JPH0678758A - カルス細胞の誘導およびタキサン類の製造 - Google Patents

カルス細胞の誘導およびタキサン類の製造

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JPH0678758A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外植片組織からのタキソールなどのタキサン
類を生産しうるカルス細胞の誘導方法、誘導された該カ
ルス細胞、およびタキサン類の懸濁細胞培養におけるこ
れらの細胞の使用方法を提供すること。 【構成】 (a)外植片組織を完全に浸水させずにその少
なくとも一部を液体培地と接触させ、次いで(b)カルス
細胞形成を誘導する工程からなる、外植片組織から少な
くとも一種のタキサンを生産しうるカルス細胞誘導方
法、該方法により誘導されたカルス細胞、および懸濁細
胞培養によるタキサン類の生産におけるこれらの細胞の
使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外植片組織からタキソー
ルなどのタキサン類を生産しうるカルス細胞の誘導方
法、誘導された該カルス細胞、およびタキサン類の懸濁
細胞培養におけるこれらの細胞の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しょうとする課題】タキサン
類は、医薬分野での有効性が認められているジテルペン
化合物である。たとえば、タキソール(taxol)、すなわ
ち式:
【化5】 [式中、Phはフェニル、AcはアセチルおよびBzは
ベンゾイルである]で示されるタキサンは、効果的な抗
癌剤であって、特に卵巣癌の治療に有用であることが知
られている。
【0003】タキソールなどのタキサン類は、植物物質
の中に発見されるものであり、該植物物質から単離され
ている。しかしながら、このようなタキサン類は比較的
少量でしか植物物質中に存在しないため、タキソールの
場合にたとえば、タキソール源となる生育の遅いイチイ
の木が多数必要となる。このため従来より、タキソール
などのタキサン類を得るための別法が探索されてきた。
特に、これらの化合物を懸濁細胞培養により生産するた
めの効果的な方法が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)外植片
組織を完全に浸水させずにその少なくとも一部を液体培
地と接触させ、次いで(b)カルス細胞形成を誘導する工
程からなる、外植片組織から少なくとも一種のタキサン
を生産しうるカルス細胞を誘導する方法を提供する。本
発明方法に従って誘導されたカルス細胞は懸濁細胞培養
によるタキサン類の生産用液体培地へ直接移動させるこ
とができ、分離成長または増殖工程を必要とせず、した
がって全成長時間を短縮することができる。本発明は上
記方法により誘導されたカルス細胞、および懸濁細胞培
養によるタキサン類の生産におけるこれらの細胞の使用
方法も提供する。
【0005】本発明を以下に詳述する。本明細書で用いる語句の定義 「外植片組織(explant tissues)」とは、原植物源から
の組織を意味し、該組織はたとえば、カルス細胞形成用
人工液または固体培地に前もって接触されていない。
「誘導(induction)」とは、前述のカルス細胞形成用外
植片の初期脱分化を意味する。「カルス細胞(callus ce
ll)」とは、該細胞が誘導された外植片組織に比して脱
分化されているすべての細胞を意味する。「固体培地(s
olid medium)」とは、培地を固化するのに十分な量のゲ
ル化剤を含有する培地を意味する。
【0006】「液体培地(liquid medium)」とは、培地
を固化するのに不十分な量のゲル化剤を含有するかまた
は全く含有しない培地を意味する。「分散細胞(dispers
ed cells)」とは、外植片からの脱分化のときに、残り
の外植片に付着せず、したがって周囲の液体培地中で遊
離細胞または遊離細胞クラスターになるカルス細胞また
はカルス細胞クラスターを意味する。「膜浮遊体(membr
