JPH0680430A - 光学素子及びその成形方法及び成形装置及び光学ユニット - Google Patents

光学素子及びその成形方法及び成形装置及び光学ユニット

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JPH0680430A
JPH0680430A JP16278993A JP16278993A JPH0680430A JP H0680430 A JPH0680430 A JP H0680430A JP 16278993 A JP16278993 A JP 16278993A JP 16278993 A JP16278993 A JP 16278993A JP H0680430 A JPH0680430 A JP H0680430A
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mold
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裕之 久保
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剛 野村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】上型上昇の際に、上型部材の方が優先して成形
品から剥離され、成形品が下型部材上に残る様にした光
学素子の成形装置を提供する。 【構成】複数対の上下型部材の夫々に対応して設けら
れ、上下型部材のうちの下側の型部材18の側面に当接
する位置決め面と、位置決め面が下側の型部材18の側
面に当接した状態において略水平方向に沿って成形面上
に所定量突出する外周成形部とを有する複数の外周成形
部材28と、複数の外周成形部材28を一括して保持す
る保持部材44と、保持部材を成形面の中心軸の放射方
向に沿って進退させるための駆動装置34と、複数の外
周成形部材28を保持部材44に対して夫々独立した状
態で弾性的に支持すると共に、外周成形部材28を位置
決め面が下側18の型部材の側面に当接する方向に付勢
するための複数のバネ32とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱軟化されたガラス
をプレスするための上下一対の型部材を備え、非球面レ
ンズなどの高精度な光学素子を加工するための光学素子
の成形装置、成形方法及びこれら成形装置、成形方法に
より成形される光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、研削・研磨による加工方法に代わ
り、加熱軟化されたガラス素材を上下一対の型部材によ
り加圧成形する方法が注目されている。
【0003】通常、この種の成形は、以下に説明する方
法で、当初実施されていた。すなわち、まず、予め所要
の、例えば、光学素子の最終形状に近い形に形成された
ガラスなどの成形素材を下型と上型の間に置き、これを
窒素雰囲気でシールされた加熱炉に入れる。そして、素
材が成形可能な温度まで加熱されたら、プレス成形を行
い、成形完了の型を炉内で冷却し、型が酸化しない温度
まで冷却されたら、窒素雰囲気の炉内から大気中へ成形
品を型と共に取り出す。しかし、この方法では成形時間
が長くなるためにランニングコストが高くなってしま
う。
【0004】そこで、成形時間を短くするために、窒素
雰囲気の炉内で、かなり高い温度のうちに成形品を型か
らとりだす方法が採用される様になった。この方法を図
43,図44を参照して説明する。この装置は、窒素雰
囲気の成形室112と、雰囲気を大気⇔窒素と置換でき
る置換室113を具備しており、上記置換室113はそ
れぞれゲートバルブ(図示せず)の開閉により、成形室
112及び装置外の大気空間と連絡される様になってい
る。成形素材104は、装置外から上記置換室113内
の供給軸114の上端におかれ、上記供給軸114が上
記成形室112へ上昇することにより、吸着フィンガー
105に上面を接する。吸着フィンガー105には吸引
管106が接続されていて、その吸引管を介して上記吸
着フィンガー105内を負圧にすることにより、成形素
材104を上記吸着フィンガー105に吸着させる。次
に、上記吸着フィンガー105を支持する回転軸115
が回転することにより、吸着フィンガー105は、胴型
103の開口部119を通り、上型102と下型101
の間の位置に成形素材104を移動する。この位置で成
形素材104に対する吸引力を解除し、これを高温の下
型101の上に置き、ラム116で上型102を押し、
プレス成形を行う。そして、成形品の温度がガラス転移
点温度以下になったら、上型102を上昇させ、成形素
材を入れる時とは逆の順序で、かなり高温のまま、上記
成形品を装置外へ取り出す。
【0005】このような方法で成形品を取り出すために
は、上型102の上昇時に成形品は、吸着フィンガーで
確実な吸着ができる様に下型101の上に残っているこ
とが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、成形完
了時の成形品の光学面とそれに対応する成形用の型部材
の成形面(鏡面部)は、その相互間で付着力が働いた状
態で接触しており、この接触状態は下型部材101と上
型部材102とでそれぞれ略同等である。このために、
プレス成形終了後、成形品を取り出す目的で上型部材1
02を上昇させた場合に、図45に示す様に、成形品1
04が上型部材102に接触した状態のまま、上型部材
102の成形面に付着してしまう、所謂、上型付着現象
が発生することがある。この上型付着現象が発生する
と、吸着フィンガー105で成形品104を吸着して取
り出すことができなくなる。従って、上型付着現象が発
生したら、成形品104が上型部材102から落下して
下型部材101の上に落ちるのを待つ間、その成形型で
の連続成形は停止され、待機されるのである。このた
め、上型付着現象が発生すると、成形装置としての稼働
率が大幅に低下する。
【0007】上型付着現象が発生した場合の問題点とし
て、もし、上記の様な待機時間を持たない場合には、上
型部材102に成形品104が付着しているうちに、上
記成形品104に吸着フィンガー105が接触するた
め、ガラス成形品104が破砕すること、上型部材10
2から落下した成形品が下型部材101の中心位置に具
合よく落下しない場合には、取り出し段階での吸着フィ
ンガー105による成形品104の吸着が困難になるこ
と、及び、上型部材102から成形品104が落下した
時、ガラスが破砕し、また、そのために下型部材の成形
面を損傷することなどが上げられる。
【0008】また、上記の問題点とは別に、通常の両凸
レンズ及び両凹レンズ等で両面の曲率半径が比較的近接
しているものにおいては、その表裏の判別が難しいとい
う問題点がある。
【0009】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その第1の目的は、上型上昇の際
に、上型部材の方が優先して成形品から剥離され、成形
品が下型部材上に残る様にした光学素子の成形装置を提
供することである。
【0010】また、本発明の第2の目的は、上型上昇の
際に、上型部材の方が優先して成形品から剥離され、成
形品が、その中心位置が下型部材の中心位置とズレを生
じることなく、下型部材上に残る様にした光学素子の成
形方法を提供することである。
【0011】また、本発明の第3の目的は、表裏の判別
が容易にできる様な光学素子を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の光学素子は、加熱された
ガラス材料を成形用の型部材でプレスし、該型部材の光
学素子成形面の表面形状を前記ガラス材料の表面に転写
することにより形成される光学素子であって、前記ガラ
ス材料がプレスされて、前記光学素子の完成形状へと変
形する際に、前記光学素子の複数の光学機能面の内の特
定の光学機能面を識別するための識別マークを形成した
ことを特徴としている。
【0013】また、この発明に係わる光学素子におい
て、前記光学素子は前記複数の光学機能面として入射面
と出射面とを有し、前記識別マークは前記入射面または
出射面を示すマークであることを特徴としている。
【0014】また、本発明の光学素子は、加熱されたガ
ラス材料を成形用の型部材でプレスし、該型部材の光学
素子成形面の表面形状を前記ガラス材料の表面に転写す
ることにより形成される光学素子であって、前記ガラス
材料がプレスされて、前記光学素子の完成形状へと変形
する際に、前記光学素子の複数の光学機能面のうちの特
定の光学機能面を識別するための識別マークを形成し、
前記識別マークは前記光学素子を光学素子保持部材に組
み込む際の前記保持部材との位置調整に使用されること
を特徴としている。
【0015】また、本発明の光学ユニットは、レンズ等
の光学素子を鏡筒に収納して成る光学ユニットであっ
て、前記光学素子は、加熱されたガラス材料を成形用の
型部材でプレスし、該型部材の光学素子成形面の表面形
状を前記ガラス材料の表面に転写することにより形成さ
れる光学素子であって、前記ガラス材料がプレスされ
て、前記光学素子の完成形状へと変形する際に、前記光
学素子の複数の光学機能面のうちの特定の光学機能面を
識別するための識別マークが形成されており、前記鏡筒
は、前記光学素子の前記識別マークに係合し、前記光学
素子を位置決めする位置決め部を有することを特徴とし
ている。
【0016】また、本発明の光学素子の成形方法は、レ
ンズなどの光学素子を成形する光学素子の成形方法であ
って、ガラス材料を、前記光学素子の光学機能面を成形
する成形転写面を備える上型と下型の間に挿入し、少な
くとも、前記ガラス材料を成形温度に加熱し、前記上型
と下型により加熱された前記ガラス材料を加圧して前記
上型と下型の成形転写面の表面形状を転写して光学素子
を成形する光学素子の成形方法において、形成される光
学素子の外周部に係合する係合手段を設け、該係合手段
を前記上型と下型の間に挿入されたガラス材料の加圧動
作に連動させ、前記上型と下型の閉成動作による前記ガ
ラス材料の成形終了に応じて、前記係合手段の係合部材
を、成形された光学素子と係合状態に保つ様にしたこと
を特徴としている。
【0017】また、この発明に係わる光学素子の成形方
法において、前記上型と下型の閉成動作の終了後の型開
き動作時に、成形した光学素子を前記係合部材により、
一方の型に残して、他方の型から離型する様にしたこと
を特徴としている。
【0018】また、本発明の光学素子の成形方法は、レ
ンズなどの光学素子を成形する光学素子の成形方法であ
って、ガラス材料を、前記光学素子の光学機能面を成形
