JPH06296493A - タキソールの生産方法 - Google Patents

タキソールの生産方法

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JPH06296493A
JPH06296493A JP5087561A JP8756193A JPH06296493A JP H06296493 A JPH06296493 A JP H06296493A JP 5087561 A JP5087561 A JP 5087561A JP 8756193 A JP8756193 A JP 8756193A JP H06296493 A JPH06296493 A JP H06296493A
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JP
Japan
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culture
medium
taxol
plant
taxus
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5087561A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Ohashi
広明 大橋
Masamichi Takami
正道 高見
Makoto Tawara
誠 田原
Tetsuo Sakamoto
哲雄 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 イチイ属植物の組織培養による効率のよいタ
キソールの生産方法を提供する。 【構成】 イチイ属植物の組織培養に通常用いられる培
地にジベレリン類を添加した液体培地で前記培養を行う
ことを特徴とするタキソールの生産方法を提供する。培
養細胞中のタキソール含有量を低減することなく、該細
胞の効率の良い増殖が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イチイ属(Taxus)に
属する植物から組織培養によって誘導された培養細胞の
液体培養による増殖法に関する。かかる増殖された植物
細胞は抗腫瘍剤であるタキソールの生産に利用できる。
【0002】
【従来の技術】タキソールは有望な抗腫瘍剤であり、ア
メリカ合衆国およびカナダにおいては卵巣ガンの治療薬
として認可を受けている。タキソールはタイヘイヨウイ
チイの樹皮抽出物から精製、供給されているが、タイヘ
イヨウイチイの生育は極めて遅く、かつ利用できる資源
は枯渇しつつある。このためイチイの組織培養が検討さ
れているが、組織培養による増殖は遅く、タキソールの
生産効率は低い。例えば、Biotechnology,Vol. 10,
p1572−1575,1992年によれば液体培養中
では25日間で2.8倍にしか増殖しない。また、培養
中の褐変死や成長阻害もしばしば観測されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イチイ属植
物の組織培養によるタキソールの生産方法に関し、液体
培養での増殖速度を高め、より効率よく生産するもので
あり、もって、タキソールを安定的に供給することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、前記課題を解決すべくイチイ属(Taxus)に属する
植物の組織培養における増殖率の向上について鋭意検討
したところ、特にジベレリン類を含む液体培地を用いる
ことによって、イチイ属植物の組織培養細胞単位重量あ
たりのタキソール量が低下することなく増殖が促進され
る効率の良いタキソールの生産に成功して本発明を完成
した。すなわち、本発明は、イチイ属(Taxus)に属す
る植物の培養細胞の増殖を高める方法を提供することに
よって上記課題を解決する。
【0005】植物組織培養においてジベレリン(以下
「GA」と略す)は原基が形成された後成長調節剤とし
て利用されるのが一般的である(D.C.W.Brown,
T.A.Thorpe.「Cell Culture and Somatic C
ell Genetics of Plants 」,Ed.I.K.Vasil,
Vol.l, P18−26,Academic Press, Inc.,19
84)。ワタの未熱胚珠の培養でGAにより繊維形成が
起こることは良く知られた例である(C.A.Beasle
y, 「Cell Culture and Somatic Cell Genetics
of Plants 」,Ed.I.K.Vasil, Vol.l, P2
32−40,Academic Press, Inc.,1984)。ま
た、胚珠培養以外にも成長点培養や茎頂培養にも用いら
れる例は多い。しかしながら、本発明のごとく液体培養
での成長促進に利用された例は、従来技術文献に未載で
ある。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
液体培養の基本培地にはShenk &Hildebrandt培地(以
下、「SH」培地と略す)、Murashige & Skoog培
地、GamborgのB5培地、White培地、Nitsch & Nit
sch 培地、Nagata & Takebe 培地およびWood Plant
培地などを用いることができるが、本発明ではこの中で
もSH培地を用いて調製される培地が好ましい。
【0007】これらの基本培地にさらに植物ホルモンと
してジベレリン(以下「GA」と略す)、例えば、2,
4a,7−トリヒドロキシ−1−メチル−8−メチレン
ジブ−3−エン−1,10−カルボン酸1−4ラクトン
(GA3 )および2,4a−ジヒドロキシ−1−メチル
−8−メチレンジブ−3−エン−1,10−カルボン酸
1−4ラクトン(GA4 )などを用いる。本発明で使用
される培地におけるGAの添加濃度は0.1mg/lから
5mg/lであるが、中でも特に1mg/lが望ましい。そ
の他の植物ホルモンとして、オーキシン類、たとえば1
−ナフタレン酢酸、インドール−3−酢酸、インドール
−3−酪酸、および2,4−ジクロロフェノキシ酢酸な
ど;サイトカイニン類、例えばベンジルアデニン(以下
「BA」と略す)、ゼアチンおよび6−フルフリルアミ
ノプリンなどを用いることができる。
【0008】本発明では、カルスおよび培養細胞を既に
公知である方法(国際公開WO92/13961号明細
書参照)に従ってタキサス・ブレビフォーリア(Taxus
brevifolia )、タキサス・バッカータ(Taxus bacca
ta)、タキサス・カスピダータ(Taxus cuspidata)の
