JPH0679616B2 - 架橋化医用品 - Google Patents
架橋化医用品Info
- Publication number
- JPH0679616B2 JPH0679616B2 JP60163028A JP16302885A JPH0679616B2 JP H0679616 B2 JPH0679616 B2 JP H0679616B2 JP 60163028 A JP60163028 A JP 60163028A JP 16302885 A JP16302885 A JP 16302885A JP H0679616 B2 JPH0679616 B2 JP H0679616B2
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- crosslinked
- medical device
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はコラーゲン又はゼラチンからなる医用材料をポ
リエポキシ化合物で処理して得た生体適合性の優れた架
橋化医用品に関する。
リエポキシ化合物で処理して得た生体適合性の優れた架
橋化医用品に関する。
(従来の技術) コラーゲンは動物の結合組織を形成する主要な糖タンパ
ク質であり、それの熱変性したゼラチンと共に医用材料
としての応用が近年盛んに研究されている。殊にコラー
ゲン又はゼラチンは生体適合性にすぐれているため生体
内に埋入して使用する医用品の材料として多く使用され
ているが、コラーゲン又はゼラチンを用いて成形した医
用品は強度や柔軟性の点で問題があり、そのため物理的
強度を向上したり、また生体内での分解速度を調整する
ために架橋処理が行なわれているが架橋剤としてはグル
タルアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類
やヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシ
アナートなどのジイソシアネート類が用いられるが、グ
ルタルアルデヒドが最も多く使用されている。しかしな
がらグルタルアルデヒドで処理したものは柔軟性に乏し
く、材料が茶褐色に変色するなどの物理的問題があり、
更にグルタルアルデヒド同志が重合する性質があり生体
内に埋入した場合、重合していたものが徐々に解重合を
生じ長期間にわたる細胞毒性が生体に悪影響を与える。
したがってこのような多くの問題をもつグルタルアルデ
ヒドに代る架橋剤が強く求められて来た。
ク質であり、それの熱変性したゼラチンと共に医用材料
としての応用が近年盛んに研究されている。殊にコラー
ゲン又はゼラチンは生体適合性にすぐれているため生体
内に埋入して使用する医用品の材料として多く使用され
ているが、コラーゲン又はゼラチンを用いて成形した医
用品は強度や柔軟性の点で問題があり、そのため物理的
強度を向上したり、また生体内での分解速度を調整する
ために架橋処理が行なわれているが架橋剤としてはグル
タルアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類
やヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシ
アナートなどのジイソシアネート類が用いられるが、グ
ルタルアルデヒドが最も多く使用されている。しかしな
がらグルタルアルデヒドで処理したものは柔軟性に乏し
く、材料が茶褐色に変色するなどの物理的問題があり、
更にグルタルアルデヒド同志が重合する性質があり生体
内に埋入した場合、重合していたものが徐々に解重合を
生じ長期間にわたる細胞毒性が生体に悪影響を与える。
したがってこのような多くの問題をもつグルタルアルデ
ヒドに代る架橋剤が強く求められて来た。
(発明が解決しようとする問題点) 現在コラーゲンの架橋剤としてはグルタルアルデヒドが
最も多く使用されているが上述のような種々の欠点を有
するため本発明者らはこれに代る架橋剤について種々検
討した結果、ポリエポキシ化合物がコラーゲンの架橋剤
として優れていることを見出し本発明を完成するに至っ
たのである。
最も多く使用されているが上述のような種々の欠点を有
するため本発明者らはこれに代る架橋剤について種々検
討した結果、ポリエポキシ化合物がコラーゲンの架橋剤
として優れていることを見出し本発明を完成するに至っ
たのである。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明はポリエポキシ化合物で架橋したこと
を特徴とするコラーゲン又はゼラチンを構成成分とする
医用品であって、本発明の医用品とは人工血管、創傷被