する成形転写面を備える上型と下型の間に挿入し、少な
くとも、前記ガラス材料を成形温度に加熱し、前記上型
と下型により加熱された前記ガラス材料を加圧して前記
上型と下型の成形転写面の表面形状を転写して光学素子
を成形する光学素子の成形方法において、形成される光
学素子の外周部に係合する係合手段を設け、該係合手段
を前記上型と下型の間に挿入されたガラス材料の加圧動
作に連動させ、前記上型と下型の閉成動作による前記ガ
ラス材料の成形終了に応じて、前記係合手段の係合部材
により、成形された光学素子の外周部を成形する様にし
たことを特徴としている。
【0019】また、この発明に係わる光学素子の成形方
法において、前記係合部材により光学素子の外周部に成
形品識別用マークを形成することを特徴としている。
【0020】また、本発明の光学素子の成形方法は、レ
ンズなどの光学素子を成形する光学素子の成形方法であ
って、ガラス材料を、前記光学素子の光学機能面を成形
する成形転写面を備える上型と下型の間に挿入し、少な
くとも、前記ガラス材料を成形温度に加熱し、前記上型
と下型により加熱された前記ガラス材料を加圧して前記
上型と下型の成形転写面の表面形状を転写して光学素子
を成形する光学素子の成形方法において、前記上型と下
型の間に挿入されたガラス材料に係合する係合手段を設
け、前記上型と下型の閉成動作に先立って、または、前
記閉成動作に連動して前記係合手段を前記ガラス材料に
接触させて、該ガラス材料を前記上型と下型の所定位置
に保持させた後に、前記上型と下型によりガラス材料を
形状変化させて光学素子を成形する様にしたことを特徴
としている。
【0021】また、本発明の光学素子の成形装置は、ガ
ラス材料を、光学素子の光学機能面を成形する成形転写
面を備える上型と下型の間に挿入し、少なくとも、前記
ガラス材料を成形温度に加熱し、前記上型と下型により
加熱された前記ガラス材料を加圧して前記上型と下型の
成形転写面の表面形状を転写して光学素子を成形するた
めの光学素子の成形装置において、形成される光学素子
の外周部に係合する係合手段と、前記係合手段を、前記
上型と下型の間に挿入したガラス材料の加圧動作に連動
させ、前記上型と下型の閉成動作による前記ガラス材料
の変形に応じて前記係合手段を駆動する駆動手段とを備
えることを特徴としている。
【0022】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記駆動手段は不活性ガスにより動作され
ることを特徴としている。
【0023】また、本発明の光学素子の成形装置は、加
熱されることにより軟化状態となっているガラス素材を
プレスして該ガラス素材の表面に所定の形状を転写する
ための成形面を有する上下一対の型部材を複数対備える
光学素子の成形装置において、前記複数対の上下型部材
の夫々に対応して設けられ、前記上下型部材のうちの下
側の型部材の側面に当接する位置決め面と、該位置決め
面が前記下側の型部材の側面に当接した状態において略
水平方向に沿って前記成形面上に所定量突出する外周成
形部とを有する複数の外周成形部材と、該複数の外周成
形部材を一括して保持する保持部材と、該保持部材を前
記成形面の中心軸の放射方向に沿って進退させるための
駆動手段と、前記複数の外周成形部材を前記保持部材に
対して夫々独立した状態で弾性的に支持すると共に、前
記外周成形部材を前記位置決め面が前記下側の型部材の
側面に当接する方向に付勢するための複数の弾性支持手
段とを具備することを特徴としている。
【0024】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記位置決め面を前記下側の型部材の側面
に当接させる方向に付勢する前記弾性支持手段の付勢力
は、前記ガラス素材がプレスされて前記成形面上に押し
広げられる過程において、前記外周成形部材の前記外周
成形部が、前記ガラス素材の粘性とバランスしながら、
該ガラス素材の外周部に最適量だけ食い込む程度の値に
設定されていることを特徴としている。
【0025】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記ガラス素材の外周部に前記外周成形部
が食い込んだ状態で、前記上下の型部材のうちの上側の
型部材を成形が完了した前記ガラス素材から引き離すこ
とにより、前記ガラス素材が前記下側の型部材上に残る
様にしたことを特徴としている。
【0026】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記外周成形部材は、垂直面内及び水平面
内で平行移動及び回転移動が許容される様に前記弾性支
持手段により前記保持部材に対して支持されていること
を特徴としている。
【0027】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記ガラス素材は、光学素子の完成形状に
近い形状あるいは平板状に形成されており、該ガラス素
材は、その中心軸が前記成形面の中心軸と略一致する様
に、前記外周成形部材と該外周成形部材に対向して配置
された固定位置決め部材とにより位置決めされることを
特徴としている。
【0028】
【作用】以上の様に、この発明は構成されているので、
外周成形部材の外周成形部を、成形面上に所定量突出さ
せ、その状態でガラス素材をプレス成形することによ
り、成形面上に押し広げられたガラス素材の外周部に外
周成形部が食い込む。このように外周成形部がガラス素
材の外周部に食い込んだ状態で、上側の型部材を上方に
引き上げれば、ガラス素材は、外周成形部に保持され
て、下側の型部材に付着した状態に保持され、上側の型
部材のみがガラス素材から引き離される。
【0029】また、外周成形部材が食い込んだ光学素子
の部分が、光学素子の裏表を判別する識別マークとなる
ので、光学素子の裏表の判別が容易に行われる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、添付
図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施例)図1は、第1の実施例の光学素子の成
形装置10の構成を示した図である。また、図1は、上
型部材が完全に下降してプレス動作が終了した状態を示
している。
【0031】図1において、成形装置本体8上には、こ
の成形装置10の主要部を構成する成形用型12が載置
されている。成形用型12の外殻部は、胴型14により
構成されている。胴型14は、上面視略正方形の角柱状
に形成されており、その中心軸上には、この胴型14を
上下に貫通した状態で、貫通穴14a,14bが形成さ
れている。これらの貫通穴のうち上側の貫通穴14aに
は、円柱状に形成された上型部材16が、嵌合した状態
で上下方向に沿って摺動可能に挿入されている。上型部
材16の上端部には、円板状のフランジ部16aが形成
されており、このフランジ部16aの下面が胴型14の
上面14cに上方から当接することにより、上型16
は、それ以上下方に移動することを阻止されており、こ
れによって、上型部材16の下方へのプレスストローク
が規定されている。また、上型部材16の下面には、ガ
ラス素材40を押圧して、その表面に所望の形状を転写
して光学機能面を形成するための成形面16bが形成さ
れている。
【0032】一方、下側の貫通穴14bには、上型部材
16と同様に円柱状に形成された下型部材18が、嵌合
した状態で挿入されている。下型部材18の下面18a
は、胴型14が載置されている支持基板20の上面に当
接しており、この支持基板20により上型部材16から
ガラス素材40を介して下型部材18に加えられる下方
へのプレス圧を受ける様に構成されている。下型部材1
8の上端面には、ガラス素材40の下面に所望の形状を
転写して光学機能面を形成するための成形面18bが形
成されている。したがって、ガラス素材40には、その
上面に、上型部材16の成形面16bの表面形状が転写
された光学機能面40aが形成され、下面には、下型部
材18の成形面18bの表面形状が転写された光学機能
面40bが形成されることとなる。
【0033】また、成形されたレンズ(ガラス素材4
0)の厚みは、上述した様に、上型部材16のフランジ
部16aの下面が、胴型14の上面14cに当接するこ
とにより規定され、加工する毎にレンズ(40)の厚み
が変化しない様になされている。
【0034】一方、胴型14内には、その四隅に位置し
た状態で、この胴型14,上型部材16,下型部材18
を加熱すると共に、これら胴型14,上型部材16,下
型部材18を介してガラス素材40を加熱するためのヒ
ータ26が配置されている。
【0035】また、胴型14の側面には、開口穴14e
が形成されており、この開口穴14eを介して、成形用
型12の内部にガラス素材40が供給されると共に、成
形の完了したレンズ(40)が成形用型12の内部から
取り出される。
【0036】なお、開口穴14dの断面形状は円形であ
り、その内面は滑らかな面に仕上げられている。そし
て、詳細は後述するが、この開口穴14dには外周成形
部材28が僅かな隙間を有して摺動可能に挿入されてい
る。
【0037】この外周成形部材28は、図1及び、図1
におけるA−A断面図である図2に示したように、開口
穴14dに摺動可能に挿入された円柱状の本体部28a
と、この本体部28aの先端付近に形成され、下型部材
18の外側面18cに当接する位置決め面28bと、成
形面18b上に略水平方向に沿って突出する外周成形部
28cとから構成されている。なお、外周成形部28c
の先端部28dは、図2に示した様に完成した光学素子
すなわちレンズ(40)の外周形状に近い様な曲率の円
弧状に形成されている。
【0038】ここで、本実施例の特徴的な部分である外
周成形部材28とそれを駆動する装置について概略説明
しておくと、外周成形部材28は、この外周成形部材2
8を支持するための支持装置30に対して圧縮バネ32
を介して支持されている。従って、外周成形部材28
は、圧縮バネ32により、上下の型部材16,18の中
心軸に向かう方向に付勢されている。支持装置30の後
方には、接続ロッド34aを介して外周成形部材28の
駆動装置34が接続されている。接続ロッド34aは、
駆動装置34により図中矢印Bで示した方向に押し出し
引き込み動作される様に保持されており、この接続ロッ
ド34aの矢印B方向の動きにより、外周成形部材28
は、支持装置30を介して胴型14に対して挿入される
方向と引き出される方向とに駆動される。なお、外周成
形部材28と支持装置30と駆動装置34とは、図1及
び図2に示した様に胴型14に対して互いに対向する位
