JP2002254138A - 鋳造金型の予熱方法及び予熱システム - Google Patents

鋳造金型の予熱方法及び予熱システム

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JP2002254138A
JP2002254138A JP2001058978A JP2001058978A JP2002254138A JP 2002254138 A JP2002254138 A JP 2002254138A JP 2001058978 A JP2001058978 A JP 2001058978A JP 2001058978 A JP2001058978 A JP 2001058978A JP 2002254138 A JP2002254138 A JP 2002254138A
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heating
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Kazuo Yamaguchi
一雄 山口
Yuji Hiraoka
雄二 平岡
Yoshiyuki Kishida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造品を製造する際の捨て打ち等による不良
率を低下させ、且つ過度な温度差等による金型の損傷を
抑え、寿命を向上させることができる鋳造金型の予熱方
法及び予熱システムを提供する。 【解決手段】 鋳造金型1の内部に設けられた冷却液体
用流路111、121に温水等の加熱液体を流通させ、
且つキャビティ13を形成する鋳造金型の内表面に加熱
空気等の加熱気体を接触させ、金型を加熱し、予熱す
る。加熱液体の温度は70〜95℃、特に80〜90℃
とすることが好ましい。金型にはサーミスタ等の測温素
子を配置し、又は埋設し、温度データに基づいて加熱液
体の流量を調整し、金型内部の予熱温度を所要温度に保
持することが好ましい。また、加熱気体の温度は300
〜700℃、特に350〜600℃とし、加熱気体の温
度によってキャビティを形成する金型の内表面の予熱温
度を制御することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造金型の予熱方
法及び予熱システムに関する。更に詳しくは、鋳造品を
製造する際に金型を所要温度に昇温させるために行われ
る捨て打ちが不要となり、鋳造品の不良率を低下させ、
且つ金型の寿命を向上させることができる鋳造金型の予
熱方法及び予熱システムに関する。
【0002】
【従来の技術】鋳造金型を用いて鋳造品を製造する場合
に、金型を所要温度にまで昇温させないと、溶湯がキャ
ビティ全体に十分に行き渡らず、所定形状の鋳造品を精
度よく製造することができない。そのため、鋳造金型を
予熱した後、溶湯を注湯する方法が採られている。予熱
は、高温の溶湯を注湯し、この溶湯により金型を加熱
し、昇温させる、所謂、捨て打ちといわれる方法により
行われるのが一般的である。この方法では、捨て打ちの
繰り返しにより金型が徐々に昇温し、良品が得られる温
度に到達することになる。その他に、加熱したオイルを
鋳造金型の内部に配設された流路内に循環させて加熱す
る方法、或いは電熱ヒータ、ガスバーナ等により金型外
表面から加熱する方法等による予熱も行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、捨て打ちによ
る方法では、良品が得られる温度に到達するまでに注湯
された溶湯はすべて廃棄されることになる。また、温度
の低い金型に溶湯が注湯されるため、金型の内表面であ
ってキャビティを形成する面(以下、「キャビティ表
面」ということもある。)及びその近傍では溶湯の流動
性が低下し、溶湯が固化してキャビティ表面に固着する
ことがある。これにより、捨て打ち後の鋳造品の品質が
不安定となり、不良率が高くなる。更に、金型の温度が
低い場合は、溶湯が固化する際の収縮が大きく、鋳造金
型からの脱型不良等が発生し、稼働率が低下することも
ある。
【0004】一方、オイルの循環により予熱する場合
は、金型の内部に加熱されたオイルの流路を配設する必
要があるため、金型の内部が複雑な構造となる。また、
金型のキャビティ表面に近接して設けられている冷却液
体用流路を避けて配設しなければならないため、オイル
用流路は、キャビティ表面から離れた位置に配設せざる