覆材、人工皮膚、止血材、人工尿管、癒着防止膜などの
治療剤のみならず、細胞培養用の基質や細胞組み込み型
の人工臓器などの医療に関する物品を指す総称である。
そして、本発明においてコラーゲン又はゼラチンを構成
成分とする架橋化医用品とはこれら医用品の主要構成成
分であるコラーゲン又はゼラチン同志の架橋の他にコラ
ーゲン又はゼラチンと他の生体成分例えばムコ多糖など
によって構成されている医用品の架橋やコラーゲン又は
ゼラチンと合成高分子材料とによって構成されている医
用品の架橋をも言うのであって、特にアミノ基、ヒドロ
キシル基、カルボキシル基等のエポキシ基と反応する基
を有する合成高分子材料にポリエポキシ化合物によって
コラーゲン又はゼラチンを架橋固定化するのに有利であ
る。しかして、本発明の医用品はコラーゲン又はゼラチ
ンを主要構成成分とする医用材料より得た医用品をポリ
エポキシ化合物の溶液に浸漬したり、或はコラーゲン又
はゼラチンを精製して得た可溶性コラーゲン又はゼラチ
ンの溶液にポリエポキシ化合物を添加後、成型加工した
りして医用品を架橋することができる。本発明で使用す
るポリエポキシ化合物とはグリコールのジグリシジルエ
ーテル、ポリオールのポリグリシジルエーテル、ジカル
ボン酸のジグリシジルエーテル等で特にポリエチレング
リコールジグリシジルエーテルは材料に親水性を与える
特徴を有し、コラーゲンの架橋剤として最適である。ま
た本発明の医用品の構成成分であるコラーゲン又はゼラ
チンとはコラゲナーゼ以外のタンパク質分解酵素によっ
てテロペプチドを除去したアテロコラーゲンや皮膚や腱
から精製したコラーゲン又はこれらを変性して得たゼラ
チン、或はコラーゲンやゼラチンを化学修飾した例えば
アシル化コラーゲン、アシル化ゼラチン、メチル化コラ
ーゲン、メチル化ゼラチン、サクシニル化コラーゲン、
サクシニル化ゼラチン等である。
を特徴とするコラーゲン又はゼラチンを構成成分とする
医用品であって、本発明の医用品とは人工血管、創傷被
覆材、人工皮膚、止血材、人工尿管、癒着防止膜などの
治療剤のみならず、細胞培養用の基質や細胞組み込み型
の人工臓器などの医療に関する物品を指す総称である。
そして、本発明においてコラーゲン又はゼラチンを構成
成分とする架橋化医用品とはこれら医用品の主要構成成
分であるコラーゲン又はゼラチン同志の架橋の他にコラ
ーゲン又はゼラチンと他の生体成分例えばムコ多糖など
によって構成されている医用品の架橋やコラーゲン又は
ゼラチンと合成高分子材料とによって構成されている医
用品の架橋をも言うのであって、特にアミノ基、ヒドロ
キシル基、カルボキシル基等のエポキシ基と反応する基
を有する合成高分子材料にポリエポキシ化合物によって
コラーゲン又はゼラチンを架橋固定化するのに有利であ
る。しかして、本発明の医用品はコラーゲン又はゼラチ
ンを主要構成成分とする医用材料より得た医用品をポリ
エポキシ化合物の溶液に浸漬したり、或はコラーゲン又
はゼラチンを精製して得た可溶性コラーゲン又はゼラチ
ンの溶液にポリエポキシ化合物を添加後、成型加工した
りして医用品を架橋することができる。本発明で使用す
るポリエポキシ化合物とはグリコールのジグリシジルエ
ーテル、ポリオールのポリグリシジルエーテル、ジカル
ボン酸のジグリシジルエーテル等で特にポリエチレング
リコールジグリシジルエーテルは材料に親水性を与える
特徴を有し、コラーゲンの架橋剤として最適である。ま
た本発明の医用品の構成成分であるコラーゲン又はゼラ
チンとはコラゲナーゼ以外のタンパク質分解酵素によっ
てテロペプチドを除去したアテロコラーゲンや皮膚や腱
から精製したコラーゲン又はこれらを変性して得たゼラ
チン、或はコラーゲンやゼラチンを化学修飾した例えば
アシル化コラーゲン、アシル化ゼラチン、メチル化コラ
ーゲン、メチル化ゼラチン、サクシニル化コラーゲン、
サクシニル化ゼラチン等である。
本発明の架橋化医用品の製造方法はコラーゲン又はゼラ
チンを構成成分とする医用品をポリエポキシ化合物の溶
液中に浸漬して架橋化を行うのである。しかしてポリエ
ポキシ化合物の溶媒としてはポリエポキシ化合物の一部
又は全部を溶解するものならいかなるものでもよく、例
えば、水、n−ブチルアルコール、メタノール、エタノ
ール、n−酪酸、iso−酪酸等が使用できるが、特に水
又は、エタノールを使用することが好ましい。浸漬時の
温度はコラーゲンの変性温度以下で行うのが好ましく、
通常35℃以下が好ましく、浸漬時間としては通常1時間
ないし10時間である。また使用するポリエポキシ化合物
溶液の濃度としては0.01〜20重量%である。
チンを構成成分とする医用品をポリエポキシ化合物の溶
