JPH0740530B2 - 導電性磁性流体組成物とその製造方法 - Google Patents

導電性磁性流体組成物とその製造方法

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JPH0740530B2
JPH0740530B2 JP62113553A JP11355387A JPH0740530B2 JP H0740530 B2 JPH0740530 B2 JP H0740530B2 JP 62113553 A JP62113553 A JP 62113553A JP 11355387 A JP11355387 A JP 11355387A JP H0740530 B2 JPH0740530 B2 JP H0740530B2
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/44Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,帯電防止の機能を付与した導電性磁性流体
組成物およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に磁性流体はその電気抵抗値が高いので,例えば磁
気デイスク装置等のシール機構に用いた場合,その磁気
デイスク装置等(以下,帯電体という)内に蓄積される
静電気を除去するには,別にアース機構を設ける必要が
あった。そこで磁性流体そのものに導電性を付与するこ
とにより,アース機構を設けることなく帯電を防止でき
るようにした導電性磁性流体が提案されている(米国特
許4,604,222・特開昭61−274737号公報)。これは,一
般の磁性流体が,鉱油とかポリアルファオレフイン油の
如き有機溶液をキャリアとして,そのキャリア内に強磁
性体微粒子を安定に分散させるのに,陰イオン性界面活
性剤を用いるのに対し,第4級アンモニウム塩等の陽イ
オン性界面活性剤を用いて被覆層を形成したものであ
る。あるいはまた,強磁性体微粒子面に陰イオン性界面
活性剤からなる第1の被覆層を形成し,更にその上に第
4級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤からなる
第2の被覆層を形成したものである。
上記の陽イオン性界面活性剤は,カチオン性の陽電荷部
分と,キャリアに対し相溶性または可溶性である長鎖部
分とで構成されている。そして陽電荷部分が強磁性体微
粒子の表面に静電気力により吸着され,長鎖部分をキャ
リア側に向けて粒子面を被覆することにより,磁性粒子
をキャリア中に安定に分散せしめるとともに,磁性流体
自身の電導度を高めるものとされる。したがって,これ
を例えばディスク駆動装置のシーリングに用いて,ディ
スクに蓄積し易い静電気を容易に除去し帯電防止機能を
発揮することが可能である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら,上記従来の導電性磁性流体にあっては,
次のような問題点があった。
荷電体である陽イオン界面活性剤で磁性流体粒子が被
覆されているため,帯電による荷電体の移動で磁性流体
中の粒子濃度分布が不均一になる。従って例えば磁性流
体シールとして用いた場合,磁性流体粒子濃度の低い部
分の飽和磁化量が減少し,ひいてはシール油膜が破れて
シール機能が劣化する。
帯電体の電荷を陽イオン界面活性剤で相殺する際,陽
イオン界面活性剤が強磁性体微粒子の表面から脱着し易
く,そのため強磁性体微粒子の良好な分散状態が得られ
なくなり,磁性流体としての寿命が短くなる。
陽イオン界面活性剤が分散剤兼導電性付与体であるた
め,その添加量は必然的に強磁性体微粒子の濃度,ひい
ては飽和磁化量により規制されてしまい,電導度を自由
に調整することは難しい。
この発明は,このような従来の問題点に着目してなされ
たものであり,帯電体の電荷の影響を受けて強磁性体微
粒子の分散が不均一になったり,界面活性剤が強磁性体
微粒子表面から脱着したりすることがなく,かつ電導度
を自由に調整できる導電性磁性流体組成物その製造方法
を提供することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成する第1の発明は,キャリアとなる低
揮発性有機溶媒と,該有機溶媒と親和性のある親油性基