置に夫々1つずつ配置されており、図中左側の構成は、
図中右側の構成と対称である。
【0039】次に、上記の様に構成された成形装置10
によりレンズ(40)を成形する手順について図3乃至
図5を参照して説明する。
【0040】まず、図3に示したように、不図示の駆動
装置により上型部材16を胴型14に対して上方にスラ
イドさせ、下型部材18から逃がしておく。この状態に
おいて、胴型14の開口穴14eを介して、オートハン
ド等により、所定の高温に加熱されたガラス素材40を
下型部材18の成形面18b上に供給する。このとき供
給されるガラス素材40は、凸レンズを成形加工する場
合には、図示した様に球状に形成されているか、あるい
は、凸レンズの完成形状に近い形状に形成されている。
また、胴型14及び上型部材16及び下型部材18は、
所定の成形条件に対応した温度に加熱されている。な
お、ガラス素材40を胴型14内に供給するときには、
駆動装置34(図1参照)により外周成形部材28が、
胴型14の外部に退避し、ガラス素材40が胴型14内
に挿入されるのを妨げない様にされている。
【0041】ガラス素材40が、下型部材18の成形面
18b上に供給された後、駆動装置34により外周成形
部材28が胴型14内に進入する方向に移動される。こ
のとき、駆動装置34は、外周成形部材28の位置決め
面28bが、下型部材18の外側面18cに当接する位
置よりも、僅かに多く支持装置30を下型部材18に近
づく方向に移動させ、外周成形部材28の位置決め面2
8bが圧縮バネ32のバネ力により弾性的に下型部材1
8の外側面18cに当接する様にさせる。これにより、
外周成形部材28が所定の動作位置にセットされたこと
となる。
【0042】この状態においては、図4に示したように
外周成形部28cの先端部28dは、下型部材18の中
心軸を中心とする直径D1 の円周に接する位置にある。
そして、この実施例においては、直径D1 の値は、完成
したレンズの外径をD0 とすると(図5参照)、0<
(D0 −D1 )/2=x<2mmとなる様に設定されて
いる。
【0043】その後、不図示の駆動装置により上型部材
16を下降する方向に移動させ、ガラス素材40の上面
に上型部材16の成形面16bを当接させ、ガラス素材
40にプレス圧を印加させる。プレス圧が印加されて上
型部材16が徐々に下方に移動すると、ガラス素材40
は、略均等に外周方向へ広がって変形し、このプレス動
作の途中のある時点において、ガラス素材40の外周部
が、外周成形部28cの先端部28dに当接する。
【0044】そして、更に上型部材16を押し下げてい
くと、ガラス素材40の外周方向への変形力により、外
周成形部材28は圧縮バネ32の付勢力に抗して胴型1
4の外方に押し出される様に移動される。このとき、外
周成形部材28が胴型14の外方に押し出されると、そ
の押し出される量の増加に伴って、圧縮バネ32がより
圧縮されて付勢力が強まり、この付勢力とガラス素材4
0の変形力とがバランスした状態で、外周成形部材28
はガラス素材40に押されて移動していく。そして、最
終的には、図5に示した様な状態となる。この時点で
は、ガラス素材40の変形力と圧縮バネ32の付勢力が
バランスした状態で、ガラス素材40の側面に外周成形
部28cが図中δで示した量だけ食い込んでいる。この
ようにガラス素材40に外周成形部材28を食い込ませ
ておくことにより、後の離型工程において、ガラス素材
40を上型部材16から確実に引き離し、下型部材18
上に残すようにすることができる。
【0045】なお、ガラス素材40の側面に外周成形部
28cを食い込ませて成形を行う場合、その食い込む量
δが大きくなると、ガラスの熱膨張率が型部材の熱膨張
率よりも大きいという理由で、冷却中のレンズ(40)
にクラックが発生する場合がある。また、後述する様に
外周成形部材28をレンズ(40)の外周部から引き離
す時に、その離型抵抗が過大になり、レンズ(40)に
クラック、カケ等が発生する場合がある。そのため、レ
ンズ(40)への外周成形部材28の食い込み量δが過
剰となることを防止する必要がある。
【0046】その方法として、この実施例においては、
上述した様に外周成形部材28を圧縮バネ32により内
方に付勢し、その付勢力とガラス素材40の変形力とを
バランスさせて、食い込み量δを調節する様にしてい
る。すなわち、ガラス素材40への最適な食い込み量δ
が得られる様に、圧縮バネ32の初期バネ力と、バネ定
数とが設定されているわけである。
【0047】例えば、ガラス素材40として光学ガラス
SK12(株式会社オハラ製)を使用し、外形φ15の
両面凸レンズを成形した場合、下記条件(図6も同時に
参照のこと)で外周食い込み成形を行った場合、食い込
み量δが過剰とならないことが確認されている。
【0048】(条件) 外周成形部材先端形状:横幅14mm,上下厚さ0.6
mm 先端R7.3mm(下型部材中心より)円弧形状 レンズ(成形品)形状:外径φ15mm,肉厚4.5m
m 上面球R16.1mm,下面球R16.9mm 圧縮バネの初期弾性力:0.3kgf 外周成形部材変位量Δx=0.8mm バネ定数k=0.1kgf/mm 変形時発生弾性力0.08kgf 上型部材成形温度:620°C 下型部材成形温度:640°C ガラスの粘度:109 〜1010P(ポアズ) 次に、図5に示したように上型部材16によるプレスが
終了すると、レンズ(40)を冷却する。そして、レン
ズ(40)の温度がガラス転移点温度以下になったとこ
ろで上型部材16を上昇させ、型開きを行う。このと
き、図5に示した様に外周成形部材28をレンズ(4
0)に食い込ませたままの状態で、上型部材16を上昇
させる。このように、外周成形部材28をレンズ(4
0)に食い込ませた状態のままで上型部材16を上昇さ
せれば、レンズ(40)は、外周成形部材28に押さえ
られているので、確実に上型部材16から引き離される
こととなり、下型部材18に付着した状態で離型が行わ
れる。このように、レンズ(40)が、確実に下型部材
18上に残ることにより、オートハンド等による胴型1
4内からのレンズ(40)の取り出しが速やかに行われ
る。
【0049】この後、図7に示したように、外周成形部
材28が、駆動装置34によりレンズ(40)から離れ
る方向に駆動され、外周成形部材28がレンズ(40)
から引き離される。そして、外周成形部材28は更に駆
動装置34により胴型14から引き出される方向に移動
され、胴型14の外部に退避される。成形が完了したレ
ンズ(40)はオートハンド等により、胴型14の開口
穴14eを介して外部に取り出される。
【0050】なお、前述した条件とは異なる種々の成形
条件で食い込み成形を行った場合の食い込み量δの値を
図8に示す。ただし、外周成形部材28の先端部形状と
レンズ(40)の上下面の曲率は前述したものと同一で
ある。図8によれば、圧縮バネ32のバネ定数kがk=
0.05kg/mmの場合は、レンズ(40)の外周部
の未食い込み部の発生頻度が50%程度と高く、離型時
の拘束力が安定して確保されない可能性がある。また、
k=0.2kg/mmとした場合にはレンズ(40)の
外周部の食い込み量δが多めであり、レンズ(40)の
光学機能部の有効径との干渉の点で問題がある。また、
外周成形部材28とレンズ(40)との離型時に離型抵
抗が大きくなり、レンズ(40)のワレ、カケが発生す
ることが予想される。従って、この実施例の成形条件に
おいては、圧縮バネ32のバネ定数kは0.1kg/m
m程度が最適と思われる。
【0051】また、上記の実施例においては、下型部材
18の両側に外周成形部材28を対向して1つずつ配置
する場合について説明したが、片側一方向だけに外周成
形部材28を配置した場合でも同様の効果が得られるこ
とが確認されている。このことにより、胴型14内に上
下の型部材16,18を多数配列させた多数個取り成形
においても、上記の実施例の外周成形部材の構成を適用
することが可能である。
【0052】次に、外周成形部材28と、これを支持す
る支持装置30の構造について更に詳しく説明する。
【0053】上述した様な方法により、レンズ(40)
をプレス成形する場合には、胴型14及び上下の型部材
16,18はかなりの高温まで加熱する必要があり、ま
た、その温度から室温程度の低温まで冷却する必要があ
る。そこで、この実施例においては、胴型14と外周成
形部材28とを略同じ熱膨張係数の材料で構成すると共
に、胴型14に対する外周成形部材28の内外方向への
摺動を容易にするため、外周成形部材本体28aの外周
面と開口穴14dの内周面との間に所定のクリアランス
を設けている。
【0054】ここで、外周成形部材28を、胴型14に
対して内外方向へ摺動させる場合、その駆動力が、外周
成形部材本体28aの中心軸上に作用する様にしない
と、外周成形部材28が、開口穴14d内で傾き、胴型
14とカジリを起こし、この胴型14及び外周成形部材
28に傷などを発生させ、連続成形不能を招くことがあ
る。
【0055】そのため、この実施例においては、外周成
形部材28を支持する支持装置30の構造を工夫し、駆
動装置34からの駆動力が、常に外周成形部材本体28
の中心軸に沿って働く様にしている。以下、この支持装
置30の構成について説明する。
【0056】ここで、外周成形部材28の一部も、この
支持装置30の一部として機能しているので、外周成形
部材28の構造について、もう一度図9を参照して説明
する。
【0057】外周成形部材28の先端部には、前述した
様に、円弧状に形成された外周成形部28bと、下型部
材18の外側面18cに当接する位置決め面28cが形
成されている。一方、外周成形部材28の後方には、円
柱状の外周成形部材本体28aの中心軸28gと同軸
に、円柱状の凹部28dが形成されている。この円柱状
の凹部28d内に前述した圧縮バネ32が挿入されてい
る。そして、圧縮バネ32の一端部が、凹部28dの底
面28eを押圧することにより、外周成形部材28は、
下型部材18の中心軸に向けて付勢される。ここで、円
柱状の凹部28dの中心軸は、外周成形部材本体28a
の中心軸28g(摺動中心軸)と一致しており、且つ凹
部28dの底面28eは中心軸28gと直交しているの
で、圧縮バネ32の付勢力は、外周成形部材28に対し
てその中心軸28gに沿って作用することとなる。
【0058】また、外周成形部材28の後端部の両側に
は、その中心軸が、摺動中心軸28gと直交した状態
で、シャフト部材28fが取り付けられている。一方、
支持装置30は、図10及び図11に示すように、この
シャフト部材28fを支持する調芯部材42と、この調
芯部材42を支持する支持装置本体44とを備えてい
