JP2005205520A - 切削インサート、切削工具、自動旋盤、及びセンター穴加工方法 - Google Patents

切削インサート、切削工具、自動旋盤、及びセンター穴加工方法 Download PDF

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正義 伊藤
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Abstract

【課題】 安定した挽き目が生じ加工品位が高い切削インサート、切削工具、自動旋盤、及びセンター穴加工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ワーク(19)を、自動旋盤(53)の回転台(57)に垂直に取り付け、ワーク(19)の側方の刃物台(59)に、切削インサート(1)を装着したホルダ(9)を水平に取り付ける。そして、ワーク(19)を矢印A方向に回転させるとともに、ホルダ(9)、従って切削インサート(1)を、斜め下方に(図5の左下方:水平より45°の角度で)降下させる。即ち、円錐状のセンター穴17を形成する様に、ワーク(19)の加工端面(61)における回転軸(63)から右側に離れた側方位置Xから、回転軸(63)における加工端面(61)からの深さ位置Yに向かって、斜め(矢印B方向)に切削インサート(1)を降下させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、軸部品や筒部品等の端面の中心に、ドリル加工によって穴を開ける作業に先だって、さらもみや座ぐり穴などの比較的浅い凹み或いは穴(以下センター穴ともいう)を形成するために使用される切削インサート、切削工具、自動旋盤、及びセンター穴加工方法に関する。
従来より、ドリルを用いて、被加工物(以下ワークともいう)である旋削される軸部品等に対して、その軸中心に穴をあける場合には、図9に示す手順で行われていた。
まず、固定したワーク101に対して、その端面の目的とする細い穴103を開ける位置に、外径が大きく且つ先端の角度が広いセンタードリル105を用いて、テーパ状の浅いセンター穴107を開ける。次に、センター穴107に対して、目的とする穴103の内径に合った(センタードリル105より細い径の)ドリル109を突入させて、穴103を開けていた。尚、自動旋盤におけるワークの軸方向端面への穴加工(センター穴を含む)では、ドリルは回転させず、ワークを回転させて加工するケースもあった。
これは、最初からドリル109で穴103を開けようとすると、ドリル加工の際の芯ぶれやバリが発生することがあるので、それを防止するためである。
また、この種のセンター穴加工では、ワークの端面側にある刃物台(又は芯押し台)に、ホルダやスリーブを介してセンタードリルを取り付け、そのセンタードリルを回転軸方向に押付けることによって行うのが普通である。
ところが、機械(自動旋盤)によっては、ワークの回転軸の側方に刃物台があるだけで、チャックしているワークの外側の端面側に刃物台がないものがあり、そのような機械では、このような形態のセンター穴加工はできない。こうした事態は、ОA機器や精密機器などの軸部品のように、直径が10mm以下といった細い小物部品や精密軸部品を加工するのに用いられるNC旋盤に多くみられる。
この対策として、下記特許文献1では、ホルダの長手方向と交差する方向をドリル軸線とする2つの切れ刃を備えたセンタードリルが提案されている。
特開2001−138119号公報 (第1頁、図1)
しかしながら、上述した従来技術では、基本的に、センタドリルの先端側に設けられた左右一対の切れ刃を用いて、突き加工(或いは穿孔加工)によってセンター穴加工を行うので、その2つの切れ刃の回転動作により、センター穴の表面(加工面)がむしった様な曇った面となることがあった。
つまり、一方の切れ刃で削るとともに他方の切れ刃で加工面を擦る様な状態となった場合には、挽き目と呼ばれる同心円状の多数の線状痕が発生せず、上述した曇った様な面となることがあった。
この挽き目は、加工面の状態を表しており、通常、小物の軸部材などの分野では、この挽き目を見て、ワークの加工品位(加工精度)や光沢の程度をチェックしているので、挽き目が無い場合には、加工精度に問題があると判断されることがあった。
また、センター穴加工の後で細い穴をあけるドリル加工(穴あけ加工)の場合に、挽き目が無いときには、加工精度等の関係で、バリ等が発生し易いという問題もあった。