ane raft)」とは、シート様外植片支持構造を意味し、
該構造は栄養素の輸送に十分な程度に多孔性であること
が好ましい。「脱分化(dedifferentiation)」とは、分
化組織における変化を意味し、該変化は分化型から未分
化型への細胞型の逆戻りが細胞に緩やかに誘導されるた
めに生じるものである。
【0007】外植片組織 本発明方法に使用しうる外植片組織は誘導されるカルス
細胞がタキサンを生産しうるどのような植物組織でもよ
い。外植片組織源となる植物の具体例としては、アメン
トタクサス(Amentotaxus、ウラジロイヌガヤ)属、アウ
ストロタクサス(Austrotaxus)属、シュードタクサス(Ps
eudotaxus)属、およびトレヤ(Torreya、カヤ)属および
タクサス(Taxus、イチイ)属の植物が挙げられる。好ま
しい植物物質は、タクサス属の植物、たとえばT.ブレ
ビホリア(brevifolia)、T.バッカタ(baccata)、T.x
メディア(media)[タクサス・メディア・ヒックシイ
(Taxusmedia hicksii)など]、T.ワリチアナ(wallich
iana)、T.カナデンシス(canadensis)および特にT.カ
スピダタ(caspidata)、T.フロリジアナ(floridiana)、
T.セレビカ(celebica)およびT.xフンネウェリアナ(h
unnewelliana)である。
【0008】カルス細胞を誘導しうる植物のいずれの部
分も、たとえば樹皮、形成層、根、葉もしくは針葉、
茎、枝、小枝、木質部、胚、種子または実生も外植片源
として使用しうる。好ましくは、根、茎、葉または胚か
ら選ばれる植物器官、特に好ましくは、根端分裂組織
(成長点)または根形成層(根皮)からの根組織、ある
いは樹皮、枝または小枝からの茎組織、種子の未熟胚ま
たは発芽成熟胚からの胚組織を用いる。外植片源として
用いる植物の樹齢および成熟度の範囲は未熟胚、胚、実
生から成年木までの範囲である。茎組織が最も好まし
い。
【0009】本発明での使用に先立って、外植片組織を
使用に適するサイズに切断するのが好ましく、そのサイ
ズとは長さ約1cm〜5cmの範囲である。外植片組織の表
面を使用前に滅菌することも好ましい。滅菌は塩素系漂
白剤、エタノール/水(例えば70%エタノール)溶液
などのアルコール溶液またはそれらの混合物の使用など
の適当な方法によって行うことができる。抗微生物剤も
滅菌およびその維持に使用することができる。
【0010】支持体 液体培地へ完全に浸水させることはカルス誘導にとって
望ましくない状態であるため、本発明で用いる外植片組
織は少なくとも一部が液体培地と接触するような位置に
保持する。したがって、外植片組織の一部が周囲雰囲気
(空気が最も好ましい)と接触し、一方残りの部分が液
体培地と接触するような位置に該組織を保持するような
支持体を用いる。本発明の外植片組織をそのような位置
に保持しうるいずれの支持体も使用できる。外植片組織
は、たとえば、膜浮遊体(これが好ましい)またはスポ
ンジの上に置くことができる。膜浮遊体として用いるの
に好ましい物質は微孔性ポリプロピレンまたは酢酸セル
ロースである。浮遊体の平均孔径が形成する個々のカル
ス細胞の平均直径よりも小さい膜物質が好ましい。カル
ス細胞が膜を通過しないような膜物質がより好ましい。
浮遊体が液体培地の水面下に位置するため、浮遊体の上
下面に液体が存在するような、液体培地の水面が浮遊体
面より上である状態が好ましい。これらの事象により、
分散細胞および特に分散細胞のクラスター形成が促進さ
れる。
【0011】液体培地 カルス細胞を誘導しうるいずれの液体培地も使用でき
る。液体培地の具体例としては、ガンボーグの(Gambo
rg's)B5培地(下記表1)、ムラシゲ−スクーグ(M
urashige and Skoog)培地(下記表2)、アンダーソン
のロドデンドロン(Anderson's Rhododendron)基本
塩類培地(下記表3)、ホワイトの(White's)培地およ
びこれらの培地を応用したものが挙げられる。上記培地
の応用例としては、ショ糖、ブドウ糖または麦芽糖、カ
ザミノ酸(たとえば0.2%)、酵素加水分解カゼイン
