JP2007296573A - スタッド溶接方法 - Google Patents

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靖史 松下
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渉 近澤
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Abstract

【課題】一般的なスタッド及びスタッド溶接用フェルールを用いて少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmである板状部材を母材上に良好な状態で溶接できるスタッド溶接方法を提供する。
【解決手段】直径が8〜13mmのスタッド2をスタッド挿通穴1bに挿通させた状態で、余盛形成部1aの下面がスタッド挿通穴1bの軸線に対して直角なスタッド溶接用フェルール1及びスタッド2をスタッドガンに装着した後に、余盛形成部1aの下面が板状部材Pの側端縁及び母材Bの表面に当接し、スタッド2の中心軸と母材Bの表面とで形成される角度が70〜80度で且つスタッド2の中心軸が板状部材P側の側端縁に位置する状態と側面から見て板状部材Pの側端縁から母材B側にスタッド2の直径の1/6ズレて位置する状態との間にあるようにスタッドガンを位置せしめてスタッドガンにより板状部材Pの側縁部を母材B上にスタッド溶接する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スタッド及びスタッド溶接用フェルールを用いて少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmである板状部材を母材上に溶接するスタッド溶接方法に関するものである。
一般に、板状部材を母材上に溶接するための方法としては、板状部材を母材上に設置させた状態でこの板状部材の側縁部と母材の表面とが当接する部位を被覆アーク溶接やガスシールドアーク溶接等のアーク溶接により溶接する方法や、母材と板状部材とを一対の電極チップで挟み込んでスポット溶接により溶接する方法が広く知られている。
しかしながら、前者のアーク溶接により板状部材を母材上に溶接する場合には、板状部材と母材とが当接する部位の全周に亘ってアーク溶接により溶接を行わなければならないため溶接部分の長さが長いので面倒であるばかりでなく時間と労力とが非常に掛かってしまうというと問題があり、また溶接作業を行っている場所が建設現場等の足場の悪い場所である場合には、作業者は足場や他の作業等に注意しながら溶接作業を行わなくてはならないから、作業効率が悪化してしまったり、溶接作業の質が低下してしまったりするという欠点があった。
また、後者のスポット溶接により板状部材を母材上に溶接する場合には、母材と板状部材とを一対の電極チップで挟み込まなければならないから、母材の裏面側に電極チップを設置するための余地がない場合や、溶接しようとする母材や板状部材が厚くスポット溶接に適していない材料である場合には、板状部材を母材上に溶接することができないという欠点があった。
そこで、このようなアーク溶接やスポット溶接と比べて、比較的簡単に短時間で溶接を行うことができると共に、その溶接に用いられるスタッドガン自体が軽量で建設現場等の足場の悪い場所等の様々な場面において用いることができるいう特徴を有し、従来より円柱状やネジ状のスタッドを起立した状態で母材上に溶接するために多用されるスタッド溶接を用いて、板状部材を母材上に溶接する方法も考えられる。
しかしながら、このようなスタッド溶接を利用して板状部材を母材上に溶接する場合には、スタッドを母材上の板状部材の表面上に位置せしめてスタッド溶接を行うことになるが、この際にスタッドが溶接される板状部材の部位の表面側から裏面側及びその部位の直下の母材の表面までの部位を総て溶融させなければならす、単にスタッドを母材上にスタッド溶接する通常のスタッド溶接と比較して比較的大径なスタッドを用いて大電流でスタッド溶接を行うことになるため、大型の電気設備等が必要になるばかりでなく、スタッド溶接の有する機動性や簡便性等の特徴が損なわれるという欠点があり、また母材上に溶接される板状部材がその板厚が2〜4mmであるいわゆる薄板状部材である場合には、このような比較的大径なスタッドを用いて大電流でスタッド溶接を行うと、溶接された箇所の近傍の部位の強度がその周辺の部位と比較して低下してしまうので、外力により溶接された箇所の近傍で破断し易いという欠点があるばかりでなく、板状部材全体の強度が不均一となってしまうという欠点があった。