液中に浸漬して架橋化を行うのである。しかしてポリエ
ポキシ化合物の溶媒としてはポリエポキシ化合物の一部
又は全部を溶解するものならいかなるものでもよく、例
えば、水、n−ブチルアルコール、メタノール、エタノ
ール、n−酪酸、iso−酪酸等が使用できるが、特に水
又は、エタノールを使用することが好ましい。浸漬時の
温度はコラーゲンの変性温度以下で行うのが好ましく、
通常35℃以下が好ましく、浸漬時間としては通常1時間
ないし10時間である。また使用するポリエポキシ化合物
溶液の濃度としては0.01〜20重量%である。
本発明の他の架橋化医用品の製造方法はコラーゲン又は
ゼラチンを充分精製して得た可溶性コラーゲン又は可溶
性ゼラチンの溶液にポリエポキシ化合物を添加きて得た
溶液を成型加工した後乾燥して架橋化医用品を製造する
方法であって、コラーゲン又はゼラチンの溶媒としては
水、希酸、中性塩水溶液等であり、また所望によりムコ
多糖であるヒアルロン酸等を添加する。ポリエポキシ化
合物の添加量としてはコラーゲン又はゼラチンに対して
0.01〜10重量%である。このようにして得た溶液を流
延、流し込み、浸漬、等の成型手段によって所望の医用
品を成形する。かくして得られた成型品を風乾、又はコ
ラーゲン或はゼラチンの変性温度以下の低温度で加熱乾
燥することによって医用品を製造することができる。
ゼラチンを充分精製して得た可溶性コラーゲン又は可溶
性ゼラチンの溶液にポリエポキシ化合物を添加きて得た
溶液を成型加工した後乾燥して架橋化医用品を製造する
方法であって、コラーゲン又はゼラチンの溶媒としては
水、希酸、中性塩水溶液等であり、また所望によりムコ
多糖であるヒアルロン酸等を添加する。ポリエポキシ化
合物の添加量としてはコラーゲン又はゼラチンに対して
0.01〜10重量%である。このようにして得た溶液を流
延、流し込み、浸漬、等の成型手段によって所望の医用
品を成形する。かくして得られた成型品を風乾、又はコ
ラーゲン或はゼラチンの変性温度以下の低温度で加熱乾
燥することによって医用品を製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが本
発明はこれらの例に限定されるものではない。
発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例−1) 犬から採取した内径6mm長さ10cmの新鮮な尿管を0.01%
フイシンに24時間浸漬しコラーゲン以外のタンパク質を
除去し、その後良く洗浄した。ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業製EX−861)10g
とNaCl10gを0.1NNaOH溶液80gに溶解し、この溶液に尿管
を浸漬し、30℃で10時間反応させた。この後良く水洗
し、70%エタノールに保存することにより本発明の架橋
化医用材料である人工血管を得た。この人工血管を犬の
大動脈に移植したところ組織とのなじみが良く、1週間
以内に内皮細胞におおわれ、順調な治癒を示した。
フイシンに24時間浸漬しコラーゲン以外のタンパク質を
除去し、その後良く洗浄した。ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業製EX−861)10g
とNaCl10gを0.1NNaOH溶液80gに溶解し、この溶液に尿管
を浸漬し、30℃で10時間反応させた。この後良く水洗
し、70%エタノールに保存することにより本発明の架橋
化医用材料である人工血管を得た。この人工血管を犬の
大動脈に移植したところ組織とのなじみが良く、1週間
以内に内皮細胞におおわれ、順調な治癒を示した。
(実施例−2) 牛の真皮からペプシンで抽出したテロペプチドをもたな
い可溶化コラーゲンであるアテロコラーゲンのε−NH2
基を無水コハク酸で化学修飾したサクシニル化アテロコ
ラーゲン(高研製アテロコラーゲンSS)2gを100mlの水
(pH7.4)に溶解した。この溶液に0.1gのグリセロール
を添加混合した。ポリエステル繊維で編んだ人工血管
(内径6mm長さ20cm)の内腔にサクシニル化アテロコラ
ーゲンの溶液を注入し、100mmHgの圧をかけた後溶液を
とり除き風乾した。この操作を10回繰り返し、チューブ
に内腔にコラーゲン層を形成させた。ポリエチレングリ
コールジグリンジルエーテル10g(ナガセ化成工業製EX
−810)を水90gに溶解し1NHClでpHを2.0に調整した。こ
の溶液にチューブを浸漬し、30℃で1時間反応させ、こ
の後良く水洗し、70%エタノールに保存した。このチュ
ーブは、コラーゲン誘導体と合成高分子からなる本発明