(たとえば0.02%)およびグリシン(たとえば0.0
02%)、および種々のオーキシンおよびサイトカイニ
ンの添加が挙げられる。水性ガンボーグのB5培地の使
用が好ましい。
【0012】
【表1】 ガンボーグのB5培地の組成 基本塩類 mg/L 硫酸アンモニウム 134.000 ホウ酸 3.000 無水塩化カルシウム 113.240 塩化コバルト・六水和物 0.025 硫酸銅・五水和物 0.025 ジナトリウムEDTA・二水和物 37.300 硫酸第一鉄・七水和物 27.800 無水硫酸マグネシウム 122.090 硫酸マンガン・一水和物 10.000 ヨウ化カリウム 0.750 硝酸カリウム 2500.000 モリブデン酸ナトリウム・二水和物 0.250 無水一塩基性リン酸ナトリウム 130.500 硫酸亜鉛・七水和物 2.000 ビタミン類 ミオイノシトール 100.0 塩酸チアミン 10.0 塩酸ピリドキシン 1.0 ニコチン酸 1.0 糖類 ショ糖 20000.0 ホルモン類 2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−Dと略す) 1.5
【0013】
【表2】 ムラシゲ−スクーグ培地の組成 基本塩類 mg/L ホウ酸 6.20 無水塩化カルシウム 332.20 塩化コバルト・六水和物 0.025 硫酸銅・五水和物 0.025 ジナトリウムEDTA・二水和物 37.260 硫酸第一鉄・七水和物 27.800 無水硫酸マグネシウム 180.70 硫酸マンガン・一水和物 16.90 ヨウ化カリウム 0.830 硝酸カリウム 1900.00 モリブデン酸ナトリウム・二水和物 0.250 無水一塩基性リン酸カリウム 170.00 硫酸亜鉛・七水和物 8.60 硝酸アンモニウム 1650.00 ビタミン類 ミオイノシトール 100.0 塩酸チアミン 10.0 塩酸ピリドキシン 1.0 ニコチン酸 1.0 糖類 ショ糖 20000.0 ホルモン類 2,4−ジクロロフェノキシ酢酸 1.5
【0014】
【表3】 アンダーソンのロドデンドロン基本塩類培地の組成 基本塩類 mg/L 硝酸アンモニウム 400.00 ホウ酸 6.200 無水塩化カルシウム 332.20 塩化コバルト・六水和物 0.025 硫酸銅・五水和物 0.025 ジナトリウムEDTA・二水和物 74.500 硫酸第一鉄・七水和物 55.70 無水硫酸マグネシウム 180.70 硫酸マンガン・一水和物 16.90 ヨウ化カリウム 0.300 硝酸カリウム 480.00 モリブデン酸ナトリウム・二水和物 0.250 無水一塩基性リン酸ナトリウム 330.60 硫酸亜鉛・七水和物 8.60 ビタミン類 ミオイノシトール 100.0 塩酸チアミン 10.0 塩酸ピリドキシン 1.0 ニコチン酸 1.0 糖類 ショ糖 20000.0 ホルモン類 2,4−ジクロロフェノキシ酢酸 1.5
【0015】
【表4】 ホワイトの基本塩類培地の組成 基本塩類 mg/L ホウ酸 1.50 硝酸カルシウム・六水和物 208.40 硫酸銅・五水和物 0.010 硫酸第一鉄 2.50 無水硫酸マグネシウム 366.20 硫酸マンガン・一水和物 3.788 ヨウ化カリウム 0.750 硝酸カリウム 80.00 硫酸ナトリウム 200.00 無水一塩基性リン酸ナトリウム 16.50 硫酸亜鉛・七水和物 3.00 塩化カリウム 65.00 ビタミン類 ミオイノシトール 100.0 塩酸チアミン 10.0 塩酸ピリドキシン 1.0 ニコチン酸 1.0 糖類 ショ糖 20000.0 ホルモン類 2,4−ジクロロフェノキシ酢酸 1.5
【0016】カルス誘導 カルス細胞は外植片組織/液体培地系を適当な条件下に
維持することによって誘導される。誘導中の温度は約2
0〜30℃が好ましく、約22℃が最も好ましい。液体
培地と接触していない外植片の一部が、たとえば密閉系
によって適切な湿度に制御されている空気と接触するこ
とが好ましい。適切な湿度はたとえば約80〜100%
の飽和点付近である。散光、すなわち通常の室内照明が
好ましい。液体培地に接触する外植片組織の部分が組織