本発明はこうした問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定した挽き目が生じ加工品位が高い切削インサート、切削工具、自動旋盤、及びセンター穴加工方法を提供することを目的とする。
(1)請求項1の発明は、旋削によってワークにセンター穴をあけるセンター穴加工用の切削インサートにおいて、該切削インサートの前記ワークに対向する先端側に、該先端側が細くなるような単一のすくい面を設けるとともに、該すくい面における前記先端方向の左右の一方に、該先端方向に対して傾斜する単一の側部切れ刃を設けたことを特徴とする切削インサートを要旨とする。
本発明は、旋削によってセンター穴加工を行う切削インサートに関するものであり、この切削インサートは、従来の様に2つの切れ刃(従って2つのすくい面)を備えたセンタードリルではなく、すくい面は1つで、しかも、そのすくい面の一方の側端、即ちすくい面側から見て先端方向(例えば図7の上下方向)に対して右左の一方のみに、斜めに伸びる側部切れ刃を有するものである。
そのため、従来の左右一対の切れ刃を有するセンタードリルを用いた場合の様に、旋削に寄与していない側の切れ刃が、センター穴の表面(加工面)を擦ることによる加工面の曇りが発生することがない。つまり、本発明の切削インサートを用いることにより、一方の側の単一の側部切れ刃で旋削加工を行うので、安定して一定の挽き目(送り目)が得られる。
即ち、本発明の切削インサートを用いる場合には、形成されたセンター穴の加工面には、安定した挽き目が残っているので、当該面を面取部として残す場合には、高い加工品位が得られ、バリ等が発生し難いという効果がある。
尚、前記側部切れ刃の先端方向とは、センター穴加工する際に、ワークの回転軸(中心軸)と平行な方向であり、側部切れ刃の前記先端方向に対する傾斜角度は、センター穴の径や傾斜角度によって被削材(ワーク)との干渉を考慮して決定されるが、例えば40°を採用できる。
(2)請求項2の発明は、前記切削インサートの逃げ面側に、前記センター穴加工の際に前記ワークに当接することを回避する凹部を設けたことを特徴とする前記請求項1に記載の切削インサートを要旨とする。
本発明では、切削インサートの逃げ面側に、いわゆる逃げとなる凹部を備えているので、センター穴加工の際に、切削インサートの逃げ面側がワークに当って干渉することがない。
(3)請求項3の発明は、前記切削インサートの先端側に、前記先端方向と略垂直に交差するとともに、前記側部切れ刃に対しても交差するように伸びる先端切れ刃を設けたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の切削インサートを要旨とする。
本発明は、切削インサートの先端側に先端切れ刃を備えているので、この先端切れ刃により、ワークの先端の表面(センター穴が形成される端面である加工端面)側から旋削加工を行ったり、センター穴の底部の旋削を行うことができる。
特に、切削インサートの先端方向と先端切れ刃の伸びる方向とを交差させることにより、センター穴加工の最終段階にて前記先端方向とワークの回転軸が一致した場合には、回転軸を横切る様に先端切れ刃が位置することになるので、センター穴の底部の中央が盛り上がらない様に旋削することができる。よって、後のドリル加工の際に、ドリルの先端が底部に当たって芯ぶれが発生することを防止できる。
尚、前記先端切れ刃の傾斜角度としては、すくい面から見て、前記先端方向に対する垂直の位置から、右側に例えば1〜5°傾斜した範囲(例えば3°)を採用できる。
(4)請求項4の発明は、前記切削インサートは、板状で一方向が長い形状を有し、その長手方向の先端側に前記側部切れ刃及び先端切れ刃を有する前記すくい面を備えたことを特徴とする前記請求項3に記載の切削インサートを要旨とする。
本発明は、切削インサートの好ましい形状を例示したものである。
尚、切削インサートの長手方向の両端に、旋削加工をする部分(即ちすくい面や各切れ刃)を設けてもよいが、一方の先端のみに設けてよい。
(5)請求項5の発明は、前記請求項1〜4のいずれかに記載の切削インサートと該切削インサートを保持する長尺のホルダとを備えた切削工具であって、前記ホルダの長手方向と前記切削インサートの加工方向とが、交差することを特徴とする切削工具を要旨とする。
本発明は、前記切削インサートをホルダに装着した切削工具の好ましい例を挙げたものである。従って、この切削工具を用いて、例えばワークの加工端面に平行にホルダを配置し、加工端面に垂直に切削インサートを配置して、回転するワークの加工端面に対して、切削インサートを斜めに突入させることにより、センター穴加工を行うことができる。