を有する界面活性剤と,該界面活性剤で表面を被覆して
前記低揮発性有機溶媒中に分散させた強磁性体微粒子
と,前記低揮発性有機溶媒中で液晶を形成する物質とよ
りなる導電性磁性流体組成物である。
また,第2の発明は,強磁性体微粒子に対して,低沸点
有機溶媒と,これと親和性のある親油性基を有して強磁
性体微粒子の表面を被覆する界面活性剤とを加えること
により,該界面活性剤で表面を被覆された強磁性体微粒
子が低沸点有機溶媒中に均一に分散された中間媒体を得
る工程と,該中間媒体中の分散性の悪い微粒子を分離し
た後,低揮発性有機溶媒を中間媒体に加えて混合物とす
る工程と,該混合物を加熱して低沸点有機溶媒を蒸発分
離せしめて磁性流体を得る工程と,得られた磁性流体に
液晶を形成する物質を添加する工程とを包含する導電性
磁性流体組成物の製造方法である。
更に第3の発明は,強磁性体微粒子に対して,低沸点有
機溶媒と,これと親和性のある親油性基を有する界面活
性剤とを加えて,該界面活性剤を強磁性体微粒子の表面
に結合させ,その後前記低沸点有機溶媒を除去して前記
界面活性剤で表面を被覆された強磁性体微粒子を得る工
程と,該強磁性体微粒子に低揮発性有機溶媒と,該低揮
発性有機溶媒中で液晶を形成する物質とを加えて混合物
とする工程と,該混合物中の分散性の悪い微粒子を除去
する工程とを包含する導電性磁性流体組成物の製造方法
である。
〔作用〕
この発明の磁性流体にあっては,低揮発性有機溶媒から
なるキャリア中で液晶を形成する物質を添加することに
より電導度を高めて,帯電防止の機能を付与する。
液晶は,周知のようにバルク中で光学的に異方性を示す
物質であり,極性基と分極能をもつ基とを有する細長い
分子構造が特徴である。液晶物質は,ただ一種の分子構
造でなる場合もあるし,単独では液晶の状態を示さず,2
種以上を組み合わせるとはじめて液晶性を示す場合もあ
る。
また,溶媒の種類によっても,液晶性を示す場合と示さ
ない場合とがある。例えば,脂肪酸アルカリ金属塩類
は,水溶液中の或る濃度以上で層状あるいは柱状ミセル
による六方形状の液晶性を示す。
磁性流体のキャリア中に液晶を形成する物質が存在する
と,液晶物質の分子形状により分子軸は配向を生じて,
全体として一方向に向く。この方向性が磁場や帯電場に
より制御されて,帯電体に対して分子が垂直に配向する
と,帯電体からの電荷の移動を最短距離に制御して導電
性を発現することができる。
また,必要とあれば,更に電荷を運搬するための荷電体
を添加してもよいが,それは従来のような陽イオン界面
活性剤である必要はなく,また添加量も極く少量でよ
い。
したがって,磁性体粒子と界面活性剤とが単なる静電力
により結合している場合のように,帯電電荷で静電結合
力が中和され,分散剤層が粒子表面から脱着してしまう
現象は生じない。すなわち,分散作用が損なわれること
なく帯電体から除電することができるし,導電性を制御
することも容易である。
以下,この発明の導電性磁性流体組成物とその製造方法
を詳細に説明する。
この発明の強磁性体微粒子の分散媒となるキャリアとし
ては,ケロシン,鉱油をはじめとする種々の炭化水素,
合成油類及びエーテル類またはエステル類或いはシリコ
ン油等の低揮発性の有機溶媒が,磁性流体の用途に応じ
て適宜に用いられる。例えば磁気デイスク用シーリング
剤としての用途であれば,ポリアルフアオレフイン油と
か,アルキルナフタレン油,ヘキサデシルフェニルエー
テル油等が好適である。
この発明の強磁性体微粒子としては,周知の湿式法によ
り得られるマグネタイトコロイドを用い得る。また,水
もしくは有機溶媒中でマグネタイト粉末をボールミルで
粉砕するいわゆる湿式粉砕法で得られるものでもよい。
湿式粉砕法を利用する場合,研削液として水以外に例え
ばヘキサン等の有機溶媒を用いるときは,強磁性体粉末
とその粒子表面に単分子層を形成できる量の界面活性剤
を加えたうえでボールミル中で数時間以上粉砕してもよ
い。
また,マグネタイト以外のマンガンフェライト,コバル
トフェライトもしくはこれらと亜鉛,ニッケルとの複合
フェライトやバリウムフェライトなどの強磁性酸化物ま
たは鉄,コバルト,希土類などの強磁性金属を用いるこ
ともできる。
更にまた,強磁性体微粒子として上記湿式法或いは湿式
粉砕法によるもののほか,乾式法で得たものを用いるこ
ともできる。
