JPH11342474A - 平板状部材の溶接方法 - Google Patents

平板状部材の溶接方法

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JPH11342474A
JPH11342474A JP14931398A JP14931398A JPH11342474A JP H11342474 A JPH11342474 A JP H11342474A JP 14931398 A JP14931398 A JP 14931398A JP 14931398 A JP14931398 A JP 14931398A JP H11342474 A JPH11342474 A JP H11342474A
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welding
convex portion
arc
flat
projection
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Tatsusaburo Yamakawa
達三朗 山川
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平板状部材を平板状母材にア−クスタッド溶接
法に準じた方法で溶接できるようにする。 【解決手段】周囲にほぼ垂直な側面12を有する溶接用
凸部11を平板状部材1に加工し、該凸部11の前面を
平板状母材2に接触させて通電し、課電したままで接触
面にギャップgを形成してア−クを発生させることによ
り上記凸部11を溶融させ、而るのち、該溶融凸部を平
板状母材2に密着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平板状部材を平板状
母材にア−ク溶接する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、平板材の重ね溶接には、重ねた平
板材を電極で挾持加圧して通電し、接触面を通電加熱に
より溶融させて溶着させる、いわゆる抵抗溶接法が使用
されており、図10に示すように一方の平板材1’に凸
部(プロジェクション)11’を加工して電流及び加圧
力を集中させることが知られている(プロジェクション
溶接方法。図10において、1’及び2’は平板材、3
1’は電極である)。
【0003】しかしながら、この抵抗溶接法では高い加
圧力を必要とし、圧潰強度の低い母材、例えば薄い中空
管への部材の溶接が難しい。周知の通り、ア−クスタッ
ド溶接では、図11の(イ)に示すようにスタッド1’
の先端をフエル−ル41’を嵌めて平板状母材2’に押
し付け、図11の(ロ)に示すように通電後スタッド
1’を引き上げア−クを発生させてスタッド先端とその
直下の母材部分を溶融させ、所定時間のア−ク放電後図
11の(ハ)に示すようにスタッド先端を母材に押し込
んで溶接を終結し、最終的にフエル−ルを取外してい
る。
【0004】このア−クスタッド溶接法では、通常、ボ
ルト、ジベル、ピン等の中実棒や中空棒を平板状母材に
溶接するのに用いられているが、図12の(イ)に示す
ように上側平板材1’に孔11’を加工し、スタッド先
端51’をその孔11’の内周との間にギャツプを隔て
て下側平板材2’に接触させ、図12の(ロ)に示すよ
うに上記ア−クスタッド溶接によりスタッド先端部5
1’と下側平板材2’を溶接するとともにその溶接時の
加熱でスタッド先端部51’と上側平板材1’の孔1
1’周辺とを溶接し、図12の(ハ)に示すようにスタ
ッドを溶融先端部を残して除去することが公知である
(特開昭60−162581号、特開平7−32337
3号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のア−クスタッド法利用の溶接方法は平板材間を直接溶
接するものではなく、前記の抵抗溶接法に較べスタッド
を必要とし、作業工数も増し、不利である。ところで、
上記ア−クスタッド溶接でのア−クの挙動を観察する
と、溶接面で回転しつつ中心部から外方向に向かって拡
がっていき、スタッド先端面外周でその拡がりが停止さ
れ、ア−クプラズマがスタッド先端外周を越えるとして
も極く僅かであり、実質上スタッド先端に集中される。
【0006】而るに、上記のプロジェクション溶接方法
では、凸部を加工して溶接電流を集中させているが、電
流とア−クプラズマとでは拡がりの機構が全く異なり、
プロジェクション溶接方法をア−クスタッド溶接と関連
付けて考察乃至は評価することは行われていない。本発
明の目的は、平板状部材を平板状母材にア−クスタッド
溶接法に準じた方法で溶接できるようにすることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る平板状部材
の溶接方法は、周囲にほぼ垂直な側面を有する溶接用凸
