JPH0680051B2 - ガス状反応混合物から無水マレイン酸を連続的に分離する方法 - Google Patents

ガス状反応混合物から無水マレイン酸を連続的に分離する方法

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JPH0680051B2
JPH0680051B2 JP61132918A JP13291886A JPH0680051B2 JP H0680051 B2 JPH0680051 B2 JP H0680051B2 JP 61132918 A JP61132918 A JP 61132918A JP 13291886 A JP13291886 A JP 13291886A JP H0680051 B2 JPH0680051 B2 JP H0680051B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、無水マレイン酸を含有するガス状反応混合物
から、アルコール及びジカルボン酸ジエステルにより無
水マレイン酸を連続的に分離する方法に関する。
西独特許出願公開2543673号明細書によれば、まず無水
マレイン酸を1〜6個の炭素原子を有する脂肪族1価ア
ルコールを用いてエステル化し、得られたマレイン酸ジ
アルキルエステルを第二工程で接触水素化することによ
り、無水マレイン酸から1,4−ブタンジオールを製造し
うることが知られている。西独特許2845905号明細書に
記載の方法によれば、無水マレイン酸とアルコールの混
合物を、無水マレイン酸を完全にエステル化することを
省略して、直接に接触水素化することにより、1工程で
1,4−ブタンジオールの製造が行われる。
西独特許出願公開3106819号明細書には、無水マレイン
酸をガス状反応混合物から、1,4−ブタンジオールで洗
浄することにより分離する方法が記載されている。この
場合得られる混合物は水素化して1,4−ブタンジオール
にする。溶剤を分離する必要はないが、無水マレイン酸
又は単量体の無水マレイン酸後続生成物を吸着液中に高
濃度で得ることはできず、ブタンジオールと無水マレイ
ン酸からの希望しないオリゴマー及び多量体の生成を避
けることもできない。しかしそのいずれも希望される。
なぜならば高い空時収量は高い吸収物中の濃度によつて
のみ得られ、そしてオリゴマー及び多量体は後の水素化
において触媒に悪影響を与えるからである。
ブタンジオールの製造に適するアルコール及び無水マレ
イン酸からの混合物を製造しようとすると、廃ガス中の
アルカノールの高含量によつて著しい工業上の困難が生
じ、経済的に支持される費用においてアルコール洗浄を
実施することができない。したがつて反応ガスから溶剤
を用いて無水マレイン酸を洗出する方法であつて、1,4
−ブタンジオールを得るために水素化できる液状混合物
が、できるだけ経済的に有利な手段で得られる方法を、
開発することが課題となつていた。
本発明はこの課題を解決するもので、炭化水素の接触酸
化において得られた無水マレイン酸を含有するガス状反
応混合物を、1〜3個又は5〜8個の炭素原子を有する
1価脂肪アルコールと接触させ、その際得られるガス状
物質を向流でジカルボン酸ジエステルと接触させ、そし
て液状生成物を塔底から取り出すことを特徴とする、前
記反応混合物から無水マレイン酸を連続的に分離する方
法である。
本発明の方法によれば、無水マレイン酸を含有するガス
状反応混合物を、無水マレイン酸を吸収するためアルコ
ールと接触させる。好ましい実施態様においては、反応
ガスの供給は、液状アルコールの表面下に例えば浸漬管
によつて行われる。しかし反応混合物を吸収塔の下部か
ら直接に導入することもでき、そこへ液状アルコールを
向流で導通する。無水マレイン酸の吸収を、1個の塔で
又は多数の順次連結された塔で行う操作法が優れてい
る。反応混合物をガス状アルコールと接触させることも
できる。
無水マレイン酸を含有する反応混合物は、例えば炭化水
素例えばブテン、ブタン又はベンゾールの既知の接触酸
化法により得られる。この既知の酸化法においては、1N
m3につき40gまでの無水マレイン酸を含有する250〜600
℃の温度を有するガス状反応混合物を、反応器から流出
させる。ガス状反応混合物は未反応の炭化水素のほか、
水、一般化炭素及び二酸化炭素を含有する。
塔としては例えば吸収塔、例えば泡鐘塔、充填体塔及び
棚段数が1〜50好ましくは5〜20の多孔板塔が適する。
