JPH0825058A - プロジェクション溶接方法 - Google Patents

プロジェクション溶接方法

Info

Publication number
JPH0825058A
JPH0825058A JP15747794A JP15747794A JPH0825058A JP H0825058 A JPH0825058 A JP H0825058A JP 15747794 A JP15747794 A JP 15747794A JP 15747794 A JP15747794 A JP 15747794A JP H0825058 A JPH0825058 A JP H0825058A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
projection
welded
welding material
force receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15747794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2887860B2 (ja
Inventor
Akira Suzuki
昭 鈴木
Katsumi Kawakazu
勝実 川和
Takeyoshi Shinohara
武好 篠原
Yukio Makuta
行雄 幕田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP15747794A priority Critical patent/JP2887860B2/ja
Publication of JPH0825058A publication Critical patent/JPH0825058A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2887860B2 publication Critical patent/JP2887860B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接材の熱変形の発生を確実に防止して、し
かも、充分な溶接強度を得ることのできるフロジェクシ
ョン溶接方法。 【構成】 溶接材1は、プロジェクション11の近傍に
加圧力受け部12と段部13とが設けられて構成され
る。プロジェクション11は、リング状に形成され、リ
ングの複数個所に切欠部が設けられて形成されており、
その中央部に被溶接材2との間の位置決め用の円錐状の
プロジェクション11’が設けられている。溶接材1が
上部電極3に取り付けられ、被溶接材2が下部電極4に
取付けられ、上部電極3を下方に移動させて溶接材1の
プロジェクション11と被溶接材2とを互いに接触させ
て加圧する。このとき、加圧力は、加圧力受け部12に
加えられる。上部電極3及び下部電極4からの溶接電流
は、加圧力受け部12からプロジェクション11、1
1’と被溶接材2との接触部に流れる。接触部が加熱溶
融させられナゲットが形成されて、溶接材1と被溶接材
2とが結合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロジェクション溶接
方法に係り、特に、溶接材と被溶接材とを溶接する溶接
方法であって、溶接材に加工されたプロジェクションと
被溶接材との間に溶接電流及び溶接加圧力を集中させて
抵抗溶接を行うプロジェクション溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プロジェクション溶接方法は、
溶接材にプロジェクションを加工し、プロジェクション
と被溶接材との間に溶接電流及び溶接加圧力を集中さ
せ、熱平衡を得ることにより、変形量を少なく高精度に
溶接材と被溶接材とを互いに溶接することが可能なもの
である。このプロジェクション溶接方法は、充分な溶接
強度を確保するために、溶接を行う際に所定時間の間、
所要の溶接電流を流す必要がある。
【0003】しかし、この溶接方法は、溶接加圧力方向
に長い形状の溶接材と被溶接材とを溶接し、充分な溶接
強度を確保しようとすると、ジュール熱による発熱と溶
接加圧力とにより、電極と接触している溶接材部分、す
なわち、溶接材の先端部に大きな熱変形を発生させてし
まうものである。
【0004】図6は従来技術によるプロジェクション溶
接方法を説明する図であり、以下、図6を参照して、従
来技術によるプロジェクション溶接方法を説明する。図
6において、1は溶接材、2は被溶接材、3は上部電