部を平板状部材に加工し、該凸部の前面を平板状母材に
接触させて通電し、課電したままで接触面にギャップを
形成してア−クを発生させることにより上記凸部を溶融
させ、而るのち、該溶融凸部を平板状母材に密着させる
ことを特徴とする方法であり、凸部の前面を中央を頂点
とするテ−パ面または凸曲面とすること、更には凸部の
前面中央に小突起を加工すること、更には凸部の付け根
の曲率半径を凸部周囲の側面の高さのほぼ1/2以下と
することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1の(イ)は請求項1
に係る発明において使用する平板状部材1の一例の平面
図を、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面
図をそれぞれ示し、周囲にほぼ垂直な側面12を有する
凸部11を溶接面側に加工してあり、凸部付け根のコ−
ナ角度は90°〜120°の範囲、好ましくは90°と
されている。この凸部11は、通常プレス金型を使用し
て一挙に絞り出し加工することにより形成されるが、鋳
造や削り出し加工でも、当然、このような形状加工は可
能であり、必要に応じ、適切な加工法を選択することが
可能である。
【0009】凸部は通常円形とされるが、必ずしも、こ
の形状に限定されるものではない。請求項1に係る発明
により、上記の平板状部材を母材に溶接するには、図2
の(イ)に示すように溶接ガンの電極31に平板状部材
1を止着し、平板状部材1の凸部11を母材2に接触さ
せて通電し、図2の(ロ)に示すように加電したままで
電極31を上昇させて平板状部材1の凸部11と平板状
母材2との間にギャツプgを形成してそのギャツプgに
ア−クを発生させる。
【0010】このとき、平板状部材1の凸部11と母材
2との間のギャツプ厚みtに較べて凸部11周囲の平板
状部材平面111’と母材2との間のギャツプ厚みTが
大であり、後者のギャツプGでの絶縁耐力が前者のギャ
ツプgに較べ高く、また後者のギャツプGでの電位傾度
が前者のギャツプgに較べて弱く、しかも両者G,g間
にほぼ垂直な急峻な境界12が存在し前者gでのア−ク
の拡がり(ア−クはア−ク電流により生じる磁界により
外側に拡がろうとする)がよく境界12でくい止められ
るために、後者Gでのア−クの発生を抑えて前者gのみ
にア−クを発生させることができる。即ち、ア−クを凸
部11に集中的に発生させてそのア−ク密度を高くでき
るから、凸部11及び該凸部に対向する母材部分21を
充分に溶け込ませることができる。
【0011】このようにしてア−クを所定の時間継続さ
せ、而るのち、図2の(ハ)に示すように電極31を降
下させて溶融凸部112をその直下の溶融母材部分21
に接触させ通電状態のままで溶融金属を凝固させ、通電
を遮断しこれにて本発明による溶接を終了する。この
間、通電開始から通電遮断までの時間は通常1秒以内で
ある。
【0012】図2の(ロ)において、ア−ク放電を平板
状部材1の凸部11直下のみにとどめ得る条件として
は、平板状部材1と母材2との間隔T、従って凸部11
の高さ以外に、電流値、ア−ク放電時間等の溶接条件も
関与し、凸部高さが1mmの場合、ア−ク放電時間が
0.18秒以下では1400A以下にする必要があり、
またア−ク放電時間が0.18秒以上では凸部が溶融す
ることで凸部高さが低くなることに鑑みて、電流値を低
くする手法が必要になる。
【0013】しかし、溶接完了時の状態を示す図2の
(ハ)のように、凸部部分112が母材部分21と溶け
込み合い、平板状部材1と母材2との間隔T’が、図2
の(ロ)のhで示した凸部高さよりも僅か小さくなり、
この間隔T’が小さすぎると、その間隙へのスパッタや
ゴミのかみこみが生じるので、材質や表面状態や溶接条
件等の要因によって異なるが、凸部の高さhは1.0m
m程度とすることが適切である。
【0014】上記凸部でのア−ク放電は中央から外側に
向けて進行させ溶融をこれに追従させて中央から外側に
生じさせることが溶接界面での巣の発生防止に有効であ
る。而るに、凸部11をプレス金型により一挙に絞り出
し加工するとスプリングバック作用により凸部中央部が
凹み易く、ア−クの初期発生点を凸部前面の中央に位置
させ難くなる。
【0015】請求項2に係る発明では、図3に示すよう
に凸部11の前面(溶接面)中央に小突起111を加工
してア−クの初期発生点をこの小突起位置に確保してア
−クの初期発生点を凸部11の中央に確実に位置させる
ようにしてある。図4は請求項3に係る発明において使
用する平板状部材を示し、凸部11の前面を中央点aを
頂点とするテ−パ面(円錐面)110に加工してア−ク
の初期発生点を中央の頂点aに位置させるようにしてい
る。
【0016】今、図3及び図4において、凸部11の中
心線と母材(図示せず)との角度が正規の90°よりや
や傾いた状態を想定すると、図4に示すものでは凸部1
