を有する分散剤と、該分散剤で表面が被覆さ
    れて前記分散媒中に分散した強磁性体微粒子と、を有す
    る磁性流体組成物において、前記強磁性体微粒子は、粒
    子径の大きい強磁性体微粒子と粒子径の小さい強磁性体
    微粒子との混合体からなることを特徴とする磁性流体組
    成物。
  2. (2)前記粒子径が大きい強磁性体微粒子は、平均粒子
    径;15.0〜30.0nm、 粒度分布;11.0〜50.0nmであり、前記粒子径
    が小さい強磁性体微粒子は、 平均粒子径;7.0〜12.0nm、 粒度分布;4.0〜15.0nm であることを特徴とする請求項(1)記載の磁性流体組
    成物。
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