そこで、比較的大径なスタッドや大電流を必要とせずスタッド溶接を利用して板状部材を母材上に溶接することができる方法として、例えば母材に鋼板,プラスチック,木材等の板状部材を重ね合わせて接合するに際し、板状部材の重ね合わせ部にリベット穴を設け、このリベット穴にリベットの軸部を挿通させるとともに、このリベットの挿通端面を母材の重ね合わせ部に当接させ母材にスタッド溶接する方法(例えば、特許文献1参照。)や、板状部材に孔を穿設し、その孔部分を挟んで板状部材の片面に母材、他面に板状の当て金をそれぞれ重ね合わせ、当て金の表面にアークスタッド溶接機に着脱自在に把持されたスタッドの先端を接触し、次いでアークスタッド溶接機を起動させてスタッドの先端と当て金の間に放電を自動的に行わせることにより、スタッドの先端と共にそれに接触する当て金部分を溶融させ、板状部材の孔の縁部と母材との間を溶接固定する方法(例えば、特許文献2参照。)等が提案された。
しかしながら、前者の方法では板状部材の重ね合わせ部に予めリベット穴を設けなければならないが、板状部材が長さの長いものである場合には多数のリベット穴を設けなければならず、しかもその板状部材に折曲部や他の部材が取り付けられる場合にはその部位を除いた部位を選んでリベット穴を設けなければならないから、非常に手間がかかるという欠点があるばかりでなく、板状部材と母材とが互いに溶融して強固に結合されているのではなく板状部材は母材に溶接されたリベットを介して係止されているのみの状態であるから、その結合状態が直接溶接されたものに比して脆弱であるという欠点もあり、また外力によりリベットの頭部やリベット穴が変形してしまったりした場合には母材より板状部材が簡単に外れてしまうという欠点もあり、更にはこのようなスタッド溶接方法ではリベットとスタッドが一体となった特殊なスタッドを用いる必要があるので、溶接する際のコストが高くなってしまうという欠点があった。
一方、後者の方法では板状部材と母材と当て金とスタッドの先端とがそれぞれ溶融して強固に結合されているものの、前者の方法と同様に板状部材に予め孔を穿設しなければならないと共にその孔部分を挟んで板状部材の片面に母材、他面に板状の当て金をそれぞれ重ね合わせた状態でスタッド溶接を行わなければならないから、非常に手間がかかるという欠点があるばかりでなく、板状部材の孔が当て金によって遮られた状態でスタッド溶接を行なわなければならないから、正確な板状部材の孔の位置が把握できない状態でスタッド溶接を行わなくてはならないのでその作業性が悪いという欠点もあり、またアークにより当て金を溶融させた後に板状部材の孔周辺部,母材及びスタッドの先端を溶融させてスタッド溶接する構成となっているから、当て金の材質や厚さや板状部材の孔の大きさや長さ等の様々な条件に合わせて、アークを発生させる電流の通電時間や電圧等の管理や調整を行わなければならないので、その管理や調整が非常に難しいという欠点もあり、更にはこのような非常に難しい電流の通電時間や電圧等の管理や調整を自動的に行わせる場合には、新たな制御機構を設けた特殊なスタッド溶接機が必要であるという欠点もあった。
更に、何れの方法においても板状部材に予め孔等を設けた状態でスタッド溶接が行われるから、若し一カ所でも溶接した後に接合の強度不足に気付いた場合であっても、後から更に溶接箇所を増やすことが非常に困難であるという欠点があり、更にそれぞれ板状部材の孔等をスタッド溶接するものであるから、外力により板状部材の周縁部が浮いてしまうことによって、板状部材全体の接合強度が著しく低下してしまう危険性を有しているという欠点もあった。
特開平6−126464号公報 特開平8−332573号公報
