JPH05239482A - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

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JPH05239482A
JPH05239482A JP4356592A JP4356592A JPH05239482A JP H05239482 A JPH05239482 A JP H05239482A JP 4356592 A JP4356592 A JP 4356592A JP 4356592 A JP4356592 A JP 4356592A JP H05239482 A JPH05239482 A JP H05239482A
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JP
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polyaniline
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aniline
electrorheological fluid
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JP4356592A
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Noriyuki Kuramoto
憲幸 倉本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリアニリンによって無機粒子または有機粒
子を被覆し、このポリアニリン被覆粒子を分散相として
分散させる。 【効果】 電気粘性効果の大きい電気粘性流体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電気粘性流体に関する
ものである。さらに詳しくは、この発明は電気信号を機
械信号に変換するインターフェイスなどに有用な電気粘
性流体に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、機能性高分子の一
種として、導電性高分子が注目されており、これらの高
分子については、その導電率をドーピング等によって半
導体領域から絶縁体領域まで変化させることができるこ
とから、その機能と応用についての検討が精力的に進め
られてきている。このような導電性高分子の一種として
のポリアニリンについても、プロトンの濃度によって容
易にその導電性をコントロールできることから、各種セ
ンサー材料等への応用が検討されている。
【0003】また、このポリアニリンについては、その
ひとつの応用例として、電気粘性流体への利用が注目さ
れてもいる。電気粘性流体は、最近世界的に研究開発が
活発化している機能材料の一つであって、たとえば、シ
リコーン油に代表される電気絶縁性液体の分散媒の中に
固体微粒子を分散させた懸濁液からなるものである。こ
の懸濁液は電場のかからない状態では流動性の高い流体
であるが、電場をかけると高粘性の粘稠な物質に変化す
る。そして、この変化が可逆的で、迅速に起こるという
特徴を持っており、電気信号を機械信号に変換するイン
ターフェイス等を構成することができる。その利用分野
は種々考えられており、たとえば、自動車などの各種機
械装置の振動制振、電気流体クラッチ、高速応答弁、ア
クチュエータなどの新しい材料として注目されている。
また、粘性の変化が自由に行えることから、ロボットの
柔らかな触手材料としての検討もなされている。
【0004】電気粘性流体には、これまでにも各種の材
料が使用できることが見いだされており、たとえば、イ
オン交換樹脂に代表される、水によって電気的な二重層
を形成して電気粘性流体として働く材料と、水の関係し
ない材料とに分けられる。ポリアニリンは、このような
電気粘性流体への応用として注目され、ポリアニリンそ
のものが電気粘性流体の分散相として良好であるという
ことが知られている。また、その際に、誘電率の大きい
ポリアニリンほど、電気粘性効果が大きいことがすでに
明らかにされている。
【0005】しかしながら、このような誘電率の大きな
ポリアニリンは導電性も大きく、電圧を印加した場合に
は電流が流れてしまうため、電気粘性流体として作用し
ないという欠点がある。このため、実際には、ポリアニ
リン単体では電気粘性流体の構成材料としては使用され
ないのが実情である。一方、このポリアニリンを無機粒
子や有機高分子粒子と複合化させ、導電性高分子の持つ
特性や成形性を向上させることや、さらに他種の材料と
複合化することが考えられてもいる。
【0006】しかしながらこのポリアニリンの複合化は
簡単ではなく、実際にも、複合化した無機または有機物
によって、電気粘性流体を構成した例は知られていな
い。この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたも
のであり、ポリアニリンの優れた特徴を生かしつつ、実
用的応用をも可能とするポリアニリン複合化粒子による
電気粘性流体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の課題を
解決するものとして、ポリアニリン被覆粒子を分散相と
して分散させた電気粘性流体と、アニリン水溶性塩を酸
化剤により酸化重合させて得られるポリアニリンによっ
て、表面酸性基を有する無機粒子または有機粒子を被覆
してなる電気粘性流体用の複合粒子を提供する。
【0008】すなわち、この発明では、ポリアニリン被
覆した粒子を分散させて電気粘性流体とするが、この場
合、粒子としての無機または有機物には各種のものが使
用でき、特にその表面に吸着性を持った粒子が有効に用
いられる。このようなポリアニリンによる被覆は、アニ
リンの酸化重合によって容易に形成することができる。
それと言うのも、アニリンを酸化重合すると、吸着性を
持った無機粒子や有機粒子の表面に結合して重合成長