切片の全体積の約10〜25%であることが好ましい。
誘導は約10〜30日間行うことが好ましい。誘導中、
外植片組織に接する液体培地を緩やかに振盪してもよい
が、静止条件が好ましい。
【0017】カルス細胞は残りの外植片組織に接着し
て、および/または残りの外植片組織から剥がれて周囲
液体培地に分散した遊離カルス細胞または遊離細胞クラ
スター(分散細胞)として形成される。本発明誘導方法
実施中に、形成したカルス細胞に初期増殖が起こるもの
もある。本発明方法に従ってカルス細胞を誘導する場
合、固体培地よりはむしろ液体培地を使用することによ
って大きな利点が提供される。特に、比較的乾燥してい
るカルス細胞形成環境において固体培地を使用すると、
外植片組織に接着したカルス形成が誘導される。カルス
細胞が最終的に成長し、液体懸濁細胞培養法でタキサン
を能率的に生産するためには、このような環境において
形成したカルス細胞は液体環境に順応しなけらばならな
い。酸素利用性、浸透性の相異などのため、液体環境へ
順応する間、固体培地に誘導されたカルス細胞は成長速
度およびタキサン生産が減少し、細胞型異常および細胞
溶解が増加する。その上、特に分離・成長工程または増
殖工程中に順応が達成される場合、外植片組織から液体
懸濁細胞培養への全発育時間が延長されることになる。
【0018】本発明方法は上記の難点を克服するもので
ある。液体培地に接触する誘導されたカルス細胞、特に
前述のように誘導された分散カルス細胞は液体懸濁細胞
培養条件によりたやすく順応する。本発明方法によって
誘導されたカルス細胞は分離成長または増殖工程なし
に、液体懸濁細胞培養培地へ直接移動することができ
る。したがって、本発明誘導方法は外植片組織から液体
懸濁細胞培養への全発育時間の短縮および生産性の向上
に有効である。本発明方法にはこのような利点もある。
たとえば、液体培地中でのカルス誘導は固体培地中より
も長時間行いうるため、より多数のカルス細胞を得るこ
とができる。液体培地を用いると、カルス誘導中に生産
されるフェノール樹脂などの不要の化合物が培地中にた
やすく分散され、カルス誘導部位から離れて行く。さら
に、本発明方法によって誘導されたカルスは健康な緑色
をしており、固体培地で誘導されたカルスよりも茶色カ
ルス領域が少ない。
【0019】本発明の好ましい具体例にはさらに利点が
ある。たとえば、分散カルス細胞および分散カルス細胞
クラスターの形成が望ましいのは、そのような細胞が最
もたやすく液体懸濁細胞培養条件に順応するからであ
る。したがって、分散細胞および分散クラスターの形成
とその形成の促進のためには、液体培地の水面が外植片
組織支持体(膜浮遊体など)の面よりも上になるように
して液体培地を外植片組織の十分な部分と接触するよう
にすることが有利である。最も有利には分散細胞のクラ
スターの形成である。液体懸濁細胞培養系に移したと
き、分散細胞クラスターは最大細胞成長とタキサン放出
に必要な臨界量に最もすばやく達する。したがって、外
植片組織支持体を通って分散細胞クラスターが移動しな
いような支持体の使用が好ましい。たとえば、平均孔径
が個々の分散細胞の平均直径よりも小さい孔を有する膜
浮遊体を使用することにより、該浮遊体面上に細胞クラ
スターが保持され、膜を通って細胞が移動することから
細胞クラスターが崩壊して個々の細胞になることが防止
される。
【0020】タキサン生産 さらに本発明は少なくとも1種のタキサンの生産方法を
提供し、該方法は、(A)前述の本発明カルス細胞誘導
方法に従って、少なくとも一種のタキサンを生産しうる
カルス細胞を誘導し、次いで(B)該細胞を液体懸濁細
胞培養系で培養して該タキサンを生産する工程からな
る。中間の分離成長または増殖工程を行うことなく、工
程(A)から工程(B)へと進行するのが好ましい。こ
こで「分離成長または増殖工程」とは、工程(A)と工
程(B)を行った場所から物理的に離れた場所へ細胞を
移動し、カルス細胞の成長または増殖を行うことを意味
する。
【0021】このような方法で生産しうるいずれのタキ
サンの懸濁細胞培養も本発明の範囲に包含される。1種
または2種以上のタキサンが本発明方法の実施中に生産