2の前面中央を頂点aとする円錐面110に形成してい
るから、図3に示す凸部11の前面が平坦で中央に小突
起111を有する場合に較べ、中央点から半径方向に沿
っての凸部11−母材間のギャツプ状態が何れの半径方
向であっても殆ど相違しない。これに対し、図3に示す
凸部11の前面が平坦面の場合は、小突起111を中心
とした上記傾きに対して順方向と逆方向とでは、ギャツ
プ状態が完全に逆勾配になり、半径方向への溶融金属の
流れ性が大きく相違することになる。
【0017】従って、凸部11の加工精度や凸部11の
母材へのセッティング精度上、凸部の中心線と母材との
角度が正規の90°よりやや傾いても、図4に示すもの
では円錐面先端aを中心として溶融された金属の電極に
よる加圧やプラズマ気流や表面張力による半径方向への
拡がりを、図3に示すものに較べ一様にできるから、巣
などの発生をより確実に防止できる。
【0018】もっとも、テ−パ角を大きくし過ぎると、
ア−ク放電時間によっては凸部中央が完全に溶融して穴
が開いた状態になったり、また溶接箇所の凸部と母材と
の間に切欠きが残る畏れもある。従って、凸部11の高
さ(小突起111の高さを含まない)1〜2mmに対
し、凸部前面の円錐面110のテ−パ−角は3°〜15
°とすることが適当である。
【0019】図5に示すように、凸部11の前面円錐面
110の中央に小突起111を加工することもできる。
図4に示す実施例及び図5に示す実施例に対し、テ−パ
面110に変え凸曲面(球面)を用いることもできる。
本発明において、凸部11の径(溶接面積)は、溶接機
の電源特性及び部材板厚やその凸部加工方法によって対
応させて設定する必要があり、本発明のように板厚2〜
5mm程度であればφ12mm程度が適切である。上記
小突起111の高さは0.5mm、径はφ1mmとする
ことが適切である。
【0020】本発明において、凸部11の付け根の曲率
半径Rを大きくするほど、ア−クが凸部の周囲を越えて
ア−ク密度の減少・溶け込み深さの減退が生じるため溶
接界面の破断強度Sが低下するようになり、他方、小に
するほど、凸部付け根での応力集中度が高くなり凸部の
破断強度sが低下し結局は溶接部の機械的強度が低下す
るようになる。
【0021】しかるに、後述のとおり本発明により溶接
した溶接部のJIS Z3136(スポット溶接継手の
引張剪断強度試験)規定の強度試験の結果によれば、凸
部付け根の曲率半径Rが凸部高さhの1倍の場合の引張
剪断強度が実質的にR=0のときの引張剪断強度及び、
R=0.5hの場合の引張剪断強度よりも低くなり、引
張剪断強度の最大値はR=0とR=0.5hとの間のR
のときに生じ、Rが1hに近づくにつれ凸部からア−ク
がはみ出て溶接界面の破断強度が低下していくことが推
察される。従って、図6の(イ)、(ロ)において、R
を0.7hとすること、特にほぼ0.5h以下にするこ
とが好ましい。
【0022】本発明においても通常のア−ク溶接の場合
と同様、ア−クを安定化し溶接強度のバラツキを抑える
ために図7の(イ)に示すように凸部11の溶接面全
体、または図7の(ロ)に示すように局部的にフラック
スfを塗布することもできる。なお、フラックスは脱酸
作用を呈するから、溶接部周辺のギャツプの存在下、防
錆効果も期待できる。
【0023】本発明に係る溶接方法においては、平板状
部材の外、平板部を有する溶接用部材、例えば、図8に
示すように、溶接電極取付け用耳部bを有する溶接用部
材の平板部1に凸部11を加工し、当該凸部を母材にア
−クスタッド溶接することによっても実施できる。この
溶接用部材の溶接電極への着脱自在の止着には、溶接用
部材の形状に応じた治具により行うことができる。
【0024】図9は本発明において使用する溶接設備の
一例を示している。図9において、30は溶接ガンであ
る。31は電極であり、平板状部材1を止着するための
止めピン311を取り付けた角ブロック型としてある。
32は電極31を電磁石のオン・オフにより上下動され
るロッドである。300は溶接機本体であり、コンデン
サや制御装置を装備し、コンデンサの出力端が電力ケ−
ブル301により電極31に接続され、制御系が電磁石
の電磁回路にコントロ−ルケ−ブル302により接続さ
れる。303はア−スケ−ブルであり母材2に接続され
る。
【0025】本発明によりこの設備を使用して溶接する
場合の溶接手順は次の通りである。 溶接電極に平板状部材をセットし、ア−スケ−ブルを
平板状母材に接続する。 ロッドを降下させ、平板状部材の凸部を平板状母材に
押し付ける。 溶接ガンのトリガ−を引くと電極に電流が流れ、引き
続きロッドが上昇されて平板状部材の凸部と平板状母材
との間にア−クが発生される。 所定の時間後、ロッドが降下され平板状部材の凸部が
平板状母材に押し付けられる。 この時点でア−ク放電が終了されて溶接が終結され
る。
【0026】上記ア−ク放電の継続時間は0.1〜0.
