JPH068044A - バリ取り工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 穴径に十分に対応できるようにする。 【構成】 バネ鋼等の弾性体で形成したシャンク１の先
端側にバリ取り用のチップ２を固定し、シャンクの固定
位置をスピンドル３に対して調整してバネ定数を調整
し、更にシャンク１を偏心ホルダ８内に固定し、偏心ホ
ルダ８を偏心スリーブ１１内に固定したバリ取り工具。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はバリ取り工具に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】ドリル等で穴あけ加工を行うと、穴の入
口と出口とに夫々加工バリが生ずる。この加工バリを削
除する手段として図４に示す工具が提案されている。

【０００３】この工具はアーバーＡの一部にブレードＢ
を収納するブレード室Ｃを設け、ブレードＢの一端をプ
ランジャＤに固定し、他端をブレード室Ｃ内でピポット
ピンＥで回動できるように設けて出入口Ｆから突出でき
るようになっている。そして、プランジャＤはスプリン
グＧを介して面調節ねじＨで突出部分の調整を行うよう
になっている。

【０００４】この工具は図５に示すように、において
アーバーＡを回転させて上面のバリ取りを行い、にお
いてアーバーＡを下降させるとブレードＢはブレード室
Ｃ内に引込まれ穴を出たところでスプリングＧの弾発力
でブレードＢが突出し、回転させることにより下面のバ
リ取りを行ない、のように上側に引抜くと加工が完了
する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の工具はスプリン
グの弾発力によりブレードを突出させてバリ取りを行う
便利なものではあるが、スプリングの弾発力の調整が難
しく、穴径に対応する調整ができなくなることが多く、
専用工具として使用することになり、穴径に応じた数の
工具が必要であった。そこで本発明においては、弾発力
の調整が簡単で、穴径の大きさに簡単に対応できる工具
を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、バネ鋼等の弾性体で形成したシャンクの先
端側にバリ取り用のチップを固定し、シャンクの固定位
置をスピンドルに対して調整してバネ定数を調整し、又
そのシャンクを偏心ホルダ内に出入れにより位置を調整
して固定し、偏心ホルダを偏心スリーブ内に固定したも
のである。

【０００７】

【作用】本発明は前記のように構成したもので、シャン
クの撓みによりチップを突出させたまま穴内を移動さ
せ、偏心ホルダを偏心スリーブ内で回転させることによ
り偏心量を調整して穴径に対応させる。そして、シャン
クを回転させて穴上下のバリをチップで切削する。

【０００８】

【実施例】本発明の第１実施例を図１に基いて詳細に説
明すると、バネ鋼（ピアノ線）等の弾性体で形成したシ
ャンク１の先端にバリ取り用のチップ２を取付ける。こ
のチップ２は図１に示すように全体が矩形状で上下に夫
々４５°の傾斜面を有する刃を設けている。そして、シ
ャンク１の他端をスピンドル３のコレット４で挾持し、
リング５で締付け固定する。尚、固定部分から先端まで
の距離Ｌを変化させることによりバネ定数を調整する。

【０００９】第１実施例は前記のように構成したもの
で、被加工物６の穴７にシャンク１を挿入して、スピン
ドル３を回転させ、チップ２の先端側で穴７の上端のバ
リ取りを行う。その後、スピンドル３の回転を停止さ
せ、シャンク１を撓ませながら下降させ、穴７からチッ
プ２を突出させ、再びスピンドル３を回転させてチップ
２の末端側で穴７の下端のバリ取りを行う。尚、シャン
ク１を穴７に挿入する際、シャンク１が撓んで偏心し
て、穴６内を下降し、穴７内からチップ２が突出した際
に、バネ鋼の弾性で、現位置に復帰し、バリ取り作業を
行う。

【００１０】次に、第２実施例を図２乃至図３に基いて
説明すると、第１実施例と同様にバネ鋼等の弾性体で形
成したシャンク１を偏心ホルダ８の偏心孔９に嵌入して
固定螺子１０で固定する。この偏心ホルダ８を更に偏心
スリーブ１１の偏心孔１２に回転方向に回転できるよう
に嵌入して偏心量を調整し、固定螺子１３で固定する。
そして、偏心スリーブ１１をスピンドル３に嵌入して固
定螺子１４で固定する。

【００１１】シャンク１と偏心ホルダ８との偏心量はα
であり、偏心ホルダ８と偏心スリーブ１１との偏心量は
βであり、両者を加えて偏心量はα＋βになるが、偏心
スリーブ１１を偏心孔１２内で回転させることにより偏
心量を調整できる。尚、本実施例においてはチップ２は
丸型を用いた。

【００１２】被加工物６（図示省略）の穴７の上下にで
きたバリ取り作業は、スピンドル２を回転させて第１実
施例と本質的には同一であるが、穴７の径に応じて偏心
量を調整して穴径に対処するようになっている。

【００１３】

【発明の効果】本発明は前記のような構成、作用を有す
るから、チップ２がシャンク１から常時突出していても
シャンク１の撓みにより穴内の通過に支障がない。又、
偏心スリーブ内で偏心ホルダを回転させることにより偏
心量を簡単に調整することができるので、穴径の変化に
も十分に対処することができる。更に、シャンクの固定
位置を調整することによりバネ定数を簡単に調整するこ
とができる。

【００１４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るバリ取り工具の第１実施例の縦断
面図。

【図２】第２実施例の縦断面図。

【図３】図２の横断平面図。

【図４】従来の工具の正面図。

【図５】従来の工具でバリ取りを行う際の説明図。

【符号の説明】

１ シャンク ２ チップ ３ スピンドル ４ コレット ５ リング ６ 被加工物 ７ 穴 ８ 偏心ホルダ ９ 偏心孔 １０ 固定螺子 １１ 偏心スリーブ １２ 偏心孔 １３ 固定螺子 Ｌ シャンクの固定部と先端との距離 α 偏心量 β 偏心量

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バネ鋼等の弾性体で形成したシャンクの
   先端側にバリ取り用のチップを固定し、シャンクの固定
   位置をスピンドルに対して調整してバネ定数を調整する
   ことを特徴とするバリ取り工具。
2. 【請求項２】 シャンクを偏心ホルダ内に出入れにより
   位置を調整して固定し、偏心ホルダを偏心スリーブ内に
   固定した請求項１記載のバリ取り工具。