されると考えられる。上記本発明方法の培養工程(B)
は当業者に公知の懸濁細胞培養法に従って実行する。米
国特許第5019504号参照。使用する培地の具体例
としては、前記誘導培地に関して論じたものが挙げられ
る。それらの培地にさらに寒天(たとえば0.1%)ま
たはフィタゲル(phytagel)(たとえば0.025%)
を加えてもよい。懸濁細胞培養中の温度は約22〜25
℃、相対湿度は約40〜60%、振盪速度は約30〜2
00回転/分(RPM)が好ましい。カビ誘発剤、バナ
ジル硫酸、3,4−ジクロロフェノキシトリエチル(ア
ミン)などの誘導剤を添加してもよい。アルギン酸カル
シウムビーズに封入した細胞および0.1%寒天を培地
へ添加することによって得られるスラリーに封入した細
胞を用いてタキサンを生産することもできる。
【0022】培養により生産されたタキサン類は当業者
に公知の方法で回収することができる。たとえば、吸収
性ビーズを用いるとタキソールなどのタキサンの回収が
促進される。タキソールなどのタキソールの生産中に培
養培地に残存するビーズもまたタキサン生成物に結合す
ることによってその生産を増加させる。さらに、細胞上
澄み液またはビーズからのタキサン生産物の抽出はエー
テルまたは塩化メチレンなどの溶媒でたやすく行なえ
る。
【0023】タキサン化合物 タキサン類は,
【化6】 のタキサン炭素骨格を有するジテルペン化合物であり、
該骨格はエチレン不飽和結合をその環系に有している
(たとえば、11,12−位がエチレン結合で結合す
る)。医薬的に活性あるいは不活性なすべてのタキサン
類の製造が本発明の範囲に包含される。原外植片組織中
に認められる(すなわち自然発生)かあるいは認められ
ない本発明のカルス細胞によってタキサン類は生産され
る。本発明の細胞培養法によって生産しうるタキサン類
の具体例として、下記一般式(I):
【化7】 で示されるタキサンが挙げられる。式中、R1,R2,R
3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11
12,R13,R14,R15,R16および「a」の定義を次
表5〜9に示す。
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】
【表8】
【0028】
【表9】
【0029】脚注 注1/「ceph」とは、
【化8】 を意味する。「tax」とは、
【化9】 を意味する。「taxsub」とは、
【化10】 を意味する。「taxot」とは、
【化11】 を意味する。 注2/「キシロシル」とは、
【化12】 を意味する。 注3/「a」とは、11位と12位の間に存在する二重
結合を意味する。 注4/「α」とは、
【化13】 で示される、上記タキサン環構造平面より下になる基の
立体構造を意味する。「β」とは、
【化14】 で示される、上記タキサン環構造平面より上になる基の
立体構造を意味する。 注5/「オキセタン」とは、
【化15】 部分が
【化16】 であることを意味する。 注6/「シクロ」とは、
【化17】 で示される基がタキサンのA環に
【化18】 のように結合して形成される環基を意味する。 注7/「エポキシド」とは、
【化19】 部分が
【化20】 であることを意味する。
【0030】本発明の細胞培養法で生産されるタキサン
類は下記式(II):
【化21】 または式(III):
【化22】 で表わすこともできる。上記式中、R4はケト(=O)
またはアセチルオキシ;R7は水素、α−ヒドロキシま
たはβ−ヒドロキシ;R9はアセチルオキシ、シンナモ
イルオキシまたはヒドロキシ;R10およびR11は一緒に
なってメチレンまたはエポキシド基を形成;R12は水
素、ベンゾイルオキシまたはアセチルオキシ;およびR
17は水素またはアセチルオキシである。好ましいタキサ
ンとしては、タキソール、バッカチンIII、10−デ
スアセチルバッカチンIII、10−デスアセチルタキ
ソール、キシロシルタキソール、7−エピバッカチンI
II、7−エピタキソールおよび/または10−デスア
セチル−7−エピタキソールが挙げられる。タキソール