を得ない。そのため、必ずしも加熱効率がよいとはいえ
ない。
【0005】更に、電熱ヒータ及びガスバーナ等により
金型の外表面から加熱する予熱方法では、外部からの加
熱であるため効率がよいとはいえない。また、特に、ガ
スバーナによる加熱では、金型表面のピン等の突起部の
先端などは過度に熱せられ易く、この部分の硬さ、強度
及び耐久性等が低下することがある。更に、電熱ヒータ
及びガスバーナ等による加熱では、金型全体を均等に予
熱することは容易ではなく、金型温度を安定して一定に
保持することも困難である。また、この方法によってキ
ャビティ表面を十分に昇温させた場合は、金型全体が高
温になり易く、冷却液体用流路に冷却水等の冷却用液体
を流通させた場合に、急激な温度変化によって金型が大
きく収縮し、過大な応力が発生して金型が破損すること
もある。
【0006】本発明は、上記の従来の問題を解決するも
のであり、鋳造品を製造する場合に、金型を予熱するた
めの捨て打ちが不要となり、結果として鋳造品の不良率
が低下し、且つ金型の寿命を向上させることができる鋳
造金型の予熱方法及び予熱システムを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の鋳造金型
の予熱方法は、内部に冷却液体用流路を有する鋳造金型
の予熱方法であって、上記冷却液体用流路に加熱液体を
流通させ、且つキャビティを形成する上記鋳造金型の内
表面を加熱気体と接触させ、上記鋳造金型を加熱するこ
とを特徴とする。
【0008】この鋳造金型の予熱方法では、溶湯を注湯
して金型を予熱する、所謂、捨て打ちではなく、金型内
部と、キャビティ表面及びその近傍とをそれぞれ異なっ
た手段で加熱することにより、金型を所要温度に予熱す
る。金型内部の加熱は、通常は水等の冷却用液体を流通
させるための流路に、温水等の加熱液体を流通させるこ
とにより行われる。このように、冷却液体用流路を加熱
液体用流路として併用しているため、金型の内部の構造
が複雑にならない。しかも、冷却液体用流路は金型内部
のキャビティ表面の比較的近傍に配設されているため、
加熱液体により金型内部ばかりでなく、キャビティ表面
をも効率よく加熱することができる。
【0009】加熱液体としては、冷却液体用流路を容易
に流通させることができ、流路を汚損したり、腐食した
りすることのない液体であれば特に限定されることなく
用いることができる。この加熱液体としては、温水、加
熱されたオイル又はアルコール等の有機溶媒などが挙げ
られる。これらのうちでは、比熱が大きく、安全であ
り、取り扱い易く、且つ環境汚染の問題もない請求項2
記載の温水が特に好ましい。また、冷却用液体としても
一般に水が使用されるため、同一の流路を同一の液体が
流通することになり、この点でも温水が好ましい。
【0010】加熱液体の温度は、その種類、キャビティ
表面を予熱するために供給される加熱気体の温度などに
より適宜設定することができるが、冷却液体を流通させ
た場合に、温度差が過度に大きくならないように、10
0℃以下にすることが好ましい。この加熱液体の温度は
70〜95℃、特に80〜90℃とすることがより好ま
しく、この範囲の温度であれば金型内部を50〜80
℃、特に60〜70℃に予熱することができる。このよ
うにすれば、冷却時の大きな温度差により金型が損傷す
ることもない。尚、この加熱液体の好ましい温度範囲か
らみても温水が好適であり、この範囲の温度の温水を使
用することにより、金型内部を容易に所要の予熱温度に
保持することができる。加熱液体の温度が70℃未満で
あると、金型内部の予熱が不十分となり、キャビティ表
面を十分に昇温させることも容易ではなく、捨て打ちが
必要となることもあるため好ましくない。
【0011】加熱液体の流通により金型内部とともにキ
ャビティ表面も加熱されるが、キャビティ表面の予熱
は、主としてこの表面を加熱空気等の加熱気体と接触さ
せることによって行われる。このように、加熱液体によ
る金型の内部からの加熱と、加熱気体によるキャビティ
表面の加熱とを組み合わせることにより、金型内部及び
キャビティ表面を所要の予熱温度にまで速やかに昇温さ
せることができ、且つこの温度を容易に保持することが
できる。加熱気体の温度は、その種類、加熱液体の温
度、或いは鋳造される金属によるキャビティ表面の所要
の予熱温度等により設定することができるが、300〜
700℃、好ましくは350〜600℃、より好ましく
は350〜500℃とすることができる。