本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、一般的なスタッド,スタッド溶接用フェルールやスタッドガンを用いて少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmである板状部材を母材上に良好な状態でスタッド溶接することができる新規なスタッド溶接方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、板状部材を母材上にスタッド溶接するに際し、スタッドの下端より放出されるアークによって板状部材の側端縁から母材の表面に亘って効率的に溶融させることができれば、一般的なスタッド,スタッド溶接用フェルールやスタッドガンを用いたとしても、母材や板状部材自体に特別な加工を施すことなく、板状部材の側縁部を母材に直接スタッド溶接することができることに着目した。
そこで、本発明者らは更に研究を重ねた結果、母材上にスタッド溶接される板状部材が少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmであれば、直径が8〜13mmで下端にフラックス部が突出形成されている一般的なスタッド及び余盛形成部の下面がスタッド挿通穴の軸線に対して直角な一般的なスタッド溶接用フェルールを用いたとしても、スタッドガンに装着されたスタッド及びスタッド溶接用フェルールと、母材上に溶接される板状部材との位置関係を或る一定の条件の範囲内とすることによって、スタッドの下端より放出されるアークにより板状部材の側端縁から母材の表面に亘って効率的に溶融させることができるので、板状部材を母材上に良好な状態でスタッド溶接することができることを究明して本発明を完成したのである。
即ち本発明は、少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmである板状部材を母材上に、余盛形成部の下面がスタッド挿通穴の軸線に対して直角なスタッド溶接用フェルールを用いてスタッド溶接する方法であって、
直径が8〜13mmで下端にフラックス部が突出形成されているスタッドをスタッド挿通穴に挿通させた状態でスタッド溶接用フェルール及びスタッドをスタッドガンに装着せしめた後に、該スタッド溶接用フェルールの余盛形成部の下面が板状部材の側端縁及び母材の表面に当接し、該スタッドの中心軸と母材の表面とで形成される角度が70〜80度で且つ該スタッドの中心軸が板状部材側の側端縁に位置する状態と側面から見て板状部材の側端縁から母材側に該スタッドの直径の1/6ズレて位置する状態との間にあるようにスタッドガンを位置せしめてスタッドガンによりアークを発生させることによって板状部材の側縁部を母材上に溶接することを特徴とするスタッド溶接方法である。
そして、このような本発明に係るスタッド溶接方法おいて、スタッド溶接用フェルールとして、余盛形成部にガス抜き用溝が設けられているスタッド溶接用フェルールや、余盛形成部の底面が平面状を成すスタッド溶接用フェルールをも使用することができ、またスタッドとして、破断部用ノッチが形成されているスタッドをも使用することができるので、様々な汎用品のスタッド溶接用フェルールやスタッドを用いることができて好ましいことも究明したのである。
本発明に係るスタッド溶接方法は、前記の如くスタッドガンに装着されたスタッド及びスタッド溶接用フェルールと、母材上に溶接される板状部材との位置関係を或る一定の条件の範囲内とすることによって、スタッドの下端より放出されるアークにより板状部材の側端縁から母材の表面に亘って効率的に溶融させることができるので、板状部材を母材上に良好な状態でスタッド溶接することができるばかりでなく、板状部材の側縁部を母材に直接スタッド溶接するものであるから、母材や板状部材自体に一切加工を施す必要がないと共に、一度スタッド溶接を行った施工後において容易に溶接箇所を増やすことができるのである。
そして、本発明に係るスタッド溶接方法は、直径が8〜13mmで下端にフラックス部が突出形成されている一般的なスタッド,余盛形成部の下面がスタッド挿通穴の軸線に対して直角な一般的なスタッド溶接用フェルール及び一般的なスタッドガンを用いることができるから、特殊なスタッド、スタッド溶接用フェルールや、スタッド溶接機等を準備する必要が一切なく、コストの安い汎用品を使用することできるので、導入コストやランニングコストを安価にすることができ非常に経済的である。
