JPH067958A - アルミニウム合金材と異材との溶接方法 - Google Patents

アルミニウム合金材と異材との溶接方法

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JPH067958A
JPH067958A JP4148964A JP14896492A JPH067958A JP H067958 A JPH067958 A JP H067958A JP 4148964 A JP4148964 A JP 4148964A JP 14896492 A JP14896492 A JP 14896492A JP H067958 A JPH067958 A JP H067958A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金材と、融点が異なる異材と
の電気抵抗溶接において、充分な接合強度を得ることが
できる溶接方法を提供する。 【構成】 アルミニウム合金材の第1ワーク3と、この
第1ワーク3と材質が異なる第2ワーク4との間に、第
1ワーク3より融点が高く第2ワーク4より融点が高く
ない材料の小片5を介在させて第1ワーク3と接触させ
ると共に、第1ワーク3より少ない接触面積で第2ワー
ク4と接触させて加圧通電し、小片5の、第2ワークと
の接触箇所5aを一次発熱部、第1ワーク3との接触箇
所5bを二次発熱部として抵抗溶接を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム合金材
と異材との電気抵抗溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金材、例えばアルミニウ
ム合金薄板と、これより融点が高い異材、例えば軟鋼板
との電気抵抗溶接、例えばスポット溶接の場合、通電に
より融点の低いアルミニウム合金材側のみが一方的に溶
融して相手材は融点に達せず、充分な接合強度が確保で
きない。
【0003】このような抵抗溶接における従来の技術と
して、いわゆるプロジェクション溶接の方法が行なわれ
ている。これは、図3に示したように、アルミニウム合
金材のワーク11に溶接用突起(プロジェクション)1
2を設け、この突起12で軟鋼材のワーク13に接触せ
しめ、上部電極14と下部電極15とで挾み込み、この
接触部位に集中的に電流を導通させて発熱点とし、両ワ
ークを強固に溶着させようとするものである。しかし、
この方法では、図4(1)に示すように通電開始時、突
起12のワーク13との接触点12aが発熱点となって
部材の溶融が始まるが、アルミニウム合金材の融点が軟
鋼材に比して著しく低いため、図4(2)に示した通電
終了時、アルミニウム合金材の方には図示の溶融部12
bが生ずる。これに対して軟鋼材の方は熱変形部13a
が生ずるのみで、未溶着状態が残ってしまう欠点があっ
た。
【0004】そこで、このような異材間の電気抵抗溶接
における接合強度を向上させるため、例えば特開昭56
−117888号公報、特開昭59−87985号公報
に記載されたような方法が提案されている。これらの方
法は、例えばアルミニウム合金板と軟鋼板との接合面間
にアルミニウム合金薄板等の補助材料を介装してスポッ
ト溶接用等の電極で挾み込み、加圧通電してその部位に
集中的に導電状態を生ぜしめ、母材間の抵抗発熱により
溶着を行なわせるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の方法は、スポット溶接用等の電極により集中的に通
電できる形状、すなわち薄板状で接合部の裏面が露出
し、電極により直接加圧し、通電可能な形状の母材に限
って適用可能であり、管材や異形材、中空材等で接合面
裏側に直接電極を当てることの不可能な形状のものに対
しては適用できない。前述のプロジェクション溶接は、
このような異形材にも適用し得るが、これはプロジェク
ションを設けるために多大の手間を要する上、アルミニ
ウム合金材と軟鋼材のような融点の大きく異なる材料間
では、充分な溶着が得られない欠点がある。
【0006】この発明は前記課題を解決するためになし
たもので、アルミニウム合金材と、融点が異なる異材と
の電気抵抗溶接において、充分の接合強度を得ることが
できる溶接方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明に係るアルミニウム合金材と異材との溶
接方法は、アルミニウム合金材の第1ワークと、この第
1ワークと材質が異なる第2ワークとの間に、前記第1
ワークより融点が高く前記第2ワークより融点が高くな
い材料の小片を介在させて前記第1ワークと接触させる
と共に、第1ワークより少ない接触面積で第2ワークと
接触させて加圧通電し、前記小片の、前記第2ワークと
の接触箇所を一次発熱部、前記第1ワークとの接触箇所
を二次発熱部として抵抗溶接を行なうものである。
【0008】
【作用】以上の構成によれば、加圧通電により小片がプ
ロジェクション溶接におけるプロジェクションの代用と
なり、そのワークとの接触部に集中的に通電が行なわれ
て抵抗熱が発生するとともに、接触面積が少ない第2ワ
ーク(高融点)側が一次発熱部となって先ず昇温し、次
いで接触面積が多い第1ワーク(低融点)側が二次発熱
部となって昇温する。従って、低融点のアルミニウム合
金材が一方的に溶融することがなく、小片を媒体として
アルミニウム合金材と異材とに均等に溶け込みが行なわ
れる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。尚、この実施例は、融点が高い異材を軟
鋼材としたものである。
【0010】図1はアルミニウム合金材との電気抵抗溶
接の状況を示した断面図である。この図において1及び
2は電気抵抗溶接機の銅製電極で、1は上側電極、2は