の細胞培養生産が本発明の特に好ましい具体例である。
【0031】タキサン類は癌の治療などの医薬分野での
有用性が認められる化合物である。タキソールは医薬的
活性タキサンの典型例であるが、たとえば、白血病の軽
減用化学療法剤として後に米国特許第4206221号
で報告されたセファロマンニンも典型例のひとつであ
る。本発明は、このような医薬的に活性なタキサン類の
製造法、ならびに僅かに活性または不活性なタキサン類
あるいは活性の低いタキサン類であって、他の医薬的に
活性なタキサン類の製造中間体として有用な物質の製造
法に関する。したがって、本発明方法において、細胞培
養を通じて、タキサン出発物質を得るための効果的な方
法が提供されることにより、医薬的に活性なタキサン類
の製造が促進される。
【0032】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明方法をより具体
的に説明するが、これらの実施例によって本発明の技術
的範囲が制限されることはない。 実施例1カルス細胞の誘導およびタキソールの生産 タクサス・メディア・ヒックシイの植物茎を70%アル
コールおよび25%漂白剤で滅菌した後、外植片を切り
出す。長さがおよそ2〜3cmの各外植片をガンボーグの
B5基本塩類とビタミン類(前記表1参照)、ショ糖
(2%)、2,4−D(1.5mg/L)およびカザミノ酸
(2g/L)からなる培地に浮遊している微孔性ポリプロ
ピレン膜浮遊体に置く。高湿度を維持するためにポリプ
ロピレンの蓋で堅く閉めることができる4×4インチの
ポリカーボネート容器に、培地と膜を入れる。
【0033】外植片を浮遊体に置く前に、容器と培地を
標準条件にてオートクレーブで15分間処理する。外植
片を浮遊体に置いた後、上記培地5〜10mlを外植片上
に加える。カルスが発生するまで浮遊体を22℃で3〜
4週間インキュベートする。インキュベーション後、外
植片とカルスを除去し、浮遊体上に残っている遊離細胞
をピペットで取り、125mlフラスコ中で寒天0.1g/L
を加えた上記ガンボーグの培地25mlを加える。もしも
細胞の数が少ないようであれば、数個の浮遊体からの遊
離細胞をひとつのフラスコに合わせ入れてもよい。植え
付けたフラスコを22℃、湿度45%、散光下で50R
PMにてインキュベートする。
【0034】3週間後、フラスコを回収し、タキソール
を分析する。懸濁フラスコは0.01〜0.02mg/Lのタ
キソールを含有することが認められ、それは乾燥細胞重
量に基づくと0.0002〜0.0004%タキソール/
乾燥細胞重量で表される。セファロマンニンおよびバッ
カチンIIIなどの他のタキサン類の存在も検出され
る。2回の実行の結果を下記表に示す。
【表10】 回 タキソール収量(μg/ml) 乾燥細胞重量(mg/ml) 1 0.0207 5.5 2 0.0131 5.7
【0035】培地の応用 タクサス・メディア・ヒックシイの植物茎を70%アル
コールおよび25%漂白剤で滅菌した後、外植片を切り
出す。長さがおよそ2〜3cmの各外植片をアンダーソン
のロドデンドロン基本塩類(前記表3参照)とガンボー
グのビタミン類(前記表1参照)、ショ糖(2%)、
2,4−D(1.5mg/L)およびカザミノ酸(2g/L)か
らなる培地に浮遊している微孔性ポリプロピレン膜浮遊
体に置く。高湿度を維持するためにポリプロピレンの蓋
で堅く閉めることができる4×4インチのポリカーボネ
ート容器に、培地と膜を入れる。
【0036】外植片を浮遊体に置く前に、容器と培地を
標準条件にてオートクレーブで15分間処理する。外植
片を浮遊体に置いた後、上記培地5〜10mlを外植片上
に加える。カルスが発生するまで浮遊体を22℃で5〜
10週間インキュベートする。インキュベーション後、
外植片とカルスを除去し、浮遊体上に残っている遊離細
胞をピペットで取り、125mlフラスコ中で寒天0.1g
/Lを加えた上記アンダーソンの培地25mlを加える。
(上記実施例1の記載のように、数個の浮遊体からの遊
離細胞をひとつのフラスコに合わせ入れてもよい。)植
え付けたフラスコを22℃、湿度45%、散光下で50
RPMにてインキュベートする。