る。この支持装置本体44は、前述した駆動装置34の
接続ロッド34aに接続されている。
【0059】調芯部材42は、正面視長方形状に形成さ
れており、その前方には、外周成形部材28のシャフト
部材28fを掛止するための掛止部42aが形成されて
いる。外周成形部材28は、シャフト部材28fをこの
掛止部42aに係止されていることにより、圧縮バネ3
2のバネ力により支持装置本体44から脱落してしまう
ことを防止されている。また、調芯部材42の中央部に
は、圧縮バネ32を通すための貫通穴42dが形成され
ている。
【0060】調芯部材42の上下には、外周成形部材2
8の摺動中心軸28gに縦方向に直交する中心軸を有す
る略円柱状の突起部42cが形成されている。そして、
この突起部42cは、支持装置本体44の掛止部44a
に当接している。この当接力は、圧縮バネ32が外周成
形部材28を支持装置本体44から離れる方向(矢印B
方向)に付勢し、この付勢力がシャフト部材28fを介
して掛止部42aに伝達されることにより発生する。
【0061】このような構成により、外周成形部材28
と調芯部材42とは、圧縮バネ32の付勢力により、支
持部材本体44に対して支持されている。また、このよ
うな構成においては、調芯部材42は、突起部42cの
部分で支持部材本体44の掛止部44aに線接触状態で
当接しているので、この接触線42bを支点として、水
平方向に揺動することが可能である。そして、接触線4
2bは、摺動中心軸28bと上下方向に直交しているの
で、外周成形部材28は、摺動中心軸28gを中心とし
て左右に揺動可能となっている。また、調芯部材42の
外形と支持部材本体44の内形の間には所定のクリアラ
ンスが設けられているので、調芯部材42は、支持部材
本体44に対して上下左右方向に動くことが可能であ
る。
【0062】また、外周成形部材28は、調芯部材42
に対して、シャフト部材28fを介して支持されている
ので、この外周成形部材28は、調芯部材42に対して
上下方向に揺動することが可能であり、また上下左右方
向に動くことも可能である。従って、外周成形部材28
は、支持部材本体44に対して上下左右方向に摺動可
能、且つ上下左右方向に揺動可能に支持されることとな
り、また、圧縮バネの付勢力が、外周成形部材28の摺
動中心軸28gに沿って作用することとなるので、駆動
装置34により支持部材本体44が摺動中心軸28gに
対して上下、左右方向にずれて(熱変形、加工治具の位
置ずれ等による)移動されたとしても、外周成形部材2
8には、常にその摺動中心軸28gに沿って駆動力が働
くこととなる。従って、外周成形部材28は、胴型14
の開口穴14dに沿って滑らかに出入りすることが可能
となり、カジリ不良、傷等が発生することが防止され
る。なお、図12は、外周成形部材28の位置決め面2
8cが、下型部材18の外側面18cに当接して、圧縮
バネ32が圧縮され、外周成形部材28がこの圧縮バネ
32のみにより自由支持された状態を示した図である。
【0063】以上説明した様に、この実施例によれば、
外周成形部材をガラス素材の外周部に食い込ませた状態
でレンズを成形することにより、離型時にレンズが上型
部材に付着してしまう上型付着現象を確実に防止するこ
とができる。
【0064】また、外周成形部材が、支持装置により上
下左右方向に摺動可能、且つ上下左右方向に揺動可能に
支持されているので、外周成形部材を胴型に対して出入
りさせる時に、常に外周成形部材が、胴型との摺動中心
軸に沿って前後摺動可能となるため、カジリ等が発生せ
ず、滑らかに出入りさせることができる。 (第2の実施例)この第2の実施例は、外周成形部材に
より、成形前のガラス素材の位置決めを行おうとするも
のである。
【0065】図13及び図14を参照して、この第2の
実施例について説明する。なお、第1の実施例と同一部
分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0066】上型部材16と下型部材18を使用してガ
ラス素材40をプレスし、光学素子を成形する場合に
は、ガラス素材40を、その中心軸が下型部材18の中
心軸となるべく正確に一致する様に下型部材18上に載
置することが望ましい。これは、ガラス素材40が下型
部材18の中心からずれた状態でプレスを行った場合、
レンズの外周部での未充填部の発生による外周形状不良
(レンズ芯取り工程後における削り残り不良が発生す
る)が発生したり、上下の型部材16,18に加わる偏
荷重による上下の型部材16,18と胴型14とのカジ
リを誘発し、装置停止トラブルを発生させたりする虞が
あるからである。
【0067】ここで、例えば、下型部材18の成形面1
8bが凹面で、球状のガラス素材40を用いる場合に
は、その求心効果により、ガラス素材は自然と下型部材
18の中心に置かれるが、それ以外の場合、例えば下型
部材18bの成形面が凸型で、凹面状のレンズを成形す
る場合には、凹面状のガラス素材または平板状のガラス
素材を下型部材18上に載置することとなるため、ガラ
ス素材40の位置決めが必要となる。
【0068】このようなガラス素材40の下型部材18
上への位置決めを実行する場合、例えば、ガラス素材4
0の外径よりも大きい外径を持つ外周リングを使用して
位置決めを行ったり、ガラス素材40の外周面への3点
当たりによる固定支持方法等が考えられる。しかしなが
ら、外周リングを使用する位置決め方法では、リング内
径部とガラス素材40の外径部とのクリアランスは必ず
成形時にズレを生じさせる。また、固定治具による外周
突き当ての場合、つき当てた衝撃が、ブランク外径寸法
のばらつきにより異なり、下型部材18へのガラス素材
40の置き精度によっては、固定位置決め部材と片当た
りになる場合がある。このように片当たりになった場合
には、ガラス素材が下型部材から落下したり、ガラス素
材の微小ワレ、カケが生じたりする。
【0069】上述した様な理由から、この実施例におい
ては、以下の様な方法でガラス素材の位置決めを行って
いる。
【0070】図13及び図14において、外周成形部材
28に対向する位置には、固定位置決め部材50が配置
されている。固定位置決め部材50の外周成形部材28
と対向する面は、高精度に仕上げられており、ガラス素
材40の位置決め面50aとされている。この固定位置
決め部材50は、不図示の駆動装置に連結されており、
この駆動装置により図中上下方向に駆動される。図示し
た位置は、固定位置決め部材50が、実際にガラス素材
40の位置決めを実行するための位置であり、位置決め
面50aは、下型部材18の中心軸から、ガラス素材4
0の半径と丁度同じ距離だけ離れた位置、または、ガラ
ス素材40の半径よりも僅かに大きい距離だけ離れた位
置に位置している。
【0071】そして、ガラス素材40の位置決めが終了
した後には、実際のプレス動作を妨げない様に、固定位
置決め部材50は図中左側方向に退避される。この退避
した位置においては、位置決め面50aは、レンズ(4
0)の完成形状の外径よりも外側に逃げている。
【0072】一方、外周成形部材28は、その先端部2
8dがガラス素材40の半径よりも僅かに大きい半径を
有する円弧状に形成されており、また、その幅Wは、ガ
ラス素材40の外径よりも僅かに小さくされている。そ
して、この外周成形部材28は、第1の実施例と全く同
様に、胴型14の内方と外方に移動することができる様
に、支持装置30により支持されている。
【0073】このように構成された光学素子の成形装置
により、ガラス素材40を位置決めする動作について説
明する。
【0074】まず、不図示の駆動装置により固定位置決
め部材50が、前述した位置決め動作位置に移動され
る。次に、胴型14の開口穴14dから不図示の吸着フ
ィンガーに吸着されたガラス素材40が下型部材18上
に載置される。その後、外周成形部材28の先端部28
dが前進してガラス素材40の側面に当接し、圧縮バネ
32による圧縮力がガラス素材40に作用する。そし
て、この圧縮力によりガラス素材40が、固定位置決め
部材50の位置決め面50aに当接し、ガラス素材40
が位置決めされる。その後、上型部材16が下降し、そ
の成形面16bがガラス素材40の上面に当接してガラ
ス素材40がもはや動かなくなった後、固定位置決め部
材50と外周成形部材28が、所定の位置まで後退され
る。そして、ガラス素材40のプレス動作が実行され
る。
【0075】具体的には、以下の様な成形条件で実験を
行った。
【0076】(条件) 上型部材成形面形状:凸面球R30mm(R2 ) 下型部材成形面形状:凸面球R30mm(R1 ) ガラス素材形状:上面凹面球R35mm(R2 ′) 下面凹面球R35mm(R1 ′) 外径φ14mm(φd) 中心肉厚2mm(t0 ) 固定位置決め部材:位置決め面−平面,厚さ1mm(t
1 ) 外周成形部材:先端形状R7.2mm(R3 ) 幅12mm(W) 厚さ1mm(t2 ) 圧縮バネ:バネ定数0.05kg/mm (3種)0.1kg/mm 0.2kg/mm 上記の様な条件で、バネ定数0.05〜0.2kg/m
mとして、200回連続位置決め実験を行った。その結
果、位置決め時におけるガラス素材40の落下不良、ワ
レ、カケの発生はゼロであった。また、全てのプレス成
形品において、その外径精度として芯取り不良となる様
なズレ、未成形部の発生は見られず、良好な中心プレス
成形を行うことができた。
【0077】以上説明した様に、この実施例によれば、
ガラス素材に無理な力をかけることなく、下型部材上に
ガラス素材を正確に位置決めすることができる。 (第3の実施例)図15乃至図17は第3の実施例の光
学素子の成形装置の構造を示した図である。
【0078】この第3の実施例の成形装置は、第1の実
施例及び第2の実施例に示した成形装置の胴型を大型化
し、この胴型に複数の上型部材と下型部材を配置し、複
数個のレンズを能率的に成形する様にしたものである。
その他は、第1の実施例及び第2の実施例と同様であ
る。
【0079】なお、この実施例においては、1つの支持
装置本体44に対して複数個の外周成形部材28を同時
に支持する様にしている。このようにすれば、外周成形
部材28の1つ1つに支持装置本体44と駆動装置34
を設ける場合に比較して成形装置のローコスト化を図る
ことができる。ただし、このような構成をとる場合に
は、複数の外周成形部材28が複数の下型部材に同時に
当接するとは限らない。前述した圧縮バネ32は、この
ような複数の外周成形部材28の下型部材18への当接
位置のばらつきを吸収する役目も果たしている。 (第4の実施例)図18は、第4の実施例の光学素子の
成形装置50の構成を示した図である。また、図18
は、上型部材が完全に下降してプレス動作が終了した状