3秒であり、ア−ク放電の終了後も0.1秒以上は通電
される。
【0027】
【実施例】何れの実施例及び比較例においても、溶接条
件は電流値1280A、ア−ク放電時間0.175秒と
し、通電極性はア−クの安定性、溶融部の溶け込み深さ
とも逆極性が正極性よりも優れていることを確認のうえ
逆極性とした。また、平板状部材及び平板状母材の何れ
も厚さ3.2mm、巾50mmの溶融亜鉛メッキ鋼板製
とし、平板状部材には図に示す取付け用耳部を有するも
のを使用した。
【0028】〔実施例1〕図1に示す形状の平板状部材
を使用し、凸部11の直径を12.0mm、高さを1.
0mmとし、凸部11付け根のRは実質上0としてア−
クスタッド溶接した。JIS Z3136(スポット溶
接継手の引張剪断強度試験)規定の強度試験により引張
剪断強度を測定したところ(試料数20個)、表1の通
りであった。
【0029】〔実施例2〕図3に示す形状の平板状部材
を使用し、凸部11の直径を12.0mm、凸部の高さ
を1.0mm、小突起111の直径を1.0mm、小突
起の高さを0.5mmとした。Rは実質上0とした。上
記と同様にア−クスタッド溶接し、JIS Z3136
規定の強度試験により引張剪断強度を測定したところ
(試料数20個)、表1の通りであった。
【0030】〔実施例3〕図4に示す形状の平板状部材
を使用し、凸部11の直径を12.0mm、凸部側面の
高さhを1.0mm、テ−パ高さcを0.5mmとし
た。Rは実質上0とした。上記と同様にア−クスタッド
溶接し、JIS Z3136規定の強度試験により引張
剪断強度を測定したところ(試料数20個)、表1の通
りであった。
【0031】〔実施例4〕図5に示す形状の平板状部材
を使用し、凸部11の直径を12.0mm、凸部の側面
高さhを1.0mm、テ−パ高さcを0.5mm、小突
起111の直径を1.0mm、小突起の高さdを0.5
mmとした。Rは実質上0とした。上記と同様にア−ク
スタッド溶接し、JIS Z3136規定の強度試験に
より引張剪断強度を測定したところ(試料数100
個)、表1の通りであった。
【0032】〔実施例5〕図6の(ロ)に示す形状の平
板状部材を使用し、凸部11の直径を12.0mm、凸
部11の側面高さhを1.0mm、テ−パ高さcを0.