極、4は下部電極、11はプロジェクションである。
【0005】図6に示す従来技術は、図6(a)に示す
側面図、図6(b)に示す溶接材1の底面図から判るよ
うに、円柱状の溶接材1と平板状の被溶接材2とを、溶
接材1の底部にほぼ円形のリング形状に設けられたプロ
ジェクション11を介して溶接するものである。そし
て、この従来技術による方法は、溶接材1の上部及び被
溶接材2の下部に設けられた電極3、4により、溶接材
1、被溶接材2相互間に押圧力を加えると共に、溶接電
流を流して、溶接材1と被溶接材2とを溶接するもので
ある。
【0006】図示従来技術による溶接方法において、溶
接材1、被溶接材2相互間を溶接するために、電極3、
4により、溶接材1、被溶接材2相互間に押圧力を加え
ると共に溶接電流を流すと、電極3からの溶接電流は、
溶接材1、プロジェクション11、被溶接材2を介して
電極4に流れることになる。そして、溶接電流は、プロ
ジェクション11の部分に集中して流れ、この部分でジ
ュール熱を発生させ、プロジェクション11を軟化、溶
融させる。この結果、電極3、4により加えられている
溶接材1、被溶接材2相互間の押圧力により、プロジェ
クション11は、押し潰され、溶接材1、被溶接材2の
それぞれの溶接面が密着し、プロジェクション11の位
置で、溶接材1、被溶接材2が相互に溶接されることに
なる。
【0007】前述した従来技術によるプロジェクション
溶接方法は、図6に示すように、溶接加圧力が、上部電
極3と接触している溶接材部分、すなわち、溶接材先端
部より加えられて、溶接材1を通してプロジェクション
11に伝わり、同様に、溶接電流も溶接材先端部より溶
接材1の内部を流れて、プロジェクション11へと流れ
ることになる。このため、従来技術によるプロジェクシ
ョン溶接方法は、溶接材先端部において、上部電極3と
溶接材1との間の電気抵抗によるジュール熱が発生して
軟化し、この部分が溶接加圧力の作用により変形すると
いう不具合を発生させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、溶接
加圧力方向に長い形状の溶接材を被溶接材に溶接する場
合の、充分な溶接強度の確保と熱変形発生の防止との両
立についての配慮がなされていない。
【0009】このため、前記従来技術は、充分な溶接強
度を確保するために、所定時間の間、所要の溶接電流を
流すと、溶接材自身に流れる電流によるジュール熱と溶
接加圧力とにより、電極と接触していた溶接材部分、す
なわち、溶接材先端部に大きな熱変形を発生させてしま
うという問題点を有している。この結果、前記従来技術
は、溶接材先端部の加工を後加工としなければならず、
また、溶接材及び被溶接材の大きさあるいは形状によっ
ては、後加工を行うことが困難なものもあり、それだけ
生産性を低下させてしまうという問題点を生じさせてし
まう。
【0010】また、前記従来技術は、前述とは逆に、熱
変形を発生させないように入熱量、すなわち、溶接電流
を流す時間を小さくすると、充分な溶接強度を得ること
ができないという問題点も有している。
【0011】さらに、前記従来技術は、溶接加圧力方向
に長い形状の溶接材を被溶接材に溶接しようとすると、
溶接材の材料内部での溶接電流の流れ方、及び、インピ
ーダンスのばらつきのため、プロジェクションの全域に
均一な溶接電流を流すことができないため、均一な溶接
品質を保証することができないという問題点を有すると
共に、溶接加圧力方向の大きさが長く、中空円管の溶接
材に対しては、座屈等が発生してしまい溶接自体を行う
ことができない場合も生じるという問題点を有してい
る。
【0012】また、前記従来技術は、プロジェクション
が連続したリング状に形成されているため、溶接材及び
被溶接材とプロジェクションとにより囲まれる密閉空間
が形成され、溶接時に、この空間内の空気が急激に膨張
して軟化溶融してくるプロジェクションを破損し、ま
た、被溶接材に対して溶接材を傾いた状態で溶接してし
まい高精度の溶接を行うことが困難であるという問題点
を有している。
【0013】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決し、溶接加圧力方向に長い形状の溶接材を被溶接材
に溶接するプロジェクション溶接方法において、溶接材
本体の熱変形の発生を確実に防止することができ、しか
も、充分な溶接強度を確保すると共に高品質な溶接を保
証することのできるプロジェクション溶接方法を提供す
ることにある。
【0014】また、本発明の目的は、溶接材と被溶接材
