JPH0678686U - スプリンクラー取り付け用フレキシブルチューブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】フレキシブルチューブとブレードとの両端部を
リングに結合させる手段として、接着作用のある硬化材
を用いることにより溶接熱影響や塑性加工による残留応
力のないスプリンクラー取り付け用フレキシブルチュー
ブを得る。 【構成】フレキシブルチューブと、その外側を被覆する
ブレードとの両端部を、硬化材を充填硬化して両部材の
端部に外被させたリングに一体に結合させてなる。 こ
れにより溶接熱影響によるピンホールや腐食発生のおそ
れがなく、漏水の危険がなくなること、また塑性加工に
よる残留応力をなくし、シール性の向上と破壊や漏水の
ない耐久性の高い高強度のスプリンクラー取り付け用フ
レキシブルチューブを得ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、配管とスプリンクラーのヘッドとの間に接続されるスプリンクラー 取り付け用フレキシブルチューブの改良に関し、フレキシブルチューブの耐久性 と強度、ならびにシール性の向上をはかることを目的とする。

【０００２】

【従来の技術】

従来のスプリンクラー取り付け用フレキシブルチューブは、フレキシブルチュ ーブとブレードと接続ネジとを、それぞれの端部において共付け溶接したもの（ 実開昭６０−１０６６２号）や、フレキシブルチューブの両端部に口金を外嵌せ しめ、且つフレキシブルチューブに被覆させたブレードの両端を前記口金の外周 に嵌合させたうえで、該ブレードの両端をリングにて固定するようにした、所謂 塑性加工を施したもの（実公昭５８−４６８３５号）などが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前者のものにあっては溶接部にピンホールがあきやすいばかり でなく、溶接部に大きな加熱応力がかかって腐食しやすくなるために、漏水の大 きな原因となる。 また後者のものにあっても、塑性加工部分の残留応力が腐食 を促進し、やはり破壊や漏水の可能性が大きくなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案にあっては、上記した従来技術における種々の課題を解決し、腐 食の原因を減少させることにより破壊や漏水の発生を防ぎ、しかも高シール性と 高い引っ張り強度を確保することにより耐久性を向上させるようにしたものであ って、具体的にはフレキシブルチューブおよびその外側を被覆するブレードの両 端部と、両部材の端部に外被させたリングとの間に硬化材を充填硬化させて一体 に結合させてなるスプリンクラー取り付け用フレキシブルチューブに関する。

【０００５】 また本考案は、フレキシブルチューブと、その外側を被覆するブレードとの両 端部を、それらの端部に外被させたリングに一体に結合させるために介在される 硬化材は、硬化型樹脂を用いるものであるところのスプリンクラー取り付け用フ レキシブルチューブにも関する。

【０００６】 さらに本考案は、フレキシブルチューブと、その外側を被覆するブレードとの 両端部を、硬化材を介して両部材の端部に外被させたリングに一体に結合させる とともに、上記フレキシブルチューブとリングの両端部を溶接してなるところの スプリンクラー取り付け用フレキシブルチューブにも関する。

【０００７】 さらに本考案は、フレキシブルチューブと、その外側を被覆するブレードとの 両端部を、硬化材を介して両部材の端部に外被させたリングに一体に結合させる とともに、フレキシブルチューブと、その外側を被覆するブレードとの端部に外 被させたリングの自由端を、ブレードの外周面に当接する程度に内側にカシメつ けてなるスプリンクラー取り付け用フレキシブルチューブにも関する。

【０００８】

【作用】

フレキシブルチューブの端部と、ブレードの端部とを硬化材によりリングに一 体に結合させることにより、結合部分の加熱応力や残留応力が全く生ずることが ない。 その結果結合部分のピンホールの発生や、腐食による破壊や漏水のトラ ブルを無くすことができる。

【０００９】

【実施例】

以下において本考案の具体的な内容を図１の実施例をもとに説明すると、１は フレキシブルチューブ、２はブレード、３はスプリンクラーヘッドや配管に接続 するためのリング、４は硬化材をあらわす。 フレキシブルチューブ１はステン レスの筒状体を蛇腹状に順次長さ方向に向けて構成することにより、柔軟に折り 曲げが可能にされ、またブレード２は同じくステンレスの細い多数のワイヤを縦 横に編み組みして筒状体となし、フレキシブルチューブ１の外側周面を被覆補強 するように構成されている。

【００１０】 リング３はステンレスまたは鉄あるいは真鍮、鋳物などの材質からなり、フレ キシブルチューブ１とブレード２の両部材の端部に外被することができる大きさ に成型され、外側周面にネジ部３ｂが施されているとともに、その片側には内側 に軸芯方向に延びるフランジ３ａが、また反対側には自由端部３ｃが形成されて いる。

【００１１】 さらに硬化材４は、ゴム系またはアクリル系その他の一液型熱硬化性樹脂、あ るいはエポキシ系その他の二液型常温硬化性樹脂、ＡＢＳやＰＢＴ等の高温液化 常温硬化型成型用樹脂、または一液型エポキシ樹脂など広い範囲の接着性のある 材料の中から選択が可能である。