胚乳を用いて固形培地上でカルスを誘導し、増殖したも
のを用いる。増殖したカルスを本発明の培地、例えば基
本培地としてSH培地を用いGAおよび上記の植物ホル
モンを加えた培地に移して増殖させる。液体培地中の初
期カルス濃度は液体培地1lに対し約5gから約15g
(新鮮重)程度が望ましい。
【0009】本発明の組織培養における培養温度として
は、通常は約10℃から約30℃、この中でも特に20
℃から25℃が好適であり、培養温度を10℃未満にす
ると増殖速度は低下し、培養温度を35℃以上にすると
増殖速度の低下および細胞の褐変死が生じる。培養液は
振とうする方が良く、静止したままでは成育は阻害され
る。振とうは激しすぎても成長は阻害され、ストローク
半径10ないし15cmでは100ないし200rpm の速
度で振とうするのが好ましい。pHは4ないし7の範囲
が好ましく7以上では著しい成育の阻害が起こる。
【0010】本発明の方法においては、培養終了後培養
液をナイロンメッシュなどのフィルターを用い、ろ過に
より培養細胞を分離し、次に分離した培養細胞より目的
とするタキソールを有機溶媒による抽出等の方法により
分離することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の方法を実施例により更に具体
的に説明する。実施例1 タイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia NUTT. 、以下
「PY」と略す)の仮種皮を取り除いた冷蔵種子を70
%W/Wエタノール水溶液に1分間浸漬後、有効塩素濃
度1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に20分間浸漬し、
滅菌水で3回洗浄して表面を滅菌した。滅菌後、無菌下
で外種皮を除き胚乳を得た。10mg/lのBA、1mg/
lのGA3 を含み、pHを5.8に調整したSH培地
(0.25%ゲルライト(商標)により固化)に植え付
け、20℃で培養し約2カ月後にカルスを得た。このカ
ルスを均等に二分し、一方を5mg/lNAAと1mg/l
GA 3 を含むpHを5.8に調整したSH培地(液体培
地100ml)に継代し、他方は5mg/lNAAのみを含
み、pHを5.8に調整したSH培地(液体培地100
ml)に継代した(対照実験1)。両者を100rpm の速
度で振盪培養し、20℃で37日間培養後、培養細胞を
培地から分離し回収量を求めた。また、両者の細胞から
塩化メチレン−メタノール1:1の混合溶媒を用いてタ
キソールを抽出し、HPLCにてタキソールの含有量を
測定した。結果を表1に示す。
【0012】実施例2 実施例1においてヨーロッパイチイ(Taxus baccata L
INN 、以下「EY」と略す)をタイヘイヨウイチイの代
わりに使用し、42日間培養した以外は対照実験(対照
実験2)も含めて同様に行った。結果を表1に示す。
【0013】実施例3 実施例1においてイチイ(Taxus cuspidata SIEB. et
ZUCC. 、以下「JY」と略す)をタイヘイヨウイチイの
代わりに使用し、48日間培養した以外は対照実験(対
照実験3)も含め同様に行った。結果を表1に示す。
【0014】実施例4 実施例1においてGA3 の代わりにGA4 を使用した以
外は対照実験(対照実験4)も含め同様に行った。結果
を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、イチイ属植物の組織培
養によるタキソールの生産方法であって、培養細胞の効
率のよい増殖方法を含んでなる方法が提供される。この
結果は、イチイ属植物の組織培養用培地としてジベレリ
ン類を含む液体培地を使用することにより達成される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) (72)発明者 高見 正道 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 田原 誠 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 坂本 哲雄 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イチイ属(Taxus)植物の組織培養をジ
    ベレリン類含有栄養液体培地で行い、得られた培養細胞
    からタキソールを採取することを特徴とするタキソール
    の生産方法。
  2. 【請求項2】 ジベレリン類が、GA3 (2,4a,7
    −トリヒドロキシ−1−メチル−8−メチレンジブ−3
    −エン−1,10−カルボン酸1→4ラクトン)である
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ジベレリン類が、GA4 (2,4a−ジ
    ヒドロキシ−1−メチル−8−メチレンジブ−3−エン
    −1,10−カルボン酸1→4ラクトン)である請求項
    1記載の方法。
JP5087561A 1993-04-14 1993-04-14 タキソールの生産方法 Withdrawn JPH06296493A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7264951B1 (en) 1992-02-20 2007-09-04 Phyton, Inc. Enhanced production of taxol and taxanes by cell cultures of Taxus species
CN102640710A (zh) * 2012-05-21 2012-08-22 上海应用技术学院 一种红豆杉叶片愈伤组织的诱导和继代培养的方法及其所用的培养基
CN102657091A (zh) * 2012-05-21 2012-09-12 上海应用技术学院 一种南方红豆杉胚离体成苗技术及其所用的培养基
CN102687667A (zh) * 2012-06-19 2012-09-26 湖南农业大学 一种红豆杉成熟胚乳诱导单倍体胚乳愈伤组织的方法
JP2012217441A (ja) * 2011-04-14 2012-11-12 Housetec Inc タキサン類の生産方法、およびカルス誘導方法
US8338143B2 (en) 1996-05-24 2012-12-25 Phyton Holdings, Llc Enhanced production of paclitaxel and taxanes by cell cultures of Taxus species

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