5mm、小突起111の直径を1.0mm、小突起11
1の高さdを0.5mm、Rを0.5mmとした。
【0033】上記と同様にア−クスタッド溶接し、JI
S Z3136規定の強度試験により引張剪断強度を測
定したところ(試料数20個)、表1の通りであった。
〔比較例〕実施例5に対し、Rを1.0mmとして上記
と同様にア−クスタッド溶接し、同引張剪断強度を測定
したところ(試料数20個)、表1の参考例の通りであ
った。
【0034】〔実施例6〕実施例2に対し、図7の
(イ)に示すように凸部11のテ−パ前面全体にライム
チタニア系被覆ア−ク溶接棒のフラックスfを塗布した
以外、実施例2に同じとした。上記と同様にア−クスタ
ッド溶接し、JIS Z3136規定の強度試験により
引張剪断強度を測定したところ(試料数20個)、表1
の通りであった。これらの実施例及び比較例の溶接部断
面を写真で観察したところ、何れの実施例についても凸
部をはみ出してのア−ク跡は認められなかったが、比較
例では凸部を約数ミリはみ出してのア−ク跡が観察され
た。これは比較例では凸部の付け根のア−ルが大きくそ
の影響が凸部外周の境界に現れて当該境界の急峻性が失
われたためである。
【0035】この比較例と実施例との対比から、本発明
による凸部でのア−ク集中による優れた溶接強度の発現
効果を確認できた。特に、実施例3〜6は実施例1及び
2に較べ平均強度およびバラツキがともに向上してお
り、凸部前面をテ−パ面とすることによる巣の発生抑制
効果が確認できた。
【0036】また、実施例1(凸部前面平坦)に対する
実施例2(実施例1の凸部前面中央に小突起を加工した
もの)の溶接強度の増加率(1.12)が実施例3(凸
部前面テ−パ面)に対する実施例2(実施例3の凸部前
面中央に小突起を加工したもの)の溶接強度の増加率
(1.07)よりも高いことから、小突起の効果は凸部
前面が平坦面の場合に顕著であることが認められる。
【0037】また、実施例5では凸部付け根にア−ルを
つけたにもかかわやず、凸部高さの1/2と小さくした
ために凸部の周囲を越えてのア−クの拡がりが実質上な
いことを溶接部の断面写真から確認した。而して、実施
例5と実施例6(ア−ルが実質的に0)との比較から、
ア−ルが凸部高さの1/2以下であれば、確実にア−ク
の凸部集中効果を保持しつつ応力集中緩和効果により溶
接強度を向上できることが明らかである。
【0038】なお、実施例6から通常のア−ク溶接と同
様フラックスの効果もあることが明らかである。 表1 剪断強度(kgf) 平均値 偏差 実施例1 2473 893 実施例2 2773 705 実施例3 2965 573 実施例4 3164 503 実施例5 3288 558 実施例6 3359 225 比較例 2032 849
【0039】
【発明の効果】本発明によれば平板状部材を平板状母材
に良好に直接ア−クスタッド溶接することができ、抵抗
溶接とは異なり加圧力を著しく小さくできるので(1/
100程度)薄い中空材でも溶接でき、また、特別の電
源装置を必要とせず、更に作業時間が短く作業者の熟練
度に左右されることないので母材への熱的影響を激減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明において使用する平板状部材を
示す図面である。
【図2】本発明に係る溶接方法を示す図面である。
【図3】請求項3の発明において使用する平板状部材の
一例を示す図面である。
【図4】請求項2の発明において使用する平板状部材の
一例を示す図面である。
【図5】請求項3の発明において使用する平板状部材の
別例を示す図面である。
【図6】請求項4の発明において使用する平板状部材を
示す図面である。
【図7】本発明において使用する上記とは別の平板状部
材を示す図面である。
【図8】本発明において使用する耳部付きの平板状部材
を示す図面である。
【図9】本発明において使用する溶接機の一例を示す図
面である。
【図10】プロダクション溶接方法を示す図面である。
【図11】通常のア−クスタッド溶接方法を示す図面で
ある。
【図12】ア−クスタッド溶接方法を利用した従来の平
板状部材の溶接方法を示す図面である。
【符号の説明】
1 平板状部材 11 凸部 12 垂直側面 110 テ−パ面 111 小突起 R 凸部付け根のア−ル 2 平板状母材 31 溶接電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周囲にほぼ垂直な側面を有する溶接用凸部
    を平板状部材に加工し、該凸部の前面を平板状母材に接
    触させて通電し、課電したままで接触面にギャップを形
    成してア−クを発生させることにより上記凸部を溶融さ
    せ、而るのち、該溶融凸部を平板状母材に密着させるこ
    とを特徴とする平板状部材の溶接方法。
  2. 【請求項2】凸部の前面を中央を頂点とするテ−パ面ま
    たは凸曲面とする請求項1記載の平板状部材の溶接方
    法。
  3. 【請求項3】凸部の前面中央に小突起を加工する請求項
    1または2記載の平板状部材の溶接方法。
  4. 【請求項4】凸部の付け根の曲率半径を凸部周囲の側面
    の高さの1/2以下とする請求項1〜3何れか記載の平
    板状部材の溶接方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005169500A (ja) * 2003-10-31 2005-06-30 General Electric Co <Ge> 融接法及び溶接物品
JP2008539081A (ja) * 2005-04-27 2008-11-13 パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング 張り出し部を備えた溶接用突起を有する構成部分および、溶接用突起を備えた構成部分を有するランプハウジング部分
US20160221109A1 (en) * 2013-09-16 2016-08-04 Al-S Technology B.V. Projection welding of metal sheets

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