態を示している。
【0080】図18において、成形装置本体51上に
は、この成形装置50の主要部を構成する成形用型52
が載置されている。成形用型52の外殻部は、胴型54
により構成されている。胴型54は、上面視略正方形の
角柱状に形成されており、その中心軸上には、この胴型
54を上下に貫通した状態で、貫通穴54a,54bが
形成されている。これらの貫通穴のうち上側の貫通穴5
4aには、円柱状に形成された上型部材56が、嵌合し
た状態で上下方向に沿って摺動可能に挿入されている。
上型部材56の上端部には、円板状のフランジ部56a
が形成されており、このフランジ部56aの下面が胴型
54の上面54cに上方から当接することにより、上型
56は、それ以上下方に移動することを阻止されてお
り、これによって、上型部材56の下方へのプレススト
ロークが規定されている。また、上型部材56の下面に
は、ガラス素材40を押圧して、その表面に所望の形状
を転写して光学機能面を形成するための成形面56bが
形成されている。
【0081】一方、下側の貫通穴54bには、上型部材
56と同様に円柱状に形成された下型部材58が、嵌合
した状態で挿入されている。下型部材58の下面58a
は、胴型54が載置されている支持基板60の上面に当
接しており、この支持基板60により上型部材56から
ガラス素材40を介して下型部材58に加えられる下方
へのプレス圧を受ける様に構成されている。下型部材5
8の上端面には、ガラス素材40の下面に所望の形状を
転写して光学機能面を形成するための成形面58bが形
成されている。したがって、ガラス素材40には、その
上面に、上型部材56の成形面56bの表面形状が転写
された光学機能面40aが形成され、下面には、下型部
材58の成形面58bの表面形状が転写された光学機能
面40bが形成されることとなる。
【0082】また、成形されたレンズ(ガラス素材4
0)の厚みは、上述した様に、上型部材56のフランジ
部56aの下面が、胴型54の上面54cに当接するこ
とにより規定され、加工する毎にレンズ(40)の厚み
が変化しない様になされている。
【0083】一方、胴型54内には、その四隅に位置し
た状態で、この胴型54,上型部材56,下型部材58
を加熱すると共に、これら胴型54,上型部材56,下
型部材58を介してガラス素材40を加熱するためのヒ
ータ66が配置されている。
【0084】また、胴型54の側面には、開口穴54d
が形成されており、この開口穴54dを介して、成形用
型52の内部にガラス素材40が供給されると共に、成
形の完了したレンズ(40)が成形用型52の内部から
取り出される。また、胴型54の側面には開口穴54e
が形成されているが、その断面形状は円形であり、その
内面は滑らかな面に仕上げられている。そして、詳細は
後述するが、この開口穴54eには外周成形部材68が
僅かな隙間を有して摺動可能に挿入されている。
【0085】この外周成形部材68は、図18及び、図
18におけるA−A断面図である図19に示したよう
に、開口穴54eに摺動可能に挿入された円柱状の本体
部68aと、この本体部68aの先端付近に形成され、
下型部材58の外側面58cに当接する位置決め面68
bと、成形面58b上に略水平方向に沿って突出する外
周成形部68cとから構成されている。なお、外周成形
部68cの先端部68dは、図19に示した様に完成し
た光学素子すなわちレンズ(40)の外周形状に近い様
な曲率の円弧状に形成されている。
【0086】ここで、本実施例の特徴的な部分である外
周成形部材68とそれを駆動する装置について概略説明
しておくと、外周成形部材68は、この外周成形部材6
8を支持するための支持ハンド84に対して圧縮バネ7
2及び、その後方の保持治具82を介して支持されてい
る。従って、外周成形部材68は、圧縮バネ82によ
り、上下の型部材56,58の中心軸に向かう方向に付
勢されている。支持ハンド84に平行に、ロッド軸85
を介して外周成形部材68の駆動装置74が接続されて
いる。ロッド軸85は、駆動装置74により図中矢印B
方向に押し出し引き込み動作される様に保持されてお
り、このロッド軸85の矢印B方向の動きにより、外周
成形部材68は、支持ハンド84、保持治具82を介し
て胴型54に対して挿入される方向と引きだされる方向
とに駆動される。
【0087】駆動装置74の構成を更に詳しく述べる
と、ロッド軸85と、シリンダーロッド86と、シリン
ダー外筒87と、ガス給排気導入口87cとから構成さ
れるシリンダー駆動機構である。ガス給排気導入口87
cからガス(例えばN2 )が供給されることにより、シ
リンダーロッド86の前端面86aはシリンダー外筒8
7の前方突き当て面87aに当接し、ロッド軸85、支
持ハンド84、保持治具82を介して、外周成形部材6
8は胴型54に対して引き出される。つまり、後退端位
置まで駆動される。また逆に、ガス給排気導入口87c
からガスが排気される(真空にされる)ことにより、シ
リンダーロッド86の後端面86bはシリンダー外筒8
7の後方突き当て面87bに当接し、外周成形部材68
は胴型54に対して挿入される。つまり前進端位置まで
駆動される。また、シリンダーロッド86の後方の座ぐ
り面86cと、シリンダー後方突き当て面87bの間の
圧縮バネ88により、ロッド軸85を介して、支持ハン
ド84は外周成形部材68の後退方向へ付勢されてい
る。
【0088】次に、上記の様に構成された成形装置50
によりレンズ(40)を成形する手順について図20乃
至図23を参照して説明する。
【0089】まず、図20に示したように、不図示の駆
動装置により上型部材56を胴型54に対して上方にス
ライドさせ、下型部材58から逃がしておく。この状態
において、胴型54の開口穴54dを介して、オートハ
ンド等により、所定の高温に加熱されたガラス素材40
を下型部材58の成形面58b上に供給する。このとき
供給されるガラス素材40は、凸レンズを成形加工する
場合には、図示した様に球状に形成されているか、ある
いは、凸レンズの完成形状に近い形状に形成されてい
る。また、胴型54及び上型部材56及び下型部材58
は、所定の成形条件に対応した温度に加熱されている。
なお、ガラス素材40を胴型54内に供給するときに
は、駆動装置74(図21参照)により外周成形部材6
8が、胴型54の外部に退避し、ガラス素材40が胴型
54内に挿入されるのを妨げない様にされている。
【0090】ガラス素材40が、下型部材58の成形面
58b上に供給された後、駆動装置74により外周成形
部材68が胴型54内に進入する方向に移動される。こ
のとき、駆動装置74は、外周成形部材68の位置決め
面68bが、下型部材58の外側面58cに当接する位
置よりも、僅かに多く支持装置70(保持治具82と支
持ハンド84とから成る)を下型部材58に近づく方向
に移動させ、外周成形部材68の位置決め面68bが圧
縮バネ72のバネ力により弾性的に下型部材58の外側
面58cに当接する様にさせる。これにより、外周成形
部材68が所定の動作位置にセットされたこととなる。
【0091】この状態においては、図21に示したよう
に外周成形部68cの先端部68dは、下型部材58の
中心軸を中心とする半径R1 の円周に接する位置にあ
る。そして、この実施例においては、半径R1 の値は、
完成したレンズの外径をD0 とすると(図25参照)、
0<D0 /2−R1 =x<2mmとなる様に設定されて
いる。
【0092】その後、不図示の駆動装置により上型部材
56を下降する方向に移動させ、ガラス素材40の上面
に上型部材56の成形面56bを当接させ、ガラス素材
40にプレス圧を印加させる。プレス圧が印加されて上
型部材56が徐々に下方に移動すると、ガラス素材40
は、略均等に外周方向へ広がって変形し、このプレス動
作の途中のある時点において、ガラス素材40の外周部
が、外周成形部68cの先端部68dに当接する。
【0093】そして、更に上型部材56を押し下げてい
くと、ガラス素材40の外周方向への変形力により、外
周成形部材68は圧縮バネ72の付勢力に抗して胴型5
4の外方に押し出される様に移動される。このとき、外
周成形部材68が胴型54の外方に押し出されると、そ
の押し出される量の増加に伴って、圧縮バネ72がより
圧縮されて付勢力が強まり、この付勢力とガラス素材4
0の変形力とがバランスした状態で、外周成形部材68
はガラス素材40に押されて移動していく。そして、最
終的には、図22に示した様な状態となる。この時点で
は、ガラス素材40の変形力と圧縮バネ72の付勢力が
バランスした状態で、ガラス素材40の側面に外周成形
部68cが図中δで示した量だけ食い込んでいる。この
ようにガラス素材40に外周成形部材68を食い込ませ
ておくことにより、後の離型工程において、ガラス素材
40を上型部材56から確実に引き離し、下型部材58
上に残すようにすることができる。
【0094】なお、ガラス素材40の側面に外周成形部
68cを食い込ませて成形を行う場合、その食い込む量
δが大きくなると、ガラスの熱膨張率が型部材の熱膨張
率よりも大きいという理由で、また、外周食い込みにお
いて、ブランク量のバラツキ等による成形品の変形拡が
りにズレを生じて外周食い込み部の薄い部分が多くなる
という理由で、冷却中のレンズ(40)にクラックが発
生する場合がある。そのため、上型付着を防止可能な最
低量の食い込み量を確保することが必要となってくる。
冷却中のレンズ(40)にクラックが発生する場合があ
る。また、後述する様に外周成形部材68をレンズ(4
0)の外周部から引き離す時に、その離型抵抗が過大に
なり、レンズ(40)にクラック、カケ等が発生する場
合がある。そのため、レンズ(40)への外周成形部材
28の食い込み量δが過剰となることを防止する必要が
ある。
【0095】その方法として、この実施例においては、
上述した様に外周成形部材68を圧縮バネ72により内
方に付勢し、その付勢力とガラス素材40の変形力とを
バランスさせて、食い込み量δを調節する様にしてい
る。すなわち、ガラス素材40への最適な食い込み量δ
が得られる様に、圧縮バネ72の初期バネ力と、バネ定
数とが設定されているわけである。
【0096】例えば、ガラス素材40として光学ガラス
SK12(株式会社オハラ製)を使用し、外形φ15.
6の両面凸レンズを成形した場合、下記条件(図24も
同時に参照のこと)で外周食い込み成形を行った場合、
食い込み量δが過剰とならないことが確認されている。
【0097】(条件) 外周成形部材先端形状:横幅14mm,上下厚さ0.6
mm 先端R7.3mm(下型部材中心より)円弧形状 レンズ(成形品)形状:外径φ15.6mm,肉厚4.
