JPH067914U - 金型の予熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 金型内にキャビティの側方を通過する流路を
設け、該流路に加熱したエアを流通させることにより、
金型の予熱時にキャビティ面に不純物が付着したり該キ
ャビティが熱損傷したりすることなく、また予熱作業が
安全に行なえるようにする。 ［構成］ 金型内にキャビティの側方を通過する流路を
設け、該流路を金型の外方に配置したエア供給源に接続
する供給管と、該供給管内を流通するエアを加熱する加
熱装置とを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金型を予熱する予熱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術として、常温の金型のキャビティ内にいきなり溶融もしくは加熱さ れた高温の被成形物質を注入、いわゆる捨て打ちして上記金型を予熱する手段、 あるいは鋳造開始の前段に上下金型を離間させ、該上下金型のキャビティ面をバ ーナ、電熱ヒータ等の予熱器具により予熱する手段があった。

【考案が解決しようとする課題】

【０００３】 前者は被成形物質を浪費するとともに、該被成形物質の一部が金型のキャビテ ィ面に付着し、その後の成形品の精度が低下する欠点があった。また、後者はキ ャビティ面の薄肉部分が過剰に加熱されて熱損傷したり、あるいは予熱器具の着 脱に手数を要するとともに、該予熱器具の取外し時に作業者が火傷をしたりする 欠点があった。本考案は上記欠点を解消した新規な金型の予熱装置を得ることを 目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、金型内にキャビティの側方を通過する流 路を設け、該流路を金型の外方に配置したエア供給源に接続する供給管と、該供 給管内を流通するエアを加熱する加熱装置とを設ける構成にしたものである。

【０００５】

【作用】

本考案は上記構成にしたものであるから、エア供給源から吐出されたエアは、 供給管内を流通し、この部で加熱装置により所定温度に加熱された後、金型内の 流路を流通する。そして、上記流路部でエアの温度が金型に伝達され、キャビテ ィ面が所定温度に上昇される。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。図面において、図１は本考案の 実施例を示す一部断面平面図、図２はその側面図である。図１および図２におい て、１は上下割形の金型であり、ベースに固定される固定金型２と該固定金型２ に対して上下方向に移動される可動金型３とを有し、固定金型２および可動金型 ３の合い面部にキャビティ４を形成し、可動金型３側にキャビティ４に通ずる注 湯口５を形成する。

【０００７】 上記固定金型２内および可動金型３内に流路６，７を形成する。即ち、固定金 型２内の流路６は上記キャビティ４の下方にて蛇行させるとともに、その左右端 ６ｂ，６ａを固定金型２の左右端から外部に開口させ、また可動金型３内の流路 ７は上記キャビティ４の上方にて蛇行させるとともに、その左右端７ｂ，７ａを 可動金型３の左右端から外部に開口させる。

【０００８】 上記各流路６，７の右端６ａ，７ａに継手８，９を介して供給管１０，１１の 左端を着脱可能に接続し、各供給管１０，１１の右端をエア供給源つまりブロワ １２に接続する。また上記各供給管１０，１１の中途に加熱装置つまり電熱式の ヒータ１３，１４を取り付け、該ヒータ１３，１４により供給管１０，１１内を 流通する空気を加熱する。本例では上記ブロワ１２による空気圧力を０.５kg/cm ² とし、ヒータ１３，１４による供給管１０，１１内の空気の温度を約５６０度 （または約７５０度）とし、これにより金型１を約３０分で常温から約２６０度 （または約３４０度）まで昇温させる。

【０００９】 次に上記実施例の作動態様について説明する。固定金型２の上部に可動金型３ を重ねた状態でブロワ１２およびヒータ１３，１４に通電すると、上記ブロワ１ ２から吐出された空気は供給管１０，１１を介して流路６，７に供給され、この 部でヒータ１３，１４により５６０度（または７５０度）に加熱された後、固定 金型２および可動金型３内の流路６，７を流通し、熱交換された後、左端６ｂ， ７ｂから外部に排出する。そして、上記流路６，７部での熱交換により、固定金 型２および可動金型３の温度、つまりキャビティ４の内面の温度が約２６０度（ または３４０度）までに上昇された時点でブロワ１２およびヒータ１３，１４の 通電を遮断する。この遮断はタイマーあるいは金型内に設置した温度センサの信 号によって行なう。上記キャビティ４の内面が所定温度に上昇した後に注湯口５ から溶融した被成形物質を注入し、キャビティ４内に充填、硬化させて所定形状 の成形品を得る。なお、この成形時にヒータ１３，１４の通電を遮断するととも にブロワ１２に通電し、常温の空気を供給管１０，１１を介して流路６，７に供 給し、固定金型２および可動金型３の過熱を防止するようにしてもよい。

【００１０】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな如く、本考案は、金型内にキャビティの側方を通過す る流路を設け、該流路に加熱したエアを流通させて上記金型を予熱するようにし たので、金型を予熱する際に、キャビティ面に不純物が付着したり該キャビティ が熱損傷したりしなくなり、また上記予熱作業が安全にできる効果を奏する。さ らに予熱媒体は無害のエアであるため、熱交換後は金型から直接作業場内に排出 することができ、後処理装置を設ける必要がないので、装置が簡素になる効果を 奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す一部断面平面図である。

【図２】図１の側面図である。

【符号の説明】

１ 金型 ２ 固定金型 ３ 可動金型 ５ 注湯口 ６ 流路 ７ 流路 ８ 継手 ９ 継手 １０ 供給管 １１ 供給管 １２ ブロワ（エア供給源） １３ ヒータ（加熱装置） １４ ヒータ（加熱装置）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金型内にキャビティの側方を通過する流
   路を設け、該流路を金型の外方に配置したエア供給源に
   接続する供給管と、該供給管内を流通するエアを加熱す
   る加熱装置とを設けたことを特徴とする金型の予熱装
   置。