無水マレイン酸を含有するガス状反応混合物を塔底に、
アルコールを塔の下部好ましくは塔底の上部に、そして
ジカルボン酸ジエステルを塔頂から導入して操作するこ
とが好ましい。温度は塔底で0〜280℃、塔内で−20〜1
50℃、そして塔頂で−20〜130℃である。
1〜3個又は5〜8個の炭素原子を有する1価脂肪族ア
ルコールとしては、対応するアルカノール例えばメタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘ
キサノール又は2−エチルヘキサノールが用いられる。
ジカルボン酸ジエステルとしては、好ましくはC4−ジカ
ルボン酸のジエステル、例えば一方ではこはく酸、フマ
ル酸又はマレイン酸から、そして他方では使用アルコー
ルから成るジエステルが用いられる。ガス状の出発混合
物中の無水マレイン酸1モルに対し、0.2〜10モルのブ
タノール及び0.2〜20モルのマレイン酸ジブチルエステ
ルが用いられる。塔中で無水マレイン酸の連続的分離を
行う好ましい操作法によれば、ガス混合物及びアルコー
ルを、前記のように塔底又は塔の下部に導入する。塔の
下部とは、塔底の上の部分から第2ないし第5棚段まで
の部分を意味する。
アルコール導入部の上部、すなわち第2ないし第5棚段
の上部で、場合により生ずる主として水から成る第二液
相を塔から排出する。塔の中部で水相のための取出部の
上部の第5棚段までの範囲で、液状混合物を排出し、こ
れから別の蒸留装置例えば蒸留塔で、ジカルボン酸ジエ
ステルより易揮発性の部分を蒸留分別し、そして塔の下
部に再供給する。この別の蒸留において塔底生成物とし
て得られるジカルボン酸ジエステルを、吸収塔の頂部か
ら供給する。この場合は最下段の温度が0〜150℃好ま
しくは25〜100℃、塔の中部の温度が−20〜150℃好まし
くは0〜65℃、そして塔頂の温度が−20〜130℃好まし
くは0〜40℃となるように塔を運転する。
本発明の吸収の条件下で、無水マレイン酸は塔中で主と
してマレイン酸のモノ−及びジアルキルエステルにな
る。無水マレイン酸のガス状随伴物質は塔頂から排出さ
れるが、場合によつては水の一部を側方排出口により塔
から取り出す。塔底から取り出される液状の生成物は、
例えば次の組成を有する。アルコール0.01〜93重量%、
マレイン酸モノアルキルエステル0.7〜79重量%、マレ
イン酸ジアルキルエステル0.5〜95重量%、無水マレイ
ン酸、マレイン酸及びフマル酸50重量%以下。マレイン
酸ジアルキルエステルは普通は多量の異性体フマル酸ジ
アルキルエステルを含有する。液状混合物は1,4−ブタ
ンジオールを得るための水素化にきわめて好適である。
このためにはエステル化を完全にするために、液状混合
物を例えば100〜250℃に加熱することが推奨され、その
際反応水を過剰のアルコールと共に追い出して、本発明
の方法に必要なアルコールを回収する。次いでマレイン
酸ジアルキルエステルを既知方法により水素化して1,4
−ブタンジオールにする。
新規方法は、無水マレイン酸を反応ガスから定量的に、
かつ吸収剤の損失をほとんど避けて、マレイン酸の半エ
ステル及びジエステルを高濃度で含有し、そして水素化
して1,4−ブタンジオールを得るに好適な液状混合物に
することを可能にする。意外にも本発明の操作法におい
ては、マレイン酸及び/又はフマル酸の結晶の妨げにな
る析出が起こらない。
以下の実施例及び比較例においては図面が参照される。
実施例1 無水マレイン酸及び水蒸気と充填した容器に、200N/
時(1時間当りの標準)の窒素気流を、それが無水マ
レイン酸0.5容量%(4.5g/時)及び水5容量%を含有す
るように装入する。こうして製造されたガス流は、無水
マレイン酸を製造するためのブタン、ブテン又はベンゾ
ールの既知の酸化法において得られるガス状反応混合物
と組成がほぼ一致する。
このガス混合物(1)を、実験開始時に、n−アミルア
ルコール0.5を装填したフラスコ(2)に、60℃で液
面下に導入する。フラスコは供給管(3)を備えてい
る。排出管(4)から一様の間隔で液状反応混合物を取
出して、フラスコ中の液面の高さを一定に保つ。フラス
コの上には、3個の泡鐘段と試料取出し口(6)を備え
た一組の泡鐘塔が設けられている。塔のこの部分の温度
は50℃に保たれる。供給管(3)から10ml/時のアミル
アルコールをフラスコ(2)に導入する。塔の部分
(5)の上に、排出口(8)を備えた25℃に保たれる相