5mm 上面球R16.1mm,下面球R16.9mm 圧縮バネの初期弾性力:0.3kgf 外周成形部材変位量Δx=0.3mm バネ定数k=0.1kgf/mm 変形時発生弾性力0.33kgf 上型部材成形温度:620°C 下型部材成形温度:640°C ガラスの粘度:109 〜1010P(ポアズ) ちなみに、上記成形条件で食い込み成形を行った場合に
は、成形完成品の半径をrとすると、rのバラツキはr
=7.25〜8.0mm、δのバラツキはδ=0.10
〜0.32mm、食い込み量の割合(δ/r)のバラツ
キはδ/r=1.4〜4.0%であった。
【0098】また、上記の成形条件のうち、バネ定数k
のみをk=0.2kgf/mmとした場合には、rのば
らつきはr=7.25〜8.0mm、δのばらつきはδ
=0.4〜0.6mm、δ/rのばらつきはδ/r=
5.5〜7.5%となり、レンズ部と食い込んだ外周成
形部材との境界部よりワレ、クラック等が発生してしま
った。
【0099】また、上記の成形条件のうち、バネ定数k
のみをk=0.05kgf/mmとした場合には、rの
ばらつきはr=7.25〜8.0mm、δのばらつきは
δ=0.02〜0.08mm、δ/rのばらつきはδ/
r=0.3〜1.0%となり、上型の離型の際、上型と
レンズとの付着力に外周成形部材の下型方向へ押さえ込
む力が負けてしまい、上型付着不良を起こしてしまっ
た。
【0100】次に、図23に示したように上型部材16
によるプレスが終了すると、レンズ(40)を冷却す
る。そして、レンズ(40)の温度がガラス転移点温度
以下になったところで外周成形部材68をレンズ(4
0)に食い込ませたままの状態で、上型部材16を上昇
させ、確実にレンズ(40)から引き離して型開きを行
う。このとき、レンズ(40)の外周部に、下型部材5
8の中心軸方向に外周成形部材68を介して働いていた
圧縮バネ72の付勢力が、下型部材58とレンズ(4
0)との付着力よりも大きくなると、レンズ(40)
が、外周成形部材68と反対方向にズレを生じて、下型
部材58上に残されてしまう。このズレが発生すると、
吸着フィンガー89で胴型54内からレンズ(40)を
取り出す際、吸着フィンガー89との位置ずれにより吸
着して取り出すことができなくなったり、またレンズ
(40)に吸着フィンガー89によるキズ、カケ等の損
傷を生じさせることとなる。そのため、上型部材56の
離型前に、レンズ(40)の中心軸方向への外周成形部
材68の付勢力を解除する必要がある。
【0101】その方法を以下に説明する。まず、レンズ
の冷却が終了した時点では、レンズ(40)には外周成
形部材68を食い込んでおり、且つ図22に示す様に、
駆動装置74のガス給排気導入口87cよりガスが排気
されて(真空にされて)いることにより、シリンダーロ
ッド86の後端面86bはシリンダー外筒87の後方突
き当て面87bに当接し、ロッド軸85、支持ハンド8
4を介して保持治具82は、胴型54に対して挿入され
る(下型中心)方向の前進端位置まで駆動されている。
また、外周成形部材68は前述の食い込み状態により、
外周成形部材68の位置決め面68bが下型部材58の
外側面58cから反中心軸方向(胴型の外側)へΔX
(最終食い込み状態における外周成形部材68の先端部
28dの下型部材58の中心軸からの距離半径R2 −R
1 )分後退した位置まで移動している。このとき、外周
成形部材68の凹部底面68eと保持治具82の凹部底
面82dとの間の圧縮バネ72の全長は最短となり、下
型部材58の中心軸方向への外周成形部材68の圧縮バ
ネ72による付勢力は最大となっている。
【0102】そこで、上型部材56の離型直前に、駆動
装置74の駆動源であるガス排気をOFFし(すなわち
シリンダー外筒87内の真空リークをさせ)、シリンダ
ーロッド86の前端面86aに負荷されていた圧力を解
除し、シリンダーロッド86の後方の座ぐり面86c
と、シリンダー後方突き当て面87bの間の圧縮バネ8
8の弾性的付勢力を働かせることにより、ロッド85を
介して支持ハンド84を外周成形部材68の後退方向へ
移動させる。この移動位置は、図23に示される様に外
周成形部材68の位置はそのままで、外周成形部材68
のシャフト部材68fと保持治具82の係止部82aと
が、バネ部材72によって掛止している(つっぱりあっ
て保持されているのみ)、つまり外周成形部材68のレ
ンズ(40)に対する弾性的な付勢力がゼロとなる状態
から、支持ハンド84の掛止部84aが保持治具82の
掛止部82cと掛止する(外周成形部材68を後退方向
へ動かし始める)直前までの範囲で、支持ハンド84が
後退した位置となる。
【0103】以上の方法により、外周成形部材68をレ
ンズ(40)に食い込ませた状態で、且つレンズ(4
0)の中心軸方向への外周成形部材68の付勢力を解除
した状態で上型部材56を上昇させれば、レンズ(4
0)は、外周成形部材68に押さえられているので、確
実に上型部材56から引き離されることとなり、下型部
材58上でズレを生じることなく付着したまま残され、
離型が行われる。
【0104】そして、この後、図25に示した様に、オ
ートハンド等(吸着ハンド)が胴型54の側面開口穴5
4dから進入し、その吸着ハンド89の吸着面89aが
下型部材58上のレンズ(40)と吸着可能な位置にセ
ットされる。この状態で、外周成形部材68が、駆動装
置74(シリンダー外筒87のガス給排気導入口87c
からガスが供給されることにより、シリンダーロッド8
6の前端面86aはシリンダー外筒87の前方突き当て
面87aに当接する)により、レンズ(40)から離れ
る方向に駆動され、外周成形部材68がレンズから引き
離される。そして、吸着ハンド89の吸着面89aによ
りレンズ(40)はキズ、カケ等の損傷を生ぜず吸着さ
れ、胴型54内の開口穴54dから外部へ速やかに取り
出される。
【0105】なお、前述した条件とは異なる種々の成形
条件で食い込み成形を行った場合の食い込み量δの値を
図26に示す。ただし、外周成形部材68の先端部形状
とレンズ(40)の上下面の曲率は前述したものと同一
である。図26によれば、圧縮バネ72のバネ定数kが
k=0.05kg/mmの場合は、レンズ(40)の外
周部の未食い込み部の発生頻度が50%程度と高く、離
型時の拘束力が安定して確保されない可能性がある。ま
た、k=0.2kg/mmとした場合にはレンズ(4
0)の外周部の食い込み量δが多めであり、レンズ(4
0)の光学機能部の有効径との干渉の点で問題がある。
また、外周成形部材68とレンズ(40)との離型時に
離型抵抗が大きくなり、レンズ(40)のワレ、カケが
発生することが予想される。従って、この実施例の成形
条件においては、圧縮バネ72のバネ定数kは0.1k
g/mm程度が最適と思われる。
【0106】また、上記の実施例においては、下型部材
58の片側一方だけに外周成形部材68を配置した場合
の効果を説明したが、このことより、胴型54内に上下
の型部材56,58を多数配列させた多数個取り成形に
おいても、上記の実施例の外周成形部材の構成を適用す
ることが可能である。
【0107】次に、外周成形部材68と、これを支持す
る支持装置70の構造について更に詳しく説明する。
【0108】上述した様な方法により、レンズ(40)
をプレス成形する場合には、胴型54及び上下の型部材
56,58はかなりの高温まで加熱する必要があり、ま
た、その温度から室温程度の低温まで冷却する必要があ
る。そこで、この実施例においては、胴型54と外周成
形部材68とを略同じ熱膨張係数の材料で構成すると共
に、胴型54に対する外周成形部材68の内外方向への
摺動を容易にするため、外周成形部材本体68aの外周
面と開口穴54eの内周面との間に所定のクリアランス
を設けている。
【0109】ここで、外周成形部材68を、胴型54に
対して内外方向へ摺動させる場合、その駆動力が、外周
成形部材本体68aの中心軸上に作用する様にしない
と、外周成形部材68が、開口穴54e内で傾き、胴型
54とカジリを起こし、この胴型54及び外周成形部材
68に傷などを発生させ、連続成形不能を招くことがあ
る。
【0110】そのため、この実施例においては、外周成
形部材68を支持する支持装置70の構造を工夫し、駆
動装置74からの駆動力が、常に外周成形部材本体68
の中心軸に沿って働く様にしている。以下、この支持装
置70の構成について説明する。
【0111】ここで、外周成形部材68の一部も、この
支持装置70の一部として機能しているので、外周成形
部材68の構造について、もう一度図27を参照して説
明する。
【0112】外周成形部材68の先端部には、前述した
様に、円弧状に形成された外周成形部68bと、下型部
材58の外側面58cに当接する位置決め面68cが形
成されている。一方、外周成形部材68の後方には、円
柱状の外周成形部材本体68aの中心軸68gと同軸
に、円柱状の凹部68dが形成されている。この円柱状
の凹部68d内に前述した圧縮バネ72が挿入されてい
る。そして、圧縮バネ72の一端部が、凹部68dの底
面68eを押圧することにより、外周成形部材68は、
下型部材58の中心軸に向けて付勢される。ここで、円
柱状の凹部68dの中心軸は、外周成形部材本体68a
の中心軸68g(摺動中心軸)と一致しており、且つ凹
部68dの底面68eは中心軸68gと直交しているの
で、圧縮バネ72の付勢力は、外周成形部材68に対し
てその中心軸68gに沿って作用することとなる。
【0113】また、外周成形部材68の後端部の両側に
は、その中心軸が、摺動中心軸68gと直交した状態
で、シャフト部材68fが取り付けられている。一方、
支持装置30は、図28及び図29に示すように、この
シャフト部材68fを支持する保持部材82と、この保
持部材82を支持する支持ハンド84とを備えている。
この支持ハンド84は、前述した駆動装置74のロッド
軸75に接続されている。
【0114】保持部材82は、正面視長方形状に形成さ
れており、その前方には、外周成形部材68のシャフト
部材68fを掛止するための掛止部82aが形成されて
いる。また、保持部材82の中央部には、外周成形部材
68の中心軸68gと同軸に、円柱状の凹部82dが形
成されている。そして、圧縮バネ72の一端部が凹部8
2dの底面82eを押圧することにより、保持部材82
は、下型部材58の反中心軸方向に付勢されている。つ
まり、保持部材82は、外周成形部材68のシャフト部
材68fと、掛止部82aが圧縮バネ72のバネ力によ
って、互いにつっ張り合うことにより保持され、外周成
形部材68から脱落してしまうことを防止されている。
【0115】保持部材82の上下には、外周成形部材6
8の摺動中心軸68gに縦方向に直交する中心軸を有す