との位置決めが容易で、被溶接材に対して溶接材が傾く
ことなく高精度に溶接することができるプロジェクショ
ン溶接方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、相対向する2つの電極に取り付けられた溶接材と被
溶接材とのうち、溶接材に設けられたプロジェクション
と被溶接材とを互いに押圧して両者の接触部間に溶接電
流を通電して溶接材と被溶接材とを接合するプロジェク
ション溶接方法において、溶接材のプロジェクションの
近傍位置に加圧力受け部を設け、溶接加圧力及び溶接電
流を、電極から加圧力受け部を通して加えるようにし、
溶接加圧力及び溶接電流が、溶接実行中、加圧力受け部
から溶接材のプロジェクションへ伝わるようにすること
に達成される。
【0016】また、前記目的は、溶接材に電極の案内を
行う段部を設け、溶接材を電極の案内を兼ねた段付き形
状とし、電極と溶接材側面間の接触を段部のみとし、ま
た、溶接材に設けられた段部の側面に塗料等による絶縁
材を塗布することにより、電極と溶接材側面間の接触面
積を大幅に小さくすることにより達成される。
【0017】さらに、前記目的は、溶接材と被溶接材と
の位置決めを行うためのプロジェクションを溶接材に設
け、被溶接材の対応する位置に窪みを設けることによ
り、また、プロジェクションに切欠部を設けることによ
り達成される。
【0018】
【作用】まず、溶接材が取り付けられた上部電極を下方
に向かって移動させ、溶接材に加工されているプロジョ
クションを被溶接材に押圧し、プロジョクションと被溶
接材とを互いに接触させて溶接電流を通電する。この結
果、接触部の電気抵抗により接触部が発熱し、押圧力に
よりプロジェクションが潰れ、接触部が加熱により溶融
してナゲットが形成される。ナゲットの形成時、所定時
間の間所要の溶接電流を通電し続けることにより、プロ
ジョクションと被溶接材との間で加熱溶融が充分に行わ
れ、充分な溶接強度をもって溶接材と被溶接材とを溶接
することができる。
【0019】溶接の実行中、溶接加圧力及び溶接電流
は、上部電極から溶接材に加工されているプロジェクシ
ョンの近傍位置に設けられた加圧力受け部を通じて溶接
材のプロジェクションへと伝わるので、充分な溶接強度
の確保を得るために所定時間の間だけ溶接電流を流して
も、溶接による熱の影響を受ける部分をプロジェクショ
ン近傍だけに限定することができるので、溶接材本体の
熱変形を確実に防止することができ、溶接材先端部にお
ける熱変形を確実に防止することができる。
【0020】また、溶接材に段部を設けて溶接材を段付
き形状としているので、この段部により上部電極の案内
を行うことができると共に、上部電極と溶接材側面との
間の接触面積を大幅に小さくすることができ、溶接電流
の無効電流成分を低減し、スパーク等による溶接材の表
面荒れを大幅に防止することができ、かつ、高品質な溶
接を行うことができる。
【0021】さらに、位置決め用のプロジェクションを
備え、また、溶接材に設けられるプロジェクションに切
欠部を設けているので、溶接材と被溶接材との位置決め
が容易であり、かつ、プロジェクションに囲まれる空間
内で膨張する空気を、この空間から切欠部を介して確実
に逃がすことができ、これにより、被溶接材に対して溶
接材が傾くことなく高精度の溶接を行うことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明によるプロジェクション溶接方
法の実施例を図面により詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の第1の実施例によるプロジ
ェクション溶接方法を説明する図、図2は溶接材の形状
例を示す図、図3はプロジェクションの形状例を示す
図、図4は本発明の第1の実施例により溶接を行った場
合の試験結果を示す図である。図1、図2において、1
2は加圧力受け部、13は段部、14はタップであり、
他の符号は図6の場合と同一である。
【0024】本発明の第1の実施例は、図1(a)に示
す側面図、図1(b)に示す溶接材1の底面図から判る
ように、円柱状の溶接材1と平板状の被溶接材2とを、
溶接材1の底部にほぼ円形のリング形状に設けられたプ
ロジェクション11を介して溶接するものである。そし
て、本発明の第1の実施例による方法は、溶接材1の上
部及び被溶接材2の下部に設けられた電極3、4によ
り、溶接材1、被溶接材2相互間に押圧力を加えると共
に、溶接電流を流して、溶接材1と被溶接材2とを溶接
するものである。
【0025】前述において、円柱状の溶接材1は、本発