【0037】3週間後、フラスコを回収し、タキソール
を分析する。懸濁フラスコは0.0194mg/Lのタキソ
ールを含有することが認められ、それは乾燥細胞重量に
基づくと0.0062%タキソール/乾燥細胞重量で表
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーブン・アール・シュワルツ アメリカ合衆国ニュージャージー州ミルタ ウン、リバ・アベニュー23番 (72)発明者 ダナ・エル・カズリノ アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨー ク、リバーサイド・ドライブ33番 アパー トメント15ディ

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)外植片組織を完全に浸水させずにそ
    の少なくとも一部を液体培地と接触させ、次いで(b)カ
    ルス細胞形成を誘導する工程からなる、外植片組織から
    少なくとも一種のタキサンを生産しうるカルス細胞を誘
    導する方法。
  2. 【請求項2】 該外植片組織がタクサス科の植物起源で
    ある請求項1記載の誘導方法。
  3. 【請求項3】 植物が、T.ブレビホリア、T.バッカ
    タ、T.xメディア、T.ワリチアナ、T.カナデンシ
    ス、T.カスピダタ、T.フロリジアナ、T.セレビカお
    よびT.xフンネウェリアナから選ばれる請求項2記載
    の誘導方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一種のタキサンがタキソー
    ル、10−デスアセチルセファロマンニン、7−エピタ
    キソール、10−デスアセチル−7−エピタキソール、
    7−エピセファロマンニン、バッカチンIII、タキソ
    テル、10−デスアセチルバッカチンIII、セファロ
    マンニン、10−デスアセチルタキソール、キシロシル
    タキソール、キシロシルセファロマンニン、7−エピバ
    ッカチンIII、タキサギフィン、8−ベンゾイルオキ
    シタキサギフィン、9−アセチルオキシタクサシン、9
    −ヒドロキシタクサシン、タイワンキサム、タキサンI
    a、タキサンIb、タキサンIcおよび/またはタキサ
    ンIdから選ばれる請求項1記載の誘導方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも一種のタキサンがタキソー
    ル、バッカチンIII、10−デスアセチルバッカチン
    III、10−デスアセチルタキソール、キシロシルタ
    キソール、7−エピバッカチンIII、7−エピタキソ
    ールおよび/または10−デスアセチル−7−エピタキ
    ソールから選ばれる請求項4記載の誘導方法。
  6. 【請求項6】 タキサンがタキソールである請求項5記
    載の誘導方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも一種のタキサンが式(I
    I): 【化1】 および/または式(III): 【化2】 [式中、R4は、ケト(=O)またはアセチルオキシ;
    7は水素、α−ヒドロキシまたはβ−ヒドロキシ;R9
    はアセチルオキシ、シンナモイルオキシまたはヒドロキ
    シ;R10およびR11は一緒になってメチレンまたはエポ
    キシド基を形成;R12は水素、ベンゾイルオキシまたは
    アセチルオキシ;およびR17は水素またはアセチルオキ
    シである]で示されるタキサンである請求項1記載の誘
    導方法。
  8. 【請求項8】 外植片組織が膜浮遊体またはスポンジで
    支持される請求項1記載の誘導方法。
  9. 【請求項9】 外植片組織が膜浮遊体で支持される請求
    項8記載の誘導方法。
  10. 【請求項10】 膜浮遊体が微孔性ポリプロピレンまた
    は酢酸セルロースである請求項9記載の誘導方法。
  11. 【請求項11】 液体培地の水面が浮遊体面より上にあ