【0012】加熱気体の温度が上記の範囲にあれば、キ
ャビティ表面を100〜300℃、特に、アルミニウ
ム、マグネシウム等の鋳造に好適な120〜200℃に
予熱することができる。この温度が300℃未満である
と、キャビティ表面が十分に予熱されないことがあり、
700℃を越えると、冷却用液体を流通させる際の急激
な温度変化により、金型の特にキャビティ近傍が損傷す
ることがある。尚、気体による加熱であれば、キャビテ
ィ表面を極めてに均一に加熱することができ、局部的に
過熱されるようなこともまったくない。
【0013】更に、この予熱方法では、鋳造金型にサー
ミスタ等の測温素子を配置し、又は埋設し、この測温素
子により検知された温度に応じて、加熱液体及び加熱気
体のうちの少なくとも一方の流量を調整することが好ま
しい。測温素子は、金型の構造、寸法等により、金型表
面、キャビティ表面及び冷却液体用流路近傍などに、所
要個数を配設することができる。尚、加熱液体による金
型内部の予熱温度は、請求項3記載のように、その流量
を調整することにより容易に、且つ効率的に制御するこ
とができる。また、加熱気体によるキャビティ表面の予
熱温度は、その流量よりも温度を調整して制御したほう
が効率的である。そのため、加熱液体は冷却液体用流路
近傍の温度に基づいて流量を調整し、加熱気体は流量を
一定とし、温度を調整し、予熱温度を制御する方法が特
に好ましい。
【0014】本発明の予熱方法では、鋳造を短時間中止
する場合は、加熱液体及び加熱気体をそのまま連続的に
供給し、金型を所定の予熱温度に保持することができ
る。一方、鋳造を長期間停止する場合は、鋳造開始前の
所定時より加熱液体及び加熱気体の供給を開始し、鋳造
開始時に金型が所定の温度に予熱されているようにする
ことが好ましい。このようにすれば、予熱のコストを低
減することができ、過熱等を防止することもできる。
尚、加熱液体及び加熱気体の供給開始、その継続、併せ
て加熱液体及び加熱気体の温度、流量などを、所定の予
熱温度に応じて総合的に自動制御することによって、よ
り効率的に予熱することができ、結果として優れた品質
の鋳造品を安定して製造することができる。
【0015】請求項4記載の鋳造金型の予熱システム
は、鋳造金型を有する鋳造装置と、該鋳造装置に接続さ
れ、且つ該鋳造金型の内部に形成された冷却液体用流路
に加熱液体を供給するための加熱液体供給手段と、上記
鋳造装置に接続され、且つ上記鋳造金型のキャビティを
形成する内表面に加熱気体を供給するための加熱気体供
給手段と、を備え、上記冷却液体用流路に加熱液体を流
通させ、且つ上記内表面に加熱気体を接触させ、上記鋳
造金型を加熱することを特徴とする。
【0016】鋳造金型は、通常、固定型と移動型とを有
し、これらの各々の型の内部には水等の冷却用液体を流
通させるための冷却液体用流路が形成されている。ま
た、固定型と移動型との相対向する面の間には、閉型
時、鋳造品と略同一の形状となるキャビティが形成され
る。
【0017】加熱液体供給手段は、通常、ボイラ等の加
熱装置、加熱液体の貯溜槽、及びこの貯溜槽から鋳造金
型の内部に形成された冷却液体用流路に加熱液体を移送
し、供給するためのポンプ等により構成される。加熱液
体は、ポンプ等と冷却液体用流路の一端部とを連結する
パイプなどによって供給され、冷却液体用流路の他端部
と貯溜槽とを連結するパイプなどによって貯溜槽に戻さ
れる。貯溜槽に戻された加熱液体は必要に応じて再び加
熱されて冷却液体用流路に供給され、このようにして、
加熱液体は、加熱液体供給手段と冷却液体用流路との間
を循環する。
【0018】加熱気体供給手段は、通常、ガス熱風発生
装置等の加熱装置、加熱気体の貯溜槽、及びこの貯溜槽
からキャビティ表面に加熱気体を移送し、供給するため
のブロワ等により構成される。加熱気体は、キャビティ
表面と十分に接触させることができる限り、どのような
方法により供給してもよいが、ブロワ等と溶湯の注湯口
とを連結するダクトなどによって注湯口から流入させ、
湯道を通ってキャビティの外部へ排出させるようにして
供給することができる。この際に、金型が完全に閉型さ
れた状態では、加熱気体がキャビティ内を十分に流通せ
ず、効率よく加熱することができない。そのため、この
キャビティを形成する移動型と固定型の各々の面を5〜
10mm程度離間させ、加熱気体が流通し易いようにす
ることが好ましい。このようにすれば、所要量の加熱気
体がキャビティ表面と十分に接触することになり、効率