明によりプロジェクション11の近傍、すなわち、溶接
材1の下部に溶接材1の直径より大きい直径を持つ加圧
力受け部12が設けられると共に、溶接材1の直径より
大きく加圧力受け部12の直径より小さい直径を持つ段
部13が、溶接材1に対してテーパを介して設けられて
構成される。この段部13の側面には、塗料等による絶
縁材が塗布されてもよい。また、上部電極3は、溶接材
1の段部13の直径と同一の内径を有する円筒状の形状
を有して構成されている。
【0026】溶接材1に加工されているプロジェクショ
ン11は、図1(b)に示すように、リング状に形成さ
れ、かつ、リングの複数個所に切欠部が設けられて形成
されており、リング状に形成されたプロジェクション1
1の中央部に被溶接材2との間の位置決め用の円錐状の
プロジェクション11’が設けられている。また、被溶
接材2の前記溶接材1の円錐状のプロジェクション1
1’の対応する位置には、微小な窪みが設けられてい
る。
【0027】前述のように構成される溶接材1を平板状
の被溶接材2に溶接する場合、図1に示すように、溶接
材1が上部電極3に取り付けられ、被溶接材2が下部電
極4に取付けられ、上部電極3と下部電極4のうち、上
部電極3を下方に移動させて溶接材1のプロジェクショ
ン11と被溶接材2とを互いに接触させる。
【0028】この場合、上部電極3の内壁が溶接材1の
段部13に案内され、上部電極3の先端部が加圧力受け
部12に接し、また、溶接材1に設けられている被溶接
材2との間の位置決め用の円錐状のプロジェクション1
1’が、被溶接材2の前記窪みに合うようにされる。
【0029】その後、上部電極3及び下部電極4によ
り、溶接材1と被溶接材2との間に所要の加圧力を加
え、上部電極3及び下部電極4間に図示しない溶接トラ
ンスによって溶接電流を通電すると、プロジェクション
11、11’と被溶接材2との接触部に溶接電流が流れ
る。この結果、接触部の電気抵抗により接触部にジュー
ル熱が発生して、接触部が加熱溶融させられ接触部にナ
ゲットが形成されて、溶接材1と被溶接材2とが結合さ
れる。
【0030】そして、本発明によるプロジェクション溶
接方法においては、図1に示すように、溶接加圧力が、
加圧力受け部12より加えられて、プロジェクションへ
11、11’へと伝わることになり、同様に、溶接電流
も、加圧力受け部12より流れて、プロジェクション1
1、11’へと流れることになる。
【0031】このため、本発明の第1の実施例による溶
接方法によれば、充分な溶接強度を得るために所定時間
の間、所要の溶接電流を流しても、溶接による熱の影響
を受ける部分を、溶接材1のプロジェクション11、1
1’の近傍にのみ限定することができるので、溶接材本
体の熱変形を確実に防止することができる。また、その
結果として、溶接材1先端部における熱変形を確実に防
止することができる。
【0032】また、本発明の第1の実施例は、溶接材1
に段部13を設けて溶接材1を段付き形状としているの
で、上部電極3と溶接材1との接触部は、段部13の側
面と加圧力受け部12の上面だけとなり、溶接材1の側
面と上部電極3との間の接触面積を大幅に小さくするこ
とができる。また、段部13の側面が絶縁された場合、
上部電極3は、加圧力受け部のみと電気的に接触するこ
とになる。これにより、本発明の第1の実施例は、溶接
電流の無効電流成分を大幅に低減することができ、スパ
ーク等による溶接材側面の表面荒れを大幅に防止するこ
とができ、さらに、プロジェクションと被溶接材との接
触部に流れる溶接電流を均一にすることができるので、
その結果として、高品質な溶接を行うことができる。
【0033】また、前述した本発明の第1の実施例は、
溶接材にリング状に形成されるプロジェクションの一部
に切欠部が設けられているので、溶接開始時に、リング
状に形成されるプロジェクションの内側と被溶接材とに
囲まれる空間にある空気が膨張して溶融してくるプロジ
ェクションを破損すること、及び、溶接材と被溶接材と
が傾いて溶接されることを防止することができ、より高
品質の溶接を行うことができる。
【0034】前述した本発明の第1の実施例によるリン
グ形状のプロジェクションを用いた溶接に適用した溶接
材の形状例が図2に、プロジェクションの形状例が図3
に示されており、以下、これについて説明する。
【0035】リング状のプロジェクション11の断面形
状は、図3に示すように、高さ1.0mm、幅2.0m
mとした。溶接材1の形状を図2に示すような諸元を持
つものとすると、リングの長さは、円周率×直径=3.