(6)請求項6の発明は、前記ホルダの先端のうち、前記切削インサートの取付位置より先端側に、前記ワークと当接して該切削インサートの切れ刃先端位置を検出するための平坦な基準面を有することを特徴とする前記請求項5に記載の切削工具を要旨とする。
本発明では、ホルダの先端(例えば長尺のホルダの長手方向先端)に基準面を有しているので、センター穴加工をする際に、予め基準面をワークの側面(例えば軸方向に平行に伸びる側面)に当てるだけで、ワークとホルダ(従って切削インサート)との位置関係が分かり、容易にホルダ(従って切削インサート)の位置決めを行うことができる。
(7)請求項7の発明は、前記請求項5又は6に記載の切削工具と前記ワークとを取り付けた自動旋盤であって、前記ワークの軸方向に対して前記切削工具のホルダを交差するように配置するとともに、前記ワークの先端の加工端面に対して前記切削インサートの旋削加工を行う先端側が向くように配置したことを特徴とする自動旋盤を要旨とする。
本発明は、前記切削工具を装着した自動旋盤の好ましい例を挙げたものである。従って、この自動旋盤を用いて、ワークの加工端面に容易にセンター穴加工を行うことができる。
(8)請求項8の発明は、回転するワークの先端の加工端面に対して、旋削用の切削インサートを斜め方向に突入させて、センター穴加工を行うことを特徴とするセンター穴加工方法を要旨とする。
本発明では、従来の様に、ワークの回転軸の中心にセンタードリルを配置して、回転軸方向に沿って、左右一対の切れ刃によりセンター穴を開けるのではなく、ワークの先端の加工端面に対して、旋削用の切削インサートを斜め方向に突入させることにより、切削インサートの一方の側の切れ刃によって切削を行ってセンター穴を開けるので、安定して一定の挽き目を形成することができる。
また、形成されたセンター穴の表面には、安定した挽き目が残っているので、当該面を面取部として残す場合には、高い加工品位が得られ、バリ等が発生し難いという効果がある。
(9)請求項9の発明は、前記請求項1〜4のいずれかに記載の切削インサートを用いて、前記センター穴加工を行うことを特徴とする前記請求項8に記載のセンター穴加工方法を要旨とする。
本発明では、上述した切削インサートを用いてセンター穴加工を行うので、即ち、切削インサートのすくい面の一方の側に形成された側部切れ刃(更には先端側の先端切れ刃)を用いてセンター穴をあけるので、安定して一定の挽き目を形成することができる。
(10)請求項10の発明は、前記ワークの回転方向に対して、前記切削インサートの単一のすくい面を垂直に配置し、前記側部切れ刃及び先端切れ刃を用いて、前記センター穴加工を行うことを特徴とする前記請求項9に記載のセンター穴加工方法を要旨とする。
本発明は、センター穴加工の際における、すくい面、側部切れ刃及び先端切れ刃の好ましい態様を例示したものである。
(11)請求項11の発明は、前記請求項5又は6に記載の切削工具を用いて、前記センター穴加工を行うことを特徴とする前記請求項8又は9に記載のセンター穴加工方法を要旨とする。
本発明によれば、上述した切削工具を用いて、好適にセンター穴加工を行うことができる。
(12)請求項12の発明は、自動旋盤を用いて、前記センター穴加工を行うことを特徴とする前記請求項8又は9に記載のセンター穴加工方法を要旨とする。
本発明によれば、例えば上述した請求項7に記載の自動旋盤を用いて、好適にセンター穴加工を行うことができる。
次に、本発明の切削インサート、切削工具、自動旋盤、及びセンター穴加工方法の最良の形態の例(実施例)について説明する。
a)まず、本実施例の切削インサートについて説明する。
図1に示す様に、本実施例の(例えば超硬合金)からなる切削インサート(スローアウェイチップ)1は、板厚方向からみて(即ち図1(a)のすくい面21側からみて)、長尺で菱形の板状のチップである。
この切削インサート1は、図1(a)の上下方向である長手方向の両端部に、略鋭角に突出して旋削加工を行う旋削部(鋭角部)5を備えるとともに、長手方向と垂直な短手方向の両端部に、鈍角に突出する鈍角部7を備えている。従って、両鋭角部5にて、旋削加工(ここではセンター穴加工)が可能である。
前記切削インサート1は、板厚方向からみて、点対称の形状を有するチップであり、その軸中心には、自身をホルダ9(図3参照)に固定するために、板厚方向に貫通する固定孔11を備えている。尚、両鈍角部7をつなぐ交線13と(固定孔11の軸中心にて)垂直に交わる交線15、即ち、鋭角部5を左右に略対称に分ける交線15は、センター穴17(図4参照)を形成した際に、ワーク19(図4参照)の軸中心と一致するように設定されている。