し、表面被覆層を形成するからである。 この際に、酸
化重合時には、負に帯電したアニオン性の物質を取り込
むことから、アニオン性の荷電基、つまり表面酸性基を
持った粒子材料の存在下においては、ポリアニリンの生
成と、このポリアニリンによるこれらの粒子材料の表面
被覆が進行することになる。
【0009】もちろん、正に帯電した粒子材料であって
もよい。しかしこの場合には、負に帯電した高分子であ
るアニオン性高分子の存在下にアニリンの酸化重合を行
うことにより、より有利に正に帯電した粒子表面を覆う
ことができる。以上のような粒子において、負に帯電し
たものとしては、その表面にカルボキシル基、硫酸基、
リン酸基などを有するものが、また正に帯電したものと
しては、アミノ基、四級アンモニウム基、ピリジン基な
どを有するものがその具体例として示される。このた
め、粒子としては、たとえば、シリカゲル、アルミナ、
水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チタニア、ゼ
オライト、固形リン酸、硫酸バリウム等の無機粒子や、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン
・ジビニルベンゼンスルホン酸塩共重合体、スチレン・
スチレンスルホン酸塩共重合体、さらには、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸やそれらの塩の共重合体
や、アミン化合物の重合体あるいは重合体のアミノ変性
体、カルボキシル化、硫酸化、リン酸化物等からなる有
機粒子が例示される。これらは単独で、または複数種用
いてもよい。分散媒についても同様に特にその種類に限
定はない。
【0010】また、これら粒子のポリアニリンによる被
覆については、アニリンの濃度、粒子の大きさや使用割
合等によって調製することができる。そしてこの被覆の
割合によって電気粘性流体の応答特性も変化する。一般
に、前記した通り、ポリアニリンを単独で用い、誘電率
の大きなポリアニリンを得ようとすると導電率も大きく
なり、電流が流れて電気粘性流体として働かなくなるこ
とから、導電性、誘電率を損なうことなしに、ポリアニ
リンの電気粘性流体としての性質を発現させるには、粒
子表面を部分的に覆うことや、ポリアニリンの被覆層の
厚みを薄くすることが有効でもある。
【0011】より具体的な被覆粒子の製造としては、ア
ニリン水溶性塩を酸化剤によって酸化重合させる方法
が、その態様の一つとして例示される。以下、実施例を
示し、さらに詳しくこの発明について説明する。
【0012】
【実施例】実施例1〜2 シリカゲル1gを水25mlに懸濁させ、アニリン塩酸塩
を加え、さらにアニリンの酸化重合剤である過硫酸アン
モニウムをそれぞれのアニリン塩酸塩の濃度の半分量を
加えて重合させた。
【0013】ポリアニリン被覆による複合粒子として、
SiO2 1gに対して、アニリンを0.3mmol と2mmolの
割合で仕込み、2種のものを生成させた。つぎにこのポ
リアニリン被覆したシリカゲルを分散質とし、これを3
0容積%のシリコーン油に分散させて電気粘性流体を調
整した。分散媒としては、このシリコーン油に限定され
ることなく、各種の絶縁性液体が使用される。
【0014】この電気粘性流体の効果を評価するため
に、回転粘度計の電極間を1mmに調整し、その間にこの
電気粘性流体を満たして、電場の強さを1KV/mm と2KV
/mm に変えて電気粘性効果を測定した。また、比較のた
めにイオン交換樹脂を用いて、同様にして粘性を測定し
た。これらの結果を表1に示した。
【0015】この結果から、0.3mmol のポリアニリン被
覆シリカゲルのサンプルにおいては、2.0KV/mmにおい
て、イオン交換樹脂よりも62.5%も粘性が向上すること
がわかる。
【0016】
【表1】
【0017】実施例3〜5 ポリアニリン被覆粒子の大きさによって、電気粘性がど
のように変化するかを測定した。実施例1と同様に、ア
ニリンを重合させてシリカゲルを被覆した。ポリアニリ
ン被覆複合粒子は、SiO2 1gに対して、アニリンが
0.3mmol の割合で仕込んで合成したもので、、粒子の大
きさは、7μm、100−200メッシュ、150−2
00メッシュの3種とした。
【0018】さらにこのサンプルを用いて、実施例1と
同様にして、電気粘性流体を構成し、その粘性効果を測
定した。その結果を表2に示した。
【0019】
【表2】
【0020】実施例6 スチレンとスチレンスルホン酸カリウム塩を共重合さ
せ、スルホン酸基をもったポリスチレン/スチレンスル
ホン酸カリウムを合成した。そして、その共重合体を分
散させながら、酸化剤として過硫酸アンモニウムを用い
てアニリンを重合させ、その結果、表面がポリアニリン
で覆われたポリスチレン/スチレンスルホン酸カリウム
の粒子を得た。
【0021】0.3mmol ポリアニリン/1.0 g粒子の割合
からなるポリアニリン被覆粒子(150〜200mesh)
の粘性は、2.0KV/mmで約1500poise であった。
【0022】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明のポ
リアニリン被覆粒子を分散相とすることにより、電気粘
性効果の大きな電気粘性流体を実現することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアニリン被覆した無機または有機の
    複合粒子を分散させてなることを特徴とする電気粘性流
    体。
  2. 【請求項2】 アニリン水溶性塩を酸化剤により酸化重
    合させて得られるポリアニリンにより無機または有機の
    粒子を被覆してなる電気粘性流体用複合粒子。
JP4356592A 1992-02-28 1992-02-28 電気粘性流体 Pending JPH05239482A (ja)

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