この発明の強磁性体微粒子の含有量は,従来一般的に用
いられている体積比で1〜20%の範囲は勿論のこと,必
要に応じて70%程度の極めて高濃度のものであってもよ
い。すなわち,この発明によれば,後述するように強磁
性体微粒子が低沸点溶媒中に分散された中間媒体を利用
することで,強磁性体微粒子濃度を70%に達する高濃度
に調整することができる。これにより,磁化量の極めて
高い磁性流体が得られるものである。
この発明に用いられる強磁性体微粒子分散剤は,先に述
べたキャリアとなる低揮発性有機溶媒との親和性が大き
いものが好ましい。例えばオレイン酸またはその塩,石
油スルホン酸またはその塩,合成スルホン酸またはその
塩等の如く,カルボキシル基,ヒドロキシル基,スルホ
ン基などの極性基を有する炭化水素化合物である陰イオ
ン性界面活性剤とか,或いはまたポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル等の如き非イオン性界面活性剤と
か,更にはアルキルジアミノエチルグリシンの如く分子
構造内に陽イオン部分と陰イオン部分とを共にもつ両性
界面活性剤等から適宜に選択して用いられる。
この発明における液晶形成物質は,例えばステアリン酸
ジエチルアミノエチルアミド CH3(CH2)16CONH(CH2)2N(CH2CH3)2と アルキルリン酸エステル との混合物である。両者の混合比と,これにより得られ
た混合物のキャリア液にたいする添加比率とを適宜に調
整して液晶を発現させることにより,磁性流体そのもの
の電導度を大きく高め得ることが確認された。
この発明の磁性流体組成物を製造するにあたり,強磁性
体微粒子中の分散性の悪い粒子を効率よく除去して安定
性の高い磁性流体を得ようとするならば,或いはまたキ
ャリア中に分散させる強磁性体微粒子の濃度を高くして
高磁化能力をもつ磁性流体を得ようとするならば,本出
願人が先に提案した磁性流体の製造方法(特開昭58−17
4495)によると効率的である。
すなわち,強磁性体微粒子と界面活性剤とを,まずヘキ
サンやベンゼン等の低沸点有機溶媒に加える。これによ
り,表面を界面活性剤で被覆した強磁性体微粒子が低沸
点有機溶媒中に分散された中間媒体を得る。このとき,
湿式法で得られる強磁性体微粒子を用いるのであれば,
強磁性体微粒子の水相懸濁液に所要量の界面活性剤剤を
加えて被覆層を形成し,いったん洗浄し,乾燥して疎水
性強磁性体微粒子を得た後,低沸点有機溶媒を加えて中
間媒体を得てもよい。
次にその中間媒体中の分散性の悪い微粒子を5000〜8000
Gの遠心力で遠心分離して除く。低沸点有機溶媒からな
る中間媒体はその粘度が極めて低いから,遠心分離は効
率良く行うことができる。
その後に,キャリアとしての低揮発性有機溶媒と液晶形
成物質とを加えて混合し,その混合物を大気中または減
圧中で加熱して低沸点有機溶媒を蒸発除去するか,或い
はまた中間媒体を加熱して低沸点誘起溶媒を蒸発させて
から磁性流体微粒子にキャリアと液晶形成物質とを加え
ることで,極めて安定した導電性磁性流体の溶液とする
ものである。
またこの場合,得られた磁性流体組成物に,必要に応じ
て,更に中間媒体を加えては加熱することを繰り返すこ
とで,強磁性体微粒子が非常に高濃度でしかも安定に分
散された磁性流体を得ることも可能である。
この発明の磁性流体組成物の製造工程は,上記の中間媒
体を必ずしも経由しなくてもよい。その場合は,強磁性
体微粒子と低沸点有機溶媒と界面活性剤とを混合して粒
子表面を界面活性剤で被覆した後,直ちにその低沸点有
機溶媒を加熱除去し,その後キャリアである低揮発性の
有機溶媒と液晶形成物質とを加えたものを,遠心分離器
にかけて分散性の悪い強磁性体微粒子を除去する。
いずれの工程を用いるかは,製品の種類,使用目的,要
求性能等に応じて選択される。
この発明の磁性流体組成物の製造方法にあっては,先に
述べた強磁性体微粒子の表面を被覆して分散性を付与す
るための界面活性剤の他に,電荷を運搬するための荷電
体としての界面活性剤を,更に必要に応じて添加しても
よい。この電荷運搬用の界面活性剤としては,必ずしも
陽イオン性界面活性剤である必要はなく,陰イオン性界
面活性剤等も利用できる。また添加量も極く少量でよ
い。これらの電荷運搬体としての界面活性剤や液晶形成
物質は,有機溶媒をキャリアとして生成された磁性流体
中に最終的に添加してもよい。