    る請求項9記載の誘導方法。
  12. 【請求項12】 分散カルス細胞または分散細胞クラス
    ターが形成され、さらに少なくともいくつかの該分散細
    胞または分散細胞クラスターが浮遊体面上に残存する請
    求項11記載の誘導方法。
  13. 【請求項13】 膜浮遊体の平均孔径が個々の分散細胞
    の平均直径よりも小さい多孔性構造の浮遊体である請求
    項12記載の誘導方法。
  14. 【請求項14】 液体培地が水性ガンボーグのB5培
    地、ムラシゲ−スクーグ培地、アンダーソンのロドデン
    ドロン基本塩類培地またはホワイトの培地である請求項
    1記載の誘導方法。
  15. 【請求項15】 液体培地がガンボーグのB5培地であ
    る請求項14記載の誘導方法。
  16. 【請求項16】 液体培地と接触する外植片組織の部分
    が該組織全体の体積の約10〜25%である請求項1記
    載の誘導方法。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の誘導方法に従って誘導
    されるカルス細胞。
  18. 【請求項18】 請求項12記載の誘導方法に従って誘
    導される分散カルス細胞または分散細胞クラスター。
  19. 【請求項19】 (A)請求項1記載の誘導方法に従っ
    て、少なくとも一種のタキサンを生産しうるカルス細胞
    を誘導し、次いで(B)該細胞を液体懸濁細胞培養系で
    培養して該タキサンを生産する工程からなる少なくとも
    一種のタキサンの生産方法。
  20. 【請求項20】 工程(A)と工程(B)の間に、分離
    成長または増殖工程を行わない請求項19記載の生産方
    法。
  21. 【請求項21】 少なくとも一種のタキサンがタキソー
    ル、10−デスアセチルセファロマンニン、7−エピタ
    キソール、10−デスアセチル−7−エピタキソール、
    7−エピセファロマンニン、バッカチンIII、タキソ
    テル、10−デスアセチルバッカチンIII、セファロ
    マンニン、10−デスアセチルタキソール、キシロシル
    タキソール、キシロシルセファロマンニン、7−エピバ
    ッカチンIII、タキサギフィン、8−ベンゾイルオキ
    シタキサギフィン、9−アセチルオキシタクサシン、9
    −ヒドロキシタクサシン、タイワンキサム、タキサンI
    a、タキサンIb、タキサンIcおよび/またはタキサ
    ンIdから選ばれる請求項19記載の生産方法。
  22. 【請求項22】 少なくとも一種のタキサンがタキソー
    ル、バッカチンIII、10−デスアセチルバッカチン
    III、10−デスアセチルタキソール、キシロシルタ
    キソール、7−エピバッカチンIII、7−エピタキソ
    ールおよび/または10−デスアセチル−7−エピタキ
    ソールから選ばれる請求項21記載の生産方法。
  23. 【請求項23】 タキソールが生産される請求項22記
    載の生産方法。
  24. 【請求項24】 式(II): 【化3】 および/または式(III): 【化4】 [式中、R4は、ケト(=O)またはアセチルオキシ;
    7は水素、α−ヒドロキシまたはβ−ヒドロキシ;R9
    はアセチルオキシ、シンナモイルオキシまたはヒドロキ
    シ;R10およびR11は一緒になってメチレンまたはエポ
    キシド基を形成;R12は水素、ベンゾイルオキシまたは
    アセチルオキシ;およびR17は水素またはアセチルオキ
    シである]で示されるタキサンが生産される請求項19
    記載の生産方法。
  25. 【請求項25】 外植片組織がカルス細胞形成用人工液
    または固体培地に前もって接触していない請求項1記載
    の誘導方法。
  26. 【請求項26】 外植片組織がカルス細胞形成用人工液
    または固体培地に前もって接触していない請求項19記
    載の生産方法。
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