分離器(7)が存在し、これによつて生成するより高い
比重を有する第二の液相(水相)をできるだけ塔から排
出することができる。相分離器の上に、さらに合計18個
の泡鐘段(9)から成る部分が存在し、これは25℃に保
たれる。
相分離器(7)より上の3個の棚段には取出し口(10)
が設けられ、これによりその上方に存在する塔部からの
液状吸収物が排出されて、蒸留装置に送られる。塔頂か
らは20ml/時のこはく酸ジアミルエステル(11)が供給
され、同時に塔頂からガス流(12)が排出される。
5日の実験期間後に定常状態となり、次の結果が得られ
る。
ガス状で供給された無水マレイン酸(4.5g/時)は、装
置の下部に集められた液状混合物中にほとんどがエステ
ルの形で見出される。フラスコ排出物(4)のガスクロ
マトグラフ分析及び高速液体クロマトグラフ分析による
と、下記の組成が検出される。n−アミルアルコール1
3.5重量%、マレイン酸モノアミルエステル61重量%、
マレイン酸ジアミルエステル18重量%、ならびに無水マ
レイン酸、マレイン酸及びフマル酸7重量%。取出し口
(6)では無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸も
半エステルも検出されない。相分離器(7)で6〜9g/
時の水相が排出され、これは6〜7重量%のn−アミル
アルコールを含有する。取出し口(10)から得られる液
状吸収物は、n−アミルアルコール6.1重量%及びこは
く酸ジアミルエステル94重量%を含有する。アミルアル
コール濃度は塔の上部へ行くにしたがつて低下するの
で、廃ガス(12)と共に3.0g/時の水及び0.01g/時以下
のこはく酸ジアミルエステルのほかに、0.01g/時以下の
n−アミルアルコールが運び出されるにすぎない。
実施例2 実施例1と同様に操作し、ただし無水マレイン酸のため
の吸収剤としてn−アミルアルコールの代わりにメタノ
ールを、そして廃ガス洗浄のためこはく酸ジアミルエス
テルの代わりにマレイン酸ジメチルエステルを使用す
る。実施例1と同様に実験開始時にフラスコ(2)にア
ルコール500mlを装填し、供給管(3)から10ml/時のメ
タノールを供給し、塔頂から20ml/時のマレイン酸ジメ
チルエステル(11)を添加する。
相分離器(7)の上方の頂部分を20℃に保つ。5日の実
験期間後に定常状態に達し、次の結果が得られる。ガス
状で供給された無水マレイン酸(4.5g/時)は、装置の
下部に集められた液状混合物中にほとんどがエステルの
形で見出される。フラスコ排出物(4)のガスクロマト
グラフ分析及び高速液体クロマトグラフ分析によると、
下記の組成が検出される。メタノール5.9重量%、マレ
イン酸モノメチルエステル69重量%、マレイン酸ジメチ
ルエステル1.1重量%及び無水マレイン酸22重量%。
取出し口(6)では、無水マレイン酸、マレイン酸及び
フマル酸も半エステルも検出されない。相分離器(7)
では水相は得られない。
実施例3 実施例1と同様に操作、ただし無水マレイン酸のための
吸収剤としてn−アミルアルコールの代わりにエタノー
ルを、そして廃ガス洗浄のためこはく酸ジアミルエステ
ルの代りにフマル酸ジエチルエステルを使用する。実施
例1と同様に実験開始時フラスコ(2)にアルコール50
0mlを装填し、供給管(3)から10ml/時のエタノールを
供給し、塔頂から20ml/時のフマル酸ジエチルエステル
(11)を添加する。
相分離器(7)の上方の塔部分を20℃に保つ。5日の実
験期間後に定常状態に達し、次の結果が得られる。ガス
状で供給された無水マレイン酸(4.5g/時)は、装置の
下部に集められた液状混合物中にほとんどがエステルの
形で見出される。フラスコ排出物のガスクロマトグラフ
分析及び高速液体クロマトグラフ分析によると、下記の
組成が検出される。エタノール2.5重量%、マレイン酸
モノエチルエステル79重量%、マレイン酸ジエチルエス
テル17.1重量%及び0.1重量%以下の無水マレイン酸。
取出し口(6)では、無水マレイン酸、マレイン酸及び
フマル酸も半エステルも検出されない。相分離器(7)
では水相は得られない。
比較例 実施例1と同様に操作し、ただしアルコール(3)の供
給を省略し、塔頂に供給されたジエステル(11)を塔の
上部の取出し口(10)からでなく、フラスコ(2)の排
出管(4)から取り出した。
1日でマレイン酸が塔内に結晶析出するので、吸収を中
止せねばならなかつた。実験中にジエステルの添加量を