【００１２】 フレキシブルチューブ１と、その外側を被覆するブレード２との両端部を、硬 化材４を介して両部材２．４の端部に外被させたリング３に一体に結合させる場 合の具体的な工程について図２以下の工程図をもとに説明すると、まずフレキシ ブルチューブ１の端部を補強するために、該端部より１山から３山程度の山間の 凹部にワイヤーＸを周方向に巻き付けた後、該部分を圧し潰す（図２参照）。

【００１３】 つぎにブレード２を外被させたフレキシブルチューブ１の端部をリング３内に 、フランジ３ａに突き当たるまで挿入し、ブレード２を避けたチューブ１の端部 とリング３のフランジ３ａとにＴＩＧ溶接Ｗを施す（図３参照）。 つぎにブレ ード２をチューブ１の長さ方向に沿ってリング３から離れる方向にずらし、チュ ーブ１とリング３の内面との間に、硬化材圧入ポンプＰ等の硬化材挿入手段を用 いて硬化材４を挿入し（図４参照）、さらに前記したブレード２を再びリング３ 内にずらし込んで、その端部を充填された硬化材４内に浸漬させ、そのまま一定 時間放置するなどして挿入した硬化材４を硬化させることにより、フレキシブル チューブ１とブレード２とフランジ３とを、共に一体的に結合させる。（図５参 照）。

【００１４】 なお必要に応じてリング３の自由端部３ｃをブレード２の外周面に当接する程 度に内側にカシメつけてブレード２とチューブ１とを固定すると強度を一層増す ことができる。 この場合には図５に示したように、二つ割り可能なカシメ型６ を用い、このカシメ型の径小部６ａを台座５にはめ込むとともに、硬化材４を充 填したフレキシブルチューブ１を、ブレード２側を先頭にしてカシメ型６の開口 部より差し込み、リング３の自由端部３ｃを内面傾斜部７に突き当てるとともに 、カシメ型６の開口部側よりプレスヘッド８によりリングのフランジ３ａをカシ メ型６内に圧入させて、上記自由端部３ｃを内面傾斜部７に沿って変形させるこ とにより内側にカシメつける。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は上記した通り、フレキシブルチューブおよびその外側を被覆するブレ ードの両端部と、両部材の端部に外被させたリングとの間に硬化材を充填硬化さ せて一体に結合させてなるものであるために、溶接熱によるピンホールや腐食発 生のおそれがなく、漏水の危険がなくなること、また塑性加工による残留応力も 全くなく、したがってシール性がよく、破壊や漏水のおそれのない耐久性の高い 高強度のスプリンクラー取り付け用フレキシブルチューブを得ることができる。

【００１６】 また同時にフレキシブルチューブとリングの両端部を溶接し、さらにフレキシ ブルチューブと、その外側を被覆するブレードとの端部に外被させたリングの自 由端を、ブレードの外周面に当接する程度に内側にカシメつけるようにした場合 には、より一層強度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるスプリンクラー取り付
け用フレキシブルチューブの要部半裁断面図。

【図２】本考案に係るスプリンクラー取り付け用フレキ
シブルチューブの加工工程をあらわすところの、要部を
分解した半裁断面図。

【図３】本考案に係るスプリンクラー取り付け用フレキ
シブルチューブの加工工程をあらわした要部半裁断面
図。

【図４】本考案に係るスプリンクラー取り付け用フレキ
シブルチューブの加工工程をあらわした、硬化材の注入
状態を示す要部半裁断面図。

【図５】本考案に係るスプリンクラー取り付け用フレキ
シブルチューブの加工工程をあらわすものでリングの自
由端をカシメ付けるために、プレス機に挿入した状態の
要部半裁断面図。

【符号の説明】

１ フレキシブルチューブ ２ ブレード ３ リング ３ａ フランジ ３ｂ ネジ部 ３ｃ 自由端部 ４ 硬化材 ５ 台座 ６ カシメ型 ６ａ 径小部 ７ 内面傾斜部 ８ プレスヘッド

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレキシブルチューブおよびその外側を被
   覆するブレードの両端部と、両部材の端部に外被させた
   リングとの間に硬化材を充填硬化させて一体に結合させ
   てなるスプリンクラー取り付け用フレキシブルチュー
   ブ。
2. 【請求項２】フレキシブルチューブと、その外側を被覆
   するブレードとの両端部を、それらの端部に外被させた
   リングに一体に結合させるために介在される硬化材は、
   硬化型樹脂を用いるものであるところの請求項１に記載
   のスプリンクラー取り付け用フレキシブルチューブ。
3. 【請求項３】フレキシブルチューブとリングの両端部を
   溶接してなるところの請求項１に記載のスプリンクラー
   取り付け用フレキシブルチューブ。
4. 【請求項４】フレキシブルチューブと、その外側を被覆
   するブレードとの端部に外被させたリングの自由端を、
   ブレードの外周面に当接する程度に内側にカシメつけて
   なる請求項１および３に記載のスプリンクラー取り付け
   用フレキシブルチューブ。