また、本発明に係るスタッド溶接方法は、溶接される板状部材や母材等に一切加工を施すことなく板状部材を母材上に良好な状態でスタッド溶接することができるから、その作業工数が従来の方法と比べて少なく済むので、その作業効率を格段に向上させることができる。
そして、このような本発明に係るスタッド溶接方法おいて、スタッド溶接用フェルールとして、余盛形成部にガス抜き用溝が設けられているスタッド溶接用フェルールや、余盛形成部の底面が平面状を成すスタッド溶接用フェルールをも使用することができ、またスタッドとして、破断部用ノッチが形成されているスタッドをも使用することができるので、様々な汎用品のスタッド溶接用フェルールやスタッドを用いることができて好ましく、特に破断部用ノッチが形成されているスタッドを使用すれば、板状部材を母材上にスタッド溶接した後にスタッドの上方側の部位をハンマー等で打撃したり専用の工具で力を加えたりすることにより、破断部用ノッチを破断させてスタッドの上方側の部位を除去することができるばかりでなく、スタッドの破断部用ノッチのみが破断したことを確認することによって板状部材が母材上に適正な強度でスタッド溶接されているが否かを簡単に判定することができるので好ましい。
以下、図面により本発明に係るスタッド溶接方法について詳細に説明する。
図1は本発明に係るスタッド溶接方法におけるスタッドガンによりアークを発生させる直前の状態の1例をスタッドガンを省略して示す側断面説明図、図2は図1に示す状態からスタッドガンによりアークを発生させることによって板状部材の側縁部を母材上に溶接した後の状態の1例をスタッドガンを省略して示す側断面説明図、図3は本発明に係るスタッド溶接方法におけるスタッドの中心軸と母材の表面とで形成される角度について模式的に示す側面説明図、図4は本発明に係るスタッド溶接方法におけるスタッドの中心軸が板状部材の側端縁に位置する状態を模式的に示す側面説明図、図5は本発明に係るスタッド溶接方法における側面から見て板状部材の側端縁から母材側にスタッドの直径の1/6ズレて位置する状態を模式的に示す側面説明図、図6は本発明に係るスタッド溶接方法において使用されるスタッド溶接用フェルールの1例を示す斜視説明図、図7は図6の側断面説明図、図8は本発明に係るスタッド溶接方法において使用されるスタッド溶接用フェルールの他の1例を示す斜視説明図、図9は図8の側断面説明図、図10は本発明に係るスタッド溶接方法において使用されるスタッドの1例を示す斜視説明図である。
先ず、本発明に係るスタッド溶接方法に使用されるスタッド溶接用フェルール1及びスタッド2について説明する。
図面中、1は余盛形成部1aの下面がスタッド挿通穴1bの軸線に対して直角なスタッド溶接用フェルールであり、そのスタッド挿通穴1bに後述するスタッド2を挿通された状態でスタットガン(図示せず)に装着されると共に、スタッドガンによりアークを発生させることによって少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmである板状部材Pの側縁部を母材B上に溶接する際にその余盛形成部1aの下面が板状部材Pの側端縁及び母材Bの表面に当接される。
このスタッド溶接用フェルール1としては、余盛形成部1aの下面がスタッド挿通穴1bの軸線に対して直角な形状をなしているものであれば何でもよく、例えば図6及び図7に示す如く余盛形成部1aにガス抜き用溝1aaが設けられているものや、図8及び図9に示す如く余盛形成部1aの底面が平面状を成すもの等の一般に市販されているスタッド溶接用フェルール1が適宜使用できる。
そして、このスタッド溶接用フェルール1の材料としては、耐熱性や電気絶縁性等の観点からセラミックスが好適に使用される。
2は直径が8〜13mmで下端にフラックス部2aが突出形成されているスタッドであり、スタッド溶接用フェルール1のスタッド挿通穴1bに挿通させた状態でスタッド溶接用フェルール1と共にスタッドガンに装着せしめられた後に、スタッドガンによりアークを発生させることによって、その下端より放出されるアークによって板状部材Pの側端縁から母材Bの表面に亘って効率的に溶融させると共にその下端側も溶融され、しかる後にスタッドガンにより母材B及び板状部材Pと当接する方向へ押し戻されると、板状部材Pの側縁部を母材B上に溶接する役目を果たす。
