JPH0678493A - モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータ、減速ギアで発生する振動、騒音の伝
播を遮断し、低騒音化を図る。 【構成】 モータ部固定用のゴム製のリング部材１２の
外周部に金属製の当て板１４ａ〜ｃを装着し、締結部材
１０を前記当て板１４ａ〜ｃに押し当ててモータ部をケ
ーシング１に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、電動ロールス
クリーンの駆動用として使用される細形のモータに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図４は、従来の細形モータおよびこの細
形モータが組み込まれた電動ロールスクリーンの構成を
表した図である。一般に、電動ロールスクリーンを駆動
するこの種のモータは、円筒状のケーシング１に、モー
タ部を構成する直流モータ２、減速ギア３の他、ブレー
キ部４並びにエンコーダ５を一列に連結して収納した一
体型として構成されている。電動ロールスクリーンの巻
取りパイプ６には、減速ギア３の出力軸７がカップリン
グ８を介して連結されている。この巻取りパイプ６は、
ケーシング１よりも直径が大きくかつ長さの長い円筒状
の部材で、ケーシング１と同軸的に組み付けられ、スク
リーン９の一端が固着されている。従って、直流モータ
２の駆動により、巻取りパイプ６はケーシング１の外側
を回転し、スクリーン９が巻き取られ、あるいは送り出
されるようになっている。その際、エンコーダ５によっ
て直流モータ２の回転数が検出されて、スクリーン９の
位置決め制御が行なわれ、ブレーキ部４の作動により任
意の位置に保持されるように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
細形モータでは、直流モータ２などの部品は減速ギア３
の部分で取り付けねじ１０を用いて直接ケーシング１に
固定しているので、直流モータ２の回転中に発生する振
動は、取り付けねじ１０を介してケーシング１に伝わる
構造となっている。そして、場合によっては、ケーシン
グ１と共振して振動、騒音が一層増大する欠点があっ
た。そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問
題点を解消し、モータ、減速ギアで発生する振動、騒音
の伝播を遮断し、低騒音化を図ったモータを提供するこ
とにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、モータ部を円筒状のケーシングに収納し
てなるモータにおいて、モータ部固定用のゴム製のリン
グ部材の外周部に金属製の当て板を装着し、締結部材を
前記当て板に押し当ててモータ部をケーシングに固定す
ることを特徴としている。また、本発明は、前記モータ
部は減速ギアを備え、前記減速ギアのギアヘッド部の外
周に凹部を形成するとともに、前記リング部材の内径部
に前記凹部に嵌合する凸部を形成したことを特徴とす
る。さらに、本発明は、ゴム製のリングと金属製のリン
グを同軸に交互に重ねた多層のリング部材を外嵌し、こ
のリング部材を介してモータ部をケーシングに固定する
ことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本発明によれば、材質がゴムであるリング部材
に吸収されてモータ部で発生した振動の伝播が遮断され
て、締結部材を介してケーシングまで伝わらないので、
振動、騒音が抑制される。また、締結部材の締め付け力
が当て板によって分散されてリング部材に作用するの
で、リング部材の局所的な変形、破損が生ぜず、モータ
部はしっかりとリング部材によって保持される。

【０００６】そして、ゴム製のリング部材にギアヘッド
部の凹部に嵌合する凸部を設けることにより、この凸部
の分だけリング部材のゴムの厚さが厚くなり、一層防
振、防音効果が高まる。

【０００７】さらに、本発明によれば、リング部材は、
金属とゴムの多層構造となっているので、直流モータ、
減速ギアにて発生する振動は、リング部材のゴム層によ
って吸収され、振動、騒音が絶縁される。しかも、この
ように金属の間にゴムを挟んだサンドイッチ構造とする
ことにより、取り付け強度が十分向上する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明によるモータの一実施例につい
て添付の図面を参照して説明する。本実施例による細形
のモータの全体の構成は、図４と同様に構成されるもの
であり、以下、モータ部の要部を表した図１に基づき、
従来例と同一の構成要素には同一の符号を付して説明す
る。

【０００９】ケーシング１内に収納される直流モータ
（図示せず）には、減速ギア３が連結され、この減速ギ
ア３には小径の円筒状のギアヘッド部１１が減速ギア本
体と一体に形成されている。このギアヘッド部１１から
突出した出力軸７には、カップリング（図示せず）を介
して巻取りパイプが連結されるようになっている。前記
ギアヘッド部１１にはゴム製のリング部材１２が外嵌
し、このリング部材１２を用いて、モータ部はケーシン
グ１に対して固定される。この場合、リング部材１２の
外径は、ケーシング１の内径とほぼ等しい寸法となって
おり、また、図２に示すように、このリング部材１２の
外周部には中心に関して対称な位置にそれぞれ１２０°
偏位して側溝１３ａ乃至１３ｃが形成され、これら側溝
１３ａ乃至１３ｃに、それぞれ金属製の当て板１４ａ乃
至１４ｃが装着されている。

【００１０】一方、ギアヘッド部１１の外周には、中心
に関してそれぞれ１２０°偏位する凹部１５ａ乃至１５
ｃが形成されている。これに対応するように、リング部
材１２の内径部には前記溝１５ａ乃至１５ｃに嵌合する
凸部１６ａ乃至１６ｃが突出している。