以下に,この発明の導電性磁性流体組成物の実施例を説
明する。
〔実施例1〕 (a)ヘキサデシルジフェニールエーテル油とステアリ
ン酸ジエチルアミノエチルアミドとアルキルリン酸エス
テルとの混合系による液晶の発現。
ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドとアルキルリ
ン酸エステルとの混合比と,その混合物のヘキサデシル
ジフェニールエーテル油に対する添加比を変えて,液晶
の発現の有無を確認するため,種々の混合系を調整し
た。
すなわち,低沸点溶剤であるヘキサンに,ヘキサデシル
ジフェニルエーテル油とステアリン酸ジエチルアミノエ
チルアミドとアルキルリン酸エステルとを所定量加えて
よく混合した後,90℃に保ちつつロータリエバポレータ
によりヘキサンを蒸発させ,残留したものを試料とし
た。
試料は,以下の5種類である。
サンプルA: ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドとアルキルリ
ン酸エステルとの混合比が,重量比で1:3の系。
サンプルB: 上記の混合比が,重量比で1:1.4の系。
サンプルC: 上記の混合比が,重量比で3:1の系。
サンプルD: アルキルリン酸エステルのみの系。
サンプルE: ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドのみの系。
上記〜混合物を,ヘキサデシルジフェニールエーテ
ル油に対して5〜50wt%の添加比で添加して試料を調整
した。
上記各試料毎に,液晶の発現の有無を偏光顕微鏡で観察
して,第1表に示す結果が得られた。
(b)ヘキサデシルジフェニールエーテル油をキャリア
とする磁性流体の調整。
まず、硫酸第1鉄と硫酸第2鉄とをそれぞれ0.3molづつ
含む水溶液1に、6NのNaOHaqをpH11以上になるまで加
えた後、その溶液を60℃で30分間熟成して、マグネタイ
トコロイドのスラリー液を得た。ついで、室温下で水洗
して、このスラリー中の電界質を除去する。以上は、湿
式法によりマグネタイトコロイドを製造する工程であ
る。
このようにして得たマグネタイトコロイド液に,3NのHCl
aqを加えてそのpHを3に調整した後、これに界面活性剤
として合成スルホン酸ナトリウムを30g添加し、60℃で3
0分間攪拌することにより、マグネタイト粒子の表面に
界面活性剤を吸着させた。その後静置することにより、
液中のマグネタイト粒子は凝集して沈澱するから、その
上澄み液を捨てる。更に水を加えて攪拌してから静置
し、上澄み液を捨てる。この水洗を数回繰り返して、水
溶液中の電界質を除去した後、濾過脱水し乾燥して、表
面が界面活性剤で覆われた粉末状のマグネタイト微粒子
とした。
次に、このマグネタイト粉末に、低沸点溶媒としてヘキ
サンを加えて十分に振とうすることにより、マグネタイ
ト粒子がヘキサン中に分散した中間媒体が得られた。こ
の中間媒体を遠心分離機にかけて、8000Gの遠心力下で3
0分間遠心分離し、マグネタイト分散粒子のうちの比較
的大きな分散性の悪い粒子を沈降せしめて除去する。次
いで、沈降せずに残ったマグネタイト微粒子が分散して
いるその上澄み液を、ロータリーエバポレータに移し、
90℃に保って低沸点溶媒成分すなわちヘキサンを蒸発除
去して、親油性のマグネタイト微粒子を得た。
このマグネタイト微粒子を5g採取し、ヘキサン中に再分
散させた後、これにキャリアとなるヘキサデシルジフェ
ニルエーテル4gを加えて混合する。この混合液をロータ
リーエバポレータに移し、90℃に保って低沸点溶媒成分
すなわちヘキサンを蒸発除去する。その結果、マグネタ
イトはキャリア中に分散する。これを更に遠心分離機に
かけ、8000Gの遠心力下に30分間処理した。この操作に
よって非分散固形物はとり除かれ、極めて安定な磁性流
体が得られた。
(c)液晶形成物質の添加と導電性の発現。
次いで,そのヘキサデシルジフェニルエーテルをキャリ
アとする磁性流体に,液晶形成物質であるステアリン酸
ジエチルアミノエチルアミドとアルキルリン酸エステル
とからなる上記サンプルA〜サンプルEの混合物を,磁
性流体中のヘキサデシルジフェニールエーテル油に対し
て5〜50wt%の添加比で添加して試料を調整し,各試料
毎に,電気抵抗値を測定した。
なお電気抵抗は,内径7mm,外径7.4mm,厚さ0.7mmの環状