このスタッド2としては、その直径が8〜13mmで下端にフラックス部2aが突出形成されているものであれば何でもよく、例えば一般に市販されているスタットボルト等も使用することができるが、図10に示す如く破断部用ノッチ2bが形成されているスタッドを使用すれば、板状部材Pを母材B上にスタッド溶接した後にスタッド2の上方側の部位をハンマー等で打撃したり専用の工具で力を加えたりすることにより、破断部用ノッチ2bを破断させてスタッド2の上方側の部位を除去することができるから、例えば板状部材Pがタイトフレーム等の屋根固定部材であり、このような板状部材Pを母材B上に溶接した後に板状部材Pに別途屋根材等の部材を固定する場合には、溶接されたスタッド2が邪魔にならないので好ましく、またスタッド2の上方側の部位をハンマー等で打撃したり専用の工具で力を加えたりした際に、スタッド2の破断部用ノッチ2bのみが破断したことを確認することによって、スタッド溶接を行った後に板状部材Pが母材B上に適正な強度で溶接されているが否かを簡単に判定することができるので好ましい。
次に、このようなスタッド溶接用フェルール1及びスタッド2を用いて本発明に係るスタッド溶接方法により板状部材Pの側縁部を母材B上に溶接する方法について説明する。
初めに準備として、少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmである板状部材Pを母材B上の固定すべき位置に載置すると共に、スタッド2をスタッド挿通穴1bに挿通させた状態でスタッド溶接用フェルール1及びスタッド2をスタッドガンに装着せしめる。
このような準備が完了した後に、スタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面が板状部材Pの側端縁及び母材Bの表面に当接し、スタッド2の中心軸と母材Bの表面とで形成される角度が70〜80度で且つスタッド2の中心軸が板状部材P側の側端縁に位置する状態と側面から見て板状部材Pの側端縁から母材B側にスタッド2の直径の1/6ズレて位置する状態との間にあるようにスタッドガンを位置せしめる。
この際、図1に示す如くスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面が板状部材Pの側端縁及び母材Bの表面に当接させた状態で、即ちスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面が板状部材Pの側端縁の2箇所及び母材Bの表面の1箇所の計3箇所で当接させた状態で、図3に示す如くスタッド2の中心軸と母材Bの表面とで形成される角度θが70〜80度となるように、且つ図4に示す如くスタッド2の中心軸が板状部材P側の側端縁に位置する状態と、図5に示す如く側面から見て板状部材Pの側端縁から母材B側にスタッド2の直径の1/6ズレて位置する状態との間にあるようにスタッドガンを位置せしめるのである。
より具体的には、図1に示す如くスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面が板状部材Pの側端縁及び母材Bの表面に当接させた状態で、図3に示す如くスタッド2の中心軸と母材Bの表面とで形成される角度θが70〜80度で且つスタッド2と板状部材Pの側端縁との位置関係が図4に示す如き位置から図5に示す如き位置までの範囲内に収まるように、スタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面と母材Bの表面とが当接する部位を板状部材Pの側端縁の方向へ接近させたり離反させたりすることにより行われる。