下側電極である。3はアルミニウム合金材の第1ワー
ク、4は第1ワーク3と接合しようとする軟鋼材の第2
ワークである。両ワーク3,4間には、融点が第1ワー
ク3のアルミニウム合金材より高く、第2ワーク4の軟
鋼材より高くない例えば鉄製の複数個の小片5(媒体)
が介装され、各小片5は、図2(1)に示すように、融
点が高い軟鋼材の第2ワーク4とは接触点5aで接触
し、アルミニウム合金材の第1ワーク3とは接触点5a
より数の多い接触点5bで接触している。実施例では、
小片5は球体に形成され、この小片5が係合するV形断
面の凹溝6が第1ワーク3に形成されており、小片5は
第1ワーク3とは2箇所で接触し、第2ワーク4とは1
箇所で接触している。
【0011】電極1,2により小片5が介装されたワー
ク3,4を挾んで加圧し通電すると、上記各接触点5
a,5bを通じて溶接電流が流れるが、小片5と第2ワ
ーク4との接触面積は小片5と第1ワーク3との接触面
積より少ないので電流密度が高くなり、図2(1)のよ
うに一次発熱部となって先ず昇温する。このとき、アル
ミニウム合金材は電気抵抗が低いので、第1ワーク3の
昇温は遅れる。次いでさらに溶接電流を加えると、図2
(2)のように小片5と軟鋼材の第2ワーク4とが溶着
するに至る。この溶着が進むと、小片5と第2ワーク4
との接触部が図示5cのように溶融して電気抵抗が低く
なるとともに、発生熱量が小片5の全体に伝わって全体
の温度が急上昇し、接触点5bが二次発熱部として発熱
する。
【0012】この二次発熱により、アルミニウム合金材
の第1ワーク3は急速に融点に達して溶融状態となり、
小片5は既に一次発熱で高温となっているから直ちに融
点に達し、第1ワーク3との間に溶着状態が発生する。
【0013】以上のような作用により、アルミニウム合
金材の第1ワーク3と軟鋼材の第2ワーク4とは、小片
5を媒体として結合して、図2(3)に示すような強力
な結合状態が生ずる。
【0014】この発明方法において媒体として使用する
小片5は、例えば小径球体のように、ワーク3,4間に
挾み込まれた状態でのワーク3,4との接触面積が少な
く、溶接電流により抵抗発熱が容易に起こる形状であ
り、その大きさは、第2ワーク(異材)側の一次発熱に
よる媒体(小片)内への熱蓄積が起こり、第1ワーク
(アルミニウム合金材)側の二次発熱により二次発熱側
表面から融点近くに到達する熱容量であることが理想的
である。しかし、二次発熱側が融点に達していなくても
融点近くの高温になると、アルミニウム合金材と異材と
を直接プロジェクション溶接するよりも剥離強度は大き
く向上する。なお、小片は、第1ワーク3のアルミニウ
ム合金材と第2ワーク4の異材の双方に溶接接合し易い
材質(例えば、異材が軟鋼材である場合は鉄材)を選択
するものとする。
【0015】
【発明の効果】以上の通りこの発明は、アルミニウム合
金材の第1ワークと、この第1ワークと材質が異なる第
2ワークとの間に、第1ワークより融点が高く第2ワー
クより融点が高くない材料の小片を介在させて第1ワー
クと接触させると共に、第1ワークより少ない接触面積
で第2ワークと接触させて加圧通電し、前記小片の、第
2ワークとの接触箇所を一次発熱部、第1ワークとの接
触箇所を二次発熱部として抵抗溶接を行なうものである
から、従来困難とされていたアルミニウム合金材と異材
との溶接方法を小片を媒体として行なって接合強度を確
実に向上させることができる。また、管材、異形材、中
空材等、通常のスポット溶接等の抵抗溶接では接合面裏
側に直接電極を加圧させることができない母材の形状に
対しても、電極で加圧通電して抵抗溶接を行なうことが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例におけるアルミニウム合金
材と異材との抵抗溶接の状況を示す断面図である。
【図2】(1)溶接過程の通電開始時を示す図1の部分
拡大断面図である。 (2)溶接過程の通電中を示す図1の部分拡大断面図で
ある。 (3)溶接過程の通電完了時を示す図1の部分拡大断面
図である。
【図3】従来のプロジェクション溶接方法の一例を示す
断面図である。
【図4】(1)溶接過程の通電開始時を示す図3の部分
拡大断面図である。 (2)溶接過程の通電終了時を示す図3の部分拡大断面
図である。
【符号の説明】
3 第1ワーク(アルミニウム合金材) 4 第2ワーク(異材) 5 小片 5a 接触点(一次発熱部) 5b 接触点(二次発熱部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金材の第1ワークと、こ
    の第1ワークと材質が異なる第2ワークとの間に、前記
    第1ワークより融点が高く前記第2ワークより融点が高
    くない材料の小片を介在させて前記第1ワークと接触さ
    せると共に、第1ワークより少ない接触面積で第2ワー
    クと接触させて加圧通電し、前記小片の、前記第2ワー
    クとの接触箇所を一次発熱部、前記第1ワークとの接触
    箇所を二次発熱部として抵抗溶接を行なうことを特徴と
    するアルミニウム合金材と異材との溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11187623A (ja) * 1997-12-17 1999-07-09 Matsushita Electric Works Ltd モータ用整流子及びその製造方法
US12005515B2 (en) 2020-06-12 2024-06-11 Subaru Corporation Different material joining method

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