磁性流体シールとした時の,内外周面間の電気抵抗値を
測定した値である。
その結果をまとめたものを第1表に示す。また,第1表
の結果を相図として第1図に示す。
相図において,液晶の発現が確認されたのは,I,IIの領
域のみであり,IIIの領域では確認されなかった。
上記I〜IIIの領域と電気抵抗値との関係をまとめる
と,第2表のようになる。
すなわち,液晶の発現と電気抵抗値との間には密接な関
係が認められる。特に,領域IIは,ステアリン酸ジエチ
ルアミノエチルアミドとアルキルジフェニールエーテル
油の分子比で1:1であり,この領域が特に帯電防止に大
きく寄与することが判明した。
更に,液晶形成物質の添加濃度が高い領域(相図中のIV
の領域)では,液晶の発現が認められないのみでなく, (i)磁性粒子の濃度低下による飽和磁化量の減少。
(ii)磁性流体の粘度が上昇して,流動性が損なわれ
る。
などの現象が生じて,磁性流体としての特性の点から
も,ふさわしくないといえる。
〔発明の効果〕
この発明によれば,低揮発性有機溶媒をキャリアとする
磁性流体に,その有機溶媒中で液晶を形成する物質を混
合して導電性を付与するものとしたため,帯電体から電
荷を除去する際に,帯電体の電荷の影響を受けて強磁性
体微粒子の分散が不均一になったり,界面活性剤が強磁
性体微粒子表面から脱着したりすることがなく,かつ電
導度を自由に調整できる導電性磁性流体組成物を提供す
ることできるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は,キャリアと液晶形成物質との混合物におけ
る,液晶相−非液晶相の相間平衡関係を示す相図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/34 //(C10M 111/02 103:06 A 103:04 105:68 105:74) C10N 10:04 10:14 10:16 20:06 A 40:14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャリアとなる低揮発性有機溶媒と,該有
    機溶媒と親和性のある親油性基を有する界面活性剤と,
    該界面活性剤で表面を被覆して前記低揮発性有機溶媒中
    に分散させた強磁性体微粒子と,前記低揮発性有機溶媒
    中で液晶を形成する物質とよりなることを特徴とする導
    電性磁性流体組成物。
  2. 【請求項2】前記低揮発性有機溶媒中で液晶を形成する
    物質は,ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドとア
    ルキルリン酸エステルとからなる特許請求の範囲第1項
    記載の導電性磁性流体組成物。
  3. 【請求項3】強磁性体微粒子に対して,低沸点有機溶媒
    と,これと親和性のある親油性基を有して強磁性体微粒
    子の表面を被覆する界面活性剤とを加えることにより,
    該界面活性剤で表面を被覆された強磁性体微粒子が低沸
    点有機溶媒中に均一に分散された中間媒体を得る工程
    と,該中間媒体中の分散性の悪い微粒子を分離した後,
    低揮発性有機溶媒を中間媒体に加えて混合物とする工程
    と,該混合物を加熱して低沸点有機溶媒を蒸発分離せし
    めて磁性流体を得る工程と,得られた磁性流体に液晶を
    形成する物質を添加する工程とを包含する導電性磁性流
    体組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】強磁性体微粒子に対して,低沸点有機溶媒
    と,これと親和性のある親油性基を有する界面活性剤と
    を加えて,該界面活性剤を強磁性体微粒子の表面に結合
    させ,その後前記低沸点有機溶媒を除去して前記界面活
    性剤で表面を被覆された強磁性体微粒子を得る工程と,
    該強磁性体微粒子に低揮発性有機溶媒と,該低揮発性有
    機溶媒中で液晶を形成する物質とを加えて混合物とする
    工程と,該混合物中の分散性の悪い微粒子を除去する工
    程とを包含する導電性磁性流体組成物の製造方法。
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