前記切削インサート1は、図1(b)に示す様に、そのすくい面21側が最も広くなる様に、すくい面21と反対側の底面23側に向かって外形が絞られる様に切りかかれている。つまり、切削インサート1の鋭角部5の底面23側、即ち逃げ面25側には凹部27が形成されている。この凹部27は、後述するセンター穴加工を行う際に、切削インサート1の逃げ面25等がワーク19に当たらないように切り欠かれたものである。
また、前記切削インサート1の鋭角部5は、図1(a)に示す様に、すくい面21側から見て、略V字状となっており、先端ほど細くなる様に折れ曲がっている。そして、その最先端には、切削インサート1の長手方向とほぼ垂直に交差する様に、先端切れ刃29が設けられている。即ち、前記交線15の伸びる方向(図1(a)の上下方向:以下軸加工方向とも記す)に対して、垂直から1°〜5°の範囲で(例えば約3°)右側に下がるように傾斜する様に先端切れ刃29が設けられている。
この先端切れ刃29は、図2に示す様に(図2では中央にすくい面21側の形状を示し、その周囲に破線方向から見た投影形状を示している)、長さ0.27mmの直線状の切れ刃であり、交線15に対して右側の方が長く設定されている。
また、先端切れ刃29の右端の右角部31からは、交線15に対して40°の傾斜で、後端側が広がる様に斜めに伸びる側部切れ刃33が形成されている。同様に、先端切れ刃29の左端の左角部35からは、交線15に対して45°の傾斜で斜めに伸びる(切れ刃ではない)側端部37が形成されている。
つまり、本実施例の切削インサート1は、その外形は交線15に対して略線対称であるが、特に先端側の形状は左右微妙に異なっている。即ち、同図の下方の鋭角部5について言えば、先端切れ刃29は、交線15より右側が長く且つ右下がりに傾斜しており、しかも、すくい面21の左右の辺については、側部切れ刃33の方が左側の側端部37より急な傾斜となっている。尚、切削インサート1は点対称のチップであるので、同様なことは、長手方向の他端の鋭角部5についても言えることである。
b)次に、前記切削インサート1を備えた切削工具について説明する。
図3に示す様に、前記切削インサート1は、長尺の鋼製のホルダ9に取り付けられて、センター穴加工を行う切削工具41として構成されている。
前記ホルダ9は、四角柱状であり、その先端の下面側(図3(a)の下方)が切り欠かれ、また、その一平面(図3(a)の手前の平面:ワークの回転軸と平行な平面)の先端には、切削インサート1の形状に合わせて三角形状に切り欠かれたチップ座43が設けられている。このチップ座43に、切削インサート1が、固定孔11に貫挿されたネジ45により固定されている。
つまり、切削インサート1は、ホルダ9の長手方向(図3(a)の左右方向)と切削インサート1の長手方向(軸加工方向:図3(a)の上下方向)とが直交する様に、取り付けられており、これによって、ホルダ9の下面側から切削インサート1の鋭角部5が突出している。
また、ホルダ9の最先端(図3(a)の左端)の端面は、ホルダ9の長手方向と垂直な平坦な基準面47とされている。
c)次に、前記切削工具41を自動旋盤に取り付けて行われるセンター穴加工等について説明する。
本実施例では、図4(a)に示す様に、切削工具41を用いてセンター穴17を形成するセンター穴加工を行い、次に、図4(b)、(c)に示す様に、通常のドリル51を用いてドリル穴18を形成するドリル加工を行う。以下、順を追って詳細に説明する。尚、ここでは、センター穴加工及びその後のドリル加工を総称して穴加工と称する。
(1)まず、図5に示す様に、円柱状の軸部材(ワーク19)を、自動旋盤53の主軸チャック(図示せず)とベース55上の回転台(ガイドブッシュ)57内を通して、ベース55に対して垂直に取り付ける。一方、ワーク19の軸方向に対して直角方向に配置された自動旋盤53の刃物台59に、切削インサート1を装着したホルダ9を、切削インサート1の切れ刃方向(即ち前記交線15の方向)がワーク19の端面(加工端面)61と直交するように取り付ける。
そして、最初に、切削インサート1の切れ刃位置Aを自動旋盤53側に記憶させる。尚、この切れ刃位置Aとは、前記交線15と先端切れ刃29が交差する位置のことである。
その際、刃物台59の内側面と接するホルダ9の側壁の基準面、即ち図3中のB、C面からの切削インサート1の切れ刃位置Aは、予め定まっているので容易に求めることが可能であるが、通常は、ホルダ9の先端からの切削インサート1の切れ刃位置Aは、それほど簡単には求めることはできない。