の架橋化医用材料であり、人工血管として利用できる。
この人工血管を犬の大動脈に移植したところ血栓は形成
されず順調な治癒を示した。
い可溶化コラーゲンであるアテロコラーゲンのε−NH2
基を無水コハク酸で化学修飾したサクシニル化アテロコ
ラーゲン(高研製アテロコラーゲンSS)2gを100mlの水
(pH7.4)に溶解した。この溶液に0.1gのグリセロール
を添加混合した。ポリエステル繊維で編んだ人工血管
(内径6mm長さ20cm)の内腔にサクシニル化アテロコラ
ーゲンの溶液を注入し、100mmHgの圧をかけた後溶液を
とり除き風乾した。この操作を10回繰り返し、チューブ
に内腔にコラーゲン層を形成させた。ポリエチレングリ
コールジグリンジルエーテル10g(ナガセ化成工業製EX
−810)を水90gに溶解し1NHClでpHを2.0に調整した。こ
の溶液にチューブを浸漬し、30℃で1時間反応させ、こ
の後良く水洗し、70%エタノールに保存した。このチュ
ーブは、コラーゲン誘導体と合成高分子からなる本発明
の架橋化医用材料であり、人工血管として利用できる。
この人工血管を犬の大動脈に移植したところ血栓は形成
されず順調な治癒を示した。
(実施例−3) アテロコラーゲン2g(高研製)に100mlの水を加え、1NH
ClでpH3に調整し良く溶解した。この溶液に、ムコ多糖
であるヒアルロン酸10mgをコンドロイチン硫酸100mgを
加え良く溶解した。このコラーゲン−ムコ多糖混合溶液
にポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガ
セ化成工業製EX−861)0.38gを加え良く溶解し、10×10
×1cmのアルミ製容器に流し込み凍結乾燥しスポンジを
作った。ソルビトールジグリシジルエーテル(ナガセ化
成工業製EX−614B)20gとNaCl20gと水160gに溶解しこの
溶液にスポンジを浸漬し、30℃で24時間反応させた。そ
の後良く水洗し再び凍結乾燥し、1mmの厚さにスライス
した。このスポンジにラットの線維芽細胞を播種し、3
日間培養した後、スポンジの上にラットの表皮細胞を播
種し、その直後にラット皮膚完全欠損部に移植したとこ
ろ、良く生着し、表皮が再成した。このスポンジは本発
明の架橋化医用材料である細胞組み込み型人工臓器の一
種である。
ClでpH3に調整し良く溶解した。この溶液に、ムコ多糖
であるヒアルロン酸10mgをコンドロイチン硫酸100mgを
加え良く溶解した。このコラーゲン−ムコ多糖混合溶液
にポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガ
セ化成工業製EX−861)0.38gを加え良く溶解し、10×10
×1cmのアルミ製容器に流し込み凍結乾燥しスポンジを
作った。ソルビトールジグリシジルエーテル(ナガセ化
成工業製EX−614B)20gとNaCl20gと水160gに溶解しこの
溶液にスポンジを浸漬し、30℃で24時間反応させた。そ
の後良く水洗し再び凍結乾燥し、1mmの厚さにスライス
した。このスポンジにラットの線維芽細胞を播種し、3
日間培養した後、スポンジの上にラットの表皮細胞を播
種し、その直後にラット皮膚完全欠損部に移植したとこ
ろ、良く生着し、表皮が再成した。このスポンジは本発
明の架橋化医用材料である細胞組み込み型人工臓器の一
種である。
(実施例−4) アテロコラーゲン0.3g(高研製)に100mlの水を加え、1
NHClでpH3に調整し良く溶解した。この溶液1mlを内径10
cmのプラスチックシャーレ(ファルコン製)に流し込み
良く風乾した。更にこの容器の上から実施例1で使用し
たポリエチレングリコールジグリシジルエーテル−10%
NaCl溶液を10ml流し込み30℃で24時間反応させた。この
後良く水洗し風乾することにより、本発明の架橋化医用
材料である細胞培養用基質を得た。この容器の上にヒト
の線維芽細胞を培養したところ細胞との親和性が良く増
殖率も優れていた。
NHClでpH3に調整し良く溶解した。この溶液1mlを内径10
cmのプラスチックシャーレ(ファルコン製)に流し込み
良く風乾した。更にこの容器の上から実施例1で使用し
たポリエチレングリコールジグリシジルエーテル−10%
NaCl溶液を10ml流し込み30℃で24時間反応させた。この
後良く水洗し風乾することにより、本発明の架橋化医用
材料である細胞培養用基質を得た。この容器の上にヒト
の線維芽細胞を培養したところ細胞との親和性が良く増
殖率も優れていた。
(実施例−5) ゼラチン10gを100mlの水で90℃に加熱して溶解した。こ
の溶液を多孔質ポリテトラフルオロエチレン製のチュー
ブ(内径6cm長さ20cm)に注入し、100mmHgの空気圧をか