よく加熱することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を更
に詳しく説明する。 (1)鋳造装置 鋳造装置は、図1のように、鋳造金型1と、この金型に
溶湯を射出するための押出機2とを備える。鋳造金型1
は、固定型11と可動型12とを有し、可動型12は型
開閉装置(図示せず)により移動可能となっている。ま
た、固定型11と可動型12の各々の内部には、冷却液
体用流路111、121が配設されており、予熱時には
流路111、121に加熱液体が流通される。閉型時に
は固定型11と可動型12の各々の内面間にキャビティ
13が形成され、このキャビティ13に、押出機2の後
端部側に設けられた注湯口21から投入されたアルミニ
ウム、マグネシウム等の溶湯が、プランジャー22によ
り押し出され、射出される。その後、型開きされ、鋳造
品が取り出される。
【0020】尚、流路111、121は、通常、金型の
内部のキャビティ13の表面近傍に配設される。また、
少なくとも流路111、121の近傍には、サーミスタ
等の測温素子(図示せず)が埋設されている。
【0021】(2)鋳造金型の予熱システム 図1は、実施例において用いた予熱システムの概略を示
す説明図である。この実施例で用いた鋳造金型の予熱シ
ステムは、鋳造金型1の内部に配設された冷却液体又は
加熱液体を流通させるための流路111、121に供給
するための加熱液体の貯溜槽3、加熱液体を所定温度に
昇温させるためのボイラ31、加熱液体を循環させるた
めの循環用ポンプ32、貯溜槽3と流路111、121
の各々の一端部とを連結するパイプ33、及び一端部が
流路111、121の各々の他端部に接続され、他端部
が貯溜槽3に接続されたパイプ34を備える。また、パ
イプ33の中間部には、逆止弁35、パイプ33を加熱
液体の流路として開閉するためのノーマルクローズド電
磁弁36が配設されている。
【0022】パイプ33の、ノーマルクローズド電磁弁
36と流路111、121の各々との中間部には、流路
111、121に冷却用液体を供給するためのパイプ4
の一端部が接続されている。このパイプ4の他端部は冷
却用液体の供給源(図示せず)に接続されており、中間
部にノーマルクローズド電磁弁41が配設されている。
【0023】一方、加熱気体は、加熱気体発生機5にお
いて生成され、この加熱気体は一端部が加熱気体発生機
5に接続されたパイプ51により鋳造装置1へブロワ等
により供給される。パイプ51の他端部は押出機2の後
端部側に設けられた注湯口21に接続され、加熱気体は
湯道を通ってキャビティ13となる空隙部に送られる。
パイプ51の他端部は注湯口21に着脱可能に取り付け
られており、予熱中はパイプ51の他端部が接続されて
おり、鋳造の際にはパイプ51は取り外され、注湯口2
1から溶湯が投入される。
【0024】(3)鋳造金型の予熱方法 以下に、(2)に記載した鋳造金型の予熱システムを用
いた予熱方法について説明する。この実施例では、加熱
液体としては温水を、加熱気体としては加熱空気を用い
た。また、鋳造品はアルミニウム製のダイカスト製品で
あり、温水及び加熱空気の温度、流量をこの鋳造品に最
適な条件として予熱を行った。
【0025】ボイラ31を稼動させて貯溜槽3内の水を
加熱し、約85℃に昇温させた。一方、加熱気体発生機
5では、空気を加熱し、400℃程度に昇温させた。ま
た、鋳造金型1の固定型11と可動型12の各々の相対
向する面の最短距離が5〜10mmとなるように可動型
12を移動させた。その後、循環用ポンプ32の運転を
開始し、同時にノーマルクローズド電磁弁36を作動さ
せ、パイプ33を温水の流路として開とし、固定型1
1、可動型12の各々の内部に配設された流路111、
121に温水を供給した。このようにして鋳造金型1を
内部から加熱した温水は、パイプ34を通って貯溜槽3
に流入させた。
【0026】一方、パイプ51の他端部を注湯口21に
接続した後、加熱気体発生器5を稼動させ、約400℃
の加熱空気を生成させ、150m/分の速度で熱風を供
給した。注湯口21から供給された加熱空気は、湯道か
ら固定型11と可動型12との間の間隙へと流通し、金
型の外部へと排出させた。これにより、閉型時にキャビ
ティ13を形成することとなる固定型11と可動型12
の各々の内表面を加熱した。
【0027】上記のようにして金型の予熱を開始した結
果、金型の内部の予熱温度は65℃程度となり、冷却水
用流路111、121近傍に埋設された測温素子からの
温度データに基づき温水の流量を調整して65±15℃