14×30=94.2mmである。よって、プロジェク
ションの結合面積は、リング長さ×幅=94.2×2.
0=188.4mmとなる。被溶接材2は、材質SPC
C、板厚3.2mmの板材を用いた。この結果、計算上
の引張強度は、結合面積×引張強さ=188.4×32
=6029kgfとなる。
【0036】前述した本発明の第1の実施例により溶接
を行った場合の試験結果を図4に示しているが、この図
4の結果から判るように、本発明の方法による溶接によ
り充分な溶接強度を得ることができ、溶接材本体の熱変
形の発生をも確実に防止することができた。そして、溶
接材1の本体に、図2に示すようなタップ14等の加工
が行われていても、タップ14のネジ部に対する熱変形
を全く生じさせることもなかった。
【0037】前述したように、本発明の第1の実施例に
よれば、溶接加圧力方向に長い形状の溶接材1と被溶接
材2とのプロジェクション溶接に対して、溶接材本体の
熱変形の発生を確実に防止することができ、充分な溶接
強度の確保を図ることができると共に、高品質な溶接を
保証することができる。
【0038】図5は本発明の第2の実施例による溶接方
法を説明する図である。図5において、21は加圧力受
け部、31、41はリング部、32、42はテーパ部、
5はナゲットであり、他の符号は図1、図6の場合と同
一である。この本発明の第2の実施例は円管溶接に対し
て本発明を適用した例である。
【0039】この本発明の第2の実施例は、図5(a)
に示す上面図、図5(b)に示す側面図から判るよう
に、上部電極3がリング部31とテーパ部32とにより
構成され、また、下部電極4がリング部41とテーパ部
42とにより構成されている。そして、リング部31、
41は、それぞれ、溶接する溶接材1、被溶接材2とな
る円管の外径と同一の内径を有して構成される。また、
溶接材1、被溶接材2である円管の溶接すべき位置に加
工されているプロジェクションの近傍には、それぞれ、
鍔状の加圧力受け部12、21が設けられる。
【0040】前述した本発明の第2の実施例において、
円管状の溶接材1と被溶接材2とを溶接する場合、図5
(b)に示すように、溶接材1が上部電極3に取り付け
られ、被溶接材2が下部電極4に取付けられ、溶接材1
のプロジェクション11と被溶接材2とを互いに接触さ
せる。
【0041】この場合、上部電極3のリング部31の内
径部に溶接材1を貫通させ、また、下部電極4のリング
部41の内径部に被溶接材2を貫通させて、各電極3、
4を溶接材1の加圧力受け部12、被溶接材2の加圧力
受け部21に接するようにして、上部電極3及び下部電
極4により、溶接材1と被溶接材2とに対して加圧力を
加える。これにより、溶接加圧力は、加圧力受け部1
2、21より加えられて、プロジェクションへ11と伝
わり、同様に、溶接電流もこれら加圧力受け部12、2
1からプロジェクション11と被溶接材2との接触部に
流れることになる。
【0042】前述したようにして溶接を行うことによ
り、溶接完了後、図5(c)に示すようにナゲット5が
形成され、充分な溶接強度を持って溶接を行うことがで
きる。その後、機械加工等により加圧力受け部12、2
1を切削すると、図5(d)に示すように、熱変形の無
い完全な円管の溶接を行うことができる。
【0043】また、本発明の第2の実施例は、図5
(a)に示すように上部電極3及び下部電極4が、テー
パ部32と42とリング部31、41とにより、L形構
造ととされており、テーパ部32、42を図示しない溶
接装置へ装着して使用することができ、長い円筒溶接に
おいても座屈等を発生させることなく、高品質な溶接を
行うことができる。
【0044】前述した本発明の第2の実施例によれば、
溶接による熱の影響を受ける部分をプロジェクション1
1の近傍のみに限定することができるので、溶接材本体
の熱変形を確実に防止して、高品質な溶接を行うことが
できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、溶
接加圧力方向に長い形状の溶接材を被溶接材に溶接する
プロジェクション溶接において、溶接材に加工されてい
るプロジェクションの近傍位置に加圧力受け部と段部と
を設けて溶接材を構成し、溶接実行中、溶接加圧力及び
溶接電流を、電極から加圧力受け部を介して溶接材のプ
ロジェクションへと伝わるようにしているので、溶接材
本体の熱変形の発生を確実に防止し、しかも、充分な溶
接強度を確保した溶接を行うことができる。
【0046】また、溶接材と電極との接触が、前記加圧
力受け部と段部の側面とのみ、あるいは加圧力受け部の
みとなるため、電極と溶接材の側面との間の接触面積を
大幅に小さくすることができ、スパーク等による溶接材
側面の表面荒れを大幅に防止して、高品質な溶接を行う
ことができる。
【0047】さらに、位置決め用のプロジェクションを