け(90℃)その後、余分な液を捨てた。次にポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル(グリコールの重合
度22のものナガセ化成)10%濃度(pH13)を注入し、80
℃で2時間反応させた。水で良く水洗し、5%グリセリ
ン溶液に1時間浸漬後、風乾した。以上により本発明の
人工血管を得た。この人工血管を犬の胸部大動脈に移植
したところ順調な治癒を示した。
の溶液を多孔質ポリテトラフルオロエチレン製のチュー
ブ(内径6cm長さ20cm)に注入し、100mmHgの空気圧をか
け(90℃)その後、余分な液を捨てた。次にポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル(グリコールの重合
度22のものナガセ化成)10%濃度(pH13)を注入し、80
℃で2時間反応させた。水で良く水洗し、5%グリセリ
ン溶液に1時間浸漬後、風乾した。以上により本発明の
人工血管を得た。この人工血管を犬の胸部大動脈に移植
したところ順調な治癒を示した。
(効 果) 本発明なコラーゲン又はゼラチンを構成成分とする生体
適合性の優れた医用品をポリエポキシ化合物で架橋した
ことにより適度の強度及び柔軟性を有する医用品を得る
ことができると共に従来、架橋剤として使用しているグ
ルタルアルデヒドの場合のような生体に対する悪影響を
与えることのなく優れた架橋化医用品を提供することが
できる。
適合性の優れた医用品をポリエポキシ化合物で架橋した
ことにより適度の強度及び柔軟性を有する医用品を得る
ことができると共に従来、架橋剤として使用しているグ
ルタルアルデヒドの場合のような生体に対する悪影響を
与えることのなく優れた架橋化医用品を提供することが
できる。
Claims (10)
- 【請求項1】ポリエポキシ化合物で架橋したことを特徴
とするコラーゲン又はゼラチンを構成成分とする生体適
合性の優れた架橋化医用品。 - 【請求項2】架橋化医用品が人工血管である特許請求の
範囲第1項記載の架橋化医用品。 - 【請求項3】架橋化医用品が人工皮膚である特許請求の
範囲第1項記載の架橋化医用品。 - 【請求項4】架橋化医用品が細胞または組織を培養する
細胞培養用基質である特許請求の範囲第1項記載の架橋
化医用品。 - 【請求項5】架橋化医用品が細胞組み込み型人工臓器で
ある特許請求の範囲第1項記載の架橋化医用品。 - 【請求項6】架橋化医用品の構成成分であるコラーゲン
がコラーゲン又はコラーゲン誘導体である特許請求の範
囲第1〜5項の何れか1項記載の架橋化医用品。 - 【請求項7】架橋化医用品の構成成分であるコラーゲン
がムコ多糖を含むコラーゲンである特許請求の範囲第1
項〜5項の何れか1項記載の架橋化医用品。 - 【請求項8】ポリエポキシ化合物がポリエチレングリコ
ールジクリシジルエーテルである特許請求の範囲第1項
〜5項の何れか1項記載の架橋化医用品。 - 【請求項9】コラーゲン又はゼラチンを構成成分とする
医用品をポリエポキシ化合物の溶液中に浸漬して架橋化
を行うことを特徴とする架橋化医用品の製造方法。 - 【請求項10】可溶性コラーゲン又は可溶性ゼラチンの
溶液に架橋剤としてポリエポキシ化合物を添加後、得ら
れた溶液を成型加工することを特徴とする架橋化医用品
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60163028A JPH0679616B2 (ja) | 1985-07-25 | 1985-07-25 | 架橋化医用品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60163028A JPH0679616B2 (ja) | 1985-07-25 | 1985-07-25 | 架橋化医用品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6226230A JPS6226230A (ja) | 1987-02-04 |
JPH0679616B2 true JPH0679616B2 (ja) | 1994-10-12 |
Family
ID=15765814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60163028A Expired - Fee Related JPH0679616B2 (ja) | 1985-07-25 | 1985-07-25 | 架橋化医用品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0679616B2 (ja) |