即ち、図1に示す如くスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面を板状部材Pの側端縁及び母材Bの表面に当接させた状態において、スタッド2と板状部材Pの側端縁との位置関係が図4に示す如くスタッド2の中心軸が板状部材P側の側端縁に位置する状態に近付けば近付く程、図3に示すスタッド2の中心軸と母材Bの表面とで形成される角度θは鈍角になり、一方スタッド2と板状部材Pの側端縁との位置関係が図5に示す如く側面から見て板状部材Pの側端縁から母材B側にスタッド2の直径の1/6ズレて位置する状態に近付けば近付く程、図3に示すスタッド2の中心軸と母材Bの表面とで形成される角度θは鋭角になるのであり、このようにスタッド2の中心軸と母材Bの表面とで形成される角度θが70〜80度の範囲内にあることにより、スタッド2の下端より放出されるアークにより板状部材Pの側端縁から母材Bの表面に亘って効率的に溶融させることができるので、板状部材Pを母材B上に良好な状態でスタッド溶接することができるのである。
これは、スタッド2と板状部材Pの側端縁との位置関係がスタッド2の中心軸が板状部材P側の側端縁に位置する図4に示す如き状態よりも更にスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面と母材Bの表面とが当接する部位を板状部材Pの側端縁の方向へ接近させた状態となる場合には、アークが放出されるスタッド2の下端は板状部材Pの表面に対向することになるから、アークは板状部材Pの表面から側縁部へ集中して母材Bの溶融量が少なくなって充分な溶接強度が得られず、一方スタッド2と板状部材Pの側端縁との位置関係が側端縁から母材B側にスタッド2の直径の1/6ズレて位置する図5に示す如き状態よりも更にスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面と母材Bの表面とが当接する部位を板状部材Pの側端縁から離反させた状態となる場合には、アークが放出されるスタッド2の下端と板状部材Pの側縁部との間の距離が遠すぎるから、アークは母材Bの表面へ集中してしまい母材Bの表面のみが溶融してしまうので、アークにより板状部材Pの側端縁から母材Bの表面に亘って効率的に溶融させるためには、本発明の如くスタッド2の中心軸と母材Bの表面とで形成される角度が70〜80度で且つスタッド2の中心軸が板状部材P側の側端縁に位置する状態と側面から見て板状部材Pの側端縁から母材B側にスタッド2の直径の1/6ズレて位置する状態との間にあるようにスタッドガンを位置せしめる必要がある。
次に、このようにスタッドガンを位置せしめた後に、スタッドガンによりアークを発生させることによって板状部材Pの側縁部を母材B上に溶接する。
より具体的には、図1に示す如くスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面が板状部材Pの側端縁及び母材Bの表面に当接し、スタッド2の中心軸と母材Bの表面とで形成される角度が70〜80度で且つスタッド2の中心軸が板状部材P側の側端縁に位置する状態と側面から見て板状部材Pの側端縁から母材B側にスタッド2の直径の1/6ズレて位置する状態との間にあるようにスタッドガンを位置せしめた状態で、スタッドガンを起動させると、先ず弱い電流がスタッド2のフラックス部2aと板状部材P及び母材Bとの間に流れると共にスタッド2のみが母材B及び板状部材Pより離反する方向へ引き上げられることによりパイロットアークが発生し、その後に更に強い電流を流すことによってスタッド2の下端より強力なアークが放出され、この強力なアークにより板状部材Pの側端縁から母材Bの表面に亘って溶融すると共にスタッド2の下端側も溶融した後に、予め設定された時間が経過した後にスタッド2が母材B及び板状部材Pと当接する方向へ押し戻されると共に電流が遮断され、しかる後に板状部材Pの側端縁と母材Bの表面とスタッド2の下端側とが冷却されることにより、図2に示す如く溶融した板状部材Pの側端縁と母材Bの表面とスタッド2の下端側が一体となって固化し、板状部材Pの側端縁から母材Bの表面に亘って適度な余盛が形成されることによって、板状部材Pの側縁部が母材B上に溶接される。