備え、また、溶接材に設けられるプロジェクションに切
欠部を設けているので、溶接材と被溶接材との位置決め
が容易であり、かつ、プロジェクションに囲まれる空間
内で膨張する空気を、この空間から切欠部を介して確実
に逃がすことができ、これにより、被溶接材に対して溶
接材が傾くことなく高精度の溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるプロジェクション
溶接方法を説明する図である。
【図2】溶接材の形状例を示す図である。
【図3】プロジェクションの形状例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例により溶接を行った場合
の試験結果を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例による溶接方法を説明す
る図である。
【図6】従来技術によるプロジェクション溶接方法を説
明する図である。
【符号の説明】
1 溶接材 2 被溶接材 3 上部電極 4 下部電極 5 ナゲット 11 プロジェクション 12、21 加圧力受け部 13 段部 14 タップ 31、41 リング部 32、42 テーパ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 幕田 行雄 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する2つの電極に取り付けられた溶
    接材と被溶接材とを、溶接材に設けられたプロジェクシ
    ョンと被溶接材とを互いに押圧して両者の接触部に溶接
    電流を通電すことにより接合するプロジェクション溶接
    方法において、前記溶接材は、プロジェクションの近傍
    位置に電極を案内する段部と加圧力受け部とが設けられ
    て構成され、前記電極の一方は、前記溶接材の段部に案
    内されて前記加圧力受け部に接触し、溶接加圧力及び溶
    接電流を前記加圧力受け部を通して加えることを特徴と
    するプロジェクション溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記段部の側面が絶縁されていることを
    特徴とする請求項1記載のプロジェクション溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記溶接材は円柱状部材であり、溶接材
    に設けられたプロジェクションは、切欠部を持ってリン
    グ状に形成されていることを特徴とする請求項1または
    2記載のプロジェクション溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記溶接材に設けられたプロジェクショ
    ンとは別に、溶接材と被溶接材との位置決めを行うプロ
    ジェクションが、溶接材に設けられることを特徴とする
    請求項1、2または3記載のプロジェクション溶接方
    法。
  5. 【請求項5】 対向する2つの電極のそれぞれに取り付
    けられた円管状の溶接材と円管状の被溶接材とを、溶接
    材に設けられたプロジェクションと被溶接材とを互いに
    押圧して両者の接触部に溶接電流を通電することにより
    接合するプロジェクション溶接方法において、前記溶接
    材は、プロジェクションの近傍位置に加圧力受け部が設
    けられて構成され、前記被溶接材は、前記プロジェクシ
    ョンが押圧される近傍位置に加圧力受け部が設けられて
    構成され、前記2つの電極は、溶接材及び被溶接材の円
    管を保持するリング部を備えて構成され、前記加圧力受
    け部に接触し、溶接加圧力及び溶接電流を前記加圧力受
    け部を通して加えることを特徴とするプロジェクション
    溶接方法。
  6. 【請求項6】 前記溶接材及び被溶接材に設けられた加
    圧力受け部は、溶接終了後、切削除去されることを特徴
    とする請求項5記載のプロジェクション溶接方法。
JP15747794A 1994-07-08 1994-07-08 プロジェクション溶接方法 Expired - Lifetime JP2887860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15747794A JP2887860B2 (ja) 1994-07-08 1994-07-08 プロジェクション溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15747794A JP2887860B2 (ja) 1994-07-08 1994-07-08 プロジェクション溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0825058A true JPH0825058A (ja) 1996-01-30