つまり、切削インサート1の切れ刃位置Aがある先端切れ刃29は、鋭角部5の先端部分で且つ微少な範囲のため、ワーク19の中心位置(回転軸63の位置)から切削インサート1の切れ刃位置A(ホルダ長手方向における切削インサート1の切れ刃位置:図5左右方向の切れ刃位置)を求めることができない。そのため、本実施例では、ホルダ制作時に、基準面47と切削インサート1の切れ刃位置Aを関連付け、ワーク19の外周に基準面47を当接することにより、切削インサート1の切れ刃位置Aを、間接的に容易に求めることができるようにした。
(2)次に、図5に示す状態で、ワーク19を矢印A方向(図4(a)参照)に回転させるとともに、ホルダ9(従って切削インサート1)を、斜め下方(同図左下方:水平より45°の角度で)に降下させて、切削インサート1の鋭角部5をワーク19の加工端面61に突入させる。
即ち、円錐状のセンター穴17を形成する様に、例えばワーク19の加工端面61において、その回転軸63から同図右側に1.2mm離れた位置Xから、回転軸63における加工端面61から1.0mmの深さの位置Y(図4(c)の拡大図参照)に向かって、斜め下方(矢印B方向)に切削インサート1を降下させるように、刃物台59を移動させる。これによって、図4(a)に示す様な、円錐状のセンター穴17が形成される。
このセンター穴加工時の状態を、図6に示すが(図6はワーク19を回転軸63に沿って破断して切削インサート1の位置を示したもの)、ワーク19が回転するにつれて、切削インサート1の先端切れ刃29及び側部切れ刃33が斜め方向(矢印B方向)に移動して、ワーク19を旋削加工することにより、センター穴17が形成されることが分かる。
このとき、図7に示す様に(図7は旋削部分を拡大し破断して示したものであり、同図ではすくい面21を斜線で示している)、先端切れ刃29は、切削インサート1の交線(軸加工方向)15の左右方向に伸びているので、センター穴17の底部65を旋削する際に、底部65が盛り上がらない様に、ほぼ水平に加工することができる。
尚、切削インサート1の逃げ面25側には凹部27が形成されているので、加工時にワーク19に当たることはなく、同様に、すくい面21の側端部37も、加工時にワーク19に当らないように、前記突入方向(加工方向)の角度等に応じて、その傾斜角度や図7の左方向の張り出し寸法が設定されている。
(3)次に、図7及び図4(b)に示す状態で、ワーク19が回転しないように固定して、センター穴17の(前記回転軸63と同じ)軸中心67に沿って、ドリル51を矢印C方向に回転させるとともに下降させて、ドリル穴18を開ける。
これにより、図4(c)に示す様に、ワーク19の軸中心67にドリル穴18を備えるとともに、加工端面61側に開いたテーパ状のセンター穴17を備えた穴20を得ることができる。
d)この様に、本実施例では、切削インサート1は、従来の様に2つの切れ刃(従って2つのすくい面)を備えたセンタードリルではなく、すくい面21は1つで、そのすくい面21の一方の側端部に側部切れ刃33を有するとともに、すくい面21の先端に先端切れ刃29を有する旋削用の切削インサート1である。
そして、本実施例では、この切削インサート1をホルダ9に垂直に固定するとともに、ホルダ9を自動旋盤51に取り付け、ワーク19を回転させて、その加工端面61に対しセンター穴加工を行う。
つまり、ワーク19の加工端面61に対して斜め方向に切削インサート1の鋭角部5を突入させて、前記側部切れ刃33及び先端切れ刃29による旋削加工により、センター穴17を形成している。
そのため、従来の左右一対の切れ刃を有するセンタードリルを用いた場合の様に、旋削に寄与しない側の切れ刃が、センター穴17の表面(加工面)を擦ることによる加工面の曇りが発生することがない。つまり、本実施例では切削インサート1の一方の側の単一の側部切れ刃33で旋削加工を行うので、センター穴17の表面に安定して一定の挽き目(送り目)が得られる(図8参照)。
従って、形成されたセンター穴17の表面には、安定した挽き目が残っているので、当該面を面取部として残す場合には、高い加工品位が得られ、バリ等が発生し難いという効果がある。
また、前記図7に示す様に、センター穴加工の後のドリル加工に用いられるドリル51の先端はテーパ状になっており、そのテーパ部分は外周端にて折れ曲がっている形状である。そして、本実施例では、センター穴17のテーパ角度が適度に設定されるとともに、先端切れ刃29により、センター穴17の底部65がほぼ平坦に削られている。よって、ドリル加工の際には、ドリル51の折曲部分71がセンター穴17のテーパ部分73に当接した状態で、即ちドリル51の先端がセンター穴17の底部65に当接しない状態で、ドリル加工が開始される。これにより、ドリル加工の際の芯ぶれを防止することができる。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば前記実施例では、切削インサートの長手方向の両側に旋削加工を行う鋭角部を設けたが、一方の側のみに設けてもよい。