になるように制御した。この制御は温水の温度の調整に
より行うこともできるが、温度よりも流量のほうが速や
かに変化させることができ、より正確に所定の予熱温度
を保持することができる。また、キャビティ13を形成
することとなる固定型11と可動型12の各々の相対向
する面の予熱温度は150℃程度となり、測温素子から
の温度データに基づき加熱空気の温度を調整して150
±20℃になるように制御した。このように、鋳造金型
の特にキャビティ表面をアルミニウムの鋳造金型に適し
た150℃程度に保持することができるため、捨て打ち
は必要なく、鋳造開始時から良品を製造することがで
き、不良率を大きく低下させることができた。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の鋳造金型の予熱方法によ
れば、キャビティ表面を鋳造に必要な温度に予熱するこ
とができ、且つ金型内部を冷却用液体を流通させた場合
の温度差により、金型が損傷を受けない程度の適温に予
熱することができる。そのため、従来の一般的な予熱方
法である捨て打ちが不要となり、安定した品質の鋳造品
を効率よく製造することができる。また、金型全体を均
等に予熱することができ、部分的に過度に熱せられるこ
ともなく、冷却用液体の導入等による急激な温度変化も
ないため、金型の寿命を向上させることができる。更
に、請求項2記載のように、加熱液体として、通常、冷
却用液体としても用いられる水を使用することにより、
冷却液体用流路を併用することができ、効率よく予熱す
ることができるとともに、金型内部が簡易な構造とな
る。
【0029】また、この予熱方法では、請求項3記載の
ように、金型温度を測定し、この温度に基づいて予熱の
条件を調整することができ、予熱の操作を常時継続する
必要もなく、鋳造開始時に所定の予熱温度になっている
ように適宜操作を開始することができる。このようにす
ることにより、何時でも鋳造を開始することができ、予
熱に要する費用を低減することもできる。
【0030】請求項4記載の鋳造金型の予熱システムに
よれば、請求項1乃至3に記載の予熱操作を容易に行う
ことができ、金型内部及びキャビティ表面を効率よく、
所要温度に予熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において用いた予熱システムの概略を示
す説明図である。
【符号の説明】
1;鋳造金型、11;固定型、12;可動型、111、
121;冷却水用流路、13;キャビティ、2;押出
機、21;注湯口、22;プランジャー、3;貯溜槽、
31;ボイラ、32;循環用ポンプ、33、34;加熱
液体用パイプ、35;逆止弁、36;ノーマルクローズ
ド電磁弁、5;加熱気体発生機、51;加熱気体用パイ
プ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸田 芳幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4E093 NA01 NB05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に冷却液体用流路を有する鋳造金型
    の予熱方法であって、上記冷却液体用流路に加熱液体を
    流通させ、且つキャビティを形成する上記鋳造金型の内
    表面に加熱気体を接触させ、上記鋳造金型を加熱するこ
    とを特徴とする鋳造金型の予熱方法。
  2. 【請求項2】 上記加熱液体が温水である請求項1記載
    の鋳造金型の予熱方法。
  3. 【請求項3】 上記冷却液体用流路近傍の温度に応じて
    上記加熱液体の流量を調整し、予熱温度を所要温度に保
    持する請求項1又は2に記載の鋳造金型の予熱方法。
  4. 【請求項4】 鋳造金型を有する鋳造装置と、該鋳造装
    置に接続され、且つ該鋳造金型の内部に形成された冷却
    液体用流路に加熱液体を供給するための加熱液体供給手
    段と、上記鋳造装置に接続され、且つ上記鋳造金型のキ
    ャビティを形成する内表面に加熱気体を供給するための
    加熱気体供給手段とを備え、上記冷却液体用流路に加熱
    液体を流通させ、且つ上記内表面に加熱気体を接触さ
    せ、上記鋳造金型を加熱することを特徴とする鋳造金型
    の予熱システム。
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