【００１１】しかして、リング部材１２は、ゴムを材質
としているので、ギアヘッド部１１に対して容易に嵌め
込むことができ、リング部材１２の凸部１６ａ乃至１６
ｃがギアヘッド部１１の凹部１５ａ乃至１５ｃに係合す
る。そして、図１（ａ）に示すように、６角穴付きの止
めねじ１７ａ乃至１７ｃをそれぞれケーシング１の外側
からその先端が当て板１４ａ乃至１４ｃに押し当たるま
でねじ込まれる。これによって、モータ部は、リング部
材１２によってモータ部は固定される。このとき止めね
じ１７ａ乃至１７ｃの締め付け力が当て板１４ａ乃至１
４ｃによって分散されてリング部材１２に作用するの
で、リング部材１２の局所的な変形、破損が生ぜず、モ
ータ部はしっかりとリング部材１２によって保持され
る。

【００１２】また、直流モータ２が回転することによっ
て発生する振動は、材質がゴムであるリング部材１２に
吸収されてその伝播が遮断されるので、従来のように止
めねじ１７ａ乃至１７ｃを介してケーシング１まで伝わ
るのが防止される。振動、振動音の一部は、直流モータ
２、減速ギア３の外周とケーシング１の内周面との間の
空間から空気伝搬するが、ケーシング１自体の防音効果
により遮断される。さらに、リング部材１２に凸部１６
ａ乃至１６ｃを設け、ギアヘッド部１１の凹部１５ａ乃
至１５ｃに嵌合させるようにしているので、この凸部１
６ａ乃至１６ｃの分だけリング部材１２のゴムの厚さを
厚くすることができ、一層防振、防音効果を高めること
ができる。

【００１３】次に、他の実施例について、図３を参照し
て説明する。この実施例では、ギアヘッド１１に外嵌し
てモータ部を固定するリング部材は、前記実施例と異な
り、次のように構成されている。すなわち、図３（ａ）
は、モータ部の要部の縦断面図、図３（ｂ）はその正面
図で、リング部材１８は、同軸的に交互に金属製のリン
グ２０ａ、ゴム製のリング２０ｂ、金属製のリング２０
ｃを重ねた多層構造の部材として構成されている。以上
のような構成において、リング部材１８は、ケーシング
１の外側からねじ込まれる止めねじ１７ａ乃至１７ｃが
最外層のリング２０ｃに螺入することによって固定され
る。しかして、リング部材１８は、金属とゴムの多層構
造となっているので、直流モータ２、減速ギア３にて発
生する振動は、中間層のゴムを材質とするリング２０ｂ
によって吸収され、ケーシング１に対して振動、騒音が
絶縁される。また、このように金属の間にゴムを挟んだ
サンドイッチ構造とすることにより、取り付け強度を十
分高めることができる。

【００１４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ゴム製のリング部材の外周部に金属製の当て
板を装着し、締結部材を前記当て板に押し当ててモータ
部をケーシングに固定するように構成されているので、
リング部材の材質のゴムによりモータ部で発生する振
動、音が吸収され、ケーシングまでの振動伝播が絶縁さ
れ、振動、騒音の低減を達成することができるととも
に、当て板によってゴムの局所的な変形、破損を防止し
てモータ部の取り付け強度を高めることができる。ま
た、前記のギアヘッド部の外周には凹部を形成し、ゴム
製のリング部材の内径部に前記凹部に嵌合する凸部を形
成することにより、リング部材の厚さが増すので一層振
動吸収効果を高めることができる。さらに、本発明によ
れば、ゴム製のリングと金属製のリングを同軸に交互に
重ねた多層のリング部材を介してモータ部をケーシング
に固定するように構成されているので、モータ部で発生
した振動はリング部材の要素をなすゴムによって吸収さ
れ、ケーシングへの伝播が絶縁されるとともに、金属と
ゴムのサンドイッチ構造によりモータ部の十分な取り付
け強度を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるモータの一実施例の要部を示す図
で、図１（ａ）はモータ部の正面図、図１（ｂ）はモー
タ部の縦断面図。

【図２】モータ部に組み込まれるリング部材を示す図
で、図２（ａ）は正面図、図２（ｂ）は断面図。

【図３】他の実施例によるモータの要部を示す図で、図
３（ａ）はモータ部の正面図、図３（ｂ）はモータ部の
縦断面図。

【図４】従来の細形のモータが組み込まれた電動ロール
スクリーンの縦断面図である。

【符号の説明】

１ ケーシング ２ モータ ３ 減速ギア ４ ブレーキ部 ５ エンコーダ ６ 巻取りパイプ ７ 出力軸 ８ カップリング ９ スクリーン １８ リング部材 ２０ａ 金属製リング ２０ｂ ゴム製リング ２０ｃ 金属製リング

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】モータ部を円筒状のケーシングに収納して
   なるモータ部固定用のモータにおいて、モータ部固定用
   のゴム製のリング部材の外周部に金属製の当て板を装着
   し、締結部材を前記当て板に押し当ててモータ部をケー
   シングに固定することを特徴とするモータ。
2. 【請求項２】前記モータ部は減速ギアを備え、前記減速
   ギアのギアヘッド部の外周に凹部を形成するとともに、
   前記リング部材の内径部に前記凹部に嵌合する凸部を形
   成したことを特徴とする請求項１に記載のモータ。
3. 【請求項３】モータ部を円筒状のケーシングに収納して
   なるモータにおいて、ゴム製のリングと金属製のリング
   を同軸に交互に重ねた多層のリング部材を介してモータ
   部をケーシングに固定することを特徴とするモータ。