100ml/時に増加すると、妨げとなる結晶生成は避けられ
たが、この場合に得られた液状の目的生成物は、1,4−
ブタンジオールを製造するための水素化の前に、さらに
濃化する処理が必要であつた。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施に用いられる装置の1例を示す縦断
面図であつて、2はフラスコ、1はガス状混合物の供給
管、3はアルコールの供給管、4は生成物の排出管、7
は相分離器、9は泡鐘段、11はジカルボン酸ジエステル
の供給口、12はガス排出口である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素の接触酸化において得られた無水
    マレイン酸を含有するガス状反応混合物を、1〜3個又
    は5〜8個の炭素原子を有する1価脂肪族アルコールと
    接触させ、その際得られるガス状物質を向流でジカルボ
    ン酸ジエステルと接触させ、そして液状生成物を塔底か
    ら取り出すことを特徴とする、前記反応混合物から無水
    マレイン酸を連続的に分離する方法。
  2. 【請求項2】無水マレイン酸1モルに対し、アルコール
    0.2〜10モル及びジカルボン酸ジエステル0.2〜20モルを
    使用することを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】無水マレイン酸を含有するガス状反応混合
    物及びアルコールを塔の下部に導入し、水をこの導入部
    の上部で塔から排出し、ジカルボン酸ジエステルを塔の
    頂部から供給し、そして液状生成物を塔底から取り出す
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】無水マレイン酸を含有するガス状反応混合
    物及びアルコールを塔の下部に導入し、塔の中部から液
    状混合物を取り出し、この混合物からジカルボン酸ジエ
    ステルより沸騰し易い部分を蒸留分別して塔の下部に導
    入し、この蒸留において塔底生成物として得られるジカ
    ルボン酸ジエステルを塔の頂部から供給することを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】ジカルボン酸ジエステルとして、C4−ジカ
    ルボン酸のジエステルを使用することを特徴とする、特
    許請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】ジカルボン酸ジエステルとして、こはく
    酸、フマル酸又はマレイン酸と使用するアルコールから
    のエステルを使用することを特徴とする、特許請求の範
    囲第1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】アルコールとしてメタノール、エタノー
    ル、プロパノール、イソプロパノール、n−アミルアル
    コール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノール又は
    2−エチルヘキサノールを使用することを特徴とする、
    特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】アルコールとしてn−又はイソアミルアル
    コールを使用することを特徴とする、特許請求の範囲第
    1項に記載の方法。
JP61132918A 1985-06-19 1986-06-10 ガス状反応混合物から無水マレイン酸を連続的に分離する方法 Expired - Lifetime JPH0680051B2 (ja)

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Publication Number Publication Date
JPS61291580A JPS61291580A (ja) 1986-12-22
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EP0212121A2 (de) 1987-03-04
DE3677427D1 (de) 1991-03-14
EP0212121B1 (de) 1991-02-06
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