JP2887860B2 JP2887860B2 (ja) 1999-05-10

Family

ID=15650543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15747794A Expired - Lifetime JP2887860B2 (ja) 1994-07-08 1994-07-08 プロジェクション溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2887860B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007275979A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Denso Corp 溶接方法
CN103737191A (zh) * 2013-12-26 2014-04-23 芜湖中山科技有限公司 一种钣金件凸焊结构及其凸焊工艺
KR20150106531A (ko) * 2014-03-12 2015-09-22 주식회사 새한산업 용접 장치용 팁 및 이를 이용한 용접 방법
US10981244B2 (en) * 2016-03-30 2021-04-20 GM Global Technology Operations LLC Resistance welding electrode

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007275979A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Denso Corp 溶接方法
CN103737191A (zh) * 2013-12-26 2014-04-23 芜湖中山科技有限公司 一种钣金件凸焊结构及其凸焊工艺
CN103737191B (zh) * 2013-12-26 2017-03-22 芜湖中山科技有限公司 一种钣金件凸焊结构的凸焊工艺
KR20150106531A (ko) * 2014-03-12 2015-09-22 주식회사 새한산업 용접 장치용 팁 및 이를 이용한 용접 방법
US10981244B2 (en) * 2016-03-30 2021-04-20 GM Global Technology Operations LLC Resistance welding electrode

Also Published As

Publication number Publication date
JP2887860B2 (ja) 1999-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05200557A (ja) アーク溶接接合部
JPH11342477A (ja) スポット溶接方法
JP5549153B2 (ja) インダイレクトスポット溶接方法
JP2019136748A (ja) 抵抗スポット溶接方法
JPH11333569A (ja) シリーズスポット溶接方法及びシリーズスポット溶接装置
JP2887860B2 (ja) プロジェクション溶接方法
KR20190041498A (ko) 커버층의 플라즈마 제트 프리-드릴링에 의해 적어도 두 개의 요소 층을 연결하는 방법
KR20120135966A (ko) 스폿 용접용 전극
JPH1133737A (ja) 被溶接物及びその溶接方法
JPH10128550A (ja) 被溶接物及びその抵抗溶接方法
JPS5890389A (ja) 異種金属のレ−ザ溶接法
JP7479757B2 (ja) スポット溶接方法
JPH11342474A (ja) 平板状部材の溶接方法
JPS60210383A (ja) 細線接合方法
JPH05253683A (ja) レーザスポット溶接方法及び溶接トーチ
JPS61147980A (ja) 通電加熱圧接方法及びその装置
JP7334561B2 (ja) 突合せ溶接方法及びその装置
JPH09123283A (ja) 熱可塑性プラスチック管の接合方法及び接合装置
JPH0347751Y2 (ja)
JP3283293B2 (ja) アルミニウム合金材と異材との溶接方法
JPH0726069U (ja) プラズマ溶接装置とこの溶接装置により溶接される被溶接部の構造
KR100548015B1 (ko) 전기저항용접용 전극부재
US20190061035A1 (en) System and method for joining components
JP5928508B2 (ja) インダイレクトスポット溶接方法
JPH08276276A (ja) パイプとボスとの溶接装置及びそのボス