る略円柱状の突起部82cが形成されている。そして、
この突起部82cは、支持ハンド84の掛止部84aと
所定のクリアランスが設けられており、支持ハンド84
が駆動装置74により下型部材58の反中心軸方向に移
動されて、当接する。このとき、外周成形部材68は、
外周成形部材68のシャフト部材68fと掛止部82a
(バネで保持状態)を介して、支持ハンド84により下
型部材58の反中心軸方向に移動される。
【0116】また、このような構成においては、保持部
材82は、突起部82cの部分で支持ハンド84の掛止
84aに線接触状態で当接しているので、この接触線8
2bを支点として、水平方向に揺動することが可能であ
る。そして、接触線82bは、摺動中心軸68bと上下
方向に直交しているので、外周成形部材68は、摺動中
心軸68gを中心として左右に揺動可能となっている。
また、保持部材82の外形と支持ハンド84の内形の間
には所定のクリアランスが設けられているので、保持部
材82は、支持ハンド84に対して上下左右方向に動く
ことが可能である。
【0117】また、外周成形部材68は、保持部材82
に対して、シャフト部材68fを介して支持されている
ので、この外周成形部材68は、保持部材82に対して
上下方向に揺動することが可能であり、また上下左右方
向に動くことも可能である。従って、外周成形部材68
は、支持ハンド84に対して上下左右方向に摺動可能、
且つ上下左右方向に揺動可能に支持されることとなり、
また、圧縮バネの付勢力が、外周成形部材68の摺動中
心軸68gに沿って作用することとなるので、駆動装置
74により支持ハンド84が摺動中心軸68gに対して
上下、左右方向にずれて(熱変形、加工治具の位置ずれ
等による)移動されたとしても、外周成形部材68に
は、常にその摺動中心軸68gに沿って駆動力が働くこ
ととなる。従って、外周成形部材68は、胴型54の開
口穴54eに沿って滑らかに出入りすることが可能とな
り、カジリ不良、傷等が発生することが防止される。な
お、図30は、外周成形部材68の位置決め面68c
が、下型部材58の外側面58cに当接して、圧縮バネ
72が圧縮され、外周成形部材68がこの圧縮バネ72
のみにより自由支持された状態を示した図である。
【0118】以上説明した様に、この実施例によれば、
外周成形部材をガラス素材の外周部に食い込ませた状態
でレンズを成形することにより、離型時にレンズが上型
部材に付着してしまう上型付着現象を確実に防止するこ
とができる。
【0119】また、外周成形部材が、支持装置により上
下左右方向に摺動可能、且つ上下左右方向に揺動可能に
支持されているので、外周成形部材を胴型に対して出入
りさせる時に、常に外周成形部材が、胴型との摺動中心
軸に沿って前後摺動可能となるため、カジリ等が発生せ
ず、滑らかに出入りさせることができる。
【0120】次に、外周成形部材の先端部の形状の変形
例と、この変形例の外周成形部材により形成される成形
品(光学素子)の形状的な特徴について説明する。
【0121】図31は、変形例の外周成形部材68によ
り、レンズ41を成形加工する様子を示した図である。
図31において外周成形部材68の先端部68hは、図
示した様に、鉛直方向に対してθだけ傾いた形状に形成
されている。この様な外周成形部材68を用いてレンズ
41を成形した場合には、レンズ41には、図32に示
す様な凹部41aが形成されることとなる。この様な凹
部41aがレンズ41に形成されれば、レンズの表面の
曲率半径と裏面の曲率半径が僅かに異なっている様なレ
ンズにおいては、その表裏の判別が容易に行えるという
効果が得られる。成形されたレンズをレンズ鏡筒等に組
み込む際には、フイルム面に対してレンズの表裏が正し
い状態で組み込まれることが、レンズの光学性能を確保
する上で極めて重要であるが、レンズ41に上記の様な
表裏識別用のマークとして作用する凹部41aを形成す
ることにより、これが極めて容易に行われることとな
る。また、凹部41aは、レンズ組込み前の工程のレン
ズ芯取り加工の際に、芯取り面がどちらであるかを判別
することにも役立てることができる。
【0122】なお、凹部41aの傾斜面の向き方向の判
別は、センサー、ITVカメラによる画像認識等により
自動的に行うことが可能である。この場合、θは5°〜
60°の範囲であることが望ましい。そして、この様に
して、表裏が判別されたレンズ41は、例えば図33に
示す様に、レンズホルダ47に把持されて鏡筒45に組
み込まれる。
【0123】図34及び図35は、凹部41aの形状の
他の例を示したものであり、図34に示した様に、凹部
41aの中央部にR状の刻印部41bを設けたり、図3
5に示した様に三角形状の刻印部41cを設けたりして
も良い。このように、R状や三角形状の刻印部を設ける
ことにより、レンズ41の表裏の判定を視覚的により容
易に判断することが可能となる。
【0124】次に、図36乃至図39は、レンズ41に
形成される凹部41aの他の利用方法を示した図であ
る。図36,図37に示される様に、外周成形部材を1
方向からでなく、例えば、円周上等間隔に3方向からレ
ンズ41に食い込み成形させて凹部41aをレンズ41
の外周部の3個所に形成する。これらの凹部41aの傾
斜面を、図38間まず39に示す様にレンズ鏡筒43に
設けられた胴付き部43aに当接させて、レンズ41を
レンズ鏡筒43に対して位置決めする。そして、レンズ
鏡筒43のカシメ部43cをレンズ内方に曲げ倒すこと
によりレンズ41がレンズ鏡筒43に固定される。この
ようにすれば、レンズ41の上型への付着を防止するた
めに必然的に形成される凹部41aにレンズ位置決めの
機能を持たせることが可能となり、あらためてレンズ4
1に位置決め部を設ける様な加工が必要なくなり効率的
である。 (第5の実施例)図40乃至図42は第5の実施例の光
学素子の成形装置の構造を示した図である。
【0125】この第5の実施例の成形装置は、第4の実
施例に示した成形装置の胴型を大型化し、この胴型に複
数の上型部材と下型部材を配置し、複数個のレンズを能
率的に成形する様にしたものである。その他は、第4の
実施例と同様である。
【0126】なお、この実施例においては、1つの支持
ハンド84に対して複数個の外周成形部材68を同時に
支持する様にしている。このようにすれば、外周成形部
材68の1つ1つに支持ハンド84と駆動装置74を設
ける場合に比較して成形装置のローコスト化を図ること
ができる。ただし、このような構成をとる場合には、複
数の外周成形部材68が複数の下型部材に同時に当接す
るとは限らない。前述した圧縮バネ72は、このような
複数の外周成形部材68の下型部材58への当接位置の
ばらつきを吸収する役目も果たしている。
【0127】なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範
囲で、上記実施例を修正または変形したものに適用可能
である。
【0128】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、外
周成形部材の外周成形部を、成形面上に所定量突出さ
せ、その状態でガラス素材をプレス成形することによ
り、成形面上に押し広げられたガラス素材の外周部に外
周成形部が食い込む。このように外周成形部がガラス素
材の外周部に食い込んだ状態で、上側の型部材を上方に
引き上げれば、ガラス素材は、外周成形部に保持され
て、下側の型部材に付着した状態に保持され、上側の型
部材のみがガラス素材から引き離される。
【0129】また、複数の外周成形部材を保持部材に対
して夫々独立して弾性的に保持することにより、この弾
性力により、複数の外周成形部材の位置決め面の位置ず
れが補正され、複数の外周成形部材の位置決め面が同時
に下側の型部材に当接し、外周成形部材の動作不良が防
止される。
【0130】また、外周成形部材が食い込んだ光学素子
の部分が、光学素子の裏表を判別する識別マークとなる
ので、光学素子の裏表の判別が容易に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の光学素子の成形装置の構造を示
した図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】第1の実施例の光学素子の成形装置により、レ
ンズを成形する手順を示した図である。
【図4】第1の実施例の光学素子の成形装置により、レ
ンズを成形する手順を示した図である。
【図5】第1の実施例の光学素子の成形装置により、レ
ンズを成形する手順を示した図である。
【図6】第1の実施例の光学素子の成形装置により、レ
ンズを成形する手順を示した図である。
【図7】第1の実施例の光学素子の成形装置により、レ
ンズを成形する手順を示した図である。
【図8】成形条件と食い込み量の関係を示した図であ
る。
【図9】外周成形部材の構造を示した斜視図である。
【図10】外周成形部材の支持装置の構造を示した図で
ある。
【図11】外周成形部材の支持装置の構造を示した図で
ある。
【図12】外周成形部材の支持装置の構造を示した図で
ある。
【図13】第2の実施例の光学素子の成形装置の構造を
示した図である。
【図14】第2の実施例の光学素子の成形装置の構造を
示した図である。
【図15】第3の実施例の光学素子の成形装置の構造を
示した図である。
【図16】第3の実施例の光学素子の成形装置の構造を
示した図である。
【図17】第3の実施例の光学素子の成形装置の構造を
示した図である。
【図18】第4の実施例の光学素子の成形装置の構造を
示した図である。
【図19】図18のA−A断面図である。
【図20】第4の実施例の光学素子の成形装置により、
レンズを成形する手順を示した図である。
【図21】第4の実施例の光学素子の成形装置により、
レンズを成形する手順を示した図である。
【図22】第4の実施例の光学素子の成形装置により、
レンズを成形する手順を示した図である。
【図23】第4の実施例の光学素子の成形装置により、
レンズを成形する手順を示した図である。
【図24】第4の実施例の光学素子の成形装置により、
レンズを成形する手順を示した図である。
【図25】第4の実施例の光学素子の成形装置により、
レンズを成形する手順を示した図である。
【図26】成形条件と食い込み量の関係を示した図であ
る。
【図27】外周成形部材の構造を示した斜視図である。
【図28】外周成形部材の支持装置の構造を示した図で
ある。
【図29】外周成形部材の支持装置の構造を示した図で
ある。
【図30】外周成形部材の支持装置の構造を示した図で
ある。
【図31】外周成形部材の変形例を示した図である。
【図32】成形されたレンズの形状を示した図である。
【図33】レンズをレンズ鏡筒に組み込んだ状態を示し