この際、図1に示す如くスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面を板状部材Pの側端縁及び母材Bの表面に当接させた状態では、スタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面が板状部材Pの側端縁の2箇所及び母材Bの表面の1箇所の計3箇所で当接し、一方スタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面と母材Bの表面との間(図1においてスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aが母材Bの表面と当接している部位の左側に形成された三角形状の部位)、及びスタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面と板状部材Pの表面との間(図1において前記三角形状の部位の左側に形成された左に開放した部位)に隙間が生じてしまうのであるが、これらの隙間がスタッド2自体の大きさと比してそれ程大きくないため、前記の如くスタッドガンによりアークを発生させることによって板状部材Pの側縁部を母材B上に溶接しても、これらの隙間からは余分な溶融した金属やスパッタ等が排出されるだけであるので、これらの隙間の存在に左右されることなく板状部材Pを母材B上に良好な状態でスタッド溶接することができるのである。
かくして、板状部材Pの側縁部を母材B上に良好な状態でスタッド溶接できた後に、スタッド溶接用フェルール1が不要な場合には、このスタッド溶接用フェルール1をハンマー等で叩き割ったりすることにより除去すればよいのである。
そして、スタッド2として、図10に示す如く破断部用ノッチ2bが形成されているスタッドを使用した場合には、スタッド2の上方側の部位をハンマー等で打撃したり専用の工具で力を加えたりすることにより破断させてスタッド2の不要な上方側の部位を除去すればよいのである。
以下、本発明に係るスタッド溶接方法により板状部材Pの側縁部を母材B上に溶接する実施例を示すが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
尚、実施例1〜3において用いられた各部材は以下の通りである。
スタッド溶接用フェルール:日本スタッドウェルディング社製,製品名:KSN−10
スタッド:日本スタッドウェルディング社製 製品名:NBLノックオフシリーズ(標準スタッド10φ)
板状部材:日本鐵板社製,製品名:HK500用タイトフレームFタイプ
母材:新日本製鉄社製錆止め塗料塗布済みH型鋼,製品名:SS400
スタッド溶接装置本体:日本スタッドウェルディング社製,製品名:NSW15T
スタッドガン:日本スタッドウェルディング社製,製品名:NS40SD(ダンパー付)
実施例1は、母材BであるH型鋼上に板状部材Pである山部が1つのみ存在するタイトフレームを載置し、タイトフレームの山部の両側の各立上がり部の根元のH型鋼と接する2箇所づつ計4箇所に本発明方法によりスタッド溶接を行った。詳しくは、板状部材Pの各溶接される箇所の板厚は2.8mmであり、スタッド溶接用フェルール1及びスタッド2をスタッドガンに装着せしめた後に、スタッド溶接用フェルール1の余盛形成部1aの下面がタイトフレームの側端縁及びH型鋼の表面に当接させ、スタッド2の中心軸とH型鋼の表面とで形成される角度が概ね70〜80度の範囲で、且つ側面から見てスタッド2の中心軸がタイトフレームの側端縁からH型鋼側に概ね0〜1.6mmの範囲(即ち、スタッドの直径の0〜1/6ズレて位置する状態)となるように専用治具を用いてスタッドガンを位置せしめ、しかる後にスタッドガンによりアークを発生させることによって溶接を行った。尚、溶接条件の詳細は、溶接電流が700A,溶接時間が0.40sec,突出代が8mm,引上げ代が1.0mmである。
尚、実施例2及び3についても、上記実施例1と同様である。
試験方法は、実施例1〜3においてH型鋼上にスタッド溶接されたタイトフレームの山部をH型鋼側と離反する方向へと引張り、タイトフレーム又は溶接箇所等が破断した時点での最大張力を測定した。測定結果は、下記表1に示す通りである。
Figure 2007296573
表1の結果からも明らかなように、本発明に係るスタッド溶接方法を用いてタイトフレームをH型鋼上にスタッド溶接した場合には、最大張力の平均が25.93kNであり、またそのバラツキも±5kN以内に収まるものであるから、タイトフレームに求められる溶接強度を充分に満たしていることが判明した。