Families Citing this family (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2529112B2 (ja) * | 1987-08-31 | 1996-08-28 | 株式会社 高研 | 生体弁 |
JPH01124465A (ja) * | 1987-11-10 | 1989-05-17 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 人工基底膜用組成物および人工基底膜を有する移植用デバイス |
JPH0622579B2 (ja) * | 1988-03-09 | 1994-03-30 | テルモ株式会社 | 細胞侵入性医用材料 |
US5475052A (en) * | 1988-11-21 | 1995-12-12 | Collagen Corporation | Collagen-synthetic polymer matrices prepared using a multiple step reaction |
US5314874A (en) * | 1991-04-19 | 1994-05-24 | Koken Co., Ltd. | Intracorporeally injectable composition for implanting highly concentrated cross-linked atelocollagen |
JPH07250887A (ja) * | 1994-03-15 | 1995-10-03 | Seikagaku Kogyo Co Ltd | 人工血管およびその製造方法 |
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US6312474B1 (en) * | 1999-09-15 | 2001-11-06 | Bio-Vascular, Inc. | Resorbable implant materials |
US6506398B1 (en) * | 2000-04-28 | 2003-01-14 | Hosheng Tu | Device for treating diabetes and methods thereof |
JP4685090B2 (ja) * | 2005-02-14 | 2011-05-18 | 株式会社メドジェル | 医療用ハイドロゲル |
CN107033383B (zh) * | 2013-02-27 | 2020-07-24 | 富士胶片株式会社 | 制造生物亲和性高分子的多孔体的方法 |
JP6173277B2 (ja) * | 2014-08-27 | 2017-08-02 | 泰晴 野一色 | 人工血管及びその製造方法 |
CN111544656B (zh) * | 2020-06-16 | 2022-05-10 | 深圳兰度生物材料有限公司 | 皮肤填充剂及其制备方法 |
CN113718518A (zh) * | 2021-08-27 | 2021-11-30 | 山东黄河三角洲纺织科技研究院有限公司 | 一种人造血管用纱线及其处理方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57168920A (en) * | 1980-11-13 | 1982-10-18 | Heyl & Co | Collagen blend, manufacture and use |
JPS608326A (ja) * | 1983-06-28 | 1985-01-17 | Hitachi Chem Co Ltd | ゼラチン球状ゲルの製造法 |
-
1985
- 1985-07-25 JP JP60163028A patent/JPH0679616B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57168920A (en) * | 1980-11-13 | 1982-10-18 | Heyl & Co | Collagen blend, manufacture and use |
JPS608326A (ja) * | 1983-06-28 | 1985-01-17 | Hitachi Chem Co Ltd | ゼラチン球状ゲルの製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6226230A (ja) | 1987-02-04 |
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