(2)また、前記実施例では、ドリルを回転させてドリル加工を行ったが、ワークを回転させドリルを固定することにより、ドリル加工を行ってもよい。
(a)は実施例の切削インサートの平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。 実施例の切削インサートの先端の鋭角部の平面及び側面を示す説明図である。 (a)は実施例の切削インサートをホルダに装着した切削工具の正面図、(b)はその底面図、(c)はその左側面図である。 実施例のセンター穴加工を含む穴加工の作業手順を示す説明図である。 実施例の自動旋盤による加工方法を説明する説明図である。 実施例の切削インサートによるワークの加工状態を示す説明図である。 実施例の切削インサート及びドリルによるワークの加工状態を示す説明図である。 実施例の加工方法による挽き目を示す斜視図である。 従来技術の加工方法を示す説明図である。
符号の説明
1…切削インサート
9…ホルダ
5…鋭角部(旋削部)
17…センター穴
19…ワーク
21…すくい面
29…先端切れ刃
33…側部切れ刃
41…切削工具
47…基準面
51…自動旋盤
61…加工端面

Claims (12)

  1. 旋削によってワークにセンター穴をあけるセンター穴加工用の切削インサートにおいて、
    該切削インサートの前記ワークに対向する先端側に、該先端側が細くなるような単一のすくい面を設けるとともに、該すくい面における前記先端方向の左右の一方に、該先端方向に対して傾斜する単一の側部切れ刃を設けたことを特徴とする切削インサート。
  2. 前記切削インサートの逃げ面側に、前記センター穴加工の際に前記ワークに当接することを回避する凹部を設けたことを特徴とする前記請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記切削インサートの先端側に、前記先端方向と略垂直に交差するとともに、前記側部切れ刃に対しても交差するように伸びる先端切れ刃を設けたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の切削インサート。
  4. 前記切削インサートは、板状で一方向が長い形状を有し、その長手方向の先端側に前記側部切れ刃及び先端切れ刃を有する前記すくい面を備えたことを特徴とする前記請求項3に記載の切削インサート。
  5. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の切削インサートと該切削インサートを保持する長尺のホルダとを備えた切削工具であって、
    前記ホルダの長手方向と前記切削インサートの加工方向とが、交差することを特徴とする切削工具。
  6. 前記ホルダの先端のうち、前記切削インサートの取付位置より先端側に、前記ワークと当接して該切削インサートの切れ刃先端位置を検出するための平坦な基準面を有することを特徴とする前記請求項5に記載の切削工具。
  7. 前記請求項5又は6に記載の切削工具と前記ワークとを取り付けた自動旋盤であって、
    前記ワークの軸方向に対して前記切削工具のホルダを交差するように配置するとともに、前記ワークの先端の加工端面に対して前記切削インサートの旋削加工を行う先端側が向くように配置したことを特徴とする自動旋盤。
  8. 回転するワークの先端の加工端面に対して、旋削用の切削インサートを斜め方向に突入させて、センター穴加工を行うことを特徴とするセンター穴加工方法。
  9. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の切削インサートを用いて、前記センター穴加工を行うことを特徴とする前記請求項8に記載のセンター穴加工方法。
  10. 前記ワークの回転方向に対して、前記切削インサートの単一のすくい面を垂直に配置し、前記側部切れ刃及び先端切れ刃を用いて、前記センター穴加工を行うことを特徴とする前記請求項9に記載のセンター穴加工方法。
  11. 前記請求項5又は6に記載の切削工具を用いて、前記センター穴加工を行うことを特徴とする前記請求項8又は9に記載のセンター穴加工方法。
  12. 自動旋盤を用いて、前記センター穴加工を行うことを特徴とする前記請求項8又は9に記載のセンター穴加工方法。
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