本発明に係るスタッド溶接方法におけるスタッドガンによりアークを発生させる直前の状態の1例をスタッドガンを省略して示す側断面説明図である。 図1に示す状態からスタッドガンによりアークを発生させることによって板状部材の側縁部を母材上に溶接した後の状態の1例を示すスタッドガンを省略して側断面説明図である。 本発明に係るスタッド溶接方法におけるスタッドの中心軸と母材の表面とで形成される角度について模式的に示す側面説明図である。 本発明に係るスタッド溶接方法におけるスタッドの中心軸が板状部材の側端縁に位置する状態を模式的に示す側面説明図である。 本発明に係るスタッド溶接方法における側面から見て板状部材の側端縁から母材側にスタッドの直径の1/6ズレて位置する状態を模式的に示す側面説明図である。 本発明に係るスタッド溶接方法において使用されるスタッド溶接用フェルールの1例を示す斜視説明図である。 図6の側断面説明図である。 本発明に係るスタッド溶接方法において使用されるスタッド溶接用フェルールの他の1例を示す斜視説明図である。 図8の側断面説明図である。 本発明に係るスタッド溶接方法において使用されるスタッドの1例を示す斜視説明図である。
符号の説明
1 スタッド溶接用フェルール
1a 余盛形成部
1b スタッド挿通穴
1aa ガス抜き用溝
2 スタッド
2a フラックス部
2b 破断部用ノッチ
B 母材
P 板状部材
θ スタッドの中心軸と母材の表面とで形成される角度

Claims (4)

  1. 少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmである板状部材(P)を母材(B)上に、余盛形成部(1a)の下面がスタッド挿通穴(1b)の軸線に対して直角なスタッド溶接用フェルール(1)を用いてスタッド溶接する方法であって、
    直径が8〜13mmで下端にフラックス部(2a)が突出形成されているスタッド(2)をスタッド挿通穴(1b)に挿通させた状態でスタッド溶接用フェルール(1)及びスタッド(2)をスタッドガンに装着せしめた後に、該スタッド溶接用フェルール(1)の余盛形成部(1a)の下面が板状部材(P)の側端縁及び母材(B)の表面に当接し、該スタッド(2)の中心軸と母材(B)の表面とで形成される角度が70〜80度で且つ該スタッド(2)の中心軸が板状部材(P)側の側端縁に位置する状態と側面から見て板状部材(P)の側端縁から母材(B)側に該スタッド(2)の直径の1/6ズレて位置する状態との間にあるようにスタッドガンを位置せしめてスタッドガンによりアークを発生させることによって板状部材(P)の側縁部を母材(B)上に溶接することを特徴とするスタッド溶接方法。
  2. スタッド溶接用フェルール(1)として、余盛形成部(1a)にガス抜き用溝(1aa)が設けられているスタッド溶接用フェルールを使用する請求項1に記載のスタッド溶接方法。
  3. スタッド溶接用フェルール(1)として、余盛形成部(1a)の底面が平面状を成すスタッド溶接用フェルールを使用する請求項1に記載のスタッド溶接方法。
  4. スタッド(2)として、破断部用ノッチ(2b)が形成されているスタッドを使用する請求項1から3までの何れか1項にに記載のスタッド溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101850461A (zh) * 2009-04-01 2010-10-06 平井工作株式会社 减震器固定卡具及其制造方法
CN102240843A (zh) * 2011-06-29 2011-11-16 张家港市安捷探伤焊割设备修造厂 一种大直径拉弧式螺柱焊枪
CN102240842A (zh) * 2011-06-29 2011-11-16 张家港市安捷探伤焊割设备修造厂 一种通用的拉弧式螺柱焊枪
KR101775475B1 (ko) * 2015-08-27 2017-09-06 삼성중공업 주식회사 스터드 용접용 용가재

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