た図である。
【図34】成形されたレンズの形状を示した図である。
【図35】成形されたレンズの形状を示した図である。
【図36】他の例のレンズを成形する場合の外周成形部
材の配置状態を示した図である。
【図37】他の例のレンズの形状を示した図である。
【図38】レンズをレンズ鏡筒に組み込んだ状態を示し
た図である。
【図39】レンズをレンズ鏡筒に組み込んだ状態を示し
た図である。
【図40】第5の実施例の光学素子の成形装置の構造を
示した図である。
【図41】第5の実施例の光学素子の成形装置の構造を
示した図である。
【図42】第5の実施例の光学素子の成形装置の構造を
示した図である。
【図43】従来例を示した図である。
【図44】従来例を示した図である。
【図45】従来例を示した図である。
【符号の説明】
10,50 成形装置 12,52 成形用型 14,54 胴型 16,56 上型部材 18,58 下型部材 28,68 外周成形部材 30,70 支持装置 40 ガラス素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 伸行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱されたガラス材料を成形用の型部材
    でプレスし、該型部材の光学素子成形面の表面形状を前
    記ガラス材料の表面に転写することにより形成される光
    学素子であって、 前記ガラス材料がプレスされて、前記光学素子の完成形
    状へと変形する際に、前記光学素子の複数の光学機能面
    の内の特定の光学機能面を識別するための識別マークを
    形成したことを特徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】 前記光学素子は前記複数の光学機能面と
    して入射面と出射面とを有し、前記識別マークは前記入
    射面または出射面を示すマークであることを特徴とする
    請求項1に記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 加熱されたガラス材料を成形用の型部材
    でプレスし、該型部材の光学素子成形面の表面形状を前
    記ガラス材料の表面に転写することにより形成される光
    学素子であって、 前記ガラス材料がプレスされて、前記光学素子の完成形
    状へと変形する際に、前記光学素子の複数の光学機能面
    のうちの特定の光学機能面を識別するための識別マーク
    を形成し、前記識別マークは前記光学素子を光学素子保
    持部材に組み込む際の前記保持部材との位置調整に使用
    されることを特徴とする光学素子。
  4. 【請求項4】 レンズ等の光学素子を鏡筒に収納して成
    る光学ユニットであって、 前記光学素子は、加熱されたガラス材料を成形用の型部
    材でプレスし、該型部材の光学素子成形面の表面形状を
    前記ガラス材料の表面に転写することにより形成される
    光学素子であって、前記ガラス材料がプレスされて、前
    記光学素子の完成形状へと変形する際に、前記光学素子
    の複数の光学機能面のうちの特定の光学機能面を識別す
    るための識別マークが形成されており、 前記鏡筒は、前記光学素子の前記識別マークに係合し、
    前記光学素子を位置決めする位置決め部を有することを
    特徴とする光学ユニット。
  5. 【請求項5】 レンズなどの光学素子を成形する光学素
    子の成形方法であって、ガラス材料を、前記光学素子の
    光学機能面を成形する成形転写面を備える上型と下型の
    間に挿入し、少なくとも、前記ガラス材料を成形温度に
    加熱し、前記上型と下型により加熱された前記ガラス材
    料を加圧して前記上型と下型の成形転写面の表面形状を
    転写して光学素子を成形する光学素子の成形方法におい
    て、 形成される光学素子の外周部に係合する係合手段を設
    け、該係合手段を前記上型と下型の間に挿入されたガラ
    ス材料の加圧動作に連動させ、前記上型と下型の閉成動
    作による前記ガラス材料の成形終了に応じて、前記係合
    手段の係合部材を、成形された光学素子と係合状態に保
    つ様にしたことを特徴とする光学素子の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記上型と下型の閉成動作の終了後の型
    開き動作時に、成形した光学素子を前記係合部材によ
    り、一方の型に残して、他方の型から離型する様にした
    ことを特徴とする請求項5に記載の光学素子の成形方
    法。
  7. 【請求項7】 レンズなどの光学素子を成形する光学素
    子の成形方法であって、ガラス材料を、前記光学素子の
    光学機能面を成形する成形転写面を備える上型と下型の
    間に挿入し、少なくとも、前記ガラス材料を成形温度に
    加熱し、前記上型と下型により加熱された前記ガラス材
    料を加圧して前記上型と下型の成形転写面の表面形状を
    転写して光学素子を成形する光学素子の成形方法におい
    て、 形成される光学素子の外周部に係合する係合手段を設
    け、該係合手段を前記上型と下型の間に挿入されたガラ
    ス材料の加圧動作に連動させ、前記上型と下型の閉成動
    作による前記ガラス材料の成形終了に応じて、前記係合
    手段の係合部材により、成形された光学素子の外周部を
    成形する様にしたことを特徴とする光学素子の成形方
    法。
  8. 【請求項8】 前記係合部材により光学素子の外周部に
    成形品識別用マークを形成することを特徴とする請求項
    7に記載の光学素子の成形方法。
  9. 【請求項9】 レンズなどの光学素子を成形する光学素
    子の成形方法であって、ガラス材料を、前記光学素子の
    光学機能面を成形する成形転写面を備える上型と下型の
    間に挿入し、少なくとも、前記ガラス材料を成形温度に
    加熱し、前記上型と下型により加熱された前記ガラス材
    料を加圧して前記上型と下型の成形転写面の表面形状を
    転写して光学素子を成形する光学素子の成形方法におい
    て、 前記上型と下型の間に挿入されたガラス材料に係合する
    係合手段を設け、 前記上型と下型の閉成動作に先立って、または、前記閉
    成動作に連動して前記係合手段を前記ガラス材料に接触
    させて、該ガラス材料を前記上型と下型の所定位置に保
    持させた後に、前記上型と下型によりガラス材料を形状
    変化させて光学素子を成形する様にしたことを特徴とす
    る光学素子の成形方法。
  10. 【請求項10】 ガラス材料を、光学素子の光学機能面
    を成形する成形転写面を備える上型と下型の間に挿入
    し、少なくとも、前記ガラス材料を成形温度に加熱し、
    前記上型と下型により加熱された前記ガラス材料を加圧
    して前記上型と下型の成形転写面の表面形状を転写して
    光学素子を成形するための光学素子の成形装置におい
    て、 形成される光学素子の外周部に係合する係合手段と、 前記係合手段を、前記上型と下型の間に挿入したガラス
    材料の加圧動作に連動させ、前記上型と下型の閉成動作
    による前記ガラス材料の変形に応じて前記係合手段を駆
    動する駆動手段とを備えることを特徴とする光学素子の
    成形装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動手段は不活性ガスにより動作
    されることを特徴とする請求項10に記載の光学素子の
    成形装置。
  12. 【請求項12】 加熱されることにより軟化状態となっ
    ているガラス素材をプレスして該ガラス素材の表面に所
    定の形状を転写するための成形面を有する上下一対の型
    部材を複数対備える光学素子の成形装置において、 前記複数対の上下型部材の夫々に対応して設けられ、前
    記上下型部材のうちの下側の型部材の側面に当接する位
    置決め面と、該位置決め面が前記下側の型部材の側面に
    当接した状態において略水平方向に沿って前記成形面上
    に所定量突出する外周成形部とを有する複数の外周成形
    部材と、 該複数の外周成形部材を一括して保持する保持部材と、 該保持部材を前記成形面の中心軸の放射方向に沿って進
    退させるための駆動手段と、 前記複数の外周成形部材を前記保持部材に対して夫々独
    立した状態で弾性的に支持すると共に、前記外周成形部
    材を前記位置決め面が前記下側の型部材の側面に当接す
    る方向に付勢するための複数の弾性支持手段とを具備す
    ることを特徴とする光学素子の成形装置。
  13. 【請求項13】 前記位置決め面を前記下側の型部材の
    側面に当接させる方向に付勢する前記弾性支持手段の付
    勢力は、前記ガラス素材がプレスされて前記成形面上に
    押し広げられる過程において、前記外周成形部材の前記
    外周成形部が、前記ガラス素材の粘性とバランスしなが
    ら、該ガラス素材の外周部に最適量だけ食い込む程度の
    値に設定されていることを特徴とする請求項12に記載
    の光学素子の成形装置。
  14. 【請求項14】 前記ガラス素材の外周部に前記外周成
    形部が食い込んだ状態で、前記上下の型部材のうちの上
    側の型部材を成形が完了した前記ガラス素材から引き離
    すことにより、前記ガラス素材が前記下側の型部材上に
    残る様にしたことを特徴とする請求項13に記載の光学
    素子の成形装置。
  15. 【請求項15】 前記外周成形部材は、垂直面内及び水
    平面内で平行移動及び回転移動が許容される様に前記弾
    性支持手段により前記保持部材に対して支持されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の光学素子の成形装
    置。
  16. 【請求項16】 前記ガラス素材は、光学素子の完成形
    状に近い形状あるいは平板状に形成されており、該ガラ
    ス素材は、その中心軸が前記成形面の中心軸と略一致す
    る様に、前記外周成形部材と該外周成形部材に対向して
    配置された固定位置決め部材とにより位置決めされるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の光学素子の成形装
    置。
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